JPH06340578A - 2−ケト−3−メチル−4−ヒドロキシ吉草酸の新規 光学活性形 - Google Patents

2−ケト−3−メチル−4−ヒドロキシ吉草酸の新規 光学活性形

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JPH06340578A
JPH06340578A JP6093534A JP9353494A JPH06340578A JP H06340578 A JPH06340578 A JP H06340578A JP 6093534 A JP6093534 A JP 6093534A JP 9353494 A JP9353494 A JP 9353494A JP H06340578 A JPH06340578 A JP H06340578A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然アミノ酸L−4−ヒドロキシイソロイシ
ン(II)を原料として重要なフレーバ剤であるフラノ
ン誘導体およびその前駆物質ならびにその製造法を提供
する。 【構成】 原料(II)をL−アミノ酸オキシダーゼと
あるいはこの酵素をもつ微生物と反応させ、反応混合物
からフレーバ前駆物質としてのケトペンタン酸(I)を
そのナトリウム塩として単離し、あるいは(I)のナト
リウム塩を酸性媒質中で加熱閉環せしめてフラノン誘導
体とする。この加熱閉環を食品材料中で行なうことによ
りその場でフレーバ剤をつくり出すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は式、
【化4】 〔式中、C原子4は(S)−配置を有し、C原子3は
(R)−配置または(S)−配置を有しうる〕を有する
2−ケト−3−メチル−4−ヒドロキシ吉草酸の二つの
新規光学活性形に関する。
【0002】本発明はまた化合物Iを製造するための微
生物学的方法に関する。
【0003】本発明方法は式、
【化5】 を有する4−ヒドロキシイソロイシン(2S,3R,4
S)(=L−4−ヒドロキシイソロイシン)をL−アミ
ノ酸オキシダーゼ(EC 1.4.3.2)活性を有す
る微生物と、あるいはL−アミノ酸オキシダーゼと反応
させることを包含する。
【0004】化合物Iは式、
【化6】 を有する光学活性(5S)−3−ヒドロキシ−4,5−
ジメチル−2(5H)−フラノンを製造するための興味
ある中間体である。
【0005】IIIのラセミ体はきわめて低い閾値を有
する重要なフレーバ剤である(H.Sulser,M.
Habegger,W.Buechi,Z.Leben
sm.Unters.Forsch.(1972),1
48,215)。
【0006】本発明は人工的でない方法を用いて天然原
料からのIIIの製造を可能にするものである。
【0007】従って、生物工学的方法でこの物質III
を製造できる方法をここに開発できたのである。
【0008】コロハ Trigonellum foe
num graecum L.の種子はIならびにII
Iの原材料として特に適している。
【0009】コロハの種子は比較的多量の(種子1kg
当り5g)遊離L−4−ヒドロキシイソロイシンを含有
するので〔L.Fowden,H.M.Pratt,
A.Smith,Phytochemistry(19
73),12,1707〕、このTrigonellu
m種子中に存在する遊離アミノ酸IIを、ここに発見さ
れた生物変換方式を用いることにより簡単に先ずIへ変
換できる。
【0010】前記の通り、この変換はIIを、L−アミ
ノ酸オキシダーゼ(EC 1.4.3.2.)活性を有
する微生物と、あるいはL−アミノ酸オキシダーゼその
ものと反応させることにより可能である。
【0011】この反応は次のように進行する:
【化7】
【0012】この反応によって生ずる2−ケト−3−メ
チル−4−ヒドロキシ吉草酸(I)のジアステレオマー
形は、例えば金属塩として、例えばアルカリ金属塩また
はアルカリ土類金属塩として、例えばナトリウム塩ある
いはカリウム塩として簡単に単離できる。その遊離酸は
非常に不安定であり、自然に閉環して光学活性ラクトン
IIIになる。
【0013】L−4−ヒドロキシイソロイシンをIに変
換しうる非常に広範囲の微生物、例えば細菌、真菌、お
よび藻類がIIの生物変換に適している。
【0014】好ましい生物は高いL−アミノ酸オキシダ
ーゼ活性を有するものである。これにはAmphiro
a,Gymnogongrus属などの藻類;Neur
ospora属等の真菌;Proteus,Provi
dencia,Morganella,Coryneb
acterium属などの細菌が属する。Proteu
s,ProvidenciaおよびMorganell
a属の細菌、例えば Proteus vulgaris (DSM
2140,3265) Proteus mirabilis (ATC
C 15290) Providencia rettgeri (ATC
C 9250) Morganella morganii (DSM
30117) あるいはNeurospora属の真菌;例えばNeu
rospora crassa(FGSC 988およ
び2963)が特に好適である。
【0015】実際の生物変換に先立ち、微生物を適当な
栄養培地で深部培養で培養するのが都合がよい。この目
的に対し通常の複合培地および化学的に定義された培地
の両方を使用できるが、ただし生物変換に必要なL−ア
ミノ酸オキシダーゼの(新規)生合成が起こる限りにお
いてである。これらの詳細は当業者により容易に実証さ
れる。適切な炭素源および窒素源に加えて、栄養培地は
無機塩、微量元素および遊離アミノ酸を含むのが都合が
よい。
【0016】糖、好ましくはグルコースあるいはサッカ
ロース、が炭素源として都合よく用いられる。窒素源は
無機化合物でも有機化合物でもよく、例えばアンモニウ
ム塩、好ましくは硫酸アンモニウムおよび硝酸アンモニ
ウム、硝酸塩、酵母エキスまたはペプトンなどがある。
【0017】通常、栄養培地は塩類、例えば硫酸塩類、
リン酸塩類、または塩化物類、特に次の元素、マグネシ
ウム、カリウムおよびカルシウムの塩類、ならびに微量
元素、鉄、亜鉛、マンガン、ホウ素、コバルト、銅およ
びモリブデンも含有する。Neurospora cr
assaの場合には、ビタミン ビオチンの添加が不可
欠である。
【0018】使用される遊離アミノ酸は都合よく、タン
パク質加水分解物、好ましくはカゼインおよびダイズタ
ンパク質加水分解物から得られるものであり、また個々
のアミノ酸の場合には対応する発酵に由来する。ロイシ
ン、メチオニンおよびフェニルアラニンが好ましい。
【0019】上記栄養分の割合は発酵様式によって決め
るのが都合よく、各場合に応じて当業者にとって公知の
仕方で決定するのが都合よい。例えば、グルコースある
いはサッカロースの濃度は本発明方法の実施に対し約5
から約50g/lの範囲が適切であり、約10から約2
0g/lの範囲内の濃度が好ましい。好ましい窒素源で
ある硫酸アンモニウムまたは硝酸アンモニウムは約0.
03から約5g/l、特に約0.06から約2g/lの
範囲で添加される。
【0020】使用される鉱物質塩は約0.05から約1
0g/l、特に約0.1から約5g/lの範囲で添加す
るのが都合がよい。痕跡元素は各場合に約0.005か
ら約20mg/l、特に約0.01から約5mg/lの
濃度範囲で用いるのが普通であり、例えば水溶液として
添加される。
【0021】アミノ酸源として使用されるタンパク質加
水分解物は約5から約50g/l、特に約10から約2
0g/lの範囲で都合よく添加される。アミノ酸、例え
ばロイシン、メチオニンまたはフェニルアラニンの添加
に関して選ばれる量は、約0.1から約5g/l、特に
約0.2から約2g/lの範囲が都合よい。
【0022】Neurospora crassaの培
養に要求されるビタミン ビオチンは約1から約20μ
g/l、特に約2から約5μg/lの範囲で添加するの
が都合がよい。
【0023】発酵温度は、本質的には用いた微生物によ
って左右されるが、約10から約50℃、特に約20か
ら約37℃までの間が都合がよい。栄養培地のpH値は
通常は約4から約10、好ましくは約5から約8の範囲
にある。好ましい発酵時間、即ち発育完了までの時間は
約10から約100時間、特に約18から約72時間で
ある。
【0024】発酵後、細胞を栄養培地から機械的に分離
し、洗浄し、そのまま変換に使用するのが都合がよい。
しかし、細胞から調製された固定化細胞あるいは粗抽出
物、ならびに例えば単離された遊離形あるいは固定化形
のL−アミノ酸オキシダーゼ製剤もL−4−ヒドロキシ
イソロイシン(II)の変換に使用できる。この変換の
基本は酸化過程であるので、好ましくは反応混合物を強
く振盪するかあるいは更に通気するのがよい。
【0025】所望の場合には細胞からの酵素の単離は当
業者にとって公知の方法で、例えば機械的崩壊および精
製により、例えばイオン交換クロマトグラフィーおよび
(または)吸着クロマトグラフィー等により行なわれる
ことができる。
【0026】生物変換は約4から約8、特に約5から約
7のpH範囲で行なうのが好ましい。本発明による変換
は通常は約10から約40℃の温度で、好ましくは20
から37℃で行なう。抽出物(educt)L−4−ヒ
ドロキシイソロイシン(II)を反応溶液へ約0.5か
ら約5%(w/v)、好ましくは約1から約2%、の量
で添加する。
【0027】II:酵素の比率は反応に余り多くの時間
を要しないように、例えば約6から約24時間を越えな
いように選ぶのが都合がよく、そしてこれは2、3回の
実験により解明できる。反応停止後、反応の進行を通常
のアミノ酸分析、即ち化合物IIの消失を調べるための
分析、により追求できる。反応混合物をγ−ヒドロキシ
酸に対して公知の方法でラクトン化する、即ち酸、例え
ば希リン酸で約1から約3、好ましくは約1.5から約
2.5のpH値まで酸性にし、その後加熱することによ
りラクトン化するのが都合がよい。この熱処理は約70
から約95℃の温度範囲で、好ましくは約80℃で、約
20から約90分、好ましくは約30から約60分行な
うのが都合がよい。
【0028】溶液は有機溶媒、例えばエステル、特に酢
酸エチル、あるいはエーテル、例えばメチルtert−
ブチルエーテル、を用いて公知の方法に従い、例えば向
流抽出装置で抽出できる。その後溶媒は蒸留により除去
するのが都合がよく、生成物はフレーバ工業で習慣とな
っている担体、例えば油、主として落花生油、あるいは
例えばクエン酸トリエチルにとる。
【0029】しかし、IIの生物工学的変換後に得られ
るIを含有する無細胞反応混合物は、直接担体、例えば
マルトデキストリンあるいは他のデンプン誘導体と混合
し、(噴霧)乾燥することもできる。この生成物は選ば
れた食品のフレーバ付与のため(III)のフレーバ前
駆物質として使用できる。これらは熱処理にかけようと
する食品である。熱処理(煮沸、焼成、油揚げ、グリル
加熱、焙焼、マイクロウェーブ処理など)は約80から
約250℃の温度範囲で約2から約30分行なうのが都
合がよい。使用する前駆物質(I)の量は、例えば約1
ppbから約5ppm(最終製品中)を変化しうる。
【0030】下記の例は本発明を例示するものである。
【0031】例1 2−ケト−3−メチル−4−ヒドロキシ吉草酸(=4−
ヒドロキシ−3−メチル−2−ケトペンタン酸)(I)
の単離および同定
【0032】(a) コロハ Trigonella
foenum graecum L.の種子からL−4
−ヒドロキシイソロイシン(II)の単離
【0033】L−4−ヒドロキシイソロイシンの抽出と
精製はL.Fowden,H.M.Prattおよび
A.Smith(Phytochemistry(19
73),12,1707)に従い実施した。Trigo
nella foenumgraecum L.の種子
4kgから12gの精製L−4−ヒドロキシイソロイシ
ンが単離された(収量62%)。純度>97%(アミノ
酸分析)。光学施光度:〔α〕D 20=+32.3°〔c
1(即ち、1g/100ml)、H2 O〕。 文献値:31.0°。 (b) Morganella morganiiを用
いるL−4−ヒドロキシイソロイシン(II)の生物変
【0034】発酵器中pH7、温度30℃でMorga
nella morganii(DSM No.301
17)を栄養培地A(表1)中で20時間培養した。そ
の後、細胞を遠心し、0.02Mリン酸ナトリウム緩衝
液(pH7.0)で洗浄し、0.05Mリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH7.0)中に再浮遊させ、混合物を65
0nmにおいて20の光学密度(あるいは100倍希釈
後O.D.0.2)に調整した。この細胞浮遊液を振盪
フラスコに加え、L−4−ヒドロキシイソロイシン7.
7ミリモル/lで処理した。振盪機上30℃で6時間の
インキュベーション後、L−4−ヒドロキシイソロイシ
ンの供給量が完全に反応した。細胞を反応混合物から遠
心により分離し、得られた上澄を凍結乾燥した。
【表1】 表1:栄養培地A グルコース 10.0 g/l カゼイン水解物 10.0 g/l Na2 HPO4 .2H2 O 11.9 g/l KH2 PO4 4.5 g/l (NH4 2 SO4 1.0 g/l MgSO4 .7H2 O 0.1 g/l CaCl2 .2H2 O 4 mg/l FeSO4 .7H2 O 0.5mg/l
【0035】(c) 2−ケト−3−メチル−4−ヒド
ロキシ吉草酸(I)のナトリウム塩の単離
【0036】凍結乾燥残留物をメタノールで抽出し、メ
チルtert−ブチルエーテルの添加により(I)のナ
トリウム塩を常法によって沈殿させた。これまで未知の
この物質は下記の物理的性質を示した。
【0037】融点: 144℃(分解) 光学旋光度: 〔α〕D 20:+18.49°(c0.8
4,メタノール中) IR: 1720cm-1,1630cm1 ,13
90cm-1,1130cm-1 1 H−NMR:δ=4.18ppm(2×q),3.1
8(2×q),1.20(2×d),1.05(2×
d) MS: (電子スプレーイオン化)145.1
(M- ),101.1,57.2,313.1(2M-
Na+ ),481.3(3M- 2Na+ ),649.4
(4M- 3Na+ ),817.6(5M- 4Na+
(陰イオンクラスター)。
【0038】(d) 2−ケト−3−メチル−4−ヒド
ロキシ吉草酸(I)から(5S)−3−ヒドロキシ−
4,5−ジメチル−2(5H)−フラノン(III)へ
の変換
【0039】(I)のナトリウム塩840mgをH2
50mlに溶かし、希リン酸でpH2.0にした。溶
液を85℃で30分保ち、冷却後酢酸エチル2×50m
lで抽出した。溶媒除去後、320mg(収率50%)
の(III)が分離された。この物質(III)は分取
薄層クロマトグラフィー(シリカゲル60)により精製
した後に、光学旋光度:〔α〕D 20:21.66°(ク
ロロホルム中c1.0)を示した。
【0040】例2 例1記載のようにMorganella morgan
iiの細胞を発酵器で培養し、遠心し、洗浄し、その後
光学密度20(650nm)に調節した。L−4−ヒド
ロキシイソロイシン7.7ミリモル/lを加えた後、細
胞浮遊液をエルレンマイヤーフラスコ中30℃で振盪し
た。L−4−ヒドロキシイソロイシンの供給量は18時
間後完全に反応した。反応混合物から細胞を遠心により
分離し、透明な上澄を希リン酸でpH2.5に調節し
た。加熱(30分、80℃)後、溶液を半容量の酢酸エ
チルで2回抽出した。溶媒の除去後、黄色を帯びた油が
分離した。(III)の収率:65%。
【0041】例3 例1に従いMorganella morganiiの
細胞を発酵器で培養し、遠心し、その後水で洗浄した。
細胞を2%アルギン酸ナトリウム中に再浮遊させ、Ca
Cl2 (2%)のかきまぜた溶液中に室温で一滴一滴加
えた。小ビーズとして分離した固定化細胞を水で十分に
洗浄し、その後L−4−ヒドロキシイソロイシンの変換
に用いた。この目的のため、沈降した固定化細胞の一部
分をL−4−ヒドロキシイソロイシンの溶液(11.2
5ミリモル/l)で処理し、エルレンマイヤーフラスコ
中30℃で振盪した。4−ヒドロキシイソロイシンの供
給量は24時間後に完全に反応した。この反応混合物か
ら固定化細胞を吸引フィルター上に分離し、注意深く水
洗した。透明な濾液を例2と同様に更に処理した。(I
II)の収率:60%。
【0042】例4 Providencia rettgeri(ATCC
9250)を発酵器中pH7、温度30℃で、栄養培
地A(表1)の中で20時間培養した。その後、細胞を
遠心し、0.02Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
0)で洗浄し、0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH
7.2)中に再浮遊させ、650nmにおいて20の光
学密度に調節した。この細胞浮遊液を振盪フラスコに加
え、7.7ミリモル/lの4−ヒドロキシイソロイシン
で処理した。振盪機上30℃で16時間インキュベーシ
ョン後、添加された量の4−ヒドロキシイソロイシンが
完全に反応した。この反応混合物から細胞を遠心分離
し、上澄液を例2のように更に処理した。(III)の
収率:60%。
【0043】例5 Neurospora crassa(FGSC 98
8)を2リットル振盪フラスコ中pH6.0、温度25
℃で、栄養培地B(表2)の中で48時間培養した。精
製綿の四重の層に通して菌糸体を濾過し、水でよく洗浄
し、凍結乾燥し、その後ホモジナイザーを用いて微粉砕
した。菌糸体粉末5gを50mlの0.1Mリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.2)と混合し、40℃で30分
かきまぜた。不溶の細胞成分を遠心により除去し、透明
な上澄液を7.7ミリモル/lのL−4−ヒドロキシイ
ソロイシンで処理した。30℃で18時間のインキュベ
ーション時間後、供給量のL−4−ヒドロキシイソロイ
シンが完全に反応した。得られた4−ヒドロキシ−ケト
酸(I)から(III)への変換を例2に従って実施し
た。収率:60%。
【表2】 表2:栄養培地B サッカロース 20.0 g/l クエン酸ナトリウム.5H2 O 3.0 g/l KH2 PO4 5.0 g/l (NH4 )NO3 0.08 g/l MgSO4 .7H2 O 0.2 g/l CaCl2 .2H2 O 0.1 g/l L−フェニルアラニン 0.73 g/l ZnSO4 .7H2 O 5.0 mg/l Fe(NH4 2 (SO4 2 .6H2 O 1.0 mg/l CuSO4 .5H2 O 0.25mg/l MnSO4 .1H2 O 0.05mg/l H3 BO3 0.05mg/l Na2 MoO4 .2H2 O 0.05mg/l
【0044】例6 例5記載の粗抽出物をL−アミノ酸オキシダーゼの共有
結合固定化に用いた。抽出物50mlを1.0Mリン酸
カリウム緩衝液(pH7.5)に対して透析し、10g
のアクリル樹脂粒Eupergit(登録商標)(Ro
ehm Pharma,Weiterstandt,ド
イツ)と混合した。この懸濁系を室温で24時間放置
し、その後樹脂を2リットルの0.1Mリン酸カリウム
緩衝液(pH7.2)で洗浄した。この固定化酵素製剤
を例3記載のようにL−4−ヒドロキシイソロイシン
(7.7ミリモル)と30℃で24時間反応させた。反
応混合物からの固定化酵素の分離は吸引濾過により行な
い、その上澄液を例2記載のように更に処理した。(I
II)の収率は55%であった。
【0045】例7 メープルシロップ フレーバ 下記の組成を有する2種類のメープルシロップ フレー
バを調製した:
【表3】 重 量 部 ペルーバルサム 5 5 バニラエキス 50 50 酪酸(天然) 5 5 フロノール(天然15%) 10 10 ローストベース(天然) 5 5 例2記載のIII(トリアセチン中0.1%) − 150 トリアセチン 925 775 1000 1000
【0046】上記フレーバを比較したところ、Bにおけ
る(III)150部の存在がこのフレーバにメープル
シロップの典型的な甘いカラメル様のスパイシイな特徴
を与え、ボディ強化に実質的に貢献することが示され
た。このフレーバは、例えば乳飲料中に0.1%の濃度
で使用できる。
【0047】例8 クルミ フレーバ
【表4】 重 量 部 ココア殻エキス 50 50 バニラエキス 10 10 オレイン酸 30 30 クルミベース(天然) 10 10 例2記載のIII(トリアセチン中0.1%) − 120 プロピレングリコール 900 780 1000 1000
【0048】上記フレーバを比較したところ、Bにおけ
る(III)120部の存在がこのフレーバに典型的な
クルミフレーバの特徴を与え、ナッツ様そして脂肪様ノ
ートの強調に実質的に貢献することが示された。このフ
レーバは、例えば乳飲料中に0.1%の濃度で使用でき
る。
【0049】例9 HVPを含まないブラウンソース 下記組成を有するHVPを含まないブラウンソースを調
製した:
【表5】 成 分 重 量 部 白小麦粉 370 牛脂 145 変性デンプン 145 酵母エキス 97 調理用塩 80 トマトパウダー 60 マルトデキストリン 53.7 グルタミン酸−ナトリウム 30 カラメルパウダー 10 クルクマ 4.5 スパイスミックス(Spice`N´Easy(登録商標)) (タマネギ、ガーリックおよびローズマリーエキス) 4.8 1000
【0050】このソースをフレーバ前駆物質I(2pp
m)の存在下で加熱したとき、そのフレーバは肉、ブイ
ヨン、HVPおよび塩によって明らかに強調された。
【0051】例10
【表6】 クラッカー 成 分 重 量 部 白小麦粉 575 植物脂 150 スキムミルクパウダー 37 粉末糖 15 甘味付ホエーパウダー 10.2 酵母自己分解物 10.0 重炭酸アンモニウム 10.0 調理用塩 10.0 ピロリン酸水素ナトリウム 1.0 ホワイトペッパー 0.4 パプリカ 0.4 水 181 フレーバ前駆物質(I) 1ppm
【0052】このクラッカー練り粉をフレーバ前駆物質
(I)の存在下で焼くと(230℃、10分)、部屋の
においと製品のフレーバがスパイシーな、ブイヨン様、
草様の方向で強調された。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式、 【化1】 を有する4S−ヒドロキシ−3−メチル−2−ケトペン
    タン酸。
  2. 【請求項2】 L−4−ヒドロキシイソロイシン(2
    S,3R,4S)をL−アミノ酸オキシダーゼあるいは
    この酵素を含む微生物と反応させることを包含する、請
    求項1記載の化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 式、 【化2】 を有する光学活性(5S)−3−ヒドロキシ−4,5−
    ジメチル−2(5H)−フラノンの製造法において、
    式、 【化3】 を有する化合物をそれ自体公知の方法でラクトン化する
    ことを包含する上記方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の化合物1のフレーバ前駆
    物質としての使用法。
  5. 【請求項5】 特に請求項3記載の方法に従って製造さ
    れたヒドロキシフラノンIIIのフレーバ剤としての使
    用法。
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