JPH06340472A - セラミック組成物、バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

セラミック組成物、バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサ及びその製造方法

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JPH06340472A
JPH06340472A JP5125655A JP12565593A JPH06340472A JP H06340472 A JPH06340472 A JP H06340472A JP 5125655 A JP5125655 A JP 5125655A JP 12565593 A JP12565593 A JP 12565593A JP H06340472 A JPH06340472 A JP H06340472A
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Japan
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mol
varistor
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dielectric
ceramic
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JP5125655A
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Akira Kobayashi
亮 小林
Wataru Takahara
弥 高原
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結により内部電極に使用する金属材料が酸
化されたり誘電体セラミック組成物と反応することのな
いコンデンサ及びバリスタとして機能しうる。 【構成】 100molのBaTiO3、0.01mol〜2mo
lのMnO、及び0.01〜10molのY23からなる誘
電体組成物と、0.01mol〜1molのCr23及び0.5
mol〜10molのBaSiO3,CaSiO3,{Bax
(1-X)}SiO3(ただし、0.43≦x≦0.62)の
うちから選ばれた少なくとも一種のガラス成分からなる
第2の組成物とを含有するセラミック組成物によりバリ
スタ機能付き積層セラミックコンデンサを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常は電圧の低いノイ
ズや高周波のノイズを吸収するセラミックコンデンサと
して動作し、高電圧のパルスや静電気等の異常電圧が機
器内に侵入したときはバリスタとして動作するバリスタ
機能付き積層セラミックコンデンサに係る。
【0002】
【従来の技術】低電圧・微小電流で動作するICを多用
している最近の電子装置のノイズに対する耐性は低下し
ており、ノイズによる誤動作が多々見られる。ノイズに
は持続的で他のノイズ発生源から侵入する比較的電圧の
低い交流ノイズと、電子装置の内部で発生あるいは外部
から侵入する静電気の放電あるいは接点等における放電
による高電圧のインパルスノイズがあり、低電圧の交流
ノイズを除去するためには交流ノイズをバイパスさせる
バイパスコンデンサが用いられている。
【0003】また、高電圧のインパルスノイズを除去す
るためには電圧と電流との関係が非直線性を示すバリス
タを用いてインパルスノイズの通過を阻止している。こ
のように、交流ノイズとインパルスノイズとはその除去
手段が異なり、電子装置には交流ノイズ除去用のコンデ
ンサとインパルスノイズ除去用のバリスタの両方が必要
であったため部品点数が多くなり、そのための回路も複
雑になっていた。
【0004】このような問題を解決するため、特開昭5
7−207319号公報,特開昭60−206001号
公報,特開昭61−44405号公報等に誘電体セラミ
ックの外側にバリスタ層を設けることによりコンデンサ
とバリスタの両方の機能を有する複合機能素子が、特公
昭43−29500,特開昭57−27001号公報等
にコンデンサを構成する誘電体セラミックの結晶粒界に
バリスタ層を形成した複合機能素子が各々記載されてい
る。
【0005】図1に積層コンデンサを構成する積層誘電
体セラミックの結晶粒界にバリスタ層が形成された複合
機能素子の一部破断斜視図を示すが、この複合機能素子
は最近多用されている表面実装(SMT)型の「チップ
コン」と呼ばれているものである。この複合機能素子1
は、全体の形状が直方体であり、直方体である積層セラ
ミックコンデンサ本体2の1組の対向面に各々端子電極
3,4が設けられている。
【0006】この積層セラミックコンデンサ本体2は、
Pd,Ag−Pd合金,Ni等の導電体層からなる4枚
の内部電極5,6,7,8の間にBaTiO3系誘電体
層9,10,11が積層され、さらに内部電極の上面及
び内部電極8の下面には各々この誘電体材料からなる誘
電体層12及び13が形成されている。このバリスタ機
能付き積層セラミックコンデンサは通常の積層セラミッ
クコンデンサと異なり、積層された誘電体セラミック層
中の結晶粒界にはバリスタ層が形成されている。
【0007】内部電極5,6,7,8は1つおきに引出
し電極に接続、すなわち内部電極6,8は引出し電極2
に、内部電極5,7は図示しない他方の引出し電極に接
続されており、このことにより内部電極5と6の間、内
部電極6と7の間及び内部電極7と8の間に並列接続さ
れたコンデンサが形成されている。これらの端子電極
3,4はガラスフリット含有導電ペーストを塗布又は印
刷・焼き付けされた導電層にメッキ層の被覆あるいは金
属キャップの圧入によって構成されている。
【0008】このバリスタ機能付きコンデンサは通常使
用状態においては低電圧交流ノイズをバイパスさせるコ
ンデンサとして動作し、高電圧のインパルスノイズが侵
入した場合には、抵抗値が非直線的に低下し異常電圧を
バイパスさせるバリスタとして動作する。
【0009】しかし、このような構成を有する従来のコ
ンデンサ機能とバリスタ機能とを有する複合機能素子
は、通常使用状態における絶縁抵抗が数1,000Ω程
度と低いため漏れ電流が大きく、コンデンサとしての機
能は充分ではない。また、交流電圧を有効にバイパスさ
せるためにはコンデンサの靜電容量を充分に確保するた
めに、積層構造を採用しているが、積層構造にするとバ
リスタ機能に必要な結晶粒界のバリスタ層を均一に形成
することが極めて困難である。このように、半導体セラ
ミック材料を用いたコンデンサやバリスタの積層チップ
化は困難である。
【0010】積層セラミックコンデンサの製造にあたっ
ては、誘電体セラミック組成物シートの上に内部電極と
なる電極ペーストを印刷したものを複数枚積層して熱圧
着し、この積層体を焼結した後、これに端子電極を取り
付けている。この積層体の焼結は空気中で行っている
が、コンデンサの内部電極に使用する金属材料は誘電体
セラミック組成物を焼結する場合に酸化されたりあるい
は誘電体セラミック組成物と反応しないことが必要であ
り、その条件を満足する材料として従来白金やパラジウ
ムなどの貴金属が使用されていた。しかし、これらの貴
金属は非常に高価である。
【0011】そのため安価なニッケル等の卑金属を内部
電極として使用する試みがなされているが、ニッケルは
酸化雰囲気中で焼成すると酸化されるとともに誘電体セ
ラミック組成物と反応するため電極形成が不可能とな
る。ニッケルが酸化されないように焼成を中性あるいは
還元性雰囲気中で行う方法もあるが、その場合には誘電
体セラミック組成物が還元されてしまうため比抵抗が非
常に低くなり、コンデンサとして動作することができな
くなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は上記従来の
問題点、すなわち、通常使用状態における絶縁抵抗が低
く、積層構造中の結晶粒界のバリスタ層が均一に形成さ
れない、焼結を空気中で行うとコンデンサの内部電極に
使用する金属材料が酸化されたりあるいは誘電体セラミ
ック組成物と反応するためコンデンサの機能を果たさな
いとの問題を解決することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願においてはBaTiO3を主成分とし、耐還元
雰囲気でも焼成可能なようにMnOを、コンデンサの寿
命を延ばすためY23を添加し、さらに静電容量の温度
変化率を改善し結晶粒界でバリスタとしての特性を発現
させるためにCr23を添加しBaSiO3,CaSi
3,{BaxCa(1-X)}SiO3のうち少なくとも1種
からなるガラス成分を用いたバリスタ機能つき積層セラ
ミックコンデンサに関する発明、すなわち、「100mo
lのBaTiO3、0.01mol〜2molのMnO及び0.0
1〜10molのY23からなる誘電体組成物と、0.01
mol〜1molのCr23及び0.5mol〜10molのBaS
iO3,CaSiO3,{BaxCa(1-X)}SiO3(た
だし、0.43≦x≦0.62)のうちから選ばれた少な
くとも一種のガラス成分からなるセラミック組成物」で
あることを構成とする発明、「100molのBaTi
3、0.01mol〜2molのMnO及び0.01〜10mol
のY23からなる第1の誘電体組成物と、0.01mol〜
1molのCr23及び0.5mol〜10molのBaSi
3,CaSiO3,{BaxCa(1-X)}SiO3(ただ
し、0.43≦x≦0.62)のうちから選ばれた少なく
とも一種のガラス成分からなる第2の組成物とを含有
し、第1の組成物の結晶粒界に第2の組成物の層が形成
されていることを特徴とするバリスタ機能付き積層セラ
ミックコンデンサ」であることを構成とする発明、「内
部電極間のセラミック誘電体の厚さを変化させてバリス
タ電圧を変化させたことを特徴とするバリスタ機能付き
積層セラミックコンデンサ」であることを構成とする発
明及び「100molのBaTiO3、0.01mol〜2mol
のMnO及び0.01〜10molのY23からなる第1の
組成物と、0.01mo部〜1molのCr23及び0.5mol
〜10molのBaSiO3,CaSiO3,{BaxCa
(1-X)}SiO3(ただし、0.43≦x≦0.62)のう
ちから選ばれた少なくとも一種のガラス成分からなる第
2の組成物とを含有するセラミック組成物を層状に積層
し、焼成した後に800℃〜1200℃の中性雰囲気に
おいてアニールすることを特徴とするバリスタ機能付き
積層セラミックコンデンサの製造方法」であることを構
成とする発明を提供する。
【0014】
【作用】本発明に係る半導体セラミック組成物は、非還
元性雰囲気において焼成してもセラミック材料が還元さ
れることがなく、また、バリスタ機能に必要なガラス成
分を積層された層中の結晶粒界に均一に形成することが
できる。そのため、この半導体セラミック組成物を用い
たバリスタ機能付きコンデンサは、通常使用状態におい
ては高絶縁抵抗のコンデンサとして動作し、異常電圧が
侵入時には異常電圧をバイパスさせるバリスタとして動
作する。
【0015】本発明の実施例を図及び表を用いて説明す
る。図2に示すのは本願発明第1実施例のバリスタ機能
付きセラミックコンデンサの製造工程図であり、(a)
は本発明のセラミック組成物の製造する工程の説明図、
(b)は(a)で得られたセラミック組成物を用いてバ
リスタ機能付きセラミックコンデンサを製造する工程の
説明図である。
【0016】(1)基本的成分であるBaTiO3、M
nO、Y23及びCr23とBaSiO3、CaSiO3
又は{BaxCa(1-x)}SiO3(以下BCGと称す
る)のうち少なくとも一種を表1に示す組成に秤量す
る。これらの表に示した実施例は、BaTiO3を主成
分とし添加成分としてMnO,Y23,Cr23,BC
G,BaSiO3,CaSiO3を採用したものである。
これらの表に示した添加物量は、主成分のBaTiO3
100mol部に対するmol部で表した。
【表1】
【0017】(2)初めに秤量されたBaTiO3とM
nO、Y23、Cr23の粉末を調合し、次に調合され
たものにあらかじめ微粉砕されたBaSiO3、CaS
iO3又は{BaxCa(1-x)}SiO3(以下BCGと称
する)のガラス成分のうち少なくとも一種の粉末を添加
・調合する。
【0018】(3)調合された微粉末を分散剤とともに
湿式で混合・粉砕する。
【0019】(4)混合・粉砕された微粉末を、脱水・
乾燥する。
【0020】(5)脱水・乾燥された組成物を解砕し粉
末にする。
【0021】(6)得られた粉末を分散剤等とともに混
合して原料スラリーを調整し、この原料スラリーに可塑
剤とともに有機バインダーを加えて混合しエナメル化す
る。
【0022】(7)エナメル化された原料スラリーをド
クターブレード法でフィルム状にシート成形し、誘電体
シートを形成する。
【0023】(8)得られた誘電体シートに内部電極材
料になるニッケルペーストを印刷する。
【0024】(9)ニッケルペーストが印刷された誘電
体シートを積み重ねてホットプレスで熱圧着し積層体を
得る。なお、本実施例において積層された誘電体シート
は21枚である。
【0025】(10)得られた積層体を所定の形状に切
断して、バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサ素
材を得る。なお、本実施例においては焼成後の積層体の
形状が3.2mm×1.6mm×0.8mmになるように切断し
た。 (11)バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサ素
材の脱バインダ処理を行う。
【0026】(12)脱バインダ処理されたバリスタ機
能付き積層セラミックコンデンサ素材を温度1,200
℃〜1,380℃、酸素分圧7×10-9〜9×10-13
tmの条件で安定させて2時間焼結する。なお、焼結後
の各誘電体層の厚みは8μm〜9μmである。
【0027】(13)得られた焼結体を、さらに窒素雰
囲気に100ppmに酸素を含む中性雰囲気中において
1000℃の温度で2時間アニールする。
【0028】(14)アニールされた焼結体の両端面に
銅ペーストを塗布・焼き付けすることにより端子電極を
形成し、バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサを
得る。
【0029】このようにして得られた試料について、横
河ヒューレットパッカード社製インピーダンスアナライ
ザ型番YHP4284Aを用いて、誘電率ε,誘電体損
失tanδ(%),バリスタ電圧(V),電圧−電流非
直線係数α,絶縁抵抗IR(Ω),静電容量の温度変化
率ΔC/C(%),寿命μ(時間)の電気特性を測定し
た結果を表2及び表3に示す。
【0030】これらのデータは次のようにして得たもの
である。 比誘電率εs及び誘電体損失tanδは、温度20
℃、周波数1KHzにおける値。 バリスタ電圧V0.1mAは、電流を0.1mAとしたとき
のバリスタ電圧値。 電圧−電流非直線係数αは、電流を1mAとしたとき
のバリスタ電圧V1mAとV0.1mAとの比からα=1/lo
g(V1mA/V0.1mA)として求めた。 絶縁抵抗IRは温度20℃において25Vの直流電圧
を30秒印加した後に測定し、その抵抗値を常用対数
(log)で示し、logIRとした。 最大静電容量温度変化率ΔC/Cmaxは、−25℃〜
85℃において静電容量温度変化率が最大である値の絶
対値(ΔC/Cmax=IΔC(-25℃〜85℃)/C20℃/
max)(以下、最大容量変化率と称する) 寿命μは、温度200℃において100Vを印加して
得た加速寿命であり、この加速寿命試験は24時間まで
行った。
【0031】これらの測定結果の評価にあたり、比誘電
率εsについては積層セラミックコンデンサでは比誘電
率が2000以下の場合、設計が難しく不適当であるた
め2,000以上のものを良好であると判定し、それ以
外のものを不良であると判定した。
【0032】誘電体損失tanδについては2%未満、
絶縁抵抗IRは108Ω以上(logIR=8以上)、静電
容量温度変化率ΔC/Cmaxは12%以内、寿命μは2
時間以上のものを良好であると判定し、それ以外のもの
を不良であると判定した。また、焼結が困難なもの及び
バリスタ特性を示さないものバリスタ機能付きコンデン
サとして使用することができないため、不良と判定し
た。
【0033】本発明に係るバリスタ機能付き積層セラミ
ックコンデンサの各測定値を表2に示す。なお、この表
中番号に下線を付した試料は特許請求に記載した範囲外
のものである。
【表2】
【0034】表2より明らかなように本発明の組成物で
は中性あるいは還元雰囲気中で焼成しても比誘電率が
2,000以上と大きく、−25℃〜85℃の広い温度
範囲での静電容量変化率が比較的小さく、ほぼJIS規
格のB特性にはいる。
【0035】次に、各添加物の量について表2に基づい
て説明する。MnOが0.01mol未満の場合には、半導
体化してしまう(試料No.1)。一方、MnOが2molを
越えた場合には、バリスタ特性は有するものの、通常使
用状態においてコンデンサとして動作するために必要な
絶縁抵抗が小さい(試料No.4)。
【0036】Y23が0.01mol未満の場合には、寿命
が短い(試料No.5)。Y23が10mol以上の場合に
は、比誘電率が2,000以下となる(試料No.9)。
【0037】BCG等のガラス成分が0.5mol未満のと
きにはバリスタ機能が生じない(試料No.10)。BC
G等のガラス成分が10molを越えた場合には、ガラス
成分の比誘電率が小さく全体の比誘電率が小さくなって
しまうため、比誘電率が2,000以下となってしまう
(試料No.14)。
【0038】Cr23の添加量が0.01mol未満の場合
には、誘電体損失tanδが2%と大きくなり、静電容
量の温度変化率が悪化するとともに、バリスタ機能も生
じない(試料No.15)。Cr23の添加量が1mol以上
の場合には組成物が焼成困難となり、実用化することが
できない(試料No.19)。
【0039】次に、アニール処理の効果を調べるために
試料No.12の組成物を還元性雰囲気で焼成した後、温
度を変えて2時間アニール処理を行い、同様の測定を行
った結果を表3に示す。
【表3】
【0040】アニール温度が800℃未満の場合には、
比誘電率εは大きくなるものの誘電体損失tanδが大
きくなり、絶縁抵抗も小さくなるためコンデンサとして
機能しない(試料No.24)。アニール温度が1,200
℃を越えた場合には、内部電極のNiが酸化してしまう
ため、特性が劣化してしまい特に電圧−電流非直線係数
αは測定不能である(試料No.28)。
【0041】これらに対して、アニール温度が800℃
〜1200℃の場合には、比誘電率及び誘電体損失ta
nδはほとんど変化しない(試料No.25,26,2
7)。絶縁抵抗値は、アニール温度が低くなるとともに
小さくなる傾向にあるが、非直線係数は高くなり、バリ
スタ電圧は低くなる。このようにアニール条件を変える
ことにより所望の特性を得ることができる。
【0042】バリスタ電圧はアニール処理温度を変化さ
せる方法の他に、誘電体層の厚みを変えることによって
も制御することができる。したがって、グリーンシート
での内部電極間の誘電体厚みを変えることにより、焼成
後の誘電体の内部電極間厚みを変えればバリスタ電圧を
制御することができる。
【0043】そこで、試料No.12の組成物を用いたバ
リスタ機能付き積層セラミックコンデンサの積層された
誘電体の厚みを変化させた場合のバリスタ電圧を図3に
示す。このグラフから明らかなように内部電極間誘電体
厚みが小さくなるとバリスタ電圧は低くなっており、こ
のことから、内部電極間のセラミック誘電体層の厚さを
コントロールすることにより所望のバリスタ電圧を得る
ことが明かである。
【0044】
【発明の効果】本発明のバリスタ機能付き積層セラミッ
クコンデンサは、通常使用状態においては高い絶縁抵抗
を有し、静電容量の温度に対する変化率が小さく、かつ
比誘電率が高く、誘電体損失が小さい上に、静電容量の
経時変化が非常に小さいほぼJIS規格のB特性を示す
コンデンサとして動作するとともにバリスタ層が積層さ
れた層中の結晶粒界に均一に形成されているためインパ
ルス電圧が印加された場合に十分なバリスタ機能を果た
す。
【0045】また、本発明のバリスタ機能付き積層セラ
ミックコンデンサは、耐還元性誘電体組成物からなって
おり、ニッケル等の卑金属を内部電極として用いこのニ
ッケルが酸化しないように中性あるいは還元性雰囲気中
で焼成した場合であっても、誘電体セラミック組成物が
還元されることによる比抵抗の低下及び短寿命化がない
ため、従来のパラジウム等高価な内部電極を使用する必
要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサの
構造説明図。
【図2】本発明のバリスタ機能付き積層セラミックコン
デンサの製造方法の工程図。
【図3】試料番号12の内部電極間の誘電体厚みとバリ
スタ特性のグラフ。
【符号の説明】
1 複合機能素子 2 積層セラミックコンデンサ本体 3,4 端子電極 5,6,7,8 内部電極 9,10,11,12,13 誘電体層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 4/40 304 9174−5E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100molのBaTiO3、0.01mol〜
    2molのMnO及び0.01〜10molのY23からなる
    誘電体組成物と、 0.01mol〜1molのCr23及び0.5mol〜10molの
    BaSiO3,CaSiO3,{BaxCa(1-X)}SiO
    3(ただし、0.43≦x≦0.62)のうちから選ばれ
    た少なくとも一種のガラス成分からなるセラミック組成
    物。
  2. 【請求項2】 100molのBaTiO3、0.01mol〜
    2molのMnO及び0.01〜10molのY23からなる
    第1の誘電体組成物と、 0.01mol〜1molのCr23及び0.5mol〜10molの
    BaSiO3,CaSiO3,{BaxCa(1-X)}SiO
    3(ただし、0.43≦x≦0.62)のうちから選ばれ
    た少なくとも一種のガラス成分からなる第2の組成物と
    を含有し、 前記第1の組成物の結晶粒界に第2の組成物の層が形成
    されていることを特徴とするバリスタ機能付き積層セラ
    ミックコンデンサ。
  3. 【請求項3】 内部電極間のセラミック誘電体の厚さを
    変化させてバリスタ電圧を変化させたことを特徴とする
    請求項2記載のバリスタ機能付き積層セラミックコンデ
    ンサ。
  4. 【請求項4】 100molのBaTiO3、0.01mol〜
    2molのMnO及び0.01〜10molのY23からなる
    第1の組成物と、 0.01mo部〜1molのCr23及び0.5mol〜10mol
    のBaSiO3,CaSiO3,{BaxCa(1-X)}Si
    3(ただし、0.43≦x≦0.62)のうちから選ば
    れた少なくとも一種のガラス成分からなる第2の組成物
    とを含有するセラミック組成物を層状に積層し、焼成し
    た後に800℃〜1200℃の中性雰囲気においてアニ
    ールすることを特徴とするバリスタ機能付き積層セラミ
    ックコンデンサの製造方法。
JP5125655A 1993-05-27 1993-05-27 セラミック組成物、バリスタ機能付き積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 Pending JPH06340472A (ja)

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WO1999013479A1 (fr) * 1997-09-05 1999-03-18 Tdk Corporation Production de ceramique semi-conductrice a coefficient de temperature positif
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