JPH06338768A - バイポーラ論理回路 - Google Patents

バイポーラ論理回路

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JPH06338768A
JPH06338768A JP5125948A JP12594893A JPH06338768A JP H06338768 A JPH06338768 A JP H06338768A JP 5125948 A JP5125948 A JP 5125948A JP 12594893 A JP12594893 A JP 12594893A JP H06338768 A JPH06338768 A JP H06338768A
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transistor
node
voltage
circuit
potential
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JP5125948A
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Inventor
Kimihiro Ueda
公大 上田
Nagisa Sasaki
なぎさ 佐々木
Hisayasu Sato
久恭 佐藤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回路の電源電圧を低くし、消費電力を低減さ
せる。 【構成】 第1の電源ノードVCCと出力ノードNとの
間に抵抗6を設け、第2の電源ノードVEEと出力ノー
ドNとの間に可変電流源7を設ける。可変電流源7は、
入力ノードCから与えられる入力信号と、第2の電源ノ
ードVEEが受ける第2の電位とに応答して抵抗6に供
給する電流を制御する。その結果、出力ノードNの出力
電位は、入力信号に応答して変化しかつ第2の電位の変
動に追従して変動する。出力ノードNの出力電位が第2
の電位の変動に追従して変動するために、その出力ノー
ドNの出力電位をシリーズゲート型ECL回路に与える
場合、そのECL回路に定電流回路専用のトランジスタ
を設ける必要がなくなり、その分だけ回路の電源電圧を
低くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バイポーラトランジス
タを用いた論理回路に関し、特にシリーズゲート型のE
CL回路に信号を与えるバイポーラ論理回路に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来のバイポーラ論理回路の代表例とし
ては、IEEE 1991 Bipolar Circ
uits and Technology Meeti
ngpp35−38の文献に記載されているバッファ回
路付きラッチ回路がある。
【0003】図8は、前記文献に開示された従来のバイ
ポーラ論理回路の一例としてのバッファ回路付きラッチ
回路の回路図である。この回路は、バッファ回路10と
ラッチ回路20とを接続して構成される。
【0004】図8を参照して、まず、ラッチ回路10の
構成について説明する。ラッチ回路10は、8個のNP
Nトランジスタ(以下トランジスタと称する。)Q1〜
Q8と、4個の抵抗R1〜R4とを含む。第1の電源ノ
ードVCCは、第1の電位を受ける。第2の電源ノード
VEEは、前記第1の電位よりも低い第2の電位を受け
る。
【0005】第1の電源ノードVCCと第2の電源ノー
ドVEEとの間にトランジスタQ1、Q2および抵抗R
1が直列に接続される。第1の電源ノードVCCと第2
の電源ノードVEEとの間には、トランジスタQ3、Q
4および抵抗R2も直列に接続される。第1の電源ノー
ドVCCと第2の電源ノードVEEとの間には、トラン
ジスタQ5、Q6および抵抗R3も直列に接続される。
さらに、第1の電源ノードVCCと第2の電源ノードV
EEとの間には、トランジスタQ7、Q8および抵抗R
4も直列に接続される。
【0006】第1のデータ信号を受ける第1のデータ入
力端子D1は、トランジスタQ3のベース端子に接続さ
れる。前記第1のデータ信号の反転信号(相補信号)で
ある第2のデータ信号を受ける第2のデータ入力端子D
2は、トランジスタQ1のベース端子に接続される。第
1のクロック信号を受ける第1のクロック入力端子C1
は、トランジスタQ7のベース端子に接続される。前記
第1のクロック信号の反転信号(相補信号)である第2
のクロック信号を受ける第2のクロック入力端子C2
は、トランジスタQ5のベース端子に接続される。基準
電圧発生源(図示せず)から定電圧が供給される定電圧
端子VCSは、トランジスタQ2,Q4,Q6,Q8の
それぞれのベース端子に接続される。
【0007】トランジスタQ3のエミッタ端子とトラン
ジスタQ4のコレクタ端子との間のノードN1は、バッ
ファ回路10の1つの出力ノードに相当するものであ
る。トランジスタQ1のエミッタ端子とトランジスタQ
2のコレクタ端子との間のノードN2、トランジスタQ
7のエミッタ端子とトランジスタQ8のコレクタ端子と
の間のノードN3、およびトランジスタQ5のエミッタ
端子とトランジスタQ6のコレクタ端子との間のノード
N4のそれぞれもバッファ回路10の1つの出力ノード
に相当するものである。
【0008】次に、ラッチ回路20の構成について説明
する。ラッチ回路20は、7個のNPNトランジスタQ
9〜Q15と3個の抵抗R5〜R7とを含む。
【0009】第1の電源ノードVCCと第2の電源ノー
ドVEEとの間には、抵抗R5、トランジスタQ9,Q
11,Q15および抵抗R7が直列に接続される。第1
の電源ノードVCCと、トランジスタQ9およびQ11
の間のノードとの間には、抵抗R6およびトランジスタ
Q10が直列に接続される。抵抗R6とトランジスタQ
10との間のノードは、第1のデータ出力端子O1に接
続される。抵抗R5とトランジスタQ9との間のノード
は、第2のデータ出力端子O2に接続される。
【0010】第2の出力端子O2と、トランジスタQ1
1およびQ15の間のノードとの間には、トランジスタ
Q12およびQ14が直列に接続される。第1の出力端
子O1と、トランジスタQ12およびQ14の間のノー
ドとの間には、トランジスタQ13が接続される。
【0011】トランジスタQ9のベース端子はノードN
1に接続され、トランジスタQ10のベース端子はノー
ドN2に接続される。トランジスタQ11のベース端子
はノードN3に接続され、トランジスタQ14のベース
端子はノードN4に接続される。トランジスタQ12の
ベース端子は第1のデータ出力端子O1に接続され、ト
ランジスタQ13のベース端子は第2の出力端子O2に
接続される。トランジスタQ15のベース端子は定電圧
端子VCSに接続される。
【0012】このバッファ回路10およびラッチ回路2
0では、トランジスタQ2,抵抗R1、トランジスタQ
4,抵抗R2、トランジスタQ6,抵抗R3、トランジ
スタQ8,抵抗R4およびトランジスタQ15,抵抗R
7のそれぞれのトランジスタと抵抗との組が定電流回路
を構成する。これらの定電流回路の電流値は、定電圧端
子VCSが受ける電圧によって決定される。定電圧端子
VCSが受ける電圧は、第2の電源ノードVEEが変動
した場合に、その変動に追従して変動する。このため、
第2の電源ノードVEEが受ける電位と定電圧端子VC
Sが受ける電位との間の電位差は常に一定に保たれる。
【0013】また、このラッチ回路20では、トランジ
スタQ9,Q10、Q12,Q13、Q11,Q14の
それぞれのトランジスタ対が、エミッタ端子同士が接続
された差動型カレントスイッチ回路を構成する。なお、
ラッチ回路20においては、第1の電源ノードVCCと
第2の電源ノードVEEとの間に複数の差動型カレント
スイッチ回路が直列に接続されているが、このような構
成の回路は、シリーズゲート型のECL(Emitte
r Coupled Logic)回路と呼ばれる。
【0014】次に、バッファ回路10およびラッチ回路
20の動作について説明する。以下の説明においては、
具体的な数値データを用いて説明する。その数値データ
は、一例として次のように仮定する。
【0015】第1の電源ノードVCCが受ける第1の電
位は0Vとし、第2の電源ノードVEEが受ける第2の
電位は−4.5Vとする。定電圧端子VCSが受ける電
圧は、−3.4Vとし、これにより定電圧端子VCSと
第2の電源ノードVEEとの間の電圧差は、1.1Vと
する。第1のデータ信号および第2のデータ信号は、ハ
イレベルが0V、ローレベルが−0.8Vの電圧とし、
第2のデータ信号は第1のデータ信号の反転信号とす
る。第1のクロック信号および第2のクロック信号のそ
れぞれは、ハイレベルが−0.8V、ローレベルが−
1.6Vの電圧とし、第2のクロック信号が第1のデー
タ信号の反転信号とする。
【0016】抵抗R1,R2,R3,R4,R7のそれ
ぞれの抵抗値は、600Ωとする。定電圧端子VCSと
第2の電源ノードVEEとの間の電圧差が1.1Vであ
り、トランジスタQ2,Q4,Q6,Q8,Q15のそ
れぞれのベース・エミッタ間電圧が0.8Vであるの
で、抵抗R1〜R7の各々の抵抗値600Ωのために、
前記各定電流回路には500μAの電流が流れる。ま
た、抵抗R3,R5のそれぞれの抵抗値は1600Ωと
する。
【0017】第1の状態では、第1のデータ入力端子D
1にハイレベル(0V)のデータ信号が与えられ、第2
のデータ入力端子D2にローレベル(−0.8V)のデ
ータ信号が与えられているものとする。トランジスタQ
3においては、ベース端子の電圧が0Vになり、このた
めにエミッタ端子の電圧が、ベース端子の電圧よりもベ
ース・エミッタ間電圧0.8Vだけ低い−0.8Vにな
る。その結果、ノードN1の電圧が−0.8Vになる。
これとともに、トランジスタQ1においては、ベース端
子の電圧が−0.8Vになり、このためにエミッタ端子
の電圧が、ベース端子の電圧よりもベース・エミッタ間
電圧0.8Vだけ低い−1.6Vになる。その結果、ノ
ードN2の電圧が−1.6Vになる。
【0018】この第1の状態では、第1のクロック入力
端子C1にハイレベル(−0.8V)のクロック信号が
与えられ、第2のクロック入力端子C2にローレベル
(−1.6V)のクロック信号が与えられる。これによ
り、トランジスタQ7においては、ベース端子の電圧が
−0.8Vになり、このためにエミッタ端子の電圧が、
ベース端子の電圧よりもベース・エミッタ間電圧0.8
Vだけ低い−1.6Vになる。その結果、ノードN3の
電圧が−1.6Vになる。これとともに、トランジスタ
Q5においては、ベース端子の電圧が−1.6Vにな
り、このためにエミッタ端子の電圧が、ベース端子の電
圧よりもベース・エミッタ間電圧(0.8V)だけ低い
−2.4Vになる。その結果、ノードN4の電圧が−
2.4Vになる。
【0019】このようなバッファ回路10の動作に従っ
てラッチ回路20は次のように動作する。ノードN3の
電圧が−1.6VになったためにトランジスタQ11の
ベース端子の電圧が−1.6Vになり、ノードN4の電
圧が−2.4VになったためにトランジスタQ14のベ
ース端子の電圧が−2.4Vになる。その結果、トラン
ジスタQ11がオンし、トランジスタQ14がオフす
る。これとともに、ノードN1の電圧が−0.8Vにな
ったためにトランジスタQ9のベース端子の電圧が−
0.8Vになり、ノードN2の電圧が−1.6Vになっ
たためにトランジスタQ14のベース端子の電圧が−
1.6Vになる。その結果、トランジスタQ9がオン
し、トランジスタQ10がオフする。
【0020】このようにトランジスタQ11,Q9がと
もにオンすることにより、トランジスタQ15および抵
抗R7にて構成される定電流回路によって抵抗R5に5
00μAの電流が流れる。抵抗R5に500μAの電流
が流れるとトランジスタQ9のコレクタ端子の電圧が−
0.8Vになり、その結果、第2の出力端子O2の電圧
が−0.8Vになる。
【0021】一方、この状態においてトランジスタQ1
0はオフしているので、抵抗R6には電流が流れない。
このため、トランジスタQ10のコレクタ端子の電圧が
0Vになり、その結果、第1のデータ出力端子O1の電
圧が0Vになる。
【0022】このような第1の状態においては、第1の
データ出力端子O1は、ハイレベル(0V)のデータ信
号を出力し、第2のデータ出力端子O2は、ローレベル
(−0.8V)のデータ信号を出力する。
【0023】次に、前述の第1の状態から第2の状態に
なった場合について説明する。第2の状態では、第1,
第2のデータ信号のレベルが第1の状態のままであり、
第1,第2のクロック信号のレベルが変化する。すなわ
ち、第1のクロック信号がローレベル(−1.6V)に
変化し、第2のクロック信号がハイレベル(−0.8
V)に変化する。
【0024】この場合、トランジスタQ7においては、
ベース端子の電圧が−1.6Vになり、このためにエミ
ッタ端子の電圧が、ベース端子の電圧よりもベース・エ
ミッタ間電圧(0.8V)だけ低い−2.4Vになる。
その結果、ノードN3の電圧が−2.4Vになる。これ
とともにトランジスタQ5においては、ベース端子の電
圧が−0.8Vになり、このためにエミッタ端子の電圧
が、ベース端子の電圧よりもベース・エミッタ間電圧
(0.8V)だけ低い−1.6Vになる。その結果、ノ
ードN4の電圧が−1.6Vになる。
【0025】そして、ノードN3の電圧が−2.4Vに
なったためにトランジスタQ11のベース端子の電圧が
−2.4Vになり、ノードN4の電圧が−1.6Vにな
ったためにトランジスタQ14のベース端子の電圧が−
1.6Vになる。その結果、トランジスタQ11がオフ
し、トランジスタQ14がオンする。
【0026】一方、この状態において、第1のデータ出
力端子O1の電圧が0VであるためにトランジスタQ1
2のベース端子の電圧は0Vであり、第2のデータ出力
端子の電圧が−0.8VであるためにトランジスタQ1
3のベース端子の電圧は−0.8Vである。このため、
トランジスタQ12がオンし、トランジスタQ13がオ
フする。
【0027】このように、第2の状態においては、トラ
ンジスタQ14,Q12がともにオンすることにより、
トランジスタQ15および抵抗R7にて構成される定電
流回路によって抵抗R5に500μAの電流が流れる。
このように抵抗R5に500μAの電流が流れると、第
1の状態の場合と同様に、トランジスタQ9のコレクタ
端子の電圧が第1の状態と同じ−0.8Vになる。その
結果、第2のデータ出力端子O2の電圧は−0.8Vの
まま保持される。一方、抵抗R6には電流が流れないた
め、トランジスタQ13のコレクタ端子の電圧は第1の
状態と同じ0Vになる。その結果、第1のデータ出力端
子O1の電圧が0Vのまま保持される。
【0028】その他、このような第1,第2の状態と異
なり、第1のデータ入力端子D1にローレベル(−0.
8V)のデータ信号が与えられ、第2のデータ入力端子
D2にハイレベル(0V)のデータ信号が与えられた状
態においては、第1のデータ出力端子O1および第2の
データ出力端子O2のそれぞれから出力されるデータ信
号のレベルが前記第1,第2の状態に対して反転するだ
けであり、バッファ回路10およびラッチ回路20は、
第1,第2の状態と同様に動作する。
【0029】また、このバッファ回路付きラッチ回路に
おいては、第2の電源ノードVEEが受ける第2の電位
が変動した場合、定電圧端子VCSが受ける定電圧が第
2の電位の変動に追従して変動する。このため、各定電
流回路に流れる電流は、常に一定になる。
【0030】ここで、トランジスタQ9,Q10に着目
すると、それぞれのトランジスタのベース端子(P極
性)に与えられる電圧が−0.8V〜−1.6Vである
のに対して、そのコレクタ端子(N極性)が出力する電
圧は0V〜−0.8Vである。従って、トランジスタQ
9,Q10のそれぞれは、コレクタ端子が、常にベース
端子よりも高い電圧、すなわち、逆バイアス状態で用い
られる。
【0031】図9は、図8のバッファ回路付きラッチ回
路における入力信号および出力信号のタイミングチャー
トである。図9においては、入力信号の代表例として、
第1のデータ入力端子D1に与えられる第1のデータ信
号および第1のクロック入力端子C1に与えられる第1
のクロック信号が示され、出力信号の代表例として、第
1のデータ出力端子O1の出力信号が示される。
【0032】図9を参照して、第1のクロック入力端子
C1に与えられる第1のクロック信号がハイレベルの場
合に、第1のデータ出力端子O1の出力信号が、第1の
データ入力端子D1に与えられる第1のデータ信号と同
じレベルになる。そして、第1のクロック入力端子C1
に与えられる第1のクロック信号がローレベルの場合
に、第1のデータ出力端子O1の出力信号は、その前に
第1のクロック信号がハイレベルであったときの第1の
データ信号のレベルに保持される。
【0033】このような構成の図8のバッファ回路付き
ラッチ回路においては、バッファ回路10の出力電圧を
安定化させるために、バッファ回路10に定電流回路を
設けることが必要である。それに加えて、ラッチ回路2
0の出力電圧を安定化させるために、ラッチ回路20に
も定電流回路を設けることが必要である。
【0034】ラッチ回路20のような構成のシリーズゲ
ート型ECL論理回路を動作させる場合、第1の電源ノ
ードVCCと第2の電源ノードVEEとの間の電圧差
(電源電圧)は、たとえば、4.5Vまたは5.2Vと
するのが一般的である。
【0035】ところで、このようなシリーズゲート型E
CL回路においても、種々の半導体装置と同様に消費電
力を低減することが望まれている。
【0036】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなシ
リーズゲート型ECL回路においては、第1の電源ノー
ドと第2の電源ノードとの間に、定電流回路を構成する
トランジスタおよび抵抗を含む複数のトランジスタおよ
び抵抗などの各素子を直列に接続する必要があるため、
各素子を動作させるためには、ある程度以上の電源電圧
が最低限必要であった。
【0037】その最低限必要な電源電圧の一例として、
図8のラッチ回路20では、抵抗R5の論理振幅である
0.8V、トランジスタQ9のベース・エミッタ間電圧
である0.8V、トランジスタQ11のベース・エミッ
タ間電圧の0.8V、および定電流回路(トランジスタ
Q15,抵抗R7)の電圧である1.1Vの合計値の
3.5Vの電源電圧が必要である。この3.5Vよりも
低い電源電圧では、ラッチ回路20が動作しない。
【0038】このように、従来のシリーズゲート型EC
L論理回路においては、電源電圧を低減することが難し
いという問題があった。
【0039】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、シリーズゲート型ECL回路の
電源電圧を低減させることを可能とするバイポーラ論理
回路を提供することを目的とする。
【0040】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、第1の電位を受ける第1の電源ノードと、前記第1
の電位よりも低い第2の電位を受ける第2の電源ノード
と、入力信号を受ける入力ノードと、出力ノードと、前
記第1の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けられ
た抵抗手段と、前記第2の電源ノードと前記出力ノード
との間に設けられたNPNトランジスタを含み、前記入
力信号および前記第2の電位に応答して制御される電流
を前記抵抗手段に供給する電流源手段とを備える。
【0041】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の電流源手段が、第1の電流供給手段、第2の電流供
給手段および第3の電流供給手段を含む。
【0042】第1の電流供給手段は、前記第2の電源ノ
ードと前記出力ノードとの間に設けられた第1のNPN
トランジスタを含み、前記抵抗手段に予め定められた第
1の電流を供給する。
【0043】第2の電流供給手段は、前記第2の電源ノ
ードと前記出力ノードとの間に設けられた第2のNPN
トランジスタを含み、前記第2の電位に応答して変化す
る第2の電流を前記抵抗手段に供給する。
【0044】第3の電流供給手段は、前記第2の電源ノ
ードと前記出力ノードとの間に設けられた第3のNPN
トランジスタを含み、前記入力信号に応答した前記第3
のNPNトランジスタのスイッチング動作に基づいて前
記抵抗手段への予め定められた第3の電流の供給および
遮断を選択的に行なう。
【0045】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記
載の電流源手段が、前記第2の電源ノードに一端が接続
された第2の抵抗手段と、前記出力ノードと前記第2の
抵抗手段の他端との間に設けられ、前記入力信号に応答
してスイッチング動作を行なう第4のNPNトランジス
タとを含む。
【0046】請求項4に記載の本発明は、請求項3に記
載の本発明が、前記第1の電源ノードと前記出力ノード
との間に設けられ、前記抵抗手段と前記第4のNPNト
ランジスタとの間のノードの電位に応答する第5のNP
Nトランジスタを含んだエミッタホロワ回路をさらに含
む。
【0047】請求項5に記載の本発明は、第1の電位を
受ける第1の電源ノードと、前記第1の電位よりも低い
第2の電位を受ける第2の電源ノードと、入力信号を受
ける入力ノードと、出力ノードと、前記第2の電源ノー
ドに一端が接続された抵抗手段と、前記抵抗手段に定電
流を供給するための電流源手段と、前記抵抗手段と前記
電流源手段との間に設けられ、前記入力信号に応答して
スイッチング動作を行なう第1のNPNトランジスタ
と、前記第2の電源ノードと前記出力ノードとの間に設
けられ、前記抵抗手段と前記第1のNPNトランジスタ
との間のノードの電位に応答する第2のPNPトランジ
スタを含むエミッタホロワ回路とを備える。
【0048】請求項6に記載の本発明は、第1の電位を
受ける第1の電源ノードと、前記第1の電位よりも低い
第2の電位を受ける第2の電源ノードと、入力信号を受
ける入力ノードと、出力ノードと、前記第1の電源ノー
ドに一端が接続された第1の抵抗手段と、前記出力ノー
ドと前記第1の抵抗手段の他端との間に設けられ、前記
入力信号に応答してスイッチング動作を行なうPNPト
ランジスタと、前記第2の電源ノードと前記出力ノード
との間に設けられた第2の抵抗手段とを備える。
【0049】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば、NPNトラ
ンジスタを含む電流源手段が、入力信号に応答して抵抗
手段に流す電流を制御するため、出力ノードの電位は入
力信号に応答した電位になる。これに加えて、電流源手
段は、第2の電源ノードが受ける第2の電位にも応答し
て抵抗手段に流す電流を制御するため、出力ノードの電
位は、第2の電位の変動に応答して変動する。このた
め、第2の電位が変動しても、第2の電位と出力ノード
の電位との差は一定に保たれる。
【0050】請求項2に記載の本発明によれば、NPN
トランジスタを各々が含む第1の電流供給手段、第2の
電流供給手段および第3の電流供給手段のそれぞれによ
り、抵抗手段に電流が供給される。第1の電流供給手段
から抵抗手段には、予め定められた第1の電流、すなわ
ち、第1の定電流が供給される。第2の電流供給手段か
ら抵抗手段には、第2の電源ノードが受ける第2の電位
に応答して変化する第2の電流が供給される。第3の電
流供給手段から抵抗手段には、予め定められた第3の電
流、すなわち、第2の定電流の供給と遮断とが入力信号
に応答して選択的に行なわれる。
【0051】このように、第1〜第3の電流供給手段の
それぞれから抵抗手段に電流が供給されることにより、
出力ノードの電位は、入力信号に応答するものになり、
第2の電位の変化にも応答するものになる。このため、
第2の電位が変動しても、第2の電位と出力ノードとの
電位の差は一定に保たれる。
【0052】請求項3に記載の本発明によれば、第4の
NPNトランジスタがオンした場合は、入力信号の電位
に基づく電位と、第2の電源ノードが受ける第2の電位
との間の電圧が、第2の抵抗手段に印加される。
【0053】これにより、第2の抵抗手段には、入力信
号に応答した電流が流れる。その電流は、第2の電位の
変化にも応答して変化する。そして、このような電流が
第1の電源ノードおよび出力ノードの間に設けられた抵
抗手段に流れ、出力ノードの電位が決まる。一方、第4
のNPNトランジスタがオフした場合は、第2の抵抗手
段には電流が流れない。このように、出力ノードの電位
は、入力信号に応答したものになり、第2の電位の変動
にも応答するものとなる。
【0054】請求項4に記載の本発明によれば、第1の
電源ノードと出力ノードとの間に設けられ、入力信号に
応答する第5のNPNトランジスタを含んだエミッタホ
ロワ回路により、第1の電源ノードおよび出力ノードの
間に設けられた抵抗手段と第4のNPNトランジスタと
の間のノードの電位が、レベルシフトされて出力ノード
に与えられる。
【0055】請求項5に記載の本発明によれば、第1の
PNPトランジスタが入力信号に応答してオンした場合
は、電流源手段により定電流が抵抗手段に供給される。
その定電流と第2の電源ノードが受ける第2の電位とに
よって抵抗手段と第1のNPNトランジスタとの間のノ
ードの電位が決まる。一方、第1のPNPトランジスタ
が入力信号に応答してオフした場合は、抵抗手段に定電
流が供給されない。この場合の抵抗手段と第1のPNP
トランジスタとの間の電位は、第2の電位によって決ま
る。
【0056】そして、第2のPNPトランジスタを含ん
だエミッタホロワ回路により、抵抗手段と第1のPNP
トランジスタとの間のノードの電位がレベルシフトされ
て出力ノードに与えられる。したがって、出力ノードの
電位は、入力信号に応答したものとなり、第2の電位の
変動にも応答するものとなる。
【0057】請求項6に記載の本発明によれば、第1の
PNPトランジスタが入力信号に応答してオンした場合
は、入力信号の電位に基づく電位と、第1の電源ノード
が受ける第1の電位との間の電圧が、第1の抵抗手段に
印加される。これにより、第1の抵抗手段には、入力信
号に応答した定電流が流れ、第2の抵抗手段にその定電
流が供給される。その定電流と、第2の抵抗手段の抵抗
値および第2の電位によって出力ノードの電位が決ま
る。一方、PNPトランジスタが入力信号に応答してオ
フした場合は、第2の抵抗手段に定電流が供給されな
い。この場合の出力ノードの電位は、第2の電位によっ
て決まる。
【0058】したがって、出力ノードの電位は、入力信
号に応答したものとなり、第2の電位の変動にも応答す
るものになる。
【0059】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0060】第1実施例 図1は、第1実施例によるバッファ回路付きラッチ回路
の構成を示す回路図である。この回路は、バッファ回路
1とラッチ回路2とを接続して構成される。
【0061】まず、ラッチ回路1について説明する。ラ
ッチ回路1は、3個のNPNトランジスタ(以下トラン
ジスタと呼ぶ)Q16〜Q18、7個のPNPトランジ
スタ(以下トランジスタと呼ぶ)Q19〜Q25、およ
び8個の抵抗R8〜R15を含む。
【0062】第1の電源ノードVCCは、第1の電位を
受ける。第2の電源ノードVEEは、第1の電位よりも
低い第2の電位を受ける。第1の電源ノードVCCと第
2の電源ノードVEEとの間に、抵抗R8、トランジス
タQ16、トランジスタQ18および抵抗R10が直列
に接続される。第1の電源ノードVCCと、トランジス
タQ16およびQ18の間のノードとの間には、抵抗R
9およびトランジスタQ17が直列に接続される。
【0063】第1の電源ノードVCCと第2の電源ノー
ドVEEとの間には、抵抗R11、トランジスタQ1
9、トランジスタQ20および抵抗R12も直列に接続
される。トランジスタQ19およびトランジスタQ20
の間のノードと、第2の電源ノードVEEとの間には、
トランジスタQ21および抵抗R13が直列に接続され
る。
【0064】第1の電源ノードVCCと第2の電源ノー
ドVEEとの間には、抵抗R14、トランジスタQ22
およびトランジスタQ23が直列に接続される。トラン
ジスタQ23のベース端子は、トランジスタQ20と抵
抗R12との間のノードに接続される。このように設け
られたトランジスタQ22〜Q25と抵抗R14,R1
5とによりエミッタホロワ回路9が構成される。
【0065】第1の電源ノードVCCと第2の電源ノー
ドVEEとの間には、抵抗R15、トランジスタQ24
およびトランジスタQ25も直列に接続される。トラン
ジスタQ25のベース端子は、トランジスタQ21と抵
抗R13との間のノードに接続される。このように設け
られたトランジスタQ22〜Q25と抵抗R14,15
とによりエミッタホロワ回路9が構成される。
【0066】第1のデータ信号を受ける第1のデータ入
力端子D1は、トランジスタQ16のベース端子に接続
される。前記第1のデータ信号の反転信号である第2の
データ信号を受ける第2のデータ入力端子D2は、トラ
ンジスタQ17のベース端子に接続される。第1のクロ
ック信号を受ける第1のクロック入力端子C1は、トラ
ンジスタQ20のベース端子に接続される。前記第1の
クロック信号の反転信号である第2のクロック信号を受
ける第2のクロック入力端子C2は、トランジスタQ2
1のベース端子に接続される。
【0067】基準電圧発生源(図示せず)から第1の定
電圧が供給される第1の定電圧端子VCS1は、トラン
ジスタQ18のベース端子に接続される。前記基準電圧
源から第2の定電圧が供給される第2の定電圧端子VC
S2は、トランジスタQ19,Q22,Q24のそれぞ
れのベース端子に接続される。
【0068】抵抗R9とトランジスタQ17のコレクタ
端子との間のノードN1は、バッファ回路1の1つの出
力ノードに相当するものである。抵抗R8とトランジス
タQ16のコレクタ端子との間のノードN2、トランジ
スタQ24のコレクタ端子とトランジスタQ25のエミ
ッタ端子との間のノードN3、およびトランジスタQ2
2のコレクタ端子とトランジスタQ23のエミッタ端子
との間のノードN4のそれぞれもバッファ回路1の1つ
の出力ノードに相当するものである。
【0069】このバッファ回路1では、トランジスタQ
16,Q17およびトランジスタQ20,Q21のそれ
ぞれのトランジスタ対が、エミッタ端子同士が接続され
た差動型カレントスイッチ回路を構成する。また、トラ
ンジスタQ18,抵抗R10、トランジスタQ19,抵
抗R11、トランジスタQ22,抵抗R14およびトラ
ンジスタQ24,抵抗R15のそれぞれのトランジスタ
と抵抗との組が、定電流回路を構成する。
【0070】トランジスタQ18,抵抗R10の定電流
回路の電流値は、第1の定電圧端子VCS1が受ける電
圧によって決定される。トランジスタQ19,抵抗R1
1、トランジスタQ22,抵抗R14およびトランジス
タQ24,抵抗R15のそれぞれの定電流回路の電流値
は、第2の定電圧端子VCS2が受ける電圧によって決
定される。第1の定電圧端子VCS1および第2の定電
圧端子VCS2のそれぞれが受ける電圧は、第2の電源
電圧が受ける第2の電位が変動した場合に、その変動に
追従して変動する。このため、第2の電源ノードVEE
と、第1の定電圧端子VCS1および第2の定電圧端子
VCS2のそれぞれとの間の電圧差が常に一定に保たれ
る。
【0071】次に、ラッチ回路2について説明する。ラ
ッチ回路2は、7個のNPNトランジスタQ26〜Q3
1と、3個の抵抗R16〜R18とを含む。
【0072】第1の電源ノードVCCと第2の電源ノー
ドVEEとの間には、抵抗R16、トランジスタQ2
6、トランジスタQ28および抵抗R18が直列に接続
される。第1の電源ノードVCCと、トランジスタQ2
6およびQ28の間のノードとの間には、抵抗R17お
よびトランジスタQ27が直列に接続される。抵抗R1
7とトランジスタQ27との間のノードは、第1のデー
タ出力端子O1に接続される。抵抗R16とトランジス
タQ26との間のノードは、第2のデータ出力端子O2
に接続される。
【0073】第2の出力端子O2と、トランジスタQ2
8および抵抗R18の間のノードとの間には、トランジ
スタQ29およびQ31が直列に接続される。第1のデ
ータ出力端子O1と、トランジスタQ29およびQ31
の間のノードとの間には、トランジスタQ30が接続さ
れる。
【0074】トランジスタQ26のベース端子はノード
N1に接続され、トランジスタQ27のベース端子はノ
ードN2に接続される。トランジスタQ28のベース端
子はノードN3に接続され、トランジスタQ31のベー
ス端子はノードN4に接続される。トランジスタQ29
のベース端子は第1のデータ出力端子O1に接続され、
トランジスタQ30のベース端子は第2のデータ出力端
子O2に接続される。
【0075】このラッチ回路2では、トランジスタQ2
6,Q27、Q29,Q30、およびQ28,Q31の
それぞれのトランジスタ対が、エミッタ端子同士が接続
された差動型カレントスイッチ回路を構成する。また、
ラッチ回路2では、トランジスタQ28,Q31と抵抗
R18とによってラッチ回路2内に流れる電流の電流値
が決定される。
【0076】次に、バッファ回路1およびラッチ回路2
の動作について説明する。以下の説明においては、具体
的な数値データを用いて説明する。その数値データは、
一例として次のように仮定する。
【0077】第1の電源ノードVCCが受ける第1の電
位は0Vとし、第2の電源ノードVEEが受ける第2の
電位は−2.0Vとする。第1の定電圧端子VCS1が
受ける電圧は−0.9Vとし、これにより第1の定電圧
端子VCS1と第2の電源ノードVEEとの間の電圧差
は1.1Vとする。第2の定電圧端子VCS2が受ける
電圧は−1.1Vとし、これにより第1の電源ノードV
CCと第2の定電圧端子VCS2との間の電圧差は1.
1Vとする。
【0078】第1のデータ入力端子D1に与えられる第
1のデータ信号および第2のデータ入力端子D2に与え
られる第2のデータ信号のそれぞれは、ハイレベルが0
V、ローレベルが−0.4Vの電圧とし、第2のデータ
信号は、第1のデータ信号の反転信号とする。第1のク
ロック入力端子C1に与えられる第1のクロック信号お
よび第2のクロック入力端子C2に与えられる第2のク
ロック信号のそれぞれは、ハイレベルが−1.6V、ロ
ーレベルが−2.0Vの電圧とする。
【0079】抵抗R10,R11,R12,R13,R
14,R15,R18のそれぞれの抵抗値は600Ωと
する。抵抗R16,R17のそれぞれの抵抗値は800
Ωとする。
【0080】このように各トランジスタおよび各抵抗に
ついての数値データを仮定すると、バッファ回路付ラッ
チ回路内の各定電流回路には次のような定電流が流れる
ことになる。第1の定電圧端子VCS1には、−0.9
Vの電圧が与えられ、トランジスタQ18のベース・エ
ミッタ間電圧が0.8Vであるので、トランジスタQ1
8および抵抗R10にて構成される定電流回路には50
0μAの定電流が流れる。
【0081】第2の定電圧端子VCS2には−1.1V
の電圧が与えられ、トランジスタQ19,Q22,Q2
4の各々のベース・エミッタ間電圧が0.8Vであるの
で、トランジスタQ19,抵抗R11、トランジスタQ
22,抵抗R14およびトランジスタQ24,抵抗R1
5にて構成されるそれぞれの定電流回路には500μA
の電流が流れる。
【0082】第1の状態においては、第1のデータ入力
端子D1にハイレベル(0V)のデータ信号が与えら
れ、第2のデータ入力端子D2にローレベル(−0.4
V)のデータ信号が与えられているものとする。これに
より、トランジスタQ16のベース端子の電圧が0Vに
なり、トランジスタQ17のベース端子の電圧が−0.
4Vになる。その結果、トランジスタQ16がオンし、
トランジスタQ17がオフする。
【0083】このようにトランジスタQ16がオンする
ことにより、トランジスタQ18および抵抗R10によ
り構成される定電流回路によって抵抗R8に500μA
の電流が流れる。抵抗R8に500μAの電流が流れる
と、トランジスタQ16のコレクタ端子の電圧が−0.
4Vになり、その結果、ノードN2の電圧が−0.4V
になる。
【0084】この状態においてトランジスタQ17はオ
フしているので、抵抗R9には電流が流れない。このた
め、トランジスタQ17のコレクタ端子の電圧が0Vに
なり、その結果、ノードN1の電圧が0Vになる。
【0085】そして、この第1の状態においては、第1
のクロック入力端子C1にハイレベル(−1.6V)の
クロック信号が与えられ、第2のクロック入力端子C2
にローレベル(−2.0V)のクロック信号が与えられ
ているものとする。これにより、トランジスタQ20の
ベース端子の電圧が−1.6Vになり、トランジスタQ
21のベース端子の電圧が−2.0Vになる。その結
果、トランジスタQ21がオンし、トランジスタQ20
がオフする。
【0086】このようにトランジスタQ21がオンする
ことにより、トランジスタQ19および抵抗R11によ
り構成される定電流回路によって抵抗R13に500μ
Aの電流が流れる。抵抗R13に500μAの電流が流
れると、トランジスタQ21のコレクタ端子の電圧が−
1.7Vになり、その結果、トランジスタQ25のベー
ス端子の電圧が−1.7Vになる。
【0087】この状態においてトランジスタQ20はオ
フしているので、抵抗R12には電流が流れない。この
ため、トランジスタQ20のコレクタ端子の電圧が2.
0Vになり、その結果、トランジスタQ23のベース端
子の電圧が2.0Vになる。
【0088】そして、トランジスタQ25においては、
ベース端子の電圧が−1.7Vになったために、エミッ
タ端子の電圧が、ベース端子の電圧よりもベース・エミ
ッタ間電圧(0.8V)だけ高い−0.9Vになる。そ
の結果、ノードN3の電圧が−0.9Vになる。一方、
トランジスタQ23においては、ベース端子の電圧が−
2.0Vになったために、エミッタ端子の電圧が、ベー
ス端子の電圧よりもベース・エミッタ間電圧(0.8
V)だけ高い−1.2Vになる。その結果、ノードN4
の電圧が−1.2Vになる。
【0089】このようなバッファ回路1の動作に従っ
て、ラッチ回路2は、次のように動作する。ノードN3
の電圧が−0.9VになったためにトランジスタQ28
のベース端子の電圧が−0.9Vになり、ノードN4の
電圧が−1.2VになったためにトランジスタQ31の
ベース端子の電圧が−1.2Vになる。その結果、トラ
ンジスタQ28がオンし、トランジスタQ31がオフす
る。これとともに、ノードN1の電圧が0Vになったた
めにトランジスタQ26のベース端子の電圧が0Vにな
り、ノードN2の電圧が−0.4Vになったためにトラ
ンジスタQ27のベース端子の電圧が−0.4Vにな
る。その結果、トランジスタQ26がオンし、トランジ
スタQ27がオフする。
【0090】このように、トランジスタQ28,Q26
がともにオンすると、トランジスタQ28および抵抗R
18が定電流回路として働く。この場合、トランジスタ
Q28には、ベース端子の電圧が−0.9V、ベース・
エミッタ間電圧が0.8Vであり、抵抗R18の抵抗値
が600Ωであるので、トランジスタQ28および抵抗
R18により構成される定電流回路により、抵抗R16
に500μAの電流が流される。抵抗R16に500μ
Aの電流が流れると、トランジスタQ26のコレクタ端
子の電圧が−0.4Vになり、その結果、第2のデータ
出力端子O2の電圧が−0.4Vになる。
【0091】この状態においてトランジスタQ27がオ
フしているので、抵抗R17には電流が流れない。この
ため、トランジスタQ27のコレクタ端子の電圧が0V
になり、その結果、第1のデータ出力端子O1の電圧が
0Vになる。
【0092】このような第1の状態においては、第1の
データ出力端子O1は、ハイレベル(0V)のデータ信
号を出力し、第2のデータ出力端子O2は、ローレベル
(−0.4V)のデータ信号を出力する。
【0093】次に、このような第1の状態が第2の状態
になった場合について説明する。第2の状態では、第
1,第2のデータ信号のレベルは、第1の状態のままで
あり、第1,第2のクロック信号のレベルが変化する。
すなわち、第1のクロック信号がローレベル(−2.0
V)に変化し、第2のクロック信号がハイレベル(−
1.6V)に変化する。
【0094】この場合、第1の状態とは逆に、トランジ
スタQ20がオンし、トランジスタQ21がオフする。
したがって、トランジスタQ20のコレクタ端子の電圧
が−1.7Vになり、その結果、トランジスタQ23の
ベース端子の電圧が−1.7Vになる。一方、トランジ
スタQ21のコレクタ端子の電圧が−2.0Vになり、
その結果、トランジスタQ25のベース端子の電圧が−
2.0Vになる。
【0095】このようにトランジスタQ25のベース端
子の電圧が−2.0Vになり、トランジスタQ23のベ
ース端子の電圧が−1.7Vになったために、第1の状
態とは逆に、ノードN3の電圧が−1.2Vになり、ノ
ードN4の電圧が−0.9Vになる。
【0096】そして、ノードN3が−1.2Vになった
ためにトランジスタQ28のベース端子の電圧が−1.
2Vになり、ノードN4の電圧が−0.9Vになったた
めにトランジスタQ31のベース端子の電圧が−1.2
Vになる。その結果、第1の状態とは逆に、トランジス
タQ31がオンし、トランジスタQ28がオフする。
【0097】この場合、前述した第1の状態において、
第1のデータ出力端子O1の電圧が0Vにされ、第2の
データ出力端子O2の電圧が−0.4Vにされているた
め、トランジスタQ29のベース端子の電圧が0Vであ
り、トランジスタQ30のベース端子の電圧が−0.4
Vである。その結果、トランジスタQ29がオンし、ト
ランジスタQ30がオフする。
【0098】このように、トランジスタQ31がオンす
ることにより、トランジスタQ31および抵抗R18が
定電流回路として働く。この定電流回路は、第1の状態
におけるトランジスタQ28および抵抗R18により構
成される定電流回路と同様に500μAの電流を流す。
この第2の状態においては、トランジスタQ31,Q2
9がオンすることにより、トランジスタQ31および抵
抗R18により構成される定電流回路によって抵抗R1
6に500μAの電流が流される。このように抵抗R1
6に500μAの電流が流れるために、トランジスタQ
29のコレクタ端子の電圧が−0.4Vになり、その結
果、第2のデータ出力端子O2の電圧が−0.4Vに保
持される。
【0099】この状態においてトランジスタQ30がオ
フしているので、抵抗R17には電流が流れない。この
ため、トランジスタQ30のコレクタ端子の電圧が0V
になり、その結果、第1のデータ出力端子O1の電圧が
0Vに保持される。
【0100】また、このような第1,第2の状態と異な
り、第1のデータ入力端子D1にローレベル(−0.4
V)のデータ信号が与えられ、第2のデータ入力端子D
2にハイレベル(0V)のデータ信号が与えられた状態
においては、第1のデータ出力端子O1および第2のデ
ータ出力端子O2のそれぞれから出力されるデータ信号
のレベルが第1,第2の状態に対して反転するだけで、
バッファ回路10およびラッチ回路20は、第1,第2
の状態と同様に動作する。
【0101】この実施例によるバッファ回路付きラッチ
回路では、第1のクロック入力端子C1に与えられる第
1のクロック信号がハイレベルの場合に、第1,第2の
データ入力端子D1,D2のそれぞれに与えられるデー
タ信号を取込み、前記第1のクロック信号がローレベル
になった場合に、先に取込んだデータ信号を保持する。
すなわち、図9に示したタイミングチャートと同様の動
作を行なう。
【0102】このバッファ回路付きラッチ回路における
バッファ回路1では、第2の電源ノードVEEが受ける
第2の電位が変動した場合、第1の定電圧端子VCS1
が受ける第1の定電圧が前記第2の電位に追従して変動
する。このため、前記第1の定電圧と前記第2の電位と
の間の電圧差は、常に一定に保たれるので、トランジス
タQ18および抵抗R10により構成される定電流回路
の定電流は、常に500μAに保持される。
【0103】また、バッファ回路1は、その機能面から
構成を分けると、データ信号をラッチ回路2に与えるた
めの第1の回路11と、クロック信号をラッチ回路2に
与えるための第2の回路12との2つの回路にて構成さ
れる。
【0104】第2の回路12においては、第2の定電圧
端子VCS2が受ける第2の定電圧が、第2の電位の変
動に追従せず、常に一定に保持される。このため、トラ
ンジスタQ20およびQ21にて構成される差動型カレ
ントスイッチ回路の出力振幅は、第2の電位が変動して
も変動しない。しかし、その出力振幅のローレベルは、
第2の電位と同じになり、一方、その出力振幅のハイレ
ベルは第2の電位と、前記差動型カレントスイッチ回路
に流れる電流値と、抵抗R22またはR13の抵抗値と
により決まる電圧になる。したがって、トランジスタQ
23およびQ25の各々のベース端子には、第2の電位
に追従して変動する電圧が与えられることになり、その
結果、ノードN3,N4には、第2の電位の変動に追従
して変動する電圧が与えられる。
【0105】このため、ラッチ回路2のトランジスタQ
28およびQ31のそれぞれのベース端子には、第2の
電位の変動に追従して変動する電圧が与えられることに
なる。これにより、第2の電位が変動しても抵抗R18
には常に一定の電圧がかけられることになる。したがっ
て、ラッチ回路2においては、第2の電位が変動しても
常に一定の電流が流れることにより、回路は安定に動作
する。
【0106】このように、本発明は、ラッチ回路2のよ
うなシリーズゲート型のECL回路に入力信号を供給す
るバッファ回路1のような信号供給回路において、前記
ECL回路に供給する入力信号のうち、最も低い電位の
入力信号、すなわち、クロック信号を第2の電位の変動
に追従して変動させる構成としたことに特徴がある。
【0107】ここで、ラッチ回路2の構成に注目する
と、差動型カレントスイッチ回路を構成するトランジス
タQ28,Q31と抵抗R18とで定電流回路が構成さ
れる。このため、本実施例においては、図8に示される
トランジスタQ15のような定電流回路専用のトランジ
スタを省略できた。そのため、ラッチ回路2を動作させ
るために最低限必要である電源電圧を従来よりも低くす
ることができる。
【0108】また、この実施例によるバッファ回路付き
ラッチ回路では、ノードN3,N4の電位の立下がりを
高速で行なうことができる。その理由を、ノードN3の
電位の立下がりを例にとって説明する。まず、ノードN
3の電位がハイレベル(−0.9V)である場合におい
て、第1のクロック信号がハイレベルからローレベルに
変化し、第2のクロック信号がローレベルからハイレベ
ルに変化したとき、トランジスタQ21がオフし、トラ
ンジスタQ20がオンする。この場合、トランジスタQ
25のベース端子の電圧が第2の電位まで下がる。この
ため、トランジスタQ25のベース・エミッタ間電圧が
一時的に大きくなり、そのためにトランジスタQ25に
流れる電流が急速に増加する。その結果、ノードN3の
電位が急速に立下げられる。
【0109】さらに、本実施例によるバッファ回路付き
ラッチ回路では、ラッチ回路2における温度特性がよ
く、このため回路が安定に動作する。次にその理由につ
いて説明する。トランジスタQ19および抵抗R11に
より構成される定電流回路の電流をICS、第2の電源
ノードVEEが受ける第2の電位をVEE、抵抗R13
の抵抗値をR13、トランジスタQ25のベース・エミ
ッタ間電圧をVBE(Q25)とすると、ノードN3の
電位がハイレベルである場合の電圧VOH(N3)は、
下記(1)式で表わされる。
【0110】 VOH(N3)=VEE+ICS・R13+VBE(Q25) …(1) また、トランジスタQ28のベース・エミッタ間電圧を
VBE(Q28)、抵抗R18の抵抗値をR18とする
と、抵抗R18に流れる電流I(R18)は、下記
(2)式で表わされる。
【0111】 I(R18)=(VOH(N3)−VDE(Q28)−VEE)/R18 =(ICS・R13+VBE(Q25)−VBE(Q28))/ R18 …(2) 前記(2)式において、次に示す第1,第2および第3
の条件が満たされれば電流I(R18)は、温度によら
ず一定となる。第1の条件は、電流ICSが温度によら
ず一定になることである。第2の条件は、電圧VBE
(Q25)と電圧VBE(Q28)とが等しいことであ
る。第3の条件は、抵抗R18とR13との間での温度
による抵抗値の変化量の比が等しいことである。
【0112】前記第1の条件は、バッファ回路1の製造
時において実現できる。前記第2の条件は、各トランジ
スタのエミッタ面積(SE)とエミッタに流れるエミッ
タ電流(IE)との関係をプロセス工程において調節
し、それによる電流密度(IE/SE)の調節により実
現できる。前記第3の条件は、各抵抗を同一プロセス工
程で形成する場合に、不純物濃度の均一性により抵抗値
とその温度による抵抗値の変化量の比とを等しくするこ
とにより容易に実現できる。
【0113】その他にも、この実施例によるバッファ回
路付きラッチ回路には次のような特徴がある。このバッ
ファ回路付きラッチ回路では、NPN型のトランジスタ
Q16,Q17,Q25,Q27などのように、ベース
端子(P極性)に与えられる電圧が0Vであるときに、
コレクタ端子(N極性)が出力する電圧が−0.4Vに
なる場合がある。すなわち、トランジスタが、コレクタ
端子がベース端子よりも低い電圧で用いられる場合があ
る。また、この回路では、PNP型のトランジスタQ2
0,Q21などのように、ベース端子(N極性)に与え
られる電圧が−2.0Vであるときに、コレクタ端子
(P極性)が出力する電圧が−1.6Vになる場合があ
る。すなわち、トランジスタが、コレクタ端子がベース
端子よりも高い電圧で用いられる場合がある。
【0114】このようにP極性に正の電圧をかけ、N極
性に負の電圧をかけた状態は、順バイアス状態と呼ばれ
る。
【0115】このような順バイアス状態で用いられるト
ランジスタにおいては、大きい順バイアス(たとえば
0.6V以上)をコレクタ端子とベース端子との間にか
けた場合には、トランジスタが飽和領域で動作するため
に動作速度が遅くなる。しかし、本実施例で用いられる
トランジスタは、その論理振幅を最大でも0.4Vとし
ている。そのため、トランジスタは、弱い飽和領域にお
いて動作するので動作速度が遅くならない。
【0116】次に、図1に示されたバッファ回路1にお
ける第2の回路12の回路構成の概念について説明す
る。図2は、図1に示されたバッファ回路1における第
2の回路12の概略構成を示す回路図である。
【0117】図2を参照して、第1の電源ノードVCC
と第2の電源ノードVEEとの間に定電流源3と抵抗4
とが直列に接続される。定電流源3および抵抗4の間の
ノードと第2の電源ノードVEEとの間にレベルシフト
回路5が設けられる。クロック信号を受ける入力ノード
Cは、定電流源3に接続される。レベルシフト回路5と
第2の電源ノードVEEとの間のノードが出力ノードN
である。
【0118】この図2の回路では、入力ノードCから与
えられるクロック信号に応答して、定電流源3から抵抗
4に定電流が流れる。この定電流により抵抗4に生じた
電圧が、レベルシフト回路5でレベルシフトされて出力
ノードNに与えられる。この回路では、第2の電源ノー
ドVEEが受ける第2の電位が変動すると、抵抗4に生
じる電圧が第2の電位に追従して変動する。そのため、
出力ノードNの電圧が第2の電位の変動に追従して変動
する。
【0119】第2実施例 次に、第2実施例について説明する。前述の第1実施例
では、図1のバッファ回路1における第2の回路12を
差動型カレントスイッチ回路とエミッタホロワ回路とに
て構成したが、クロック信号を図1のラッチ回路2に与
えるための第2の回路12は、差動型カレントスイッチ
回路のみでも構成することができる。第2実施例では、
そのような構成の第2の回路について説明する。
【0120】図3は、第2実施例によるバッファ回路に
おける第2の回路の回路図である。図3の第2回路は、
図1の第2回路12の変形例であり、2個のPNPトラ
ンジスタQ32,Q33と、3個の抵抗R19,R2
0,R21とにより構成される。
【0121】図3を参照して、第1の電源ノードVCC
と第2の電源ノードVEEとの間に、抵抗R19、トラ
ンジスタQ32および抵抗R20が直列に接続される。
抵抗R19およびトランジスタQ32の間のノードと第
2の電源ノードVEEとの間に、トランジスタQ33お
よび抵抗R21が直列に接続される。
【0122】第1のクロック入力端子C1はトランジス
タQ32のベース端子に接続され、第2のクロック入力
端子C2はトランジスタQ33のベース端子に接続され
る。トランジスタQ33のコレクタ端子と抵抗R21と
の間のノードN3が図1のノードN3に相当する。トラ
ンジスタQ32のコレクタ端子と抵抗R20との間のノ
ードN4が図1のノードN4に相当する。図3の回路に
おいては、トランジスタQ32,Q33が差動型カレン
トスイッチ回路を構成する。
【0123】次に、図3の回路の動作について説明す
る。以下の説明においては、具体的な数値データを用い
て説明する。その数値データは、一例として次のように
仮定する。第1の電源ノードVCCが受ける第1の電位
および第2の電源ノードVEEが受ける第2の電位は、
図1の回路と同じとする。第1のクロック入力端子C1
が受ける第1のデータ信号および第2のクロック入力端
子C2が受ける第2のクロック信号のそれぞれは、ハイ
レベルが−0.8V、ローレベルが−1.2Vの電圧と
する。抵抗R19の抵抗値は800Ωとし、抵抗R2
0,R21のそれぞれの抵抗値は2200Ωとする。
【0124】第1の状態においては、第1のクロック入
力端子C1にハイレベル(−0.8V)の信号が与えら
れ、第2のクロック入力端子C2にローレベル(−1.
2V)の信号が与えられるものとする。この場合、トラ
ンジスタQ33がオンし、トランジスタQ32がオフす
る。
【0125】このようにトランジスタQ33がオンする
ことにより、トランジスタQ33および抵抗R19によ
り構成される定電流回路によって抵抗R21に500μ
Aの電流が流れる。抵抗R21に500μAの電流が流
れると、トランジスタQ33のコレクタ端子の電圧が−
0.9Vになり、その結果、ノードN3の電位が−0.
9Vになる。
【0126】この状態においてトランジスタQ32がオ
フしているので、抵抗R20には電流が流れない。この
ため、トランジスタQ32のコレクタ端子の電圧が2.
0Vになり、その結果、ノードN4の電圧が2.0Vに
なる。
【0127】次に、第1の状態が第2の状態になった場
合について説明する。第2の状態では、第1のクロック
信号がローレベル(−1.2V)に変化し、第2のクロ
ック信号がハイレベル(−0.8V)に変化するものと
する。この第2の状態においては、トランジスタQ32
がオンし、トランジスタQ33がオフする。
【0128】このようにトランジスタQ32がオンする
ことにより、トランジスタQ32および抵抗R19によ
り構成される定電流回路によって抵抗R20に500μ
Aの電流が流れる。その結果、ノードN4の電圧が−
0.9Vになる。一方、トランジスタQ33がオフして
るので、抵抗R21には電流が流れない。その結果、ノ
ードN3の電圧が2.0Vになる。
【0129】この図3の回路のように差動型カレントス
イッチ回路のみでバッファ回路の第2の回路を構成した
場合でも、ノードN3,N4のそれぞれの電圧が図1の
ノードN3,N4と同じになるように抵抗値などを調節
すれば、図3の回路は、図1の第2の回路12と同様に
動作する。また、図3の回路においては、ノードN3,
N4のそれぞれの電圧は、抵抗R20またはR21に流
れる電流の電流値と、抵抗R20またはR21の抵抗値
と、第2の電源ノードVEEが受ける第2の電位とによ
って決まるので、ノードN3,N4のそれぞれの電圧は
第2の電位の変動に追従して変動する。
【0130】このような図3の第2回路では、図1の第
2回路12よりも少ない素子数で回路を構成できるとい
う利点がある。
【0131】第3実施例 次に、第3実施例について説明する。第1実施例および
第2実施例においてはバッファ回路の第2の回路をPN
Pトランジスタおよび抵抗により構成したが、そのよう
な第2の回路は、NPNトランジスタおよび抵抗によっ
ても構成することができる。第3実施例では、そのよう
な回路の構成の概念について説明する。また、第3実施
例に続く第4〜第6実施例においては、その具体的な回
路の例について説明する。
【0132】図4は、バッファ回路におけるNPNトラ
ンジスタを用いた第2の回路の概略構成を示す回路図で
ある。図4を参照して、第1の電源ノードVCCと出力
ノードNとの間に抵抗6が接続される。この出力ノード
Nは、図1におけるノードN3,N4に相当するもので
ある。第2の電源ノードVEEと出力ノードNとの間に
はNPNトランジスタを含む可変電流源7が接続され
る。クロック信号を受ける入力ノードCは、可変電流源
7に接続される。この入力ノードCは、図1の第1のク
ロック入力端子C1および第2のクロック入力端子C2
に相当するものである。
【0133】この回路では、入力ノードCから与えられ
るクロック信号に応答して、可変電流源7から抵抗6に
電流が流れる。その電流は、可変電流源7により、クロ
ック信号に応答して電流値が制御されるとともに、第2
の電源ノードVEEが受ける第2の電位にも応答して電
流値が制御される。
【0134】可変電流源7から抵抗6に流れる電流によ
り抵抗6に生じた電圧が出力ノードNに与えられる。こ
の回路では、第2の電位が変動すると、出力ノードNの
電圧が第2の電位の変動に追従して変動する。
【0135】第4実施例 次に、第4実施例について説明する。図5は、第4実施
例によるバッファ回路の第2の回路の回路図である。
【0136】図5の回路は、2個のNPNトランジスタ
Q34,Q35、1個のダイオードDIOおよび4個の
抵抗R22〜R25を含む。
【0137】図5を参照して、第1の電源ノードVCC
と第2の電源ノードVEEとの間にダイオードDIO、
抵抗R22、R23、トランジスタQ34および抵抗R
25が直列に接続される。抵抗R22およびR23の間
のノードと、トランジスタQ34および抵抗R25の間
のノードとの間には、抵抗R24およびトランジスタQ
35が直列に接続される。
【0138】第1のクロック信号を受ける第1のクロッ
ク入力端子C1がトランジスタQ34のベース端子に接
続され、第2のクロック信号を受ける第2のクロック入
力端子C2がトランジスタQ35のベース端子に接続さ
れる。抵抗R24とトランジスタQ35のコレクタ端子
との間のノードN3は、図1のノードN3に相当する。
抵抗R23とトランジスタQ34のコレクタ端子との間
のノードN4は、図1のノードN4に相当する。この図
5の回路においては、トランジスタQ34,Q35が差
動型カレントスイッチ回路を構成する。
【0139】次に、図5の回路の動作について説明す
る。以下の説明においては、具体的な数値データを用い
て説明する。その数値データは、一例として次のように
仮定する。
【0140】第1の電源ノードVCCが受ける第1の電
位および第2の電源ノードVEEが受ける第2の電位
は、第1実施例と同じである。第1のクロック信号およ
び第2のクロック信号のそれぞれは、ハイレベルが−
1.1V、ローレベルが−1.4Vの電圧とする。抵抗
R22,R25のそれぞれの抵抗値は、200Ωとす
る。抵抗R23,R24の抵抗値は、600Ωとする。
【0141】第1の状態においては、第1のクロック入
力端子C1にハイレベル(−1.1V)の信号が与えら
れ、第2のクロック入力端子C2にローレベル(−1.
4V)の信号が与えられるものとする。この場合、トラ
ンジスタQ34がオンし、トランジスタQ35がオフす
る。
【0142】このようにトランジスタQ34がオンする
ことにより、トランジスタQ34と抵抗R25との間の
ノードの電圧は、トランジスタQ34のベース端子の電
圧からベース・エミッタ間電圧だけ下がった−1.9V
になる。これにより抵抗R25には500μAの電流が
流れる。したがって、ダイオードDIOおよび抵抗R2
2に500μAの電流が流れる。
【0143】ダイオードDIOおよび抵抗R22に50
0μAの電流が流れると、ノードN4の電圧は、第1の
電位である0VからダイオードDIOによる0.8Vの
電圧降下と、抵抗R22およびR23による0.4Vの
電圧降下とによって−1.2Vになる。一方、この状態
においてトランジスタQ35がオフしているので、ノー
ドN3の電圧は、第1の電位である0Vからダイオード
DIOによる0.8Vの電位降下と抵抗R22による
0.1Vの電圧降下とによって−0.9Vになる。
【0144】次に、第1の状態が第2の状態になった場
合について説明する。第2の状態では、第1のクロック
信号がローレベル(−1.4V)に変化し、第2のクロ
ック信号がハイレベル(−1.1V)に変化する。この
場合、トランジスタQ35がオンし、トランジスタQ3
4がオフする。
【0145】このようにトランジスタQ35がオンする
と、第1の状態とは逆の動作によって、ノードN3の電
圧が−1.2Vになり、ノードN4の電圧が−0.9V
になる。
【0146】このような図5の第2の回路では、ノード
N3,N4のそれぞれの電圧が第2の電位の変動に追従
して変動する。次にノードN3,N4の電圧が第2の電
位の変動に追従して変動する理由について説明する。
【0147】図5の回路においては、ノードN3または
N4の電圧のハイレベル(たとえば−0.9V)が、図
1のバッファ回路2に流す電流を決定する。このため、
ノードN3またはN4の電圧のハイレベルが第2の電位
の変動に追従すれば、バッファ回路2が安定した動作を
行なう。したがって、ノードN3またはN4の電圧がハ
イレベルである場合のその電圧と第2の電位との関係が
わかれば、ノードN3またはN4の電圧が第2の電位の
変動に追従して変動することを証明できる。
【0148】ここで、第1,第2のクロック信号の電圧
をVIN、トランジスタQ34,Q35のそれぞれのベ
ース・エミッタ間電圧をVBE、ダイオードDIOによ
るである降下をVDIO、第1の電位をVCC、第2の
電位をVEE、ノードN3,N4の出力電圧をVOUT
とすれば、その出力電圧VOUTは下記(3)式で表わ
される。
【0149】 VOUT=VCC−VDIO−R22・((VIN−VBE)−VEE)/R 25 …(3) 前記(3)式で表わされる出力電圧VOUTが第2の電
位VEEの変動に追従して変動する場合は、下記(4)
式に示されるように出力電圧VOUTを第2の電位VE
Eで微分してその値が1になればよい。すなわち、下記
(5)式に示されるように抵抗R22および抵抗R25
のそれぞれの抵抗値が同じであればよい。
【0150】
【数1】
【0151】このように図5の回路においては、ノード
N3,N4の電圧が第2の電位の変動に追従して変動す
る。
【0152】第5実施例 次に、第5実施例について説明する。図6は、第5実施
例によるバッファ回路の第2の回路の回路図である。こ
の図6の回路は、図5の回路の変形例であり、6個のN
PNトランジスタQ36〜Q41および6個の抵抗R2
6〜R30を含む。以下にする図6の回路の説明におい
ては、主に図5の回路との相違点について説明する。
【0153】図6を参照して、2個のトランジスタQ3
6,Q37と4個の抵抗R26〜R29とで構成される
回路は、図5における2個のトランジスタQ34,Q3
5と4個の抵抗R22〜R25とで構成される回路と同
じ構成のものである。図6の抵抗R26の一端は、直接
第1の電源ノードVCCに接続される。そのトランジス
タQ36,Q37を含む回路と、ノードN3,N4との
間には、エミッタホロワ回路8が設けられる。エミッタ
ホロワ回路8は、4個のトランジスタQ38〜Q41と
2個の抵抗R30,R31とを含む。
【0154】第1の電源ノードVCCと第2の電源ノー
ドVEEとの間には、トランジスタQ38、Q39およ
び抵抗R30が直列に接続される。第1の電源ノードV
CCと第2の電源ノードVEEとの間には、トランジス
タQ40、Q41および抵抗R31も直列に接続され
る。トランジスタQ39,Q41のそれぞれのベース端
子は、図1に示される第1の定電圧端子VCS1に接続
される。これにより、トランジスタQ39および抵抗R
30と、トランジスタQ41および抵抗R31とのそれ
ぞれのトランジスタおよび抵抗の組が定電流回路を構成
する。
【0155】トランジスタQ38のベース端子は抵抗R
28とトランジスタQ37との間のノードに接続され
る。トランジスタQ40のベース端子は、抵抗R27と
トランジスタQ36との間のノードに接続される。トラ
ンジスタQ38およびQ39の間のノードがノードN3
に接続される。トランジスタQ40およびトランジスタ
Q41の間のノードがノードN4に接続される。このノ
ードN3,N4は図1のノードN3,N4に相当するも
のである。この図6の回路においては、トランジスタQ
36,Q37が差動型カレントスイッチ回路を構成す
る。
【0156】次に、図6の回路の動作について説明す
る。以下の説明においては、具体的な数値データを用い
て説明する。その数値データは、一例として次のように
仮定する。第1,第2の電位および第1,第2のクロッ
ク信号のそれぞれは、図5の回路の場合と同じとする。
抵抗R26,R29のそれぞれの抵抗値は200Ωと
し、抵抗R27,R28のそれぞれの抵抗値は600Ω
とする。
【0157】エミッタホロワ回路8に信号を与えるトラ
ンジスタQ36,Q37を含む回路は、図5の回路と同
様の動作をする。これにより、トランジスタQ38,Q
40のそれぞれのベース端子に与えられる電圧は、ハイ
レベルが−0.1Vとなり、ローレベルが−0.4Vと
なる。
【0158】エミッタホロワ回路8では、トランジスタ
Q38のベース端子に与えられた電圧がベース・エミッ
タ間電圧だけ下げられてノードN3に与えられ、トラン
ジスタQ40のベース端子に与えられた電圧がベース・
エミッタ間電圧だけ下げられてノードN4に与えられ
る。これにより、ノードN3,N4のそれぞれの電圧
は、ハイレベルが−0.9Vでローレベルが−1.2V
となる。
【0159】この図6の回路においても、図5の回路と
同様に第2の電位の変動に追従してノードN3,N4の
電圧が変動する。そのような動作が実現される条件は、
図5の回路と同様に抵抗R26およびR29の抵抗値が
等しい場合である。
【0160】第6実施例 次に、第6実施例について説明する。図7は、第6実施
例によるバッファ回路の第2回路の回路図である。図7
の回路は、9個のNPNトランジスタQ42〜Q50と
11個の抵抗R32〜R42とを含む。
【0161】図7を参照して、第1の電源ノードVCC
と第2の電源ノードVEEとの間に、抵抗R34、トラ
ンジスタQ43および抵抗R35が直列に接続される。
第1の電源ノードVCCと第2の電源ノードVEEとの
間には、抵抗R39、トランジスタQ49および抵抗R
40も直列に接続される。
【0162】第1の電源ノードVCCと、出力ノードで
あるノードN4との間には抵抗R32が接続され、ノー
ドN4と第2の電源ノードVEEとの間にはトランジス
タQ42および抵抗R33が直列に接続される。トラン
ジスタQ42のベース端子は抵抗R34およびトランジ
スタQ43の間のノードに接続される。
【0163】第1の電源ノードVCCと、出力ノードで
あるノードN3との間には抵抗R41が接続され、ノー
ドN3と第2の電源ノードVEEとの間にはトランジス
タQ50および抵抗R42が直列に接続される。トラン
ジスタQ50のベース端子は、抵抗R39とトランジス
タQ49との間のノードに接続される。
【0164】ノードN4と第2の電源ノードVEEとの
間には、トランジスタQ44および抵抗R36も直列に
接続される。ノードN3と第2の電源ノードVEEとの
間には、トランジスタQ48および抵抗R38も直列に
接続される。ノードN4と第2の電源ノードVEEとの
間には、トランジスタQ45、Q47および抵抗R37
も直列に接続される。ノードN3と、トランジスタQ4
5およびQ47の間のノードとの間には、トランジスタ
Q46が接続される。
【0165】第1のクロック入力端子C1はトランジス
タQ45のベース端子に接続され、第2のクロック入力
端子C2はトランジスタQ46のベース端子に接続され
る。第1の定電圧端子VCS1は、トランジスタQ4
3,Q44,Q47,Q48,Q49のそれぞれのベー
ス端子に接続される。
【0166】この図7の回路においては、トランジスタ
Q45,Q46のトランジスタ対が、エミッタ端子同士
が接続された差動型カレントスイッチ回路を構成する。
また、トランジスタQ43,抵抗R35、トランジスタ
Q44,抵抗R36、トランジスタQ47,抵抗R3
7、トランジスタQ48,抵抗R38およびトランジス
タQ49,抵抗R40のそれぞれのトランジスタおよび
抵抗の組が定電流回路を構成する。
【0167】図7の回路では、ノードN4の電圧は、抵
抗R32の抵抗値と、抵抗R32に供給される電流値と
によって決まる電圧分だけ第1の電位から電圧降下した
電圧になる。抵抗R32に電流を供給する回路として
は、抵抗R32に定電流を供給する第1の電流供給回路
と、抵抗R32に第2の電位に応答して変化する電流を
供給する第2の電流供給回路と、抵抗R32に向けて定
電流の供給および遮断を選択的に行なう第3の電流供給
回路とがある。
【0168】前記第1の電流供給回路は、トランジスタ
Q44および抵抗R36により構成される。前記第2の
電流供給回路は、トランジスタQ42および抵抗R33
により構成される。前記第3の電流供給回路は、トラン
ジスタQ45、Q47および抵抗R37により構成され
る。これらの第1の電流供給回路〜第3の電流供給回路
により供給される電流の合計値が抵抗R32に流れるこ
とになる。
【0169】また、ノードN3の電圧は、抵抗R41の
抵抗値と抵抗R41に供給される電流とによって決まる
電圧分だけ第1の電位から電圧降下した電圧になる。抵
抗R41に電流を供給する回路としては、抵抗R32に
電流を供給する回路と同様の働きをする第1の電流供給
回路〜第3の電流供給回路がある。抵抗R41に電流を
供給するための第1の電流供給回路は、トランジスタQ
48および抵抗R38により構成される。その第2の電
流供給回路は、トランジスタQ50および抵抗R42に
より構成される。その第3の電流供給回路は、トランジ
スタQ46、Q47および抵抗R37により構成され
る。
【0170】次に、図7の回路の動作について説明す
る。以下の説明においては、具体的な数値データを用い
て説明する。その数値データは、一例として次のように
仮定する。
【0171】第1,第2の電位は第1実施例の場合と同
じとする。第1の定電圧端子が受ける第1の定電圧は、
−0.9Vとし、これにより第1の定電圧端子VCS1
と第2の電源ノードVEEとの間の電圧を1.1Vとす
る。第1のデータ信号および第2のデータ信号は、ハイ
レベルは−0.9V、ローレベルが−1.2Vの電圧と
する。
【0172】抵抗R32,R33,R35,R37,R
40,R41,R42のそれぞれの抵抗値は、600Ω
とする。抵抗R36,R38のそれぞれの抵抗値は30
0Ωとする。抵抗R34,R39のそれぞれの抵抗値は
1800Ωとする。
【0173】以上の数値データによれば、各定電流回路
には次のような電流が流れる。トランジスタQ43,抵
抗R35、トランジスタQ47,抵抗R37およびトラ
ンジスタQ49,抵抗R40のそれぞれの定電流回路に
は、500μAの電流が流れる。トランジスタQ44,
抵抗R36およびトランジスタQ48,抵抗R38のそ
れぞれの定電流回路には、1000μAの電流が流れ
る。
【0174】また、この定電流、抵抗R34またはR3
9の抵抗値および第1の電位により、トランジスタQ4
2およびQ50のそれぞれのベース端子が、常に−0.
9Vにバイアスされる。トランジスタQ42およびQ5
0のベース端子の電圧は、第2の電位が変動しても第1
の定電圧が第2の電位に追従して変動するため、常に−
0.9Vとなる。
【0175】このように、トランジスタQ42およびQ
50のベース端子の電圧が常に−0.9Vであるので、
第2の電位が変動していない状態では、抵抗R33およ
びR42のそれぞれに500μAの電流が流れる。
【0176】第1の状態においては、第1のクロック入
力端子C1にハイレベル(−0.9V)の信号が与えら
れ、第2のクロック入力端子C2にローレベル(−1.
2V)の信号が与えられるものとする。この場合、トラ
ンジスタQ45がオンし、トランジスタQ46がオフす
る。
【0177】このようにトランジスタQ45がオンする
と、抵抗R32には、トランジスタQ45を介した50
0μAの電流、トランジスタQ44を介した1000μ
Aの電流およびトランジスタQ42を介した500μA
の電流が流れる。これにより、抵抗R32には、合計2
000μAの電流が流れることになる。その結果、ノー
ドN4の電圧は、−1.2Vになる。
【0178】一方、トランジスタQ46がオフしている
ので、抵抗R41には、トランジスタQ46を介した電
流が流れず、トランジスタQ49を介した1000μA
の電流およびトランジスタQ50を介した500μAの
電流が流れる。これにより、抵抗R41には、合計15
00μAの電流が流れることになる。その結果、ノード
N3の電圧は、−0.9Vになる。
【0179】次に、第1の状態が第2の状態になった場
合について説明する。第2の状態では、第1,第2のク
ロック信号のレベルが変化する。すなわち、第1のクロ
ック信号がローレベル(−1.4V)に変化し、第2の
クロック信号がハイレベル(−1.1V)に変化する。
【0180】この第2の状態においては、第1の状態と
は逆にトランジスタQ46がオンし、トランジスタQ4
5がオフする。このようにトランジスタQ46がオン
し、トランジスタQ45がオフすることにより、第1の
状態とは逆に、抵抗R41に2000μAの電流が流
れ、抵抗R32に1500μAの電流が流れる。その結
果、第1の状態とは逆に、ノードN4の電圧が−0.9
Vになり、ノードN3の電圧が−1.2Vになる。
【0181】この図7の回路においても、ノードN3,
N4の電圧は、第2の電位の変動に追従して変動する。
次にその理由について説明する。ノードN3の電圧を決
定する電流のうち、第2の電位の変動により変化するの
は、トランジスタQ50を介した電流である。また、ノ
ードN4の電圧を決定する電流のうち第2の電位の変動
により変化するのはQ42を介した電流である。
【0182】そこで、抵抗R41、トランジスタQ50
および抵抗R42で構成される回路に着目する。この回
路におけるノードN3の出力電圧VOUTは、第1の電
位をVCC、第2の電位をVEE、トランジスタQ50
のエミッタ端子の電圧をVA、抵抗R41の抵抗値をR
41、抵抗R42の抵抗値をR42とすると、下記
(6)式で表される。
【0183】 VOUT=VCC−R41・(VA−VEE)/R42 …(6) 前記(6)式のように表される出力電圧VOUTが第2
の電位VEEの変動に追従して変動するためには、下記
(7)式のように出力電圧VOUTを第2の電位VEE
で微分してその値が1になればよい。そのためには、下
記(8)式のように抵抗R41および抵抗R42の抵抗
値を同じにすればよい。
【0184】
【数2】
【0185】同様に、ノードN4の電圧の場合は、抵抗
R32およびR33の抵抗値を同じにすればよい。図7
の回路では、このような抵抗値の条件が満たされている
ので、ノードN3,N4の電圧は、第2の電位の変動に
追従して変動する。
【0186】また、第3実施例〜第6実施例に示された
回路は、回路内のすべてのトランジスタがNPNトラン
ジスタで構成されるため、製造時のプロセスが複雑にな
らず、製造コストを低く抑えることができる。それに加
えて、NPNトランジスタはPNPトランジスタよりも
高速で動作するため、第3実施例〜第6実施例による回
路は、第1,第2実施例による回路よりも高速で動作さ
せることができる。
【0187】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明によれば、電流
源手段が、入力信号および第2の電位に応答して制御さ
れる電流を抵抗手段に供給するため、出力ノードの電位
が第2の電位の変動に追従して変動する。これにより、
第2の電位が変動しても第2の電位と出力ノードの電位
との差を一定に保つことができる。
【0188】このため、出力ノードの電位を、第1の電
源ノードと第2の電源ノードとの間に設けられたシリー
ズゲート型ECL回路における最も低い電位を受ける差
動型カレントスイッチ回路のトランジスタに与えるよう
にすると、そのトランジスタと第2の電源ノードとの間
に抵抗を設けるだけで、そのトランジスタおよび抵抗に
よりてか形成される。これによりシリーズゲート型EC
L回路において定電流回路専用のトランジスタを設ける
必要がなくなるので、従来よりも電源電圧を低くするこ
とができる。その結果として、回路の消費電力を低減す
ることができる。
【0189】さらに、電流源手段がNPNトランジスタ
一種類にて構成されるため、製造時のプロセスが複雑に
ならず、回路の製造コストを低減することができるとと
もに、PNPトランジスタで構成するよりも高速で回路
を動作させることができる。
【0190】請求項2に記載の本発明によれば、第1、
第2および第3の電流供給手段から抵抗手段に供給され
る第1、第2および第3の電流により出力ノードの電位
が決まる。このため、第3の電流の変化により出力ノー
ドの電位を入力信号に応答して変化させることができ
る。さらに、第2の電位の変動に応答する第2の電流の
変化により出力ノードの電位を第2の電位の変動に追従
して変動させることができる。
【0191】請求項3に記載の本発明によれば、入力信
号に応答してスイッチング動作を行なう第4のNPNト
ランジスタと、第2の電源ノードに接続された第2の抵
抗手段とによって、第1の電源ノードと出力ノードとの
間に設けられた抵抗手段に供給される電流により出力ノ
ードの電位が変化させられる。その結果、出力ノードの
電位は、入力信号に応答して変化させることができると
ともに第2の電位の変動に追従して変動させることがで
きる。
【0192】請求項4に記載の本発明によれば、抵抗手
段と第4のNPNトランジスタとの間のノードの電位を
エミッタホロワ回路によりレベルシフトして出力ノード
に与えることができる。
【0193】請求項5に記載の本発明によれば、入力信
号に応答してスイッチング動作をする第1のNPNトラ
ンジスタの動作に対応して電流源手段から抵抗手段に供
給される電流により、入力信号に応答して出力ノードの
電位を変化させることができる。さらに、抵抗手段が第
2の電源ノードに接続されているために出力ノードの電
位を第2の電位の変動に追従して変動させることができ
る。その結果、請求項1に記載の本発明と同様の理由に
より回路の電源電圧を低くすることができ、したがっ
て、回路の消費電力を低減することができる。
【0194】請求項6に記載の本発明によれば、入力信
号に応答してスイッチング動作をするPNPトランジス
タと、第1の抵抗手段とにより第2の抵抗手段に供給さ
れる電流によって、出力ノードの電位を変化させること
ができる。さらに、第2の抵抗手段が第2の電源ノード
に接続されているために出力ノードの電位を第2の電位
の変動にも追従して変動させることができる。このた
め、請求項1に記載の本発明と同様の理由により回路の
電源電圧を低くすることができ、したがって回路の消費
電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例によるバッファ回路付きラッチ回路
の回路図である。
【図2】図1のバッファ回路における第2の回路の概略
構成を示す回路図である。
【図3】第2実施例によるバッファ回路の第2の回路の
回路図である。
【図4】第3実施例によるバッファ回路の第2の回路の
概略構成を示す回路図である。
【図5】第4実施例によるバッファ回路の第2の回路の
回路図である。
【図6】第5実施例によるバッファ回路の第2の回路の
回路図である。
【図7】第6実施例によるバッファ回路の第2の回路の
回路図である。
【図8】従来のバッファ回路付きラッチ回路の回路図で
ある。
【図9】バッファ回路付きラッチ回路における入力信号
および出力信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
4,6,R1〜R42 抵抗 7 可変電流源 8,9 エミッタホロワ回路 C 入力ノード C1,C2 クロック入力端子 N 出力ノード N1〜N4 ノード VCC 第1の電源ノード VEE 第2の電源ノード Q1〜Q50 トランジスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電位を受ける第1の電源ノード
    と、 前記第1の電位よりも低い第2の電位を受ける第2の電
    源ノードと、 入力信号を受ける入力ノードと、 出力ノードと、 前記第1の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けら
    れた抵抗手段と、 前記第2の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けら
    れたNPNトランジスタを含み、前記入力信号および前
    記第2の電位に応答して制御される電流を前記抵抗手段
    に供給する電流源手段とを備えた、バイポーラ論理回
    路。
  2. 【請求項2】 前記電流源手段は、 前記第2の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けら
    れた第1のNPNトランジスタを含み、前記抵抗手段に
    予め定められた第1の電流を供給するための第1の電流
    供給手段と、 前記第2の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けら
    れた第2のNPNトランジスタを含み、前記第2の電位
    に応答して変化する第2の電流を前記抵抗手段に供給す
    るための第2の電流供給手段と、 前記第2の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けら
    れた第3のNPNトランジスタを含み、前記入力信号に
    応答した前記第3のNPNトランジスタのスイッチング
    動作に基づいて前記抵抗手段への予め定められた第3の
    電流の供給および遮断を選択的に行なう第3の電流供給
    手段とを含む、請求項1記載のバイポーラ論理回路。
  3. 【請求項3】 前記電流源手段は、 前記第2の電源ノードに一端が接続された第2の抵抗手
    段と、 前記出力ノードと前記第2の抵抗手段の他端との間に設
    けられ、前記入力信号に応答してスイッチング動作を行
    なう第4のNPNトランジスタとを含む、請求項1記載
    のバイポーラ論理回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の電源ノードと前記出力ノード
    との間に設けられ、前記抵抗手段と前記第4のNPNト
    ランジスタとの間のノードの電位に応答する第5のNP
    Nトランジスタを含んだエミッタホロワ回路をさらに含
    む、請求項3記載のバイポーラ論理回路。
  5. 【請求項5】 第1の電位を受ける第1の電源ノード
    と、 前記第1の電位よりも低い第2の電位を受ける第2の電
    源ノードと、 入力信号を受ける入力ノードと、 出力ノードと、 前記第2の電源ノードに一端が接続された抵抗手段と、 前記抵抗手段に定電流を供給するための電流源手段と、 前記抵抗手段と前記電流源手段との間に設けられ、前記
    入力信号に応答してスイッチング動作を行なう第1のN
    PNトランジスタと、 前記第2の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けら
    れ、前記抵抗手段と前記第1のNPNトランジスタとの
    間のノードの電位に応答する第2のPNPトランジスタ
    を含むエミッタホロワ回路とを備えた、バイポーラ論理
    回路。
  6. 【請求項6】 第1の電位を受ける第1の電源ノード
    と、 前記第1の電位よりも低い第2の電位を受ける第2の電
    源ノードと、 入力信号を受ける入力ノードと、 出力ノードと、 前記第1の電源ノードに一端が接続された第1の抵抗手
    段と、 前記出力ノードと前記第1の抵抗手段の他端との間に設
    けられ、前記入力信号に応答してスイッチング動作を行
    なうPNPトランジスタと、 前記第2の電源ノードと前記出力ノードとの間に設けら
    れた第2の抵抗手段とを備えた、バイポーラ論理回路。
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