JPH06338291A - けい光ランプおよびこれを用いた照明装置 - Google Patents
けい光ランプおよびこれを用いた照明装置Info
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- JPH06338291A JPH06338291A JP2948194A JP2948194A JPH06338291A JP H06338291 A JPH06338291 A JP H06338291A JP 2948194 A JP2948194 A JP 2948194A JP 2948194 A JP2948194 A JP 2948194A JP H06338291 A JPH06338291 A JP H06338291A
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Abstract
おいて、水銀とナトリウムとの反応を少なくし、光束の
低下を抑止したけい光ランプおよびこれを用いた照明装
置を提供する。 【構成】15%以上のナトリウムを含むガラス製バルブ
1の内側に希土類けい光体からなる被膜12を形成し、
このバルブの内部に水銀および希ガスを封入したけい光
ランプにおいて、上記バルブと希土類けい光体との間に
紫外線吸収作用を有する微粒子金属酸化物からなる被膜
11を形成し、この微粒子金属酸化物被膜は膜厚を平均
0.2μm以上で1.5μm未満の範囲にした。 【作用】微粒子金属酸化物被膜が紫外線を吸収しかつ水
銀がバルブに達するのを阻止するから、バルブから析出
されるナトリウムと水銀との反応を抑え、希土類けい光
体を用いるにも拘らず、黒化の発生やバルブの変色を防
止する。
Description
ガラス製バルブの内面に希土類けい光体からなるけい光
体被膜を形成したけい光ランプおよびこのけい光ランプ
を光源とした照明装置に関する。
ガラスバルブの内面にけい光体被膜を形成してあり、こ
のバルブ内に水銀および希ガスを封入し、水銀原子から
発する共鳴輝線である紫外線を上記けい光体被膜に照射
してこの紫外線を可視光に変換し、この可視光を外部に
放出するようになっている。
けい光ランプは、点灯時間の経過に伴い光束が低下する
問題がある。光束が低下する原因としては種々の理由が
考えられるが、その1つとして、封入されている水銀と
バルブを構成するガラス材料とが化学反応して透明なガ
ラスが着色することが原因といわれている。すなわち、
バルブを構成するガラスには、多なり少なりナトリウム
Naを含有しており、例えばけい光ランプのバルブを構
成する代表的なソーダライムガラスの場合は15〜17
重量%程度のナトリウムNaが含まれている。このよう
なナトリウムはバルブ温度が高くなると表面に析出する
性質があり、さらに紫外線(波長400nm以下)が照射
された場合はその析出が助長される傾向がある。また、
バルブ内に封入された水銀はけい光体被膜を通って拡散
し、バルブの表面に達することがある。したがって、上
記析出されたナトリウムNaと、上記けい光体被膜を通
過した水銀とが接触し、相互に化学反応を生じ、この結
果、ナトリウムアマルガムが形成されて黒化したり、バ
ルブが変色して光束が低下すると考えられている。この
ような場合、水銀は、けい光体被膜の膜厚が薄い程拡散
量が多くなる性質があり、よって光束の低下が大きくな
る。
光ランプの演色性を向上させるために、けい光体として
赤、青、緑の3波長域に発光する3波長発光けい光体が
用いられるようになってきた。この種の3波長発光けい
光体としては、主に希土類けい光体が用いられている。
そして、希土類けい光体にて形成したけい光体被膜は、
従来のアンチモン・マンガン付活ハロりん酸塩けい光体
(いわゆるカルシウムハロけい光体)により形成された
被膜に比べて膜厚が薄く形成され、例えば平均25.0
μm以下になる。これは希土類けい光体の粒径が、カル
シウムハロけい光体の粒径よりも小さいため、膜厚を数
分の一にすることができるからである。
光体被膜を用いると水銀の拡散量が増大するから、バル
ブが変色しやすく、可視光(波長400〜700nm)の
透過が阻害されて、早期に光束が低下する欠点がある。
術として、例えば特開昭50−12885号公報に開示
されているように、紫外線吸収被膜を形成したけい光ラ
ンプが知られている。しかし、このけい光ランプに使用
されているけい光体は、希土類けい光体ではなく、従来
形のいわゆるアンチモン・マンガン付活ハロりん酸塩け
い光体と考えられる。したがって、上記公報に記載の技
術は従来形のけい光体には効果的であっても、アンチモ
ン・マンガン付活ハロりん酸塩けい光体よりもけい光体
被膜をきわめて薄く形成する希土類けい光体を使用した
けい光ランプにはそのまま適用できない問題がある。し
かも、上記公報の技術では、紫外線吸収被膜が有機金属
を塗布焼成して形成しているので、ガラス質の連続膜と
なり、水系の溶媒に微粒子金属酸化物を混合して簡単に
形成することができない。
抑制する目的としたけい光ランプとしては、特開平3−
283346号公報、特開平3−283347号公報が
知られており、これら公報には紫外線吸収塗布剤とし
て、酸化チタンTiO2 、酸化亜鉛ZnOの微粒子金属
酸化物を混合して塗布したものが開示されている。この
ような微粒子金属酸化物を塗布する場合に、特開昭50
−12885号公報に開示されている範囲の膜厚では、
この特開昭50−12885号公報に説明されているよ
うな光束劣化の抑制を果たせないという問題がある。
報、特開平3−283347号公報に開示のけい光ラン
プの場合は、その目的が紫外線放射を99%近く抑制す
ることを目的としているから、この結果として可視光の
吸収がきわめて大きいという問題がある。そしてまた、
これら特開平3−283346号公報、特開平3−28
3347号公報に開示のけい光ランプは、使用している
バルブの材質について言及されていないが、このような
曲成加工の大きなけい光ランプではその加工の容易性を
考慮してナトリウム含有量の少ない鉛ガラスを使用して
いる。したがって、これら公報に開示のけい光ランプで
は、ナトリウムの析出という問題がなく、またその影響
が小さく、ナトリウム析出による光束劣化を考慮する必
要がなかった。
たもので、その目的とするところは、希土類けい光体被
膜を使用したけい光ランプにおいて、水銀とナトリウム
との反応を少なくし、光束の低下を抑止したけい光ラン
プおよびこれを用いた照明装置を提供しようとするもの
である。
するため、請求項1に記載の発明は、15%以上のナト
リウムを含むガラスにより形成されたバルブに電極を対
向して設けるとともに、このバルブに希土類けい光体か
らなる被膜を形成し、このバルブの内部に水銀および希
ガスを封入したけい光ランプにおいて、上記バルブの内
面に紫外線吸収作用を奏する微粒子金属酸化物からなる
被膜を形成し、この微粒子金属酸化物の被膜は膜厚が平
均0.2μm以上で1.5μm未満とし、この微粒子金
属酸化物の被膜の内面に上記希土類けい光体の被膜を形
成したことを特徴とする。
膜の膜厚を、平均0.2μm以上で1.0μm以下の範
囲にしたことを特徴とする。請求項3の発明は、微粒子
金属酸化物からなる被膜は、水系溶媒を用いて塗布され
ていることを特徴とする。
酸化亜鉛または酸化チタン、もしくはこれらの混合物で
あることを特徴とする。請求項5の発明は、微粒子金属
酸化物は、酸化亜鉛と酸化チタンの混合物であり、この
混合物は酸化亜鉛の占める割合が50重量%以上である
ことを特徴とする。
は、膜厚が平均25.0μm以下であることを特徴とす
る。請求項7の発明は、けい光体が、青、緑、赤の各波
長域に発光する3種類の希土類けい光体を含有している
ことを特徴とする。
る希土類けい光体は、セリウムを含有するテリビウム付
活緑色けい光体であることを特徴とする。請求項9の発
明は、照明器具本体と、この器具本体に取り付けた上記
請求項1ないし請求項7のいずれか1に記載のけい光ラ
ンプと、このけい光ランプと電源との間に電気的に接続
されてこのけい光ランプの点灯を維持する点灯回路部品
と、を具備したことを特徴とする照明装置である。
光体被膜との間に紫外線吸収作用をもつ微粒子金属酸化
物からなる被膜を形成したから、この微粒子金属酸化物
の被膜が、水銀から放出される紫外線を吸収し、紫外線
がバルブに達するのを抑止するようになる。このため、
ガラス製バルブからナトリウムの析出が抑えられる。よ
って、水銀が薄い膜厚の希土類けい光体被膜を透過して
拡散したとしても、ナトリウムの析出が抑制されている
ことから、水銀とナトリウムとの反応を抑えることがで
き、このことから黒化やバルブの変色を防止する。
金属酸化物からなる被膜の膜厚を0.2μm以上で1.
5μm未満とし、この膜厚が0.2μm以下であると紫
外線吸収性能が不足し、また膜厚が1.5μm以上であ
ると可視光の吸収が増して光束が低下する。
物からなる被膜の膜厚を、好ましくは0.2μm以上で
1.0μm以下にしたから、保護膜としての機能を維持
しつつ光束低下を小さくすることが可能になり、光束を
高いレベルに維持することができる。
ナトリウムを15%以上含むガラス製バルブに適用した
場合に顕著な効果がある。請求項3の発明によれば、微
粒子金属酸化物からなる被膜は、水系溶媒を用いて塗布
形成されているので、有機溶媒を用いる場合に比べてバ
ルブ内に未分解の有機物が残留したり、ここから不純物
が放出される恐れが低くなり、黒化の発生を低減するこ
とができる。
物が酸化亜鉛または酸化チタン、もしくはこれらの混合
物で形成されているので、これらの物質は紫外線吸収作
用に優れ、しかも微粒子であるため可視光を良く透過す
る性質があり、よって上記請求項1の発明に用いて有効
である。
物として、酸化亜鉛と酸化チタンの混合物を用いる場合
は、酸化亜鉛の占める割合を重量比で50%以上とした
から、どちらかといえば酸化亜鉛の方が可視光の透過性
に優れていることから、光束低下が少なく、請求項1の
発明に用いて有効である。
の被膜の膜厚が平均25.0μm以下である場合に水銀
の拡散が多くなるが、微粒子金属酸化物の被膜が紫外線
を吸収してナトリウムの析出を抑えるから、水銀が拡散
したとしても水銀とナトリウムとの反応を抑えることが
できる。
青、緑、赤の各波長域に発光する3種類の希土類けい光
体としたから、演色性に優れ、しかも黒化やバルブの変
色の少ないランプを提供することができる。
発光する希土類けい光体がセリウムCeを含有するテリ
ビウムTb付活緑色けい光体である場合は、このけい光
体は300〜380nmの紫外線領域に副発光があるの
で、よってこのような緑色けい光体を用いた場合に、上
記請求項1の発明を適用すれば、紫外線の吸収作用が有
効に利くことになる。請求項9の発明であれば、光源の
寿命特性に優れた照明装置を提供できる。
もとづき説明する。図1の(A)図は直管形けい光ラン
プの断面図であり、1はガラスバルブである。このバル
ブ1は、例えば15〜17重量%程度のナトリウムNa
を含むソーダライムガラスからなり、直管形のチューブ
をなしている。バルブ1の両端にはフレアステム2、2
が気密に封着されており、これらステム2、2にはそれ
ぞれ一対のリード線3…が気密に貫通されている。これ
ら両端部のステム2、2のそれぞれリード線3、3間に
はタングステン等からなるフィラメント電極4、4が掛
け渡されている。なお、フィラメント電極4、4には図
示しないBaO、SrO、CaOなどからなる電子放射
性物質(エミッタ)が塗布されている。
5が被着されており、これら口金5、5には、上記リー
ド線3…と電気的に接続された口金ピン6…が突設され
ている。
にも示される通り、紫外線吸収作用を有し可視光の透過
性に優れた微粒子金属酸化物からなる被膜11が形成さ
れている。ここで微粒子とは、平均粒径が0.1μm以
下の粉末をいう(コールターカウンター法)。
nOからなる微粒子または酸化チタンTiO2 からなる
微粒子、もしくはこれら酸化亜鉛および酸化チタンを混
合した混合微粒子によって形成されている。
2μm以上で1.5μm未満としてあり、好ましくは
0.2μm以上で1.0μm以下がよい。さらにまた、
上記微粒子金属酸化物被膜11は、粘性を高めるために
少量の有機溶剤を混合した水系溶剤に、金属酸化物の微
粒子を混合して分散し、これをバルブ1の内側に塗布
し、これを乾燥焼成することによって水溶液を飛ばして
形成してあり、有機物は焼成により飛散して残っていな
くなっている。この場合、微粒子相互は、ファン・デル
・ワールス力(分散力)によってバルブ1の内面に付着
しているものである。
1は、水系の溶剤に金属酸化物の微粒子を混合して塗布
しているので、未分解の有機物の残留の虞が小さくな
り、この未分解有機物からの不純物の発生およびこれに
よる黒化の発生を低減することができる。
側には、希土類けい光体からなる平均膜厚が25μm以
下のけい光体被膜12が形成されている。上記希土類け
い光体としては、赤、青、緑の各波長域に発光する3種
類の希土類けい光体であり、例えば赤色系けい光体には
酸化イットリウム(Y2 O3 :Eu)、青色系けい光体
には2価のユーロピウム付活アルカリ土類ハロ燐酸塩け
い光体または2価のユーロピウム付活アルカリ土類アル
ミン酸塩けい光体(BaMg2 Al16O27:Eu)、お
よび緑色けい光体としてはセリウムCeを含有するテリ
ビウムTb付活緑色けい光体(La,Ce,Tb)・
(P,Si)O4 が用いられており、これら3種のけい
光体粉末を混合して構成されている。なお、バルブ1内
には所定量の水銀と、アルゴンなどの希ガスが封入され
ている。
は、ガラスバルブ1の内面と希土類けい光体被膜12と
の間に、紫外線吸収作用をなす微粒子金属酸化物被膜1
1を形成したから、この微粒子金属酸化物被膜11がけ
い光体被膜12を透過して拡散しようとする水銀とバル
ブ1との直接な接触を阻止する。しかも、この微粒子金
属酸化物被膜11は、けい光体被膜12により変換し切
れなかった紫外線を吸収する作用をなす。このため、紫
外線がソーダライムガラスからなるバルブ1に照射され
るのを防止する。よって、バルブ1からナトリウムNa
が析出され難くなり、水銀と析出ナトリウムとの直接な
接触が阻止されるから、水銀とナトリウムとの反応が防
止される。
ムの生成が防止され、黒化の発生が軽減されるとともに
バルブ1の変色も防止される。このため、長期に亘り高
い拘束を維持することができる。
ガラスによって構成された場合にナトリウムの析出が顕
著となることから、ナトリウムを大量に含むガラス製の
バルブに対して上記微粒子金属酸化物被膜11を形成す
ると有効である。実用状況から判断して、ナトリウムの
含有量は15%以上が目安となる。
いた場合、希土類けい光体からなる被膜12は、従来の
カルシウムハロけい光体によって形成した被膜に比べて
膜厚が薄く形成される。これは希土類けい光体が従来の
けい光体よりも粒径が小さく、この結果膜厚を数分の一
にすることができるからである。しかし、このように薄
い膜厚のけい光体被膜12であると、水銀がけい光体被
膜12を拡散して透過し易くなり、バルブ1に含まれる
ナトリウムと直接接触して反応する確率が高くなる。し
たがって、このような希土類けい光体からなる被膜12
を形成したランプの場合に上記微粒子金属酸化物被膜1
1を設けると、微粒子金属酸化物被膜11に作用により
水銀とナトリウムの反応を抑えることができる。
長域に発光する3種類の希土類けい光体、例えば赤色系
けい光体には酸化イットリウム(Y2 O3 :Eu)、青
色系けい光体には2価のユーロピウム付活アルカリ土類
ハロ燐酸塩けい光体または2価のユーロピウム付活アル
カリ土類アルミン酸塩けい光体(BaMg2 Al
16O27:Eu)、および緑色けい光体としてはセリウム
Ceを含有するテリビウムTb付活緑色けい光体(L
a,Ce,Tb)・(P,Si)O4 を用いた場合、演
色性が良い。
めに、緑の波長領域に発光する希土類けい光体としてセ
リウムCeを含有するテリビウムTb付活緑色けい光体
を用いた場合は、このけい光体は300〜380nmの紫
外線領域に副発光域があり、よって紫外線の放出量が多
くなる傾向をもつが、このような場合に微粒子金属酸化
物被膜11を形成すれば、この被膜11により紫外線を
良好に吸収することができる。
らなる微粒子を用いた場合、この酸化亜鉛は紫外線を良
く吸収するとともに可視光を良好に透過する性質があ
る。また、酸化チタンTiO2 からなる微粒子も紫外線
を吸収し、かつ可視光を透過する性質がある。しかし、
この性質は酸化チタンTiO2 よりも上記酸化亜鉛Zn
Oの方が優れている。これに対し、酸化亜鉛および酸化
チタン以外の金属酸化物を用いた場合は、紫外線を吸収
する性質は良好であるが、可視光を吸収する性質が強く
なるので、初期光束が低下し、本発明の被膜には適さな
い。
と酸化チタンの混合物によって構成してもよい。この場
合、酸化亜鉛と酸化チタンは相互に粒子の平均粒子径が
異なるからガラス表面に干渉縞が生じなくなる。粒子径
が揃っていると、理由は明らかでないが、干渉縞が生じ
ることがあり、粒子径を異ならせるとこのような問題を
解消することができた。本例では、酸化チタンTiO2
の平均粒子径が0.06μm、酸化亜鉛ZnOの平均粒
子径が0.03μmである。
鉛の占める割合を重量比で50%以上にするのがよい。
このような混合割合であれば、酸化亜鉛は可視光の透過
を阻害することなく紫外線を吸収する性能が高いので、
この優れた特性を生かすことができ、紫外線の通過を阻
止する機能を高く保つことができ、かつ明るさを保つこ
とができる。
被膜11の膜厚は、0.2μm以上で1.5μm未満と
してあり、好ましくは0.2μm以上で1.0μm以下
がよい。このような膜厚を制限する理由について説明す
る。
酸化物からなる被膜を形成する技術は、従来、存在しな
いわけではない。しかしながら、従来の微粒子金属酸化
物からなる被膜は、酸化アルミニウムAl2 O3 を用
い、その膜厚は1.5μm以上であった。このような従
来の被膜は、可視光に近い長波長域の紫外線を遮断する
ことを目的として紫外線の遮断率は95%以上を目標に
しており、このために膜厚を1.5μm以上にしてい
た。しかし、このような従来の被膜は、可視光の吸収が
大きく、明るさが犠牲になっていた。これに対し、本発
明の紫外線の透過を阻止する機能は、ナトリウムを析出
させる影響が大きな短波長域の紫外線をカットすること
が目的であり、よって長波長紫外線をカットする必要が
ない。このため、紫外線の遮断率は80%以下であって
もよく、このことから可視光の犠牲を低減できる。この
ため微粒子金属酸化物として、酸化亜鉛または酸化チタ
ンもしくはこれらの混合物を用い、かつ膜厚を従来より
薄くすることによって、可視光を減少させることなく紫
外線を遮断するものであり、この結果、光束を低下させ
ることなく、ナトリウムの析出を抑え、かつ水銀との反
応を抑制することができ、光束維持率を高くするという
効果を奏する。
1の膜厚については、実験により確認した。図2は本発
明の光束維持率について調べた特性図であり、縦軸に全
光束Lm、横軸に点灯時間hrを示す。特性aは本実施
例の構造のランプであり、ZnO微粒子とTiO2 微粒
子を混合して微粒子金属酸化物被膜11を形成し、膜厚
を0.3μmとした場合のランプ、特性bは微粒子金属
酸化物被膜11の無いランプ、特性cは微粒子金属酸化
物被膜11として紫外線を吸収し易い従来タイプのAl
2 O3 を用い、膜厚を1.5μmとした場合のランプ、
特性dは本発明を適用し、ZnO微粒子およびTiO2
微粒子を用いた微粒子金属酸化物被膜11を形成し、膜
厚を1.0μmにしたランプ、特性eはZnO微粒子お
よびTiO2 微粒子を用いた微粒子金属酸化物被膜11
を形成し、しかしながら膜厚を2.0μmにしたランプ
の場合である。各ランプともその他の構造は全部同じで
あり、電気的特性も同等とした。
性a(ZnO/TiO2 、膜厚=0.3μm)は膜厚が
薄いから、初期光束の低下は見られず、しかも光束維持
率が良好である。特性bは微粒子金属酸化物被膜がない
から、初期光束は良いが光束維持率が極めて悪い。特性
c(Al2 O3 、膜厚=1.5μm)は、初期光束は良
いが光束維持率の低下が認められる。特性d(ZnO/
TiO2 、膜厚=1.0μm)は、初期光束および光束
維持率とも、実用に供し得る。特性e(ZnO/TiO
2 、膜厚=2.0μm)は、膜厚が厚すぎて可視光を吸
収し、初期光束が低く、光束維持率は特性cと同等に低
下する。
11の膜厚を0.2μm以下にすると紫外線の吸収性能
が低く、微粒子金属酸化物被膜11を設ける初期に目的
が達成できず、また膜厚を1.5μm以上にすると可視
光の吸収が増すから点灯時間の経過にともない、黒化や
バルブの変色が発生した光束が低下し、いわゆる光束維
持率が低下する。そして、好ましくは、膜厚を1.0μ
m以下にすれば初期光束および光束維持率ともに高いレ
ベルに維持することができる。
を照明器具に取り付けて構成した照明装置を示す。すな
わち、図において20は天井直付け形照明器具の本体で
あり、この器具本体1の長手方向両端にはランプソケッ
ト21、21が相互に対向して配置されている。これら
ソケット21、21間に図1に示すけい光ランプ30
が、その口金ピン6…を係合させて取り付けられてい
る。器具本体20にはランプの安定点灯を維持するため
の点灯回路部品として、安定器22が収容されている。
上記けい光ランプ30は上記安定器22を介して図示し
ない電源に接続されている。
が初期光束および光束維持率に優れているので、このラ
ンプの特性を生かした照明装置を提供することができ
る。なお、本発明は上記実施例の構造に制約されるもの
ではなく、例えばけい光ランプの形状は環形けい光ラン
プやU字形、H字形バルブにより形成されたコンパクト
形けい光ランプなどであってもよく、また冷陰極けい光
ランプであってもよい。
は、バルブの内側に導電被膜(EC膜)を形成してある
が、本発明の微粒子金属酸化物被膜11をバルブ壁と導
電被膜との間に形成すれば、紫外線を遮断するから導電
被膜の保護が期待できる。
ブと希土類けい光体被膜との間に紫外線吸収作用をもつ
微粒子金属酸化物からなる薄い被膜を形成したから、こ
の微粒子金属酸化物被膜が紫外線を吸収してバルブに達
するのを阻止し、よってバルブからナトリウムが析出す
るのを抑止することができる。しかも、この微粒子金属
酸化物被膜は、膜厚の薄い希土類けい光体被膜を拡散透
過し易い水銀とガラスの接触を阻止するから、水銀とナ
トリウムの反応を抑えることができる。このため、希土
類けい光体を用いるにも拘らず、黒化の発生やバルブの
変色を防止し、光束を高い水準に維持することができ、
寿命特性が向上する。
い光ランプの全体を示す断面図、(B)図はその横断面
図。
体被膜 20…照明器具本体 21…ソケッ
ト 22…安定器
Claims (9)
- 【請求項1】 15%以上のナトリウムを含むガラスに
より形成されたバルブに電極を対向して設けるととも
に、このバルブに希土類けい光体からなる被膜を形成
し、このバルブの内部に水銀および希ガスを封入したけ
い光ランプにおいて、 上記バルブの内面に紫外線吸収作用を奏する微粒子金属
酸化物からなる被膜を形成し、この微粒子金属酸化物の
被膜は膜厚が平均0.2μm以上で1.5μm未満と
し、この微粒子金属酸化物の被膜の内面に上記希土類け
い光体の被膜を形成したことを特徴とするけい光ラン
プ。 - 【請求項2】 上記微粒子金属酸化物の被膜の膜厚は、
平均0.2μm以上で1.0μm以下の範囲にしたこと
を特徴とする請求項1に記載のけい光ランプ。 - 【請求項3】 上記微粒子金属酸化物からなる被膜は、
水系溶媒を用いて塗布されていることを特徴とする請求
項1または請求項2に記載のけい光ランプ。 - 【請求項4】 上記微粒子金属酸化物は、酸化亜鉛また
は酸化チタン、もしくはこれらの混合物であることを特
徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のけ
い光ランプ。 - 【請求項5】 上記微粒子金属酸化物は、酸化亜鉛と酸
化チタンの混合物であり、この混合物は酸化亜鉛の占め
る割合が50重量%以上であることを特徴とする請求項
4に記載のけい光ランプ。 - 【請求項6】 上記希土類けい光体の被膜は、膜厚が平
均25.0μm以下であることを特徴とする請求項1に
記載のけい光ランプ。 - 【請求項7】 上記けい光体は、青、緑、赤の各波長域
に発光する3種類の希土類けい光体を含有していること
を特徴とする請求項1または請求項6に記載のけい光ラ
ンプ。 - 【請求項8】 上記緑の波長領域に発光する希土類けい
光体は、セリウムを含有するテリビウム付活緑色けい光
体であることを特徴とする請求項7に記載のけい光ラン
プ。 - 【請求項9】 照明器具本体と、 この器具本体に取り付けた上記請求項1ないし請求項7
のいずれか1に記載のけい光ランプと、 このけい光ランプと電源との間に電気的に接続されてこ
のけい光ランプの点灯を維持する点灯回路部品と、を具
備したことを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02948194A JP3376670B2 (ja) | 1993-03-31 | 1994-02-28 | けい光ランプおよびこれを用いた照明装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP7467493 | 1993-03-31 | ||
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