JPH06338214A - セラミック配線基板用導体ペースト - Google Patents

セラミック配線基板用導体ペースト

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JPH06338214A JP12563293A JP12563293A JPH06338214A JP H06338214 A JPH06338214 A JP H06338214A JP 12563293 A JP12563293 A JP 12563293A JP 12563293 A JP12563293 A JP 12563293A JP H06338214 A JPH06338214 A JP H06338214A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミック配線基板に於いて、焼成或いは熱
処理後に導体周辺のセラミック部にマイクロクラックが
発生することを防止できる導体ペーストを提供する。 【構成】 金属粒子と有機ビヒクルから成る導電ペース
トに、高分子等の空孔形成材を添加し、焼成時に飛放さ
せることにより、図1のように導体金属内に均一に空孔
を形成する。それによって、塑性変形が可能となり、残
留応力の緩和を図ることができ、図2に示すような金属
とセラミックの界面に発生するマクロクラックを防止で
きる。また、比抵抗や高信頼性も維持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSI素子を実装する
多層セラミック配線基板の製造時に用いられる導体ペー
ストに関する。
【0002】
【従来の技術】多層セラミック配線基板は、主に以下の
2通りの方法で製造される。つまり、第一はセラミック
をシート上に成形し、これに配線パターンを形成した後
に、多層化して焼成する方法、第二はベースとなる焼成
したセラミック基板上に導体と絶縁体を交互に印刷し、
焼成する方法である。いずれの製法においても、各層の
信号線を接続するための導通孔であるビアホールを形成
する必要がある。
【0003】ビアホール用導体は一般にシートあるいは
絶縁層に形成されたスルーホールに金属ペーストを埋め
込み、焼成することで得られる。このペーストには、金
属粉や有機ビヒクル(バインダー、溶剤等)以下に、ガ
ラス粉末等の無機組成物が添加されていることが多く、
セラミック絶縁層との収縮整合や密着性向上が図られて
いる。即ち、金属粉とセラミック粉の熱収縮挙動は一般
に異なるため、金属粉の焼結を促進あるいは遅延させる
ことで、できるだけ一致させると共に、焼成時に基板と
ビアホール導体間の界面に固化して、その密着性を強化
する働きを無機組成物に持たせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のような
ビアホール導体と基板の収縮整合を図り、なおかつ密着
性がよい基板であっても、焼成あるいは熱処理を行う
と、ビアホールとそれを囲むセラミック絶縁層との境界
にクラックが発生し(図2)、信頼性を損なうケースが
しばしば見られる。このクラックは、焼成により、高温
でビアホール導体とセラミック絶縁層が結合すると、室
温時までの冷却時に材料間の熱膨張係数や弾性定数のミ
スマッチ等により発生する残留ストレスが引っ張り応力
として基板に直接かかり、強度的にもたないために発生
する。一般に、金属とセラミックには熱膨張係数に差が
あり、その差が大きいほど、クラックは発生しやすい。
よって、熱膨張係数差をいかに縮めるかが非常に重要で
ある。熱膨張係数制御は、添加物によって行われるが、
逆に他の特性への影響が大きい。例えば、銀に熱膨張係
数が3.5ppm/℃の無機組成物を10重量%添加し
ても、熱膨張係数は19ppm/℃から15ppm/℃
までしか低減できないが、導体抵抗は2μΩ・cmから
4μΩ・cmにまで増加してしまう。更に、熱膨張係数
差を縮めるにはかなり抵抗値を犠牲にしなければならな
い。
【0005】以上述べたマイクロクラックの発生の問題
はビアホール形成時のみならず導体とセラミックを積層
する時にも当然起こる問題であり、この問題を解決する
ために、空孔を有する銅基合金部材とセラミックとを接
合することでマイクロクラックの発生を防止する方法が
考案されている(特開昭63−179734号公報)。
これは、10体積%以下の空孔率を有する銅基焼結合金
部材を粉末治金法にて作成し、セラミック基板と接合す
ることにより応力緩和効果を空孔に持たすものである。
しかし、基板の小型化にともないビアホールも微細化
し、この技術をビアホール形成に利用することは極めて
困難であった。ビアホールの導体層に空洞を形成する方
法も開示されていたが(特開昭61−23393号公
報)、これはクラックの発生は制御されるものの抵抗値
が増大し、実用には値しないものであった。
【0006】本発明の目的は、前記問題を鑑み、特にビ
アホール周辺に発生するクラックを防止することを目的
とした導体ペーストを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属粒子と有
機ビヒクルと30vol%以下の空孔形成材より成るこ
とを特徴とするセラミック配線基板用導体ペーストであ
る。
【0008】本発明は発生する残留引っ張り応力を低減
することよりも応力を緩和することに重点をおいてなさ
れたものであり、導体金属を塑性変形させるために、導
体金属内に均一な空孔を形成可能にしたものである。
【0009】空孔形成材としては、ポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリエチレン等が用いられる。
又、その量がペースト全体の30vol%を超えると、
空孔の連結が起こり信頼性が急激に低下すると共に抵抗
値も大幅に増大してしまうため、添加量は30vol%
以下に限定した。
【0010】
【実施例】以下に、本発明の実施例によって詳細に説明
する。ただし、本発明はその要旨を超えない限りは以下
の実施例に限定されるものではない。
【0011】ビアホール用導体金属として銀を、空孔形
成材としてポリスチレン(粒径1〜40μm)、金属粒
子として銀を適用した場合について述べる。
【0012】銀と有機ビヒクルとの比率を84/16
(重量%)程度となるように混合し、更に銀粒子に対し
て、表1に示したように0〜60体積%の空孔形成材を
添加した。このとき導電ペーストの粘度は適度なビアフ
ィル量が達成できるように、100〜500kcp程度
に調整される。
【0013】次にこの導体ペーストを、グリーンシート
中のスルーホール内に充填して積層し、焼成を行った。
図1(a)にビアホールの断面図、図1(b)に、ビア
ホールを上方からみた図を示す。ペーストの応力緩和性
が明かとなるように、絶縁材料には強度が100MPa
程度と低い石英ガラスとホウ系酸ガラスの混合物を使用
した。
【0014】焼成後、導体の抵抗値(比抵抗に換
算)、クラック発生頻度、導体とセラミック間の隙
間発生度、導体焼結性(液体の染み込み具合)の4点
で評価を行った。については、短冊状のパターンを印
刷・焼成し、抵抗値、線幅、厚みから求めた。、に
ついては、光学顕微鏡やSEM観察により判定した。
については、赤インク中に基板を浸した後に、断面を観
察しインクの染み込み状態から判定した。〜は、そ
れぞれのサンプルの50点を測定点として行った。結果
を、表1に示す。
【0015】ポリスチレンを添加しない通常のペースト
では、比抵抗が1.8μΩ・cmと極めて低く、隙間や
染み込みは全く発生しないが、クラックが全てのスルー
ホール回りに発生してしまう。ところが、10vol%
のポリスチレンをペースト内に添加すると、クラックは
25%の発生頻度まで抑制できる。更に、20vol%
を越えると、全く発生しなくなる。このようにスルーホ
ール用導体金属内に空孔を形成すると、クラックは完全
に抑制できる。一方、抵抗値の極端な上昇や信頼性の低
下が懸念されるが、添加量が30vol%までであれ
ば、全く問題ない。これは各空孔が互いに独立して存在
し、外部とつながっていないためと考えられる。しかし
40vol%を越えると、空孔同士がつながってしま
い、極端に特性が劣化する。以上のことから、ポリスチ
レン微粒子を空孔形成剤として用いた場合、30vol
%以下の添加量で信頼性や低抵抗を維持しながらクラッ
クを制御する効果が認められた。
【0016】
【表1】
【0017】以上、空孔形成材としてポリスチレンを用
いた場合のみ示したが、他の空孔形成材でも同様な結果
が得られることは言うまでもなく、又、ビアホールの形
成のみならず積層用導体としても用いることが可能であ
る。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導体ペー
ストを用いることにより、比抵抗や高信頼性を維持しな
がら、焼成・熱処理後に金属・絶縁体の界面にマイクロ
クラックの発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の導体ペーストを用いたボアホールの図
である。
【図2】従来の導体ペーストを用いた場合のビアホール
の図である。
【符号の説明】
1 セラミック 2 導体金属 3 空孔 4 マイクロクラック
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 H 6921−4E N 6921−4E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粒子と有機ビヒクルと30vol%
    以下の空孔形成材より成ることを特徴とするセラミック
    配線基板用導体ペースト。
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