JPH06337397A - カラー液晶表示装置 - Google Patents

カラー液晶表示装置

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JPH06337397A
JPH06337397A JP5128958A JP12895893A JPH06337397A JP H06337397 A JPH06337397 A JP H06337397A JP 5128958 A JP5128958 A JP 5128958A JP 12895893 A JP12895893 A JP 12895893A JP H06337397 A JPH06337397 A JP H06337397A
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JP
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liquid crystal
color
voltage
crystal cell
light
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JP5128958A
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English (en)
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Toshiharu Nishino
利晴 西野
Toshihiko Mori
寿彦 森
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Casio Computer Co Ltd
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Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】カラーフィルタを用いずに透過光を着色して、
表示の明るさを十分高くするとともに、同じ箇所の表示
色を複数色に変化させる。 【構成】液晶表示体10を、STN型液晶セル20をは
さんで一対の偏光板31,32を配置するとともに、液
晶セル20と上偏光板31との間に位相差板30を配置
し、かつ位相差板30は、その遅相軸をこの位相差板が
隣接する上偏光板31の透過軸に対して所定角度斜めに
ずらして配置して構成し、この液晶表示体10を、液晶
セル20の各画素部の電極間にそれぞれ少なくとも1画
面を作るのに必要なフレーム数の全フレームにおける印
加電圧がいずれも前記液晶表示体を透過した出射光が第
1の色に着色する電圧である駆動電圧と、前記全フレー
ムにおける印加電圧がいずれも出射光が第2の色に着色
する電圧である駆動電圧と、前記フレーム数のうち所望
数のフレームにおける印加電圧が出射光が第1の色に着
色する電圧であり他のフレームにおける印加電圧が出射
光が前記第2の色に着色する電圧である駆動電圧とを選
択的に印加する表示駆動回路40によって駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は着色した表示が得られる
カラー液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、着色した表示が得られるカラー液
晶表示装置としては、カラーフィルタを用いて透過光を
着色するものが用いられている。このカラー液晶表示装
置は、カラーフィルタを備えた液晶セルとこの液晶セル
をはさんで配置された一対の偏光板とからなる液晶表示
体と、前記液晶セルを駆動する表示駆動手段とで構成さ
れている。
【0003】上記液晶セルは、透明電極を形成した一対
の透明基板間に液晶を封入したものであり、透過光を着
色するためのカラーフィルタは、前記液晶セルの一方の
基板に設けられている。
【0004】なお、上記液晶セルとしては、一般に、液
晶分子を両基板間においてほぼ90°のツイスト角でツ
イスト配向させたTN(ツイステッド・ネマティック)
型のものが用いられており、一対の偏光板は、その透過
軸を互いにほぼ平行にするとともに、これら偏光板の透
過軸を液晶セルのいずれか一方の基板側の液晶分子配向
方向とほぼ平行にして配置されている。
【0005】このカラー液晶表示装置は、その裏面側に
光源を配置し、上記表示駆動手段により液晶セルの両基
板の透明電極間に駆動電圧を印加して表示駆動されるも
ので、光源からの光は、入射側(裏面側)の偏光板によ
り直線偏光されて液晶セルに入射する。
【0006】そして、液晶セルに入射した直線偏光は、
カラーフィルタと液晶層とを通って液晶セルを出射する
が、その場合、カラーフィルタの色に対応する波長帯域
以外の波長光がカラーフィルタで吸収されるため、液晶
セルを出射する光がカラーフィルタの色に着色された光
となる。
【0007】また、液晶セルの電極間に駆動電圧を印加
していない状態、つまり液晶分子がツイスト配向してい
る状態では、液晶セルに入射した直線偏光がほぼ90°
旋光されて液晶セルを出射するため、このときは液晶セ
ルを出射した光が出射側(表面側)の偏光板で吸収さ
れ、表示が暗(黒)状態になる。
【0008】一方、液晶セルの電極間に駆動電圧を印加
すると、液晶分子が基板面に対してほぼ垂直に立上り配
向し、液晶セルに入射した直線偏光がそのまま液晶セル
を出射するため、このときは液晶セルを出射した光が出
射側偏光板を透過し、表示がカラーフィルタにより着色
された色になる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のカラー液晶表示装置は、カラーフィルタを用いて透
過光を着色するものであるため、光の透過率が低く、し
たがって表示が暗いという問題をもっている。
【0010】これは、カラーフィルタでの光の吸収によ
るものであり、カラーフィルタは、その色に対応する波
長帯域の光もかなり高い吸収率で吸収するため、カラー
フィルタを通った着色光が、カラーフィルタに入射する
前の前記波長帯域の光に比べて大幅に光量を減じた光に
なり、表示が暗くなってしまう。
【0011】なお、従来のカラー液晶表示装置は透過型
とされているが、このカラー液晶表示装置の裏面に反射
板を配置して反射型装置とすると、装置の表面側から入
射し、裏面の反射板で反射されて表面側に出射する光が
カラーフィルタを2度通って二重に光量を減じるため、
表示がかなり暗くなって、表示装置としてはほとんど使
用できなくなる。
【0012】しかも、上記従来のカラー液晶表示装置で
は、液晶セルの両基板の電極が互いに対向している各箇
所の表示色がこの箇所に設けたカラーフィルタの色によ
って決まるため、同じ箇所には1の色しか表示できなか
った。
【0013】本発明は、カラーフィルタを用いずに透過
光を着色して光の透過率を高くし、表示の明るさを十分
高くすることができるとともに、同じ箇所の表示色を複
数色に変化させることができるカラー液晶表示装置を提
供することを目的としたものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、透明電極
を形成した一対の透明基板間に液晶を封入しこの液晶の
分子を両基板間においてツイストさせた液晶セルをはさ
んで一対の偏光板を配置するとともに、前記液晶セルと
一方の偏光板との間に位相差板を配置してなり、かつ前
記位相差板はその遅相軸をこの位相差板が隣接する偏光
板の透過軸に対して所定角度斜めにずらして配置した液
晶表示体と、前記液晶セルの両基板の透明電極間に、少
なくとも、1画面を作るのに必要なフレーム数の全ての
フレームにおける印加電圧がいずれも前記液晶表示体を
透過した出射光が第1の色に着色する電圧である駆動電
圧と、1画面を作るのに必要なフレーム数の全てのフレ
ームにおける印加電圧がいずれも前記出射光が第2の色
に着色する電圧である駆動電圧と、1画面を作るのに必
要なフレーム数のうち所望数のフレームにおける印加電
圧が前記出射光が前記第1の色に着色する電圧であり他
のフレームにおける印加電圧が前記出射光が前記第2の
色に着色する電圧である駆動電圧とを選択的に印加して
前記液晶セルを時分割駆動する表示駆動手段とを備えた
ことを特徴とするものである。
【0015】上記第1の発明において、上記液晶表示体
の一対の偏光板は、その透過軸を互いにほぼ平行にする
かあるいはほぼ直交させて配置するのが望ましい。ま
た、上記第1の本発明において、上記位相差板の遅相軸
と位相差板隣接偏光板の透過軸とのずれ角は、ほぼ45
°であるのが望ましい。
【0016】第2の発明は、透明電極を形成した一対の
透明基板間に液晶を封入しこの液晶の分子を両基板間に
おいてツイストさせた液晶セルの表面側に偏光板を配置
し、前記液晶セルの裏面側に反射板を配置するととも
に、前記偏光板と反射板のいずれか一方と前記液晶セル
との間に位相差板を配置してなり、かつ前記位相差板は
その遅相軸を前記偏光板の透過軸に対して所定角度斜め
にずらして配置した液晶表示体と、前記液晶セルの両基
板の透明電極間に、少なくとも、1画面を作るのに必要
なフレーム数の全てのフレームにおける印加電圧がいず
れも前記液晶表示体を透過した出射光が第1の色に着色
する電圧である駆動電圧と、1画面を作るのに必要なフ
レーム数の全てのフレームにおける印加電圧がいずれも
前記出射光が第2の色に着色する電圧である駆動電圧
と、1画面を作るのに必要なフレーム数のうち所望数の
フレームにおける印加電圧が前記出射光が前記第1の色
に着色する電圧であり他のフレームにおける印加電圧が
前記出射光が前記第2の色に着色する電圧である駆動電
圧とを選択的に印加して前記液晶セルを時分割駆動する
表示駆動手段とを備えたことを特徴とするものである。
上記第2の発明において、偏光板の透過軸と位相差板の
遅相軸とのずれ角はほぼ45°であるのが望ましい。
【0017】
【作用】上記第1の発明のカラー液晶表示装置は、位相
差板の偏光作用と液晶セルの偏光作用とによって透過光
を着色するものであり、一方の偏光板を通って位相差板
に入射した直線偏光は、この偏光板の透過軸に対して遅
相軸が所定角度斜めにずれている位相差板と液晶セルと
を通る過程でこれらの偏光作用により偏光状態を変えら
れ、非直線偏光となって他方の偏光板に入射するため、
この非直線偏光のうち、前記他方の偏光板を透過する偏
光成分の波長光だけがこの偏光板を透過して着色光にな
る。
【0018】この場合、位相差板の偏光作用は変化しな
いが、上記液晶セルの液晶分子の配向状態は両基板の透
明電極間に印加される電圧に応じて変化するため、この
液晶セルは、液晶分子の配向状態により異なる偏光作用
を示す。
【0019】このため、位相差板と液晶セルとによる偏
光作用を受けた光は、液晶セルの液晶分子配向状態によ
り異なる偏光状態の光となって他方の偏光板に入射する
から、液晶セルへの印加電圧の極性を変えることによ
り、上記着色光の色を変えることができる。
【0020】すなわち、このカラー液晶表示装置は、カ
ラーフィルタを用いずに透過光を着色するものであり、
したがって着色光の光量は、表示装置に入射する光のう
ちの前記着色光となる波長帯域の光の量とほとんど変わ
らないから、光の透過率を高くして、表示の明るさを十
分高くすることができる。
【0021】しかも、このカラー液晶表示装置では、上
記表示駆動手段を、液晶セルの両基板の透明電極間に、
上述した少なくとも3通りの駆動電圧を選択的に印加す
るものとしているため、これら駆動電圧の印加により、
液晶セルの両基板の透明電極が互いに対向している各箇
所の表示色を、少なくとも、第1の色と、第2の色と、
前記第1の色と第2の色とが混合した混色とに変化させ
ることができる。
【0022】また、上記第2の発明のカラー液晶表示装
置は、その表面側から入射する光を裏面側の反射板で反
射させて表示する反射型のものであり、表面側からの入
射光は、偏光板と位相差板と液晶セルを通って反射板で
反射され、再び前記液晶セルと位相差板と偏光板を通っ
て出射する。
【0023】そして、このカラー液晶表示装置において
は、偏光板を通って入射した直線偏光が、この偏光板の
透過軸に対して遅相軸が所定角度斜めにずれている位相
差板と、液晶セルとを通る過程でこれらの偏光作用によ
り偏光状態を変えられるとともに、反射板で反射されて
再び前記液晶セルおよび位相差板を通る過程でさらに偏
光状態を変えられるため、前記位相差板と液晶セルを通
って再び偏光板に入射する光は、位相差板と液晶セルと
による2度ずつの偏光作用を受けた非直線偏光であり、
したがって、この光のうち偏光板を透過する偏光成分の
波長光だけが偏光板を透過して出射し、出射光が着色光
になる。
【0024】なお、このカラー液晶表示装置において
も、位相差板の偏光作用は変化しないが、上記液晶セル
の液晶分子の配向状態は両基板の透明電極間に印加され
る電圧に応じて変化するため、この液晶セルは、液晶分
子の配向状態により異なる偏光作用を示す。
【0025】このため、位相差板と液晶セルとによる2
度ずつの偏光作用を受けた光は、液晶セルの液晶分子配
向状態により異なる偏光状態の光となって偏光板に入射
するから、液晶セルへの印加電圧の極性を変えることに
より、偏光板を透過して出射する着色光の色を変えるこ
とができる。
【0026】すなわち、このカラー液晶表示装置も、上
記第1の発明カラー液晶表示装置と同様に、カラーフィ
ルタを用いずに透過光を着色するものであり、したがっ
て着色光の光量は、表示装置に入射する光のうちの前記
着色光となる波長帯域の光の量とほとんど変わらないか
ら、光の透過率を高くして、表示の明るさを十分高くす
ることができる。
【0027】また、このカラー液晶表示装置において
も、上記第1の発明カラー液晶表示装置と同様に、上記
表示駆動手段を、液晶セルの両基板の透明電極間に、上
述した少なくとも3通りの駆動電圧を選択的に印加する
ものとしているため、これら駆動電圧の印加により、液
晶セルの両基板の透明電極が互いに対向している各箇所
の表示色を、少なくとも、第1の色と、第2の色と、前
記第1の色と第2の色とが混合した混色とに変化させる
ことができる。
【0028】
【実施例】
[第1の発明の実施例]以下、第1の発明の第1の実施
例を図1〜図3を参照して説明する。図1はカラー液晶
表示装置の断面図であり、このカラー液晶表示装置は、
液晶表示体10と、その表示駆動回路40とからなって
いる。
【0029】上記液晶表示体10は、液晶セル20をは
さんで一対の偏光板31,32を配置するとともに、前
記液晶セル20と一方の偏光板(この実施例では上偏光
板)31との間に、位相差板30を配置して構成されて
いる。なお、この実施例の液晶表示装置は反射型のもの
であり、その裏面(下偏光板32の下面)には反射板3
3が配置されている。
【0030】上記液晶セル20は、透明電極23,24
を形成しその上に配向膜25,26を形成した上下一対
の透明基板21,22を枠状のシール材27を介して接
合し、この両基板21,22間の前記シール材27で囲
まれた領域に液晶28を封入して構成されている。
【0031】この液晶セル20は、STN(スーパー・
ツイステッド・ネマティック)型のものであり、液晶2
8の分子は両基板21,22間において、180〜27
0°のツイスト角でツイスト配向されている。また、こ
の液晶セル20は、時分割駆動されるセグメント電極型
のものであり、上基板21に形成された透明電極23は
複数に分割されたコモン電極、下基板22に形成された
透明電極24は表示パターンに応じた形状の複数のセグ
メント電極である。
【0032】そして、上記位相差板30は、その遅相軸
をこの位相差板30が隣接する上偏光板31の透過軸に
対し所定角度斜めにずらして配置されており、さらに、
上記液晶セル20は、その位相差板隣接基板(上基板)
21側の液晶分子配向方向を位相差板30の遅相軸に対
し所定角度斜めにずらして配置され、一対の偏光板3
1,32は、その透過軸を互いにほぼ平行にして配置さ
れている。
【0033】図2は、上記液晶セル20の液晶分子配向
方向と位相差板30の遅相軸と一対の偏光板31,32
の透過軸とを示す平面図であり、図において、21aは
液晶セル20の上基板21側の液晶分子配向方向、22
aは下基板22側の液晶分子配向方向を示している。
【0034】この図2のように、上記液晶セル20の両
基板21,22側の液晶分子配向方向21a,22a
は、基準線(図では水平線)Oに対し互いに逆方向に所
定角度θずつ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイ
スト方向を図に矢印Tで示したように、下基板22側か
ら上基板21側に向かってツイスト配向している。な
お、この実施例では、液晶セル20として、両基板2
1,22側の液晶分子配向方向21a,22aと基準線
Oとの角度θをそれぞれ30°とし、液晶分子を240
°のツイスト角でツイスト配向させたSTN型液晶セル
を用いている。
【0035】また、図2において、30aは位相差板3
0の遅相軸であり、この実施例では、位相差板30の遅
相軸30aを、上記基準線Oに対し所定の傾き角ψで斜
めに交差させている。したがって、この位相差板30の
遅相軸30aと液晶セル20の位相板隣接基板21側の
液晶分子配向方向21aとはψ−θずれている。
【0036】さらに図2において、31aは位相差板3
0が隣接する上偏光板31の透過軸、32aは下偏光板
32の透過軸であり、この実施例では、両偏光板31,
32をいずれもその透過軸31a,32aを上記基準線
Oに対し直交させて配置して、これら偏光板31,32
の透過軸31a,32aを互いに平行にしている。
【0037】そして、この実施例では、上記基準線Oに
対する位相差板30の遅相軸30aの傾き角ψを45°
とし、位相差板30の遅相軸30aとこの位相差板30
が隣接する上偏光板31の透過軸31aとのずれ角φを
45°としている。
【0038】一方、上記表示駆動回路40は、上記液晶
セル20の上基板21の各コモン電極23と下基板22
の各セグメント電極24との間にそれぞれ駆動電圧を印
加するもので、液晶セル20の各コモン電極23と各セ
グメント電極24はそれぞれ、その端子部において前記
表示駆動回路40に接続されている。
【0039】このカラー液晶表示装置は、その表面側か
ら入射する光(自然光または照明光源からの光)を裏面
側の反射板33で反射させて表示するものであり、表面
側からの入射光は、上偏光板31と位相差板30と液晶
セル20と下偏光板32とを通って反射板33で反射さ
れ、再び前記下偏光板32と液晶セル20と位相差板3
と上偏光板31とを通って出射する。
【0040】そして、このカラー液晶表示装置において
は、上偏光板31を通って入射した直線偏光が、位相差
板30を通る過程でこの位相差板30の偏光作用を受け
て楕円偏光となり、さらに液晶セル20を通る過程でこ
の液晶セル20の偏光作用を受けて偏光状態を変えられ
る。
【0041】このため、上記位相差板30と液晶セル2
0を通って下偏光板32に入射する光は、位相差板30
と液晶セル20とによる偏光作用を受けた非直線偏光で
あり、この非直線偏光のうち、下偏光板32を透過する
偏光成分の波長光だけがこの下偏光板32を透過して着
色光になる。
【0042】この場合、位相差板30の偏光作用は変化
しないが、上記液晶セル20の液晶分子の配向状態は両
基板21,22の電極23,24間に印加される電圧に
応じて変化するため、この液晶セル20は、液晶分子の
配向状態により異なる偏光作用を示す。
【0043】上記位相差板30の偏光作用による透過光
の着色について説明すると、外部からの光は、上偏光板
31により直線偏光されて、この上偏光板31の透過軸
31aに対し遅相軸30aが所定角度φ(この実施例で
はφ=45°)斜45°ずれている位相差板30に入射
し、この位相差板30を通る過程で、位相差板30のリ
タデーションRe の値に応じた偏光作用を受けて楕円偏
光となる。
【0044】そして、位相差板30を出射した楕円偏光
がそのまま液晶セル20を透過して下偏光板32に入射
すると、この楕円偏光のうち、下偏光板32を透過する
偏光成分の波長光だけが下偏光板32を透過するため、
下偏光板32を通った光(直線偏光)が着色光になる。
【0045】次に、上記液晶セル20の偏光作用による
透過光の着色について説明すると、このカラー液晶表示
装置においては、上偏光板31を通って入射した光が、
上記位相差板30と、液晶分子を240°のツイスト角
でツイスト配向させている液晶セル20とを通るため、
液晶セル20の両基板21,22の電極23,24間に
電圧を印加していない状態、つまり液晶分子がツイスト
配向している状態では、透過光が、液晶セル20のΔn
・d(液晶28の屈折率異方性Δnと液晶層厚dとの
積)の値と液晶分子のツイスト角とに応じた偏光作用を
受ける。
【0046】すなわち、位相差板30の遅相軸30aと
液晶セル20の位相板隣接基板(上基板)21側の液晶
分子配向方向21aとは所定角度(ψ−θ)斜めにずれ
ているため、上記位相差板30を通る過程でこの位相差
板30の偏光作用により楕円偏光となった光は、液晶セ
ル20を通る過程でさらに偏光状態を変えられる。
【0047】このため、液晶セル20に電圧を印加して
いない状態では、下偏光板32を透過した光が、位相差
板30の偏光作用による着色光とは異なった色の着色光
になる。
【0048】また、上記液晶セル20の電極23,24
間に電圧を印加すると、印加電圧を上げてゆくのにとも
なって液晶分子がツイスト配向状態から立上り配向して
ゆき、この液晶分子の配向状態の変化に対応して液晶セ
ル20での偏光作用が変化するため、位相差板30と液
晶セル20との両方の偏光作用による着色光の色が変化
する。
【0049】さらに、液晶分子が基板21,22面に対
してほぼ垂直に立上がった状態になると、液晶セル20
による偏光作用がほとんど無くなり、下偏光板32を透
過した光が、上述した位相差板30の偏光作用のみによ
る着色光になる。
【0050】このため、位相差板30と液晶セル20と
による偏光作用を受けた光は、液晶セル20の液晶分子
配向状態により異なる偏光状態の光となって下偏光板3
2に入射するから、液晶セル20の液晶分子配向状態を
変えることにより、上記着色光の色を変えることができ
る。
【0051】また、下偏光板32を通った着色光は、反
射板33で反射されて上述した光経路と逆の経路で表示
装置の上面側に出射し、この着色光により表示パターン
が表示される。
【0052】なお、この場合、反射板33で反射される
着色光は、上述した位相差板30と液晶セル20との偏
光作用により非直線偏光となった光のうちの下偏光板3
2を透過した偏光成分の波長光だけであり、この光のほ
とんどは液晶セル20および位相差板30による偏光作
用を受けることなくこれらを透過するが、その波長域の
域端の極く僅かな波長成分の光は液晶セル20および位
相差板30を通る過程で偏光されて上偏光板31で吸収
されるため、上偏光板31を透過して出射する着色光
は、反射板33で反射された着色光よりもさらに色純度
が良くなった光となる。
【0053】このように、上記カラー液晶表示装置は、
カラーフィルタを用いずに透過光を着色するものであ
り、したがって着色光の光量は、表示装置に入射する光
のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量とほとんど
変わらないから、光の透過率を高くして、表示の明るさ
を十分高くすることができる。
【0054】すなわち、従来のカラー液晶表示装置で
は、表示装置に入射する光のうちの着色光となる波長帯
域の光量に比べて、カラーフィルタを通った着色光の光
量がかなり減少するが、上記カラー液晶表示装置では、
このような光量の減少はほとんど生じない。
【0055】このため、上記カラー液晶表示装置は、反
射型のものであるが、その表示の明るさは十分であり、
カラーフィルタを用いている従来のカラー液晶表示装置
に比べて、格段に明るい着色表示が得られる。
【0056】また、従来のカラー液晶表示装置では、液
晶セルの両基板の電極が互いに対向している各箇所の表
示色がこの箇所に設けたカラーフィルタの色によって決
まるため、同じ箇所には1の色しか表示できないが、上
記実施例のカラー液晶表示装置では、位相差板30の偏
光作用による着色光と、位相差板30と液晶セル20と
の両方の偏光作用による着色光とが得られるとともに、
この両方の偏光作用による着色光の色が液晶セル20へ
の印加電圧に応じて変化する。
【0057】このカラー液晶表示装置の表示色は、位相
差板30のリタデーションRe の値と、液晶セル20の
液晶セル20のΔn・d(液晶28の屈折率異方性Δn
と液晶層厚dとの積)の値および液晶分子ツイスト角
と、上偏光板31の透過軸31aと位相差板30の遅相
軸30aとのずれ角φと、液晶セル20の位相差板隣接
基板21側における液晶分子配向方向21abと位相差
板30の遅相軸30aとのずれ角ψ−θとによって決ま
る。
【0058】その一例を上げると、上偏光板31の透過
軸31aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角φを
φ=45°、液晶セル20の位相差板隣接基板21側の
液晶分子配向方向21aと位相差板30の遅相軸30a
とのずれ角ψ−θをψ−θ=15°とし、位相差板30
のリタデーションReをRe=1240nm、液晶セル
20のΔn・dをΔn・d=824nm(Δn=0.1
238,d=6.8μm)、液晶分子ツイスト角を24
0°としたときは、液晶セル20の液晶分子が初期のツ
イスト配向状態にあるときに表示色が“青”になり、液
晶分子をほぼ垂直に立上り配向させたときに表示色が
“赤”になり、また、液晶分子の配向状態が初期のツイ
スト配向状態から立上り配向して行く途中で、光強度が
高くかつ色純度も高い“緑”の表示色になる。
【0059】次に、上記表示駆動回路40について説明
すると、この表示駆動回路40は、液晶セル20の互い
に対向する各電極23,24間にそれぞれ、第1〜第7
の7通りの駆動電圧を、図示しない外部回路からの色デ
ータ信号に応じて選択的に印加する。
【0060】上記第1〜第7の駆動電圧について説明す
ると、上記第1の駆動電圧は、1画面を作るのに必要な
フレーム数の全てのフレームにおける印加電圧(実効電
圧)をいずれも、上記液晶表示体10を透過した出射光
が第1の色、例えば液晶セル20の液晶分子をほぼ垂直
に立上り配向させたときの表示色に着色する電圧とした
波形の駆動電圧である。
【0061】第2の駆動電圧は、1画面を作るのに必要
なフレーム数の全てのフレームにおける印加電圧(実効
電圧)をいずれも、上記出射光が第2の色、例えば液晶
分子の配向状態が初期のツイスト配向状態から立上り配
向して行く途中で光強度が高くかつ色純度も高い色に着
色する電圧とした波形の駆動電圧である。
【0062】第3の駆動電圧は、1画面を作るのに必要
なフレーム数の全てのフレームにおける選択期間の印加
電圧(実効電圧)をいずれも、出射光が第3の色、例え
ば液晶分子の配向状態が初期のツイスト配向状態にある
ときの表示色に着色する電圧とした波形の駆動電圧であ
る。
【0063】また、第4の駆動電圧は、1画面を作るの
に必要なフレーム数を所望数ずつ2つのフレーム群に分
け、その一方のフレーム群の各フレームにおける印加電
圧を出射光が上記第1の色に着色する電圧とし、他方の
フレーム群の各フレームにおける印加電圧を出射光が上
記第2の色に着色する電圧とした波形の駆動電圧であ
る。
【0064】第5の駆動電圧は、1画面を作るのに必要
なフレーム数を所望数ずつ2つのフレーム群に分け、そ
の一方のフレーム群の各フレームにおける印加電圧を出
射光が上記第2の色に着色する電圧とし、他方のフレー
ム群の各フレームにおける印加電圧を出射光が上記第3
の色に着色する電圧とした波形の駆動電圧である。
【0065】第6の駆動電圧は、1画面を作るのに必要
なフレーム数を所望数ずつ2つのフレーム群に分け、そ
の一方のフレーム群の各フレームにおける印加電圧を出
射光が上記第3の色に着色する電圧とし、他方のフレー
ム群の各フレームにおける印加電圧を出射光が上記第1
の色に着色する電圧とした波形の駆動電圧である。
【0066】さらに、第7の駆動電圧は、1画面を作る
のに必要なフレーム数を所望数ずつ3つのフレーム群に
分け、その1つのフレーム群の各フレームにおける印加
電圧を上記出射光が上記第1の色に着色する電圧とし、
他の1つのフレーム群の各フレームにおける印加電圧を
出射光が上記第2の色に着色する電圧とし、残りの1つ
のフレーム群の各フレームにおける印加電圧を出射光が
上記第3の色に着色する電圧とした波形の駆動電圧であ
る。
【0067】すなわち、上記表示駆動回路40は、液晶
セル20の各電極23,24間にそれぞれ、上述した第
1〜第7の駆動電圧を選択的に印加して液晶セル20を
駆動するものであり、上記第1の駆動電圧を印加すると
表示色が第1の色となり、第2の駆動電圧を印加すると
表示色が第2の色となり、第3の駆動電圧を印加すると
表示色が第3の色となる。
【0068】また、上記第4の駆動電圧を印加すると表
示色が第1の色と第2の色とが混合した混色となり、第
5の駆動電圧を印加すると表示色が第2の色と第3の色
とが混合した混色となり、第6の駆動電圧を印加すると
表示色が第3の色と第1の色とが混合した混色となり、
第7の駆動電圧を印加すると表示色が第1の色と第2の
色と第3の色とが混合した混色となる。
【0069】このため、上記カラー液晶表示装置によれ
ば、同じ箇所の表示色、つまり1つのコモン電極23と
1つのセグメント電極24とが対向している箇所の表示
色を、混色を含む複数の色に変化させることができる。
【0070】図3は、液晶セル20のコモン電極23を
3分割して3デューティで時分割駆動する場合の、1つ
のコモン電極23と1つのセグメント電極24との間に
印加される駆動電圧の波形を示しており、図において、
(A)は第1の駆動電圧、(B)は第2の駆動電圧、
(C)は第3の駆動電圧、(D)は第4の駆動電圧、
(E)は第5の駆動電圧、(F)は第6の駆動電圧、
(G)は第7の駆動電圧である。なお、この例では、1
フレームTf をTf =1/120 secとし、12フレー
ム(12Tf )で1画面を作るようにしている。
【0071】上記第1の駆動電圧(A)は、1画面を作
るのに必要なフレーム数(12フレーム)の全てのフレ
ームTf における選択期間Ts の電圧値が選択期間全体
にわたってV1 であり、非選択期間の電圧値がV2 であ
る駆動電圧である。
【0072】上記第2の駆動電圧(B)は、上記1画面
を作るのに必要なフレーム数の全てのフレームTf にお
ける選択期間Ts の初期にTf /N(Nはデューティ
数、この例ではN=3)の期間だけ電圧値がV1 とな
り、その後の選択期間Ts は電圧値がV3 となるととも
に、非選択期間は電圧値がV2 となる駆動電圧である。
【0073】上記第3の駆動電圧(C)は、上記1画面
を作るのに必要なフレーム数の全てのフレームTf にお
ける選択期間Ts の電圧値が選択期間全体にわたってV
3 であり、非選択期間の電圧値がV2 である駆動電圧で
ある。
【0074】なお、これら第1〜第3の駆動電圧は、1
フレームごとに極性が反転する。また、上記第4の駆動
信号(D)は、1画面を作るのに必要なフレーム数(1
2フレーム)の前半の6フレームにおける各フレームT
f の波形が上記第1の駆動電圧(A)と同じで、後半の
6フレームにおける各フレームTf の波形が上記第2の
駆動電圧(B)と同じ駆動電圧である。
【0075】上記第5の駆動信号(E)は、上記1画面
を作るのに必要なフレーム数(12フレーム)の前半の
6フレームにおける各フレームTf の波形が上記第2の
駆動電圧(B)と同じで、後半の6フレームにおける各
フレームTf の波形が上記第3の駆動電圧(C)と同じ
駆動電圧である。
【0076】上記第6の駆動信号(F)は、上記1画面
を作るのに必要なフレーム数(12フレーム)の前半の
6フレームにおける各フレームTf の波形が上記第3の
駆動電圧(C)と同じで、後半の6フレームにおける各
フレームTf の波形が上記第1の駆動電圧(A)と同じ
駆動電圧である。
【0077】さらに、上記第7の駆動信号(G)は、上
記1画面を作るのに必要なフレーム数(12フレーム)
のうち前の3フレームにおける各フレームTf の波形が
上記第1の駆動電圧(A)と同じで、中間の3フレーム
における各フレームTf の波形が上記第2の駆動電圧
(B)と同じであり、後の3フレームにおける各フレー
ムTf の波形が上記第3の駆動電圧(C)と同じ駆動電
圧である。
【0078】上記各駆動電圧(A)〜(G)の選択期間
Ts の電圧値V1 およびV3 と、非選択期間の電圧値V
2 について説明すると、時分割駆動される液晶セル20
の電極23,24間に印加される実効電圧(選択期間T
s および非選択期間に印加される総電圧)Vは、次の
(1)式で表される。
【0079】
【数1】
【0080】そして、例えば上述したように、上偏光板
31の透過軸31aと位相差板30の遅相軸30aとの
ずれ角φをφ=45°、液晶セル20の位相差板隣接基
板21側の液晶分子配向方向21aと位相差板30の遅
相軸30aとのずれ角ψ−θをψ−θ=15°とし、位
相差板30のリタデーションReをRe=1240n
m、液晶セル20のΔn・dをΔn・d=824nm、
液晶分子ツイスト角を240°としたカラー液晶表示装
置、つまり基本表示色として“赤”,“緑”,“青”の
3色を表示するカラー液晶表示装置においては、上記選
択期間Ts の電圧値V1 およびV3 と非選択期間の電圧
値V2 を、上記 (1)式に基づいて、次の (2)〜 (4)式で
表される値とする。
【0081】
【数2】
【0082】このように選択期間Ts の電圧値V1 およ
びV3 と非選択期間の電圧値V2 を設定して、基本表示
色が“赤”,“緑”,“青”の上記カラー液晶表示装置
を駆動すると、例えばデューティ数NをN=3、バイア
ス比bをb=2.7、選択期間Ts に印加する電圧の最
大値V0 をV0 =3.2vとした場合は、分割電圧値の
順番数PがP=0,P=1,P=3のときの実効電圧V
と表示色は次のようになる。
【0083】P=0のとき、V=1.1v,表示色
“青” P=1のとき、V=1.5v,表示色“緑” P=3のとき、V=2.1v,表示色“赤” なお、このカラー液晶表示装置の場合は、P=2の分割
電圧値では表示色がきれいに出ないため、P=2の分割
電圧値は駆動に使用しない。
【0084】そして、基本表示色が“赤”,“緑”,
“青”の上記カラー液晶表示装置の場合は、図3に示し
たように、液晶セル20の電極23,24間に上記第1
の駆動電圧(A)を印加すると表示色が“赤”になり、
第2の駆動電圧(B)を印加すると表示色が“緑”にな
り、第3の駆動電圧(C)を印加すると表示色が“青”
になる。
【0085】なお、この場合、1フレームTf はTf =
1/120 secと極く短いが、上記駆動電圧は12フレ
ームを1単位として印加されるため、上記“赤”,
“緑”,“青”の表示はそれぞれ12フレーム(12T
f =1/10 sec)持続されるから、表示の観察者に各
色の表示を認識させることができる。
【0086】また、液晶セル20の電極23,24間に
上記第4の駆動電圧(D)を印加すると、このときは、
1画面を作る12フレームのうち前半の6フレームで
は、上記第1駆動電圧(A)を印加した場合と同様に
“赤”が表示され、後半の6フレームでは、上記第2の
駆動電圧(B)を印加した場合と同様に“緑”が表示さ
れる。
【0087】そして、この場合は、“赤”の表示と
“緑”の表示とが、各々6フレーム(6Tf =1/20
sec)ずつ持続されるが、この程度の時間では人間の目
で“赤”と“緑”の基本色を個々に認識することはでき
ないため、このときは、1画面を作る12フレームの全
ての表示の色を混合した色が表示色として認識される。
【0088】このような色混合は時間差混合と呼ばれて
おり、上記のように6フレーム分の表示が“赤”、他の
6フレーム分の表示が“緑”である場合は、認識される
表示色は“黄”である。
【0089】これは、第5の駆動電圧(E)および第6
の駆動電圧(F)を印加した場合も同様であり、第5の
駆動電圧(E)を印加したときは、前半の6フレームで
“緑”が表示され、後半の6フレームで“青”が表示さ
れて、その混色である“シアン”が表示色として認識さ
れる。また、第6の駆動電圧(F)を印加したときは、
前半の6フレームで“青”が表示され、後半の6フレー
ムで“赤”が表示されて、その混色である“マゼンタ”
が表示色として認識される。
【0090】さらに、上記第7の駆動電圧(G)を印加
すると、このときは、1画面を作る12フレームのうち
前の4フレームでは上記第1駆動電圧(A)を印加した
場合と同様に“赤”が表示され、中間の4フレームでは
上記第2駆動電圧(B)を印加した場合と同様に“緑”
が表示され、後の4フレームでは上記第3の駆動電圧
(C)を印加した場合と同様に“青”が表示される。
【0091】この場合も、“赤”の表示と“緑”の表示
と“青”の表示とは、各々4フレーム(4Tf =1/3
0 sec)ずつ持続されるだけであり、したがって人間の
目でこれら“赤”,“緑”,“青”の基本色を個々に認
識することはできないため、その全ての色の混色である
“白”が表示色として認識される。
【0092】なお、上記カラー液晶表示装置の表示色の
うちの基本色は、上記“赤”,“緑”“青”の3色に限
らず、位相差板30のリタデーションReと、液晶セル
20のΔn・dおよび液晶分子ツイスト角と、上偏光板
31の透過軸31aと位相差板30の遅相軸30aとの
ずれ角φと、液晶セル20の位相差板隣接基板21側の
液晶分子配向方向21aと位相差板30の遅相軸30a
とのずれ角ψ−θとを選択することにより任意に選ぶこ
とができる。
【0093】さらに、上記実施例では、1画面を作るの
に必要なフレーム数を12フレームとしたが、このフレ
ーム数は、1フレームTf の時間に応じて任意に設定す
ればよい。
【0094】また、上記実施例では、第4〜第7の駆動
電圧(D)〜(G)として、1画面を作るのに必要なフ
レーム数を均等分割し、その各フレーム群の波形を、第
1の基本色(図3では“赤”)と、第2の基本色(図3
では“緑”)と、第3の基本色(図3では“青”)との
いずれかを表示させる波形とした駆動電圧を用いたが、
この第4〜第7の駆動電圧(D)〜(G)のフレーム配
分は任意でよい。
【0095】この場合は、表示される混色が、フレーム
数を多くしたフレーム群の表示色成分を多く含む色とな
るため、第4〜第7の駆動電圧(D)〜(G)として、
フレーム配分を異ならせた複数の波形の電圧を用いれ
ば、基本色の混合比が異なる複数の色合いの混色を表示
することができる。
【0096】ただし、このように駆動電圧のフレーム配
分を異ならせる場合、混色を作る各基本色のうち、色成
分を多くする色の表示持続時間が1/20 secを越える
と、この色が人間の目で認識できるようになって表示に
“ちらつき”が生じるし、また色成分を少なくする色の
表示持続時間が1/10 secより短いと、液晶28の応
答性の関係で液晶分子の配向状態を十分に制御できなく
なるため、上記第4〜第7の駆動電圧(D)〜(G)の
フレーム配分は、1つの基本色の表示持続時間が1/1
0 sec以上で1/15 sec以下となるように設定するの
が望ましい。
【0097】また、上記実施例では、位相差板30を液
晶セル20と上偏光板31との間に配置したが、この位
相差板30は、液晶セル20と下偏光板32との間に配
置してもよく、また、位相差板隣接基板つまり上偏光板
31の透過軸31aと位相差板30の遅相軸30aとの
ずれ角φも、45°に限らず任意に選ぶことができる。
ただし、上述した着色効果を十分に得るには、前記ずれ
角φをほぼ45°(例えば45±5°)とするのが望ま
しい。
【0098】さらに、上記実施例では、一対の偏光板3
1,32をその透過軸31a,32aを互いにほぼ平行
にして配置したが、この両偏光板31,32は、その透
過軸31a,32aを互いにほぼ直交させて配置しても
よい。
【0099】図4は第1の発明の第2の実施例による、
液晶セル20の2つの液晶分子配向方向と位相差板30
の遅相軸と一対の偏光板31,32の透過軸とを示す平
面図であり、この実施例では、下偏光板32の透過軸3
2aを上偏光板31の透過軸31aに対してほぼ直交さ
せ、その他は上記第1の実施例と同じにしている。
【0100】また、上記実施例では、液晶セル20とし
てSTN型のものを用いているが、この液晶セル20
は、液晶分子のツイスト角をほぼ90°としたTN型の
ものであってもよい。
【0101】図5は第1の発明の第3の実施例による、
液晶セル20の2つの液晶分子配向方向と位相差板30
の遅相軸と一対の偏光板31,32の透過軸とを示す平
面図であり、この実施例では、液晶セル20として、そ
の両基板側における液晶分子配向方向21a,22aを
ほぼ直交させて液晶分子をほぼ90°のツイスト角でツ
イスト配向させたTN型のものを用い、その他は上記第
1の実施例と同じにしている。
【0102】この実施例のカラー液晶表示装置も、位相
差板30の偏光作用と液晶セル20の偏光作用とによ
り、カラーフィルタを用いずに透過光を着色するもので
あり、したがって着色光の光量は、表示装置に入射する
光のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量とほとん
ど変わらないから、光の透過率を高くして表示の明るさ
を十分高くすることができるし、また、液晶セル20の
各電極間にそれぞれ複数種の駆動電圧を選択的に印加す
ることにより、同じ箇所の表示色を混色を含む複数の色
に変えることができる。
【0103】なお、上記第1の発明は、裏面側に反射板
を配置した反射型のものに限らず、透過型のカラー液晶
表示装置にも適用することができるし、また、液晶セル
20も、セグメント型のものに限らず、高デューティで
時分割駆動される単純マトリックス型やアクティブマト
リックス型のものであってもよい。
【0104】さらに、上記実施例では、液晶セル20
を、上述した(A)〜(G)の7通りの駆動電圧を印加
する表示駆動回路40によって駆動しているが、液晶セ
ル20の電極23,24間に電圧を印加する表示駆動手
段は、少なくとも、1画面を作るのに必要なフレーム数
の全てのフレームにおける印加電圧がいずれも液晶表示
体10を透過した出射光が第1の色に着色する電圧であ
る駆動電圧と、1画面を作るのに必要なフレーム数の全
てのフレームにおける印加電圧がいずれも前記出射光が
第2の色に着色する電圧である駆動電圧と、1画面を作
るのに必要なフレーム数のうち所望数のフレームにおけ
る印加電圧が前記出射光が前記第1の色に着色する電圧
であり他のフレームにおける印加電圧が前記出射光が前
記第2の色に着色する電圧である駆動電圧とを選択的に
印加して液晶セル20を時分割駆動するものであればよ
い。
【0105】[第2の発明の実施例]次に、第2の発明
の一実施例を図6および図7を参照して説明する。図6
はカラー液晶表示装置の断面図であり、このカラー液晶
表示装置は、液晶表示体10と、その表示駆動回路40
とからなっている。なお図6において、図1に示したも
のと対応するものには同符号を付し、重複する説明は省
略する。
【0106】上記液晶表示体10は、1つのSTN型液
晶セル20と、1枚の位相差板30と、1枚の偏光板3
1と、1枚の反射板33とからなっており、前記偏光板
31は液晶セル20の表面(図において上面)側に配置
され、前記反射板33は液晶セル20の裏面(図におい
て下面)側に配置され、また位相差板30は前記液晶セ
ル20と偏光板31との間に配置されている。
【0107】図7は上記液晶セル20の液晶分子配向方
向と位相差板30の遅相軸と偏光板31の透過軸とを示
す平面図であり、図において、21aは液晶セル20の
上基板21側の液晶分子配向方向、22aは下基板22
側の液晶分子配向方向を示している。
【0108】この図7のように、上記液晶セル20の両
基板21,22側の液晶分子配向方向21a,22a
は、基準線(図では水平線)Oに対し互いに逆方向に所
定角度θずつ傾いた方向にあり、液晶分子は、そのツイ
スト方向を図に矢印Tで示したように、下基板22側か
ら上基板21側に向かってツイスト配向している。な
お、この実施例では、液晶セル20として、両基板2
1,22側の液晶分子配向方向21a,22aと基準線
Oとの角度θをそれぞれ30°とし、液晶分子を240
°のツイスト角でツイスト配向させたSTN型液晶セル
を用いている。
【0109】また、図7において、30aは位相差板3
0の遅相軸であり、この実施例では、位相差板30の遅
相軸30aを、上記基準線Oに対し所定の傾き角ψで斜
めに交差させている。したがって、この位相差板30の
遅相軸30aと液晶セル20の位相板隣接基板21側の
液晶分子配向方向21aとはψ−θずれている。
【0110】さらに図7において、31aは上記偏光板
31の透過軸であり、この実施例では、この偏光板31
を、その透過軸31aを上記基準線Oに対し直交させて
配置している。
【0111】そして、この実施例では、上記基準線Oに
対する位相差板30の遅相軸30aの傾き角ψを45°
とし、位相差板30の遅相軸30aと偏光板31の透過
軸31aとのずれ角φを45°としている。
【0112】一方、上記表示駆動回路40は、上記液晶
セル20の上基板21の各コモン電極23と下基板22
の各セグメント電極24との間にそれぞれ駆動電圧を印
加するもので、液晶セル20の各コモン電極23と各セ
グメント電極24はそれぞれ、その端子部において前記
表示駆動回路40に接続されている。
【0113】このカラー液晶表示装置は、その表面側か
ら入射する光(自然光または照明光源からの光)を裏面
側の反射板33で反射させて表示する反射型のものであ
り、表面側からの入射光は、偏光板31と位相差板30
と液晶セル20を通って反射板33で反射され、再び前
記液晶セル20と位相差板30と偏光板31を通って出
射する。
【0114】一方、上記表示駆動回路40は、上記液晶
セル20の電極23,24間に駆動電圧を印加するもの
で、この表示駆動回路40は、図1に示したカラー液晶
表示装置の表示駆動回路40と同様に、液晶セル20の
各電極23,24間にそれぞれ、少なくとも、1画面を
作るのに必要なフレーム数の全てのフレームにおける印
加電圧がいずれも液晶表示体10を透過した出射光が第
1の色に着色する電圧である駆動電圧と、1画面を作る
のに必要なフレーム数の全てのフレームにおける印加電
圧がいずれも前記出射光が第2の色に着色する電圧であ
る駆動電圧と、1画面を作るのに必要なフレーム数のう
ち所望数のフレームにおける印加電圧が前記出射光が前
記第1の色に着色する電圧であり他のフレームにおける
印加電圧が前記出射光が前記第2の色に着色する電圧で
ある駆動電圧とを選択的に印加して前記液晶セルを時分
割駆動する。
【0115】そして、このカラー液晶表示装置において
は、偏光板31を通って入射した直線偏光が、この偏光
板31の透過軸31aに対して遅相軸30aが所定角度
(この実施例ではφ=45°)斜めにずれている位相差
板30と、液晶セル20とを通る過程でこれらの偏光作
用により偏光状態を変えられるとともに、反射板33で
反射されて再び前記液晶セル20および位相差板30を
通る過程でさらに偏光状態を変えられる。
【0116】このため、上記位相差板30と液晶セル2
0を通って再び偏光板31に入射する光は、位相差板3
0と液晶セル20とによる2度ずつの偏光作用を受けた
非直線偏光であり、したがって、この光のうち偏光板3
1を透過する偏光成分の波長光だけがこの偏光板31を
透過して出射し、出射光が着色光になる。
【0117】この場合、位相差板30の偏光作用は変化
しないが、上記液晶セル20は、液晶分子の配向状態に
応じて異なる偏光作用を示すため、位相差板30と液晶
セル20とによる2度ずつの偏光作用を受けた光は、液
晶セル20の液晶分子配向状態により異なる偏光状態の
光となって偏光板31に入射するから、液晶セル20の
液晶分子配向状態を変えることにより、偏光板31を透
過して出射する着色光の色を変えることができる。
【0118】このように、上記カラー液晶表示装置は、
カラーフィルタを用いずに透過光を着色するものであ
り、したがって着色光の光量は、表示装置に入射する光
のうちの前記着色光となる波長帯域の光の量とほとんど
変わらないから、反射型のものでありながら、光の透過
率を高くして、表示の明るさを十分高くすることができ
る。
【0119】また、カラー液晶表示装置は、位相差板3
0の偏光作用による着色光と、位相差板30と液晶セル
20との両方の偏光作用による着色光とが得られるとと
もに、この両方の偏光作用による着色光の色が液晶セル
20への印加電圧に応じて変化する。
【0120】このカラー液晶表示装置の表示色は、位相
差板30のリタデーションRe の値と、液晶セル20の
液晶セル20のΔn・d(液晶28の屈折率異方性Δn
と液晶層厚dとの積)の値および液晶分子ツイスト角
と、偏光板31の透過軸31aと位相差板30の遅相軸
30aとのずれ角φと、液晶セル20の位相差板隣接基
板21側における液晶分子配向方向21abと位相差板
30の遅相軸30aとのずれ角ψ−θとによって決ま
る。
【0121】その一例を上げると、偏光板31の透過軸
31aと位相差板30の遅相軸30aとのずれ角φをφ
=45°、液晶セル20の位相差板隣接基板21側の液
晶分子配向方向21aと位相差板30の遅相軸30aと
のずれ角ψ−θをψ−θ=15°とし、位相差板30の
リタデーションReをRe=900nm、液晶セル20
のΔn・dをΔn・d=1300nm、液晶分子ツイス
ト角を240°としたときは、液晶セル20の液晶分子
が初期のツイスト配向状態にあるときに表示色が“白”
になり、液晶分子をほぼ垂直に立上り配向させたときに
表示色が“緑”になり、また、液晶分子の配向状態が初
期のツイスト配向状態から立上り配向して行く途中で、
光強度が高くかつ色純度も高い“青”の表示色になる。
【0122】次に、上記表示駆動回路40について説明
すると、この表示駆動回路40は、液晶セル20の互い
に対向する各電極23,24間にそれぞれ、複数種の駆
動電圧を、図示しない外部回路からの色データ信号に応
じて選択的に印加する。
【0123】上記駆動電圧について説明すると、この実
施例においては、時分割駆動される液晶セル20の電極
23,24間に印加される実効電圧Vは、上述した第1
の発明の実施例と同様に上記 (1)式で表される。
【0124】そして、例えば上述したように、偏光板3
1の透過軸31aと位相差板30の遅相軸30aとのず
れ角φをφ=45°、液晶セル20の位相差板隣接基板
21側の液晶分子配向方向21aと位相差板30の遅相
軸30aとのずれ角ψ−θをψ−θ=15°とし、位相
差板30のリタデーションReをRe=900nm、液
晶セル20のΔn・dをΔn・d=1300nm、液晶
分子ツイスト角を240°としたカラー液晶表示装置、
つまり基本表示色として“白”,“青”,“緑”の3色
を表示するカラー液晶表示装置においては、例えばデュ
ーティ数NをN=16、バイアス比bをb=5、選択期
間に印加する電圧の最大値V0 をV0 =5vとした場合
で、分割電圧値の順番数PがP=0,P=1,P=3の
ときの実効電圧Vと表示色が次のようになる。
【0125】P=0のとき、V=1.2v,表示色
“白” P=1のとき、V=1.4v,表示色“青” P=3のとき、V=1.6v,表示色“緑” なお、このカラー液晶表示装置の場合は、P=2の分割
電圧値では表示色がきれいに出ないため、P=2の分割
電圧値は駆動に使用しない。
【0126】そして、基本表示色が“白”,“青”,
“緑”の上記カラー液晶表示装置の場合は、液晶セル2
0の電極23,24間に、1画面を作るのに必要なフレ
ーム数の全フレームにおける実効電圧Vが1.2vとな
る駆動電圧を印加すると、表示色が“白”になり、全フ
レームにおける実効電圧Vが1.4vとなる駆動電圧を
印加すると、表示色が“青”になり、全フレームにおけ
る実効電圧Vが1.6vとなる駆動電圧を印加すると、
表示色が“緑”になる。
【0127】また、1画面を作るのに必要なフレーム数
を2分割して、一方のフレーム群の各フレームの実効電
圧Vが1.2v、他方のフレーム群の各フレームの実効
電圧が1.4vとなる駆動電圧を印加すると、“白”と
“青”が所望フレーム数ずつ表示され、その混色である
“淡い青”が表示色として認識される。
【0128】これは、各フレーム群の実効電圧値を変え
た場合も同様であり、例えば、一方のフレーム群の各フ
レームの実効電圧Vが1.2v、他方のフレーム群の各
フレームの実効電圧Vが1.6vとなる駆動電圧を印加
すると、“白”と“緑”が所望フレーム数ずつ表示され
てその混色である“淡い緑”が表示色として認識され、
一方のフレーム群の各フレームの実効電圧Vが1.4
v、他方のフレーム群の各フレームの実効電圧Vが1.
6vとなる駆動電圧を印加すると、“青”と“緑”が所
望フレーム数ずつ表示されてその混色である“シアン”
が表示色として認識される。
【0129】さらに、1画面を作るのに必要なフレーム
数を3分割して、その1つのフレーム群の各フレームの
実効電圧Vが1.2v、他の1つのフレーム群の各フレ
ームの実効電圧が1.4v、残りのフレーム群の各フレ
ームの実効電圧が1.6vとなる駆動電圧を印加する
と、“白”と“緑”と“青”が所望フレーム数ずつ表示
され、その混色である“淡いシアン”が表示色として認
識される。
【0130】したがって、このカラー液晶表示装置によ
れば、上記のような駆動電圧の印加により、同じ箇所の
表示色を複数色に変化させることができる。なお、この
カラー液晶表示装置においても、上記混色を作る各基本
色の表示持続時間が1/20 secを越えると、この色が
人間の目で認識できるようになって表示に“ちらつき”
が生じるし、また表示持続時間が1/10 secより短い
と、液晶28の応答性の関係で液晶分子の配向状態を十
分に制御できなくなるため、混色を表示させる駆動電圧
のフレーム配分は、1つの基本色の表示持続時間が1/
10 sec以上で1/15 sec以下となるように設定する
のが望ましい。
【0131】また、上記実施例では、位相差板30を液
晶セル20と偏光板31との間に配置したが、この位相
差板30は、液晶セル20と反射板33との間に配置し
てもよく、また、偏光板31の透過軸31aと位相差板
30の遅相軸30aとのずれ角φも、45°に限らず任
意に選ぶことができる。ただし、上述した着色効果を十
分に得るには、前記ずれ角φをほぼ45°(例えば45
±5°)とするのが望ましい。
【0132】さらに、上記実施例では、液晶セル20と
してSTN型のものを用いているが、この液晶セル20
は、液晶分子のツイスト角をほぼ90°としたTN型の
ものであってもよく、さらにこの液晶セル20は、セグ
メント型のものに限らず、高デューティで時分割駆動さ
れる単純マトリックス型やアクティブマトリックス型の
ものであってもよい。
【0133】
【発明の効果】第1の発明のカラー液晶表示装置は、液
晶表示体を、液晶分子をツイスト配向させた液晶セルを
はさんで一対の偏光板を配置するとともに、前記液晶セ
ルと一方の偏光板との間に位相差板を配置してなり、か
つ前記位相差板はその遅相軸をこの位相差板が隣接する
偏光板の透過軸に対して所定角度斜めにずらして配置し
た構成とし、この液晶表示体の液晶セルを、少なくと
も、1画面を作るのに必要なフレーム数の全てのフレー
ムにおける印加電圧がいずれも前記液晶表示体を透過し
た出射光が第1の色に着色する電圧である駆動電圧と、
1画面を作るのに必要なフレーム数の全てのフレームに
おける印加電圧がいずれも前記出射光が第2の色に着色
する電圧である駆動電圧と、1画面を作るのに必要なフ
レーム数のうち所望数のフレームにおける印加電圧が前
記出射光が前記第1の色に着色する電圧であり他のフレ
ームにおける印加電圧が前記出射光が前記第2の色に着
色する電圧である駆動電圧とを選択的に印加する表示駆
動手段によって駆動するものであるから、カラーフィル
タを用いずに透過光を着色して光の透過率を高くし、表
示の明るさを十分高くすることができるとともに、同じ
箇所の表示色を複数色に変化させることができる。
【0134】また、第2の発明のカラー液晶表示装置
は、液晶表示体を、液晶分子をツイスト配向させた液晶
セルの表面側に偏光板を配置し、前記液晶セルの裏面側
に反射板を配置するとともに、前記偏光板と反射板のい
ずれか一方と前記液晶セルとの間に位相差板を配置して
なり、かつ前記位相差板はその遅相軸を前記偏光板の透
過軸に対して所定角度斜めにずらして配置した構成と
し、この液晶表示体の液晶セルを、上記第1の発明と同
様な駆動電圧を印加する表示駆動手段によって駆動する
ものであるから、反射型のものでありながら、カラーフ
ィルタを用いずに透過光を着色して光の透過率を高く
し、表示の明るさを十分高くすることができるととも
に、同じ箇所の表示色を複数色に変化させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の第1の実施例によるカラー液晶表
示装置の断面図。
【図2】同実施例による液晶セルの液晶分子配向方向と
位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸とを示す平面図。
【図3】液晶セルの電極間に印加される駆動電圧の波形
図。
【図4】第1の発明の第2の実施例による液晶セルの液
晶分子配向方向と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸と
を示す平面図。
【図5】第1の発明の第3の実施例による液晶セルの液
晶分子配向方向と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸と
を示す平面図。
【図6】第2の発明の一実施例によるカラー液晶表示装
置の断面図。
【図7】同実施例による強誘電性液晶セルの液晶分子配
向方向と位相差板の遅相軸と偏光板の透過軸とを示す平
面図。
【符号の説明】
10…液晶表示体 20…液晶セル 21,22…透明基板 21a…上基板側における液晶分子配向方向 22a…下基板側における液晶分子配向方向 23,24…透明電極 25,26…配向膜 28…強誘電性液晶 30…位相差板 30a…遅相軸 31,32…偏光板 31a,32a…透過軸 33…反射板 40…表示駆動回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極を形成した一対の透明基板間に液
    晶を封入しこの液晶の分子を両基板間においてツイスト
    させた液晶セルをはさんで一対の偏光板を配置するとと
    もに、前記液晶セルと一方の偏光板との間に位相差板を
    配置してなり、かつ前記位相差板はその遅相軸をこの位
    相差板が隣接する偏光板の透過軸に対して所定角度斜め
    にずらして配置した液晶表示体と、 前記液晶セルの両基板の透明電極間に、少なくとも、1
    画面を作るのに必要なフレーム数の全てのフレームにお
    ける印加電圧がいずれも前記液晶表示体を透過した出射
    光が第1の色に着色する電圧である駆動電圧と、1画面
    を作るのに必要なフレーム数の全てのフレームにおける
    印加電圧がいずれも前記出射光が第2の色に着色する電
    圧である駆動電圧と、1画面を作るのに必要なフレーム
    数のうち所望数のフレームにおける印加電圧が前記出射
    光が前記第1の色に着色する電圧であり他のフレームに
    おける印加電圧が前記出射光が前記第2の色に着色する
    電圧である駆動電圧とを選択的に印加して前記液晶セル
    を時分割駆動する表示駆動手段とを備えたことを特徴と
    するカラー液晶表示装置。
  2. 【請求項2】液晶表示体の一対の偏光板はその透過軸を
    互いにほぼ平行にするかあるいはほぼ直交させて配置さ
    れていることを特徴とする請求項1に記載のカラー液晶
    表示装置。
  3. 【請求項3】位相差板の遅相軸とこの位相差板が隣接す
    る偏光板の透過軸とのずれ角はほぼ45°であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラー液晶
    表示装置。
  4. 【請求項4】透明電極を形成した一対の透明基板間に液
    晶を封入しこの液晶の分子を両基板間においてツイスト
    させた液晶セルの表面側に偏光板を配置し、前記液晶セ
    ルの裏面側に反射板を配置するとともに、前記偏光板と
    反射板のいずれか一方と前記液晶セルとの間に位相差板
    を配置してなり、かつ前記位相差板はその遅相軸を前記
    偏光板の透過軸に対して所定角度斜めにずらして配置し
    た液晶表示体と、 前記液晶セルの両基板の透明電極間に、少なくとも、1
    画面を作るのに必要なフレーム数の全てのフレームにお
    ける印加電圧がいずれも前記液晶表示体を透過した出射
    光が第1の色に着色する電圧である駆動電圧と、1画面
    を作るのに必要なフレーム数の全てのフレームにおける
    印加電圧がいずれも前記出射光が第2の色に着色する電
    圧である駆動電圧と、1画面を作るのに必要なフレーム
    数のうち所望数のフレームにおける印加電圧が前記出射
    光が前記第1の色に着色する電圧であり他のフレームに
    おける印加電圧が前記出射光が前記第2の色に着色する
    電圧である駆動電圧とを選択的に印加して前記液晶セル
    を時分割駆動する表示駆動手段とを備えたことを特徴と
    するカラー液晶表示装置。
  5. 【請求項5】偏光板の透過軸と位相差板の遅相軸とのず
    れ角はほぼ45°であることを特徴とする請求項4に記
    載のカラー液晶表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5986732A (en) * 1995-01-23 1999-11-16 Asahi Glass Company Ltd. Color liquid crystal display apparatus
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