JPH1062749A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH1062749A
JPH1062749A JP21386996A JP21386996A JPH1062749A JP H1062749 A JPH1062749 A JP H1062749A JP 21386996 A JP21386996 A JP 21386996A JP 21386996 A JP21386996 A JP 21386996A JP H1062749 A JPH1062749 A JP H1062749A
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JP
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liquid crystal
state
crystal cell
metastable state
crystal molecules
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Application number
JP21386996A
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English (en)
Inventor
Toshiomi Ono
俊臣 小野
Tetsushi Yoshida
哲志 吉田
Toshihiro Mannouji
敏弘 萬納寺
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】液晶セルが単純マトリックス方式のものであっ
ても、駆動デューティに対して動作電圧マージンを大き
くし、高時分割駆動を可能とする。 【解決手段】液晶分子をほぼ垂直に立上がり配向させる
リセットパルスを印加した後に印加する選択パルスの電
圧値に応じて、液晶分子が一方の基板の配向処理方向を
基準として一方の方向にほぼ270°のねじれ角でツイ
スト配向する第1の準安定状態と、液晶分子が前記一方
の基板の配向処理方向を基準として第1の準安定状態と
は逆の方向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配向する
第2の準安定状態とのいずれかの状態になる特性をもっ
た液晶セル10をはさんで一対の偏光板21,22を配
置し、その液晶セル10の各画素部を、リセットパルス
を印加した後に前記選択パルスを印加して第1と第2の
いずれかの準安定状態に切換え、その準安定状態で駆動
信号を印加して駆動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高デューティで
の時分割駆動を可能とした液晶表示装置に関するもので
あって、特に、単純マトリックス方式の液晶セルを用い
るものを対象としたものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置には、バックライトからの
光を利用して表示する透過型のものと、自然光や室内照
明光等の外光を利用して表示する反射型のものとがあ
る。これらの液晶表示装置は、液晶セルをはさんでその
表面側と裏面側とに偏光板を配置したものであり、反射
型の液晶表示装置は、裏側偏光板の裏面側に反射板を配
置して構成されている。なお、反射型の液晶表示装置に
は、偏光板を1枚だけ備えたものもあり、この反射型液
晶表示装置は、液晶セルの表面側に偏光板を配置し、前
記液晶セルの裏面側に反射板を配置して構成されてい
る。
【0003】これらの液晶表示装置に用いられる液晶セ
ルは、内面に電極が設けられるとともにその上に配向処
理を施した配向膜が形成された一対の基板間に液晶を挟
持した構成となっており、液晶の分子は、それぞれの基
板の近傍における配向方向を前記配向膜により規制され
て、所定の配向状態(例えばツイスト配向状態)で配向
している。
【0004】上記液晶表示装置は、液晶セルの各画素部
の電極間に駆動信号を印加して表示駆動されており、前
記電極間に駆動信号を印加すると、液晶分子が電圧無印
加状態での配向状態を保ちながら基板面に対して立上が
るように動作し、その立上がり状態に応じて光の透過が
制御される。
【0005】ところで、上記液晶表示装置には、単純マ
トリックス方式の液晶セルを用いるものと、アクティブ
マトリックス方式の液晶セルを用いるものとがあるが、
液晶セルの構造が極く簡単で低コストに得られるという
点では、単純マトリックス方式が有利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単純マ
トリックス方式の液晶セルを用いる液晶表示装置は、液
晶セルの各画素部の電極間に印加する駆動信号の実効値
(1フレームの間に電極間に印加される電圧の実効値)
を制御して表示駆動されるため、光の透過状態を段階的
に制御する表示を行なう場合、時分割数が多くなると、
各段階に対応する実効値の差を大きくとることができな
くなり、そのために、高デューティで時分割駆動しよう
とすると、液晶セルを駆動する際の動作電圧マージン
(実効値の差)が小さくなり、明確な段階的表示ができ
なくなる。
【0007】このため、単純マトリックス方式の液晶セ
ルを用いる液晶表示装置は、高デューティでの時分割駆
動が難しく、したがって、画素数を多くして表示画像の
高精細化をはかることは困難であった。
【0008】この発明は、駆動信号の実効値を制御して
駆動される単純マトリックス方式の液晶セルを用いるも
のでありながら、その駆動デューティに対して動作電圧
マージンを大きくして、高デューティでの時分割駆動を
可能として、画素数の多い高精細画像の表示を実現する
ことができる液晶表示装置を提供することを目的とした
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の液晶表示装置
は、液晶セルと、この液晶セルの表裏面のうちの少なく
とも表面側に配置された偏光板とを備え、前記液晶セル
は、内面に電極が設けられその上に配向処理が施された
一対の基板間に、カイラル剤が添加されたネマティック
液晶を挟持したものであって、その液晶分子が基板面に
対してほぼ垂直に立上がり配向する電圧値のリセットパ
ルスの印加後、それより低い所定の電圧値の選択パルス
の印加により、前記液晶分子がいずれか一方の基板の配
向処理方向を基準として一方の方向にほぼ270°のね
じれ角でツイスト配向する第1の準安定状態になり、前
記リセットパルスの印加後、それより低い他の所定の電
圧値の選択パルスの印加により、前記液晶分子が前記一
方の基板の配向処理方向を基準として前記第1の準安定
状態とは逆の方向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配
向する第2の準安定状態になる特性を有しており、前記
液晶セルの各画素部が、前記リセットパルスを印加した
後に前記選択パルスを印加することにより前記第1と第
2のいずれかの準安定状態に切換えられ、その準安定状
態において、実効値が前記リセットパルスの電圧値より
も低い範囲で変化する駆動信号の印加により駆動される
ことを特徴とするものである。
【0010】この液晶表示装置は、前記液晶セルを駆動
するための駆動回路を備えており、この駆動回路によ
り、前記液晶セルの各画素部に、前記リセットパルスを
印加した後、前記第1と第2の準安定状態のいずれかを
選択する選択パルスを印加し、その後に実効値が前記リ
セットパルスの電圧値よりも低い範囲で変化する駆動信
号を印加して駆動される。
【0011】この発明の液晶表示装置は、液晶セルの液
晶分子を上記第1と第2のいずれかの準安定状態に配向
させ、それぞれの準安定状態における液晶分子の基板面
に対する立上がり状態を駆動信号の実効値に応じて変化
させて光の透過状態を制御するものであり、第1の準安
定状態を選択したときは、液晶分子がいずれか一方の基
板の配向処理方向を基準として一方の方向にほぼ270
°のねじれ角でツイスト配向した液晶セルと偏光板とか
らなる表示装置の電気光学特性をもち、第2の準安定状
態を選択したときは、液晶分子が前記一方の基板の配向
処理方向を基準として前記第1の準安定状態とは逆の方
向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配向した液晶セル
と偏光板とからなる表示装置の電気光学特性をもつ。
【0012】すなわち、この液晶表示装置は、液晶セル
の液晶分子の配向状態が異なる2つの表示装置の電気光
学特性を合わせ持ったものであり、したがって、段階的
に制御しようとする透過状態のうちの複数の透過状態の
制御を一方の電気光学特性を利用して行ない、他の複数
の透過状態の制御を他方の電気光学特性を利用して行な
うことができる。
【0013】このため、この液晶表示装置によれば、透
過状態の全段階数を、前記一方の電気光学特性を利用す
るとき、つまり第1の準安定状態を選択して透過状態を
制御するときと、前記他方の電気光学特性を利用すると
き、つまり第2の準安定状態を選択して透過状態を制御
するときとに振り分けることができ、そのために、それ
ぞれの準安定状態で駆動される段階数が少なくなるか
ら、それぞれの準安定状態の中で、少ない段階数の時分
割駆動を行なうことができる。
【0014】したがって、この液晶表示装置によれば、
駆動信号の実効値を制御して駆動される単純マトリック
ス方式の液晶セルを用いるものでありながら、その駆動
デューティに対して動作電圧マージンを大きくし、高デ
ューティでの時分割駆動を可能として、画素数の多い高
精細画像の表示を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の液晶表示装置は、液晶
分子を一方の方向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配
向したスプレイ配向状態に初期配向させた液晶層を有
し、この液晶層に十分高い電圧値のリセットパルスを印
加し、引き続いて電圧値が前記リセットパルスより十分
低くその値が異なる2通りの選択パルスを選択的に印加
することにより、液晶分子が、初期配向状態から前記一
方の方向にさらにほぼ180°ねじれてスプレイ歪を解
消した第1の準安定状態(一方の方向にほぼ270°の
ねじれ角でツイスト配向する状態)と、前記初期配向状
態から前記一方の方向とは逆方向にほぼ180°ねじれ
てスプレイ歪を解消した第2の準安定状態(第1の準安
定状態とは逆方向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配
向する状態)とに配向する液晶セルを用い、前記第1お
よび第2の準安定状態のそれぞれにおいて、表示データ
に対応して実効値が変化する駆動信号を選択的に印加す
ることにより、前記第1および第2の準安定状態の各々
において光の透過状態を複数の段階に制御されるように
したものである。
【0016】そして、この発明では、前記リセットパル
ス、選択パルス、および表示データに対応して実効値が
変化する駆動信号等を供給する駆動回路を備えており、
この駆動回路により前記液晶セルを駆動するものであ
る。
【0017】この発明の液晶表示装置において、例え
ば、液晶セルをはさんでその表面側と裏面側とに偏光板
を配置する場合、一方の偏光板の透過軸の方向を、前記
液晶セルの前記一方の偏光板が隣接する基板の配向処理
方向とほぼ平行またはほぼ直交する方向にし、他方の偏
光板の透過軸を、前記一方の偏光板の透過軸に対してほ
ぼ直交する方向にすれば、前記第1の準安定状態を選択
して透過状態を制御するときも、前記第2の準安定状態
を選択して透過状態を制御するときも、ツイステッドネ
マティックモードによる表示を行なうことができる。
【0018】
【実施例】以下、この発明を反射型の液晶表示装置に適
用した実施例を図面を参照して説明する。図1はこの発
明の一実施例による液晶表示装置の基本構成を示す斜視
図であり、(a)は初期配向状態、(b)は第1の準安
定状態、(c)は第2の準安定状態を示している。図2
は液晶表示装置の断面図である。
【0019】この実施例の液晶表示装置は、図1および
図2に示すように、液晶セル10をはさんでその表面側
と裏面側とに偏光板21,22を配置するとともに、裏
側の偏光板22の背後に反射板30を配置し、さらに前
記液晶セル10に、それを駆動するための駆動回路40
を接続して構成されている。
【0020】上記液晶セル10は、図2のように、内面
に透明電極13,14が設けられるとともにその上に配
向処理を施した配向膜15,16が形成された表裏一対
の透明基板11,12間に液晶18を挟持したものであ
り、前記一対の基板11,12は枠状のシール材17を
介して接合されており、液晶18は両基板11,12間
の前記シール材17で囲まれた領域に封入されている。
なお、前記配向膜15,16はポリイミド等からなる水
平配向膜であり、その膜面を所定の方向にラビングする
ことによって配向処理されている。
【0021】この液晶セル10は、単純マトリックス型
のものであり、その表側基板11に設けられた透明電極
13は、一方向(図2において左右方向)に沿わせて形
成された複数本の走査電極、裏側基板12に設けられた
透明電極14は、前記走査電極13とほぼ直交する方向
に沿わせて形成された複数本の信号電極である。
【0022】さらに、この液晶セル10は、その液晶1
8に、カイラル剤を添加してツイスト配向性をもたせた
ネマティック液晶を用いたものであり、その液晶層は、
初期配向状態では、液晶分子がいずれか一方の基板の配
向処理方向を基準として一方の方向にほぼ90°のねじ
れ角でツイスト配向したスプレイ配向状態にある。
【0023】そして、この液晶セル10は、その液晶層
に、液晶分子が基板11,12面に対してほぼ垂直に立
上がり配向する電圧値のリセットパルスを印加した後に
それより低い所定の電圧値の選択パルスを印加すること
により、液晶分子がいずれか一方の基板の配向処理方向
を基準として一方の方向にほぼ270°のねじれ角でツ
イスト配向する第1の準安定状態になり、前記リセット
パルスを印加した後にそれより低い他の所定の電圧値の
選択パルスを印加することにより、液晶分子が前記一方
の基板の配向処理方向を基準として前記第1の準安定状
態とは逆の方向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配向
する第2の準安定状態になる特性を有している。
【0024】図1において、11a,12aは液晶セル
10の両基板11,12の配向処理方向(配向膜15,
16のラビング方向)を示しており、この実施例では、
表側基板11の配向膜15を、液晶表示装置の画面の横
軸xに対し表面側から見て左回りにほぼ45°ずれた方
向であって前記画面の左下から右上に向かう方向に配向
処理し、裏側基板12の配向膜16を、前記横軸xに対
し表面側から見て右回りにほぼ45°ずれた方向であっ
て前記画面の左上から右下に向かう方向に配向処理して
いる。すなわち、両基板11,12の配向処理方向11
a,12aは、互いにほぼ直交する方向である。
【0025】そして、この実施例では、上記液晶18と
して、表面側から見て左回りのツイスト配向性を有する
カイラル剤を添加したものを用いており、したがって、
この液晶セル10の液晶分子は、初期配向状態では、ス
プレイ歪をもって、表面側から見て左回り方向(カイラ
ル剤による付与されるねじれ方向)にほぼ90°のねじ
れ角でツイスト配向している。
【0026】この初期配向状態は、液晶分子が、両基板
11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向11
a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一方の
基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処理方
向12aを基準として、図1の(a)に破線矢印で示し
た方向、つまりカイラル剤により付与されるねじれ方向
に、ほぼ90°のねじれ角でツイスト配向したスプレイ
配向状態である。
【0027】上記初期配向状態は、実際に表示には使用
しない状態であり、上記液晶セル10は、その各画素部
の液晶分子の配向状態を上述した第1および第2の準安
定状態に配向させて表示駆動される。
【0028】上記第1の準安定状態と第2の準安定状態
は、前記初期配向状態から液晶分子のねじれ角がほぼ1
80°変化してスプレイ歪を解消した状態であり、前記
裏側基板12の配向処理方向12aを基準として、カイ
ラル剤により付与されるねじれ方向へのねじれ角を+の
角度、前記カイラル剤により付与されるねじれ方向とは
逆方向(カイラル剤によるねじれをほどく方向)へのね
じれ角を−の角度とすると、第1の準安定状態は、初期
配向状態に対してねじれ角が+180°変化したツイス
ト配向状態であり、第2の準安定状態は、初期配向状態
に対してねじれ角が−180°変化したツイスト配向状
態である。
【0029】上記初期配向状態から第1および第2の準
安定状態への配向状態の切換えは、液晶セル10の各画
素部の電極13,14間に、まず液晶分子が基板11,
12面に対してほぼ垂直に立上がり配向する電圧値(絶
対値)のスプレイ歪解消パルスを印加し、その後、前記
電極13,14間に、所定の電圧値の選択パルスを印加
することによって行なわれる。
【0030】すなわち、スプレイ歪解消パルスの印加に
より液晶分子を基板11,12面に対してほぼ垂直に立
上がり配向させた後に、前記スプレイ歪解消パルスより
も低い所定の電圧値(絶対値)VS1の選択パルス(以
下、第1準安定状態選択パルスという)を印加すると、
液晶分子が初期配向状態でのねじれ角にさらにほぼ18
0°のねじれが加わったねじれ角(90°+180°=
270°)でツイストする状態に配向してスプレイ歪を
解消し、第1の準安定状態になる。
【0031】この第1の準安定状態は、液晶分子が、両
基板11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向
11a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一
方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処
理方向12aを基準として、図1の(b)に破線矢印で
示したツイスト方向、つまり表面側から見て左回り方向
(カイラル剤により付与されるねじれ方向)に、ほぼ2
70°のねじれ角でツイスト配向した状態である。
【0032】また、スプレイ歪解消パルスの印加により
液晶分子を基板11,12面に対してほぼ垂直に立上が
り配向させた後に、前記スプレイ歪解消パルスよりも低
い所定の電圧値(絶対値)VS2の選択パルス(以下、第
2準安定状態選択パルスという)を印加すると、液晶分
子が初期配向状態でのねじれ角からほぼ180°のねじ
れを差し引いたねじれ角(90°−180°=−90
°)でツイストする状態に配向してスプレイ歪を解消
し、第2の準安定状態になる。
【0033】この第2の準安定状態は、液晶分子が、両
基板11,12の近傍においてそれぞれの配向処理方向
11a,12aに沿って配向するとともに、いずれか一
方の基板の配向処理方向、例えば裏側基板12の配向処
理方向12aを基準として、図1の(c)に破線矢印で
示したツイスト方向、つまり表面側から見て右回り方向
(カイラル剤により付与されるねじれ方向とは逆方向)
に、ほぼ90°のねじれ角でツイスト配向した状態であ
る。
【0034】さらに、上記第1の準安定状態と第2の準
安定状態とは、その一方から他方に切換えることが可能
であり、液晶分子がいずれの準安定状態に配向している
状態でも、まず電極13,14間に液晶分子を基板1
1,12面に対してほぼ垂直に立上がり配向させる電圧
値のリセットパルスを印加して前記準安定状態をリセッ
トし、その後に上記第1または第2準安定状態選択パル
スを印加すれば、液晶分子の配向状態を、一方の準安定
状態から他方の準安定状態に切換えることができる。
【0035】なお、上記第1準安定状態選択パルスの電
圧値VS1と、第2準安定状態選択パルスの電圧値V
S2は、使用する液晶18の特性およびカイラル剤の特性
と添加量によって決まるが、その絶対値は例えばVS1
S2であり、第1準安定状態選択パルスの電圧値V
S1は、ほどんど電圧を印加しない値(ほぼ0V)であ
り、第2準安定状態選択パルスの電圧値VS2も、ほとん
どの液晶分子が基板11,12面に対するプレチルト角
と同程度またはそれに近い傾き角で配向する低い電圧値
である。
【0036】図3は上記初期配向状態とリセット状態と
第1および第2の準安定状態における液晶分子の配向状
態を液晶セル10の下縁方向(横軸xに対して直交する
方向)から見た模式図であり、18aは液晶分子を示し
ている。
【0037】この模式図のように、上記初期配向状態
(液晶分子が裏側基板12の配向処理方向12aを基準
として表面側から見て左回り方向にほぼ90°のねじれ
角でツイスト配向している状態)は、両基板11,12
の近傍の液晶分子はそれぞれの基板11,12面に対し
てその配向処理方向11a,12aに向かって数°程度
のプレチルト角で斜めに起き上がるように配向している
が、ツイスト配向している液晶分子をそれぞれの分子長
軸が同一平面上にくるように展開して見たときのそれぞ
れの基板11,12側でのプレチルト方向が互いに逆に
なっている状態であり、したがって液晶分子は、基板1
1,12から離れるのにともなってチルト角が小さくな
り、液晶層厚の中間(チルト角が0°になる点)を境に
して基板11,12面に対する傾き方向が逆になった状
態(スプレイ歪をもった状態)で安定したツイスト配向
状態にある。
【0038】また、上記リセット状態は、両基板11,
12の近傍の液晶分子(図では省略している)は初期配
向状態とほとんど変わらない状態(それぞれの基板1
1,12面に対してその配向処理方向11a,12aに
向かって数°程度のプレチルト角で斜めに起き上がるよ
うに配向している状態)にあるが、基板11,12から
ある程度以上離れているほとんどの液晶分子は基板1
1,12面に対してほぼ垂直に立上がるように配向した
状態である。
【0039】さらに、第1の準安定状態(液晶分子が一
方の方向にほぼ270°のねじれ角でツイスト配向する
状態)は、両基板11,12の近傍の液晶分子の配向状
態は初期配向状態とほとんど変わらないが、液晶分子が
前記初期配向状態よりもさらにほぼ180°ねじれてツ
イスト配向した状態であり、したがって、ツイスト配向
している液晶分子をそれぞれの分子長軸が同一平面上に
くるように展開して見たときの液晶分子18aの傾き方
向は同じ方向であるから、この第1の準安定状態は、ス
プレイ歪の無いツイスト配向状態である。
【0040】また、第2の準安定状態(液晶分子が第1
の準安定状態とは逆方向にほぼ90°のねじれ角でツイ
スト配向する状態)は、両基板11,12の近傍の液晶
分子の配向状態は初期配向状態とほとんど変わらない
が、液晶分子のねじれ角が前記初期配向状態から前記第
1の準安定状態でのツイスト方向とは逆の方向にほぼ1
80°ねじれてツイスト配向した状態であり、したがっ
て、ツイスト配向している液晶分子をそれぞれの分子長
軸が同一平面上にくるように展開して見たときの液晶分
子18aの傾き方向は同じ方向であるから、この第2の
準安定状態は、スプレイ歪の無いツイスト配向状態であ
る。
【0041】上記第1と第2の準安定状態はそれぞれ、
その準安定状態における液晶分子18aのツイスト配向
状態を保持する状態であるが、いずれの準安定状態にお
いても、液晶分子18aの基板11,12面に対する立
上がり状態は、電極13,14間に印加される駆動信号
の実効値(1フレームの間に印加される電圧の実効値)
に応じて変化する(ただし、両基板11,12の近傍の
液晶分子の配向状態はほとんど変わらない)。
【0042】図3に示した第1および第2の準安定状態
における液晶分子の配向状態のうち、上側に示した配向
状態は、駆動信号の実効値が比較的小さい値V1-1 ,V
2-1であるときの液晶分子の立上がり状態を示し、上側
に示した配向状態は、駆動信号の実効値がある程度高い
値V1-2 ,V2-2 であるときの液晶分子の立上がり状態
を示しており、いずれの準安定状態においても、液晶分
子は、その準安定状態におけるツイスト配向状態を保ち
ながら、駆動信号の実効値に応じて立上がり状態を変え
る。
【0043】なお、上記第1および第2の準安定状態
は、駆動信号の実効値に応じて液晶分子の立上がり状態
が変化するが、ツイスト配向状態はそのまま維持する状
態であり、いずれの準安定状態も、液晶分子18aを基
板11,12面に対してほぼ垂直に立上がり配向させる
リセットパルスを印加して準安定状態をリセットするま
で保持される。
【0044】また、図1において、21a,22aは、
液晶セル10をはさんでその表面側と裏面側とに配置し
た一対の偏光板21,22の透過軸を示しており、この
実施例では、一方の偏光板、例えば表側偏光板21を、
その透過軸21aを液晶セル10の前記表側偏光板21
が隣接する表側基板11の配向処理方向11aとほぼ平
行な方向またはほぼ直交する方向(図ではほぼ平行な方
向)に向けて配置し、他方の偏光板、つまり裏側偏光板
22を、その透過軸22aを前記表側偏光板21の透過
軸21aに対してほぼ直交する方向に向けて配置してい
る。
【0045】一方、上記駆動回路40は、液晶セル10
の各走査電極13を順次選択してこれらの走査電極13
に走査信号を供給するとともに、それに同期させて各信
号電極14にデータ信号を供給することにより、前記液
晶セル10の各画素部の電極13,14間に、前記走査
信号とデータ信号との電位差に応じた電圧を印加するも
のであり、この駆動回路40は、液晶セル10の各画素
部の電極13,14間に、上記リセットパルスを印加し
た後、上記第1と第2の準安定状態のいずれかを選択す
る選択パルスを印加し、その後に実効値が前記リセット
パルスの電圧値よりも低い範囲で変化する駆動信号を印
加するように構成されている。
【0046】この実施例の液晶表示装置は、自然光や室
内照明光等の外光を利用し表面側から入射する光を裏面
側に配置した反射板30で反射させて表示するものであ
り、その表示駆動は、上記液晶セル10の各画素部を、
その電極13,14間に上記リセットパルスを印加した
後に上記選択パルスを印加して液晶セル10を第1と第
2のいずれかの準安定状態に切換え、その準安定状態に
おいて前記電極13,14間に実効値が前記リセットパ
ルスの電圧値よりも低い範囲で変化する駆動信号を印加
して駆動することにより行なわれる。
【0047】この場合、液晶表示装置の駆動開始前は、
液晶セル10の液晶分子が上述した初期配向状態(スプ
レイ歪をもった配向状態)に配向しているが、上記リセ
ットパルスを印加すれば、このリセットパルスをスプレ
イ歪解消パルスとして液晶分子が基板11,12面に対
してほぼ垂直に立上がるように配向し、その後に印加さ
れる選択パルスに応じて第1と第2のいずれかの準安定
状態に配向する。
【0048】なお、液晶表示装置の駆動開始時、つまり
電源スイッチがオンされたときに、上記駆動回路40か
ら全ての画素部の電極13,14間に上述したスプレイ
歪解消パルスを印加し、その後に第1と第2の準安定状
態のいずれか一方を選択する選択パルスを印加するよう
にすれば、全ての画素部を同じ準安定状態にしてから表
示駆動を開始することができる。
【0049】上記液晶表示装置は、液晶セル10の液晶
分子を上記第1と第2のいずれかの準安定状態に配向さ
せ、それぞれの準安定状態における液晶分子の基板1
1,12面に対する立上がり状態を駆動信号の実効値に
応じて変化させて光の透過状態を制御するものであり、
第1の準安定状態を選択したときは、液晶分子がいずれ
か一方の基板の配向処理方向を基準として一方の方向に
ほぼ270°のねじれ角でツイスト配向した液晶セルと
偏光板とからなる表示装置の電気光学特性をもち、第2
の準安定状態を選択したときは、液晶分子が前記一方の
基板の配向処理方向を基準として前記第1の準安定状態
とは逆の方向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配向し
た液晶セルと偏光板とからなる表示装置の電気光学特性
をもつ。
【0050】すなわち、この液晶表示装置は、液晶セル
の液晶分子の配向状態が異なる2つの表示装置の電気光
学特性を合わせ持ったものであり、したがって、段階的
に制御しようとする透過状態のうちの複数の透過状態の
制御を一方の電気光学特性を利用して行ない、他の複数
の透過状態の制御を他方の電気光学特性を利用して行な
うことができる。
【0051】この場合、上記実施例では、液晶セル10
をはさんで配置した一対の偏光板21,22のうち、一
方の偏光板(表側偏光板)21の透過軸21aの方向
を、前記液晶セル10の前記一方の偏光板21が隣接す
る基板(表側基板)11の配向処理方向11aとほぼ平
行またはほぼ直交する方向にし、他方の偏光板(裏側偏
光板)22の透過軸22aを、前記一方の偏光板21の
透過軸21aに対してほぼ直交する方向に設定している
ため、第1の準安定状態を選択して透過状態を制御する
ときも、第2の準安定状態を選択して透過状態を制御す
るときも、ツイステッドネマティックモード(以下、T
Nモードと記す)による表示を行なうことができる。
【0052】すなわち、第1と第2のいずれの準安定状
態においても、表側偏光板21を透過して入射した直線
偏光が、液晶セル10を透過する過程で液晶層の複屈折
作用により液晶分子のツイスト配向状態に応じて旋光さ
れ、その光が裏側偏光板22に入射して、この裏側偏光
板22により透過を制御される。そして、裏側偏光板2
2を透過した光は、反射板30で反射され、前記裏側偏
光板22と液晶セル10と表側偏光板21とを順に透過
して出射する。
【0053】そして、この液晶表示装置では、上記第1
の準安定状態を選択したときの液晶分子の配向状態が、
ねじれ角がほぼ270°と大きいツイスト配向状態であ
るため、このときは、液晶層の複屈折作用による旋光性
が各波長光ごとに異なり、したがって、各波長光が異な
る透過率で裏側偏光板22を透過して、この裏側偏光板
22を透過した光が、その光を構成する各波長光の強度
の比に応じた色の着色光になる。
【0054】このように、上記第1の準安定状態を選択
したときのTNモードによる表示は、着色した表示が得
られるカラー表示であり、その表示色は、電極13,1
4間に印加される駆動信号の実効値に応じて変化する。
【0055】すなわち、液晶分子は、駆動信号の実効値
に応じて前記準安定状態における配向状態を保ちながら
立上がり状態を変えるが、液晶分子の立上がり状態が変
化すると、それに応じた液晶層の複屈折性の変化によっ
て各波長の旋光性が変化するため、前記駆動信号の実効
値を制御することにより着色光の色を変化させることが
でき、したがって、1つの画素部で複数の色を表示する
ことができる。
【0056】なお、上記カラー表示は、液晶セル10の
液晶層の複屈折作用と一対の偏光板21,22の偏光作
用とを利用して光を着色するものであり、したがってカ
ラーフィルタを用いて光を着色するものに比べて光の吸
収が少ないから、反射型の液晶表示装置であっても、表
示光の透過率を高くして明るい着色表示を得ることがで
きる。
【0057】一方、上記第2の準安定状態を選択したと
きの液晶分子の配向状態は、ねじれ角がほぼ90°のツ
イスト配向状態であるため、このときのTNモードによ
る表示は、通常のTN型液晶表示装置の場合と基本的に
同じであり、この実施例の液晶表示装置では、表側偏光
板21と裏側偏光板22とをそれぞれの透過軸21a,
22aを互いにほぼ直交させて配置しているため、液晶
分子の立上がり角がプレチルト角に近いときは無彩色の
明表示である白が表示され、液晶分子の立上がり角が大
きくなのにともなって光の透過率が少なくなって、最終
的に無彩色の暗表示である黒が表示される。
【0058】この場合は、駆動信号の実効値に応じて液
晶分子が立上がり状態を変え、それに応じて液晶層の複
屈折性が変化するため、前記駆動信号の実効値を制御す
ることにより光の透過状態を段階的に制御して階調のあ
る白黒表示を行なうことができる。
【0059】なお、上記初期配向状態、つまり液晶分子
がスプレイ歪をもってほぼ90°のねじれ角でツイスト
配向している状態は、実際の表示には使用しないが、こ
の初期配向状態もTNモードによる白黒表示が得られる
状態である。
【0060】図4〜図6は、液晶セル10の両基板1
1,12の配向処理方向11a,12aと表裏の偏光板
21,22の透過軸21a,22aを図1に示したよう
に設定し、前記液晶セル10のΔnd(液晶の屈折率異
方性Δnと液晶層厚dとの積)の値を約1000nmに
選んだ液晶表示装置の印加電圧(駆動信号の実効値)に
対する光の出射率と表示色の変化を示しており、図4の
(a),(b)は初期配向状態における電圧−出射率特
性図およびCIE色度図、図5の(a),(b)は第1
の準安定状態における電圧−出射率特性図およびCIE
色度図、図6の(a),(b)は第2の準安定状態にお
ける電圧−出射率特性図およびCIE色度図である。な
お、各図の(b)の色度図において、Wは無彩色点を示
している。
【0061】まず、初期配向状態について説明すると、
初期配向状態での電圧−出射率特性は、図4の(a)の
ように、電圧の変化に対して出射率がほぼ直線的に変化
する特性であり、電圧に対する表示色の変化は、図4の
(b)のように、印加電圧が0V(電圧無印加状態)の
ときで白、液晶分子をほぼ垂直に立上がり状態に配向さ
せる値(例えば約5V)の電圧を印加したときで黒であ
る。
【0062】なお、液晶分子の立上がり状態は、上述し
たリセットパルスを印加したときに最も垂直に近くな
り、そのときに表示が最も黒くなるが、リセットパルス
の印加時間は極く短いため、リセット状態での表示は人
間の目にはほとんど認識されない。
【0063】また、第1の準安定状態での電圧−出射率
特性は、図5の(a)のように、印加電圧が0〜約2V
の範囲では出射率が高いレベルに保たれてほとんど変化
せず、それよりも電圧が高くなると出射率が急激に小さ
くなる特性であり、電圧に対する表示色の変化は、図5
の(b)のように、1.954Vの電圧を印加したとき
で赤、2.979Vの電圧を印加したときで青である。
【0064】なお、上記赤のx,yコーデネイト値は、
x=0.353、y=0.350であり、Y値(明る
さ)は28.54である。また、上記青のx,yコーデ
ネイト値は、x=0.274、y=0.296であり、
Y値は11.64である。
【0065】さらに、第2の準安定状態での電圧−出射
率特性は、図6の(a)のように、印加電圧が0〜約
1.5Vの範囲では出射率が高いレベルに保たれてほと
んど変化せず、それよりも電圧が高くなると出射率が急
激に小さくなる特性であり、電圧に対する表示色の変化
は、図6の(b)のように、1.552Vの電圧を印加
したときで白、3.071Vの電圧を印加したときで黒
である。
【0066】なお、上記白のx,yコーデネイト値は、
x=0.317、y=0.341であり、Y値は34.
41である。また、上記黒のx,yコーデネイト値は、
x=0.271、y=0.290であり、Y値は1.8
3である。
【0067】すなわち、上記液晶表示装置は、第1の準
安定状態を選択して赤と青を表示し、第2の準安定状態
を選択して白と黒を表示するものであり、したがって、
表示の基本である白と黒の表示に加えて、赤と青の2色
のカラー表示を行なうことができる。
【0068】なお、液晶表示装置の電源を切ると、上記
第1または第2の準安定状態にある液晶分子の配向状態
が、自然放電により数秒〜数分(使用する液晶18の特
性およびカイラル剤の特性と添加量によって異なる)で
初期配向状態に戻り、画面全体が、前記初期配向状態に
おける電圧無印加時の状態(上記実施例では白)にな
る。
【0069】そして、上記液晶表示装置は、液晶セルの
液晶分子の配向状態が異なる2つの表示装置の電気光学
特性を合わせ持ったものであって、段階的に制御しよう
とする透過状態のうちの複数の透過状態の制御を一方の
電気光学特性を利用して行ない、他の複数の透過状態の
制御を他方の電気光学特性を利用して行なうことができ
るものであるため、透過状態の全段階数を、前記一方の
電気光学特性を利用するとき、つまり第1の準安定状態
を選択して透過状態を制御するときと、前記他方の電気
光学特性を利用するとき、つまり第2の準安定状態を選
択して透過状態を制御するときとに振り分けることがで
き、そのために、それぞれの準安定状態で駆動される段
階数が少なくなるから、それぞれの準安定状態の中で、
少ない段階数の時分割駆動を行なうことができる。
【0070】このため、上記液晶表示装置によれば、液
晶セル10の駆動デューティに対して動作電圧マージン
を大きくとることができる。すなわち、上述した白と黒
の表示に加えて赤と青の2色のカラー表示を行なう液晶
表示装置の場合は、その駆動信号の実効値を、第1の準
安定状態を選択して赤と黒を表示するときは1.954
Vと2.979Vの2通りに設定し、第2の準安定状態
を選択して青と白を表示するときは1.552Vと3.
071Vの2通りに設定すればよく、したがって、それ
ぞれの準安定状態における実効値の差、つまり動作電圧
マージンを、第1の準安定状態で1.025V(=2.
979V−1.954V)、第2の準安定状態で1.5
19V(=3.071V−1.552V)と充分に大き
くとることができる。
【0071】したがって、上記液晶表示装置によれば、
液晶セル10が駆動信号の実効値を制御して駆動される
単純マトリックス方式のものであっても、その駆動デュ
ーティに対して動作電圧マージンを大きくし、高デュー
ティでの時分割駆動を可能として、画素数の多い高精細
画像の表示を実現することができる。
【0072】なお、上記液晶表示装置は、第1の準安定
状態を選択したときの表示色が赤と青になるものである
が、その表示色は、液晶セル10のΔndの値を変える
ことによって任意に選ぶことができる。
【0073】また、上記実施例の液晶表示装置は、第1
と第2のいずれの準安定状態を選択したときもTNモー
ドによる表示を行なうものであって、第1の準安定状態
でカラー表示を行ない、第2の準安定状態で白黒表示を
行なうものであるが、少なくとも表側偏光板21の透過
軸21aの方向を、液晶セル10の表側基板11の配向
処理方向11aに対して斜めに交差する方向にすれば、
第1と第2の両方の準安定状態における表示をそれぞれ
複屈折効果モードによるカラー表示とすることができ
る。
【0074】さらに、上記実施例の液晶表示装置は、液
晶セル10の液晶層の複屈折作用と一対の偏光板21,
22の偏光作用とを利用して表示するものであるが、そ
れに加えて、表裏の偏光板21,22のいずれか一方ま
たは両方と液晶セル10との間に位相差板を配置しても
よい。
【0075】図7はこの発明の他の実施例を示す液晶表
示装置の断面図である。この表示装置は、表側偏光板2
1と液晶セル10との間に位相差板23を配置したもの
であり、前記位相差板23は、その光学軸(例えば遅相
軸)を表側偏光板21の透過軸21aに対して斜めにず
らして設けられている。なお、この液晶表示装置は、上
述した実施例の液晶表示装置に位相差板23を付加した
ものであるから、重複する説明は図に同符号を付して省
略する。
【0076】この実施例の液晶表示装置によれば、表側
偏光板21を透過して入射した直線偏光が、まず位相差
板23の複屈折作用により各波長光がそれぞれ偏光状態
の異なる楕円偏光となった光となり、その光が液晶セル
10の液晶層の複屈折作用によりさらに偏光状態を変え
て裏側偏光板22に入射するため、表示色が鮮明で色数
も多いカラー表示を行なうことができる。
【0077】すなわち、この液晶表示装置では、各波長
光が位相差板23と液晶セル10の液晶層との両方の複
屈折作用によりそれぞれの偏光状態を変えて裏側偏光板
22に入射するため、裏側偏光板22を透過する各波長
光の透過率の差を大きくして、各波長光の強度の差が大
きい鮮明な着色光を得ることができるし、また、駆動信
号の実効値に応じた液晶分子の立上がり状態の変化にと
もない、前記各波長光の透過率とその透過率差が大きく
変化して前記着色光の色が変化するため、表示色数も多
くすることができる。
【0078】この液晶表示装置の表示色およびその色数
は、裏側偏光板22に入射する光の偏光状態を決定する
条件、つまり、液晶セル10のΔndの値と位相差板2
3のリタデーションおよびその光学軸の方向等を設定す
ることによって任意に選ぶことができる。
【0079】なお、この実施例において、表裏の偏光板
21,22の透過軸21a,22aの向きを図1に示し
たように設定する場合、前記偏光状態を決定する条件
を、第1の準安定状態(液晶分子が一方の方向にほぼ2
70°のねじれ角でツイスト配向する状態)では各波長
光が大きく異なる透過率で裏側偏光板22を透過し、第
2の準安定状態(液晶分子が第1の準安定状態とは逆方
向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配向する状態)で
は各波長光がほとんど差の無い透過率で裏側偏光板22
を透過するように設定すれば、前記第1の準安定状態を
選択したときの表示を鮮明で色数の多いカラー表示と
し、前記第2の準安定状態を選択したときの表示はTN
モードとあまり変わらない白黒表示とすることができ
る。
【0080】また、前記偏光状態を決定する条件を、第
1と第2のいずれの準安定状態でも各波長光が大きく異
なる透過率で裏側偏光板22を透過するように設定すれ
ば、第1の準安定状態を選択したときも、第2の準安定
状態を選択したときも、鮮明で色数の多いカラー表示を
行なうことができる。
【0081】さらに、上記位相差板23を付加する実施
例は、上述したように少なくとも表側偏光板21の透過
軸21aの方向を液晶セル10の表側基板11の配向処
理方向11aに対して斜めに交差する方向にして、第1
と第2の両方の準安定状態における表示をそれぞれ複屈
折効果モードによるカラー表示とする場合にも適用でき
るものであり、その場合は、両方の準安定状態における
表示色を鮮明にするとともにその色数を多くすることが
できる。
【0082】なお、上記各実施例の液晶表示装置は、そ
の裏面側に反射板30を配置した反射型のものである
が、この発明は、バックライトからの光を利用して表示
する透過型の液晶表示装置(反射板30の無いもの)に
も適用することができる。
【0083】さらに、この発明は、偏光板を1枚だけ備
え、液晶セルの表面側に偏光板を配置し、前記液晶セル
の裏面側に反射板を配置した反射型液晶表示装置にも適
用できるものであり、その場合は、液晶セルの裏側基板
の外面に反射板を配置してもよいし、あるいは、前記裏
側基板の内面に設ける電極を金属膜で形成し、この電極
で反射板を兼用してもよい。
【0084】
【発明の効果】この発明の液晶表示装置は、液晶セルの
液晶分子を上記第1と第2のいずれかの準安定状態に配
向させ、それぞれの準安定状態における液晶分子の基板
面に対する立上がり状態を駆動信号の実効値に応じて変
化させて光の透過状態を制御するものであり、第1の準
安定状態を選択したときは、液晶分子がいずれか一方の
基板の配向処理方向を基準として一方の方向にほぼ27
0°のねじれ角でツイスト配向した液晶セルと偏光板と
からなる表示装置の電気光学特性をもち、第2の準安定
状態を選択したときは、液晶分子が前記一方の基板の配
向処理方向を基準として前記第1の準安定状態とは逆の
方向にほぼ90°のねじれ角でツイスト配向した液晶セ
ルと偏光板とからなる表示装置の電気光学特性をもつた
め、段階的に制御しようとする透過状態のうちの複数の
透過状態の制御を一方の電気光学特性を利用して行な
い、他の複数の透過状態の制御を他方の電気光学特性を
利用して行なうことができる。
【0085】このため、この液晶表示装置によれば、透
過状態の全段階数を、前記一方の電気光学特性を利用す
るとき、つまり第1の準安定状態を選択して透過状態を
制御するときと、前記他方の電気光学特性を利用すると
き、つまり第2の準安定状態を選択して透過状態を制御
するときとに振り分けることができ、そのために、それ
ぞれの準安定状態で駆動される段階数が少なくなるか
ら、それぞれの準安定状態の中で、少ない段階数の時分
割駆動を行なうことができ、したがって、駆動信号の実
効値を制御して駆動される単純マトリックス方式の液晶
セルを用いるものでありながら、その駆動デューティに
対して動作電圧マージンを大きくし、高デューティでの
時分割駆動を可能として、画素数の多い高精細画像の表
示を実現することができる。
【0086】この発明の液晶表示装置において、例え
ば、液晶セルをはさんでその表面側と裏面側とに偏光板
を配置する場合、一方の偏光板の透過軸の方向を、前記
液晶セルの前記一方の偏光板が隣接する基板の配向処理
方向とほぼ平行またはほぼ直交する方向にし、他方の偏
光板の透過軸を、前記一方の偏光板の透過軸に対してほ
ぼ直交する方向にすれば、前記第1の準安定状態を選択
して透過状態を制御するときも、前記第2の準安定状態
を選択して透過状態を制御するときも、ツイステッドネ
マティックモードによる表示を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による液晶表示装置の基本
構成を示す、初期配向状態と第1の準安定状態と第2の
準安定状態の斜視図。
【図2】前記液晶表示装置の断面図。
【図3】前記液晶表示装置の初期配向状態とリセット状
態と第1および第2の準安定状態における液晶分子の配
向状態を示す模式図。
【図4】前記液晶表示装置の初期配向状態における電圧
−出射率特性図およびCIE色度図。
【図5】前記液晶表示装置の第1の準安定状態における
電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【図6】前記液晶表示装置の第2の準安定状態における
電圧−出射率特性図およびCIE色度図。
【図7】この発明の他の実施例を示す液晶表示装置の断
面図。
【符号の説明】
10…液晶セル 11a…表側基板の配向処理方向 12a…裏側基板の配向処理方向 18…カイラル剤が添加されたネマティック液晶 21,22…偏光板 21a,22a…透過軸 23…位相差板 30…反射板 40…駆動回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】液晶セルと、この液晶セルの表裏面のうち
    の少なくとも表面側に配置された偏光板とを備え、 前記液晶セルは、内面に電極が設けられその上に配向処
    理が施された一対の基板間に、カイラル剤が添加された
    ネマティック液晶を挟持したものであって、その液晶分
    子が基板面に対してほぼ垂直に立上がり配向する電圧値
    のリセットパルスの印加後、それより低い所定の電圧値
    の選択パルスの印加により、前記液晶分子がいずれか一
    方の基板の配向処理方向を基準として一方の方向にほぼ
    270°のねじれ角でツイスト配向する第1の準安定状
    態になり、前記リセットパルスの印加後、それより低い
    他の所定の電圧値の選択パルスの印加により、前記液晶
    分子が前記一方の基板の配向処理方向を基準として前記
    第1の準安定状態とは逆の方向にほぼ90°のねじれ角
    でツイスト配向する第2の準安定状態になる特性を有し
    ており、 前記液晶セルの各画素部が、前記リセットパルスを印加
    した後に前記選択パルスを印加することにより前記第1
    と第2のいずれかの準安定状態に切換えられ、その準安
    定状態において、実効値が前記リセットパルスの電圧値
    よりも低い範囲で変化する駆動信号の印加により駆動さ
    れることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】液晶セルと、この液晶セルの表裏面のうち
    の少なくとも表面側に配置された偏光板と、前記液晶セ
    ルを駆動するための駆動回路とを備え、 前記液晶セルは、内面に電極が設けられその上に配向処
    理が施された一対の基板間に、カイラル剤が添加された
    ネマティック液晶を挟持したものであって、その液晶分
    子が基板面に対してほぼ垂直に立上がり配向する電圧値
    のリセットパルスの印加後、それより低い所定の電圧値
    の選択パルスの印加により、前記液晶分子がいずれか一
    方の基板の配向処理方向を基準として一方の方向にほぼ
    270°のねじれ角でツイスト配向する第1の準安定状
    態になり、前記リセットパルスの印加後、それより低い
    他の所定の電圧値の選択パルスの印加により、前記液晶
    分子が前記一方の基板の配向処理方向を基準として前記
    第1の準安定状態とは逆の方向にほぼ90°のねじれ角
    でツイスト配向する第2の準安定状態になる特性を有し
    ており、 前記駆動回路は、前記液晶セルの各画素部に、前記リセ
    ットパルスを印加した後、前記第1と第2の準安定状態
    のいずれかを選択する選択パルスを印加し、その後に実
    効値が前記リセットパルスの電圧値よりも低い範囲で変
    化する駆動信号を印加することを特徴とする液晶表示装
    置。
  3. 【請求項3】前記液晶セルをはさんでその表面側と裏面
    側とに偏光板が配置されるとともに、その一方の偏光板
    の透過軸は、前記液晶セルの前記一方の偏光板が隣接す
    る基板の配向処理方向とほぼ平行またはほぼ直交する方
    向にあり、他方の偏光板の透過軸は、前記一方の偏光板
    の透過軸に対してほぼ直交する方向にあることを特徴と
    する請求項1または2に記載の液晶表示装置。
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JP (1) JPH1062749A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014228820A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 スタンレー電気株式会社 液晶素子とその駆動方法、及び、液晶装置

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