JPH06336962A

JPH06336962A - ディーゼルエンジンのエンジン停止装置

Info

Publication number: JPH06336962A
Application number: JP5151364A
Authority: JP
Inventors: Shinya Takada; 伸也高田
Original assignee: Kubota Corp
Current assignee: Kubota Corp
Priority date: 1993-05-28
Filing date: 1993-05-28
Publication date: 1994-12-06

Abstract

(57)【要約】【目的】短時間のうちにエンジンを確実に停止できる
エンジン停止装置を提供する。【構成】ディーゼルエンジンＥの燃料噴射ポンプ２に
燃料遮断装置３０を付設する。この燃料遮断装置３０
は、ボール状のポート閉止弁体３１と、このポート閉止
弁体３１をレリーズワイヤ３２を解して閉弁作動可能に
構成したアクチュエータ３３とから成る。このアクチュ
エータ３３をエンジン停止操作具１２で閉弁作動させる
ことにより、燃料噴射ポンプ２の逃油溜まり室２６内に
位置するプランジャバレル２７のバレルポート２７ａを
ポート閉止弁体３１で閉止することにより燃料噴射ポン
プ２のポンプ機能を停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はディーゼルエンジンのエ
ンジン停止装置に関し、燃料噴射ポンプ内へ供給する燃
料を遮断することによりエンジンを停止させる形式のエ
ンジン停止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種のエンジン停止装置方式として、
例えば本出願人の提案に係る特開平２−１４９７３２号
に開示されたものが知られている。それは、図５に示す
ように、ディーゼルエンジンＥの燃料噴射ポンプ２に燃
料遮断弁１１を付設するとともに、燃料噴射ポンプ２内
の逃油溜まり室２６に燃料吸出手段１８を連通させ、こ
の燃料吸出手段１８をエンジン停止操作具１２に連動連
結し、エンジン停止操作具１２によるエンジン停止操作
に連動して燃料噴射ポンプ２への燃料供給を遮断すると
ともに、逃油溜まり室２６内の燃料を燃料吸出手段１８
で吸い出すように構成したものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、燃
料噴射ポンプ２への燃料の供給を遮断するとともに、逃
油溜まり室２６内の燃料を吸い出すものであるから、停
止操作時における燃料の無駄は少なくり、逃油溜まり室
２６内の燃料がプランジャバレル２７内へ流入するのを
防止することができる点で優れているが、逃油溜まり室
２６内の燃料を即座に完全に吸い出すことは出来ない。
このため逃油溜まり室２６内に溜まっている燃料をプラ
ンジャ２５の上下動で送り出す動作は継続しており、エ
ンジンが完全に停止するまでに時間がかかるという問題
があった。本発明はこのような点に着目してなされたも
ので、短時間のうちにエンジンを確実に停止できるエン
ジン停止装置を提供することを技術課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明が採用した手段は、ディーゼルエンジンＥの
燃料噴射ポンプ２に燃料遮断装置３０を付設し、エンジ
ン停止操作具１２により燃料遮断装置３０を作動させて
エンジンを停止するように構成したディーゼルエンジン
のエンジン停止装置において、上記燃料遮断装置３０
は、燃料噴射ポンプ２の逃油溜まり室２６内に位置する
プランジャバレル２７のバレルポート２７ａに向けて設
けたボール状のポート閉止弁体３１と、このポート閉止
弁体３１をレリーズワイヤ３２を解して閉弁作動可能に
構成したアクチュエータ３３とから成り、このアクチュ
エータ３３をエンジン停止操作具１２で閉弁作動させる
ことにより、プランジャバレル２７のバレルポート２７
ａをポート閉止弁体３１で閉止するように構成したこと
を要旨とするものである。

【０００５】

【作用】本発明では、エンジン停止操作具１２を停止
操作することにより、燃料遮断装置３０を構成するアク
チュエータ３３が作動する。するとレリーズワイヤ３２
を解してボール状のポート閉止弁体３１が前進し、燃料
噴射ポンプ２の逃油溜まり室２６内に位置するプランジ
ャバレル２７のバレルポート２７ａを閉止する。なお、
バレルポート２７ａの閉止に際して、プランジャバレル
２７内は負圧になるので、上記ポート閉止弁体３１がバ
レルポート２７ａに吸い寄せられて閉弁作動も迅速に行
われる。プランジャバレル２７のバレルポート２７ａが
閉止されると、燃料噴射ポンプ２のプランジャ２５が昇
降しても、逃油溜まり室２６内の燃料がプランジャバレ
ル２７内に流入できなくなり、実質的に燃料噴射ポンプ
２のポンプ機能が失われる。これにより、エンジンは短
時間のうちに停止することになる。

【０００６】

【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図１は本発明の第１の実施例に係る燃料噴射ポンプ
の縦断面図である。図１において、燃料噴射ポンプ２は
デイーゼルエンジンＥのエンジン本体１に固定され、こ
の燃料噴射ポンプ２は燃料噴射カム３でタペットローラ
２１ａを駆動することにより、タペット２１を介してプ
ランジャ２５を昇降させて、プランジャ室２８内に送り
込まれて来た燃料を加圧して、高圧燃料供給管(６)から
燃料噴射ノズル(７)に圧送するようにしてある。上記燃
料噴射ポンプ２には、従来例と同様の燃料遮断弁１１の
他に本発明の特徴をなす燃料遮断装置３０が付設されて
いる。

【０００７】上記燃料遮断弁１１は、燃料タンク８から
燃料フィルター９を介して燃料噴射ポンプ２へ燃料を供
給する燃料供給路１０に付設してあり、ストップスイッ
チで構成したエンジン停止操作具１２を操作することに
より、タイマー１５を介してソレノイド１３への給電が
なされ、閉弁作動体１４を閉弁作動するように構成して
ある。つまり、ストップスイッチ１２を操作することに
より、ソレノイド１３がタイマー１５で設定した時間だ
け作動し、その間燃料噴射ポンプ２への燃料供給が停止
されることになる。

【０００８】本発明の特徴をなす燃料遮断装置３０は、
ボール状のポート閉止弁体３１と、このポート閉止弁体
３１をレリーズワイヤ３２を解して閉弁作動可能に構成
したアクチュエータ３３とから成り、このアクチュエー
タ３３をエンジン停止操作具１２で閉止作動させること
により、燃料噴射ポンプ２の逃油溜まり室２６内に位置
するプランジャバレル２７のバレルポート２７ａをポー
ト閉止弁体３１で閉止するように構成されている。上記
アクチュエータ３３は、電磁ソレノイドで構成され、前
記タイマー１５及びソレノイド駆動回路３４を介して燃
料遮断弁１１と連動するように構成されている。なお、
図１中の符号２２はプランジャスプリング、２３はコン
トロールスリーブ、２４はコントロールスリーブ２３を
回転させるコントロールラック、２５ａはプランジャ２
５のコントロールグルーブ、２９はデリバリバルブであ
る。

【０００９】上記構成において、プランジャバレル２７
のバレルポート２７ａをポート閉止弁体３１が閉止した
状態では、プランジャ２５が上死点を超えたときプラン
ジャスプリング２２がプランジャ２５を押し下げようと
するが、バレル室２８はデリバリバルブ２９で閉止して
いるため、バレル室２８内は負圧になる。このため、プ
ランジャ２５がプランジャスプリング２２に打ち勝つこ
とができず、すぐには下降しない場合もある。つまり、
デリバリバルブ２９の燃料のリークを待ってプランジャ
２５のポンプ作動（上下作動）が開始することになる
が、このポンプ作動が開始するまでは、燃料噴射ポンプ
２は実質的に燃料を圧送できない。

【００１０】従って上記エンジン停止装置によれば、ス
トップスイッチ１２を停止操作すると、燃料遮断弁１１
とアクチュエータ３３とが、タイマー１５で設定した時
間だけ作動する。これにより燃料噴射ポンプ２への燃料
供給が停止されとともに、ボール状のポート閉止弁体３
１がプランジャバレル２７のバレルポート２７ａを閉止
して燃料噴射ポンプ２がポンプ作動しなくなる。これに
より、エンジンは短時間のうちに停止する。

【００１１】図２は、本発明の第２の実施例に係る燃料
噴射ポンプの斜視図、図３はその要部の横断平面図であ
る。この実施例に係るエンジン停止装置は、複数の燃料
噴射ポンプ２の各バレルポート２７ａに向けて、それぞ
れポート閉止弁体３１を設け、これらの各ポート閉止弁
体３１をそれぞれレリーズワイヤ３２を介して単一のア
クチュエータ３３で閉弁作動させるように構成してあ
る。なお。図３中の符号３５は、レリーズワイヤ３２の
挿通孔である。

【００１２】上記アクチュエータ３３は、複数の燃料噴
射ポンプ２を装着したケースフランジ１６の一側面に付
設されており、レリーズワイヤ３２の基端部は、ケース
フランジ１６内を横一直線にあけた挿通孔３５内を挿通
してアクチュエータ３３の出力軸３３ａに連結されてい
る。この構成によれば、単一のアクチュエータ３３で各
ポート閉止弁体３１を閉弁作動させて複数のプランジャ
バレル２７のバレルポート２７ａを直ちに閉止すること
ができるので、小型のエンジンにでも簡単に組み込むこ
とができる。

【００１３】図４は上記第２の実施例及び燃料遮断弁１
１の別実施例に係る燃料噴射ポンプの縦断面図である。
この実施例における燃料遮断弁１１は、ソレノイド１３
により作動する閉弁作動体１４の先端部で逃油溜まり室
２６への連通路２６ａを閉止するように構成されてお
り、その他の点は図１の燃料遮断弁１１と同様に構成さ
れている。

【００１４】なお、上記実施例では、燃料遮断装置３０
の他に燃料遮断弁１１を付設したものとして説明した
が、これらの燃料遮断弁１１は本発明の必須構成要素で
はなく、適宜省略することができる。また、上記アクチ
ュエータ３３についても、電磁式のものに限るものでは
なく、適宜変更を加えて実施し得ることは、多言を要し
ない。

【００１５】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、プランジャバ
レル２７のバレルポート２７ａをポート閉止弁体３１で
閉止すると、燃料噴射ポンプ２がポンプ作動しなくな
り、エンジンを短時間のうちに確実に停止させることが
できる。また、請求項２の発明によれば、単一のアクチ
ュエータ３３により各ポート閉止弁体３１を閉弁作動さ
せて複数のプランジャバレル２７のバレルポート２７ａ
を直ちに閉止することができるので、小型のエンジンに
でも簡単に組み込むことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例に係る燃料噴射ポンプの
縦断面図である。

【図２】本発明の第２の実施例に係る燃料噴射ポンプの
斜視図である。

【図３】本発明の第２の実施例に係る燃料噴射ポンプの
要部の横断平面図である。

【図４】上記第２の実施例及び燃料遮断弁の別実施例に
係る燃料噴射ポンプの縦断面図である。

【図５】従来例に係る燃料噴射ポンプの縦断面図であ
る。

【符号の説明】Ｅ…ディーゼルエンジン、２…燃料噴射ポン
プ、１１…燃料遮断弁、１２…エンジン
停止操作具、２６…逃油溜まり室、２７…
プランジャバレル、２７ａ…バレルポート、
３０…燃料遮断装置、３１…ポート閉止弁体、
３２…レリーズワイヤ、３３…アクチュエータ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ディーゼルエンジン(Ｅ)の燃料噴射ポン
プ(２)に燃料遮断装置(30)を付設し、エンジン停止操作
具(12)により燃料遮断装置(30)を作動させてエンジンを
停止するように構成したディーゼルエンジンのエンジン
停止装置において、上記燃料遮断装置(30)は、燃料噴射ポンプ(２)の逃油溜
まり室(26)内に位置するプランジャバレル(27)のバレル
ポート(27a)に向けてボール状のポート閉止弁体(31)を
設け、このポート閉止弁体(31)をレリーズワイヤ(32)を
解してアクチュエータ(33)で閉弁作動可能に構成し、こ
のアクチュエータ(33)をエンジン停止操作具(12)で閉弁
作動させることにより、プランジャバレル(27)のバレル
ポート(27a)をポート閉止弁体(31)で閉止するように構
成したことを特徴とするディーゼルエンジンのエンジン
停止装置。
【請求項２】複数の燃料噴射ポンプ(２)の各バレルポ
ート(27a)に向けて、それぞれボール状のポート閉止弁
体(31)を設け、これらの各ポート閉止弁体(31)を単一の
アクチュエータ(33)で閉止作動させるように構成した請
求項１に記載のディーゼルエンジンのエンジン停止装
置。