JPH06336193A - 液化ガス運搬船における主機関の制御装置 - Google Patents

液化ガス運搬船における主機関の制御装置

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JPH06336193A JP12758593A JP12758593A JPH06336193A JP H06336193 A JPH06336193 A JP H06336193A JP 12758593 A JP12758593 A JP 12758593A JP 12758593 A JP12758593 A JP 12758593A JP H06336193 A JPH06336193 A JP H06336193A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液化ガス運搬船において燃料油とボイルオフ
ガスとを混焼する場合に採用して好適な主機関の制御装
置を提供する。 【構成】 液化ガス運搬船における主機関の運転モード
として、本来の燃料である燃料油のみを専焼させる第1
モードと、貯蔵タンクにおいて自然発生したボイルオフ
ガスを優先して燃焼させるとともにその不足分を補うべ
く燃料油を混焼させる第2モードと、最少限の燃料油を
優先して燃焼させるとともにその不足分を補うべくボイ
ルオフガスを混焼させる第3モードと、ボイルオフガス
のみを専焼させる第4モードとを設定しておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料油とボイルオフガ
スとを混焼する液化ガス運搬船における主機関の制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】液化天然ガス(LNG)を運搬するため
のLNG船においては、積荷であるLNGが航海中に僅
かづつではあるが気化(ボイルオフ)してしまうことが
避けられないものである。そして、一度気化してしまっ
たボイルオフガスを再び液化することは困難であること
から、それを無駄にすることなくこのLNG船の主機関
の燃料として利用することが検討されている。
【0003】すなわち、LNG船の主機関がたとえば重
油焚きのボイラとそれにより駆動されるガスタービンに
より構成される場合には、ボイラを本来の燃料である重
油とボイルオフガスである天然ガスとの混焼が可能なも
のとしておいて、ボイルオフガスが生じたらそれをボイ
ラに導いて燃料の一部として燃焼させるのであり、その
ようにすることにより本来の燃料である重油を節約し得
てボイルオフガスを有効利用できるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにボイルオフガスを主機関の燃料として利用しよう
とする場合、発生したボイルオフガスをただ単にボイラ
に導いてそのまま燃焼させてしまうことでは、必ずしも
効率的かつ経済的な運転を行うことができないのみなら
ず、運航の安定性を確保し難いこともあり、したがって
ボイルオフガスを燃料として利用するに当たっては主機
関を効率的かつ安定に運転し得る有効な制御システムの
開発が不可欠であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記事情に鑑み
てなされたもので、液化ガス運搬船における主機関を本
来の燃料である燃料油と液化ガス貯蔵タンクからのボイ
ルオフガスとを混焼可能なものとするとともに、その主
機関の運転モードとして、燃料油のみを専焼させる第1
モードと、貯蔵タンクにおいて自然発生したボイルオフ
ガスを優先して燃焼させるとともにその不足分を補うべ
く燃料油を混焼させる第2モードと、最少限の燃料油を
優先して燃焼させるとともにその不足分を補うべくボイ
ルオフガスを混焼させる第3モードと、ボイルオフガス
のみを専焼させる第4モードとを設定し、上記各モード
のいずれかを任意に選択して主機関を運転するように構
成したことを特徴とするものである。
【0006】
【作用】本発明の制御装置は、ボイルオフガスの発生状
況、燃料油と液化ガスとの価格差、運航状況等を考慮し
て、主機関の燃料の使用形態別に設定した4つの運転モ
ードのいずれかを選択して主機関を運転するようにした
ものである。すなわち、ボイルオフガスが殆ど発生しな
い場合や液化ガスの価格に比して燃料油の価格が低い場
合には、第1モードを選択して燃料油のみを専焼する
か、あるいは第2モードを選択して自然発生したボイル
オフガスのみを優先させて燃焼させたうえで不足分を燃
料油により補う。逆に、ボイルオフガスの発生量が十分
に多い場合や、液化ガスの価格が燃料油の価格に比して
低い場合には、第4モードを選択してボイルオフガスの
みを専焼することとし、この場合においては、自然発生
するボイルオフガスのみでは不足するときには液化ガス
を強制気化させて用いる。さらに、ボイルオフガスを優
先して使用するに際して運航の安定性をより確保する必
要があるようなとき、たとえば主機関の負荷変動が激し
いようなときには、第3モードを選択して最少限の燃料
油を優先して使用し、その不足分をボイルオフガスによ
り補う。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1を参照して説明
する。図1は本実施例の制御装置の概略構成を示す系統
図であり、符号1はLNGの貯蔵タンク、2はこのLN
G船の主機関を構成しているガスタービン駆動用のボイ
ラである。このボイラ2は本来の燃料油である重油と、
貯蔵タンク1から発生するボイルオフガスとの混焼が可
能なものとされている。符号3はボイラ2の圧力検出
器、4はボイラ2の燃焼制御器、5は燃料油の供給量を
調節するための制御弁、6はボイラ2に供給するボイル
オフガスの供給量と供給圧とを調節するためのガス圧縮
器、7はボイルオフガスの主制御弁、8はボイルオフガ
スを強制気化させるためのベーパライザ、9は貯蔵タン
ク1内の液化ガスをベーパライザ8に供給するためのポ
ンプ、10はベーパライザ8の入側に設けられた液化ガ
スの制御弁、11はボイルオフガスのガス圧検出器、1
2はボイルオフガスのガス圧制御器である。
【0008】図1に示す制御装置は、上記各制御機器を
制御することで燃料油とボイルオフガスとのいずれか一
方を選択して単独で燃焼させるか、もしくは任意の比率
でそれらを混焼させるべく制御するように構成されてお
り、燃料の使用形態別に第1モードから第4モードまで
の4つの運転モードが予め設定されている。そして、本
実施例の制御装置においては、6つのモード切替スイッ
チS1〜S6を切り替えることのみで上記4つのモード
のいずれかを任意に選択し得るものとされている。
【0009】以下に各運転モードについて詳細に説明す
る。なお、図1において各スイッチS1〜S6の各接点
に付している記号〜は選択される運転モードに対応
しており、たとえばが付された接点は第1モードが選
択された場合にONとなることを示している。また、そ
れら各スイッチS1〜S6は、メインスイッチMSから
の遠隔操作により連動して一斉に切り替えられるように
なっており、たとえばメインスイッチMSの「第1モー
ド」をONとすると各スイッチS1〜S6のを付した
接点が同時にONとなるように構成されている。
【0010】まず、第1モードは燃料油のみを専焼させ
るものである。この場合は、燃焼制御器4の制御信号は
スイッチS1およびスイッチS2により燃料油の制御弁
5に出力され、ボイラ負荷に応じてこの制御弁5の開度
が調節されて燃料油の供給量が調節される。この際、ガ
ス圧制御器12の制御信号はスイッチS3によりガス圧
縮器6に出力されるが、ボイルオフガスの主制御弁7は
スイッチS4により閉じられており、したがってボイル
オフガスがボイラ2に対して供給されることがない。ま
た、液化ガスの制御弁10はスイッチS5により閉じら
れていてベーパライザ8の作動も停止している。
【0011】次に、第2モードは貯蔵タンク1において
自然発生したボイルオフガスを優先して燃焼させるとと
もにその不足分を補うべく燃料油を混焼させるものであ
る。この場合は、第1モードの場合と同様に燃焼制御器
4の制御信号がスイッチS1およびスイッチS2により
制御弁5に出力されて燃料油の供給量が調節されるが、
それと同時にスイッチS4により主制御弁7が開かれて
ボイルオフガスがガス圧縮器6を介してボイラ2に供給
され、したがってボイルオフガスが供給された分だけ燃
料油の供給量は低減することになる。この場合、ガス圧
縮器6はスイッチS3を介してガス圧制御器12からの
制御信号を受けて作動するが、そのガス圧縮器6の作動
は、自然発生したボイルオフガスのガス圧に対応して貯
蔵タンク1内のガス圧が過度に低下しないように制御さ
れる。なお、この際においてもスイッチS5により液化
ガスの制御弁10は閉じており、ベーパライザ8は停止
している。
【0012】第3モードは、たとえばパイロットバーナ
に供給するための最少限の燃料油を優先して燃焼させる
とともに、その不足分を補うべくボイルオフガスを混焼
させるものである。この場合、燃焼制御器4の制御信号
はスイッチS1およびスイッチS3を介してガス圧縮器
6に出力されるとともに、スイッチS5により液化ガス
の制御弁10が開かれてベーパライザ8により強制気化
が行われ、所望量のボイルオフガスがガス圧縮器6を介
してボイラ2に供給される。一方、燃料油の制御弁5は
スイッチS2およびスイッチS6によって予め定められ
た最少限の燃料油を供給するべく所定開度に設定され
る。
【0013】第4モードはボイルオフガスのみを専焼さ
せるものである。この場合は、スイッチS6により制御
弁5が閉じられて燃料油の供給は完全に停止し、ボイル
オフガスのみがボイラ2に供給される。そして、第3モ
ードの場合と同様に、ボイルオフガスの供給量と供給圧
力は燃焼制御器4がガス縮器6の作動を制御することで
調節されるとともに、貯蔵タンク1内のガス圧が過度に
低下しない範囲内で所望量の液化ガスをベーパライザ8
により強制気化させるべくガス圧制御器12が制御弁1
0を制御する。
【0014】以上のように、上記の制御装置は、主機関
であるボイラ2の燃料使用形態別に4つの運転モードを
設定してそれらを任意に選択し得るようにしたことによ
り、ボイルオフガスの発生状況や燃料油と液化ガスとの
価格差、運航状況等を考慮していずれかの運転モードを
選択することで最も効率的、経済的な運航を行い得る。
特に、たとえば荒天時のように主機関の負荷変動が激し
く運航が不安定な状況においてボイルオフガスを専焼す
る第4モードを選択したとすると、ボイルオフガスの供
給が一時的に停止してしまって主機関が停止してしまう
可能性もあるので、そのような状況のときには第3モー
ドを選択して最少限の燃料油をパイロットバーナに供給
することとすれば、そのような事態を防止することがで
き、ボイルオフガスを最大限に利用しつつ運航の安定性
も併せて十分に確保できる。
【0015】また、上記の制御装置では、ボイルオフガ
スをベーパライザ8により強制気化させて用いる第3モ
ードおよび第4モードにおいては、ガス圧縮器6の作動
を燃焼制御器4により制御するとともに、ベーパライザ
8の作動はガス圧制御器12により制御するようにした
ので、ボイラ2へのボイルオフガスの供給量をボイラ負
荷に応じて最適に設定できるとともに、貯蔵タンク1内
のガス圧が限度を越えて低下してしまうようなことを確
実に回避することができるものであり、したがって、ボ
イラ負荷が大きく変動したような場合でも貯蔵タンク1
内のガス圧に悪影響が及ぶことがなく、また、貯蔵タン
ク1内のガス圧を維持するためにボイラ2へのボイルオ
フガス供給量が制約を受けることもなく、ボイルオフガ
スを無駄なく最も効率的に有効利用することが可能であ
る。
【0016】なお、本発明の制御装置は図1に示した実
施例に限定されるものではなく、4つの運転モードを任
意に切り替えるように構成する限りにおいて適宜変更し
得ることは勿論である。
【0017】
【発明の効果】以上で説明したように、本発明は、液化
ガス運搬船における主機関の運転モードとして、本来の
燃料である燃料油のみを専焼させる第1モードと、貯蔵
タンクにおいて自然発生したボイルオフガスを優先して
燃焼させるとともにその不足分を補うべく燃料油を混焼
させる第2モードと、最少限の燃料油を優先して燃焼さ
せるとともにその不足分を補うべくボイルオフガスを混
焼させる第3モードと、ボイルオフガスのみを専焼させ
る第4モードとを設定し、上記各モードのいずれかを任
意に選択して主機関を運転するように構成したので、ボ
イルオフガスの発生状況や燃料油と液化ガスとの価格
差、運航状況等を考慮していずれかの運転モードを選択
することで最も効率的、経済的な運航を行い得るととも
に、運航の安定性も併せて確保できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例である制御装置の概略構成を示
す系統図である。
【符号の説明】
1 貯蔵タンク 2 ボイラ(主機関) 4 燃焼制御器 5 制御弁 6 ガス圧縮器 7 主制御弁 8 ベーパライザ 9 ポンプ 10 制御弁 12 ガス圧制御器 S1〜S6 モード切替スイッチ MS メインスイッチ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液化ガス運搬船における主機関を本来の
    燃料である燃料油と液化ガス貯蔵タンクからのボイルオ
    フガスとを混焼可能なものとするとともに、その主機関
    の運転モードとして、燃料油のみを専焼させる第1モー
    ドと、貯蔵タンクにおいて自然発生したボイルオフガス
    を優先して燃焼させるとともにその不足分を補うべく燃
    料油を混焼させる第2モードと、最少限の燃料油を優先
    して燃焼させるとともにその不足分を補うべくボイルオ
    フガスを混焼させる第3モードと、ボイルオフガスのみ
    を専焼させる第4モードとを設定し、上記各モードのい
    ずれかを任意に選択して主機関を運転するように構成し
    たことを特徴とする液化ガス運搬船における主機関の制
    御装置。
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