JPH06335700A

JPH06335700A - 汚泥・石炭灰の利用方法

Info

Publication number: JPH06335700A
Application number: JP12654293A
Authority: JP
Inventors: Yasuhiko Kato; 安彦加藤
Original assignee: KANKYO TECHNOS KK
Current assignee: KANKYO TECHNOS KK
Priority date: 1993-05-28
Filing date: 1993-05-28
Publication date: 1994-12-06

Abstract

(57)【要約】【目的】石炭灰の有効な利用方法を提供する。【構成】産業廃棄物である石炭灰や工場廃水処理によ
って発生する汚泥、都市下水処理によって発生する下水
汚泥に石炭灰（未燃Ｃの含有が多い程有効）を添加、混
合すると、悪臭の発生を防止でき、含有する有機物はエ
ネルギー源、他はＳｉＯ₂，Ａｌ₂Ｏ₃源等としてセメ
ント原料として有効活用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、下水汚泥や工場廃水の
処理汚泥を産業廃棄物の石炭灰と混合処理し、悪臭発生
の防止と付着水分の調整をして、セメント原料等に利用
する方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】石炭火力発電所はエネルギー資源的に見
ると安定しているので、従来からの微粉炭燃焼法と、熱
効率が良く、ＮＯｘ，ＳＯｘの低減効果があるために最
近稼働し始め、今後も建設が計画されている流動床法と
がある。

【０００３】微粉炭燃焼法は、微粉で、かつ、高温燃焼
されるので、未燃炭素の残留が少なく、ＪＩＳ規格Ａ６
２０１に合格するものはフライアッシュセメント等の混
和材として利用され、粗粒部分は一部、セメント原料に
利用されているが、大部分は埋立廃棄処分されている。

【０００４】また、流動床法によれば、発生物は低温燃
焼のため、未燃炭素が約１０〜３０ｗｔ％と多く、か
つ、Ｆ・ＣａＯが多く、一部、石膏が生成して含有され
ているので、フライアッシュセメントには使用できず、
一部セメント原料に使用されるのみで、大部分は埋立廃
棄処分されている。

【０００５】なお、都市化の進展に伴い、下水処理設備
も充実されている反面、汚泥の発生量は莫大となり、そ
の処分地の確保が困難となっている。更に、産業界にお
いては工業廃水処理に伴って、有機物を多く含有する廃
水等が莫大な量発生し、このような廃水等は悪臭を発生
し、処分地の確保が問題となっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】資源エネルギー庁の長
期見通しによれば、石炭火力発電所が増加し、石炭灰の
発生も増加して、埋立廃棄場所の確保が問題化すること
が指摘されている。また、下水や工場廃水処理場から発
生する汚泥も、下水処理場等の増加で増大すると予想さ
れ、有機物・油脂類等を含有する汚泥は脱水中及び脱水
後に悪臭を発生し、輸送中，処分場所での悪臭の発生で
困っており、さらには埋立処分地の確保が困難となって
いる。このような汚泥を有効利用しようにも、悪臭を発
生し、問題点が多い。

【０００７】しかし、石炭灰および汚泥ともに、有機物
を含有し、エネルギー源となり、燃焼後の灰分はセメン
トのＳｉＯ₂，Ａｌ₂Ｏ₃源として有効利用できると思
われる。

【０００８】本発明の目的は、汚泥と混合処理した石炭
灰をセメント原料等に利用する方法を提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の汚泥・石炭灰の
利用方法は、下水・工場廃水の処理汚泥に石炭灰を添
加，混合し、水分調整および悪臭の発生の防止を行なっ
た後、焼却炉で焼成処理し、あるいはセメント原料の乾
燥炉にて乾燥・焼成し、セメント原料として利用するこ
とを特徴とする。

【００１０】また本発明の汚泥・石炭灰の利用方法は、
下水・工場廃水の処理汚泥に石炭灰を添加，混合し、水
分調整および悪臭の発生の防止を行なった後、乾燥炉に
て乾燥し、エネルギー源として利用することを特徴とす
る。

【００１１】また本発明によれば、石炭灰の添加割合を
５〜４０ｗｔ％とするのが好適である。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の作用・効果を確認するために
行なった実験および結果を示す。

【００１３】まず、実験に用いた原料の化学分析値等を
表１に示す。

【００１４】

【表１】

【００１５】ポルトランドセメント，粘土（ベントナイ
ト），石灰，石膏は市販品を使用した。なお、下水汚
泥，工場廃水の汚泥は処理場の脱水機で脱水されたもの
をそのままビニール袋に入れて持ち帰り、２時間後に試
験用パッグミルで約１０ｋｇずつ混合して試験を行なっ
た。更に、下水汚泥の付着水分５０．５％、工場汚泥付
着水分４５．８％、他の石炭灰，セメント等の付着水分
は０％であった。これらの試験結果を、表２，表３に示
す。

【００１６】

【表２】

【００１７】

【表３】

【００１８】なお、表２，表３において、記号は、 ×× 臭い × やや臭い ◎ ほとんど臭くない ○ 若干臭みがあるを示している。

【００１９】上記のごとく、下水汚泥や工場廃水汚泥に
石炭灰Ａ，Ｂ，Ｃを添加、混合すると、悪臭の発生防止
効果があるのは石炭灰ＡとＢで、石炭灰Ｃはほとんど効
果がない。

【００２０】また、セメント，粘土，石膏等も、その効
果はほとんどない。そこで、石炭灰に含有されている未
燃炭素が有効に働くのではないかと思われる。

【００２１】（実施例１）食品会社の廃水処理の過程で
発生する脱水ケーキ（付着水分４５．８％）８００ｋｇ
に、流動床方式の石炭火力発電所から発生する石炭灰
（付着水分０％，Ｃ＝１８．６％）を２００ｋｇ（２０
ｗｔ％）添加してパッグミルで混合し、屋根付きコンク
リート製ピットの中に入れて、悪臭の発生状態を鼻で調
べた。なお、混合前の汚泥は、かなりの悪臭を発生して
いるが、石炭灰を混合すると、ほとんど発生しなくな
り、混合前の汚泥は重機（ペイローラー）で運搬する
と、バケットにベトベトに付着するが、石炭灰を混合す
ると水分の調整になり、汚泥の表面に付着して、さらさ
らとなり運搬のバケットにも付着しなくなった。

【００２２】更に、混合物を１日ごとに手に取って、１
０日間、鼻で臭気を調べたが、ほとんど臭気がない様に
なった。

【００２３】（実施例２）都市の下水処理場の汚泥の脱
水ケーキ８５０ｋｇ（付着水分６５％）に、上記と同じ
流動床方式の石炭火力発電所からの石炭灰（付着水分０
％，Ｃ＝１８．６％）１５０ｋｇ（１５ｗｔ％）添加し
て、パッグミルで混合し、屋根付きのコンクリート製ピ
ットの中に入れて悪臭の発生状況を鼻で調べた。

【００２４】混合前の汚泥は悪臭を発生しているが、石
炭灰を混合すると、ほとんど発生しなくなり、また水分
調整にもなり、ペイローラーのバケットに付着しなくな
る。

【００２５】また、混合物を１０日間、手に取って鼻で
臭気を調べたが、ほとんど臭気がない。

【００２６】以上のごとく、石炭灰を添加，混合する
と、汚泥等に付着している水分が石炭灰に吸着され、さ
らさらとなり、運搬途中の重機等への付着防止効果があ
るし、悪臭の発生が防止できる。

【００２７】この様に処理した、有害物の含有がほとん
どなく、有機物等が主体の汚泥とか、下水汚泥、例えば
食品工場，ビール工場等からの発生汚泥は、セメント工
場の粘土乾燥機等に他の粘土原料と混合して乾燥し、セ
メント原料またはエネルギー源として利用できる。

【００２８】

【発明の効果】産業廃棄物である石炭灰や工場廃水処理
によって発生する汚泥、都市下水処理によって発生する
下水汚泥は、付着水分が多く、有機物等の含有が多いの
で悪臭を発生し、取り扱いも難しく、埋立廃棄場所の確
保に困っているが、本発明によれば、汚泥に石炭灰（未
燃Ｃの含有が多い程有効）を添加、混合すると、悪臭の
発生を防止でき、含有する有機物はエネルギー源、他は
ＳｉＯ₂，Ａｌ₂Ｏ₃源等としてセメント原料として有
効活用することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０４Ｂ 18/30 ＺＡＢ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】下水・工場廃水の処理汚泥に石炭灰を添
加，混合し、水分調整および悪臭の発生の防止を行なっ
た後、焼却炉で焼成処理し、あるいはセメント原料の乾
燥炉にて乾燥・焼成し、セメント原料として利用するこ
とを特徴とする汚泥・石炭灰の利用方法。
【請求項２】下水・工場廃水の処理汚泥に石炭灰を添
加，混合し、水分調整および悪臭の発生の防止を行なっ
た後、乾燥炉にて乾燥し、エネルギー源として利用する
ことを特徴とする汚泥・石炭灰の利用方法。
【請求項３】石炭灰の添加割合を５〜４０ｗｔ％とする
ことを特徴とする請求項１または２記載の汚泥・石炭灰
の利用方法。