JPH06335595A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立て等の作業が容易で、本体内の電装品の
水濡れによる問題発生の虞を低減させた洗濯機を提供す
る。 【構成】 洗濯物の出入用開口２５を横断するようにス
ライドして開閉する蓋３５の溝状の案内部３３ａ，３３
ｂが、上部カバー２４に平行に設けられた突状部２６
ａ，２６ｂの上部に延設された一対の段部２７ａ，２７
ｂと、これらの段部２７ａ，２７ｂを所定間隙が設けら
れるようにしながら上方から覆うよう取着された側部カ
バー部材３４ａ，３４ｂとによって形成されているの
で、蓋３５を載せた後に段部２７ａ，２７ｂを上方から
側部カバー部材３４ａ，３４ｂを覆うように取着すれば
よく、組立て分解等を簡単に行うことができる。また蓋
３５は突状部２６ａ，２６ｂの上部に沿って開閉するも
ので、閉状態では本体２２上面を略滑らかな面とするも
のであるから水が掛かっても直ちに流れ落ち、本体２２
内に水が浸入する虞は少ない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、洗濯物を出し入れする
開口をスライドする蓋によって開閉可能とした洗濯機に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、洗濯機では洗濯物を出し入れする
開口は枢支された一枚板の蓋を回動するようにして開閉
したり、あるいは折畳み蓋を蝶番を設けて開閉したりす
るようにしていた。そして蓋の開閉に要する空間をより
少なくする等のため、例えば特開昭６１−１９３６９８
号に示されるようなスライドする蓋を用いるようにした
ものがある。

【０００３】以下、特開昭６１−１９３６９８号に示さ
れたスライドする蓋を用いた洗濯機の概略構成につい
て、図６乃至図８を参照して説明する。図６は要部の斜
視図であり、図７は部分縦断面図であり、図８は図７と
は９０度異なる断面における部分縦断面図である。

【０００４】図６乃至図８において、１は脱水兼用洗濯
機で、２は洗濯機本体、３は外箱、４は上部カバー、５
は上部カバー４の中央部に形成された洗濯物の出入用開
口、６ａ，６ｂは上部カバー４の前部及び後部の開口５
の縁沿いに左右方向に延在するように形成された段部、
７は複数の操作スイッチを取着した前操作パネル、８は
水位スイッチ等を取着した後操作パネル、９は短冊状の
複数の単位板１０をヒンジによって連結し一方向に屈曲
可能に構成されてなる蓋である。

【０００５】また蓋９は、段部６ａ，６ｂを上方から前
操作パネル７の後縁部及び後操作パネル８の前縁部によ
って覆うことによって開口５の縁に形成された溝状の案
内部１１ａ，１１ｂに、その長手方向両端部がガイドさ
れるように取り付けられている。そして蓋９を案内部１
１ａ，１１ｂに沿って左右方向に略水平にスライドする
ことにより、洗濯物の出入用開口５が開閉されるように
なっている。なお蓋９は、開いた時にその一端部が外箱
３内の所定空間に下降することによって収納されるよう
になっている。

【０００６】そして、このようなものでは洗濯を行うに
際しては蓋９をスライドさせて開き、図示しない槽内に
洗濯物を投入する。そして、前操作パネル７及び後操作
パネル８の操作スイッチや水位スイッチ等によって洗濯
条件を設定し、蓋９を閉じた後に起動して洗濯を実行す
るようになっている。

【０００７】しかしながら上記のように構成された従来
技術においては、蓋９が略水平にスライドして開閉する
際にガイドされる案内部１１ａ，１１ｂが、操作スイッ
チや水位スイッチ等の電装品が内設された前操作パネル
７や後操作パネル８と上部カバー４の段部６ａ，６ｂと
により構成されている。このため組立てや分解等の作業
が行い難いものであった。

【０００８】また蓋９を閉じた状態においては、蓋９を
底面とするようにして凹所が形作られる。そして、蓋９
及び案内部１１ａ，１１ｂ等がその凹所の底部を形成す
ることになり、底部の辺部分や隅角部分に本体２内へ水
が浸入する虞のある隙間が形成される。それ故、閉塞し
ている蓋９の上面に誤って水が掛かった場合などには、
凹所内に水が溜まりやすく、また溜まった水が蓋９や案
内部１１ａ，１１ｂの隙間から本体２内に浸入する虞が
あり、その際には前操作パネル７や後操作パネル８の電
装品に水が掛かることが考えられ、水濡れによって電装
品に問題が発生することが懸念される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記のように従来は、
操作パネルと上部カバーの段部によってスライドする蓋
の溝状の案内部を形成するものであるため、組立て等の
作業がやり難く、蓋や案内部等の隙間から水が浸入する
虞があり、浸入した水によって操作パネルに内設された
電装品に問題が発生することも考えられる。このような
状況に鑑みて本発明はなされたもので、その目的とする
ところは組立て等の作業が容易で、また蓋の開閉を案内
する案内部等から水が本体内へ浸入する虞が少なく、電
装品の水濡れによる問題発生の虞を低減させた洗濯機を
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の洗濯機は、洗濯
機本体と、この本体上部に設けられた上部カバーに形成
された洗濯物の出入用開口と、この開口を横断するよう
にスライドして開閉する蓋と、この蓋の開閉を案内する
溝状の案内部とを備える洗濯機において、案内部は、開
口が間に位置するように上部カバーに平行に設けられた
突状部の上部に延設された一対の段部と、これらの段部
を所定間隙が設けられるようにしながら上方から覆うよ
う取着されるカバー部材とによって形成されたものであ
ることを特徴とするものであり、また、蓋が、洗濯物の
出入用開口を閉塞すると共に同時に上部カバーに備えら
れた操作パネル部を隠蔽するものであることを特徴とす
るものである。

【００１１】

【作用】上記のように構成された洗濯機は、洗濯物の出
入用開口を横断するようにスライドして開閉する蓋の溝
状の案内部が、上部カバーに平行に設けられた突状部の
上部に延設された一対の段部と、これらの段部を所定間
隙が設けられるようにしながら上方から覆うよう取着さ
れるカバー部材とによって形成されているので、突状部
の段部に蓋を載せた後にカバー部材を取着すればよいの
で組立てを簡単に行うことができる。また蓋は突状部の
上部に沿って開閉し、閉状態では本体上面を略滑らかな
面とするものであるから、蓋部分に水が掛かるようなこ
とがあっても直ちに周囲に流れ落ち上面に溜まることが
ない。さらに蓋と案内部との隙間から水が浸入するよう
なことがあっても操作パネル内に入ることがなく、この
ため操作パネル内に収納されている電装品の水濡れによ
る問題は発生し難いものとなる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１乃至図５を参
照して説明する。図１は蓋が半開状態の要部斜視図であ
り、図２は蓋が閉状態の要部を縦断面で示す側面図であ
り、図３は蓋が開状態の要部を縦断面で示す側面図であ
り、図４は要部縦断面図であり、図５は蓋の側面図であ
る。

【００１３】図１乃至図５において、２１は脱水兼用洗
濯機で、その洗濯機本体２２は外箱２３と、この外箱２
３の上部を覆うように一体成形されたプラスチック製の
上部カバー２４を設けて構成される。そして、洗濯機本
体２２には図示しないが弾性吊持機構によって吊持され
た水受槽が収納され、水受槽には駆動機構によって回転
駆動される洗い槽が設けられている。

【００１４】また、上部カバー２４は中央部に洗い槽へ
の洗濯物の出入用開口２５が形成され、開口２５の両側
部には前部から後部方向に延在するように上方に突出さ
せた突状部２６ａ，２６ｂが設けられている。これらの
突状部２６ａ，２６ｂは前部から後部方向にかけて高さ
が漸次高くなっていると共に後部に曲成部分が設けられ
ていて、後端が外箱２３の背面に略平行となるようにな
っている。また両突状部２６ａ，２６ｂの上端部の前部
から後部にかけての長手方向及び後端の部分には、対向
する突状部２６ａ，２６ｂ側に夫々段部２７ａ，２７ｂ
が設けられている。

【００１５】さらに両突状部２６ａ，２６ｂの間に挟ま
れた上部カバー２４の前部には、段部２７ａ，２７ｂよ
りも低い位置に操作パネル２８が設けられている。そし
てこの操作パネル２８には、洗濯機の運転条件を設定す
る操作スイッチ等の電装品２９が内設されている。また
上部カバー２４の正面向かって右側には、後部側に給水
口３０が設けられ、前部側に電源スイッチ３１及びスタ
ートスイッチ３２が取着されている。

【００１６】またさらに両突状部２６ａ，２６ｂの段部
２７ａ，２７ｂには、対向する突状部２６ａ，２６ｂ側
に開口する溝状の案内部３３ａ，３３ｂが形成されるよ
うに、夫々が上方から側部カバー部材３４ａ，３４ｂに
よって覆われている。なお右側の突状部２６ｂを覆う側
部カバー部材３４ｂからは、給水口３０が図示しない給
水ホースを接続可能とするようにその外面に突出してお
り、また電源スイッチ３１及びスタートスイッチ３２の
操作部分が露出している。

【００１７】一方、３５は主部がシート状の軟質ポリ塩
化ビニルや合成ゴム等の１枚のエラストマシート３６で
構成された蓋で、このエラストマシート３６の裏面に
は、左右の両端部が夫々対応する段部２７ａ，２７ｂに
引っ掛かるような長さの複数の補強桟３７が、所定間隔
を持って前後方向に配列されている。各補強桟３７はエ
ラストマシート３６の成形の際にダブルモールドによっ
て一体に成形されており、これによって蓋３５は補強桟
３７が配列された方向に屈曲可能となっている。また主
部のエラストマシート３６の前端部分には前部桟３８が
設けられており、またこの前部桟３８には蓋３５の開閉
を行うための手掛部３９が形成されている。

【００１８】そして蓋３５は、突状部２６ａ，２６ｂの
段部２７ａ，２７ｂと側部カバー部材３４ａ，３４ｂで
形成された溝状の案内部３３ａ，３３ｂに、前部桟３８
と補強桟３７の両側部が案内されるように取り付けられ
ている。なお、この蓋３５の取り付けは、段部２７ａ，
２７ｂに蓋３５の前部桟３８と補強桟３７の両側部を載
置した後、側部カバー部材３４ａ，３４ｂを対応する段
部２７ａ，２７ｂを上方から覆うようにしながら上部カ
バー２４に固定することで行われる。

【００１９】また蓋３５は、手掛部３９に手を掛け、案
内部３３ａ，３３ｂが形成されている方向に沿い前後さ
せることによって開口２５の上方で前後方向にスライド
し、開口２５を開いたり、閉塞したりするようになって
いる。また、溝状の案内部３３ａ，３３ｂが上部カバー
２４の前部の操作パネル２８の上方にまで設けられてい
るものであるため、蓋３５を閉塞した際には突状部２６
ａ，２６ｂ間に設けられている操作パネル２８の上方を
も覆うことになる。

【００２０】さらに洗濯機本体２２の背面上部には、背
面外側に沿うように蓋収納ケース４０が設けられてお
り、突状部２６ａ，２６ｂの後端から蓋収納ケース４０
の内部にかけて案内部３３ａ，３３ｂが連続したものと
なっている。そして蓋３５を開いた時には、蓋収納ケー
ス４０内に蓋３５がその後端部分より順に本体２２の背
面に平行に収納されるようになっている。なお蓋３５に
は、開口２５を閉塞した際に開口２５の上方に張設され
るように、例えば前部桟３８に閉状態で上部カバー２４
に係止させる図示しない係止部が設けられていると共
に、エラストマシート３６の弾性を利用した収納方向へ
の引張力が加わるようになっていたり、あるいはエラス
トマシート３６に収納方向への付勢手段が別途に設けら
れている。

【００２１】そしてこのようなものでは、洗濯を行うに
際し先ず閉状態にある蓋３５を、上部カバー２４に係止
させた係止部の係合を解除させ、後部方向にスライドさ
せて開き、開口２５から洗い槽内に洗濯物を投入する。
そして電源スイッチ３１を操作して洗濯機を運転可能状
態とする。

【００２２】次いで操作パネル２８に設けられている操
作スイッチ等によって洗濯行程や洗濯機の運転条件を設
定し、再び蓋３５を前部方向にスライドさせて係止部を
上部カバー２４に係止させ、開口２５を閉塞すると共に
操作パネル２８の上方を覆う。続いてスタートボタン３
２を操作することによって起動して洗濯を実行する。

【００２３】また洗濯が終わった時点で上記と同様に蓋
３５を開き、洗いと脱水の行程を終えた洗濯物を取り出
す。全てが終了した後には、再度蓋３５を前部方向にス
ライドさせて開口２５を閉塞すると共に操作パネル２８
の上方を覆った状態にする。

【００２４】以上のように構成された本実施例において
は、蓋３５の開閉を案内する案内部３３ａ，３３ｂが、
上部カバー２４を上方に突出させた突状部２６ａ，２６
ｂの上端部に形成されている段部２７ａ，２７ｂと、こ
れを上方から覆う側部カバー部材３４ａ，３４ｂで形成
されたものであるから、簡単な組み立てによって構成で
き、分解作業も容易にでき保守・サービス性が向上す
る。また蓋３５を閉塞した状態では洗濯機本体２２の上
面等の外面は、略滑らかな面で形成されることになり、
外観的にも良好なものとなる。

【００２５】さらに、蓋３５を閉塞した状態では側部カ
バー部材３４ｂの上面に電源スイッチ３１及びスタート
スイッチ３２の操作部分のみが露出するだけとなり、電
装品２９を有する操作パネル２８は蓋３５によって隠蔽
されることになる。このため蓋３５の上面に誤って水が
掛かった場合等においては、水は洗濯機本体２２の上面
に溜まることなく周囲に流れ落ち、蓋３５によって隠蔽
されている操作パネル２８に直接水が掛かることがな
い。また水が案内部３３ａ，３３ｂの隙間から浸入する
ようなことがあったとしても、操作パネル２８の内部に
まで入ることがなく、もって電装品２９に悪影響をもた
らすことがない。

【００２６】そしてまた蓋３５が、ダブルモールドによ
って補強桟３７を設けた１枚のエラストマシート３６で
形成されたものであるので容易に成形でき、円滑にスラ
イドさせながら開閉できると共に、閉状態ではエラスト
マシート３６の弾性を利用して開口２５の上方に張設さ
れるものであるので外観的にも体裁がよく、つなぎ目が
ないため清掃が容易なものとなる。さらに蓋３５は本体
２２の背面外側に沿って設けられた蓋収納ケース４０に
収納され、簡単な構成によりコンパクトな収納が実現で
きる。

【００２７】尚、本発明は上記の実施例のみに限定され
るものではなく、蓋収納ケース４０を本体２２の背面内
側に沿って設ける等、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変
更して実施し得るものである。

【００２８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明
は、洗濯物の出入用開口を横断するようにスライドして
開閉する蓋の溝状の案内部が、上部カバーに平行に設け
られた突状部の上部に延設された一対の段部と、これら
の段部を所定間隙が設けられるようにしながら上方から
覆うよう取着されたカバー部材とによって形成されるよ
う構成したことにより、組立て等の作業が容易で、電装
品の水濡れによる問題が発生し難いものとすることがで
きる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す蓋が半開状態の要部斜
視図である。

【図２】本発明の一実施例の蓋が閉状態の要部を縦断面
で示す側面図である。

【図３】本発明の一実施例の蓋が開状態の要部を縦断面
で示す側面図である。

【図４】本発明の一実施例の要部縦断面図である。

【図５】本発明の一実施例の蓋の側面図である。

【図６】従来例を示す要部斜視図である。

【図７】従来例の部分縦断面図である。

【図８】従来例の図７とは９０度異なる断面における部
分縦断面図である。

【符号の説明】

２２…本体 ２４…上部カバー ２５…開口 ２８…操作パネル ２６ａ，２６ｂ…突状部 ２７ａ，２７ｂ…段部 ３３ａ，３３ｂ…案内部 ３４ａ，３４ｂ…側部カバー部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 洗濯機本体と、この本体上部に設けられ
   た上部カバーに形成された洗濯物の出入用開口と、この
   開口を横断するようにスライドして開閉する蓋と、この
   蓋の開閉を案内する溝状の案内部とを備える洗濯機にお
   いて、前記案内部は、前記開口が間に位置するように前
   記上部カバーに平行に設けられた突状部の上部に延設さ
   れた一対の段部と、これらの段部を所定間隙が設けられ
   るようにしながら上方から覆うよう取着されるカバー部
   材とによって形成されたものであることを特徴とする洗
   濯機。
2. 【請求項２】 蓋が、洗濯物の出入用開口を閉塞すると
   共に同時に上部カバーに備えられた操作パネル部を隠蔽
   するものであることを特徴とする請求項１記載の洗濯
   機。