JPH063353B2 - パネル型熱交換器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、積層された複数枚のパネルユニットから成
り、第一流体は各パネルユニット内の流路を流通し、第
二流体は各パネルユニット間の流路を流通するように構
成されたパネル型交換器に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種のパネル型熱交換器として、各パネルユニット内
の第一流体熱交換流路間の連通路と、各パネルユニット
間の空間の周囲を閉じて形成された第二流体熱交換流路
間の連通路とを、各パネルユニットの両側プレートに形
成された突出部とこれに重なる相手側プレートとに設け
た開口により形成することが、例えば実開昭６０−６０
５９２号公報によって知られているが、従来のこの種の
パネル型熱交換器では、第一流体は、各パネルユニット
内に分流されてその一端側から他端側に向かって流れ、
第二流体は、各パネルユニット間に分流されてその他端
側から一端側に向かつて流れるように構成されており、
第一及び第二両流体共、熱交換器内での流路流さが、略
パネルユニットの長さに相当するような構成となってい
た。

このような上来の構成では、単位時間当たりの流量の少
ない流体どうしでは、その流速を十分に落とさなけれ
ば、有効な熱交換効率を得ることが出来ない。換言すれ
ば、経済的流速で運用することが出来ない欠点があっ
た。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決するために成
されたものであって、その特徴を後述する実施例の参照
符号を付して示すと、本発明のパネル型熱交換器は、積
層された複数枚の各パネルユニット（２ａ〜２ｄ）内の
第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）と、各バネルユニッ
ト（２ａ〜２ｄ）間の空間の周囲を閉じて形成された第
二流体熱交換流路（８ａ〜８ｃ）とを備え、各パネルユ
ニット（２ａ〜２ｄ）の両側プレート（９，１０）に
は、外向き突出部（１６〜１９）と内向き突出部（２０
〜２３）とが設けられ、各突出部（１６〜２３）の周辺
部はこれに当接する相手側プレート（９〜１０）と溶接
され、第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）間の連通路
（３７〜３９）と第二流体熱交換流路（８ａ〜８ｃ）間
の連通路（４０〜４３）とは、各突出部（１６〜２３）
とこれに重なる相手側プレート（９〜１０）とに設けた
開口（１６ａ〜２２ａ）により形成したパネル型熱交換
器に於いて、 第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）間の連通路（３７〜
３９）はパネルユニット（２ａ〜２ｄ）の一方の対角方
向の両隅部に交互に振り分け配置すると共に、第二流体
熱交換流路（８ａ〜８ｃ）間の連通路（４０〜４３）
は、パネルユニット（２ａ〜２ｄ）の他方の対角方向の
両隅部に交互に振り分け配置し、 突出部（１６〜２３）の内、連通路（３７〜４３）を形
成しない位置にある突出部とこれに重なるプレート（９
〜１０）とには、開口（１６ａ〜２２ａ）を設けないか
または開口（１６ａ〜２２ａ）をカバープレート（３２
〜３４）で閉じ、 第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）及び第二流体熱交換
流路（８ａ〜８ｃ）が各パネルユニット端部で下り返す
ジグザグ状となり、且つ隣接する両流路内の流体流れ方
向が互いに逆向きとなるように構成した点に特徴を有す
る。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づいて説明
する。

第１図〜第３図に示すように、この実施例のパネル型熱
交換器１は４つのパネルユニット２ａ〜２ｄを積層して
構成したものであり、その長手方向の一端表側には第一
流体の流入口３と第二流体の流出口４とが並設され、同
裏側には前記第一流体の流入口３と同心位置で第一流体
の流出口５が設けられ、更に長手方向の他端裏側には、
前記第一流体の流出口５の真下位置で第二流体の流入口
６が設けられている。

第４図及び第６図に示すように、各パネルユニット２ａ
〜２ｄの内部には第一流体の熱交換流路７ａ〜７ｄが形
成され、各パネルユニット２ａ〜２ｄの間には第二流体
の熱交換流路８ａ〜８ｃが形成されている。前記各パネ
ルユニット２ａ〜２ｄの構造を第５図、第７図及び第８
図に示すパネルユニット２ｃを例にとって説明すると、
２枚のプレート９，１０を、その周辺にそって形成した
凹入溝部１１，１２の相対接底部に於いてシーム溶接１
３により気密に固着一体化し、前記凹入溝部１１，１２
よりも外側のプレート周縁部には、プレート９，１０の
外側面よりも外方に位置し且つプレート９，１０の外側
面と平行な接合部１４，１５を形成している。又、両プ
レート９，１０の四隅の内、一方の対角線上の二隅に
は、外側へ同心状に突出する円形の外向き突出部１６〜
１９が設けられ、プレート９側の外向き突出部１６，１
８には原則的に開口１６ａ，１８ａが同心状に設けら
れ、プレート１０側の外向き突出部１７，１９には前記
開口１６ａ，１８ａよりも若干大径の開口１７ａ，１９
ａが同心状に設けられている。両プレート９，１０の他
方の対角線上の二隅には、内側へ同心状に突出して互い
に当接する円形の内向き突出部２０〜２３が設けられ、
プレート１０の内向き突出部２１，２３には原則的に開
口２１ａ，２３ａが同心状に設けられ、プレート９の内
向き突出部２０，２２には前記開口２１ａ，２３ａより
も若干大径の開口２０ａ，２２ａが同心状に設けられ、
互いに対接する内向き突出部２０，２１及び２２，２３
が前記開口２０ａ，２２ａの内周縁部に於いて互いに溶
接２４，２５により気密に固着されている。

以上のように構成されたパネルユニット２ａ〜２ｄを第
４図及び第６図に示すように詰み重ねる。このとき図示
のように各パネルユニット間に突出する外向き突出部１
６，１７及び１８，１９が互いに同心状に当接するの
で、パネルユニット２ｄにパネルユニット２ｃを重ねた
状態で、パネルユニット２ｃの外向き突出部１６，１８
の開口１６ａ，１８ａを通じてパネルユニット２ｄ，２
ｃ間で互いに当接している外向き突出部１６と１７及び
１８と１９を開口１７ａ，１９ａの内周縁に於いて溶接
２６により互いに気密に固着し、以下、パネルユニット
２ｂ，２ａを順次重ねて前記のようにパネルユニット２
ｃ，２ｂ間及びパネルユニット２ｂ，２ａ間で互いに当
接している外向き突出部１６と１７及び１８と１９を前
記のように順次溶接する。

同時に各パネルユニット間では、周辺の凹入溝部１１，
１２が互いに対向して環状の膨出空間２７が形成され
る。この環状膨出空間２７を２分割する環状仕切り板２
８（、第９図参照）の周辺部を両パネルユニット間で互
いに隣接する周辺接合部１４，１５間に挟み込み、接合
部１４，１５と環状仕切り板２８の３者を外周縁部に於
いて溶接２９により互いに固着一体化する。

以上のようにパネルユニット２ａ〜２ｄを積層一体化し
てパネル型熱交換器１が組み立てられるが、パネルユニ
ット２ａに於いては、外側へ延出する周辺接合部１４は
省かれ、外向き突出部１６と内向き突出部２０には、第
一流体流入口３及び第二流体流出口４を形成する口金３
０，３１が同心状に固着突設され、外向き突出部１７の
開口１７ａ及び外向き突出部１８の開口１８ａはカバー
プレート３２，３３により夫々閉じられ、そして内向き
突出部２３は開口２３ａが設けられずに閉じられてい
る。パネルユニット２ｂに於いては、外向き突出部１９
の開口１９ａがカバープレート３４により閉じられ、内
向き突出部２１は開口２１ａが設けられずに閉じられて
いる。パネルユニット２ｃに於いては、パネルユニット
２ａと同様に内向き突出部２３は開口２３ａが設けられ
ずに閉じられている。そしてパネルユニット２ｄに於い
ては、外側へ延出する周辺接合部１５は省かれ、外向き
突出部１７と内向き突出部２３には、第一流体出口５及
び第二流体流入口６を形成する口金３５，３６が同心状
に固着突設され、外向き突出部１９と内向き突出部２１
は開口１９ａ，２１ａが設けられずに閉じられている。

従って、第一流体流入口３は、パネルユニット２ａ〜２
ｄ内の各熱交換流路７ａ〜７ｄと、外向き突出部１８，
１９の開口１８ａ，１９ａで構成された連通路３７，３
８、及び外向き突出部１６，１７の開口１６ａ，１７ａ
で構成された連通路３９を経由して第一流体流出口５に
連通し、第二流体流入口６は、各パネルユニット２ａ〜
２ｄ間に形成された熱交換流路８ａ〜８ｃと、パネルユ
ニット２ａ，２ｃの内向き突出部２０，２１の開口２０
ａ，２１ａで構成された連通路４０，４１、及びパネル
ユニット２ｂ，２ｄの内向き突出部２２，２３の開口２
２ａ，２３ａで構成された連通路４２，４３を経由して
第二流体流出出口４に連通する。

即ち、流入口３に供給された第一流体は、各パネルユニ
ット２ａ〜２ｄ内の熱交換流路７ａ〜７ｄをジグザグ状
に流通して流出口５に至り、流入口６に供給された第二
流体は、各パネルユニット２ａ〜２ｄ間に形成された熱
交換流路８ａ〜８ｃを前記第一流体の流れ方向とは逆方
向にジグザグ状に流通して流出口４に至る。然して、各
熱交換流路７ａ〜７ｄ内を流れる第一流体と各熱交換流
路８ａ〜８ｃ内を流れる第二流体との間で、各流路を仕
切っているプレート９，１０を介して熱交換が行われ
る。

尚、各パネルユニット２ａ〜２ｄ間に形成される熱交換
流路８ａ〜８ｃの周辺の環状膨出空間２７を２分割する
環状仕切り板２８は、全体の強度アップと熱交換効率を
高めるのに役立っているが、この環状仕切り板２８を省
いて接合部１４，１５を直接溶接しても良い。

又、上記実施例では、突出部１６〜２３の内、連通路と
して利用されず且つパネルユニット間の溶接にも利用さ
れない箇所には開口を設けないでおいたが、全ての突出
部１６〜２３に同心状に開口を設けておき、連通路に使
用しない箇所の開口を後でカバープレートにより閉鎖し
ても良い。更に、前記各パネルユニット２ａ〜２ｄの外
向き突出部１６，１８（又は１７，１９）、及び内向き
突出部２１，２３（又は２０，２２）は形成しないで、
プレート９，１０をフラットなままにしておいても良
い。この場合、外向き突出部１７，１９（又は１６，１
８）、及び内向き突出部２０，２２（又は２１，２３）
の突出量を２倍にしておく必要がある。

（発明の作用及び効果） 本発明は以上のように実施し得るものであって、係る本
発明の熱交換器は、熱交換器全体を複数のパネルユニッ
トの積層溶接によって簡単安価に構成することが出来る
ものであるが、特に本発明の構成によれば、次のような
格別の作用効果が得られる。即ち、 ．第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）間の連通路（３
７〜３９）は、パネルユニット（２ａ〜２ｄ）の一方の
対角方向の両隅部に交互に振り分け配置すると共に、第
二流体熱交換流路（８ａ〜８ｃ）間の連通路（４０〜４
３）は、パネルユニット（２ａ〜２ｄ）の他方の対角方
向の両隅部に交互に振り分け配置して、第一流体熱交換
流路（７ａ〜７ｄ）及び第二流体熱交換流路（８ａ〜８
ｃ）が各パネルユニット端部で折り返すジグザグ状とな
り、且つ隣接する両流路内の流体流れ方向が互いに逆向
きとなるように構成したので、両流体の熱交換流路全長
を小スペース内で十分に長くすることが出来、従って、
熱交換器全体を小型に構成しながら、単位時間当たりの
流量が少ない流体どうしの熱交換時に於いても、経済的
流速を確保しながら必要十分な熱交換効率を維持させる
ことが出来る。

．しかも、各パネルユニツトの両側プレート（９〜１
０）に設けられた突出部（１６〜２３）の内、連通路
（３７〜４３）を形成しない位置にある突出部とこれに
重なるプレート（９〜１０）とには、開口（１６ａ〜２
２ａ）を設けないかまたは開口（１６ａ〜２２ａ）をカ
バープレート（３２〜３４）で閉じることによって、上
記作用効果を得ることが出来るにも拘らず、パネルユ
ニット積層方向の一端側からの溶接が出来ない場所にの
み前記カバープレート（３２〜３４）を取付けるだけ
で、部品点数の増加を最小限に抑えて、安価に実施する
ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は概略側面図、第２図は同正面図、第３図は同背
面図、第４図は第２図及び第３図のＸ−Ｘ線での展開断
面図、第５図は一つのパネルユニットの前記Ｘ−Ｘ線で
の展開断面図、第６図は第２図のＹ−Ｙ線での横断面
図、第７図は一つのパネルユニットの前記Ｙ−Ｙ線での
横断面図、第８図は一つのパネルユニットの正面図、第
９図は環状仕切り板の正面図である。 ２ａ〜２ｄ…パネルユニット、、３…第一流体流入口、
４…第二流体流出口、５…第一流体流出口、６…第二流
体流入口、７ａ〜７ｄ…第一流体の熱交換流路、８ａ〜
８ｃ…第二流体の熱交換流路、９，１０…パネルユニッ
ト 成用プレート、１１，１２…周辺凹入溝部、１３…
シーム溶接、１４，１５…周辺接合部、１６〜１９…外
向き突出部、２０〜２３…内向き突出部、１６ａ〜１９
ａ，２０ａ〜２３ａ…開口、２４〜２６，２９…溶接、
２７…環状膨出空間、２８…環状仕切り板、３０，３
１，３５，３６…口金、３２〜３４…カバープレート、
３７〜４３…連通部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】積層された複数枚の各パネルユニット（２
   ａ〜２ｄ）内の第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）と、
   各パネルユニット（２ａ〜２ｄ）間の空間の周囲を閉じ
   て形成された第二流体熱交換流路（８ａ〜８ｃ）とを備
   え、各パネルユニット（２ａ〜２ｄ）の両側プレート
   （９，１０）には、外向き突出部（１６〜１９）と内向
   き突出部（２０〜２３）とが設けられ、各突出部（１６
   〜２３）の周辺部はこれに当接する相手側プレート（９
   〜１０）と溶接され、第一流体熱交換流路（７ａ〜７
   ｄ）間の連通路（３７〜３９）と第二流体熱交換流路
   （８ａ〜８ｃ）間の連通路（４０〜４３）とは、各突出
   部（１６〜２３）とこれに重なる相手側プレート（９〜
   １０）とに設けた開口（１６ａ〜２２ａ）により形成し
   たパネル型熱交換器に於いて、 第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）間の連通路（３７〜
   ３９）は、パネルユニット（２ａ〜２ｄ）の一方の対角
   方向の両隅部に交互に振り分け配置すると共に、第二流
   体熱交換流路（８ａ〜８ｃ）間の連通路（４０〜４３）
   は、パネルユニット（２ａ〜２ｄ）の他方の対角方向の
   両隅部に交互に振り分け配置し、 突出部（１６〜２３）の内、連通路（３７〜４３）を形
   成しない位置にある突出部とこれに重なるプレート（９
   〜１０）とには、開口（１６ａ〜２２ａ）を設けないか
   または開口（１６ａ〜２２ａ）をカバープレート（３２
   〜３４）で閉じ、 第一流体熱交換流路（７ａ〜７ｄ）及び第二流体熱交換
   流路（８ａ〜８ｃ）が各パネルユニット端部で折り返す
   ジグザグ状となり、且つ隣接する両流路内の流体流れ方
   向が互いに逆向きとなるように構成して成る、パネル型
   熱交換器。