JPH06335144A - 送電柱の腕金 - Google Patents

送電柱の腕金

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JPH06335144A
JPH06335144A JP5141158A JP14115893A JPH06335144A JP H06335144 A JPH06335144 A JP H06335144A JP 5141158 A JP5141158 A JP 5141158A JP 14115893 A JP14115893 A JP 14115893A JP H06335144 A JPH06335144 A JP H06335144A
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Nobuhiro Sato
亘宏 佐藤
Noboru Isohata
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 碍子装置を兼用できる送電柱の腕金を提供す
る。 【構成】 高分子材料からなる芯軸15を電気絶縁材1
8で被覆した腕部材2a、2bを複数本組み合わせてト
ラス構造に構成した腕金であり、腕部材2a、2bの一
端部を互いにピン接合31 し、該一端部に送電線取付部
7aを設けると共に、腕部材2a、2bの他端部を各々
送電柱本体1にピン接合32 してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、送電線を張設する送
電柱の腕金の改良に関する。
【0002】
【従来技術】従来、実公平5−14668号公報に記載
された送電線鉄塔の腕金では、鉄塔本体に水平旋回可能
に取り付けた縦主フレームの先端部両側と、鉄塔本体の
両側部に連結材で連結された一対の横桁材からなる横主
フレームの先端部とを固着して、前記縦主フレーム及び
横主フレームで腕金を構成し、該腕金の先端部に碍子装
置取付け部を設けている。
【0003】使用時、腕金の先端部には、その両側に張
設する送電線から各々碍子装置を介して引張力を受け
る。この両側の引張力のバランスが大きく崩れたり、片
側の送電線が断線するような異常が発生した場合には、
縦主フレームは一方の送電線に引張られて回転しようと
する。このため、縦主フレーム及び横桁材には通常使用
時以上の大きさの回転力及び引張力が作用するので、前
記横桁材と送電線鉄塔とを連結する連結材が破断する。
また同時に、横桁材には通常使用時以上の大きさの圧縮
力が作用すると共に、該横桁材が縦主フレームの先端部
に剛的に結合されているために通常使用時以上の大きさ
の曲げモーメントが作用するので、前記横桁材が折曲り
変形する。従って、縦主フレームは前記超過引張力を吸
収するように回転し、これにより該縦主フレームを引張
る送電線は弛む。上記異常が発生しないときには、上記
連結材の破断と横桁材の折曲り変形が発生せず、縦主フ
レームが回転しないように横主フレームにより支持され
る。このため、腕金の骨組は安定するので、該腕金の先
端部で送電線の支持が行える。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】しかしながら、腕金の
構成上、上記異常の発生時に連結材の破断と横桁材の折
曲り変形が生じるので、復旧作業時、連結材の交換ばか
りでなく腕金全体を交換することが必要となる。この場
合、復旧作業は大掛かりなものとなり、高所作業である
ことと相俟って容易に行えない。また、腕金の先端部に
送電線を取り付けるためには碍子装置を介在させる必要
がある。この場合には、送電線の架空高さを一定以上に
保持するために腕金の高さを高くしなければならないの
で、腕金を取り付ける鉄塔本体の高さは高くなる。更
に、腕金の組立て時、ボルト接合が必要となり、製作が
容易に行えない。
【0005】この発明は上記課題を解決するためになし
たもので、その目的とするところは、構造部材の損傷を
伴うことなく超過引張力を吸収できると共に、碍子装置
を兼用できる。しかも製作が容易な送電柱の腕金を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明に係る送電柱の腕金は、高分子材料からな
る芯軸を電気絶縁材で被覆した腕部材を複数本組み合わ
せてトラス構造に構成した腕金であり、前記腕部材の一
端部を互いにピン接合し、該一端部に送電線取付部を設
けると共に、前記腕部材の他端部を各々送電柱本体にピ
ン接合してあるものである。
【0007】
【作用】上記構成によれば、腕部材を軸力だけが作用す
るものとして設計できる。また、腕部材の芯軸に中空部
を設けたり、断面形状を上下に長い縦長に形成すること
で、断面性能をより向上させて、軽量化を図ったり、曲
げモーメントにも対応できるようにすることができる。
【0008】また、前記芯軸を電気絶縁材で被覆した腕
部材で組み立てたので、碍子装置を兼ねることができ
る。
【0009】更に、一方の送電線から通常以上の引張力
を受けたとき、腕部材と送電柱本体とを連結する接合ピ
ンを破断させることもできる。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に基づいて
説明する。
【0011】図1は送電柱の腕金を示す概念図、図2、
図3は各々同腕金を詳細に示す平面図、側面図、図4
(1)、(2)は各々図2、図3中の各取合い金具の構
造を示す平面図、側面図、図5(1)、(2)、(3)
は水平方向腕部材の一例を示す縦断面図、側面図、横断
面図、図6(1)、(2)、(3)は水平方向腕部材の
他の例を示す縦断面図、側面図、横断面図、図7
(1)、(2)、(3)は水平方向腕部材の更に他の例
を示す縦断面図、側面図、横断面図である。
【0012】図1において1は送電柱本体、2a、2b
は平面トラス構造を構成する2本の水平方向腕部材、3
1 、32 は平面内の回転に自由なピン節点である。尚、
4a、4bは送電線である。
【0013】図2、図3に示すように、前記送電柱本体
1には上下一対の取付プレート5が設けられ、各取付プ
レート5には、円板状に形成された互いに対応する取付
部5aが形成され、該取付部5aにはピン孔51 が形成
されている。
【0014】一方、前記水平方向腕部材2aの両端には
各々取合い金具6、7が装着され、また前記水平方向腕
部材2bの両端には各々取合い金具6、8が装着されて
いる。尚、7aは送電線4a、4bの端部を結合するピ
ン孔部で、取合い金具7の下部に設けられている。
【0015】前記取合い金具6、7、8は、図4
(1)、(2)に示すような同一の構造を有している。
以下、取合い金具6について説明する。尚、取合い金具
7、8については取合い金具6と対応する部分に同一符
号を附す。
【0016】取合い金具6は、前記水平方向腕部材2
a、2bの一端に装着される装着部9を備え、該装着部
9側の反対側には、円板状に形成された一対の取付部1
0が設けられ、各取付部10にはピン孔11が形成され
ている。
【0017】そして、水平方向腕部材2aの一端に設け
た取合い金具7の取付部10間には水平方向腕部材2b
の一端に設けた取合い金具8の取付部10が摺動自在に
嵌合され、前記2組の取付部10のピン孔11には接合
ピン12が挿通されている。これによって、水平方向腕
部材2aと水平方向腕部材2bの一端部どうしが平面視
でV状となるように互いにピン接合され、その接合部位
に第1のピン節点31が構成されている。
【0018】前記水平方向腕部材2aの他端に設けた取
合い金具6の取付部10は前記取付プレート5の取付部
5a間に摺動自在に嵌合され、該取付部5aのピン孔5
1 と前記取付部10のピン孔11には接合ピン13が挿
通されている。これによって、水平方向腕部材2aの他
端部は取付プレート5の取付部5aにピン接合され、そ
の接合部位に第2のピン節点32 が構成されている。ま
た、前記水平方向腕部材2bの他端に設けた取合い金具
6の取付部10は取付プレート5の取付部5a間に摺動
自在に嵌合され、該取付部5aのピン孔51 と前記取付
部10のピン孔11には接合ピン14が挿通されてい
る。これによって、水平方向腕部材2bの他端部は取付
プレート5の取付部5aにピン接合され、その接合部位
に第2のピン節点32 が構成されている。
【0019】前記水平方向腕部材2a、2bは、図5
(1)、(2)、(3)、図6(1)、(2)、(3)
又は図7(1)、(2)、(3)に示すような同一の構
造を有している。以下、水平方向腕部材2aについて説
明する。尚、水平方向腕部材2bについては水平方向腕
部材2aと対応する部分に同一符号を附す。
【0020】前記水平方向腕部材2aは、高分子材料か
らなる芯軸15を備え、該芯軸15の両端部には端部接
合金具16、17が一体に冠着され、該端部接合金具1
6、17間の前記芯軸15は電気絶縁材18で被覆され
ている。前記電気絶縁材18は筒状に形成されており、
該電気絶縁材18の外周部には笠18aが形成されてい
る。
【0021】前記芯軸15は、図5(3)に示す円形
や、図6(3)に示す瓢箪形形状や、図7(3)に示す
矩形等の断面形状で形成されている。図6(3)、図7
(3)に示すものは、水平方向腕部材2aに作用するピ
ン節点32 の拘束による曲げモーメントに対して水平方
向腕部材2aの断面性能を上げるのに有効である。尚、
芯軸15は中実断面でも中空断面でも良い。
【0022】上記構成によれば、組立ては、水平方向腕
部材2a、2bどうしをピン接合し、また水平方向腕部
材2a、2bと送電柱本体1とをピン接合し、かつトラ
ス構造とすることで行う。この場合には、水平方向腕部
材2a、2bを、軸力だけが作用するものとして設計で
きる。また、図6(3)、図7(3)に示すように、水
平方向腕部材2a、2bの芯軸15に中空部を設けた
り、断面形状を上下に長い縦長に形成することで、断面
性能をより向上させて、軽量化を図ったり、曲げモーメ
ントにも対応できるようにすることができる。
【0023】また、前記芯軸15を電気絶縁材18で被
覆した水平方向腕部材2a、2bで組み立てたので、碍
子装置を兼ねることができる。この場合、水平方向腕部
材2a、2bの一端接合部に設けた取合い金具7のピン
孔部7aに送電線4a、4bを直接取り付ける。
【0024】更に、使用中に一方の送電線4a又は4b
から通常以上の引張力を受けたとき、接合ピン13又は
14が破断するので、水平方向腕部材2a、2bを支持
する送電柱本体1に前記引張力が作用しない。
【0025】次に、この発明の他の実施例を図面に基づ
いて説明する。
【0026】図8は送電柱の腕金を示す概念図、図9、
図10は各々同腕金を詳細に示す平面図、側面図、図1
1(1)、(2)は各々図2、図3中の一接合部の接合
構造を示す平断面図、側断面図である。
【0027】この実施例は、前記実施例(平面トラスの
腕金)と異なり、後述するように立体トラスの腕金を構
成している。
【0028】水平方向腕部材2aの両端には各々取合い
金具26、27が装着されている。水平方向腕部材2b
の両端には各々取合い金具26、28が装着されてい
る。
【0029】前記取合い金具26、27、28は同一の
構造を有しているので、以下、図11(1)、(2)に
示す取合い金具26について説明する。尚、取合い金具
27、28については取合い金具26と対応する部分に
同一符号を附す。
【0030】取合い金具26は、前記水平方向腕部材2
a、2bの一端に装着される装着部29を備え、該装着
部29側の反対側には一対の取付部30が設けられ、該
取付部30には対応するピン孔31が形成されている。
【0031】そして、水平方向腕部材2aの一端に設け
た取合い金具27の取付部には水平方向腕部材2bの一
端に設けた取合い金具28の取付部30が挿入され、各
取付部30のピン孔31には接合ピン32が挿入されて
いる。これによって、水平方向腕部材2aと水平方向腕
部材2bの一端部どうしが平面視でV状となるように互
いにピン接合されている。
【0032】前記水平方向腕部材2aの他端に設けた取
合い金具26の取付部30は前記取付プレート5の取付
部5a間に挿入され、該取付部5aのピン孔51 と前記
取付部30のピン孔31には十字形の接合ピン34が挿
入されている。これによって、水平方向腕部材2aの他
端部は取付プレート5の取付部5aにピン接合され、そ
の接合部位に、平面及びこれに直交する垂直面内の回転
に自由な第2のピン節点33が構成されている。また、
前記水平方向腕部材2bの他端に設けた取合い金具26
の取付部30のピン孔31にも同様に十字形の接合ピン
35が挿入され、接合されているので、その接合部位
に、平面及びこれに直交する垂直面内の回転に自由な第
2のピン節点33が構成されている。
【0033】また、前記取合い金具27の下部には、送
電線4a、4bの端部を結合するピン孔部27aが設け
られ、上部にはピン孔部27bが設けられている。
【0034】前記取合い金具27のピン孔部27bに
は、傾斜方向腕部材37の一端に設けた取合い金具38
がクレビス39及び接合ピン40を介してピン接合され
ている。また、前記傾斜方向腕部材37の他端に設けた
取合い金具41はクレビス42及び接合ピン43を介し
て、前記送電柱本体1に設けた取付リング36のピン孔
部36aにピン接合されている。これによって、送電柱
本体1の取付プレート5より上方部位に水平方向腕部材
2a、2bの前記一端部が傾斜方向腕部材37を介して
揺動自在に吊持されている。
【0035】上記構成によれば、前記実施例と同様に、
水平方向腕部材2a、2b及び傾斜方向腕部材38で碍
子装置を兼用して送電線4a、4bの直接取付けが行え
る。送電線4a、4bの重量等により水平方向腕部材2
a、2b及び傾斜方向腕部材38には軸力のみが生じ、
前記実施例のように、水平方向腕部材2a、2bに曲げ
モーメントが作用することもない。
【0036】
【発明の効果】以上の通り、この発明は、高分子材料か
らなる芯軸を電気絶縁材で被覆した腕部材を複数本組み
合わせてトラス構造に構成した腕金であり、前記腕部材
の一端部を互いにピン接合し、該一端部に送電線取付部
を設けると共に、前記腕部材の他端部を各々送電柱本体
にピン接合してあるため、腕金で碍子装置を兼ねること
ができるので、腕金に送電線を直接取り付けることがで
き、これにより従来の碍子装置を省略できる。このた
め、送電線の架空高さを一定以上に保持しながら送電柱
の高さを確実に低くすることができると共に、外観体裁
を良くしながら送電柱の送電線支持機構を簡単にでき
る。
【0037】また、腕部材を、軸力だけが作用するもの
として設計できると共に、腕部材の芯軸に中空部を設け
たり、断面形状を上下に長い縦長に形成することで、腕
部材の断面性能をより向上させて、軽量化を図ったり、
曲げモーメントにも対応できるようにすることができる
ので、腕金の設計・製作・組立てが容易に行えると共
に、腕金に必要な支持強度を十分に確保できる。
【0038】更に、一方の送電線から通常以上の引張力
を受けたとき、水平方向腕部材と送電柱本体を連結する
接合ピンが破断するので、送電柱本体を前記引張力から
保護することができる。また、接合ピンの破断だけで済
むので、復旧作業が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例になる送電柱の腕金を示す
概念図である。
【図2】図1の腕金を詳細に示す平面図である。
【図3】図2の側面図である。
【図4】(1) 図2、図3中の各取合い金具の構造を
示す平面図である。 (2) (1)の側面図である。
【図5】(1) 水平方向腕部材の一例を示す縦断面図
である。 (2) (1)の側面図である。 (3) (1)の横断面図である。
【図6】(1) 水平方向腕部材の他の例を示す縦断面
図である。 (2) (1)の側面図である。 (3) (1)の横断面図である。
【図7】(1) 水平方向腕部材の更に他の例を示す縦
断面図である。 (2) (1)の側面図である。 (3) (1)の横断面図である。
【図8】この発明の他の実施例になる送電柱の腕金を示
す概念図である。
【図9】図8の腕金を詳細に示す平面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】図9、図10中の一接合部における取合い金
具を示す平面図である。
【図12】図11の側面図である。
【符号の説明】
1 送電柱本体 2a,2b 水平方向腕部材 31 ,32 ピン節点 7a 送電線取付部 15 芯軸 18 電気絶縁材 33 ピン節点 37 傾斜方向腕部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料からなる芯軸を電気絶縁材で
    被覆した腕部材を複数本組み合わせてトラス構造に構成
    した腕金であり、前記腕部材の一端部を互いにピン接合
    し、該一端部に送電線取付部を設けると共に、前記腕部
    材の他端部を各々送電柱本体にピン接合してあることを
    特徴とする送電柱の腕金。
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