JPH0633363B2 - 重質炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents

重質炭化水素油の水素化処理方法

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JPH0633363B2
JPH0633363B2 JP23073085A JP23073085A JPH0633363B2 JP H0633363 B2 JPH0633363 B2 JP H0633363B2 JP 23073085 A JP23073085 A JP 23073085A JP 23073085 A JP23073085 A JP 23073085A JP H0633363 B2 JPH0633363 B2 JP H0633363B2
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は重質炭化水素の水素化処理方法に関するもの
で、さらに詳しくは上段側に脱メタル触媒を、下段側に
水素化脱硫触媒をそれぞれ充填した単一の固定床型反応
器を使用して、重質炭化水素油を水素化処理する方法の
改良に係る。
〔従来の技術〕
近年、原油は重質化する傾向にあり、また石油精製業界
では、常圧蒸留や減圧蒸留の工程で原料油を深しぼりす
る傾向が強まつている関係で、重質炭化水素油の水素化
処理は、ますますその重要度を増している。
ところで、常圧蒸留残渣油や減圧蒸留残渣油を典型例と
する重質炭化水素油は、バナジウム、ニツケル、鉄など
の金属汚染物並びにアスフアルテンなどを多量に含有す
る。従つて、この種の重質炭化水素油を水素化処理する
場合には、一般に堅型反応器の上段側に脱メタル触媒
を、下段側に水素化脱硫触媒などの水素化処理触媒を充
填した固定床反応器を使用し、反応器に供給される重質
炭化水素油をまず上段側の脱メタル触媒層に通過させ、
次いで下段側の水素化処理触媒層に通過させるというフ
ローを採用することによつて、重質炭化水素油中の金属
汚染物による被毒から、水素化処理触媒を保護する方法
が採られている。そして、この場合の脱メタル触媒とし
ては、アルミナ担体に周期率表IVA及びVIII族の金属が
下段側で使用される水素化処理触媒と同量程度担持され
た触媒で、細孔直径600Å以上のマクロポアを有し、平
均細孔直径の大きい、高活性な触媒などが通常使用さ
れ、また水素化処理触媒、とりわけ水素化脱硫触媒とし
ては、アルミナ担体に周期律表VIA及びVIII族の金属が
酸化物として8〜20重量%担持され、平均細孔直径が
90〜180Åの細孔を有する様な触媒などが通常使用さ
れてきた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記の如き固定床型反応器を使用する重質炭化水素油の
水素化処理は、処理時間の経過と共に、脱メタル触媒層
での炭素の析出や金属の沈着が漸増し、遂には脱メタル
触媒層を固化させ、触媒粒子間の空隙を閉塞させるに至
るが、こうした事態になると、反応器の圧力損失が著し
く増大するため、たとえ下段側の水素化触媒層が未だ充
分な活性を維持していても、水素化処理操作を中止せざ
るを得ないのが実情である。従つて、処理原料たる重質
炭化水素油の金属汚染物量が多くなればなるほど、頻繁
に反応器の運転を中断して触媒の交換を行わなければな
らない不都合があつた。
また、触媒の交換を行う場合でも、脱メタル触媒層は固
化した状態にあるので、従来は爆破などの手段を採らな
ければならない面倒があつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は堅型反応器内に形成される固定触媒床の最上段
に、後述する如き特定な触媒の充填層を設け、次段に脱
メタル触媒層を、最下段に水素化脱硫触媒層を設けて、
当該反応器の頂部に供給される重質炭化水素を、水素化
処理条件下に下向きに通過させる水素化処理方法を提供
する。
すなわち、本発明は上段に脱メタル触媒を、下段に水素
化脱硫触媒を充填した固定床型反応器に重質炭化水素油
を供給し、水素化処理条件下に重質炭化水素油を脱メタ
ル触媒と接触させ、次いで水素化脱硫触媒と接触させる
重質炭化水素油の水素化処理方法に於て、多孔性無機酸
化物担体に周期律表IIB、IVA、VA、VIAおよびVIII
の各族から選ばれる金属の1種又は2種以上を酸化物換
算で0.2〜3重量%担持させた触媒であつて、細孔容
積が0.4〜1.5ml/g であり、空隙率が55容量%
以上である触媒を、前記の固定床型反応器に於ける脱メ
タル触媒床の上流側に、全触媒量の1〜5容量%に相当
する量で充填し、反応器に供給された重質炭化水素油を
前記の脱メタル触媒との接触に先立つて、脱メタル触媒
床の上流側の触媒に接触させることを特徴とする。
本発明の方法に於て、固定触媒床の最上段に形成される
触媒層(以下、第1触媒層という)には、多孔性無機酸
化物担体に、周期律表IIB、IVA、VA、VIA及びVIII
の各族から選ばれる1種又は2種以上の活性金属成分を
担持させた触媒が充填される。この触媒の多孔性無機酸
化物担体としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミ
ナなどが使用可能であり、活性金属成分としてはZn、
Ti、Zr、V、Mo、W、Fe、Co、Niなどの1種又は
2種以上が通常使用される。活性金属成分の担持量は酸
化物換算で0.2〜3重量%の範囲を可とし、0.2重
量%未満では当該触媒に所期の効果を期待できず、3重
量%を越えた場合は、脱メタル活性が高くなりすぎるた
め、第1触媒層自体が固化してしまう虞れがある。第1
触媒層を形成する触媒粒子の細孔容積は大きい方が好ま
しいが、機械的強度を考慮すると、0.4〜1.5ml/
g の範囲が適当である。また第1触媒層の空隙率は55
容量%以上であることが好ましい。55容量%未満であ
ると、重質炭化水素油中のスケールないしはマドによつ
て、第1触媒層の空隙部分が閉塞されてしまうことがあ
るからである。第1触媒層は固定触媒床全体の1〜5容
量%を占める。
第1触媒層の下位には脱メタル触媒を充填した第2触媒
層が設けられる。この脱メタル触媒としては〔従来の技
術〕で説明した従来の脱メタル触媒を使用することがで
きる。このほか、特開昭59-209649号公報に教示される
如く、本質的にγ−アルミナ担体からなる担体に周期律
表VIA、VA及びVIIIの各族から選ばれる金属の酸化物
の少なくとも2種を総量で3〜8重量%担持させた触媒
であつて、細孔容積が0.57〜0.95ml/g で、空隙率が5
5容量%以下の触媒を使用して本発明の第2触媒層を形
成させることもできる。いずれにしても第2触媒層は、
所期の脱メタル活性を発揮するうえで、固定触媒床全体
の4〜70容量%を占め、空隙率が55容量%以下であ
ることが好ましい。
第2触媒層の下位には水素化脱硫触媒が充填された第3
触媒層が設けられる。この第3触媒層は本発明の固定触
媒床の最下段に位置するが、ここには〔従来の技術〕で
説明した従来公知の水素化脱硫触媒がいずれも使用可能
である。そして第3触媒層は固定触媒床全体の25〜9
5容量%を占めるのが通例である。
水素化処理に供される重質炭化水素油は、上記した第1
〜第3触媒層で構成される固定触媒床を、水素化処理条
件下に下向きに通過する。この場合の水素化処理条件に
は、重質炭化水素油の水素化処理油で常用されている反
応条件を採用することができるが、多くの場合、反応温
度340〜450℃、水素分圧40〜250kg/cm2、好ましくは
70〜240kg/cm2、水素流量500〜2000Nm3/Kl、LH
SV 0.1〜5.0hr-1、好ましくは0.2〜4.0hr-1の反応条
件を使用するのが一般的である。
本発明の固定触媒床は3層構造である点で、2層構造
(脱メタル触媒層+水素化脱硫触媒層)である従来の固
定触媒床と相違するが、このことは本発明の触媒床が従
来のそれより大きいことを必ずしも意味しない。従つ
て、現存の堅型反応器を使用して本発明の方法を実施す
るに際しては、例えば脱メタル触媒層の容積を従来のそ
れより若干小さくし、当該部分に本発明の第1触媒層を
形成させることができる。また、固定触媒床上部に詰め
込まれるセラツクボールの一部を排除して第1触媒層を
設けることも可能である。
〔作 用〕
本発明によれば、反応器に供給された重質炭化水素油
は、まず第1触媒層を通過するが、この触媒層を形成す
る触媒は、第2触媒層の脱メタル触媒よりも脱メタル活
性が低いため、重質炭化水素油に含まれる金属汚染物の
なかにあつて、特に反応性に富む鉄系汚染物しか除去さ
れず、バナジウム系ないしはニツケル系の金属汚染物
は、第2触媒層で除去されるものと推定される。つま
り、本発明の方法では、重質炭化水素油中の金属汚染物
が、第1触媒層及び第2触媒層の二つの層で段階的に除
去さるので、第2触媒層はもちろん、第1触媒層も固化
しにくくなるものと考えられる。
〔実施例〕
触媒の調整 常法に従つてアルミン酸ソーダ水溶液と硫酸アルミニウ
ム水溶液からアルミナ水和物の沈澱を調製し、これを洗
浄後、ニーダーで捏和して押出し成型し、得られたアル
ミナ成形物を乾燥、焼成し、次いでこれに活性金属成分
を担持させる方法により、表−1に示す触媒を調製し
た。
実施例1 内径19.2mmφ、長さ3000mmの直立反応管の最下
部に適当量のセラミツクボールを充填し、次いで表−1
に示す水素化脱硫触媒を、次に脱メタル触媒を、その次
に触媒Aを、最後にセラミツクボールをそれぞれ充填し
て、3層構造の固定触媒床を有する反応装置を作成し
た。但し、各触媒の充填量は、全触媒充填量基準で次の
通りとした。
最上部セラミツクボール 0.5容量% 第1触媒層(触媒A) 1.5 〃 第2触媒層(脱メタル触媒) 18.5 〃 第3触媒層(水素化脱硫触媒) 80.0 〃 この反応装置に重質炭化水素油を下向きに供給して水素
化処理を行なつた。反応条件にはLHSV=0.5 1/hr、水
素/炭化水素=700Nm2/Kl、水素圧=135kg/cm2を採
用し、反応温度は生成油のイオウ含量が0.6重量%にな
るよう、380〜410℃の範囲で調節した。連続4500時間通
油を継続した後反応を止め、反応器を割つて触媒床最上
部領域に位置する触媒の固化及び閉塞情況を調べ、金属
沈着量を測定した。結果を表−3に示す。尚、原料油と
して用いた重質炭化水素油の性状は次の通りである。
原料油 AH RC 比重(15/4℃) 0.990 S (wt%) 4.1 N (ppm) 3000 粘度(C.S於50℃) 2900 アスフアルテン(wt%) 8.2 Fe (ppm) 10 Ni ( 〃 ) 26 V ( 〃 ) 91 Na ( 〃 ) 2 また、上記した反応装置の固定触媒床の構成を表−2の
通り変更した以外は、上と全く同様な水素化処理実験を
行ない、表−3に示す結果を得た。
〔効 果〕 表−3に示す実験結果から明らかな通り、本発明の方法
によれば、触媒床の上部領域に位置する触媒層には、固
化も閉塞も認められず、長時間反応を継続しても圧力損
失が少ない。また、脱硫活性について言えば、反応初期
に於ては本発明の方法は比較例を若干下廻るが、反応を
長時間継続させると、比較例を凌ぐ活性を示す。尚、比
較例2では第1触媒層を形成する触媒が比較的高い脱メ
タル活性を発揮するため、固化、閉塞が生起してしまう
ものと推察される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上段に脱メタル触媒を、下段に水素化脱硫
    触媒を充填した固定床型反応器に重質炭化水素油を供給
    し、水素化処理条件下に重質炭化水素油を脱メタル触媒
    と接触させ、次いで水素化脱硫触媒と接触させる重質炭
    化水素油の水素化処理方法に於て、多孔性無機酸化物担
    体に周期律表IIB、IVA、VA、VIA及びVIIIの各族か
    ら選ばれる金属の1種又は2種以上を酸化物換算で0.
    2〜3重量%担持させた触媒であつて、細孔容積が0.
    4〜1.5ml/gであり、空隙率が55容量%以上であ
    る触媒を、前記の固定床型反応器に於ける脱メタル触媒
    床の上流側に、全触媒量の1〜5容量%に相当する量で
    充填し、反応器に供給された重質炭化水素油を前記の脱
    メタル触媒との接触に先立つて、脱メタル触媒床の上流
    側の触媒に接触させることを特徴とする重質炭化水素の
    水素化処理方法。
  2. 【請求項2】多孔性無機酸化物担体がアルミナ、シリカ
    又はシリカ−アルミナであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  3. 【請求項3】脱メタル触媒が本質的にγ−アルミナから
    なる担体に周期律表VIA、VA及びVIIIの各族から選ば
    れる金属の少なくとも2種を酸化物換算で3〜8重量%
    担持させた触媒であつて、その細孔容積が0.57〜0.95ml
    /gで、空隙率が55容量%以下であることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
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JP2966985B2 (ja) * 1991-10-09 1999-10-25 出光興産株式会社 重質炭化水素油の接触水素化処理方法
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