JPH0633329Y2 - 冷凍・冷蔵ショーケース - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、前面に複層ガラスが固定された冷凍・冷蔵シ
ョーケースのトリム取付け構造に関する。

（従来の技術） 従来、この種の冷凍・冷蔵ショーケースは、第３図及び
第４図に示すように上方が開口したショーケース本体１
と底部の機械室２から構造されている。ショーケース本
体１は、断熱性の外箱３と商品を収納する内箱４から成
り、外箱３と内箱４との間に冷気通路５が形成されてい
る。冷気通路５中には、冷気を形成する蒸発器６が設置
され、蒸発器６は機械室２内の圧縮機７や凝縮器８等に
冷媒管で接続されて冷却回路を構成している。

従って、冷却回路が動作すると蒸発器６で冷却されたエ
アが第４図に示すように吹出口９から吹出し、上方開口
部10にエアカーテンが形成されて庫内外の熱交換が防止
される。また、凝縮器８の排熱は機械室２内の送風機11
によってルーバ12から排出される。

一方、ショーケース本体１の前面上方には、内部の商品
が外から見えるように複層ガラス13が固定されている。
複層ガラス13は、断熱性能を高めるため第２図に示すよ
うに３枚のガラス13a,13b,13cを２個のスペーサ14によ
り所定間隔をおいて配置し、両側（第２図では左側のみ
示す）がヒータスペーサ15を介してショーケース本体１
の側板16に固着している。また、ヒータスペーサ15は、
断面がコ字形状で内部に結露防止用のヒータ17が設置さ
れ、側板16の前方にはカバー18が嵌め込まれている。更
にこのままでは複層ガラス13内のスペーサ14、ヒータス
ペーサ15等が外から見えるので、パッキング19を介して
複層ガラス13の両側にコ字形のトリム20を覆せて見栄え
をよくしている。

（考案が解決しようとする課題） しかし、従来のトリム取付け構造にあっては、庫内側の
冷気によってトリム20の内側端20bが冷却される。この
内側端20bの冷却に伴いショーケースの外側に位置する
トリム20の先端面20aの熱が内側端20b側に熱移動し、こ
の先端面20aも冷却される。これにより、先端面20aと外
気（特に盛夏期）との温度差が大きくなる。このため、
先端面20aに結露が生じて下方に垂れる欠点がある。ま
た、ショーケースの組立て時には、複層ガラス13の両側
にトリム20を各々嵌合した状態で各側板16に固定する。
ここで、このトリム20は複層ガラス13及び両側板16のい
ずれにも強固に固定されているものでないため、このト
リム20を介して複層ガラス13を両側板16に組み付けると
き、この組立て作業が煩わしくなっている。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、そ
の目的は、トリムの表面に結露がほとんど発生せず、し
かも複層ガラスの組付け後に前面から簡単にトリムを取
付けられる冷凍・冷蔵ショーケースのトリム取付け構造
を提供することにある。

（課題を解決するための手段） 上記課題を解決するため、本考案は、ショーケース本体
１の両側に位置するとともに内部に中空部16cを有し該
中空部16cの前面開口16bをカバー18で被覆固定した両側
板16と、該ショーケース本体１の前面で該両側板16間に
介在された複層ガラス13と、該複層ガラス13の両端縁に
沿って延び該両側縁を被覆する板状のトリム20を備えた
冷凍・冷蔵ショーケースにおいて、前記トリム20の幅方
向一端20a側を前記複層ガラス13の両側縁の表面に当接
させるとともに、該トリム20の幅方向他端20d側を前記
両側板16の前面開口16bを渡って該両側板16の中空部16c
に延設し該中空部16cに配置された支持金具21に固定
し、前記カバー18を該トリム20を介して該両側板16に固
定したことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、トリム20の一端20aが複層ガラス13の
表面に当接し、また、他端20dは側板16の内部の中空部1
6cに位置し、このトリム20が庫内に配置されることがな
いよう構成されている。このため、このトリム20が庫内
冷気により冷却されず、さらにはトリム20と外気との温
度差が大きくなることがなく、このトリム20に結露が生
ずることがない。

また、複層ガラス13と両側板16との組み付け作業とは別
個に、トリム20が両側板16の中空部16cに配置された支
持金具21に固定するため、複層ガラス13と両側板16との
組み付け作業が簡単になるし、また、このトリム20を両
側板16の中空部16cに固定するとき、この両側板16の前
面開口16bから固定作業ができ、その後にカバー18を取
り付ければ良く、トリム20の取り付け作業も簡単なもの
となっている。

（実施例） 第１図には、本考案を適用された冷凍・冷蔵ショーケー
スのトリム取付け構造が示されており、第２図と同じ部
分には同一番号を付してある。

この実施例では、側板16の内部前面開口16b（図中下
方）に断面コ字形の支持金具21の一端が固着され、支持
金具21の他端が自由端21aとなっている。支持金具21の
前面にはねじ22によってトリム20の一端20dが固定され
ている。トリム20の中空部16cは、支持金具の自由端21a
を囲むように屈曲形成され、トリム20の先端20aが複層
ガラス13の表面に固着されてスペーサ14,ヒータスペー
サ15及びパッキング19が外から見えないようになってい
る。パッキング19は、この実施例では、複層ガラス13の
端部とヒータスペーサ15との間に設けられている。

側板16の右側パネル16aは、前方（図中下方）が若干切
欠かれてこの部分にトリム20のガイド面20cがパネル16a
と一直線になるように当接している。従って、側板16の
カバー18は、トリム20のガイド面20cに沿って側板16に
嵌合させることができる。その他の構成は、第２図と同
様であるため説明を省略する。

トリム20は、従来のように庫内側に延びていないから、
冷気で冷却されることがなく、従ってトリム20の先端20
aにもほとんど結露は発生しない。また、庫内と庫外
は、断熱性の複層ガラス13及びパッキング19により密封
状態で仕切られ、ショーケース本体１の上方開口部10
（第４図参照）は冷気のエアカーテンで仕切られている
ので、内外の熱交換は極力抑制される。

トリム20は、複層ガラス13を両側板16に固定してショー
ケース本体１の組立て終了後に、予め側板16の中空部16
cに設けられている支持金具21にねじ止めすればよく、
あとは側板16aの前面開口16bからカバー18を覆せるだけ
で、ねじ22が見えることなくトリム20が固定される。従
って、ほとんど組立てを終えたショーケース本体１の前
面からトリム20を取付けることができ、しかもトリム20
のガイド面20cとがカバー18の案内作用を行なうので取
付け作業が簡単になる。

尚、上記実施例では、支持金具21を介してトリム20の端
部を側板16の内部に固定しているが、トリム20を直接側
板16内に取付けることも可能である。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案によれば、トリムが庫内冷
気により冷却されず、さらにはトリムと外気との温度差
が大きくなることがないため、このトリムに結露が生ず
ることがない。

また、複層ガラスと側板との組み付け作業とは別個に、
トリムが両側板の中空部に配置された支持金具に固定す
るため、複数ガラスと両側板との組み付け作業が簡単に
なるし、また、このトリムを両側板の中空部に固定する
とき、この両側板の前面開口から固定作業ができ、その
後にカバーを取り付ければ良く、トリムの取り付け作業
も簡単なものとなっている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るトリム取付け構造の拡大断面図、
第２図は従来におけるトリム取付け構造の拡大断面図、
第３図は冷凍・冷蔵ショーケースの正面図、第４図はそ
の縦断面図である。 １……ショーケース本体、13……複層ガラス、16……側
板、18……側板のカバー、20……トリム、20a……トリ
ムの先端、20c……トリムのガイド面、21……支持金
具、22……ねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ショーケース本体１の両側に位置するとと
   もに内部に中空部16cを有し該中空部16cの前面開口16b
   をカバー18で被覆固定した両側板16と、該ショーケース
   本体１の前面で該両側板16間に介在された複層ガラス13
   と、該複層ガラス13の両端縁に沿って延び該両側縁を被
   覆する板状のトリム20を備えた冷凍・冷蔵ショーケース
   において、 前記トリム20の幅方向一端20a側を前記複層ガラス13の
   両側縁の表面に当接させるとともに、該トリム20の幅方
   向他端20d側を前記両側板16の前面開口16bを渡って該両
   側板16の中空部16cに延設し該中空部16cに配置された支
   持金具21に固定し、前記カバー18を該トリム20を介して
   該両側板16に固定した ことを特徴とする冷凍・冷蔵ショーケース。