JPH063325Y2 - 空調換気扇 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 従来の技術 近年、住宅は省エネルギーの見地から、冷暖房負荷の軽
減や防音性の向上がなされ気密性が非常に高くなってき
ている。したがって衛生上換気がますます重要になる。
そこで、給気流と排気流の間で熱交換しながら居室の換
気を行う空調換気扇が普及してきた。

以下第４図および第５図にもとづいて、上述した従来の
空調換気扇について説明を行う。

図において、１０１は外かくであり室内側吸込口１０２
と室外側吐出口１０８と、室外側吸込口１０９と、室内
側吐出口１１１を有し、内部には排気用羽根１０３と、
電動機１０４と、給気用羽根１１０と、熱交換器１０５
を備えている。前記熱交換器１０５は伝熱板１０６と間
隔板１０７を隣接する流れの方向が直交するように交互
に積層して構成されている。そして室内側吸込口１０２
より熱交換器１０５を介して室外側吐出口１０８に至る
排気通風路Ｃ→Ｃ′および室外側吸込口１０９より熱交
換器１０６を介して室内側吐出口１１１に至る給気通風
路Ｄ…→Ｄ′を形成している。

以上のように構成された空調換気扇において、室内空気
は排気通風路Ｃ→Ｃ′を通って室外へ排気される。つま
り、室内側吸込口１０２から排気用羽根１０３により熱
交換器１０５内に入り、熱交換器１０５の伝熱板１０６
を介して有効な熱エネルギーを給気される室外空気に与
えた後、室外側吐出口１０８から室外へ排気される。

一方、室外空気は給気通風路Ｄ…→Ｄ′を通って室内に
給気される。つまり、室外側吸込口１０９から給気用羽
根１１０により熱交換器１０５へ入り、熱交換器１０５
の伝熱板１０６を介して排気される室内空気の持つ有効
な熱エネルギーを受取り室内側吐出口１１１から室内に
給気されるものであった。

考案が解決しようとする課題 このような従来の空調換気扇は、冬季に外気温がたとえ
ば氷点１０°以下のような低温になると、室内空気に含
まれる水分が熱交換器１０５の排気通風路中で凍結し目
詰りを起すことにより排気風量が大きく減少する。また
排気風量が減少することにより、排気される室外空気に
十分な熱エネルギーを与えることができなくなり、給気
される室外空気が十分室内温度まで高められなく居住者
が室内側吐出口から給気されるとき冷く感じるようにな
るという課題を有していた。

本考案は上記課題に留意し、冬季に外気温が低くなって
も熱交換器内で排気される室内空気中の水分が凍結する
ことなく排気風量を大きく減少させず、給気される室外
空気に十分熱交換器内で熱エネルギーを与え、居住者に
室内側吐出口から給気されるとき冷く感じさせない空調
換気扇を提供することを目的とするものである。

課題を解決するための手段 この課題を解決するために本考案は、熱交換器の給気通
風路の入口に、室外空気が高温時には屈折して給気通風
路を開放し、低温時には展伸して給気通風路を一部閉鎖
するダンパを有する空調換気扇を構成したものである。

作用 この構成により、冬季、室外気温が氷点下になると、ダ
ンパが展伸し、給気通風路を一部閉鎖する。これにより
給気される室外空気の量が減少する。したがって、排気
される室内空気に比べ給気される室外空気の量が少ない
ので、熱交換器内で室内空気と室外空気が熱交換される
際、室内空気は大きな温度低下をしないため熱交換器内
の排気通風路は凍結せず目づまりがなくなり、大きな風
量低下や給気温度の低下がなくなる。

実施例 以下、本考案の一実施例について第１図〜第３図を参照
しながら説明する。

図において、箱状の外かく１は前面に室内と連通する室
内側吸込口２および室内側吐出口１５と、背面に室外と
連通する室外側吸込口１３および室外側吐出口８とを有
し、内部に室内側吸込口２と室外側吐出口８を結び排気
用羽根３を両シャフトの一方に固着した電動機４を設け
た排気通風路Ａ→Ａ′と、室外側吸込口１３と室内側吐
出口１５を結び電動機４の他方のシャフトに固着した給
気用羽根１４を配設した給気通風路Ｂ…Ｂ′とを形成し
ている。排気通風路Ａ→Ａ′と給気通風路Ｂ…→Ｂ′は
仕切板９により一部は交差し他の部分は互いに区画され
ており、交差する部分に熱交換器５を配設している。熱
交換器５は伝熱板６と間隔板７を隣接する流れの方向が
直交するように交互に積層した周知のものである。

本考案の特徴とするところのダンパ１０には軸１１とヒ
ンジ１２が設けられており、軸１１とヒンジ１２を中心
に回動屈折展伸し、熱交換器５の給気通風路を開放ある
いは一部閉鎖をする。ダンパ１０は０℃付近に動作点を
有している。

上記構成において、室内空気は排気通風路Ａ→Ａ′を通
って室外へ排気される。つまり、室内吸込口２から排気
用羽根３により熱交換器５内に入り、熱交換器５の伝熱
板６を介して有効な熱エネルギーを給気される室外空気
に与えた後、室外吐出口８から室外へ排気される。

一方、室外空気は給気通風路Ｂ…→Ｂ′を通って室内に
給気される。つまり、室外側吸込口１３から給気用羽根
１４により熱交換器５へ入り、熱交換器５の伝熱板６を
介して排気される室内空気の持つ有効な熱エネルギーを
受取り室内側吐出口１５から室内へ給気される。

そして、ダンパ１０は以下のように動作する。給気通風
路Ｂ…→Ｂ′中を流れる室外空気の温度が０℃よりも高
い場合にはダンパ１０は屈折し、熱交換器５の給気通風
路の入口を開放する。一方、０℃以下ではダンパ１０の
動作点を越えるのでダンパ１０は展伸し熱交換器５の給
気通風路の入口を一部閉鎖する。このため、給気通風路
を流れる室外空気の量が減少する。そして、排気される
室内空気に比べ給気される室外空気の量が少ないので、
熱交換器内５で室内空気と室外空気が熱交換される際、
室内空気は大きな温度低下をしないため、熱交換器５内
の排気通風路は凍結せずに目づまりがなくなり、大きな
風量低下や給気温度の低下がなくなり、室内吐出口１５
から給気される室外空気を冷たく感じることもなく快適
な換気が維持できる。

なお、ダンパ１０は形状記憶樹脂により形成することに
より一体化が可能となり簡単で安価な構造となる。

考案の効果 以上の実施例の説明から明らかなように本考案によれ
ば、室内空気の温度が低くなり、熱交換器内の排気通風
路中で室内空気中の水分が凍結するのを防止することが
でき、大きな排気風量の減少や、給気される室外空気を
冷たく感じることもなくなるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例の空調換気扇を
示し、第１図はダンパ展伸状態の断面図、第２図はダン
パ屈折状態の断面図、第３図は同空調換気扇の熱交換器
の斜視図、第４図は従来の空調換気扇の断面図、第５図
は同空調換気扇の熱交換器の斜視図である。 １……外かく、２……室内側吸込み口、３……排気用羽
根、４……電動機、５……熱交換器、８……室外側吐出
口、９……仕切り板、１０……ダンパ、１３……室外側
吸込み口、１４……給気用羽根、１５……室内側吐出
口。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】室内と連通する室内側吸込み口および室内
   側吐出口と室外と連通する室外側吸込み口および室外側
   吐出口を有する外かく内に、前記室内側吸込み口と室外
   側吐出口を結び、排気用羽根と電動機を設けた排気用通
   風路と、前記室外側吸込み口と室内側吐出口とを結び、
   給気用羽根と電動機を設けた給気通風路とを一部は交差
   し他の部分は互いに区画されるように仕切り板を配設
   し、前記排気通風路と給気通風路が交差する部分に熱交
   換器を設け、前記熱交換器の給気通風路の入口に、室外
   空気が高温時には屈折して給気通風路を開放し、低温時
   には展伸して給気通風路を一部閉鎖するダンパを有する
   空調換気扇。
2. 【請求項２】ダンパは形状記憶樹脂で形成した請求項１
   記載の空調換気扇。