JPH06332478A - 電子消音方法 - Google Patents
電子消音方法Info
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- JPH06332478A JPH06332478A JP5124318A JP12431893A JPH06332478A JP H06332478 A JPH06332478 A JP H06332478A JP 5124318 A JP5124318 A JP 5124318A JP 12431893 A JP12431893 A JP 12431893A JP H06332478 A JPH06332478 A JP H06332478A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- noise
- sensors
- error
- actuators
- adaptive digital
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Soundproofing, Sound Blocking, And Sound Damping (AREA)
- Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 複数のノイズセンサ、複数のアクチュエー
タ、複数のエラーセンサを用いて騒音を打ち消す消音装
置を構成する場合においてその処理量を軽減する。 【構成】 一つまたは複数の騒音源の騒音情報を検出す
るノイズセンサ1,2と、該ノイズセンサにより検出さ
れた騒音情報を打ち消すための付加音信号を作成する複
数の適応型デジタルフィルタ20−25と、該適応型デ
ジタルフィルタが作成する付加音信号によって駆動され
騒音を打ち消す付加音を発生する複数のアクチュエータ
3〜5と、前記騒音と付加音との混合音を検出するとと
もに前記適応型デジタルフィルタのフィルタ係数を更新
するためのエラー信号を送る複数のエラーセンサ6,7
とからなる。
タ、複数のエラーセンサを用いて騒音を打ち消す消音装
置を構成する場合においてその処理量を軽減する。 【構成】 一つまたは複数の騒音源の騒音情報を検出す
るノイズセンサ1,2と、該ノイズセンサにより検出さ
れた騒音情報を打ち消すための付加音信号を作成する複
数の適応型デジタルフィルタ20−25と、該適応型デ
ジタルフィルタが作成する付加音信号によって駆動され
騒音を打ち消す付加音を発生する複数のアクチュエータ
3〜5と、前記騒音と付加音との混合音を検出するとと
もに前記適応型デジタルフィルタのフィルタ係数を更新
するためのエラー信号を送る複数のエラーセンサ6,7
とからなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子消音方法に係り、特
に音波が3次元方向へ伝播可能な領域内における騒音源
からの伝播音波に対して逆位相でかつ同一音圧の音波を
発生させ、前記伝播領域内の所定領域でその音波干渉に
より消音を行う電子消音方法に関する。
に音波が3次元方向へ伝播可能な領域内における騒音源
からの伝播音波に対して逆位相でかつ同一音圧の音波を
発生させ、前記伝播領域内の所定領域でその音波干渉に
より消音を行う電子消音方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電子消音方法は、例えば特開平3
−274897号公報に開示されているように複数のノ
イズセンサ、複数のエラーセンサ及び複数のアクチュエ
ータがあるとき次のように行われていた。
−274897号公報に開示されているように複数のノ
イズセンサ、複数のエラーセンサ及び複数のアクチュエ
ータがあるとき次のように行われていた。
【0003】(1)MEFX(Multi Error Filtered X)
アルゴリズム 複数のノイズセンサ、複数のエラーセンサ、複数の消音
用のアクチュエータを用いて複数のエラーセンサにおい
て消音する場合、以下に説明するような手順を行う装置
によって実現されていた。説明の簡単化のためにノイズ
センサ2個、アクチュエータ3個、エラーセンサ2個の
場合の処理例のブロック図を図2に示し、これに基づい
て説明することにする。
アルゴリズム 複数のノイズセンサ、複数のエラーセンサ、複数の消音
用のアクチュエータを用いて複数のエラーセンサにおい
て消音する場合、以下に説明するような手順を行う装置
によって実現されていた。説明の簡単化のためにノイズ
センサ2個、アクチュエータ3個、エラーセンサ2個の
場合の処理例のブロック図を図2に示し、これに基づい
て説明することにする。
【0004】同図において、ノイズセンサ1、2から検
出されたデジタル信号は、それらの信号を分岐させて各
信号に各々j番目(1≦j≦3)のアクチュエータから
k番目(k=1、2)のエラーセンサまでのすべての組
み合わせの伝達関数cjk8〜19によって畳み込まれ
る。
出されたデジタル信号は、それらの信号を分岐させて各
信号に各々j番目(1≦j≦3)のアクチュエータから
k番目(k=1、2)のエラーセンサまでのすべての組
み合わせの伝達関数cjk8〜19によって畳み込まれ
る。
【0005】またノイズセンサ1、2の夫々に前記伝達
関数Cjkを畳み込むため、これらノイズセンサ1、2に
畳み込まれる伝達関数Cjkは同じものである。従って斯
かる畳み込みの操作は1サンプリング内に12回行われ
る。
関数Cjkを畳み込むため、これらノイズセンサ1、2に
畳み込まれる伝達関数Cjkは同じものである。従って斯
かる畳み込みの操作は1サンプリング内に12回行われ
る。
【0006】更に畳み込まれた12個の出力信号はエラ
ーセンサ6、7からの出力信号と相まって次式で表され
る演算アルゴリズムに基づき、6個の適応型デジタルフ
ィルタ20〜25のフィルタ係数更新に用いられる。こ
の操作は、フィルタ更新部分(LMS:Least Mean Squ
are )26〜31において1サンプリング内に前記すべ
ての組み合わせである12経路分について行われる。
ーセンサ6、7からの出力信号と相まって次式で表され
る演算アルゴリズムに基づき、6個の適応型デジタルフ
ィルタ20〜25のフィルタ係数更新に用いられる。こ
の操作は、フィルタ更新部分(LMS:Least Mean Squ
are )26〜31において1サンプリング内に前記すべ
ての組み合わせである12経路分について行われる。
【0007】
【数1】
【0008】こうして更新されたフィルタ係数を適応型
デジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数とし、ノイ
ズセンサ1、2からの出力信号と適応型デジタルフィル
タ20〜25の出力信号とを畳み込む。
デジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数とし、ノイ
ズセンサ1、2からの出力信号と適応型デジタルフィル
タ20〜25の出力信号とを畳み込む。
【0009】このようにして6系統の信号が得られる
が、これらの信号を各アクチュエータ3〜5の組み合わ
せ毎に加算し、消音用の信号として出力する。これらす
べての処理を斯かるMEFXアルゴリズムでは1サンプ
リング内に処理をしなければならないという問題点があ
った。
が、これらの信号を各アクチュエータ3〜5の組み合わ
せ毎に加算し、消音用の信号として出力する。これらす
べての処理を斯かるMEFXアルゴリズムでは1サンプ
リング内に処理をしなければならないという問題点があ
った。
【0010】従って一般的にノイズセンサがI個、アク
チュエータがJ個、エラーセンサがK個あり、更に畳み
込みにFIR(Finite Impulse Response )フィルタ、
係数更新方法にLMSアルゴリズムを用いた時、FIR
フィルタの演算回数はフィルタタップ数をN個とする
と、(IJK+IJ)N回の乗算回数がかかり、LMS
にはIJKNの乗算回数が回数がかかることになる。
チュエータがJ個、エラーセンサがK個あり、更に畳み
込みにFIR(Finite Impulse Response )フィルタ、
係数更新方法にLMSアルゴリズムを用いた時、FIR
フィルタの演算回数はフィルタタップ数をN個とする
と、(IJK+IJ)N回の乗算回数がかかり、LMS
にはIJKNの乗算回数が回数がかかることになる。
【0011】またこれらの演算処理をDSP(Digital
Signal Processer)を用いて実現する場合もFIRフィ
ルタの処理よりもLMSの処理の方が数倍の処理回数に
なる場合が多く、ノイズセンサ、アクチュエータ、エラ
ーセンサの数が増えた場合、すべての処理数が非常に多
くなるという問題点があった。
Signal Processer)を用いて実現する場合もFIRフィ
ルタの処理よりもLMSの処理の方が数倍の処理回数に
なる場合が多く、ノイズセンサ、アクチュエータ、エラ
ーセンサの数が増えた場合、すべての処理数が非常に多
くなるという問題点があった。
【0012】(2)ES(Error Scanning)アルゴリズ
ム 前記MEFXアルゴリズムの処理量を軽減するために考
案されたのがESアルゴリズムを用いた消音装置であ
る。この装置の実現は以下のようになされる。簡単に説
明するためにノイズセンサ2個、アクチュエータ3個、
エラーセンサ2個の場合の処理のブロック図を図3に示
し、これに基づいて説明する。
ム 前記MEFXアルゴリズムの処理量を軽減するために考
案されたのがESアルゴリズムを用いた消音装置であ
る。この装置の実現は以下のようになされる。簡単に説
明するためにノイズセンサ2個、アクチュエータ3個、
エラーセンサ2個の場合の処理のブロック図を図3に示
し、これに基づいて説明する。
【0013】同図においてノイズセンサ1、2から検出
されたデジタル信号は、それらの信号を分岐させて、そ
れらの信号に各々j番目(1≦j≦3)のアクチュエー
タ3〜5からk番目(k=1,2)のエラーセンサ6、
7までのすべての組み合わせの伝達関数cjk8〜19を
畳み込み演算する。
されたデジタル信号は、それらの信号を分岐させて、そ
れらの信号に各々j番目(1≦j≦3)のアクチュエー
タ3〜5からk番目(k=1,2)のエラーセンサ6、
7までのすべての組み合わせの伝達関数cjk8〜19を
畳み込み演算する。
【0014】このときノイズセンサ1、2の夫々に伝達
関数cjkを畳み込むため、ノイズセンサ1、2に畳み込
まれる伝達関数は同じものである。従ってかかる畳み込
み演算の操作は1サンプリング内に12回行われる。
関数cjkを畳み込むため、ノイズセンサ1、2に畳み込
まれる伝達関数は同じものである。従ってかかる畳み込
み演算の操作は1サンプリング内に12回行われる。
【0015】このようにして畳み込まれた12個の出力
信号は、6、7のエラーセンサからの出力信号と次式の
アルゴリズムに基づき、6個の適応型デジタルフィルタ
20〜25のフィルタ係数更新を行う。この係数更新に
おいてフィルタ更新部分(LMS)26〜31では、あ
るサンプリング時には1番目のエラーセンサ6からの出
力信号にのみ注目し、即ちスイッチ32〜34、38〜
40、44をON状態にし、その他のスイッチ35〜3
7、41〜43、45をOFF状態にして適応型デジタ
ルフィルタ20〜22の係数更新を行う。
信号は、6、7のエラーセンサからの出力信号と次式の
アルゴリズムに基づき、6個の適応型デジタルフィルタ
20〜25のフィルタ係数更新を行う。この係数更新に
おいてフィルタ更新部分(LMS)26〜31では、あ
るサンプリング時には1番目のエラーセンサ6からの出
力信号にのみ注目し、即ちスイッチ32〜34、38〜
40、44をON状態にし、その他のスイッチ35〜3
7、41〜43、45をOFF状態にして適応型デジタ
ルフィルタ20〜22の係数更新を行う。
【0016】
【数2】
【0017】こうして更新されたフィルタ係数を適応型
デジタルフィルタ20〜25の係数とし、ノイズセンサ
1、2からの出力信号と適応型フィルタ20〜25の出
力信号とを畳み込み演算する。そして6系統の信号を
得、これらの信号を各アクチュエータ3〜5の3種類の
組み合わせ毎に加算し、消音用の信号として出力する。
デジタルフィルタ20〜25の係数とし、ノイズセンサ
1、2からの出力信号と適応型フィルタ20〜25の出
力信号とを畳み込み演算する。そして6系統の信号を
得、これらの信号を各アクチュエータ3〜5の3種類の
組み合わせ毎に加算し、消音用の信号として出力する。
【0018】そして次のサンプリング時には係数更新に
関すること以外は前のサンプリング時と同じであるが、
今度は2番目のエラーセンサ7のみに注目し、即ちスイ
ッチ35〜37、41〜43、45をON状態にし、そ
の他のスイッチ32〜34、38〜40、44をOFF
状態にして適応型デジタルフィルタの係数更新を行う。
関すること以外は前のサンプリング時と同じであるが、
今度は2番目のエラーセンサ7のみに注目し、即ちスイ
ッチ35〜37、41〜43、45をON状態にし、そ
の他のスイッチ32〜34、38〜40、44をOFF
状態にして適応型デジタルフィルタの係数更新を行う。
【0019】以上の説明のようにエラーセンサを1サン
プリング内に1つだけ注目し、その関与する経路のみの
係数更新を行うのがESアルゴリズムであり、一般的に
ノイズセンサがI個、アクチュエータがJ個、エラーセ
ンサがK個あり、さらに畳み込みにFIRフィルタ、係
数更新方法にLMSアルゴリズムを用いた時、FIRフ
ィルタの演算回数はそのタップ数をN個とすると、(I
JK+IJ)Nの乗算回数がかかり、LMSにはIJN
の乗算回数がある。よってLMSの処理量はMEFXア
ルゴリズムに比較すると1/Kに減少されていることに
なる。
プリング内に1つだけ注目し、その関与する経路のみの
係数更新を行うのがESアルゴリズムであり、一般的に
ノイズセンサがI個、アクチュエータがJ個、エラーセ
ンサがK個あり、さらに畳み込みにFIRフィルタ、係
数更新方法にLMSアルゴリズムを用いた時、FIRフ
ィルタの演算回数はそのタップ数をN個とすると、(I
JK+IJ)Nの乗算回数がかかり、LMSにはIJN
の乗算回数がある。よってLMSの処理量はMEFXア
ルゴリズムに比較すると1/Kに減少されていることに
なる。
【0020】しかしながらこれらの処理をDSPで実現
する場合、処理量の支配的であるLMSを行う際の問題
であるエラーセンサの数によらず処理量は一定にはなる
が、ノイズセンサやアクチュエータが多い時には依然と
して処理量が多くなり、改善できないという問題点があ
った。
する場合、処理量の支配的であるLMSを行う際の問題
であるエラーセンサの数によらず処理量は一定にはなる
が、ノイズセンサやアクチュエータが多い時には依然と
して処理量が多くなり、改善できないという問題点があ
った。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記従来のMEFXやESアルゴリズムを
改良し、複数のノイズセンサ、複数のアクチュエータ、
複数のエラーセンサを用いて騒音を打ち消す消音装置を
構成する場合においてその処理量を軽減する方法を提供
することである。
する課題は、上記従来のMEFXやESアルゴリズムを
改良し、複数のノイズセンサ、複数のアクチュエータ、
複数のエラーセンサを用いて騒音を打ち消す消音装置を
構成する場合においてその処理量を軽減する方法を提供
することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、一つまたは複
数の騒音源の騒音情報を検出するノイズセンサと、該ノ
イズセンサにより検出された騒音情報を打ち消すための
付加音信号を作成する複数の適応型デジタルフィルタ
と、該適応型デジタルフィルタが作成する付加音信号に
よって駆動され騒音を打ち消す付加音を発生する複数の
アクチュエータと、前記騒音と付加音との混合音を検出
するとともに前記適応型デジタルフィルタのフィルタ係
数を更新するためのエラー信号を送る複数のエラーセン
サとよりなり、前記1つまたは複数のノイズセンサの内
の一つまたは二つ以上、前記複数のアクチュエータの内
の一つまたは二つ以上、及び前記複数のエラーセンサの
内の一つまたは二つ以上からなる組を生成し、すべての
組について予め設定された各サンプル時間毎に順にその
組を構成する前記センサ及びアクチュエータを駆動させ
てエラー信号を得、得られたエラー信号に基づいて前記
適応型デジタルフィルタのフィルタ係数の更新を行うも
のである。
数の騒音源の騒音情報を検出するノイズセンサと、該ノ
イズセンサにより検出された騒音情報を打ち消すための
付加音信号を作成する複数の適応型デジタルフィルタ
と、該適応型デジタルフィルタが作成する付加音信号に
よって駆動され騒音を打ち消す付加音を発生する複数の
アクチュエータと、前記騒音と付加音との混合音を検出
するとともに前記適応型デジタルフィルタのフィルタ係
数を更新するためのエラー信号を送る複数のエラーセン
サとよりなり、前記1つまたは複数のノイズセンサの内
の一つまたは二つ以上、前記複数のアクチュエータの内
の一つまたは二つ以上、及び前記複数のエラーセンサの
内の一つまたは二つ以上からなる組を生成し、すべての
組について予め設定された各サンプル時間毎に順にその
組を構成する前記センサ及びアクチュエータを駆動させ
てエラー信号を得、得られたエラー信号に基づいて前記
適応型デジタルフィルタのフィルタ係数の更新を行うも
のである。
【0023】
【作用】上記の構成によって適応型フィルタのフィルタ
係数更新時における乗算回数が従来のMEFXやESの
ようにノイズセンサのやアクチュエータの数に大きく影
響されずに軽減できる電子消音方法となる。
係数更新時における乗算回数が従来のMEFXやESの
ようにノイズセンサのやアクチュエータの数に大きく影
響されずに軽減できる電子消音方法となる。
【0024】
【実施例】以下本発明の電子消音方法をその一実施例に
ついて図面に基づき詳細に説明する。
ついて図面に基づき詳細に説明する。
【0025】図1はノイズセンサ2個、アクチュエータ
3個、エラーセンサ2個を用いた電子消音装置であり、
アクチュエータとしてはスピーカを用いた。また図2及
び図3の従来技術と同じ構成要素については同一符号を
付した。
3個、エラーセンサ2個を用いた電子消音装置であり、
アクチュエータとしてはスピーカを用いた。また図2及
び図3の従来技術と同じ構成要素については同一符号を
付した。
【0026】同図においてノイズセンサ1、2から検出
されたデジタル信号は分岐され、該信号に各々j番目
(1≦j≦3)のアクチュエータ3〜5から、k番目
(k=1,2)のエラーセンサ6、7までのすべての組
み合わせの伝達関数Cjk8〜19が畳み込まれて演算さ
れる。なお、ノイズセンサ1、2の夫々に伝達関数cjk
8〜19を畳み込むため、これらノイズセンサ1、2に
畳み込まれる伝達関数cjkは同じものである。従って、
この畳み込み演算は1サンプリング内に12回行われ
る。
されたデジタル信号は分岐され、該信号に各々j番目
(1≦j≦3)のアクチュエータ3〜5から、k番目
(k=1,2)のエラーセンサ6、7までのすべての組
み合わせの伝達関数Cjk8〜19が畳み込まれて演算さ
れる。なお、ノイズセンサ1、2の夫々に伝達関数cjk
8〜19を畳み込むため、これらノイズセンサ1、2に
畳み込まれる伝達関数cjkは同じものである。従って、
この畳み込み演算は1サンプリング内に12回行われ
る。
【0027】次に畳み込まれた前記12個の出力信号は
エラーセンサ6、7からの出力信号と次式のアルゴリズ
ムに基づき、6個の適応型デジタルフィルタ(ADF:
Adaptive Digital Filter )20〜25のフィルタ係数
更新を6個のフィルタ更新部分(LMS)26〜31に
おいて、前述のESアルゴリズムのように、1サンプリ
ング内にエラーセンサだけに注目する方法を改良した方
法で行う。即ち、同じエラーセンサに関与する経路すべ
てのスイッチをONにするようにスイッチ32〜43を
スイッチ群として動作させるのでは、あるサンプリング
時には1番目のノイズセンサ1、1番目のエラーセンサ
6及び1番目のアクチュエータ3についてのすべての経
路に関する信号のみに注目し、スイッチ44、32をO
N状態としその他のスイッチをOFF状態にして適応型
デジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数の更新を行
う。この時の係数更新の演算アルゴリズムは
エラーセンサ6、7からの出力信号と次式のアルゴリズ
ムに基づき、6個の適応型デジタルフィルタ(ADF:
Adaptive Digital Filter )20〜25のフィルタ係数
更新を6個のフィルタ更新部分(LMS)26〜31に
おいて、前述のESアルゴリズムのように、1サンプリ
ング内にエラーセンサだけに注目する方法を改良した方
法で行う。即ち、同じエラーセンサに関与する経路すべ
てのスイッチをONにするようにスイッチ32〜43を
スイッチ群として動作させるのでは、あるサンプリング
時には1番目のノイズセンサ1、1番目のエラーセンサ
6及び1番目のアクチュエータ3についてのすべての経
路に関する信号のみに注目し、スイッチ44、32をO
N状態としその他のスイッチをOFF状態にして適応型
デジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数の更新を行
う。この時の係数更新の演算アルゴリズムは
【0028】
【数3】
【0029】であり、前記数2と同じである。そして更
新されたフィルタ係数を適応型デジタルフィルタ20〜
25の新たなフィルタ係数とし、ノイズセンサ1、2か
らの出力信号と適応型デジタルフィルタ20〜25の出
力信号とを畳み込み演算する。
新されたフィルタ係数を適応型デジタルフィルタ20〜
25の新たなフィルタ係数とし、ノイズセンサ1、2か
らの出力信号と適応型デジタルフィルタ20〜25の出
力信号とを畳み込み演算する。
【0030】こうして6系統の信号が得られるが、これ
らの信号を各アクチュエータ3〜5の3種類の組み合わ
せ毎に加算し、消音用の付加音信号が得られ、付加音が
アクチュエータ3〜5から発せられる。なお、前記スイ
ッチ32〜43の制御はスイッチコントローラSCによ
って行われている。
らの信号を各アクチュエータ3〜5の3種類の組み合わ
せ毎に加算し、消音用の付加音信号が得られ、付加音が
アクチュエータ3〜5から発せられる。なお、前記スイ
ッチ32〜43の制御はスイッチコントローラSCによ
って行われている。
【0031】次のサンプリング時には前記適応型デジタ
ルフィルタ20〜25のフィルタ係数更新に関すること
以外は前記サンプリング時と同じであるが、今回のサン
プリング時には1番目のノイズセンサ1、2番目のエラ
ーセンサ7及び1番目のアクチュエータ3についてのす
べての経路に関与する信号にのみ注目し、即ちスイッチ
44、35をON状態にし、その他のスイッチをOFF
にして前記と同様に適応型デジタルフィルタ20〜25
のフィルタ係数の更新を行う。
ルフィルタ20〜25のフィルタ係数更新に関すること
以外は前記サンプリング時と同じであるが、今回のサン
プリング時には1番目のノイズセンサ1、2番目のエラ
ーセンサ7及び1番目のアクチュエータ3についてのす
べての経路に関与する信号にのみ注目し、即ちスイッチ
44、35をON状態にし、その他のスイッチをOFF
にして前記と同様に適応型デジタルフィルタ20〜25
のフィルタ係数の更新を行う。
【0032】そして以後同様に次の表1に示すようにス
イッチ32〜43を切り換えて注目するノイズセンサ、
エラーセンサ、アクチュエータの組を換えて、適応型デ
ジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数の更新を行
う。
イッチ32〜43を切り換えて注目するノイズセンサ、
エラーセンサ、アクチュエータの組を換えて、適応型デ
ジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数の更新を行
う。
【0033】
【表1】
【0034】このようにして1サンプリング内に1つの
ノイズセンサと、1つのエラーセンサ及び1つのアクチ
ュエータに関与する1つの経路のみに注目し、適応型デ
ジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数の更新を行う
ことにより、消音の動作を行う。
ノイズセンサと、1つのエラーセンサ及び1つのアクチ
ュエータに関与する1つの経路のみに注目し、適応型デ
ジタルフィルタ20〜25のフィルタ係数の更新を行う
ことにより、消音の動作を行う。
【0035】ここで上記の手順で処理を実際に行った結
果を図4に示す。図4は消音動作の時間(sec)と消
音量(dB)との関係を示すグラフであり、比較のため
に従来のMEFXやESアルゴリズムを用いた場合のデ
ータを掲載している。この図4より、本実施例の収束時
間(飽和する時間)はMEFXやESに比べてやや時間
がかかるものの、消音量は従来のものと殆ど差がないこ
とがわかる。
果を図4に示す。図4は消音動作の時間(sec)と消
音量(dB)との関係を示すグラフであり、比較のため
に従来のMEFXやESアルゴリズムを用いた場合のデ
ータを掲載している。この図4より、本実施例の収束時
間(飽和する時間)はMEFXやESに比べてやや時間
がかかるものの、消音量は従来のものと殆ど差がないこ
とがわかる。
【0036】また表2には本実施例と従来方法の1サン
プリング内での処理量を示している。
プリング内での処理量を示している。
【0037】
【表2】
【0038】この表2より本実施例では従来に比べて著
しく処理量が減っていることがわかる。しかも当該表2
における本実施例のLMSでの処理量Nは従来のESア
ルゴリズムにおけるI、J、Kに全く依存せずシステム
のノイズセンサ、エラーセンサ及びアクチュエータの数
が変化しても常に一定値Nに抑えられることが明らかで
ある。
しく処理量が減っていることがわかる。しかも当該表2
における本実施例のLMSでの処理量Nは従来のESア
ルゴリズムにおけるI、J、Kに全く依存せずシステム
のノイズセンサ、エラーセンサ及びアクチュエータの数
が変化しても常に一定値Nに抑えられることが明らかで
ある。
【0039】
【発明の効果】以上の説明のように本発明によれば従来
のMEFXやE去る後リズムを用いた消音方法と同等の
消音効果が得られ、しかもその処理量においてLMS以
外の部分では3者とも等しく、LMSの部分については
本発明アルゴリズムによればノイズセンサI個、アクチ
ュエータJ個、エラーセンサK個として、MEFXに対
して1/IJK、ESアルゴリズムに対して1/IJと
いう大幅な低減を行うことが可能になる効果が期待で
き、しかも本発明ではこれらIJKの大きさにLMSの
処理量が影響を受けないという効果が生まれる。
のMEFXやE去る後リズムを用いた消音方法と同等の
消音効果が得られ、しかもその処理量においてLMS以
外の部分では3者とも等しく、LMSの部分については
本発明アルゴリズムによればノイズセンサI個、アクチ
ュエータJ個、エラーセンサK個として、MEFXに対
して1/IJK、ESアルゴリズムに対して1/IJと
いう大幅な低減を行うことが可能になる効果が期待で
き、しかも本発明ではこれらIJKの大きさにLMSの
処理量が影響を受けないという効果が生まれる。
【図1】本発明の電子消音方法の一実施例を示す回路ブ
ロック図である。
ロック図である。
【図2】従来のMEFXアルゴリズムを用いた電子消音
方法を示す回路ブロック図である。
方法を示す回路ブロック図である。
【図3】従来のESアルゴリズムを用いた電子消音方法
を示す回路ブロック図である。
を示す回路ブロック図である。
【図4】本発明方法と従来方法を比較した消音効果を示
すグラフである。
すグラフである。
1、2 ノイズセンサ 3〜5 アクチュエータ(スピーカ) 6、7 エラーセンサ 8〜19 伝達関数cij 20〜25 適応型デジタルフィルタ(AD
F) 26〜31 LMS 32〜43 スイッチ
F) 26〜31 LMS 32〜43 スイッチ
Claims (1)
- 【請求項1】 一つまたは複数の騒音源の騒音情報を検
出するノイズセンサと、該ノイズセンサにより検出され
た騒音情報を打ち消すための付加音信号を作成する複数
の適応型デジタルフィルタと、該適応型デジタルフィル
タが作成する付加音信号によって駆動され騒音を打ち消
す付加音を発生する複数のアクチュエータと、前記騒音
と付加音との混合音を検出するとともに前記適応型デジ
タルフィルタのフィルタ係数を更新するためのエラー信
号を送る複数のエラーセンサとよりなり、前記1つまた
は複数のノイズセンサの内の一つまたは二つ以上、前記
複数のアクチュエータの内の一つまたは二つ以上、及び
前記複数のエラーセンサの内の一つまたは二つ以上から
なる組を生成し、すべての組について予め設定された各
サンプル時間毎に順にその組を構成する前記センサ及び
アクチュエータを駆動させてエラー信号を得、得られた
エラー信号に基づいて前記適応型デジタルフィルタのフ
ィルタ係数の更新を行うことを特徴とする電子消音方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5124318A JPH06332478A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 電子消音方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5124318A JPH06332478A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 電子消音方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06332478A true JPH06332478A (ja) | 1994-12-02 |
Family
ID=14882368
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5124318A Pending JPH06332478A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 電子消音方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06332478A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006051602A1 (ja) * | 2004-11-12 | 2006-05-18 | Takenaka Corporation | 騒音低減装置 |
JP2009090904A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Alpine Electronics Inc | 騒音キャンセルシステム |
-
1993
- 1993-05-26 JP JP5124318A patent/JPH06332478A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006051602A1 (ja) * | 2004-11-12 | 2006-05-18 | Takenaka Corporation | 騒音低減装置 |
JP2009090904A (ja) * | 2007-10-11 | 2009-04-30 | Alpine Electronics Inc | 騒音キャンセルシステム |
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