JPH07287586A - 騒音消去装置 - Google Patents

騒音消去装置

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Publication number
JPH07287586A
JPH07287586A JP6104651A JP10465194A JPH07287586A JP H07287586 A JPH07287586 A JP H07287586A JP 6104651 A JP6104651 A JP 6104651A JP 10465194 A JP10465194 A JP 10465194A JP H07287586 A JPH07287586 A JP H07287586A
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JP
Japan
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noise
control
signal
error
detector
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Application number
JP6104651A
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English (en)
Inventor
Tadashi Tamura
忠司 田村
Kenichi Terai
賢一 寺井
Hiroyuki Hashimoto
裕之 橋本
Yasutoshi Nakama
保利 中間
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハードウェアの規模を大きくせずに、充分な
消音効果が得られ、騒音付加・発散等もなく、信頼性が
高い騒音消去装置を実現すること。 【構成】 騒音源1からの騒音を消去するために、制御
スピーカ4a,4b、及び到来騒音と制御音との誤差を
検出する誤差検出器5,5bを音響空間に配置する。騒
音分析手段11により騒音のスペクトラムを調べ、低域
のレベルが大きい騒音に対しては、セレクタ14を図1
のように切り換える。そして雑音検出信号を適応フィル
タ部13に通し、雑音を消去する制御信号を生成する。
このとき、低域主体にに対しては適応フィルタ部13の
タップ数を多くとる。高域のレベルが大きいとき、制御
スピーカ4a,4bを独立に動作させ、タップ数を少な
くする。こうすると騒音に対し、少ないメモリ容量で最
適の適応制御ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は騒音を能動的に消去する
騒音消去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境騒音をデジタル信号処理技術
を用いて制御スピーカから制御音を出力し、受聴位置で
騒音を消去する能動的な騒音消去装置が提案されてい
る。このような従来の騒音消去装置について説明する。
図19は従来の騒音消去装置の構成を示すブロック図で
ある。
【0003】本図において、騒音源1から放射された騒
音は騒音検出器2で検出され、騒音検出器2の出力信号
は適応フィルタ3に入力されて制御音の信号に変換され
る。この信号は制御スピーカ4より制御音として出力さ
れ、制御系の伝達特性Cを経て、受聴者に達する。この
制御音は騒音伝達経路Gを経てきた受聴者への騒音を相
殺することによって騒音を消去するものであり、その誤
差が誤差検出器5で検出される。
【0004】一方、騒音検出器2で検出された騒音検出
信号は、制御系の伝達特性Cの逆特性(C’)を設定し
た演算器6を経た後、乗算器7によって誤差検出信号と
乗算され、係数更新信号として適応フィルタ3に入力さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
騒音消去装置において、広い音響空間で大きな消音効果
を得ようとした場合、マルチ制御が必要となり、その結
果ハードウェア規模が大きくなり、実用化が困難となる
という問題点があった。そこでハードウェア規模の縮小
のため、演算器6のタップ数を削減しようとすると、演
算器6では低音域の信号処理ができなくなり、騒音がか
えって付加されたり、制御が発散するという問題点(そ
の1)が生じる。
【0006】また、誤差検出器5が制御スピーカ4から
離れて設置されている場合、演算器7で逆伝達特性C’
を同定した後、誤差検出器5と制御スピーカ4との間に
障害物が入った場合、伝達特性が変化するので、周波数
特性上でピークディップの多いものとなり、消音効果に
悪影響を与えるという問題点(その2)が生じる。
【0007】本発明はこのような従来の問題点に鑑みて
なされたものであって、小さいハードウェア規模で充分
な消音効果が得られ、騒音付加及び制御上の発散等がな
く、かつ信頼性が高い騒音消去装置を提供することを目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、騒音源からの騒音を消去する複数の制御スピーカ
と、騒音源からの騒音と制御スピーカからの制御音との
誤差を検出する複数の誤差検出器と、騒音源の騒音を検
出する騒音検出器と、騒音検出器の信号が入力され、制
御信号を出力する装置制御手段と、騒音源の騒音の周波
数特性を分析する騒音分析手段と、騒音分析手段の信号
と装置制御手段の制御信号が入力され、制御音の信号を
生成する適応フィルタ部と、装置制御手段の制御信号が
入力され、適応フィルタ部から制御スピーカに与える制
御音の信号を分配すると共に、誤差検出器の信号を分配
して適応フィルタ部に与えるセレクタと、を具備するこ
とを特徴とするものである。
【0009】本願の請求項2の発明は、騒音源から放射
される騒音を含む音響空間において、到来騒音を相殺す
る制御音を発生させることにより、受聴者の耳に入射さ
れる騒音を少なくする騒音消去装置であって、制御音を
出力する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音と制
御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の誤差
検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、騒音
検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を分析する
騒音分析手段と、複数の遅延器、及び遅延器の各出力に
タップ係数を乗算する複数の係数乗算器を有するデジタ
ルフィルタを含み、騒音検出器の騒音検出信号と誤差検
出器の誤差検出信号とが入力されると、誤差検出器から
の誤差検出信号が最小となるよう各制御スピーカの制御
音の信号を複数組み生成する適応フィルタ部と、適応フ
ィルタ部の制御音の信号が複数組み入力され、特定の制
御音の信号を選択すると共に、誤差検出器の出力する複
数の誤差検出信号を選択して適応フィルタ部に与えるセ
レクタと、騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベ
ルが大きいとき、セレクタに対して複数の制御スピーカ
と誤差検出器の内、特定組みのものを並列駆動する切換
信号を出力し、騒音の高域成分のレベルが大きいとき、
適応フィルタ部に対して、デジタルフィルタのタップ数
を減少させるよう制御信号を出力する装置制御手段と、
を具備することを特徴とするものである。
【0010】本願の請求項3の発明は、騒音源からの騒
音を消去する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音
と制御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の
誤差検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、
騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する装置
制御手段と、騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音
分析手段と、制御音の信号を生成して制御スピーカに与
える複数の適応フィルタと、装置制御手段の制御信号が
入力され、制御スピーカから誤差検出器までの伝達特性
と騒音検出信号との畳込み演算を行う複数の演算器を有
するFX部と、複数のIIRフィルタで構成され、装置
制御手段の制御信号が入力されて騒音検出器の信号を周
波数変換するIIR部と、FX部の各演算器の出力信号
と誤差検出器の誤差検出信号とを乗算し、適応フィルタ
の係数更新信号を出力する複数の乗算器と、を具備する
ことを特徴とするものである。
【0011】本願の請求項4の発明は、騒音源から放射
される騒音を含む音響空間において、到来騒音を相殺す
る制御音を発生させることにより、受聴者の耳に入射さ
れる騒音を少なくする騒音消去装置であって、制御音を
出力する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音と制
御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の誤差
検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、騒音
検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を分析する
騒音分析手段と、複数のタップ係数を有する適応制御形
のデジタルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検出
信号が入力されると、制御音の信号を生成して制御スピ
ーカに与える複数の適応フィルタと、誤差検出器の誤差
検出信号が入力され、該誤差検出信号の値が最小となる
よう係数更新信号を適応フィルタに出力する複数の乗算
器と、複数のIIRフィルタで構成され、騒音検出器の
騒音検出信号が入力されると、入力信号の低域成分を遮
断するか、周波数補正をせずに入力信号をそのまま出力
するIIR部と、デジタルフィルタで構成され、IIR
部の信号が入力されると、制御スピーカと誤差検出器と
の音響経路の伝達関数と逆特性の伝達関数により入力信
号を変換して乗算器に与える演算器を複数組み有するF
X部と、騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベル
が大きいとき、IIR部に対し入力信号をそのまま通過
させるよう制御信号を出力し、騒音の高域成分が大きい
とき、IIR部に対し入力信号の低域部分を遮断するよ
う制御信号を出力し、FX部に対して各演算器のタップ
数を減少させるよう制御信号を出力する装置制御手段
と、を具備することを特徴とするものである。
【0012】本願の請求項5の発明は、騒音源からの騒
音を消去する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音
と制御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の
誤差検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、
騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する装置
制御手段と、騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音
分析手段と、制御音の信号を生成する複数の適応フィル
タと、装置制御手段の制御信号が入力され、制御スピー
カから誤差検出器までの伝達特性と騒音検出信号との畳
込み演算を行う複数の演算器を有するFX部と、FX部
の各演算器の出力信号と誤差検出器の誤差検出信号とを
乗算し、適応フィルタの係数更新信号を出力する複数の
乗算器と、装置制御手段の制御信号が入力され、適応フ
ィルタから制御スピーカに与える制御音の信号を分配す
ると共に、誤差検出器の信号を分配して乗算器に与える
セレクタと、を具備することを特徴とするものである。
【0013】本願の請求項6の発明は、騒音源から放射
される騒音を含む音響空間において、到来騒音を相殺す
る制御音を発生させることにより、受聴者の耳に入射さ
れる騒音を少なくする騒音消去装置であって、制御音を
出力する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音と制
御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の誤差
検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、騒音
検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を分析する
騒音分析手段と、複数のタップ係数を有する適応制御形
のデジタルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検出
信号が入力されると、制御音の信号を生成して制御スピ
ーカに与える複数の適応フィルタと、誤差検出器の誤差
検出信号が入力され、この値が最小となるよう係数更新
信号を適応フィルタに出力する複数の乗算器と、デジタ
ルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検出信号が入
力されると、制御スピーカと誤差検出器との音響経路の
伝達関数と逆特性の伝達関数で入力信号を変換して乗算
器に与える演算器を複数組み有するFX部と、適応フィ
ルタの制御音の信号が複数組み入力され、特定の制御音
の信号を選択すると共に、誤差検出器の出力する複数の
誤差検出信号を選択して乗算器に与えるセレクタと、騒
音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大きいと
き、セレクタに対して複数の制御スピーカと誤差検出器
の内、特定組みのものを並列駆動する切換信号を出力
し、騒音の高域成分のレベルが大きいとき、FX部に対
して各演算器のタップ数を減少させるよう制御信号を出
力する装置制御手段と、を具備することを特徴とするも
のである。
【0014】本願の請求項7の発明は、騒音源からの騒
音を消去する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音
と制御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の
誤差検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、
騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する装置
制御手段と、騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音
分析手段と、制御音の信号を生成する複数の適応フィル
タと、複数のIIRフィルタで構成され、装置制御手段
の制御信号が入力されて騒音検出器の信号を周波数変換
するIIR部と、IIR部の信号が入力され、装置制御
手段の制御信号に基づいて制御スピーカから誤差検出器
までの伝達特性と騒音検出信号との畳込み演算を行う複
数の演算器を有するFX部と、FX部の各演算器の出力
信号と誤差検出器の誤差検出信号とを乗算し、適応フィ
ルタの係数更新信号を出力する複数の乗算器と、装置制
御手段の制御信号が入力され、適応フィルタから制御ス
ピーカに与える制御音の信号を分配すると共に、誤差検
出器の信号を分配して乗算器に与えるセレクタと、を具
備することを特徴とするものである。
【0015】本願の請求項8の発明は、騒音源から放射
される騒音を含む音響空間において、到来騒音を相殺す
る制御音を発生させることにより、受聴者の耳に入射さ
れる騒音を少なくする騒音消去装置であって、制御音を
出力する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音と制
御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の誤差
検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、騒音
検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を分析する
騒音分析手段と、複数のタップ係数を有する適応制御形
のデジタルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検出
信号が入力されると、制御音の信号を生成して制御スピ
ーカに与える複数の適応フィルタと、誤差検出器の誤差
検出信号が入力され、この値が最小となるよう係数更新
信号を適応フィルタに出力する複数の乗算器と、複数の
IIRフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検出信号
が入力されると、入力信号の低域成分を遮断するか、周
波数補正をせずに入力信号をそのまま出力するIIR部
と、デジタルフィルタで構成され、IIR部の信号が入
力されると、制御スピーカと誤差検出器との音響経路の
伝達関数と逆特性の伝達関数で入力信号を変換して乗算
器に与える演算器を複数組み有するFX部と、適応フィ
ルタの制御音の信号が複数組み入力され、特定の制御音
の信号を選択すると共に、誤差検出器の出力する複数の
誤差検出信号を選択して乗算器に与えるセレクタと、騒
音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大きいと
き、セレクタに対して複数の制御スピーカと誤差検出器
の内、特定組みのものを並列駆動する切換信号を出力す
ると共に、IIR部に対し入力信号をそのまま通過させ
るよう制御信号を出力し、騒音の高域成分のレベルが大
きいとき、IIR部に対し入力信号の低域部分を遮断す
るよう制御信号を出力し、FX部に対して各演算器のタ
ップ数を減少させるよう制御信号を出力し、セレクタに
対して複数の制御スピーカと誤差検出器を独立に駆動す
る切換信号を出力する装置制御手段と、を具備すること
を特徴とするものである。
【0016】本願の請求項9の発明は、騒音源からの騒
音を消去する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音
と制御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の
誤差検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、
騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する装置
制御手段と、騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音
分析手段と、制御音の信号を生成する複数の適応フィル
タと、装置制御手段の制御信号に基づいて、制御スピー
カから誤差検出器までの伝達特性と騒音検出信号との畳
込み演算を行う複数の演算器、及び演算器の利得を調整
する複数のゲイン調整器を有するFX部と、FX部の各
ゲイン調整器の出力を加算した信号と誤差検出器の誤差
検出信号とを乗算し、適応フィルタの係数更新信号を出
力する複数の乗算器と、を具備することを特徴とするも
のである。
【0017】本願の請求項10の発明は、騒音源から放
射される騒音を含む音響空間において、到来騒音を相殺
する制御音を発生させることにより、受聴者の耳に入射
される騒音を少なくする騒音消去装置であって、制御音
を出力する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音と
制御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の誤
差検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、騒
音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を分析す
る騒音分析手段と、複数のタップ係数を有する適応制御
形のデジタルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検
出信号が入力されると、制御音の信号を生成して制御ス
ピーカに与える複数の適応フィルタと、誤差検出器の誤
差検出信号が入力され、この値が最小となるよう係数更
新信号を適応フィルタに出力する複数の乗算器と、デジ
タルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検出信号が
入力されると、制御スピーカと誤差検出器との音響経路
の伝達関数と逆特性の伝達関数で入力信号を低域成分か
ら変換する第1の演算器、該入力信号を中域成分から変
換し、第1の演算器よりタップ数の少ない第2の演算
器、第1及び第2の演算器の出力割合を徐々に変化させ
て加算するクロスフェード処理回路、を夫々複数組み有
するFX部と、騒音分析手段によって騒音の低域成分の
レベルが大きいとき、FX部に対して第1の演算器を動
作させるよう制御信号を出力し、騒音の高域成分のレヘ
ルが大きいとき、FX部に対して第2の演算器を動作さ
せるよう制御信号を出力し、騒音源の周波数特性の変動
部分が帯域的に変化したとき、第1及び第2の演算器を
クロスフェード動作させるよう制御信号を出力する装置
制御手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0018】本願の請求項11の発明は、騒音源からの
騒音を消去する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒
音と制御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数
の誤差検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器
と、騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する
装置制御手段と、騒音源の騒音の周波数特性を分析する
騒音分析手段と、制御音の信号を生成する複数の適応フ
ィルタと、装置制御手段の制御信号に基づいて、制御ス
ピーカから誤差検出器までの伝達特性と騒音検出信号と
の畳込み演算を行う複数の演算器、及び演算器の利得を
調整する複数のゲイン調整器を有するFX部と、FX部
の各ゲイン調整器の出力を加算した信号と誤差検出器の
誤差検出信号とを乗算し、適応フィルタの係数更新信号
を出力する複数の乗算器と、装置制御手段の制御信号が
入力され、適応フィルタから制御スピーカに与える制御
音の信号を分配すると共に、誤差検出器の信号を分配し
て乗算器に与えるセレクタと、を具備することを特徴と
するものである。
【0019】本願の請求項12の発明は、騒音源から放
射される騒音を含む音響空間において、到来騒音を相殺
する制御音を発生させることにより、受聴者の耳に入射
される騒音を少なくする騒音消去装置であって、制御音
を出力する複数の制御スピーカと、騒音源からの騒音と
制御スピーカからの制御音との誤差を検出する複数の誤
差検出器と、騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、騒
音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を分析す
る騒音分析手段と、複数のタップ係数を有する適応制御
形のデジタルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検
出信号が入力されると、制御音の信号を生成して制御ス
ピーカに与える複数の適応フィルタと、誤差検出器の誤
差検出信号が入力され、この値が最小となるよう係数更
新信号を適応フィルタに出力する複数の乗算器と、デジ
タルフィルタで構成され、騒音検出器の騒音検出信号が
入力されると、制御スピーカと誤差検出器との音響経路
の伝達関数と逆特性の伝達関数で入力信号を低域成分か
ら変換する第1の演算器、該入力信号を中域成分から変
換し、第1の演算器よりタップ数の少ない第2の演算
器、第1及び第2の演算器の出力割合を徐々に変化させ
て加算するクロスフェード処理回路、を夫々複数組み有
するFX部と、適応フィルタの制御音の信号が複数組み
入力され、特定の制御音の信号を選択すると共に、誤差
検出器の出力する複数の誤差検出信号を選択して乗算器
に与えるセレクタと、騒音分析手段によって騒音の低域
成分のレベルが大きいとき、FX部に対して第1の演算
器を動作させるよう制御信号を出力すると共に、セレク
タに対して複数の制御スピーカと誤差検出器の内、特定
組みのものを並列駆動する切換信号を出力し、騒音の高
域成分のレベルが大きいとき、FX部に対して第2の演
算器を動作させるよう制御信号を出力すると共に、セレ
クタに対して複数の制御スピーカと誤差検出器を独立に
駆動する切換信号を出力し、騒音源の周波数特性の変動
部分が帯域的に変化したとき、第1及び第2の演算器を
クロスフェード動作させるよう制御信号を出力する装置
制御手段と、を具備することを特徴とするものである。
【0020】
【作用】このような特徴を有する本願の請求項1,2の
発明によれば、騒音分析手段によって騒音の低域成分の
レベルが大きいと判定されたとき、セレクタに対して複
数の制御スピーカと誤差検出器の内、特定組みのものを
並列駆動する切換信号を出力する。また騒音の高域成分
のレベルが大きいとき、適応フィルタ部に対して、デジ
タルフィルタのタップ数を減少させるよう制御信号を出
力する。こうすると騒音のスペクトラムに応じて制御ス
ピーカと誤差検出器とを選択して制御するため、適応フ
ィルタ部のメモリが十分に活用され、その容量も少なく
て済む。
【0021】また本願の請求項3,4の発明によれば、
騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大きい
と判定されたとき、装置制御手段はIIR部に対し入力
信号をそのまま通過させるよう制御信号を出力し、騒音
の高域成分が大きいと判定されたとき、IIR部に対し
入力信号の低域部分を遮断するよう制御信号を出力す
る。またFX部に対して各演算器のタップ数を減少させ
るよう制御信号を出力する。こうすると騒音のスペクト
ラムに応じて制御スピーカと誤差検出器とを選択して制
御するため、FX部のメモリが十分に活用され、その容
量も少なくて済む。さらに制御スピーカと誤差検出器を
音響空間に多数配置しているので、騒音消去のマルチ制
御が行える。
【0022】また本願の請求項5,6の発明によれば、
騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大きい
と判定されたとき、セレクタに対して複数の制御スピー
カと誤差検出器の内、特定組みのものを並列駆動する切
換信号を出力する。また騒音の高域成分のレベルが大き
いと判定されたとき、装置制御手段はFX部に対して各
演算器のタップ数を減少させるよう制御信号を出力す
る。こうするとIIR部も不要となり、騒音のスペクト
ラムに応じて制御スピーカと誤差検出器とを選択して制
御することにより、FX部のメモリが十分に活用され、
その容量も少なくて済む。さらに制御スピーカと誤差検
出器を音響空間に多数配置しているので、騒音消去のマ
ルチ制御が行える。
【0023】また本願の請求項7,8の発明によれば、
記騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大き
いと判定されたとき、セレクタに対して前記複数の制御
スピーカと誤差検出器の内、特定組みのものを並列駆動
する切換信号を出力すると共に、IIR部に対し入力信
号をそのまま通過させるよう制御信号を出力する。ま
た、騒音の高域成分のレベルが大きいと判定されたと
き、装置制御手段は、IIR部に対し入力信号の低域部
分を遮断するよう制御信号を出力し、FX部に対して各
演算器のタップ数を減少させるよう制御信号を出力す
る。さらにセレクタに対して複数の制御スピーカと誤差
検出器を独立に駆動する切換信号を出力する。こうする
と、騒音のスペクトラムに応じて制御スピーカと誤差検
出器とを選択して制御することにより、FX部のメモリ
が十分に活用され、その容量も少なくて済む。さらに制
御スピーカと誤差検出器を音響空間に多数配置している
ので、騒音消去のマルチ制御がより正確に行える。
【0024】また本願の請求項9,10の発明によれ
ば、騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
きいと判定されたとき、装置制御手段はFX部に対して
第1の演算器を動作させるよう制御信号を出力し、騒音
の高域成分のレヘルが大きいと判定されたとき、FX部
に対して第2の演算器を動作させるよう制御信号を出力
する。また、騒音源の周波数特性の変動部分が帯域的に
変化したとき、第1及び第2の演算器をクロスフェード
動作させるよう制御信号を出力する。こうすると騒音の
スペクトラムに応じて制御スピーカと誤差検出器とを選
択して制御することにより、FX部のメモリが十分に活
用され、その容量も少なくて済む。さらに制御スピーカ
と誤差検出器を音響空間に多数配置しているので、騒音
消去のマルチ制御がより正確に行える。また騒音の周波
数特性が変化したとき、適応フィルタの動作が円滑に変
化し、受聴者に消音制御の違和感を与えない。
【0025】また本願の請求項11,12の発明によれ
ば、騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
きいと判定されたとき、装置制御手段はFX部に対して
第1の演算器を動作させるよう制御信号を出力すると共
に、セレクタに対して複数の制御スピーカと誤差検出器
の内、特定組みのものを並列駆動する切換信号を出力す
る。また、騒音の高域成分のレベルが大きいと判定され
たとき、装置制御手段はFX部に対して第2の演算器を
動作させるよう制御信号を出力すると共に、セレクタに
対して複数の制御スピーカと誤差検出器を独立に駆動す
る切換信号を出力する。さらに、騒音源の周波数特性の
変動部分が帯域的に変化したとき、第1及び第2の演算
器をクロスフェード動作させるよう制御信号を出力す
る。こうすると騒音のスペクトラムに応じて制御スピー
カと誤差検出器とを選択して制御することにより、FX
部のメモリが十分に活用され、その容量も一層少なくて
済む。さらに制御スピーカと誤差検出器を音響空間に多
数配置しているので、騒音消去のマルチ制御がより正確
に行える。また騒音の周波数特性が変化したとき、適応
フィルタの動作が円滑に変化し、受聴者に消音制御の違
和感を与えない。
【0026】
【実施例】本発明の第1実施例における消音消去装置に
ついて図1、図2を参照しながら説明する。図1、図2
は第1実施例における騒音消去装置10の構成を夫々示
すブロック図であり、従来例と同一部分は同一の符号を
つけて説明する。図1の騒音消去装置10は、騒音の低
域成分のレベルが大きい場合の接続状態を示し、図2は
騒音の高域成分のレベルが大きい場合の接続状態を示し
ている。
【0027】図1、図2において、騒音源1に対して複
数の誤差検出器5a,5bが設置されている。誤差検出
器5は制御スピーカ4から出力される制御音と、騒音源
1から放射される騒音との誤差音を検出するマイクロホ
ンで、受聴者に近接して設置される。制御スピーカ4
a,4bは受聴者の居る音響空間に設けられ、騒音Nを
相殺する制御音を出力するスピーカである。このように
マルチ制御の場合、制御スピーカ4と誤差検出器5は複
数組み設けられる。
【0028】騒音分析手段11は騒音検出器2の信号が
入力されると、騒音源1の騒音スペクトラムを分析する
回路で、特に信号処理の対象となる周波数帯域におい
て、低域のレベルが大きいか、そうでないかが判定さ
れ、その結果が装置制御手段12及び適応フィルタ部1
3に出力される。装置制御手段12は騒音消去装置10
の制御部であり、適応フィルタ部13に各種の制御信号
を出力すると共に、セレクタ14に切換信号を出力す
る。
【0029】次に適応フィルタ部13は複数個の適応フ
ィルタ、乗算器、演算器等により構成される回路で、騒
音検出器2と誤差検出器5の出力信号に基づいて、制御
音の信号を生成する回路である。セレクタ14は、制御
スピーカ4a,4bの入力端及び誤差検出器5a,5b
の出力端と、適応フィルタ部13との間に接続される回
路で、切換回路15と加算器16を含んで構成される。
【0030】切換回路15はスイッチ15a〜15dを
有している。スイッチ15aは制御スピーカ4a,4b
間に接続され、スイッチ15bは誤差検出器5bと、加
算器16の加算入力端との間に接続されている。またス
イッチ15cは制御スピーカ4bと適応フィルタ部13
との間に接続され、スイッチ15dは誤差検出器5bと
適応フィルタ部13との間に接続されている。加算器1
6は誤差検出器5aの出力信号と、スイッチ15bを介
して入力される誤差検出器5bの信号とを加算する回路
であり、その加算出力は適応フィルタ部13に与えられ
る。なおスイッチ15a〜15dは装置制御手段12の
出力する切換信号に同期して連動するスイッチである。
【0031】このように構成された第1実施例の騒音消
去装置10の動作について説明する。図3,図4は騒音
源1の騒音Nの周波数スペクトラムを示す図で、図3は
低域のレベルが大きい場合を示し、図4は高域のレベル
が大きい場合を示している。
【0032】さて、騒音分析手段11による騒音Nの周
波数特性が図3のように低域のレベルが大きい場合に
は、装置制御手段12は切換信号を出力し、スイッチ1
5a,15bを夫々オンとし、スイッチ15c,15d
を夫々オフとする。この状態では切換回路15は図1の
ようになり、制御スピーカ4a,4bは並列駆動され
る。また誤差検出器5a,5bの出力も加算器16で加
算され、1つの信号として適応フィルタ部13に入力さ
れる。
【0033】図1,図2に示すG1,G2は、夫々騒音
源1から誤差検出器5a,5bに至る音響の伝達関数と
する。例えば2個の誤差検出器5a,5bが受聴者の左
右の耳に夫々配置されており、低域のレベルが大きい騒
音Nに対して、消音のための制御音を放射しようとして
も、音の波長が誤差検出器5a,5bの間隔に比べて長
く、誤差検出器5a,5bに到来する騒音N*G1,及
び騒音N*G2の位相は殆ど同一である。このため制御
スピーカ4a,4b、及び誤差検出器5a,5bを夫々
独立に動作させる必要はない。
【0034】さて図1の騒音消去装置10において、騒
音源1から放射された騒音Nは騒音検出器2で検出さ
れ、適応フィルタ部13に入力される。制御スピーカ4
a,4bから誤差検出器5a,5bに至る音響経路の伝
達関数を夫々C1,C2とすると、適応フィルタ部13
内部の演算器は、その伝達関数C1’,C2’として伝
達関数C1,C2と逆特性の値に設定される。誤差検出
器5a,5bから入力された誤差音の信号(誤差検出信
号)は加算器16で加算され、適応フィルタ部13内の
乗算器に入力される。この乗算器は誤差検出信号と演算
器の出力との乗算をし、この信号を更新制御信号として
適応フィルタに与える。
【0035】こうして適応フィルタで生成された1つの
制御音の信号は制御スビーカ4a,4bに出力される。
そして制御スピーカ4a,4bから制御音が出力され、
騒音源1から到来した騒音N*G1,及びN*G2を相
殺する。このような低域主体の騒音Nを消去するには、
適応フィルタ部13に内蔵されるFIRフイルタのタッ
プ数は多くなければならない。低域の音はその周期又は
波長が長く、例えば1周期以上の音響信号を取り込むに
は、多くの遅延器及び係数乗算器を必要とする。特に遅
延器はメモリで構成される場合が多いので、そのメモリ
容量は大きなものを必要とする。しかし図1のような騒
音消去装置10では、適応フィルタ13には1チャンネ
ル分の信号処理回路を設けるだけでよく、総合的にメモ
リ容量の低減化を図ることができる。
【0036】次に図2の騒音消去装置10の動作につい
て説明する。騒音分析手段11による騒音源1の騒音N
を測定し、その周波数特性が図4に示すように高域のレ
ベルが大きい場合には、装置制御手段12により切換回
路15を図2のように切り換える。即ち処理すべき音の
波長が短く、誤差検出器5a,5bには位相の異なる騒
音N*G1、N*G2が入射される。このため受聴者に
聞こえる騒音の消し残りを少なくするには、制御スピー
カ4a,4bを独立に駆動しなければならない。
【0037】このため装置制御手段12はスイッチ15
a,15bをオフとし、スイッチ15c,15dをオン
とする切換信号を出力する。この場合の動作について
は、図1の適応フィルタ部13における適応フィルタ、
乗算器、演算器を夫々2チャンネル分動作させること以
外は、図1と同様であり、その説明は省略する。
【0038】さて高域のレベルが大きい場合、信号処理
の対象となる音の周期又は波長は短い。従って1周期以
上の音響信号を取り込むには、FIRフィルタを構成す
る遅延器及び係数乗算器の数が少なくて済む。このこと
は1チャンネル毎のメモリ容量は小さなものでよい。従
って総合的にメモリ容量を増加させる必要はなく、むし
ろ低域処理の場合に比べて容量が少なくなる。
【0039】以上のような動作原理により、騒音の変動
を検出し、騒音Nのスペクトラムに応じて、制御スピー
カ4と誤差検出器5とを選択し制御を行うため、限られ
たハードウェア規模においても消音効果を損なうことな
く、広い音響空間で充分な消音を正確に行うことができ
る。
【0040】次に本発明の第2実施例における消音消去
装置について図5、図6を参照しながら説明する。図
5、図6は第2実施例における騒音消去装置20の構成
を夫々示すブロック図であり、第1実施例と同一部分は
同一の符号をつけ、その説明は省略する。図5は騒音の
低域レベルが大きい場合の接続状態を示し、図6は騒音
の高域レベルが大きい場合の接続状態を示している。
【0041】第1実施例と異なり、騒音消去装置20に
は騒音源1に対して4つの制御スピーカ4a〜4dと、
4つの誤差検出器5a〜5dが設けられている。これは
騒音消去をマルチ制御で行うためであり、騒音消去の対
象となる音響空間が広いか、又は受聴者の位置が変動し
ても消音効果を得るためである。
【0042】さて装置制御手段12の出力する各種の制
御信号はIIR部21とFX部22に与えられる。II
R部21は複数のIIR(Infinite Impulse Response
)フィルタを有する回路で、騒音検出器2の騒音検出
信号を入力し、制御対象となる音響周波数帯域の低域部
分を遮断する働きを行う。基本的にはIIR部21は図
6に示すようにIIRフィルタ21a〜21dを有し、
制御スピーカ4における低次の共振周波数f0以下の利
得を減衰させるフィルタである。なお図5に示すIIR
部21では各IIRフィルタ21a〜21dはスルーと
なり、低域信号の利得低下を行わないものとする。
【0043】FX(Filtered X)部22は、FIR(Fi
nite Impulse Response )フィルタで構成される演算器
22a〜22dを有している。ここで制御スピーカ4
a,4b,4c,4dから、誤差検出器5a,5b,5
c,5dへの音響経路の伝達関数を夫々C1,C2,C
3,C4とする。例えば演算器22aはIIRフィルタ
21aの信号を入力し、伝達関数C1と逆特性の伝達関
数C1’又はC1”を有するもので、その出力は乗算器
23aに与えられる。また演算器22bはIIRフィル
タ21bの信号を入力し、伝達関数C2と逆特性の伝達
関数C2’又はC2”を有するもので、その出力は乗算
器23bに与えられる。同様に演算器22cはIIRフ
ィルタ21cの信号を入力し、伝達関数C3と逆特性の
伝達関数C3’又はC3”を有するもので、その出力は
乗算器23cに与えられる。そして演算器22dはII
Rフィルタ21dの信号を入力し、伝達関数C4と逆特
性の伝達関数C4’又はC4”を有するもので、その出
力は乗算器23dに与えられる。
【0044】図7(a)は伝達関数C’に設定された演
算器22a〜22dの周波数特性、(b)はIIRフィ
ルタ21a〜21dの周波数特性、(c)は伝達関数
C”に設定された演算器22a〜22dの周波数特性で
ある。このようなFX部22の伝達特性は装置制御手段
12の制御信号によって切り換えられる。またIIR部
21において、低域の信号を遮断するため、IIRフィ
ルタ21a〜21dを動作させるか、スルーとするかは
同じく装置制御手段12の制御信号によって制御される
ものとする。
【0045】さて騒音検出器2の騒音検出信号は適応フ
ィルタ24a〜24dにも与えられる。適応フィルタ2
4はFIRフィルタで構成され、乗算器23の出力する
係数更新信号によってタップ係数が適応制御される回路
である。即ち適応フィルタ24は騒音Nの信号が入力さ
れると、到来騒音N*Gを相殺する制御音の信号を生成
する。適応フィルタ24は複数の遅延器と係数乗算器と
を有しているので、各係数乗算器の乗算係数(タップ係
数)は乗算器23によって制御される。適応フィルタ2
4a,24b,24c,24dの出力は夫々制御スピー
カ4a,4b,4c,4dに与えられる。
【0046】乗算器23は誤差検出器5からの誤差検出
信号と、FX部22の信号とを入力し、係数更新信号を
生成して適応フィルタ24に与える回路である。乗算器
23は例えばLMSフィルタにより構成され、誤差検出
器5の誤差検出信号が最小となるよう係数更新信号を出
力する。この更新アルゴリズムは例えば学習同定法等を
用いることができる(「ディジタル信号処理の応用」P
219 コロナ社 電機通信学会参照)。
【0047】このように構成された第2実施例の騒音消
去装置20の動作について説明する。騒音分析手段11
による騒音Nの周波数特性が図3のように低域のレベル
が大きい場合には、装置制御手段12は制御信号を出力
し、図5に示すようにIIR部21をスルーとする。又
FX部22の演算器22a〜22dの伝達特性をC1’
〜C4’に夫々切り換える。この状態ではIIR部21
とFX部22の総合伝達関数の周波数特性は図7(a)
に示すように、共振周波数f0を含む低域から高域まで
信号を通過させる特性となる。
【0048】このときのFX部22のメモリ領域は、低
域の信号を取り込むためFIRフィルタのタップ数が増
加するので、図5の下段に示すように伝達関数C1’〜
C4’のデータ量が増加する。図8(a)は演算器22
のインパルス応答を示すタップ係数のグラフである。
【0049】さて図5の騒音消去装置20において、制
御スピーカ4aの制御音の発生方法について説明する。
なお他の制御スピーカ4b,4c,4dの動作も制御ス
ピーカ4aと同一であり、これらの説明は省略する。騒
音源1から放射された騒音Nは騒音検出器2で検出さ
れ、IIR部21を介してFX部22に出力される。こ
こでの演算器22aは、その伝達関数C1’として伝達
関数C1と逆特性の値に設定される。誤差検出器5aか
ら入力された誤差検出信号が乗算器23aに与えられる
と、乗算器23aは演算器22aの出力との乗算を行
い、この信号を係数更新信号として適応フィルタ24a
に与える。適応フィルタ24aで生成された制御音の信
号は制御スピーカ4aに出力される。そして制御スピー
カ4aから制御音が出力され、騒音源1から到来した騒
音N*G1を相殺する。
【0050】次に図6の騒音消去装置20の動作につい
て説明する。騒音分析手段11による騒音源1の騒音N
を測定し、その周波数特性が図4に示すように高域のレ
ベルが大きい場合には、装置制御手段12によりIIR
部21を図7(b)に示すような周波数特性に切り換え
る。こうすると演算器22aに入力される信号の低域成
分は除去され、中音及び高音が主成分となる。この場
合、適応フィルタ24aの処理すべき音の波長が短いの
で、演算器22aのタップ数を最小限度に少なくするこ
とができる。図5の演算器22aでは、図8(a)に示
すように例えば128タップ以上必要であったのに、図
6の演算器22aでは図8(b)に示すように例えば3
2タップ以上あればよい。但しIIRフィルタ21aで
10タップを構成単位としているので、タップ数の総計
は32+10=42タップとなる。しかしこれでも、低
域の制御を必要としない場合、128−42=86タッ
プの節約となる。なお、乗算器23a、適応フィルタ2
4aでの信号処理は図5に示すものと同一であるので説
明は省略する。
【0051】このように第2実施例の騒音消去装置20
は、騒音のスペクトラムを検出し、FX部22のメモリ
を管理するため、騒音に応じた的確な消音を行うことが
できる。また適応フィルタ24での信号処理が早く完了
するため、高域を処理している際には、他の信号処理等
が行え、騒音消去装置内のハードウェアの有効活用がで
きるという長所も生まれる。
【0052】次に本発明の第3実施例における消音消去
装置について図9〜図11を参照しながら説明する。図
9〜図11は第3実施例における騒音消去装置30の構
成を示すブロック図であり、第2実施例と同一部分は同
一の符号をつけ、その説明は省略する。尚図10に示す
回路は図9及び図11に示す回路部の出力段に接続され
るものである。図9,図10は騒音のレベルが低域で大
きい場合の接続状態を示し、図10,図11は騒音のレ
ベルが高域で大きい場合の接続状態を示している。
【0053】第2実施例と同様、図10に示すように騒
音消去装置30には騒音源1に対して4つの制御スピー
カ4a〜4dと、4つの誤差検出器5a〜5dが設けら
れている。また図9,図11に示すように適応フィルタ
24a〜24dが設けられ、乗算器23a〜23dの出
力する係数更新信号によって夫々適応制御されることも
同様である。第2実施例と異なり、騒音検出器2の騒音
検出信号はFX部31に直接出力される。FX部31は
基本的には4つの演算器31a〜31dで構成されてい
る。図11の騒音消去装置30では、演算器31a,3
1b,31d,31dは夫々伝達関数C1”,C2”,
C3”,C4”を有し、図9の騒音消去装置30では、
演算器31a,31dは夫々伝達関数C1’,C3’を
有し、演算器31b,31dはスルーとなっている。
【0054】さて第1実施例と同様にセレクタ32が、
適応フィルタ24の出力端、及び乗算器23の入力端と
なる位置に設けられている。セレクタ32は切換回路3
3と加算器34を含んで構成される。切換回路33はス
イッチ33a〜33hを有している。スイッチ33aは
制御スピーカ4a,4b間に接続され、スイッチ33b
は誤差検出器5bと、加算器34aの加算入力端との間
に接続されている。同様にスイッチ33cは制御スピー
カ4c,4c間に接続され、スイッチ33dは誤差検出
器5dと、加算器34bの加算入力端との間に接続され
ている。さらにスイッチ33eは制御スピーカ4bと適
応フィルタ24bとの間に接続され、スイッチ33fは
誤差検出器5bと乗算器23bとの間に接続されてい
る。同様にして、スイッチ33gは制御スピーカ4dと
適応フィルタ24dとの間に接続され、スイッチ33h
は誤差検出器5dと乗算器23dとの間に接続されてい
る。
【0055】加算器34aは誤差検出器5aの出力信号
と、スイッチ33bを介して入力される誤差検出器5b
の信号とを加算する回路であり、その加算出力は乗算器
23aに与えられる。また加算器34bは誤差検出器5
cの出力信号と、スイッチ33dを介して入力される誤
差検出器5dの信号とを加算する回路であり、その加算
出力は乗算器23cに与えられる。なおスイッチ33a
〜33dは装置制御手段12の出力する切換信号に同期
して連動し、スイッチ33e〜33hも連動するスイッ
チである。このように構成された切換回路33は、装置
制御手段12の出力する切換信号により制御される。適
応フィルタ24a〜24dは、乗算器23a〜23dの
係数更新信号によって夫々制御される回路で、その出力
が制御スピーカ4a〜4dに夫々与えられることは第2
実施例と同様である。
【0056】このように構成された第3実施例の騒音消
去装置30の動作について説明する。騒音分析手段11
による騒音Nの周波数特性が図3のように低域のレベル
が大きい場合には、装置制御手段12は制御信号を出力
し、図9に示すように演算器31a,31cの伝達関数
を図7(a)に示すような特性C1’,C3’にセット
する。
【0057】また装置制御手段12は、セレクタ32の
切換回路33において、スイッチ33a〜33dを夫々
オンとし、スイッチ33e〜33hを夫々オフとする。
こうするとFX部31の伝達関数の周波数特性は図7
(a)に示すように、低次の共振周波数f0を含む低域
から高域まで信号を通過させる特性となる。しかし処理
対象となる信号の波長が長く、近接して配置される誤差
検出器5a,5bへの入射音の位相は同一であり、また
別の場所に近接して配置される誤差検出器5c,5dへ
の入射音の位相も同一である。このため図9に示すよう
に実質的に2チャンネルの信号処理で済ますことができ
る。
【0058】このときのFX部31のメモリ領域は、低
域の信号を取り込むためFIRフィルタのタップ数が増
加するので、図9の下段に示すように伝達関数C1’,
C3’のデータ量が増加する。なお騒音の消去動作は第
1,第2実施例と同様であり、低域の騒音が重点的に消
去される。
【0059】次に騒音分析手段11による騒音の周波数
特性が図4に示すように高域のレベルが大きい場合に
は、装置制御手段12によりセレクタ32内部のスイッ
チ34a〜34hを図11のように切り換える。その結
果、制御スピーカ4a〜4dは独立に駆動される状態に
なる。また、誤差検出器5a〜5dの誤差検出信号は夫
々乗算器23a〜23dに入力される。さらに、FX部
31の演算器31a〜31dはC1”〜C4”の特性が
選択される。このとき、高域を重点的に消去するため
に、タップ長を多く必要とせず、FX部31のメモリ領
域は図11の下段に示すものとなる。
【0060】本実施例の騒音消去装置30は、騒音の変
動を検出し、騒音に応じて制御スピーカと誤差検出器と
を選択して制御する。しかも低域の信号を処理すると
き、FX部31の一部の演算器をスルーとしているた
め、例え動作中の演算器のメモリ容量が増大しても、F
X部31としての総合的なメモリ容量が増加しなくな
る。このため、限られたハードウェア規模においても消
音効果を損なうことなく、広い音響空間で充分な消音を
正確に行うことができる。
【0061】次に本発明の第4実施例における騒音消去
装置40について、図10,図12,図13を参照しな
がら説明する。図12,図13は第4実施例における騒
音消去装置40の一部の構成を示すブロック図であり、
図10の回路が図12,図13の回路の出力部に接続さ
れていることは第3実施例と同様である。図12は騒音
の低域のレベルが大きい場合の接続状態を示し、図13
は騒音の高域のレベルが大きい場合の接続状態を示して
いる。
【0062】第3実施例と同様に、図10に示すように
騒音源1に対して、騒音検出器2、誤差検出器5a〜5
d,制御スピーカ4a〜4dが設けられている。また図
12,図13に示すように適応フィルタ24a〜24d
が設けられ、乗算器23a〜23dの出力する係数更新
信号によって夫々適応制御され、さらにFX部31、切
換回路33と加算器34とを含むセレクタ32が設けら
れていることも同様である。
【0063】第3実施例と異なり、FX部31の前段に
IIR部41が設けられている。IIR部41は第2実
施例と同様、複数のIIRフィルタ41a〜41dを有
する回路で、騒音検出器2の騒音検出信号を入力し、制
御対象となる音響周波数帯域の低域部分の特性を制御す
る働きをする。図12に示すIIR部41では各IIR
フィルタ41a〜41dはスルーとなり、低域信号の利
得を低下させないものとする。
【0064】このように構成された騒音消去装置40の
動作について説明する。騒音分析手段11による騒音の
周波数特性が図3に示すように低域のレベルが大きい場
合には、装置制御手段12によりセレクタ32内部の切
換回路33は図12のように切り換えられる。その結
果、制御スピーカ4a,4b、及び制御スピーカ4c,
4dは夫々並列駆動される状態になる。また同時に、誤
差検出器5a,5bの誤差検出信号は加算器34aで加
算され、乗算器23aに入力される。同様に誤差検出器
5c,5dの誤差検出信号は加算器34bで加算され、
乗算器23cに入力される。
【0065】さらにFX部31内部の演算器31a,3
1cは伝達関数C1’とC3’の特性が選択される。こ
のとき、低域を重点的に消去するために、多くのタップ
長が必要となるため、FX部31のメモリ領域は図12
の下段に示すようになる。
【0066】次に、騒音分析手段11による騒音の周波
数特性が図4に示すように高域のレベルが大きい場合に
は、装置制御手段12によりIIR部41はIIRフィ
ルタ41a〜41dが選択される。そしてセレクタ32
内部の切換回路33は図13のように切り換えられる。
その結果、各制御スピーカ4a〜4dは独立に駆動され
る状態になる。また、誤差検出器5a〜5dの誤差検出
信号は夫々乗算器23a〜23dに入力される。さら
に、FX部31内部の演算器31a〜31dは伝達特性
C1”〜C4”の特性が夫々選択される。この場合、高
域を重点的に消去するために、演算器31に多くのタッ
プ長を必要としないため、FX部31のメモリ領域は図
13に示すようになる。
【0067】このように本実施例の騒音消去装置40
は、騒音の変動を検出し、騒音のスペクトラムに応じて
制御スピーカ4と誤差検出器5とを選択して制御するた
め、限られたハードウェア規模においても消音効果を損
なうことなく、広い音響空間で充分な消音を正確に行う
ことができる。
【0068】次に本発明の第5実施例における騒音消去
装置50について図10,図14,図15を参照しつつ
説明する。図14,図15は第5実施例の騒音消去装置
50の一部の構成を示すブロック図であり、図10の回
路が図14,図15の回路の出力部に接続されることは
第4実施例と同様である。図14は騒音の低域のレベル
が大きい場合の接続状態を示し、図15は騒音の高域の
レベルが大きい場合の接続状態を示している。
【0069】第2実施例と同様に、図10の騒音源1に
対して、騒音検出器2、誤差検出器5a〜5d,制御ス
ピーカ4a〜4dが設けられている。また図14,図1
5に示すように適応フィルタ24a〜24dが設けら
れ、乗算器23a〜23dの出力する係数更新信号によ
って夫々適応制御される。
【0070】本実施例では第2実施例と異なるFX部5
1が設けられている。FX部51において、各チャンネ
ルの乗算器23の入力部に対しては、演算器52とゲイ
ン調整器53の直列接続体と、IIRフィルタ54,演
算器55,ゲイン調整器56の直列接続体が夫々並列に
設けられている。例えば乗算器23aの入力部におい
て、第1の演算器52aは騒音検出器2の騒音検出信号
を入力し、伝達関数C1’で信号を変換する回路であ
り、その出力はゲイン調整器53aに与えられる。ゲイ
ン調整器53aは入力信号を増幅するとき、その利得
a’を装置制御手段12の制御信号に基づいて制御する
ものである。またIIRフィルタ54aは騒音検出器2
の騒音検出信号を入力し、図7(b)に示すように低域
の信号を遮断するフィルタである。
【0071】IIRフィルタ54aの出力は演算器55
aに与えられる。第2の演算器55aは低域成分の遮断
された騒音信号を入力し、伝達関数C1”で信号を変換
する回路である。ゲイン調整器56aは入力信号を増幅
するとき、その利得a”を装置制御手段12の制御信号
に基づいて制御するものである。ゲイン調整器53a,
56aの各出力は加算器57aに与えられて加算され
る。ゲイン調整器53aの利得a’とゲイン調整器56
aの利得a”はクロスフェード制御されるので、加算器
57aの出力特性は装置制御手段12よって周波数特性
が切り換えられても徐々に変化する。なおIIRフィル
タ54aは、図14に示すように装置制御手段12の制
御信号により必要に応じてスルー状態に制御される。何
れにしても加算器57aの出力は演算器23aに与えら
れる。
【0072】以上のような特性を有する演算器52、ゲ
イン調整器53、IIRフィルタ54、演算器55、ゲ
イン調整器56が夫々、他の乗算器23b,23c,2
3dの入力部に設けられており、これらを演算器52b
〜52d、ゲイン調整器53b〜53d、IIRフィル
タ54b〜54d、演算器55b〜55d、ゲイン調整
器56b〜56dとする。また加算器57aと同様の加
算器57b〜57dも設けられ、加算出力が夫々乗算器
23b〜23dに出力される。ここでゲイン調節器5
3,56と加算器57は、演算器52,55の出力割合
を変化させて加算するクロスフェード処理回路を構成し
ている。
【0073】このように構成された第5実施例の騒音消
去装置50の動作について説明する。騒音分析手段11
による騒音Nの周波数特性が図3に示すように低域のレ
ベルが大きいと判定された場合には、図14に示すよう
に装置制御手段12によりFX部51の演算器は演算器
52a〜52dに切り換えられ、それらの伝達関数はC
1’〜C4’にセットされる。そして騒音検出器2の騒
音検出信号は演算器52a〜52dで夫々演算され、ゲ
イン調節器53a〜53dで利得a’〜d’で夫々ゲイ
ン調整される。これらの信号が乗算器23a〜23dに
出力され、適応フィルタ24a〜24dを動作させる。
【0074】次に、騒音分析手段11により騒音Nの周
波数特性が図4に示すように高域のレベルが大きいと判
定された場合には、装置制御手段12によりFX部51
の演算器は演算器55a〜55dに切り換えられ、それ
らの伝達関数はC1”〜C4”にセットされる。そして
騒音検出器2の騒音検出信号はIIRフィルタ54a〜
54dに入力され、低域部分が遮断される。そしてその
出力は演算器55a〜55dで夫々演算され、ゲイン調
節器56a〜56dで利得a”〜d”で夫々ゲイン調整
される。これらの信号が乗算器23a〜23dに出力さ
れ、適応フィルタ24a〜24dを動作させる。
【0075】ここで騒音Nが途中で図3から図4のよう
に切り換わった場合には、例えば加算器57aは、ゲイ
ン調節器に介してその利得をクロスフェードさせながら
a’からa”へ切り換えて信号を出力する。このように
騒音Nのスペクトラムが途中で変化した場合でも、装置
制御手段12により制御スピーカ4から誤差検出器5ま
での伝達特性を有する複数個の適応フィルタと、利得を
制御するゲイン調整器を選択するため、正確な消音を行
うことができる。
【0076】次に本発明の第6実施例における騒音消去
装置60について図16〜図18を参照しつつ説明す
る。図16〜図18は第6実施例の騒音消去装置60の
構成を示すブロック図であり、図16に示す回路は図1
7,図18の回路の入力段に共通に接続されるものとす
る。図16,図17は騒音の低域のレベルが大きい場合
の接続状態を示し、図16,図18は騒音の高域のレベ
ルが大きい場合の接続状態を示している。
【0077】第5実施例と同様に、騒音源1に対して、
騒音検出器2、誤差検出器5a〜5d,制御スピーカ4
a〜4dが設けられている。また適応フィルタ24a〜
24dが設けられ、乗算器23a〜23dの出力する係
数更新信号によって夫々適応制御される。
【0078】図16に示すように乗算器23a,23c
の入力部には加算器57a,57cが夫々設けられてい
る。又FX部51には、加算器57の入力部に対する信
号処理回路として第5実施例と同様の演算器52とゲイ
ン調整器53の直列接続体と、IIRフィルタ54,演
算器55,ゲイン調整器56の直列接続体が夫々並列に
設けられている。そして乗算器23b,23dの入力部
に対しては、IIRフィルタ54,演算器55,ゲイン
調整器56の直列接続体が設けられている。
【0079】次に第3実施例と同様にセレクタ62が、
適応フィルタ24の出力端、及び乗算器23の入力端と
なる位置に設けられている。セレクタ62は切換回路6
3と加算器64を含んで構成される。切換回路63はス
イッチ63a〜63hを有している。各スイッチ63a
〜63h、及び加算器64a,64bの接続は第3実施
例と同一である。
【0080】このように構成された第6実施例の騒音消
去装置60の動作について説明する。騒音分析手段11
による騒音Nの周波数特性が図3のように低域のレベル
が大きい場合には、装置制御手段12は制御信号を出力
し、図17に示すようにセレクタ62の切換回路63に
おいて、スイッチ63a〜63dを夫々オンとし、スイ
ッチ63e〜63hを夫々オフとする。こうすると、制
御スピーカ4a,4bは同一条件で駆動され、制御スピ
ーカ4c,4dも同一条件で駆動される。また誤差検出
器5a,5bの誤差信号は共に乗算器23aに入力さ
れ、誤差検出器5c,5dの誤差信号も共に乗算器23
cに入力される。
【0081】また装置制御手段12によりFX部61の
演算器は演算器52a,52cに切り換えられ、それら
の伝達関数はC1’,C3’にセットされる。そして誤
差検出器2の誤差信号は演算器52a,52cで夫々演
算され、ゲイン調節器53a,53cで利得a’,c’
で夫々ゲイン調整される。これらの信号が加算器57
a,57cを経て乗算器23a,23cに夫々出力さ
れ、適応フィルタ24a,24cを動作させる。こうす
るとFX部61の伝達関数の周波数特性は図7(a)に
示すようになり、低域に対して十分な適応制御をするこ
とができる。
【0082】次に、騒音分析手段11により騒音Nの周
波数特性が図4に示すように高域のレベルが大きいと判
定された場合には、装置制御手段12によりセレクタ6
2内部のスイッチ64a〜64hを図18のように切り
換える。その結果、制御スピーカ4a〜4dは独立に駆
動される状態になる。また、誤差検出器5a〜5dの誤
差検出信号は夫々乗算器23a〜23dに入力される。
【0083】また装置制御手段12によりFX部61の
演算器を演算器55a〜55dに切り換え、それらの伝
達関数を夫々C1”〜C4”にセットする。そして騒音
検出器2の騒音検出信号はIIRフィルタ54a〜54
dに入力され、低域部分が遮断される。そしてその出力
は演算器55a〜55dで夫々演算され、ゲイン調節器
56a〜56dで利得a”〜d”で信号振幅が調整され
る。これらの信号が乗算器23a〜23dに出力され、
適応フィルタ24a〜24dを動作させる。こうすると
FX部61の伝達関数の周波数特性は図7(b)に示す
ようになり、高域中心の適応制御が行われる。
【0084】ここで騒音Nが途中で図3から図4のよう
に切り代わった場合には、図16に示す騒音消去装置6
0において、例えば加算器57aにおいてゲイン調節器
の利得をクロスフェードしながらa’からa”へ切り換
わるよう信号が出力される。この後、切換回路63を図
18のように切り換え、高域主体の適応制御を行う。こ
のように騒音Nのスペクトラムが途中で変化した場合で
も、装置制御手段12により制御スピーカ4から誤差検
出器5までの伝達特性を有する複数個の適応フィルタ
と、利得を制御するゲイン調整器を選択するため、正確
に消音することができる。なお、クロスフェードが終了
してから、セレクタ62を図16のように切り換えるも
のとする。
【0085】本発明は以上の構成により、制御スピーカ
や誤差検出器の位置が変化し、その伝達関数が変化した
場合でも、装置制御手段により制御スピーカから誤差検
出器までの伝達特性を有する複数個のフィルタとゲイン
をコントロールするゲイン調整器を選択し、さらに騒音
に応じて制御スピーカと誤差検出器とを選択し制御を行
うため、正確に消音することができる。また、騒音に大
きな変動があった場合でも発散や騒音付加とはならずに
充分な消音を正確にすることができる。また、騒音に変
動があり、制御スピーカなどの機器が切り代わった場合
でも滑らかに係数を変化するため、発散や騒音付加とは
ならずに正確に消音することができる。また、制御スピ
ーカと誤差検出器とが離れて配置されているときなど、
制御スピーカと誤差検出器の間に障害物が入ったり、周
囲の環境の変化により制御伝達特性に変化があった場合
でも、あらかじめ複数個の伝達特性を保有することで充
分な消音効果を得ることができる。またフィルタの特性
に応じた消音を実現できるため、ハードウェアの規模を
小さくしながら消音効果を上げることができる。
【0086】
【発明の効果】以上のように本願の請求項1,2の発明
によれば、騒音の変動を検出して騒音に応じて制御スピ
ーカと誤差検出器とを選択し制御を行うため、限られた
ハードウェアの騒音消去装置において、充分な消音を正
確に行うことができる。
【0087】また本願の請求項3,4の発明によれば、
騒音の変動を検出してFX部のメモリを管理するため、
騒音に応じた的確な消音制御ができ、さらに高域の信号
を処理している際には他の信号処理等が行えるため、ハ
ードウェアを構成するメモリを含む各ブロックの有効活
用ができる。
【0088】また本願の請求項5,6の発明によれば、
騒音の変動を検出して騒音に応じて制御スピーカと誤差
検出器とを選択し制御を行い、さらにFX部の係数も選
択されるため、FX部のメモリ領域が有効に活用でき
る。そして限られたハードウェアにおいても充分な消音
を正確に行うことができる。
【0089】また、また本願の請求項7,8の発明によ
れば、騒音の変動を検出して騒音に応じて制御スピーカ
と誤差検出器とを選択し制御を行い、さらに騒音に応じ
てIIR部とFX部との係数を選択し制御を行ってい
る。このため限られたハードウェアにおいてもFX部の
メモリ領域を有効に活用でき、さらに消音効果の向上が
可能となる。
【0090】また、本願の請求項9,10の発明によれ
ば、騒音が変化した場合でも、装置制御手段により制御
スピーカから誤差検出器までの伝達特性を有する複数個
の演算器を選択するため、正確な消音を行うことができ
る。
【0091】また、本願の請求項11,12の発明によ
れば、制御スピーカや誤差検出器の位置が変化し、その
伝達関数が変化した場合でも、装置制御手段により制御
スピーカから誤差検出器までの伝達特性を有する複数個
の演算器を選択し、さらに騒音に応じて制御スピーカと
誤差検出器とを選択し制御を行うため、充分な消音を正
確に行うことができる。
【0092】また、本願の請求項13の発明によれば、
騒音に大きな変動があった場合でも、発散や騒音付加と
はならずに充分な消音制御を正確に行うことができる。
【0093】また、本願の請求項14の発明によれば、
騒音に変動があり、制御スピーカなどの機器が切り代わ
った場合でも、滑らかに係数を変化するため、発散や騒
音付加とはならずに充分な消音を正確に行うことができ
る。
【0094】また、本願の請求項15の発明によれば、
制御スピーカと誤差検出器とが離れて配置されている場
合など、制御スピーカと誤差検出器の間に障害物が入っ
たり、周囲の環境の変化により制御伝達特性に変化があ
った場合でも、あらかじめ複数個の伝達特性を保有する
ことで充分な消音効果を得ることができる。
【0095】また、本願の請求項16の発明によれば、
演算器の特性に応じた消音が実現できるため、ハードウ
ェアの規模を小さくしながら消音効果を上げることがで
きる。
【0096】以上の発明から明らかなように、規模の小
さいハードウェア規模で消音効果を十分得られ、騒音付
加・発散等のない信頼性が高い騒音消去装置が実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例において、低域のレベルが
大きい場合の騒音消去装置の構成図である。
【図2】第1実施例において、高域のレベルが大きい場
合の騒音消去装置の構成図である。
【図3】低域のレベルが大きい場合の騒音の周波数特性
図である。
【図4】高域のレベルが大きい場合の騒音の周波数特性
図である。
【図5】本発明の第2実施例において、低域のレベルが
大きい場合の騒音消去装置の構成図である。
【図6】第2実施例において、高域のレベルが大きい場
合の騒音消去装置の構成図である。
【図7】(a)は第2実施例の騒音消去装置における演
算器(その1)の周波数特性図、(b)はIIRフィル
タの周波数特性、(c)は演算器(その2)の周波数特
性図である。
【図8】(a)は第2実施例の騒音消去装置における演
算器(その1)のインパルス応答を示す図、(b)は演
算器(その2)のインパルス応答を示す図である。
【図9】本発明の第3実施例において、低域のレベルが
大きい場合の騒音消去装置の構成図である。
【図10】第3実施例の騒音消去装置の部分構成図であ
る。
【図11】第3実施例において、高域のレベルが大きい
場合の騒音消去装置の構成図である。
【図12】本発明の第4実施例において、低域のレベル
が大きい場合の騒音消去装置の構成図である。
【図13】第4実施例において、高域のレベルが大きい
場合の騒音消去装置の構成図である。
【図14】本発明の第5実施例において、低域のレベル
が大きい場合の騒音消去装置の構成図である。
【図15】第5実施例において、高域のレベルが大きい
場合の騒音消去装置の構成図である。
【図16】本発明の第6実施例における騒音消去装置の
部分構成図である。
【図17】第6実施例において、低域のレベルが大きい
場合の騒音消去装置の構成図である。
【図18】第6実施例において、高域のレベルが大きい
場合の騒音消去装置の構成図である。
【図19】従来例の騒音消去装置の構成図である。
【符号の説明】
1 騒音源 2 騒音検出器 4a〜4d 制御スピーカ 5a〜5d 誤差検出器 10,20,30,40,50,60 騒音消去装置 11 騒音分析器 12 装置制御手段 13 適応フィルタ部 14,32,62 セレクタ 15,33,63 切換回路 15a〜15d,33a〜33h,64a〜64h ス
イッチ 16,34a,34b 加算器 21 IIR部 21a〜21d IIRフィルタ 22,31,51,61 FX部 22a〜22d,52a〜52d,55a〜55d 演
算器 23a〜23d 乗算器 24a〜24d 適応フィルタ 41 IIR部 41a〜41d,54a〜54d IIRフィルタ 53a〜53d,56a〜56d ゲイン調整器 57a〜57d 加算器 N 騒音 G,C1〜C、C1’〜C4’,C1”〜C4” 伝達
関数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中間 保利 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 騒音源からの騒音を消去する複数の制御
    スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する
    装置制御手段と、 前記騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音分析手段
    と、 前記騒音分析手段の信号と前記装置制御手段の制御信号
    が入力され、制御音の信号を生成する適応フィルタ部
    と、 前記装置制御手段の制御信号が入力され、前記適応フィ
    ルタ部から前記制御スピーカに与える制御音の信号を分
    配すると共に、前記誤差検出器の信号を分配して前記適
    応フィルタ部に与えるセレクタと、を具備することを特
    徴とする騒音消去装置。
  2. 【請求項2】 騒音源から放射される騒音を含む音響空
    間において、到来騒音を相殺する制御音を発生させるこ
    とにより、受聴者の耳に入射される騒音を少なくする騒
    音消去装置であって、 制御音を出力する複数の制御スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を
    分析する騒音分析手段と、 複数の遅延器、及び前記遅延器の各出力にタップ係数を
    乗算する複数の係数乗算器を有するデジタルフィルタを
    含み、前記騒音検出器の騒音検出信号と前記誤差検出器
    の誤差検出信号とが入力されると、前記誤差検出器から
    の誤差検出信号が最小となるよう前記各制御スピーカの
    制御音の信号を複数組み生成する適応フィルタ部と、 前記適応フィルタ部の制御音の信号が複数組み入力さ
    れ、特定の制御音の信号を選択すると共に、前記誤差検
    出器の出力する複数の誤差検出信号を選択して前記適応
    フィルタ部に与えるセレクタと、 前記騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
    きいとき、前記セレクタに対して前記複数の制御スピー
    カと誤差検出器の内、特定組みのものを並列駆動する切
    換信号を出力し、騒音の高域成分のレベルが大きいと
    き、前記適応フィルタ部に対して、前記デジタルフィル
    タのタップ数を減少させるよう制御信号を出力する装置
    制御手段と、を具備することを特徴とする騒音消去装
    置。
  3. 【請求項3】 騒音源からの騒音を消去する複数の制御
    スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する
    装置制御手段と、 前記騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音分析手段
    と、 制御音の信号を生成して前記制御スピーカに与える複数
    の適応フィルタと、 前記装置制御手段の制御信号が入力され、前記制御スピ
    ーカから前記誤差検出器までの伝達特性と騒音検出信号
    との畳込み演算を行う複数の演算器を有するFX部と、 複数のIIRフィルタで構成され、前記装置制御手段の
    制御信号が入力されて前記騒音検出器の信号を周波数変
    換するIIR部と、 前記FX部の各演算器の出力信号と前記誤差検出器の誤
    差検出信号とを乗算し、前記適応フィルタの係数更新信
    号を出力する複数の乗算器と、を具備することを特徴と
    する騒音消去装置。
  4. 【請求項4】 騒音源から放射される騒音を含む音響空
    間において、到来騒音を相殺する制御音を発生させるこ
    とにより、受聴者の耳に入射される騒音を少なくする騒
    音消去装置であって、 制御音を出力する複数の制御スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を
    分析する騒音分析手段と、 複数のタップ係数を有する適応制御形のデジタルフィル
    タで構成され、前記騒音検出器の騒音検出信号が入力さ
    れると、制御音の信号を生成して前記制御スピーカに与
    える複数の適応フィルタと、 前記誤差検出器の誤差検出信号が入力され、該誤差検出
    信号の値が最小となるよう係数更新信号を前記適応フィ
    ルタに出力する複数の乗算器と、 複数のIIRフィルタで構成され、前記騒音検出器の騒
    音検出信号が入力されると、入力信号の低域成分を遮断
    するか、周波数補正をせずに入力信号をそのまま出力す
    るIIR部と、 デジタルフィルタで構成され、前記IIR部の信号が入
    力されると、前記制御スピーカと前記誤差検出器との音
    響経路の伝達関数と逆特性の伝達関数により入力信号を
    変換して前記乗算器に与える演算器を複数組み有するF
    X部と、 前記騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
    きいとき、前記IIR部に対し入力信号をそのまま通過
    させるよう制御信号を出力し、騒音の高域成分が大きい
    とき、前記IIR部に対し入力信号の低域部分を遮断す
    るよう制御信号を出力し、前記FX部に対して各演算器
    のタップ数を減少させるよう制御信号を出力する装置制
    御手段と、を具備することを特徴とする騒音消去装置。
  5. 【請求項5】 騒音源からの騒音を消去する複数の制御
    スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する
    装置制御手段と、 前記騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音分析手段
    と、 制御音の信号を生成する複数の適応フィルタと、 前記装置制御手段の制御信号が入力され、前記制御スピ
    ーカから前記誤差検出器までの伝達特性と騒音検出信号
    との畳込み演算を行う複数の演算器を有するFX部と、 前記FX部の各演算器の出力信号と前記誤差検出器の誤
    差検出信号とを乗算し、前記適応フィルタの係数更新信
    号を出力する複数の乗算器と、 前記装置制御手段の制御信号が入力され、前記適応フィ
    ルタから前記制御スピーカに与える制御音の信号を分配
    すると共に、前記誤差検出器の信号を分配して前記乗算
    器に与えるセレクタと、を具備することを特徴とする騒
    音消去装置。
  6. 【請求項6】 騒音源から放射される騒音を含む音響空
    間において、到来騒音を相殺する制御音を発生させるこ
    とにより、受聴者の耳に入射される騒音を少なくする騒
    音消去装置であって、 制御音を出力する複数の制御スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を
    分析する騒音分析手段と、 複数のタップ係数を有する適応制御形のデジタルフィル
    タで構成され、前記騒音検出器の騒音検出信号が入力さ
    れると、制御音の信号を生成して前記制御スピーカに与
    える複数の適応フィルタと、 前記誤差検出器の誤差検出信号が入力され、この値が最
    小となるよう係数更新信号を前記適応フィルタに出力す
    る複数の乗算器と、 デジタルフィルタで構成され、前記騒音検出器の騒音検
    出信号が入力されると、前記制御スピーカと前記誤差検
    出器との音響経路の伝達関数と逆特性の伝達関数で入力
    信号を変換して前記乗算器に与える演算器を複数組み有
    するFX部と、 前記適応フィルタの制御音の信号が複数組み入力され、
    特定の制御音の信号を選択すると共に、前記誤差検出器
    の出力する複数の誤差検出信号を選択して前記乗算器に
    与えるセレクタと、 前記騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
    きいとき、前記セレクタに対して前記複数の制御スピー
    カと誤差検出器の内、特定組みのものを並列駆動する切
    換信号を出力し、騒音の高域成分のレベルが大きいと
    き、前記FX部に対して各演算器のタップ数を減少させ
    るよう制御信号を出力する装置制御手段と、を具備する
    ことを特徴とする騒音消去装置。
  7. 【請求項7】 騒音源からの騒音を消去する複数の制御
    スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する
    装置制御手段と、 前記騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音分析手段
    と、 制御音の信号を生成する複数の適応フィルタと、 複数のIIRフィルタで構成され、前記装置制御手段の
    制御信号が入力されて前記騒音検出器の信号を周波数変
    換するIIR部と、 前記IIR部の信号が入力され、前記装置制御手段の制
    御信号に基づいて前記制御スピーカから前記誤差検出器
    までの伝達特性と騒音検出信号との畳込み演算を行う複
    数の演算器を有するFX部と、 前記FX部の各演算器の出力信号と前記誤差検出器の誤
    差検出信号とを乗算し、前記適応フィルタの係数更新信
    号を出力する複数の乗算器と、 前記装置制御手段の制御信号が入力され、前記適応フィ
    ルタから前記制御スピーカに与える制御音の信号を分配
    すると共に、前記誤差検出器の信号を分配して前記乗算
    器に与えるセレクタと、を具備することを特徴とする騒
    音消去装置。
  8. 【請求項8】 騒音源から放射される騒音を含む音響空
    間において、到来騒音を相殺する制御音を発生させるこ
    とにより、受聴者の耳に入射される騒音を少なくする騒
    音消去装置であって、 制御音を出力する複数の制御スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を
    分析する騒音分析手段と、 複数のタップ係数を有する適応制御形のデジタルフィル
    タで構成され、前記騒音検出器の騒音検出信号が入力さ
    れると、制御音の信号を生成して前記制御スピーカに与
    える複数の適応フィルタと、 前記誤差検出器の誤差検出信号が入力され、この値が最
    小となるよう係数更新信号を前記適応フィルタに出力す
    る複数の乗算器と、 複数のIIRフィルタで構成され、前記騒音検出器の騒
    音検出信号が入力されると、入力信号の低域成分を遮断
    するか、周波数補正をせずに入力信号をそのまま出力す
    るIIR部と、 デジタルフィルタで構成され、前記IIR部の信号が入
    力されると、前記制御スピーカと前記誤差検出器との音
    響経路の伝達関数と逆特性の伝達関数で入力信号を変換
    して前記乗算器に与える演算器を複数組み有するFX部
    と、 前記適応フィルタの制御音の信号が複数組み入力され、
    特定の制御音の信号を選択すると共に、前記誤差検出器
    の出力する複数の誤差検出信号を選択して前記乗算器に
    与えるセレクタと、 前記騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
    きいとき、前記セレクタに対して前記複数の制御スピー
    カと誤差検出器の内、特定組みのものを並列駆動する切
    換信号を出力すると共に、前記IIR部に対し入力信号
    をそのまま通過させるよう制御信号を出力し、騒音の高
    域成分のレベルが大きいとき、前記IIR部に対し入力
    信号の低域部分を遮断するよう制御信号を出力し、前記
    FX部に対して各演算器のタップ数を減少させるよう制
    御信号を出力し、前記セレクタに対して前記複数の制御
    スピーカと誤差検出器を独立に駆動する切換信号を出力
    する装置制御手段と、を具備することを特徴とする騒音
    消去装置。
  9. 【請求項9】 騒音源からの騒音を消去する複数の制御
    スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する
    装置制御手段と、 前記騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音分析手段
    と、 制御音の信号を生成する複数の適応フィルタと、 前記装置制御手段の制御信号に基づいて、前記制御スピ
    ーカから前記誤差検出器までの伝達特性と騒音検出信号
    との畳込み演算を行う複数の演算器、及び前記演算器の
    利得を調整する複数のゲイン調整器を有するFX部と、 前記FX部の各ゲイン調整器の出力を加算した信号と前
    記誤差検出器の誤差検出信号とを乗算し、前記適応フィ
    ルタの係数更新信号を出力する複数の乗算器と、を具備
    することを特徴とする騒音消去装置。
  10. 【請求項10】 騒音源から放射される騒音を含む音響
    空間において、到来騒音を相殺する制御音を発生させる
    ことにより、受聴者の耳に入射される騒音を少なくする
    騒音消去装置であって、 制御音を出力する複数の制御スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を
    分析する騒音分析手段と、 複数のタップ係数を有する適応制御形のデジタルフィル
    タで構成され、前記騒音検出器の騒音検出信号が入力さ
    れると、制御音の信号を生成して前記制御スピーカに与
    える複数の適応フィルタと、 前記誤差検出器の誤差検出信号が入力され、この値が最
    小となるよう係数更新信号を前記適応フィルタに出力す
    る複数の乗算器と、 デジタルフィルタで構成され、前記騒音検出器の騒音検
    出信号が入力されると、前記制御スピーカと前記誤差検
    出器との音響経路の伝達関数と逆特性の伝達関数で入力
    信号を低域成分から変換する第1の演算器、該入力信号
    を中域成分から変換し、前記第1の演算器よりタップ数
    の少ない第2の演算器、前記第1及び第2の演算器の出
    力割合を徐々に変化させて加算するクロスフェード処理
    回路、を夫々複数組み有するFX部と、 前記騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
    きいとき、前記FX部に対して前記第1の演算器を動作
    させるよう制御信号を出力し、騒音の高域成分のレヘル
    が大きいとき、前記FX部に対して前記第2の演算器を
    動作させるよう制御信号を出力し、騒音源の周波数特性
    の変動部分が帯域的に変化したとき、前記第1及び第2
    の演算器をクロスフェード動作させるよう制御信号を出
    力する装置制御手段と、を具備することを特徴とする騒
    音消去装置。
  11. 【請求項11】 騒音源からの騒音を消去する複数の制
    御スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、制御信号を出力する
    装置制御手段と、 前記騒音源の騒音の周波数特性を分析する騒音分析手段
    と、 制御音の信号を生成する複数の適応フィルタと、 前記装置制御手段の制御信号に基づいて、前記制御スピ
    ーカから前記誤差検出器までの伝達特性と騒音検出信号
    との畳込み演算を行う複数の演算器、及び前記演算器の
    利得を調整する複数のゲイン調整器を有するFX部と、 前記FX部の各ゲイン調整器の出力を加算した信号と前
    記誤差検出器の誤差検出信号とを乗算し、前記適応フィ
    ルタの係数更新信号を出力する複数の乗算器と、 前記装置制御手段の制御信号が入力され、前記適応フィ
    ルタから前記制御スピーカに与える制御音の信号を分配
    すると共に、前記誤差検出器の信号を分配して前記乗算
    器に与えるセレクタと、を具備することを特徴とする騒
    音消去装置。
  12. 【請求項12】 騒音源から放射される騒音を含む音響
    空間において、到来騒音を相殺する制御音を発生させる
    ことにより、受聴者の耳に入射される騒音を少なくする
    騒音消去装置であって、 制御音を出力する複数の制御スピーカと、 前記騒音源からの騒音と前記制御スピーカからの制御音
    との誤差を検出する複数の誤差検出器と、 前記騒音源の騒音を検出する騒音検出器と、 前記騒音検出器の信号が入力され、騒音の周波数特性を
    分析する騒音分析手段と、 複数のタップ係数を有する適応制御形のデジタルフィル
    タで構成され、前記騒音検出器の騒音検出信号が入力さ
    れると、制御音の信号を生成して前記制御スピーカに与
    える複数の適応フィルタと、 前記誤差検出器の誤差検出信号が入力され、この値が最
    小となるよう係数更新信号を前記適応フィルタに出力す
    る複数の乗算器と、 デジタルフィルタで構成され、前記騒音検出器の騒音検
    出信号が入力されると、前記制御スピーカと前記誤差検
    出器との音響経路の伝達関数と逆特性の伝達関数で入力
    信号を低域成分から変換する第1の演算器、該入力信号
    を中域成分から変換し、前記第1の演算器よりタップ数
    の少ない第2の演算器、前記第1及び第2の演算器の出
    力割合を徐々に変化させて加算するクロスフェード処理
    回路、を夫々複数組み有するFX部と、 前記適応フィルタの制御音の信号が複数組み入力され、
    特定の制御音の信号を選択すると共に、前記誤差検出器
    の出力する複数の誤差検出信号を選択して前記乗算器に
    与えるセレクタと、 前記騒音分析手段によって騒音の低域成分のレベルが大
    きいとき、前記FX部に対して前記第1の演算器を動作
    させるよう制御信号を出力すると共に、前記セレクタに
    対して前記複数の制御スピーカと誤差検出器の内、特定
    組みのものを並列駆動する切換信号を出力し、騒音の高
    域成分のレベルが大きいとき、前記FX部に対して前記
    第2の演算器を動作させるよう制御信号を出力すると共
    に、前記セレクタに対して前記複数の制御スピーカと誤
    差検出器を独立に駆動する切換信号を出力し、騒音源の
    周波数特性の変動部分が帯域的に変化したとき、前記第
    1及び第2の演算器をクロスフェード動作させるよう制
    御信号を出力する装置制御手段と、を具備することを特
    徴とする騒音消去装置。
  13. 【請求項13】 前記セレクタは、 前記演算器の出力信号が前記装置制御手段の制御信号に
    同期して切り換えられるものであることを特徴とする請
    求項1,2,5,6,7,8,11,12のいずれか1
    項記載の騒音消去装置。
  14. 【請求項14】 前記FX部のクロスフェード処理回路
    は、 前記演算器の出力信号を前記装置制御手段の制御信号に
    基づいてクロスフェード処理するものであることを特徴
    とする請求項9,10,11,12のいずれか1項記載
    の騒音消去装置。
  15. 【請求項15】 前記FX部は、 異なる伝達関数を有する複数の演算器が前記各乗算器の
    入力部に対して並列に接続され、前記装置制御手段の制
    御信号に応じて前記複数の演算器の内一方が選択される
    ものであることを特徴とする請求項9,10,11,1
    2のいずれか1項記載の騒音消去装置。
  16. 【請求項16】 前記IIR部は、 処理対象の騒音の周波数帯域のうち、低域成分の信号を
    遮断するものであり、 前記FX部は、 処理対象の騒音の周波数帯域のうち、高域成分の信号を
    変換するものであることを特徴とする請求項3,4,
    9,8,9,10,11,12のいずれか1項記載の騒
    音消去装置。
  17. 【請求項17】 前記IIR部の各演算器は、 その周波数特性の少なくとも一部が、前記制御スピーカ
    から前記誤差検出器までの伝達特性の周波数特性と一致
    しているものであることを特徴とする請求項15又は請
    求項16記載の騒音消去装置。
  18. 【請求項18】 前記FX部の各演算器の周波数特性
    は、 少なくとも前記制御スピーカの最低共振周波数以上であ
    ることを特徴とする請求項17記載の騒音消去装置。
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