JPH0844375A - 騒音消去装置及び騒音消去方法 - Google Patents

騒音消去装置及び騒音消去方法

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Publication number
JPH0844375A
JPH0844375A JP6178075A JP17807594A JPH0844375A JP H0844375 A JPH0844375 A JP H0844375A JP 6178075 A JP6178075 A JP 6178075A JP 17807594 A JP17807594 A JP 17807594A JP H0844375 A JPH0844375 A JP H0844375A
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JP
Japan
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noise
signal
control
characteristic
frequency
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Pending
Application number
JP6178075A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Tamura
忠司 田村
Kenichi Terai
賢一 寺井
Hiroyuki Hashimoto
裕之 橋本
Yasutoshi Nakama
保利 中間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 騒音源から発生される騒音を検出し、騒音検
出信号を出力する騒音検出器11と、制御信号を制御音
として所定の領域に放射する制御スピーカ13と、所定
領域における騒音と制御音との誤差信号を出力する誤差
検出器14と、を有する。さらに、適応フィルタ部12
を備え、騒音検出信号を処理して制御信号を出力する適
応フィルタ101と、騒音検出信号を所定の周波数特性
によってフィルタ処理して第1の処理信号を出力するI
IRフィルタ102と、第1の処理信号と所定の伝達関
数との畳み込み処理を行い、第2の処理信号を出力する
演算器103と、第2の処理信号と誤差信号とを乗算
し、適応フィルタ101の係数を更新するための更新信
号を出力する乗算器104とを備えている。 【効果】 IIRフィルタと組み合わせる事により、タ
ップ長の短い演算器を用いて、小規模のハードウエア構
成により確実な騒音消去を行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、騒音消去装置及び騒音
消去方法に関し、特に、制御音を発生することによって
騒音を打ち消す能動的騒音消去装置(active noise cont
rol system)及び能動的騒音消去方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】騒音と同じ周波数及び振幅を有し、位相
が180度ずれた音(制御音)をスピーカから発生する
ことによって、騒音を消去することができる。制御音が
発生される場所(通常は受聴位置)では、騒音と制御音
とが干渉し、制御音が騒音を打ち消すからである。この
ような騒音消去方法を能動的騒音制御と呼ぶ。能動的騒
音制御は、従来の騒音防止方法のように、騒音源(エン
ジン等)を吸音材で覆ったり、遮音材を用いて騒音を遮
断する必要がない。そのため、装置全体を軽量・小型化
できるという利点を有しており、注目されてきた。
【0003】能動的騒音制御に於いて、騒音を有効に消
去するには、騒音に適応した制御音を精度よく生成しな
ければならない。能動的騒音制御を実用化するために
は、適切なアルゴリズムと高度な信号処理技術の発達を
待たねばならなかった。近年のディジタル信号処理技術
の発達に伴い、実用的な能動的騒音制御装置が提案され
ている。
【0004】図17は、従来の騒音消去装置700によ
る騒音制御の一例を模式的に示している。以下、図面を
参照しながら、従来の騒音消去装置700の構成及び装
置700を用いた騒音消去方法について説明する。
【0005】図17は、騒音源701から騒音が発生し
ているときに、騒音消去装置700のスピーカ704か
ら制御音を発生することによって、領域P(消音エリ
ア)において騒音を消去する場合を示している。
【0006】騒音源701(特性N)からの騒音は、空
間上における伝達関数Gを介して領域Pに到達する。同
時に、騒音源701の騒音情報は、騒音消去装置700
の騒音検出器702(伝達関数M)によって検出され
る。検出された騒音は、検出信号として適応フィルタ7
03(伝達関数H)に与えられる。適応フィルタ703
は検出信号を適応処理して制御信号を生成する。制御信
号は、制御音として制御スピーカ704(伝達関数S)
より放射され、制御音は、スピーカ特性Sを含む制御伝
達特性(伝達関数C)を通して領域Pに到達する。
【0007】領域Pに於いては、制御音と騒音とが合成
され、制御音が最適化されていれば、原理的には騒音は
消去される。しかし、実際には、それぞれの伝達特性の
時間的変動などにより、消去残りの誤差(residual erro
r)が存在する(式(1))。
【0008】 誤差音 = 騒音 + 制御音 ・・・・・(1) この消去残りは、誤差検出器(エラーマイク)705
(伝達関数E)によって検出され、誤差信号eとして乗
算器706に与えられる。誤差信号eは、各系の伝達特
性(伝達関数)を用いて、下記の式(2)によって表す
ことができる。
【0009】 e = (N*G + N*M*H*C)*E ・・・・・(2) この誤差信号eが最小になるように、適応フィルタ70
3の係数(即ち伝達関数H)が修正される。フィルタ係
数の修正は、乗算器706から与えられる係数更新ベク
トルΔHによって行われる。乗算器706は、誤差信号
eと参照入力Xとに基づき、LMS(Least Mean Squar
e)アルゴリズムを用いて係数更新ベクトルΔHを計算す
る。
【0010】ここで、参照入力Xとして、騒音検出器7
02によって検出された騒音検出信号を直接用いるので
はなく、騒音検出信号を演算器707(フィルタ係数
i.e.伝達関数C’)を介して用いている。伝達関数
C’は、予め同定された制御系伝達関数Cを模擬して設
定される。即ち、伝達関数C’は、伝達関数Cと周波数
−振幅特性が同一で、位相が180度ずれた、逆伝達関
数となるように設定される。伝達関数演算器707の周
波数特性を図18に、インパルス応答を図19に示す。
演算器707を介した騒音検出信号を用いることによ
り、参照信号Xの位相が誤差信号eの位相と揃うため、
適応フィルタ703の係数の計算を正しく収束させるこ
とができる。
【0011】適応フィルタ703の伝達関数は、式
(2)の左辺=0とおくことにより、次式(3)によっ
て与えられる。
【0012】 H = −G/(M*C) ・・・・・(3) 適応フィルタ703の係数更新を継続して行うことによ
り、各伝達関数の時間的変化に追従して伝達関数Hを更
新することができ、騒音消去効果を維持することができ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来の騒音消去装置は、乗算器706の演算処理
量がかなり多いため、適応フィルタ703の係数を算出
するには大きなハードウエアが必要である。例えば、図
19に示されるように、演算器707はタップ長128
のデジタルフィルタで構成されていれば特に問題は生じ
ないが、演算器707のタップ数が十分でないと、演算
器707によって伝達特性の低音域が再現できなくなる
ので、騒音が付加されたり発散するという問題が生じる
からである。このことは、吸音材や遮音材に比べて装置
のコストが高くなることにもつながる。
【0014】また、制御スピーカ704から誤差検出器
705が離れて設置されている場合には、以下のような
問題が生じる。制御スピーカ704から誤差検出器70
5への伝達関数Cを同定し、演算器707に逆伝達関数
C’を設定した後に、制御スピーカ704と誤差検出器
705との間に障害物が入ったり、環境が変化した場合
には、伝達特性は障害物の影響を受けてピークディップ
の多い特性となる。このような伝達特性の大きな変化に
は、適応フィルタ703の係数更新が追従できず、十分
な消音効果が得られなくなる。
【0015】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、規模の小さいハー
ドウエアを用いても、騒音の付加・発散等がなく、十分
な消音効果が得られる信頼性の高い騒音消去装置及び方
法を提供することにある。本発明のもう一つの目的は、
制御系の伝達特性に変化があった場合でも、十分に適応
することが可能であり、騒音の付加・発散等がない信頼
性の高い騒音消去装置及び方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の騒音消去装置
は、騒音源から発生される騒音を検出し、騒音検出信号
を出力する騒音検出器と、前記騒音検出信号に基づい
て、前記騒音を消去するための制御信号を出力する適応
フィルタ部と、前記制御信号を受け取り、制御音を所定
の領域に放射する制御スピーカと、前記所定領域におけ
る騒音と前記制御音との残差を検出し、誤差信号を出力
する誤差検出器とを備えており、前記適応フィルタ部
は、前記騒音検出信号を受け取り、前記騒音検出信号を
処理して制御信号を出力する適応フィルタと、前記騒音
検出信号を受け取り、所定の周波数特性によってフィル
タ処理して第1の処理信号を出力するIIRフィルタ
と、前記第1の処理信号を受け取り、前記第1の処理信
号と所定の伝達関数との畳み込み処理を行い、第2の処
理信号を出力する演算器と、前記第2の処理信号と前記
誤差信号とを受け取り、前記第2の処理信号と前記誤差
信号とを乗算し、前記適応フィルタの係数を更新するた
めの更新信号を出力する乗算器とを備えており、前記所
定の周波数特性及び前記所定の伝達関数は、前記制御ス
ピーカから前記誤差検出器への制御伝達特性に基づいて
定められるものである。
【0017】好ましくは、前記IIRフィルタの所定の
周波数特性は、第1の周波数領域において前記制御伝達
特性と実質的に一致していればよい。
【0018】また好ましくは、前記演算器の所定の伝達
関数は、第2の周波数領域において前記制御伝達特性と
実質的に一致していればよい。
【0019】さらに、前記第1の周波数領域は、前記制
御スピーカの最低共振周波数以下の領域であってもよ
く、前記第2の周波数領域は、前記制御スピーカの最低
共振周波数以上の領域であってもよい。
【0020】また、本発明の騒音消去装置は、騒音源か
ら発生される騒音を検出し、騒音検出信号を出力する騒
音検出器と、前記騒音検出信号に基づいて、前記騒音を
消去するための制御信号を出力する適応フィルタ部と、
前記制御信号を受け取り、制御音を所定の領域に放射す
る制御スピーカと、前記所定領域における騒音と前記制
御音との残差を検出し、誤差信号を出力する誤差検出器
とを備え、更に、前記適応フィルタ部を制御するための
係数調整信号を出力するフィルタ制御回路を備えてお
り、前記適応フィルタ部は、前記騒音検出信号を受け取
り、前記騒音検出信号を処理して前記制御信号を出力す
る適応フィルタと、前記騒音検出信号を受け取り、前記
係数調整信号に基づいて定められる周波数特性によって
フィルタ処理を行い、第1の処理信号を出力する適応型
IIRフィルタと、前記第1の処理信号を受け取り、前
記制御スピーカから前記誤差検出器への制御伝達特性に
基づいて定められる所定の伝達関数と、前記第1の処理
信号との畳み込み処理を行い、第2の処理信号を出力す
る演算器と、前記第2の処理信号と前記誤差信号とを受
け取り、前記第2の処理信号と前記誤差信号とを乗算
し、前記適応フィルタの係数を更新するための更新信号
を出力する乗算器とを備えている。
【0021】前記フィルタ制御回路は、前記制御信号と
前記誤差信号とを受け取り、前記制御伝達特性を計算す
る計算回路と、前記適応型IIRフィルタの前記周波数
特性と、計算された該制御伝達特性とを比較する特性比
較回路と、該特性比較回路の比較の結果に基づいて、前
記係数調整信号を出力し、該適応型IIRフィルタのフ
ィルタ係数を変更する係数変更回路とを有して構成する
ことができる。
【0022】前記特性比較回路は、前記IIRフィルタ
の前記周波数特性のカットオフ周波数と、該周波数特性
を表す曲線の傾きとに基づいて比較を行なうことが好ま
しい。
【0023】前記係数変更回路は、前記IIRフィルタ
の前記周波数特性のカットオフ周波数を所定の範囲に保
ち、該周波数特性を表す曲線の傾きを前記制御制御伝達
関数を表す曲線の傾きから所定の範囲に保つように、前
記フィルタ係数を制御することが好ましい。
【0024】本発明の騒音消去方法は、制御音によって
騒音を消去する能動的騒音制御方法であり、騒音源から
発生される騒音を検出し、騒音検出信号を生成するステ
ップと、該騒音検出信号を所定のフィルタ係数を用いて
フィルタリング処理し、該騒音を消去するための制御信
号を生成する信号処理ステップと、該制御信号を制御音
として制御スピーカから所定の領域に放射するステップ
と、該所定領域における該騒音と該制御音との残差を検
出し、誤差信号を生成するステップと、を有しており、
該信号処理ステップは、該騒音検出信号を所定の周波数
特性によってフィルタリング処理し、第1の処理信号を
生成するステップと、該第1の処理信号と所定の伝達関
数との畳み込み処理を行い、第2の処理信号を生成する
ステップと、該第2の処理信号と該誤差信号とを乗算
し、該所定のフィルタ係数を更新するための更新信号を
生成するステップと、該更新信号によって定められるフ
ィルタ係数によって該騒音検出信号を処理し、制御信号
を生成するステップとを備え、該所定の周波数特性及び
該所定の伝達関数は、該制御スピーカから該所定の領域
への制御伝達特性に基づいて定められるものである。
【0025】好ましくは、前記所定の周波数特性は、第
1の周波数領域において前記制御伝達特性と実質的に一
致するように設定される。
【0026】また好ましくは、前記所定の伝達関数は、
第2の周波数領域において、前記制御伝達特性と実質的
に一致するように設定される。
【0027】前記第1の周波数領域は、前記制御スピー
カの最低共振周波数以下の領域であることが好ましく、
前記第2の周波数領域は、前記制御スピーカの最低共振
周波数以上の領域であることが好ましい。
【0028】また前記信号処理ステップは、更に、前記
制御信号と前記誤差信号とに基づいて、前記所定の周波
数特性を変更する制御ステップを備えていてもよい。
【0029】前記制御ステップは、前記制御信号と前記
誤差信号とに基づいて、前記制御伝達特性を計算するス
テップと、前記所定の周波数特性と、計算された該制御
伝達特性とを比較するステップと、該比較するステップ
の結果に基づいて、該所定の周波数特性を制御するため
の特性調整信号を生成するステップと、該特性調整信号
に基づいて、該所定の周波数特性を変更するステップと
を有して構成することができる。
【0030】前記比較ステップにおいては、前記周波数
特性のカットオフ周波数と、該周波数特性を表す曲線の
傾きとに基づいて比較が行われてもよい。
【0031】また前記変更ステップにおいて、前記所定
の周波数特性が変更されることにより、前記周波数特性
のカットオフ周波数が所定の範囲に保たれ、該周波数特
性を表す曲線の傾きが前記制御制御伝達関数を表す曲線
の傾きから所定の範囲に保たれることが好ましい。
【0032】
【作用】本発明の騒音消去装置及び方法においては、I
IRフィルタの周波数特性及び演算器に設定される伝達
関数は、制御系の伝達特性に基づいて定められる。制御
系の伝達特性の低周波数領域はIIRフィルタによって
実現(再現)され、高周波数領域は演算器によって実現
される。このように、IIRフィルタと演算器とを組み
合わせることにより、タップ長の短い演算器を用いて、
制御系伝達特性の逆特性を正確に実現する。従って、こ
の逆特性に従ってフィルタ係数が定められる適応フィル
タにより、正確な制御信号が生成される。
【0033】また、IIRフィルタを適応型にて構成
し、制御系の伝達特性の変動に応じて、IIRフィルタ
の周波数特性(フィルタ係数)を制御することにより、
逆伝達特性は、制御系の伝達特性の変動に応じて補正さ
れるため、正確な制御信号が生成される。
【0034】
【実施例】以下、本発明の騒音消去装置および騒音消去
方法の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0035】(実施例1)以下、図面を参照しながら、
本発明の第1の実施例による騒音消去装置、及び当該装
置を用いた騒音消去方法について説明する。
【0036】騒音消去装置は、図1に示されるように、
騒音源10の騒音情報を検出する騒音検出器11と、検
出された騒音信号に基づいて騒音を制御するための制御
信号を生成する適応フィルタ部12と、制御信号を制御
音として放射する制御スピーカ13と、領域Pにおける
騒音の消去残りを検出する誤差検出器14とを備えてい
る。適応フィルタ部12は、適応フィルタ101と、適
応フィルタ101の係数を設定・更新するためのIIR
フィルタ102、演算器103、及び乗算器104を備
えている。
【0037】騒音検出器11は、騒音情報を騒音源から
直接電気信号として受け取る信号入力装置でもよく、騒
音を集音して検出するマイクロフォンであってもよい。
また、誤差検出器14は、本実施例ではマイクロフォン
を用いているが、状況に応じて他のものを用いることも
できる。
【0038】騒音源10から騒音が発生しているとき、
制御スピーカ13から制御音を発生することによって、
領域P(消音エリア)に於いては、制御音と騒音とが合
成される。このとき、制御音が最適化されていれば、原
理的には騒音は消去される。しかしながら、実際には、
それぞれの伝達特性の時間的変動などの要因により、領
域Pには、消去残りの誤差が存在する。この消去残り
は、誤差検出器14によって検出され、誤差信号eとし
て乗算器104に与えられる。乗算器104は、誤差信
号eを小さくするように、適応フィルタ101のフィル
タ係数を更新する。誤差信号eは、各系の伝達特性(伝
達関数)を用いて、下記の式(4)によって表すことが
できる。
【0039】 e = (N*G + N*M*H*C)*E ・・・・・(4) ここで、Nは騒音源10の特性、Gは騒音源10から領
域Pへの騒音系伝達関数、Mは騒音検出器11の特性
(伝達関数)、Hは適応フィルタ101の伝達関数、C
は制御系の伝達関数(制御スピーカ13の特性Sを含
む)、そしてEは誤差検出器14の特性(伝達関数)で
ある。なお、演算*は畳み込みを示している。
【0040】以下、騒音消去装置の適応フィルタ部12
を更に詳しく説明する。騒音検出器11によって検出さ
れた騒音源10の騒音情報は、騒音検出信号として適応
フィルタ101及びIIRフィルタ102に与えられ
る。適応フィルタ101は、乗算器104によって設定
されたフィルタ係数に応じて騒音検出信号を処理し、制
御信号を生成して制御スピーカ13に与える。
【0041】一方、騒音検出信号はIIRフィルタ10
2にも与えられる。IIRフィルタ102の構成例を図
2に示す。本実施例においては、バイクワッドの2段構
成のIIRを用いている。41、42、43、44は遅
延器、45、46、47、48、49は乗算器、50は
加算器である。この場合に、IIRフィルタの演算量
は、FIRフィルタの十数タップ分の演算量と同等であ
る。IIRフィルタ102の周波数特性(伝達関数)
は、制御系の伝達特性(伝達関数C)と所定の周波数f
0以下の領域において一致するように設定される。この
所定の周波数f0は、制御スピーカ13の最低共振周波
数であることが好ましい。図3は、制御スピーカ13か
ら誤差検出器14の伝達特性(制御系の伝達関数C)の
一例を示し、図4は、IIRフィルタ102の周波数特
性の一例を示している。図3及び図4からわかるよう
に、IIRフィルタ102の周波数特性は、100Hz
以下の範囲において制御系伝達関数Cに実質的に一致し
ている。
【0042】IIRフィルタ102によってフィルタリ
ング処理された信号は、演算器103に入力される。演
算器103はFIRフィルタによって構成することがで
きる。演算器103を構成するFIRフィルタの一例を
図5に示す。51、52、53、54、55は遅延器、
56、57、58、59、60、61、62は乗算器、
63は加算器である。図6は、演算器103の周波数特
性C”を示している。図3に示される制御系伝達関数の
周波数特性Cと比較すると、所定の周波数f0(100
Hz)以上の領域において、C”はCと同様の周波数特
性を再現していることがわかる。
【0043】図7に、演算器103のインパルス応答を
示す。図7から、演算器103に必要な周波数特性はタ
ップ数32で実現されることがわかる。低周波数側の特
性はIIRフィルタ102によって実現されるためであ
る。比較のために、図17に示される従来の騒音消去装
置における演算器707のインパルス応答を示す図19
をみると、演算器707は、必要な周波数特性を得るた
めには128タップを要している。
【0044】このように、IIRフィルタ102の周波
数特性を上述のように設定し、IIRフィルタ102と
演算器103とを直列に接続したハイブリッド構成にす
ることにより、演算器103のタップ数を大幅に減少さ
せても、制御系の伝達特性の逆伝達特性を正確に実現で
きる。従って、正確な制御信号を生成でき、従来の演算
器707と同様の消音効果を得ることができる。尚、逆
伝達特性は、伝達特性と振幅周波数特性が等しく、位相
が180度ずれた特性で与えられるが、図4及び図6等
には、位相差は示されていない。
【0045】演算器103の出力信号(参照信号X)
は、乗算器104に入力される。乗算器104は、参照
信号Xと誤差検出器14から与えられる誤差信号eとを
乗算し、適応フィルタ101に係数更新信号(更新ベク
トルΔH)として入力する。係数更新のアルゴリズム
は、例えば、公知の学習同定法(normalized LMS algori
thm)等を用いることができる(例えば、「ディジタル信
号処理の応用(コロナ社,電機通信学会)」P.219
〜 参照)。
【0046】図8は、乗算器104におけるLMSアル
ゴリズムを示すブロック図である。71はプラントG、
72〜80は遅延器、81〜85は加算器、86〜92
は乗算器である。入力信号系列Xj(時刻j)を係数Hj
の適応フィルタによって処理した信号が、入力信号系列
jがプラントG(伝達特性G)を通ってきた信号dj
打ち消すように、誤差信号ejのパワーを最小にする更
新ベクトルΔHを求める。評価関数としてe2を用いて
いる。評価関数e2のフィルタ係数Hjに対する変化分
(微分係数)を求め、その変化分に負の比例定数をかけ
ることにより、評価関数e2が常に小さくなる方向に、
再帰的に更新ベクトルΔHを定義することができる(式
(5))。
【0047】 ΔH = −μ’・(δe2/δHj) = −2μ’・ej・(δ(ej−Xj t・Hj)/δHj) = μ・ej・Xj ・・・・・(5) ここで、μ及びμ’は比例定数であり、δ/δは偏微分
を表している。Xjは、過去nサンプルの入力信号列ベ
クトル: Xj = (Xj, Xj-1,・・・・, Xj-n+1) ・・・・・(6) Hjは、nタップのフィルタ係数を表すベクトル: Hj = (hj(1), hj(2), ・・・・, hj(n)) ・・・・・(7) である。従って、時刻(j+1)に於ける適応フィルタ
の係数Hj+1は、次式(8)によって表される。
【0048】 Hj+1 = Hj + ΔH = Hj + μ・ej・Xj ・・・・・(8) 即ち、更新ベクトルΔhは、入力信号系列Xjに、誤差
信号ejとμ(収束定数)とを掛け、各タップ毎に加算
することによって求められる。最終的に、誤差信号eと
共に更新ベクトルΔHが0に近づき、Hは、プラントの
特性Gに近似した係数に収束する。
【0049】以上の操作を、タップ数が1の場合につい
て示したものが図9である。評価関数は下に凸の2次関
数となる。時刻jの微分係数が正である場合には更新量
ΔHは負となり、更新後の係数Hj+1に対する評価関数
j+1 2は、ej 2よりも減少する。微分係数が負である場
合には更新量ΔHは正となるので、更新後の評価関数e
j+1 2は、やはり減少する。
【0050】以上のように構成された本実施例の騒音消
去装置による騒音消去の効果を図10に示す。曲線95
は騒音の周波数特性を示し、曲線96は、IIRフィル
タ102と32タップの演算器103を用いた本実施例
の装置による消音効果を示している。比較のために、I
IRフィルタを有しない従来例の128タップの演算器
と32タップの演算器とを用いた場合の消音効果を示し
ている(曲線97及び98)。
【0051】図10から明らかなように、本実施例によ
ればIIRフィルタ102を付加することにより、32
タップの演算器103によって、128タップの従来例
の演算器707とほぼ同等の消音効果が得られる。騒音
は最大20〜25dB低減できる。一方、従来例の演算
器707において32タップのものを用いた場合には、
有効な消音効果が得られないだけでなく、低周波数領域
で雑音が付加されている。これは、タップ数が不足し、
低音域の伝達特性を再現できないためである。
【0052】以上のように、本実施例によれば、演算器
103が十分なタップ長を有していなくても、IIRフ
ィルタ102の効果により低音域の伝達特性が補われる
ため、小規模なハードウエア構成で騒音の消音を有効に
行うことができる。
【0053】(実施例2)以下、図面を参照しながら、
本発明の第2の実施例による騒音消去装置の構成、及び
当該装置を用いた騒音消去方法について説明する。
【0054】騒音消去装置は、図11に示されるよう
に、騒音源20の騒音情報を検出する騒音検出器21
と、検出された騒音信号に基づいて騒音を制御するため
の制御信号を生成する適応フィルタ部22a及び22b
と、制御信号を制御音として放射する制御スピーカ23
a及び23bと、領域Pa及びPbにおける騒音の消去
残りをそれぞれに検出する誤差検出器24a及び24b
とを備えている。
【0055】適応フィルタ部22aは、適応フィルタ2
01aと、適応フィルタ201aの係数を設定・更新す
るためのIIRフィルタ202a、演算器203a、及
び乗算器204aとを備えている。同様に、適応フィル
タ部22bは、適応フィルタ201bと、適応フィルタ
201bの係数を設定・更新するためのIIRフィルタ
202b、演算器203b、及び乗算器204bとを備
えている。
【0056】これらの各要素の構成は、(実施例1)で
説明したものと同様である。本実施例による騒音消去装
置は、(実施例1)で説明した、適応フィルタ部 − 制
御スピーカ − 誤差検出器のセットを複数系統備えてい
る。以下では、図11に示すように2系統を備えた場合
について説明するが、本発明はこれに限られるものでは
なくさらに多くの複数系統を設けてもよい。騒音検出器
21も、必要に応じて複数個設けることが可能である。
【0057】以下、騒音消去装置の適応フィルタ部22
a及び22bを更に詳しく説明する。
【0058】騒音検出器21によって検出された騒音源
20の騒音情報は、騒音検出信号として、フィルタ部2
2a及び22bのそれぞれの適応フィルタ201及びa
201bに与えられる。適応フィルタ201a及び20
1bは、対応する乗算器204a及び204bによって
設定されたフィルタ係数に応じて騒音検出信号を処理
し、制御信号を生成して制御スピーカ23a及び23b
に与える。
【0059】一方、騒音検出信号はIIRフィルタ20
2a及び202bにも与えられる。IIRフィルタ20
2aの周波数特性(伝達関数)は、IIRフィルタ10
2の場合と同様に、制御スピーカ23aから誤差検出器
24aの伝達特性(制御系の伝達関数C1)と所定の周
波数f1以下の領域において実質的に一致するように設
定される。この所定の周波数f1は、制御スピーカ23
aの最低共振周波数であることが好ましい。同様に、I
IRフィルタ202bの周波数特性(伝達関数)は、制
御スピーカ23bから誤差検出器24bの伝達特性(制
御系の伝達関数C2)と所定の周波数f2以下の領域にお
いて実質的に一致するように設定される。この所定の周
波数f2は、制御スピーカ23bの最低共振周波数であ
ることが好ましい。
【0060】IIRフィルタ202aによってフィルタ
リング処理された信号は、演算器203aに入力され、
IIRフィルタ202bによってフィルタリング処理さ
れた信号は、演算器203bに入力される。演算器20
3a及び203bはFIRフィルタによって構成するこ
とができる。演算器203aの周波数特性は、演算器1
03の場合と同様に、所定の周波数f1以上の領域にお
いて、制御系伝達関数C1の特性を再現するように設定
される。演算器203bについても同様に、所定の周波
数f2以上の領域において、制御系伝達関数C2の特性を
再現するように設定される。
【0061】演算器203a及び203bの出力信号
(参照信号Xa及びXb)は、それぞれ乗算器204a及
び204bに入力される。乗算器204aは、参照信号
Xaと誤差検出器24aから与えられる誤差信号eaとを
乗算し、適応フィルタ201aに係数更新信号(更新ベ
クトルΔHa)として入力する。同様に、乗算器204
bは、参照信号Xbと誤差検出器24bから与えられる
誤差信号ebとを乗算し、適応フィルタ201bに係数
更新信号(更新ベクトルΔHb)として入力する。係数
更新のアルゴリズムは、(実施例1)で説明した方法に
よって同様に行うことができる。
【0062】上述のように、IIRフィルタ202a及
び202bの周波数特性を所定の周波数領域(低周波数
側)で制御系伝達関数Cの逆特性となるように設定し、
演算器203a及び203bをそれぞれ対応するIIR
フィルタに直列に接続したハイブリッド構成にすること
により、演算器203a及び203bのタップ数を大幅
に減少させても、大きな消音効果を得ることができる。
騒音消去装置による効果は、図10に示した消音効果と
同等のものが得られる。
【0063】本実施例は、複数個の制御スピーカ及び誤
差検出器を用いる、いわゆるマルチ制御を行っているの
で、より広い領域において、正確で効果的な騒音の制御
が可能である。
【0064】マルチ制御を行う場合には、演算処理量及
び装置の規模が共に増大するため、演算器に十分なタッ
プ長を与えることができない場合が多い。従って、演算
器のタップ数を削減しても十分な消音効果が得られる本
発明は特に有用である。
【0065】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
について図面を参照しながら説明する。図12は、本発
明の第3の実施例による騒音消去装置の構成を模式的に
示している。
【0066】騒音消去装置は、図12に示されるよう
に、騒音源30の騒音情報を検出する騒音検出器31
と、検出された騒音信号に基づいて騒音を制御するため
の制御信号を生成する適応フィルタ部32と、制御信号
を制御音として放射する制御スピーカ33と、領域Pに
おける騒音の消去残りを検出する誤差検出器34、及び
フィルタ制御回路35とを備えている。適応フィルタ部
32は、適応フィルタ301、適応型IIRフィルタ3
02、演算器303、及び乗算器304を備えている。
騒音検出器31、制御スピーカ33、及び誤差検出器3
4の構成は(実施例1)及び(実施例2)と同様であ
る。本実施例においては、フィルタ制御回路35を備
え、IIRフィルタ302を適応型としたことにより、
制御系の伝達特性Cに大きな変化があった場合でも、十
分に対応することが可能となる。
【0067】以下、本実施例の騒音消去装置の適応フィ
ルタ部32及びフィルタ制御回路35を更に詳しく説明
する。
【0068】騒音検出器31によって検出された騒音源
30の騒音情報は、騒音検出信号として適応フィルタ3
01及び適応型IIRフィルタ302に与えられる。
【0069】適応フィルタ301は、乗算器304によ
って設定されたフィルタ係数に応じて騒音検出信号を処
理し、制御信号を生成して制御スピーカ33に与える。
制御信号は、同時にフィルタ制御回路35にも与られ
る。
【0070】適応型IIRフィルタ302においては、
まず、その周波数特性(伝達関数C I)が、制御スピー
カ33から誤差検出器34への制御系の伝達特性(伝達
関数C)に所定の周波数f0以下の領域において一致す
るように設定される。伝達関数CIの位相は、制御系の
伝達関数Cから180度ずれるように設定される。所定
の周波数f0は、制御スピーカ33の最低共振周波数で
あることが好ましい。
【0071】演算器303は、(実施例1)及び(実施
例2)と同様に、FIRフィルタによって構成すること
ができる。演算器303の周波数特性CFは、所定の周
波数f0以上の領域において、制御系の伝達関数Cと同
様の周波数特性を実現するように設定され、位相は制御
系の伝達関数Cから180度ずれるように設定される。
演算器303の出力信号(参照信号X)は、乗算器30
4に入力される。
【0072】一方、騒音源30から発生される騒音は、
制御スピーカ33から放射される制御音によって、領域
P(消音エリア)に於いて打ち消される。消去残りの誤
差は、誤差検出器34によって検出され、誤差信号eと
して乗算器304及びフィルタ制御回路35に与えられ
る。
【0073】乗算器304は、参照信号Xと誤差検出器
34から与えられる誤差信号eとを乗算し、適応フィル
タ301に係数更新信号(更新ベクトルΔH)として入
力する。適応フィルタ301のフィルタ係数は、誤差信
号eを小さくするように更新される。乗算器304にお
ける係数更新のアルゴリズムは、(実施例1)で説明し
たのと同様であり、説明を省略する。
【0074】フィルタ制御回路35は、図13に示すよ
うに、制御信号と誤差信号eとを受け取り、制御系の伝
達関数Cをリアルタイムで計算する特性計算回路351
と、特性計算回路351の計算結果と、適応型IIRフ
ィルタ302のフィルタ係数(伝達関数CI)とを比較
し、その差を測定する特性比較回路352と、この測定
結果に基づいて適応型IIRフィルタ302の係数を変
更する係数変更回路353とを有している。
【0075】特性計算回路351は、公知の技術によ
り、フーリエ変換器(あるいはZ変換器)及び加算器な
どを用いて構成することができる。
【0076】特性比較回路352は、制御系の伝達関数
Cと、適応型IIRフィルタ302によって実現される
特性(以下、フィルタ特性CIという)とを比較する。
図14に、周波数特性の比較の方法を示す。
【0077】特性比較回路352は、まず、フィルタ特
性CIのカットオフ周波数fIを調べ、カットオフ周波数
Iが制御系のカットオフ周波数(好ましくは上述の
0)の±30%の範囲内にあるかどうかを判定する。
判定の結果は係数変更回路353に与えられる。係数変
更回路353は、カットオフ周波数fIがこの範囲内で
実現されるように適応型IIRフィルタ302の係数を
制御する。次に、特性比較回路352は、カットオフ周
波数fI以下でのフィルタ特性の傾きを調べる。フィル
タ特性の傾きが、制御系伝達特性Cの傾きの平均値から
所定の範囲内にあるかどうかを判定し、所定の値以上ず
れた場合には、係数変更回路353によってIIRフィ
ルタ302のフィルタ特性を変更する。例えば、フィル
タ特性の傾きが、制御系伝達特性の傾きの平均値から、
常に±10dB以内の範囲内にあるように制御すること
ができる。カットオフ周波数fIより高い周波数領域で
のオフセットは、考慮する必要がない。この周波数領域
の特性は、演算器303の特性CFによって補償される
からである。以上の制御は、通常のマイコン技術によっ
て実現できる。
【0078】本実施例の騒音消去装置によれば、適応型
IIRフィルタの特性を一担設定した後に、制御スピー
カ33と誤差検出器34と間に障害物が入り、制御伝達
特性Cが大きく変動したような場合にも、フィルタ制御
回路35によって制御伝達特性の変動に対応できる。ま
た、制御スピーカ33の特性の経時変化等に基づく制御
伝達特性の変動にも容易に対応できる。従って、乗算器
304による適応フィルタ301のフィルタ係数Hの設
定(更新ベクトルΔHの入力)に誤差が少なくなり、様
々な環境下で領域Pにおける消音を正確に行うことがで
きる。
【0079】なお、以上の説明においては、制御スピー
カ − 誤差検出器は一系統としたが、本実施例の騒音消
去装置はこれに限られるものではなく、(実施例2)で
示したように、制御スピーカ − 誤差検出器を複数系統
備えていてもよく、同様の効果が得られる。
【0080】(実施例4)(実施例4)においては、本
発明の騒音消去装置の、より具体的・実際的な応用例を
示す。
【0081】図16は、列車などの座席(2人用)にお
けるオーディオ伝送システムの応用例を示す図である。
各座席シートのヘッドレストには、それぞれ左右のスピ
ーカが埋め込まれている。自席の1対のスピーカから再
生される音は、本来受聴すべき音である。それ以外の、
隣接席のスピーカから再生される音(漏れ音)及び列車
の振動音などは全て騒音となる。本実施例においては、
騒音制御は全て2チャネルで行われる。
【0082】図15(a)は、2チャネルの騒音制御装
置401(以下、ユニット401と呼ぶ)を示してい
る。適応フィルタはHLL、IIRフィルタはILL及びI
LR、演算器はCLL’及びCLR’、乗算器はLMS1及び
LMS2で表している。添え字の“LR”は、左の座席
の右スピーカを意味している。他の“LL”等も同様で
ある。個々の要素は上述の実施例で説明したものと同様
であるので、説明は省略する。以下、このユニット40
1は、簡単のため図15(b)に示すように略記する。
【0083】図16は、本システムを示すブロック図で
ある。なお、同図において、41は騒音検出器、43a
〜43dは制御スピーカ、44a、44bは誤差検出
器、401〜405はユニット、406、407は加算
器、408は座席、409、410は座席に座っている
人間である。隣接席からの漏れ音は、4系統の伝達関数
LL、GLR、GRL、及びGRRを経て自席(に座っている
人の両耳)に到達する。隣接席のオーディオ入力は、そ
れぞれ、対応するユニット401〜404によって処理
される。例えば、隣接席の左チャネル入力は、ユニット
401(適応フィルタHLL)及びユニット402(適応
フィルタHLR)に与えられて制御信号が生成される。右
チャネル入力は、ユニット403(適応フィルタHRL
及びユニット404(適応フィルタHRR)に与えられて
制御信号が生成される。これらの制御信号は、自席のオ
ーディオ信号と加算され、それぞれ自席のスピーカから
制御音として再生される。これらの制御音は、制御系伝
達関数CLL、CLR、CRL、及びCRRを経て両耳に到達
し、臨席からの漏れ音を減少させる。
【0084】自席のヘッドレストには誤差検出器(マイ
クロフォン)44a、44bが設置されており、漏れ音
と制御音との誤差を消し残り誤差として検出する。この
消し残り誤差が小さくなるように、適応フィルタHLL
LR、HRL、及びHRRの係数が更新される。例えば、隣
接席の左スピーカ43cから自席の左耳エリアに到達す
る漏れ音に対する制御信号の生成には、適応フィルタH
LL及びHLRが関わっている。制御系伝達関数CLLを介し
て騒音制御を行う適応フィルタHLLの係数は、LMS1
によって更新される。LMS1は、左耳エリアの誤差信
号eLと、予め同定されたILL及びCLL’によってフィ
ルタリングされた隣接席の左チャネル入力信号(参照信
号)とに基づいて、係数更新を行う。同様に、制御系伝
達関数CRLを介して騒音制御を行う適応フィルタHLR
係数は、LMS3によって更新される。LMS3は、右耳
エリアの誤差信号eRと、予め同定されたIRL及び
RL’によってフィルタリングされた隣接席の左チャネ
ル入力信号(参照信号)とに基づいて、係数更新を行
う。
【0085】座席シート408の下には騒音検出器41
が設置されており、これにより様々な騒音を検出する。
この騒音検出信号は、ユニット405によって同様に処
理され、制御信号が生成される。制御信号は、自席のオ
ーディオ信号に重ね合わされて自席のスピーカから再生
される。ユニット405も、本来2系統必要であるが、
両耳への騒音伝達関数GNは、低周波でほぼ等しいた
め、1系統で処理している。
【0086】本実施例のように処理系統が多くなればな
るほど、演算器の規模を小さくし、なおかつ十分に大き
な消音効果を得ることが重要になる。
【0087】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の騒音消去装置及び騒音消去方法によれば、規模の小さ
いハードウエア構成でも、騒音の付加・発散等がなく、
十分な消音効果が得られる信頼性の高い騒音消去を行う
ことが可能となる。更に、制御系の伝達特性に変化があ
った場合にも、十分に対応することが可能であり、騒音
の付加・発散等がない信頼性の高い騒音消去が可能であ
る。
【0088】また、本発明の騒音消去装置及び騒音消去
方法によれば、IIRフィルタと演算器とを直列に接続
したハイブリッド構成とすることにより、IIRフィル
タの効果により低音域の伝達特性が補われるため、演算
器のタップ数を大幅に減少させても、従来例と同様の消
音効果を得ることができる。
【0089】また、複数系統の制御スピーカ及び誤差検
出器を用いるマルチ制御を行うことにより、より広い領
域において、正確で効果的な騒音の制御が可能である。
マルチ制御を行う場合には、演算処理量及び装置の規模
が共に増大するため、演算器に十分なタップ長を与える
ことができない場合が多いので、演算器のタップ数を削
減しても十分な消音効果が得られる本発明は特に有用で
ある。
【0090】さらに、本発明の騒音消去装置及び騒音消
去方法によれば、適応型IIRフィルタの特性を一担設
定した後に、制御スピーカと誤差検出器と間に障害物が
入り、制御系の伝達特性が大きく変動したような場合に
も、フィルタ制御手段によって制御伝達特性の変動に対
応できる。また、制御スピーカの特性の経時変化等に基
づく制御伝達特性の変動にも容易に対応できる。従っ
て、様々な環境下において騒音制御を正確に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における騒音消去装置を
示すブロック図
【図2】本発明に係るIIRフィルタの一例を示すブロ
ック図
【図3】本発明の第1の実施例における制御系伝達関数
の周波数特性図
【図4】本発明の第1の実施例におけるIIRフィルタ
の周波数特性図
【図5】本発明に係るFIRフィルタの一例を示すブロ
ック図
【図6】本発明の第1の実施例に係る演算器の周波数特
性図
【図7】本発明の第1の実施例に係る演算器のインパル
ス応答を示す図
【図8】本発明に係る乗算器におけるLMSアルゴリズ
ムを示すブロック図
【図9】本発明に係る適応フィルタの係数の更新を説明
するための図
【図10】本発明の第1の実施例における騒音消去装置
による消音効果を示す図
【図11】本発明の第2の実施例における騒音消去装置
を示すブロック図
【図12】本発明の第3の実施例における騒音消去装置
を示すブロック図
【図13】本発明の第3の実施例に係るフィルタ制御回
路の構成を示すブロック図
【図14】フィルタ制御手段における周波数特性の比較
結果を示す図
【図15】(a)は第4の実施例における騒音消去装置
を示すブロック図 (b)は同図(a)を略記した図
【図16】本発明の第4の実施例における騒音消去装置
の応用例を示すブロック図
【図17】従来の騒音消去装置を示すブロック図
【図18】従来の騒音消去装置における演算器の周波数
特性図
【図19】従来の騒音消去装置における演算器のインパ
ルス応答を示す図
【符号の説明】
11 騒音検出器 12 適応フィルタ部 13 制御スピーカ 14 誤差検出器 101 適応フィルタ 102 IIRフィルタ 103 演算器 104 乗算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中間 保利 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】騒音源から発生される騒音を検出し騒音検
    出信号を出力する騒音検出器と、前記騒音検出信号に基
    づいて前記騒音を消去するための制御信号を出力する適
    応フィルタ部と、前記制御信号を受け取り、制御音を所
    定の領域に放射する制御スピーカと、前記所定領域にお
    ける騒音と前記制御音との残差を検出し、誤差信号を出
    力する誤差検出器とを備えた騒音消去装置であって、前
    記適応フィルタ部は、 前記騒音検出信号を受け取り、前記騒音検出信号を処理
    して前記制御信号を出力する適応フィルタと、前記騒音
    検出信号を受け取り、所定の周波数特性によってフィル
    タ処理して第1の処理信号を出力するIIRフィルタ手
    段と、前記第1の処理信号を受け取り、前記第1の処理
    信号と所定の伝達関数との畳み込み処理を行い、第2の
    処理信号を出力する演算手段と、前記第2の処理信号と
    前記誤差信号とを受け取り、前記第2の処理信号と前記
    誤差信号とを乗算し、前記適応フィルタの係数を更新す
    るための更新信号を、前記適応フィルタに出力する乗算
    手段とを備えており、 前記所定の周波数特性及び前記所定の伝達関数は、前記
    制御スピーカから前記誤差検出器への制御伝達特性に基
    づいて定められることを特徴とする騒音消去装置。
  2. 【請求項2】前記IIRフィルタの所定の周波数特性
    は、第1の周波数領域において前記制御伝達特性と実質
    的に一致している請求項1記載の騒音消去装置。
  3. 【請求項3】前記演算器の所定の伝達関数は、第2の周
    波数領域において前記制御伝達特性と実質的に一致して
    いる請求項1記載の騒音消去装置。
  4. 【請求項4】前記第1の周波数領域は前記制御スピーカ
    の最低共振周波数以下の領域である請求項2記載の騒音
    消去装置。
  5. 【請求項5】前記第2の周波数領域は前記制御スピーカ
    の最低共振周波数以上の領域である請求項3記載の騒音
    消去装置。
  6. 【請求項6】騒音源から発生される騒音を検出し、騒音
    検出信号を出力する騒音検出器と、前記騒音検出信号に
    基づいて、前記騒音を消去するための制御信号を出力す
    る適応フィルタ部と、前記制御信号を受け取り、制御音
    を所定の領域に放射する制御スピーカと、前記所定領域
    における騒音と前記制御音との残差を検出し、誤差信号
    を出力する誤差検出器とを備えた騒音消去装置であっ
    て、 前記適応フィルタ部を制御するための係数調整信号を出
    力するフィルタ制御手段を更に備えており、前記適応フ
    ィルタ部は、 前記騒音検出信号を受け取り、前記騒音検出信号を処理
    して前記制御信号を出力する適応フィルタと、前記騒音
    検出信号を受け取り、前記係数調整信号に基づいて定め
    られる周波数特性によってフィルタ処理を行い、第1の
    処理信号を出力する適応型IIRフィルタ手段と、前記
    第1の処理信号を受け取り、前記制御スピーカから前記
    誤差検出器への制御伝達特性に基づいて定められる所定
    の伝達関数と前記第1の処理信号との畳み込み処理を行
    い、第2の処理信号を出力する演算手段と、前記第2の
    処理信号と前記誤差信号とを受け取り、前記第2の処理
    信号と前記誤差信号とを乗算し、前記適応フィルタの係
    数を更新するための更新信号を前記適応フィルタに出力
    する乗算手段とを備えていることを特徴とする騒音消去
    装置。
  7. 【請求項7】前記IIRフィルタの所定の周波数特性
    は、第1の周波数領域において前記制御伝達特性と実質
    的に一致している請求項6記載の騒音消去装置。
  8. 【請求項8】前記演算器の所定の伝達関数は、第2の周
    波数領域において前記制御伝達特性と実質的に一致して
    いる請求項6記載の騒音消去装置。
  9. 【請求項9】前記第1の周波数領域は前記制御スピーカ
    の最低共振周波数以下の領域である請求項7記載の騒音
    消去装置。
  10. 【請求項10】前記第2の周波数領域は前記制御スピー
    カの最低共振周波数以上の領域である請求項8記載の騒
    音消去装置。
  11. 【請求項11】フィルタ制御手段は、前記制御信号と前
    記誤差信号とを受け取り、前記制御伝達特性を計算する
    計算手段と、前記適応型IIRフィルタの周波数特性
    と、計算された前記制御伝達特性とを比較する特性比較
    手段と、前記特性比較手段の比較の結果に基づいて、前
    記係数調整信号を出力し、前記適応型IIRフィルタの
    フィルタ係数を変更する係数変更手段とを有している請
    求項6記載の騒音消去装置。
  12. 【請求項12】前記特性比較手段は、前記IIRフィル
    タの周波数特性のカットオフ周波数と、前記周波数特性
    を表す曲線の傾きとに基づいて比較を行なうことを特徴
    とする請求項11記載の騒音消去装置。
  13. 【請求項13】前記係数変更手段は、前記IIRフィル
    タの周波数特性のカットオフ周波数を所定の範囲に保
    ち、前記周波数特性を表す曲線の傾きを前記制御伝達関
    数を表す曲線の傾きから所定の範囲に保つように、前記
    フィルタ係数を制御することを特徴とする請求項12記
    載の騒音消去装置。
  14. 【請求項14】制御音によって騒音を消去する騒音消去
    方法であって、 騒音源から発生される騒音を検出し、騒音検出信号を生
    成するステップと、 前記騒音検出信号を所定のフィルタ係数を用いてフィル
    タリング処理し、前記騒音を消去するための制御信号を
    生成する信号処理ステップと、 前記制御信号を制御音として制御スピーカから所定の領
    域に放射するステップと、 前記所定領域における前記騒音と前記制御音との残差を
    検出し、誤差信号を生成するステップとを有しており、
    前記信号処理ステップは、 前記騒音検出信号を所定の周波数特性によってフィルタ
    リング処理し、第1の処理信号を生成するステップと、 該第1の処理信号と所定の伝達関数との畳み込み処理を
    行い、第2の処理信号を生成するステップと、 前記第2の処理信号と前記誤差信号とを乗算し、前記所
    定のフィルタ係数を更新するための更新信号を生成する
    ステップと、 前記更新信号によって定められるフィルタ係数によって
    前記騒音検出信号を処理し、前記制御信号を生成するス
    テップとを備え、 前記所定の周波数特性及び前記所定の伝達関数は、前記
    制御スピーカから前記所定の領域への制御伝達特性に基
    づいて定められることを特徴とする騒音消去方法。
  15. 【請求項15】前記所定の周波数特性は、第1の周波数
    領域において前記制御伝達特性と実質的に一致するよう
    に設定される請求項14記載の騒音消去方法。
  16. 【請求項16】前記所定の伝達関数は、第2の周波数領
    域において前記制御伝達特性と実質的に一致するように
    設定される請求項14記載の騒音消去方法。
  17. 【請求項17】前記第1の周波数領域は前記制御スピー
    カの最低共振周波数以下の領域である請求項15記載の
    騒音消去方法。
  18. 【請求項18】前記第2の周波数領域は前記制御スピー
    カの最低共振周波数以上の領域である請求項16記載の
    騒音消去方法。
  19. 【請求項19】前記信号処理ステップは、前記制御信号
    と前記誤差信号とに基づいて前記所定の周波数特性を変
    更する制御ステップを備えている請求項14記載の騒音
    消去方法。
  20. 【請求項20】前記制御ステップは、 前記制御信号と前記誤差信号とに基づいて前記制御伝達
    特性を計算するステップと、 前記所定の周波数特性と、計算された前記制御伝達特性
    とを比較する比較ステップと、 前記比較ステップの結果に基づいて、前記所定の周波数
    特性を制御するための特性調整信号を生成するステップ
    と、 前記特性調整信号に基づいて、前記所定の周波数特性を
    変更する変更ステップとを有している請求項19記載の
    騒音消去方法。
  21. 【請求項21】前記比較ステップにおいては、前記周波
    数特性のカットオフ周波数と、前記周波数特性を表す曲
    線の傾きとに基づいて比較が行われる請求項20記載の
    騒音消去方法。
  22. 【請求項22】前記変更ステップにおいては、前記所定
    の周波数特性が変更されることにより、前記周波数特性
    のカットオフ周波数が所定の範囲に保たれ、前記周波数
    特性を表す曲線の傾きが前記制御伝達関数を表す曲線の
    傾きから所定の範囲に保たれる請求項21記載の騒音消
    去方法。
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