JPH0633228A - 真空蒸着装置 - Google Patents

真空蒸着装置

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JPH0633228A
JPH0633228A JP21235792A JP21235792A JPH0633228A JP H0633228 A JPH0633228 A JP H0633228A JP 21235792 A JP21235792 A JP 21235792A JP 21235792 A JP21235792 A JP 21235792A JP H0633228 A JPH0633228 A JP H0633228A
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Mitsuru Takai
充 高井
Koji Kobayashi
康二 小林
Shunichi Yamanaka
俊一 山中
Toshiyuki Otsuka
俊幸 大塚
Ichiya Hamaguchi
市哉 濱口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲への付着金属をるつぼに回収して蒸着を
長時間化し材料を節約する。 【構成】 蒸発すべき金属を収容するるつぼ、前記るつ
ぼ内に指向する電子ビームを発生させるための電子銃、
前記るつぼに対向して設けられた回転ドラム、前記回転
ドラムの面に沿ってプラスチック基体を送るための供給
及び巻取り手段、前記回転ドラムの面に沿って設けられ
一部が前記るつぼに対向した開口を有するマスク、前記
マスクを開閉するためのシャッタ部材、よりなる真空蒸
着装置において、前記シャッタまたはマスクのうち、る
つぼに近い側の面に付着した蒸着金属、またはるつぼに
接して設けた金属回収用の傾斜ブロックに、電子銃から
の電子ビームを当てて溶融し、直接またはるつぼの縁に
設けた傾斜ブロックを介してるつぼに戻すことを特徴と
する、蒸着方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は金属の蒸着装置に関し、
特にCoまたはCo合金の蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】真空室内において、電子銃から電子ビー
ムを発生させ、これをレンズにより絞ってスポットと
し、るつぼ内に収容された蒸発すべき金属に衝突させて
溶解これを溶解させ、溶解した高温度金属から金属蒸気
を蒸発させて基体に蒸着させる方法が行われている。こ
のような技術は特公平3−41897号、特公平3−3
8340号、特開昭59−178626、特開平3−1
26823号等に記載されている。
【0003】このような電子銃を使用する真空蒸着装置
では、電子銃から出た高エネルギー電子ビームをるつぼ
に向けて直進させる。るつぼは通常基体の幅方向に細長
く延びた長方形をしており、電子ビームはるつぼの金属
表面をほぼ均一に加熱する目的で偏向磁界または電界の
作用下にるつぼの長さ方向に走査される。例えば、斜め
配向型の蒸着金属磁気記録媒体を製造する場合には、C
oまたはCo合金金属を高純度マグネシア(MgO)製
のるつぼ(ボート)に収容し、電子銃から最大30kV
程度の加速電圧で電子ビームをるつぼに向けて直進させ
て金属に衝突させる。その際に、電子ビームをるつぼの
長さ方向に(場合により更に幅方向にも)走査させて金
属を均一に加熱する(特公平3−41897号)。
【0004】上記の従来の蒸着方法では、蒸着金属の基
体への十分な接着強度が確保できず、十分な耐久性のあ
る蒸着膜を提供できない。その原因は、電子ビームの電
力を約120〜150kW(30kVで4〜5A程度)
以上にすると、溶融金属表面から金属蒸気と共に飛び出
す電子と電子銃からの電子が互いに反発して電子の収束
ができず、実効電力を約100kW以上には出来ず、蒸
気速度を十分に向上させることができなかったからであ
る。なおここに実効電力とは蒸発速度が電子銃の電力に
依存して変化する範囲の電力である(例えば、100〜
150kW加えても蒸発速度が変化しない場合、最大実
効電力は100kWである)。ある。
【0005】電子銃の実効電力は、電子銃が放出する電
子ビームの軸線を前記長方形るつぼの中心と前記開口の
中心を結ぶ軸線とをほぼ直角に交差して配置し、前記電
子ビームを磁界によりほぼ直角に偏向して前記るつぼ内
に結像させるとことにより大幅に増大できることがわか
った。
【0006】このような装置は、より具体的には、蒸発
すべき金属を収容する細長いるつぼ、前記るつぼ内に指
向する電子ビームを発生させるための電子銃、前記るつ
ぼに対向して設けられた回転ドラム、前記回転ドラムの
面に沿ってプラスチック基体を送るための供給及び巻取
り手段、前記回転ドラムの面に沿って設けられ一部が前
記るつぼに対向した開口を有するマスク、及び前記マス
クを開閉するためのシャッタ部材よりなる真空蒸着装置
において実現できる。このような蒸着装置は、例えばC
oまたはCo合金をポリエステル(PET等)に斜め蒸
着して斜めの異方性を有する磁気記録媒体を製造するの
に使用できる。その際に、磁気特性を調整する目的で蒸
着中に酸素、二酸化炭素、窒素、アンモニア、スチレン
等のガス、特に酸素を導入することが行われている(特
公昭3−41897号)。すなわち、ガスはスリット状
の出口を有する供給ノズルから放出される。放出される
ガスの流量分布を一定に保持するためにガス供給源とノ
ズルの間に均圧タンクを使用することもある。
【0007】
【発明が解決すべき課題】電子銃を大電力化すると、る
つぼから蒸発する金属が大幅に増えてシャッタまたはマ
スクのうちの前記るつぼ側にある部材に蒸着金属が多量
に付着する。こうした蒸着金属は、液滴となって滴り落
ちるが、滴り落ちる液滴が元のるつぼに戻れば良いの
で、所定の傾斜ブロックをつぼの縁に設けることが考え
られる。しかしある程度るつぼから遠い箇所ではシャッ
タ及び傾斜ブロックでも蒸発金属はこかしてしまい、蓄
積して貴重な金属が無駄になる。したがって、本発明の
目的は、こうした無駄のない蒸着方法を提供することに
ある。
【0008】本発明は、蒸発すべき金属を収容するるつ
ぼ、前記るつぼ内に指向する電子ビームを発生させるた
めの電子銃、前記るつぼに対向して設けられた回転ドラ
ム、前記回転ドラムの面に沿ってプラスチック基体を送
るための供給及び巻取り手段、前記回転ドラムの面に沿
って設けられ一部が前記るつぼに対向した開口を有する
マスク、前記マスクを開閉するためのシャッタ部材、よ
りなる真空蒸着装置において、前記シャッタまたはマス
クのうち、るつぼに近い側の面に付着した蒸着金属に、
電子銃からの電子ビームを当てて溶融し、るつぼに戻す
ことを特徴とする、蒸着方法。別法として、るつぼの縁
に近接して溶融金属がるつぼに流れ戻るように設けた傾
斜ブロックを設け、前記ブロックに電子ビームを当てて
付着した金属を溶融し、るつぼに戻すようにする。
【0009】
【実施例の説明】以下図面を参照して本発明の実施例を
詳しく説明する。図1は本発明の蒸着装置1を示す。た
だし図示の部分は図示しない真空チャンバーに収容され
ており、所定の排気装置を有するものとする。3は矢印
の方向(またはその逆方向)に回転する回転ドラムで、
蒸着基体を構成するポリエステル等の基体フィルム5が
その周りにかけ通され、繰り出しロール9ら回転ドラム
3の周面を通って巻き取りロール7に巻き取られる。回
転ドラム3に近接して一部が開口したマスク11が設け
てあり、蒸着金属が所定の角度以外ではフィルム5に蒸
着しないようにしている。マスク11の外面(または内
面)に沿ってシャッタ13が設けてあり、蒸着の初期及
び終期に矢印の方向にスライドしてマスク11の開口を
遮蔽することにより不要な蒸着を防止する。マスク11
の開口の寸法は、回転ドラム3の軸線方向にはフィルム
5上に所定の蒸着幅が得られるように、回転ドラムの周
方向にはフィルム上に所定の蒸着角度θが得られるよう
に選択する。酸素等のガスを導入するためにガス供給ノ
ズル25をシャッタの13とマスク11の間に配置す
る。
【0010】マスク11の開口に対向して高純度マグネ
シア(MgO)製等のるつぼ15が配置され、その内部
に蒸着すべき原料金属17が装入されている。るつぼ1
5は必要な蒸着幅を得るのに十分なだけ回転ドラム3の
軸線方向に細長く伸びている。るつぼ15は所定の蒸着
角度θ(マスクの開口内の位置により若干変動する)が
得られるように配置される。るつぼ15に装入した原料
金属17は電子銃19から放出される電子ビーム21に
より加熱される。本発明ででは電子銃19の電子ビーム
21の放出方向はるつぼ15とマスク11の開口を結ぶ
線に対してほぼ90度をなす方向に電子ビーム21を放
出する。この電子ビームは図示しない適当なコンデンサ
レンズ、収束レンズ、及び偏向コイルによる磁界23の
作用により約90度曲げられると同時に小スポット状に
収束されて原料金属17に衝突する。実験によると、図
1の鎖線位置に配置された従来の直進型電子銃19’に
比較して、大幅な電力増大が達成できることが分かっ
た。
【0011】最小入射角度θmin は用途により最適角度
は異なるが、特に磁気記録媒体としてCo、またはCo
−Ni合金をポリエチレンテレフタレート等のポリエス
テル等の基体フィルムに斜め蒸着して、磁化容易方向を
基体に対して斜めにとしたい場合には、最小入射角θmi
n を10°〜60°、好ましくは20°〜50°とす
る。Co合金としては特公平3−41897号等に記載
されたものがある。
【0012】図1の装置の具体的な動作例を挙げると次
の通りである。平均の最小入射角θmin を30度、るつ
ぼの液面と回転ドラム3の蒸着面の平均距離を約300
mm、マスクの開口幅を500mmとし、真空チャンバ
ーを1×10-5Torrに排気し、厚さ7μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム(PET)を100〜2
50m/minで走行させ、Co−Ni合金(80:2
0)のペレットをるつぼ15に間欠供給しながら、電子
銃19の駆動電力40kV×(3〜5A)=120〜2
00kWで溶解し、蒸着を行う。電子銃電力を一定に保
ちながらフィルム搬送速度を調整して蒸着膜厚を約18
00Åとする。また蒸着時にガス供給ノズル25導入す
る酸素主成分のガス量も適宜調整して同等の磁気特性が
得られるように成膜する。
【0013】実施例1 図1に示すように傾斜ブロック25を設ける。電子銃の
電力その他の条件にしたがって、シャッタ(るつぼに近
い側がマスクの場合にはマスク)に付着した蒸着金属は
液滴となって滴り落ちたりあるいは固化してシャッタ等
に付着蓄積する。蒸発すべき金属がCoまたはCo合金
であるばあいには、電子銃の実効出力をP(kW)、る
つぼの液面の表面積をS(m2 )、るつぼの液面からシ
ャッタ(マスクがるつぼ側にある時はマスク)の最近接
点までの距離をd(m)としたとき、P/(S・d)<
11030(kW/m3 )の関係が満足されると、シャ
ッター(またはマスク)に付着した蒸着金属は液滴化せ
ず、垂れ落ちることがないので蓄積する。P/(S・
d)≧11030(kW/m3 )では蒸着金属は固化し
ないで滴り落ちるので傾斜ブロック25で回収する。し
かしこの条件の満足しない遠い側では依然としてシャッ
タに付着金属が蓄積する。またブロック25に付着した
金属の一部はるつぼの輻射熱によって溶解してるつぼに
戻る。しかし、傾斜ブロックの遠い部分には熱が十分届
かないので固化し蓄積する。
【0014】そこで、本発明では電子銃19の偏向磁界
を間欠的に調節して図示のように電子ビームをシャッタ
(またはマスク)、または傾斜ブロックの付着金属に当
てる。電子ビームは必要最小限度にしてシャッタ、傾斜
ブロックを保護する。シャッタ(またはマスク)は原料
金属と同様な組成のCoまたはCo合金から構成するこ
とが好ましい。また傾斜ブロックはるつぼと同じ素材と
することが好ましい。なお、電子銃としては補助の電子
銃を別個に設けてこれをシャッタまたは傾斜ブロックの
付着金属の溶融に使用しても良い。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明によると、原料が
回収できるので無駄がなくなると同時に、利用できる原
料金属の量が実質的に増えるので蒸着時間の長時間化が
達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着装置の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 蒸着装置 3 回転ドラム 5 基体フィルム 7 巻き取りロール 9 繰り出しロール 11 マスク 13 シャッタ 15 るつぼ 17 原料金属 19 電子銃 21 電子ビーム 23 偏向磁界 25 傾斜ブロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 俊幸 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内 (72)発明者 濱口 市哉 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸発すべき金属を収容するるつぼ、前記
    るつぼ内に指向する電子ビームを発生させるための電子
    銃、前記るつぼに対向して設けられた回転ドラム、前記
    回転ドラムの面に沿ってプラスチック基体を送るための
    供給及び巻取り手段、前記回転ドラムの面に沿って設け
    られ一部が前記るつぼに対向した開口を有するマスク、
    前記マスクを開閉するためのシャッタ部材、よりなる真
    空蒸着装置において、前記シャッタまたはマスクのう
    ち、るつぼに近い側の面に付着した蒸着金属に、電子銃
    からの電子ビームを当てて溶融し、直接またはるつぼの
    縁に設けた傾斜ブロックを介してるつぼに戻すことを特
    徴とする、蒸着方法。
  2. 【請求項2】 蒸発すべき金属を収容するるつぼ、前記
    るつぼ内に指向する電子ビームを発生させるための電子
    銃、前記るつぼに対向して設けられた回転ドラム、前記
    回転ドラムの面に沿ってプラスチック基体を送るための
    供給及び巻取り手段、前記回転ドラムの面に沿って設け
    られ一部が前記るつぼに対向した開口を有するマスク、
    前記マスクを開閉するためのシャッタ部材、よりなる真
    空蒸着装置において、前記シャッタまたはマスクのう
    ち、るつぼに近い側の面に付着した蒸着金属の液滴をる
    つぼに戻すように傾斜ブロックを設け、前記ブロックの
    液滴が固化する箇所の付着金属に電子ビームを当てて付
    着した金属を溶融し、るつぼに戻すようにした、蒸着方
    法。
  3. 【請求項3】 金属がCoまたはCo合金である請求項
    1または2に記載の蒸着方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7007934B2 (en) 2001-07-02 2006-03-07 Tokai Rubber Industries, Ltd. Fluid-filled vibration damping device
JP2008069393A (ja) * 2006-09-13 2008-03-27 Oshima Denki Seisakusho:Kk 真空成膜装置および真空成膜方法
DE112009004351T5 (de) 2008-12-16 2012-06-28 Komatsu Ltd. Bremsschmiervorrichtung und Verfahren zu deren Steuerung
JP2012233214A (ja) * 2011-04-28 2012-11-29 Ulvac Japan Ltd 電子ビーム蒸着装置
WO2021247380A1 (en) * 2020-06-04 2021-12-09 Applied Materials, Inc. Vapor deposition apparatus and method for coating a substrate in a vacuum chamber

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US11732345B2 (en) 2020-06-04 2023-08-22 Applied Materials, Inc. Vapor deposition apparatus and method for coating a substrate in a vacuum chamber

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