JPH06331918A - 回転多面鏡およびこれを備える光走査装置 - Google Patents

回転多面鏡およびこれを備える光走査装置

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JPH06331918A
JPH06331918A JP11672093A JP11672093A JPH06331918A JP H06331918 A JPH06331918 A JP H06331918A JP 11672093 A JP11672093 A JP 11672093A JP 11672093 A JP11672093 A JP 11672093A JP H06331918 A JPH06331918 A JP H06331918A
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JP
Japan
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light beam
polygon mirror
rotating body
rotary polygon
incident
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Application number
JP11672093A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisaaki Oseko
久秋 小瀬古
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、複写機等に搭載され光ビームを走
査する回転多面鏡および光走査装置に関し、回転体の内
方での光ビームの全反射を実現して容易に形成可能にす
ることにより品質の安定を図り低コストの回転多面鏡お
よび光走査装置を提供することを目的とする。 【構成】 回転体11の周囲に複数設けられ光ビームを透
過する所定屈折率の透明樹脂からなる透過部16と、回転
駆動源の回転軸に固定される軸中心部17と、透過部16を
軸中心部17に連結し支持する連結部18と、を備え、透過
部16に回転体11の外周面を形成する外面12および外面12
に対向して軸方向に90度の挟角を形成する平面状の上
段、下段反射面14、15を設け、所定方向から透過部16に
入射された光ビームを上段、下段反射面14、15が透明材
料および空気の屈折率の差により一方側から他方側に全
反射し出射する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、入射された光ビームを
走査する回転多面鏡および光走査装置に関し、例えば、
レーザビームプリンタ、ファクシミリ、および複写機等
に搭載される回転多面鏡および光走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光源から出射された光ビームを回
転多面鏡の回転によって記録媒体上を走査する例えば、
レーザビームプリンタ、ファクシミリ、および複写機等
に搭載された光走査装置が知られている。この種の光走
査装置は、図18に示すようなものがある。この光走査装
置は、各側面に単一な平面状の反射面1aを有する多角
柱状に形成された回転可能な回転多面鏡1を備え、光源
2から出射された光ビーム(図中、破線で示す)をコリ
メートレンズ3を介して回転多面鏡1に入射して反射面
1aで反射させ、その光ビームをfθレンズ4を介して
記録媒体上に収束させるようになっており、回転多面鏡
1を回転させその回転角に応じて記録媒体の主走査方向
に走査する。なお、この光走査装置は、図示はしていな
いが、光ビームを上下方向に補正するシリンドリカルレ
ンズおよび回転多面鏡1を回転軸に固定され回転させる
回転駆動源を備えている。
【0003】この光走査装置は、回転多面鏡1(以降、
第1従来例ともいう)の単一な反射面1aにより光ビー
ムを反射して走査するため前記記録媒体の主走査方向の
同一面内に回転多面鏡1、光源2、およびコリメートレ
ンズ3やfθレンズ4等の光学系を配設しており、図19
に示すように、光源2は光ビームを回転多面鏡1の軸芯
から所定距離ずれた方向に出射し回転多面鏡1が回転角
に応じた光源2等が配設されていない方向に反射面1a
で反射(走査)するようになっている。
【0004】この光走査装置は、単一な平面状の反射面
1aによって光ビームを反射するため、回転多面鏡1の
面倒れの影響を受け易く前記記録媒体の副走査方向に大
きくずれてしまうという不具合がある。そのため、対策
として回転多面鏡1を回転させる回転駆動源に空気軸受
を設ける方法が採られることが多い。しかし、空気軸受
は高速回転を可能にするものであり組み付け誤差を解消
するものではない。また、空気軸受を用いた場合高価な
装置となってしまう。そのため、図20に示すように、面
倒れが生じても光ビームの反射方向に誤差が生じないよ
うその光ビームを一方側から他方側に反射して出射する
平面状の上段、下段反射面5a、5bを外周に設けた回
転多面鏡5(以下、第2従来例という)が、例えば、特
開昭50−109737号公報、特開昭63−2921
08号公報、および特開昭63−292109号公報に
記載されている。
【0005】また、特開平3−130715号公報に
は、一体に形成された回転体を用い反射膜を反射材料の
蒸着によって形成する場合、上段反射面と下段反射面と
では膜厚に差が生じ反射特性が変化してしまうため、上
段反射面を有する上段反射部および下段反射面を有する
下段反射部を別体に分割して作製することによって蒸着
により均一な膜厚の反射面を形成可能にした回転多面鏡
(以下、第3従来例という)が記載されている。この第
3従来例は、上段、下段反射部をぞれぞれモールド成形
して蒸着により上段、下段反射面を形成した後、回転駆
動源に組み付ける際に結合するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1〜
3従来例にあっては、反射面の表面に光ビームを反射す
る金属反射膜を形成する成膜工程が必要であり、その金
属反射膜の膜厚等の管理が厳しいためコスト高になって
しまうという問題があった。また、第2従来例にあって
は、外周側に上段、下段反射面5a、5bを凹状に形成
しなければならないため、切削加工で作製するのは非常
に困難である。また、図21に示すように、上段、下段反
射面5a、5bを形成する鏡面6aが設けられた金型6
のキャビティ6b内に溶融したプラスチックを射出成形
することによって上段、下段反射面5a、5bを有する
回転体を形成することは可能であるが、金型6から回転
体を取り出すためには鏡面駒7をスライドする構成にし
なければならない。そのため、金型6が高価になるばか
りではなく、高価の割には多数個取りが困難なため、コ
スト高になってしまうという問題があった。
【0007】また、第3従来例にあっては、上段、下段
反射部を作製するのは比較的容易になるが、上段、下段
反射部と分割しているため、部品点数が2倍となり反射
膜を形成する工程も2倍となってしまう。さらに、2つ
に分割した上段、下段反射部を結合して所定角度にする
ためその角度の精度が低下してしまう。そのため、実用
するには問題があった。
【0008】そこで、本発明は、回転体の内方での光ビ
ームの全反射を実現して容易に形成可能にすることによ
り低コストにするとともに生産性を向上させることを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、請
求項1記載の発明は、回転体の回転方向の周囲に、入射
された光ビームを一方側から他方側に反射して出射する
一対の第1、2反射手段を複数設け、回転することによ
って前記光ビームを走査する回転多面鏡において、前記
回転体の回転方向の外周面を形成する外面および該外面
に対向する内面を有し光ビームを透過する所定屈折率の
透明材料からなる透過部を設け、前記第1、2反射手段
が、透過部の外面に対向して回転軸方向に90度の挟角
を形成し透過部の内面を形成する平面状の第1、2反射
面から構成され、該第1、2反射面が透過部に入射され
透過する光ビームを前記透明材料および空気の屈折率の
差により全反射することを特徴とするものである。
【0010】請求項2記載の発明は、前記透過部が、屈
折率が1.2以上の透明材料からなることを特徴とする
ものであり、請求項3載の発明は、前記透過部が、熱可
塑性非晶質の透明樹脂からなることを特徴とするもので
ある。請求項4載の発明は、前記回転体の透過部より軸
芯側が、所定強度を有する補強材料からなることを特徴
とするものである。
【0011】また、請求項5記載の発明は、前記回転体
の軸芯の平行線と前記第1反射面との挟角が45〜60
度で、前記第2反射面との挟角が30〜45度であるこ
とを特徴とするものである。請求項6記載の発明は、前
記透過部の外面が、前記回転体の軸芯の平行線に対して
所定角度で傾斜していることを特徴とするものである。
【0012】請求項7記載の発明は、前記透過部の外面
を、前記回転体の外周面が円筒状になるよう形成したこ
とを特徴とするものである。請求項8記載の発明は、前
記透過部の外面を、前記回転体の回転方向に凹面状とな
るよう形成したことを特徴とするものである。また、請
求項9記載の発明は、前記透過部の回転方向両端側を支
持する支持部材を設け、前記第1、2反射面を連続面と
なるよう形成したことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項10記載の発明は、請求項1
〜10の何れかに記載されている回転多面鏡と、該回転
多面鏡の軸中心部を固定される回転軸を有し所定速度で
該回転軸を回転する回転駆動源と、前記回転多面鏡の軸
芯に向けて光ビームを出射する光源と、を備えたことを
特徴とするものである。ここで、全反射とは、屈折率の
高い第1透明媒質から屈折率の低い第2透明倍質へ光ビ
ームが進むとき、その境界面で光ビームが100%反射
する現象をいい、光ビームの入射角θ1、屈折角θ2、第
1透明媒質の屈折率n、および第2透明倍質の屈折率
(本発明では空気となるため)1とすると、 n・sinθ1=sinθ2 で表され、 sinθ1>1/n のとき光ビームを全反射する。そして、屈折角θ2=9
0度のときの、 sinθ1=1/n の入射角θ1が全反射の臨界角となる。すなわち、光ビ
ームを全反射するためには、 sinθ1≧1/n …… を満足する入射角θ1および屈折率nにする必要があ
る。
【0014】また、熱可塑性非晶質の透明樹脂とは、例
えば、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ
カーボネイト、あるいはアモルファスポリオレフィン等
であり、補強材料とは、例えば、ガラス繊維、あるいは
カーボン繊維等を混入した強化樹脂、またはアルミニウ
ムあるいは真鍮等の金属である。
【0015】
【作用】請求項1記載の発明では、光ビームを透過する
透明材料からなり所定屈折率nを有する透過部に、その
外面に対向し回転軸方向の互いの挟角が90度になるよ
う第1、2反射面が形成される。したがって、回転体が
作製容易な構造となる。また、透過部に入射角θ1 方向
から入射され透過される光ビームが第1、2反射面によ
って透明材料および空気の屈折率の差により全反射され
る。そして、その光ビームが第1、2反射面の一方側か
ら他方側に反射されて入射位置から所定間隔で離隔した
出射位置から入射方向に対して平行に出射される。
【0016】請求項2記載の発明では、屈折率が1.2
以上の透明材料により透過部が構成される。したがっ
て、透過部に入射角θ1 方向から入射され透過される光
ビームは透明材料および空気の屈折率の差により第1、
2反射面で全反射される。請求項3記載の発明では、透
過部が熱可塑性非晶質の透明樹脂から構成される。した
がって、第1、2反射面は回転軸方向に開放されている
ためスライドする鏡面駒の必要のない簡易な構造の金型
を用いることができ、容易に成形される。このとき、金
型内の樹脂を加熱溶融して内部に樹脂内圧が発生される
ことによって高精度にその鏡面が転写される高精度樹脂
成形方法によって成形することができる。
【0017】請求項4記載の発明では、回転体の透過部
より軸芯側が所定強度を有する補強材料から構成され
る。したがって、回転時の変形や温度変化による変形が
防止され、回転精度が向上されて走査の信頼性が向上さ
れる。さらに、軸芯側を肉薄にして軽量化することもで
きる。また、請求項5記載の発明では、回転体の軸芯の
平行線と第1反射面との挟角が45〜60度に、第2反
射面との挟角が30〜45度に形成される。したがっ
て、成形する金型を容易に作製することができ、回転軸
方向に薄肉化される。
【0018】請求項6記載の発明では、回転体の外周面
が軸芯の平行線に対して所定角度で傾斜するよう形成さ
れる。したがって、成形金型によって形成される場合、
その金型内から取り出される際に透過部の外面が傷つけ
られることなく取り出され、外面での光ビームの散乱が
防止される。請求項7記載の発明では、透過部の外面が
回転体の外周面を円筒状にするよう形成される。したが
って、回転時の空気抵抗が低減され回転が安定される。
【0019】請求項8記載の発明では、透過部の外面が
回転体の回転方向に凹面状に形成される。したがって、
透過部にfθ特性が付与される。また、請求項9記載の
発明では、透過部の回転方向両端側が支持部材により支
持され、第1、2反射面が連続面となるよう形成され
る。したがって、第1、2反射面が隙間なく形成され、
光ビームが第1、2反射面の両側に亘り入射されても第
1、2反射面の一方側から他方側に反射され出射され
る。
【0020】また、請求項10記載の発明では、光源か
ら出射される光ビームは、第1、2反射手段の一方側か
ら他方側に反射され出射されるため、光ビームの入射位
置と出射位置は異なる位置にされ所定間隔に離隔され
る。そのため、光源を軸芯に向けて光ビームを入射する
よう配設することができ、光源を中心にして光ビームが
対称に走査される。したがって、主走査方向の両端側で
光ビーム径が変化することがない。
【0021】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係る回転多面鏡の第1実施例の全体構成を
示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はそのA−
A断面図である。本実施例は、請求項1〜3、または5
の何れかに記載の発明に対応する。
【0022】まず、構成を説明する。同図において、11
は回転体であり、回転体11は周囲に6つの平面状の外周
面を有する柱状の多面体に形成されている。この回転体
11は、それぞれの外周面を形成する外面12およびこの外
面12に対向する内面として回転軸方向に90度の挟角を
形成して回転体11の軸芯11aの平行線と略45度の挟角
を形成する平面状の上段、下段反射面14、15(第1、2
反射面)を有する透過部16と、図示していない回転軸に
固定され所定速度で回転される軸中心部17と、透過部16
を軸中心部17に連結して支持する板状の連結部18と、か
ら構成されており、透過部16、軸中心部17、および連結
部18は所定屈折率を有し光ビーム(図中、破線で示す)
を透過する透明材料によって一体に形成されている。な
お、上段、下段反射面14、15の表面はSiO2 等の保護
膜によって覆われている。
【0023】回転体11は、熱可塑性非晶質の透明樹脂
(透明材料)、例えば屈折率が1.59のポリカーボネ
イトにより構成されており、図2に示す金型20により成
形される。この金型20は、キャビティ21を画成する成形
面22が設けられた固定金型20aおよび可動金型20bから
なり、成形面22には回転体11に転写して外面12を形成す
る鏡面23および上段、下段反射面14、15が回転体11の回
転軸方向に対して上下方向の開放面となるよう形成する
固定された鏡面24、25が設けられており、移動可能な鏡
面駒のない小型で簡易な構成になっている。この回転体
11は加熱溶融用の金型20と、図示していないが、金型20
の成形面22と略同一形状の成形面および略同一容積のキ
ャビティを有する射出充填用の金型を用いる。射出充填
用の金型にはキャビティ内に溶融した前記透明樹脂を射
出充填するゲートが設けられており、加熱溶融用金型20
にはそのゲートは形成されていない。
【0024】そして、まず射出充填用金型のキャビティ
内に溶融した前記透明樹脂を前記ゲートを介して射出充
填し略最終形状の母材を成形する。次いで、その母材を
加熱溶融用金型20のキャビティ21内に挿入し、金型20を
樹脂のガラス転移温度以上に加熱(加熱溶融)すること
によって樹脂内圧を発生させ鏡面23〜25を含む成形面22
を高精度に転写してた後、キャビティ21内の温度および
圧力を均一な状態で徐冷して熱変形温度以下で回転体11
を取り出す。このとき、加熱溶融用金型20には前記ゲー
トを設けていないため、射出充填用金型により成形した
ときのゲート跡はなくなり滑らかな表面となる。なお、
金型20は鏡面24、25を固定しているため、金型を成形面
が分割された分割金型にしてスライドする鏡面駒に上
段、下段反射面14、15を形成する鏡面を設けてピン(所
謂、アンギュラーピン)により前記鏡面駒をスライドさ
せ取り出すような従来例で説明した構成の金型にする必
要がない。また、高精度な樹脂成形の製造方法は、特開
平4−163119号公報に記載されているため、これ
以上の説明は省略する。
【0025】この回転体11は、屈折率が1.59のポリ
カーボネイトにより構成し、上段、下段反射面14、15の
挟角を90度に形成するとともに回転体11の軸芯11aの
平行線との挟角を略45度に形成することによって軸芯
11aの法線方向から外面12に入射される光ビームの入射
角を略45度にするようになっている。そのため、上述
した全反射するための式を満足して透過部16を透過す
る光ビームを上段、下段反射面14、15の一方側から他方
側に全反射する。また、上段、下段反射面14、15は挟角
を90度に形成されているため光ビームの入射方向に対
して平行に出射する。そして、前記回転駆動源により回
転されることによって光ビームを走査する。すなわち、
上段、下段反射面14、15は一対の第1、2反射手段を構
成している。なお、入射角が45度の場合、全反射する
ための屈折率は1.41以上であるが、それに対して透
過部16の屈折率は1.59であるため、式より入射角
は45±5度程度まで全反射可能となり通常の面倒れが
発生しても光ビームを全反射するようになっている。
【0026】次に、作用を図3により説明する。まず、
回転体11の回転方向では、外面12の回転方向に対して角
度pで透過部16に入射する光ビームは、透過部16は屈折
率が1.59であるため所定屈折角で屈折され、上段、
下段反射面14、15の一方側に入射される。次いで、光ビ
ームは上段、下段反射面14、15の一方側で全反射され他
方側に入射される。次いで、上段、下段反射面14、15の
他方側で全反射され外面12に対する角度q1 に屈折され
1 方向に出射される。なお、図中一点鎖線で示すs方
向は、上段、下段反射面14、15の前記法線方向外方に透
過部16を設けていないときの光ビームの入射角度pと同
一の出射角度pで出射される出射方向を示している。こ
の出射角度q1 は透過部16の外面12が平面状に形成され
ているので出射角度q1 =出射角度pとなる。
【0027】次に、回転体11の回転軸方向では、図示し
ていないが、外面12の前記回転軸方向に対して所定角度
で透過部に16に入射する光ビームは、透過部16は屈折率
が1.59であるため所定屈折角で屈折されるが、挟角
を90度に形成された上段、下段反射面14、15の一方側
から他方側に全反射されて出射されるため、光ビームは
入射方向に対して平行な方向に出射される。
【0028】このように本実施例では、上段、下段反射
面14、15の挟角が90度に形成されるとともに回転体11
の軸芯11aの平行線との挟角が略45度に形成され、透
過部16が屈折率1.59の透明樹脂により構成されてい
るので、前記法線方向から外面12に入射された光ビーム
は透過部16を透過されて上段、下段反射面14、15の一方
側から他方側に全反射され入射方向に対して平行に出射
される。したがって、上段、下段反射面14、15表面に金
属反射膜等を形成することなく光ビームを全反射するこ
とができ、成膜工程が省かれて回転体11は低コストで形
成される。
【0029】また、上段、下段反射面14、15の挟角を9
0度に形成し回転軸方向に上下方向の開放面となるよう
回転体11を形成するため、金型20の鏡面24、25を固定す
ることができる。したがって、スライドする鏡面駒を設
ける必要がないので金型20の組み付け精度が向上される
とともにその鏡面駒のスライドによる変形力が加えられ
ないため高精度・長寿命の金型20にされる。また、金型
20が簡単な構成にされるので、多数個取りの金型にした
り、小型化することができる。そのため、回転体11の成
形歩留りが向上されるとともに生産性が向上され、安定
した品質の高精度な回転体11が低コストで成形される。
【0030】さらに、射出充填用金型により前記母材が
成形されその母材を加熱溶融用金型20に挿入し加熱溶融
することにより回転体11が成形されるためゲート跡等が
なく均一に高精度に成形でき、回転バランスの良いもの
が得られる。また、加熱溶融用金型20により最終的には
成形するので射出成形用金型の前記ゲートの大きさや位
置等の自由度が高くすることができ、簡単な構成にされ
前記母材が容易に成形される。
【0031】なお、回転体11の外周面を構成する外面12
以外の表面に遮光材を塗布したり、外面12および上段、
下段反射面14、15の表面以外を粗面にして光ノイズの侵
入を防止するようにしてもよい。次に、図4は本発明に
係る回転多面鏡の第2実施例の要部を示す断面図であ
り、本実施例は、請求項1〜5の何れかに記載の発明に
対応する。なお、本実施例では、上述実施例と同様な構
成には同一の符合を付してその説明を省略する。
【0032】同図において、31は回転体であり、回転体
31は、透過する光ビームを全反射する上段、下段反射面
14、15を有する透過部16と、前記回転軸に固定され所定
速度で回転される軸中心部37と、透過部16を軸中心部37
に連結して支持する板状の連結部38と、から構成されて
おり、軸中心部37および連結部38は、例えばガラス繊
維、カーボン繊維等の繊維や、薄片状のマイカやタルク
等のフィラーが混合された強化樹脂(補強材料)により
形成されている。
【0033】回転体31は、前記強化樹脂によって予め最
終形状に形成した軸中心部37および連結部38を図示して
いない金型のキャビティ内に挿入した後、前記透明樹脂
を射出充填および加熱溶融して透過部16の上段、下段反
射面14、15を高精度に成形(所謂、軸中心部37および連
結部38のインサート成形)したり、透過部16および軸中
心部37と連結部38のそれぞれに対応する成形面に前記透
明樹脂を射出充填する第1ゲートおよび前記強化樹脂を
射出充填する第2ゲートを設けて前記透明樹脂および強
化樹脂を射出充填および加熱溶融することによって透過
部16、軸中心部37および連結部38を成形(所謂、2種類
の樹脂による2色成形)することによって作製する。な
お、前記インサート成形ではアルミニウムあるいは真鍮
等の金属からなる軸中心部37および連結部38を用いても
よい。また、31aは回転体31の軸芯を示している。
【0034】本実施例では、上述第1実施例の作用効果
に加え、回転や温度変化による変形の小さな前記強化樹
脂により軸中心部37および連結部38を形成するため回転
体31の回転精度が向上され、光ビームの走査の信頼性が
向上される。さらに、軸中心部37および連結部38を肉薄
にして軽量化することもできる。次に、図5は本発明に
係る回転多面鏡の第3実施例の全体構成を示す断面図で
あり、本実施例は、請求項1〜3、または5の何れかに
記載の発明に対応する。なお、本実施例では、上述実施
例と同様な構成には同一の符合を付してその説明を省略
する。
【0035】同図において、41は回転体であり、回転体
41は、外面12および外面12側の挟角が90度に形成され
た上段、下段反射面44、45(第1、2反射面)を有し光
ビームを透過する透過部46と、軸中心部17と、連結部18
と、から構成されており、上段反射面44は回転体41の軸
芯41aの平行線との挟角を55度に、下段反射面45は前
記平行線との挟角を35度になるよう形成されている。
【0036】この回転体41は、上段、下段反射面44、45
の回転体41の軸芯41aの平行線との挟角を55度および
35度にしているので、透過部46の屈折率を略1.74
以上の透明樹脂により成形して全反射可能にしている。
また、上述実施例の屈折率が1.59のポリカーボネイ
トにより成形しても上段、下段反射面44、45に対する入
射角を45±5度の範囲となるよう光ビームを入射する
することにより全反射することができる。なお、この入
射角の調整については後述する。
【0037】本実施例では、上述1実施例の作用効果に
加え、回転体41の軸芯41aの平行線と上段反射面44との
挟角が55度、下段反射面45との挟角が35度となるよ
う形成されるので、回転体41が回転軸方向に肉薄にさ
れ、回転体41は小型化にされる。また、回転抵抗が小さ
くされる。次に、図6は本発明に係る回転多面鏡の第4
実施例の全体構成を示す断面図であり、本実施例は、請
求項1〜3、5、または6の何れかに記載の発明に対応
する。なお、本実施例では、上述実施例と同様な構成に
は同一の符合を付してその説明を省略する。
【0038】同図において、51は回転体であり、回転体
51は、回転体51の外周面を形成する外面52および外面52
側の挟角を90度に形成されるとともに回転体51の軸芯
51aの平行線と45度の挟角を形成して透過する光ビー
ムを全反射する上段、下段反射面14、15を有する透過部
56と、軸中心部17と、連結部18と、から構成されてお
り、透過部56の外面52は前記平行線に対してα度(例え
ば、0.5〜20度)で傾斜するよう形成されている。
この透過部56、軸中心部17、および連結部18は前記透明
樹脂により一体に形成されている。
【0039】この回転体51は、上述第1実施例と同様
に、図7に示す加熱溶融用の金型60と略同一の成形面お
よびキャビティを有し前記ゲートを設けられた射出充填
用の金型を用いそのキャビティ内に前記透明樹脂を射出
充填して略最終形状の母材を成形した後、前記ゲートの
ない金型60のキャビティ61内にその母材を挿入し加熱溶
融して樹脂内圧により高精度に成形される。この金型60
は、図2に示した金型20と略同一の構成となっており、
キャビティ61を画成する成形面62が設けられた固定金型
60aおよび可動金型60bからなり、成形面62には回転体
51に転写して外面52を形成する鏡面53および上段、下段
反射面14、15を形成する鏡面24、25が設けられている。
鏡面53は外面52が前記平行線に対しての傾斜角をα度に
するよう設けられている。
【0040】本実施例では、上述第1実施例の作用効果
に加え、回転体51の軸芯51aの平行線に対してα度で傾
斜させる金型60により成形されるので、金型60から容易
に回転体51を取り出すことができるとともに、外面52を
傷つけてしまうことが防止され、光ビームが外面52で散
乱することが防止される。次に、図8は本発明に係る回
転多面鏡の第5実施例を示す図であり、(a)はその斜
視図、(b)はそのA−A断面図である。本実施例は、
請求項1〜3、または5〜7の何れかに記載の発明に対
応する。なお、本実施例では、上述実施例と同様な構成
には同一の符合を付してその説明を省略する。
【0041】まず、構成を説明する。同図において、81
は回転体であり、回転体81は外周面を円錐状(円筒状)
に形成されており、この回転体81はその外周面を形成す
る外面82および外面82側の挟角を90度に形成され透過
する光ビームを全反射する範囲内で回転体81の軸芯81a
の平行線との挟角を45度以上に形成された上段反射面
44および45度以下に形成された下段反射面45を有する
透過部86と、軸中心部17と、連結部18と、から構成され
ており、透過部86の外面82は前記平行線に対して所定角
度(β度)で傾斜するよう形成されている。なお、この
回転体81には透過部86が4組み設けられている。
【0042】次に、作用を図9により説明する。回転体
81の回転方向では、透過部86の外面82が円錐状の回転体
81の外周面を構成するため凸面状に形成されているの
で、所謂、凸レンズとして働き、外面82の回転方向に対
して角度pで透過部86に入射された光ビームは出射角度
pよりも小さな出射角度q2 (出射角度p>出射角度q
2 )に屈折されて出射され、出射方向sよりも大きな走
査角でr2 方向に出射される。
【0043】本実施例では、上述第1、3、4実施例の
作用効果に加え、回転体81の外周面が外面82により円形
になるよう形成されているので回転時の透過部86の変形
が防止される。さらに、回転する際の空気抵抗が小さく
され回転のバランスが取り易くなり回転が安定する。ま
た、上段、下段反射面44、45に対して角度pで入射され
た光ビームは角度pよりも小さな角度q2 で出射され、
出射方向sよりも大きな走査角となるr2 方向に出射さ
れる。
【0044】次に、図10は本発明に係る回転多面鏡の第
6実施例の全体構成を示す斜視図であり、本実施例は、
請求項1〜3、5、または8の何れかに記載の発明に対
応する。なお、本実施例では、上述実施例と同様な構成
には同一の符合を付してその説明を省略する。まず、構
成を説明する。
【0045】同図において、91は回転体であり、回転体
91は周囲に6つの凹面状の外周面を有する柱状の多面体
に形成されている。この回転体91は、その外周面を形成
する外面92および透過する光ビームを全反射する上段、
下段反射面14、15(下段反射面15は図示していないが上
段反射面14の裏面側に位置する)を有する透過部96と、
軸中心部17と、連結部18と、から構成されており、透過
部96、軸中心部17、および連結部18は前記透明樹脂によ
り一体に形成されている。
【0046】次に、作用を図11により説明する。回転体
91の回転方向では、透過部96の外面92は凹面状に形成さ
れているので、外面92の回転方向に対して角度pで透過
部96に入射する光ビームは出射角度pよりも大きな出射
角度q3 (出射角度p<出射角度q3 )に屈折されて出
射され、出射方向sよりも小さな走査角でr3 方向に出
射される。
【0047】本実施例では、上述第1実施例の作用効果
に加え、上段、下段反射面14、15に対して角度pで入射
された光ビームは角度pよりも大きな角度q3 で出射さ
れて出射方向sよりも小さな走査角となるr3 方向に出
射されるため、fθ特性が付与される。次に、図12は本
発明に係る回転多面鏡の第7実施例の全体構成を示す図
であり、(a)はその斜視図、(b)はそのA−A断面
図である。本実施例は、請求項1〜3、5、または9の
何れかに記載の発明に対応する。なお、本実施例では、
上述実施例と同様な構成には同一の符合を付してその説
明を省略する。
【0048】同図において、101は回転体であり、回転
体101は外面12および外面12側に90度の挟角を形成し
透過する光ビームを全反射する上段、下段反射面104、1
05(第1、2反射面)を有する透過部106と、軸中心部1
7と、透過部106を軸中心部17に連結して支持するリブ
(支持部材)108と、から構成されている。透過部106は
リブ108により上段、下段反射面104、105の反射領域外
となる回転方向両端側を支持され軸中心部17に連結して
いるため上段、下段反射面104、105は切れ目のない連続
面となっている。この透過部106、軸中心部17、および
リブ108は前記透明樹脂により一体に形成されている。
【0049】本実施例では、上述第1実施例の作用効果
に加え、透過部106の両端側が軸中心部17にリブ108によ
り連結されることにより上段、下段反射面104、105が連
続面となるよう形成される。そのため、所定幅の光ビー
ムを上段、下段反射面104、105の両側に亘って入射して
もその光ビームは全て一方側から他方側に全反射されて
出射されるので、回転体101を回転軸方向に肉薄にする
ことができ、回転体101は軽量化される。
【0050】次に、図13は本発明に係る回転多面鏡の第
8実施例の全体構成を示す斜視図であり、本実施例は、
請求項1〜3、7、または9の何れかに記載の発明に対
応する。なお、本実施例では、上述実施例と同様な構成
には同一の符合を付してその説明を省略する。同図にお
いて、111は回転体であり、回転体111は外周面を円筒状
に形成されており、その外周面を形成する外面112およ
び外面112側に90度の挟角を形成し透過する光ビーム
を全反射する上段、下段反射面104、105(下段反射面10
5は図示していないが上段反射面104の裏面側に位置す
る)を有する透過部116と、軸中心部17と、リブ108と、
から構成されており、透過部116、軸中心部17、および
リブ108は前記透明樹脂により一体に形成されている。
【0051】本実施例では、上述第1、7実施例の作用
効果に加え、回転体111の外周面が円形になるよう外面1
12により形成しているので回転時の透過部116の変形が
防止される。さらに、回転する際の空気抵抗が小さくさ
れ、回転のバランスが取り易くなり回転が安定する。ま
た、上段、下段反射面104、105に入射された光ビームは
大きな走査角で出射される。
【0052】次に、図14は本発明に係る回転多面鏡を備
える請求項10記載の発明に係る光走査装置の第1実施
例の概略全体構成を示す図であり、(a)はその平面
図、(b)はその一部断面側面図である。本実施例で
は、上述実施例と同様な構成には同一の符合を付してそ
の説明を省略する。なお、本実施例は上述第1実施例で
説明した回転多面鏡を用い説明する。
【0053】まず、構成を説明する。同図において、20
0は光走査装置であり、光走査装置200は、入射され透過
する光ビームを一方側から他方側に全反射して出射する
上段、下段反射面14、15を有する回転体11からなる回転
多面鏡201と、回転多面鏡201の軸中心部17を回転軸に固
定され所定速度で回転させる図示していない駆動モータ
(回転駆動源)と、回転多面鏡201の軸芯(回転体11の
軸芯11a)に向けて下段反射面15に入射するよう光ビー
ムを出射する光源202と、光源202から出射された光ビー
ムを集光し平行光にして回転多面鏡201に入射する集光
コリメートレンズ203と、回転多面鏡201により反射(走
査)された光ビームをその入射角度に応じて記録媒体上
の所定位置に収束させるfθレンズ204と、から構成さ
れている。
【0054】光走査装置200は、例えば記録媒体として
感光体207を備える複写機等に搭載されており、光源202
から出射され集光コリメートレンズ(以下、単にコリメ
ートレンズともいう)203を介して入射された光ビーム
を回転多面鏡201が前記駆動モータにより回転されるこ
とによってその光ビームを上段、下段反射面14、15によ
り全反射し出射してfθレンズ204により感光体207上の
所定位置に収束させ走査するようになっている。
【0055】この光走査装置200は、回転多面鏡201が図
1により説明したように、透過部16に形成した透過する
光ビームを全反射する上段、下段反射面14、15の外面12
側の挟角を90度に形成しているため、光ビームの下段
反射面15側の入射位置と上段反射面14側の出射位置は上
下方向に所定間隔で離隔している。そのため、光源202
を回転多面鏡201の軸芯11aに向け光ビームを出射する
よう光源202およびコリメートレンズ203を下方の入射光
路205上に、またfθレンズ204を出射光路206上に配設
している。
【0056】次に、作用を説明する。まず、回転多面鏡
201が前記駆動モータにより所定速度で回転され光源202
から光ビームが回転多面鏡201の軸芯11aに向けて入射
光路205上に出射される。出射された光ビームはコリメ
ートレンズ203により集光され平行光にされて回転多面
鏡201に入射される。入射された光ビームは回転多面鏡2
01の下段反射面15で上段反射面14方向に全反射されて上
段反射面14で再度全反射されて出射光路206上に出射さ
れる。出射された光ビームは光源202およびコリメート
レンズ203に妨げられることなくfθレンズ204に入射さ
れfθレンズ204により入射角度に応じて感光体207上の
所定位置に収束され、回転多面鏡201の回転角に応じて
感光体207の主走査方向に走査される。
【0057】このとき、上段、下段反射面14、15は挟角
が90度にされているので光ビームの入・出射方向は回
転多面鏡201の面倒れに影響されない。そのため、光ビ
ームは平行に入・出射され、感光体207上の副走査方向
にずれることなく走査される。また、光源202は回転多
面鏡201の軸芯11aに向けて出射するよう配設している
ので、光ビームは光源202を中心として対称に走査さ
れ、図15に示すように、感光体207の両端方向に走査さ
れた光ビームと中央に走査された光ビームとの交点が同
一の位置にされ、両端側でのビーム径が変化することが
防止される。したがって、光学系の設計が容易化され
る。
【0058】このように本実施例では、回転多面鏡201
の上段、下段反射面14、15の挟角が90度にされている
ので光ビームの入・出射方向は回転多面鏡201の面倒れ
に影響されないため、光ビームは感光体207の副走査方
向にずれることなく高精度に走査される。そのため、光
ビームの上下方向のずれを補正する光学素子、例えばシ
リンドリカルレンズを省くことができる。さらに、面倒
れを防止する空気軸受を有する回転駆動源を低コストな
モータに換えることができる。
【0059】さらに、光源202およびコリメートレンズ2
03が入射光路205上に、またfθレンズ204が出射光路20
6上に配設され、光源202から回転多面鏡201の軸芯11a
に向け光ビームが出射されるので、回転多面鏡201から
出射された光ビームは光源202およびコリメートレンズ2
03に妨げられることなく感光体207上を主走査方向に走
査される。さらに、光ビームは光源202を中心として対
称に走査されるため、感光体207の両端側でのビーム径
が変化することが防止される。
【0060】また、回転多面鏡201に換え、上述第5ま
たは8実施例で説明した回転体81または回転体111から
なる回転多面鏡を前記駆動モータの回転軸に取り付ける
ことによって、走査角を大きくすることができるので光
走査系を小型化(コンパクト)にすることができる。あ
るいは、上述第6実施例で説明した回転体91からなる回
転多面鏡を前記駆動モータの回転軸に取り付けることに
よって、fθ特性が得られるのでfθレンズ204を省き
光学系を簡素(シンプル)にすることができる。
【0061】なお、本実施例のfθレンズ204に換え、
fθミラーを用いてもよいことはいうまでもない。次
に、図16(a)は本発明に係る回転多面鏡を備える請求
項10記載の発明に係る光走査装置の第2実施例の概略
全体構成を示す側面図であり、(b)はその比較例であ
る。本実施例では、上述実施例と同様な構成には同一の
符合を付してその説明を省略する。なお、本実施例は上
述第7実施例で説明した回転多面鏡を用い説明する。
【0062】まず、構成を説明する。図16(a)におい
て、210は光走査装置であり、光走査装置210は、入射さ
れ透過する光ビームを一方側から他方側に全反射して出
射する上段、下段反射面104、105を有する回転体101か
らなる回転多面鏡211と、光源202と、コリメートレンズ
203と、fθレンズ204と、を備えており、入射光路205
より下方の位置からの光源202の光ビームの出射を可能
にするため互いに対向する面が平行になるよう回転多面
鏡211とコリメートレンズ203との間に一対の反射ミラー
217、218が設けられている。この光走査装置210は光源2
02から出射されコリメートレンズ203により集光され平
行光にされた光ビームを反射ミラー217、218が2重反射
して回転多面鏡211に入射する。そして、回転多面鏡211
が前記駆動モータにより回転されることによってその光
ビームをfθレンズ204を介して感光体207上の所定位置
に収束させ走査するようになっている。
【0063】本実施例では、前述第1実施例の作用効果
に加え、反射ミラー217、218により光源202およびコリ
メートレンズ203を任意の下方の位置にすることができ
るため、図16(b)に示す前述第1実施例の回転多面鏡
201よりも回転軸方向に肉薄の回転多面鏡211を使用する
ことができる。また、反射ミラー217、218により光ビー
ムの光路長を自由に設定できるため、光学系のレイアウ
トの自由度がより広げられる。なお、反射ミラー217、2
18は一対に限定されるものではなく上段、下段反射面10
4、105の一方側に入射するよう反射すればよい。また、
反射ミラー217、218の配設位置は回転多面鏡211および
コリメートレンズ203間に限定されるものではなく、光
源202およびコリメートレンズ203間、または回転多面鏡
211およびfθレンズ204間でもよいことはいうまでもな
い。
【0064】次に、図17は請求項1〜9の何れかに記載
の発明に係る回転多面鏡を備える請求項10記載の発明
に係る光走査装置の第3実施例の要部構成を示す図であ
り、(a)はその斜視図、(b)はその一部を拡大した
説明図である。本実施例では、上述実施例と同様な構成
には同一の符合を付してその説明を省略する。まず、構
成を説明する。
【0065】同図において、221は回転多面鏡であり、
回転多面鏡221は、外面12および外面12側の挟角が90
度に形成された上段、下段反射面14、15を有し光ビーム
を透過する透過部126と、軸中心部17と、連結部18と、
を有する回転体121により構成されている。回転多面鏡2
21の透過部126は屈折率が1.35の透明樹脂により構
成されており、図示していないが光源から出射された光
ビームを集光および平行光にするコリメートレンズを介
して入射して上段、下段反射面14、15で全反射して出射
する。そして、回転多面鏡221が前記駆動モータにより
回転されることによってその光ビームをfθレンズを介
して感光体上の所定位置走査するようになっている。
【0066】この回転多面鏡221は、光ビームの入射角
を45度としたときの上段、下段反射面14、15で全反射
するための最低屈折率1.41よりも低い屈折率1.3
5の透明樹脂により透過部126を構成しているので、光
ビームを軸芯121aに向けて入射すると反射する光ビー
ムの強度は弱くなってしまう。そのため、図17(a)に
点線で示すように、光ビームを回転体121の軸芯121aか
ら所定間隔で離隔した方向に入射し上段、下段反射面1
4、15への入射角が50度以上となるようにして全反射
可能にしている。そして、その入射角が50度以上とな
る回転多面鏡221の回転角の光ビームの走査方向に前記
fθレンズおよび感光体を配設している。
【0067】次に、図17(b)により作用を説明する。
まず、回転多面鏡221が前記駆動モータにより所定速度
で回転され前記光源から光ビームが回転多面鏡221の軸
芯121aから所定間隔離隔した方向に向けて出射され前
記コリメートレンズを介して回転多面鏡221の下段反射
面15に入射角度θ(50度以上)で入射される。下段反
射面15に入射された光ビームは上段反射面14方向に全反
射されて上段反射面14に入射角度θ(50度以上)で入
射され再度全反射されて出射される。出射された光ビー
ムは前記感光体上の所定位置に収束され、回転多面鏡22
1の回転角に応じて主走査方向に走査される。
【0068】本実施例では、上述第1実施例の作用効果
に加え、上段、下段反射面14、15に50度以上で光ビー
ムを入射するように前記光源およびコリメートレンズを
配設しているため、屈折率1.35の前記透明樹脂によ
り透過部126を構成しても上段、下段反射面14、15で光
ビームが全反射される。なお、本実施例のように入射角
を45度以上の所定角となるよう回転体の軸芯から所定
間隔ずれた方向に入射することによって全反射可能にす
ることは、上述第3実施例の回転多面鏡を用いる際にも
適用でき、ほとんどの材料により全反射させることがで
きる。なお、現存する透明材料の屈折率では入射角は4
5±15度の範囲内にすることが必要である。また、強
度が所定以上になるよう光源から光ビームを出射するこ
とにより全反射する入射角外の方向から光ビームを入射
するようにしてもよいことはいうまでもない。
【0069】なお、上述実施例では、4角または6角多
面体に形成した回転体により説明したがこれに限定され
るものではなく、光ビームを一方から他方に反射して入
射方向に対して平行面内に出射するものに適用可能であ
ることはいうまでもない。また、回転体を金型によって
成形するのではなく、機械的加工によって形成してもよ
いことはいうまでもない。
【0070】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、光ビーム
を透過する透明材料からなり所定屈折率を有する透過部
に、その外面に対向し回転軸方向の互いの挟角が90度
になるよう第1、2反射面を形成し、透過部に入射角θ
1 方向から入射され透過する光ビームを第1、2反射面
が透明材料および空気の屈折率の差により全反射する。
そして、その光ビームを第1、2反射面の一方側から他
方側に反射して入射位置から所定間隔で離隔した出射位
置から入射方向に対して平行に出射する。したがって、
第1、2反射面に面倒れが発生しても出射方向が変化し
てしまうことがない。また、第1、2反射面の表面に金
属反射膜等を成膜する必要がなく、成膜工程を省くこと
ができる。さらに、回転体を作製容易な構造にすること
ができ、第1、2反射手段を分割することなく一体に形
成することができる。そして、回転体を金型により成形
する場合、その金型の構造を簡易にすることができる。
この結果、低コストで安定した品質の高精度な回転多面
鏡を提供することができる。
【0071】請求項2記載の発明によれば、透過部を屈
折率が1.2以上の透明材料により構成するので、第
1、2反射面が透過部に入射角θ1 方向から入射され透
過する光ビームを透明材料および空気の屈折率の差によ
り反射することができる。請求項3記載の発明によれ
ば、透過部を熱可塑性非晶質の透明樹脂により構成する
ので、スライドする金型駒の必要のない金型を用いて回
転体を高精度に成形することができ、低コストで高品質
な回転体を成形することができる。このとき、金型内の
透明樹脂を加熱溶融して内部に発生する樹脂内圧により
その金型の鏡面をより高精度に転写することができ、高
品質な回転体を成形することができる。この結果、低コ
ストで安定した品質で高精度に成形することができる。
【0072】請求項4記載の発明によれば、透過部を所
定強度を有する補強材料により保持するので、回転時の
変形や温度変化による変形を防止することができ、回転
精度を向上させ光ビームの走査の信頼性を向上させるこ
とができる。また、軸芯側を肉薄にして軽量化すること
もできる。また、請求項5記載の発明によれば、回転体
の軸芯の平行線と第1反射面との挟角を45〜60度
に、第2反射面との挟角を30〜45度に形成するの
で、回転軸方向に肉薄にして回転負荷を小さくすること
ができ、小型化することができる。
【0073】請求項6記載の発明によれば、外面を軸芯
の平行線に対して所定角度で傾斜するよう形成するの
で、成形金型内から取り出す際に外面を傷つけることな
く取り出すことができ、外面での光ビームの散乱を防止
することができる。請求項7記載の発明によれば、透過
部の外面を回転体の外周面が円筒状になるよう形成する
ので、回転時の空気抵抗を低減することができ、回転を
安定させることができる。また、光ビームの走査角を大
きくすることができ、光走査系を小型化することができ
る。
【0074】請求項8記載の発明によれば、反射面の外
面を凹面状に形成するので、透過部にfθ特性を付与す
ることができ、fθレンズやfθミラーを省き光学系を
簡素な構成にすることができる。また、請求項9記載の
発明によれば、第1、2反射手段の回転方向両端側を支
持部材が支持して第1、2反射面および金属反射膜を隙
間なく連続に形成するので、光ビームを第1、2反射面
の両側に亘るよう入射することができ、より肉薄にして
小型化することができる。
【0075】また、請求項10記載の発明によれば、請
求項1〜10の何れかに記載されている回転多面鏡を用
いることにより光ビームの入射位置と出射位置が異なる
位置となり所定間隔で離隔するので、軸芯に向けて光ビ
ームを入射するよう光源を配設することができ、光源を
中心にして光ビームを対称に走査することができる。し
たがって、記録媒体上の光ビーム径を容易に一定にする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転多面鏡の第1実施例の全体構
成を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその
A−A断面図である。
【図2】その第1実施例を成形する成形金型の構成を示
す断面図である。
【図3】その第1実施例の光ビームの入射および出射を
説明する説明図である。
【図4】本発明に係る回転多面鏡の第2実施例の要部を
示す断面図である。
【図5】本発明に係る回転多面鏡の第3実施例の全体構
成を示す断面図である。
【図6】本発明に係る回転多面鏡の第4実施例の全体構
成を示す断面図である。
【図7】その第4実施例を成形する成形金型の構成を示
す断面図である。
【図8】本発明に係る回転多面鏡の第5実施例の全体構
成を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその
A−A断面図である。
【図9】その第5実施例の光ビームの入射および出射を
説明する説明図である。
【図10】本発明に係る回転多面鏡の第6実施例の全体構
成を示す斜視図である。
【図11】その第6実施例の光ビームの入射および出射を
説明する説明図である。
【図12】本発明に係る回転多面鏡の第7実施例の全体構
成を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその
A−A断面図である。
【図13】本発明に係る回転多面鏡の第8実施例の全体構
成を示す斜視図である。
【図14】本発明に係る光走査装置の第1実施例の概略全
体構成を示す図であり、(a)はその平面図、(b)は
その一部断面側面図である。
【図15】その第1実施例の光ビームの走査を説明する説
明図である。
【図16】本発明に係る光走査装置の第2実施例の概略全
体構成を示す図であり、(a)はその一部断面側面図、
(b)はその比較例の側面図である。
【図17】本発明に係る光走査装置の第3実施例の要部構
成を示す図であり、(a)はその斜視図、(b)はその
一部を拡大した説明図である。
【図18】回転多面鏡の第1従来例を備える光走査装置の
全体構成を示す側面図である。
【図19】その光走査装置の光ビームの走査を説明する説
明図である。
【図20】その第2従来例の全体構成を示す斜視図であ
る。
【図21】その第2従来例を成形する成形金型の構成を示
す断面図である。
【符号の説明】
11、31、41、51、81、91、101、111 回転体 11a、31a、41a、51a、81a、101a 軸芯 12、52、82、92 外面 14、44、104 上段反射面(第1反射面) 15、45、105 下段反射面(第2反射面) 16、46、56、86、96、106、116 透過部 17、37 軸中心部 18、38 連結部 108 リブ(支持部材) 201 回転多面鏡 202 光源

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体の回転方向の周囲に、入射された光
    ビームを一方側から他方側に反射して出射する一対の第
    1、2反射手段を複数設け、回転することによって前記
    光ビームを走査する回転多面鏡において、 前記回転体の回転方向の外周面を形成する外面および該
    外面に対向する内面を有し光ビームを透過する所定屈折
    率の透明材料からなる透過部を設け、 前記第1、2反射手段が、透過部の外面に対向して回転
    軸方向に90度の挟角を形成し透過部の内面を形成する
    平面状の第1、2反射面から構成され、 該第1、2反射面が透過部に入射され透過する光ビーム
    を前記透明材料および空気の屈折率の差により全反射す
    ることを特徴とする回転多面鏡。
  2. 【請求項2】前記透過部が、屈折率が1.2以上の透明
    材料からなることを特徴とする請求項1記載の回転多面
    鏡。
  3. 【請求項3】前記透過部が、熱可塑性非晶質の透明樹脂
    からなることを特徴とする請求項1記載の回転多面鏡。
  4. 【請求項4】前記回転体の透過部より軸芯側が、所定強
    度を有する補強材料からなることを特徴とする請求項1
    記載の回転多面鏡。
  5. 【請求項5】前記回転体の軸芯の平行線と前記第1反射
    面との挟角が45〜60度で、前記第2反射面との挟角
    が30〜45度であることを特徴とする請求項1記載の
    回転多面鏡。
  6. 【請求項6】前記透過部の外面が、前記回転体の軸芯の
    平行線に対して所定角度で傾斜していることを特徴とす
    る請求項1記載の回転多面鏡。
  7. 【請求項7】前記透過部の外面を、前記回転体の外周面
    が円筒状になるよう形成したことを特徴とする請求項1
    記載の回転多面鏡。
  8. 【請求項8】前記透過部の外面を、前記回転体の回転方
    向に凹面状となるよう形成したことを特徴とする請求項
    1記載の回転多面鏡。
  9. 【請求項9】前記透過部の回転方向両端側を支持する支
    持部材を設け、 前記第1、2反射面を連続面となるよう形成したことを
    特徴とする請求項1記載の回転多面鏡。
  10. 【請求項10】請求項1〜9の何れかに記載されている
    回転多面鏡と、該回転多面鏡の軸中心部を固定される回
    転軸を有し所定速度で該回転軸を回転する回転駆動源
    と、前記回転多面鏡の軸芯に向けて光ビームを出射する
    光源と、を備えたことを特徴とする光走査装置。
JP11672093A 1993-05-19 1993-05-19 回転多面鏡およびこれを備える光走査装置 Pending JPH06331918A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017010197A1 (ja) * 2015-07-14 2017-01-19 コニカミノルタ株式会社 成形装置、成形品、ミラーユニット及び成形方法
WO2017018064A1 (ja) * 2015-07-24 2017-02-02 コニカミノルタ株式会社 成形装置、成形品及びミラーユニット

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