JPH0633180B2 - アルミナ・スピネル質流し込み材 - Google Patents

アルミナ・スピネル質流し込み材

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JPH0633180B2
JPH0633180B2 JP1308961A JP30896189A JPH0633180B2 JP H0633180 B2 JPH0633180 B2 JP H0633180B2 JP 1308961 A JP1308961 A JP 1308961A JP 30896189 A JP30896189 A JP 30896189A JP H0633180 B2 JPH0633180 B2 JP H0633180B2
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佳久 浜崎
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は耐スポーリング性に優れたアルミナ・スピネル
質流し込み材に関する。
[従来の技術] 近年、製鋼プロセスの多様化、すなわち(1)連鋳比率の
上昇及び脱ガス比率の増加、(2)取鍋精錬の導入、及び
(3)溶鋼輸送に伴う出鋼温度の上昇、溶鋼の滞留時間の
延長、溶鋼攪拌等により取鍋内張り耐火物は苛酷な使用
条件となってきた。
従来、取鍋用内張り耐火物は、ロー石、ジリコン質が主
体であったが、上記製鋼プロセスの多様化に加え、高級
鋼の要求が強く、SiO2の少ない耐火物としてハイアル
ミナ質が使用されている。また、一部にマグネシア質等
の塩基性材質が検討されているが、熱的スポーリング及
び構造的スポーリングによる亀裂・剥離が多く、実用化
に至っていない。
[発明が解決しようとする課題] ハイアルミナ質はロー石、ジルコン質に比べ、スラグ
湿潤が大きい、耐スポーリング性に劣る欠点がある。
ハイアルミナ質のスラグ湿潤を抑制する方法としては、
MgO・Al23系スピネル及びマグネシアを組み合わせ
たアルミナ・スピネル系、アルミナ・スピネル・マグネ
シア系あるいはアルミナ・マグネシア系流し込み材が特
開昭55−23004号公報、特開昭59−1287271号公報、特開
昭59−128272号公報、特公昭60−60985号公報及び特公
昭64−87577号公報に提案されている。
しかし、これらの材料は、その目的であるスラグ湿潤抑
制による構造的スポーリング、耐食性については、スピ
ネルあるいはマグネシアの添加により格段に向上するこ
とが判明しているが、未だスポーリング性については充
分とは言えない。
このため、より耐スポーリン性に優れたハイアルミナ質
材料の開発が望まれている。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、アルミナ・スピネル質流し込み材の耐ス
ポーリン性を向上させるために鋭意研究を重ねた結果、
本発明の完成するに至った。
即ち、本発明はアルミナ原料10〜82重量%、粒径
0.3mm以上のMgO・Al23系スピネル原料10〜7
0重量%及びアルミナセメント8〜20重量%よりなる
混合物に、粒径10〜50mmのアルミナ質破砕粒を外掛
で10〜40重量%含有してなることを特徴とするアル
ミナ・スピネル質流し込み材に係る。
[作 用] 本発明で使用するスピネル原料は一種以上の電融スピネ
ルクリンカー及び焼結スピネルクリンカーであり、Mg
O、Al23の組成は理論組成のものが望ましい。
該スピネル原料の粒径は0.3mm以上のものが望まし
い。本発明者らの行った実験によるとスピネルクリンカ
ー微粉(0.3mm未満)を添加すると、流し込み材の施
工体を1600℃に加熱した後の線変化率は収縮傾向と
なり、また、加熱後の圧縮強さ比も大きくなり、この結
果、加熱面側と非加熱面側の組織が不均一となり、加熱
面側に形成された緻密層の背部での亀裂、剥離の原因と
なる。
また、耐スラグ性はスピネルクリンカー添加量と共に良
好となるが、スピネルクリンカー70重量%以上では粒
度構成の点でスピネルクリンカーを微粉で添加すること
になる。このことは上述の組織の不均一の起こす原因と
なるので、スピネルクリンカーの添加量としては10〜
70重量%が望ましい。
一方、アルミナ原料については、焼結アルミナ、電融ア
ルミナ、ボーキサイト及びバン土頁岩等のうちの一種以
上が使用できる。しかし、SiO2の増加は低融性物質の
生成原因となるため焼結アルミナ、電融アルミナが望ま
しい。ボーキサイト、バン土頁岩等については、粗粒
(3mm以上)での添加が望ましい。添加量については1
0〜82重量%である。
アルミナセメントは従来よりキャスタブルに使用される
ものであり、本発明においては結合剤及びスラグ湿潤抑
制を目的に使用される。添加量としては8〜20重量%
が望ましい。すなわち、8重量%未満では強度が不充分
であり、且つスラグ湿潤抑制効果も少ない。また、20
重量%を越えると低融物の生成量が多くなり、耐食性が
低下する。
以上、スピネル原料、アルミナ原料及びアルミナセメン
トよりなる配合物は、スラグ湿潤が少なく、加熱面側と
非加熱面側の組成の均一性が図られた耐スポール性に優
れた流し込み材である。しかし、スピネル原料、アルミ
ナ原料は熱膨張率が高く、弾性率も高いため、ロー石、
ジルコン質に比べ未だ耐スポーリング性に劣る。
そこで、本発明者らは、上記配合物にアルミナ質破砕粒
を添加することにより亀裂の伸張を抑制することで本発
明品を得た。ここで、アルミナ質破砕粒は電融アルミ
ナ、バン土頁岩、アルミナ質れんが等より選ばれた一種
以上の粒径10〜50mmのフレット及びインペラー粉砕
機等で粉砕された破砕粒が望ましい。すなわち、粒径1
0mm以下のものでは亀裂抑制効果が少なく、50mmを超
えると施工性が低下する。
焼結アルミナ及びスピネル等の球状粒、ペレット粒もあ
るが、これらはマトリックス部との接着性が悪く、亀裂
抑制効果が少ない。
アルミ質原料破砕粒の添加量としては、上記配合物に対
して外掛で10〜40重量%が望ましい。すなわち、1
0重量%未満ではスポーリングによる亀裂抑制効果が少
なく、40重量%を超えると施工性が低下する。
本発明の流し込み材は上記原料を単に混合すれば作製す
ることができる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明の流し込み材を更に説明す
る。
なお、第1表には実施例に使用した原料の化学成分を、
第2表には本発明の実施例を比較例と比較して示す。第
2表に示す各配合物は所定の水を添加して混練した後、
金枠に流込み成形し、20℃で24時間養生し、105
℃で24時間乾燥後、以下に示す各試験に供した。
(1)加熱後線変化率(1600℃−3時間):JIS R2555 (2)加熱後圧縮強さ(1000℃−3時間、1600℃−3時
間):JIS R2553 (3)侵食試験 装置:回転ドラム侵食試験装置 試料形状:50×200×65mm スラグ・転炉スラグ(CaO/SiO2=3.65) 1.2kg/サイクル [発明の効果] 本発明の流し込み材は従来のハイアルミナ質、アルミナ
・スピネル質、アルミナ・スピネル・マグネシア質及び
アルミナ・マグネシア質に比べMgO・Al23系スピネ
ル原料の添加量及び粒度の選定、及びアルミナ質破砕粒
の使用により耐食性及び耐スラグ性のみならず、高温で
の収縮抑制及び加熱面側と非加熱面側の組織の均一化が
図られることにより耐スポーリング性に優れている。従
って、最近の製鋼プロセスの多様化、高級鋼の要求に対
し、本発明の流し込みは亀裂、剥離が少なく、安定した
高耐用性が得られる材質である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナ原料10〜82重量%、粒径0.
    3mm以上のMgO・Al23系スピネル原料10〜70重
    量%及びアルミナセメント8〜20重量%よりなる混合
    物に、粒径10〜50mmのアルミナ質破砕粒を外掛で1
    0〜40重量%含有してなることを特徴とするアルミナ
    ・スピネル質流し込み材。
JP1308961A 1989-11-30 1989-11-30 アルミナ・スピネル質流し込み材 Expired - Fee Related JPH0633180B2 (ja)

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