JPH06330408A - ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体弾性糸 - Google Patents

ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体弾性糸

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JPH06330408A
JPH06330408A JP12143993A JP12143993A JPH06330408A JP H06330408 A JPH06330408 A JP H06330408A JP 12143993 A JP12143993 A JP 12143993A JP 12143993 A JP12143993 A JP 12143993A JP H06330408 A JPH06330408 A JP H06330408A
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JP
Japan
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block copolymer
elastic yarn
poly
glycol
elastic
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JP12143993A
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English (en)
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Hideki Nitta
秀樹 新田
Shunichi Matsumura
俊一 松村
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性回復性に優れた弾性糸を提供する。 【構成】 本発明は、芳香族ポリエステル成分が、下記
式(I)及び下記式(II)の繰返し単位より構成され、
その際の構成モル比(I/II)が99/1〜50/50
であり、かつ、ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
成分の含有量がブロック共重合体に対して60〜80重
量%であることを特徴とするポリエーテルエステルアミ
ドブロック共重合体弾性糸である。 [式中、Arは炭素数6〜20のアリーレン基、Rは炭
素数2〜10のアルキレン基、nは2〜12の整数を示
す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエーテルエステルア
ミドブロック共重合体弾性糸に関する。さらに詳しく
は、弾性回復性に優れたポリエーテルエステルアミドブ
ロック共重合体弾性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から弾性糸としてはゴム、ポリウレ
タン等が使用されているが、これらは弾性回復という点
では優れた特性を示す反面、伸び過ぎるとか耐熱性等に
問題がある。
【0003】他方、樹脂用途としてポリエーテルエステ
ルブロック共重合タイプの弾性体が近年になって使用さ
れだした。このポリマーは、糸にした場合、伸張回復率
においてはポリウレタンには及ばないが低伸張下におい
て比較的良好な回復性を示し、また溶融紡糸できるとい
うメリットもある。しかし、ポリエーテルエステルブロ
ック共重合タイプの弾性糸にあっては、ポリウレタンと
異なり、ハードセグメントの結晶によって分子鎖をつな
ぎ止めているため、永久歪が大きかったり、弾性的性能
が劣るという欠点がある。
【0004】かかる欠点を改善するため、弾性糸の性能
を向上させる方法としては、例えば結晶核剤を配合して
結晶化度を高める方法(特開昭59―45349号公
報、同59―45350号公報)、ハードセグメント
に、ナフタレンジカルボン酸やジフェニルジカルボン酸
を用いる方法(特開平4―370219号公報)などが
提案されている。しかし、このような方法では弾性糸の
性能を大きく改良することはできず、弾性糸として使用
するためには、依然として性能が不十分であり、ポリエ
ステル系弾性糸の弾性回復性の向上が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のポリエーテルエステルブロック共重合体弾性糸よりも
弾性回復性に優れ、かつ溶融重合及び溶融紡糸が可能な
新規ブロック共重合体弾性糸を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、アミド
結合を含有した特定の構造の成分をハードセグメントの
一部として用いることにより達成することができる。
【0007】すなわち本発明は、芳香族ポリエステル成
分をハードセグメントとし、数平均分子量500〜30
00のポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分をソ
フトセグメントとするブロック共重合体からなる弾性糸
において、前記芳香族ポリエステル成分が、下記式
(I)および下記式(II)の繰り返し単位より構成さ
れ、その際の構成モル比(I/II)が99/1〜50/
50であり、かつ、前記ポリ(アルキレンオキシド)グ
リコール成分の含有量がブロック共重合体に対して60
〜80重量%であることを特徴とするポリエーテルエス
テルアミドブロック共重合体弾性糸である。
【0008】
【化2】
【0009】[式中、Arは炭素数6〜20のアリーレ
ン基、Rは炭素数2〜10のアルキレン基、nは2〜1
2の整数を示す。]
【0010】本発明のブロック共重合体のハードセグメ
ントを構成するポリエステル成分は上記式(I)及び
(II)で表わされる繰返し単位を有する。式(I)にお
いてArは、炭素数6〜20のアリーレン基を示し、具
体的にはp―フェニレン、m―フェニレン、2,6―ナ
フチレン、2,7―ナフチレン、4,4′―ジフェニレ
ン、1,5―ナフチレン等を例示できる。Rは炭素数2
〜10のアルキレン基を示し、具体的にはエチレン、ト
リエチレン、テトラメチレン、ヘキサメチレン、デカメ
チレン、
【0011】
【化3】
【0012】等を例示できる。Arとしては、p―フェ
ニレン、2,6―ナフチレンが、Rとしては、エチレ
ン、テトラメチレンが好ましい。
【0013】式(II)においてnは2〜12の整数を示
し、Rは式(I)と同じである。
【0014】また、式(I)と式(II)の構成モル比
は、I/II=99/1〜50/50であり、好ましくは
I/II=95/5〜70/30、さらに好ましくはI/
II=95/5〜85/15である。I/IIが50/50
を下回ると、式(II)とポリ(アルキレンオキシド)グ
リコールの相溶性が低下するので好ましくない。
【0015】本発明におけるポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール成分とは、ポリエチレングリコール、ポ
リ(プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメ
チレンオキシド)グリコール等のポリ(アルキレンオキ
シド)グリコールの残基のことであり、好ましくはポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコールの単独重合体、
または前記単独重合体を構成する反復単位の2種以上が
ランダムまたはブロック状に共重合したランダム共重合
体またはブロック共重合体、さらには前記単独重合体ま
たは共重合体の2種以上が混合された混合重合体が使用
される。
【0016】ここで用いるポリ(アルキレンオキシド)
グリコールの数平均分子量は500〜3000である。
500未満では、得られるエラストマーのソフトセグメ
ント長が短すぎ、充分な弾性性能を発揮させることがで
きず、また3000を越えるとハードセグメントとの相
溶性が低下するので好ましくない。ポリ(アルキレンオ
キシド)グリコールの数平均分子量は好ましくは100
0〜2500である。
【0017】本発明におけるポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール成分の含有量は、ブロック共重合体に対
して60〜80重量%の範囲が好ましい。ポリ(アルキ
レンオキシド)グリコールの含有量が80重量%を越え
ると、弾性的性能の優れた弾性糸が得られるものの、該
共重合体の融点が低くなりすぎるため、乾熱処理、湿熱
処理時の弾性的性能が急激に低下し耐久性の劣る弾性糸
となってしまう。また、60重量%未満では永久歪が大
きく弾性的性質に劣る弾性糸しか得られない。
【0018】本発明におけるポリエーテルエステルアミ
ドブロック共重合体の製造方法は特に制限はないが、例
えば式(I)を構成するための成分であるHOOC―A
r―COOHで表わされる芳香族ジカルボン酸あるいは
そのエステル誘導体、式(II)を構成するための成分で
ある下記式(III )で表わされるジカルボン酸あるいは
そのエステル誘導体、HO―R―RHで表わされるアル
キレングリコール等の低分子量ジオール及びポリ(アル
キレンオキシド)グリコールとを従来公知の溶融重合法
により反応させることにより製造することができる。
【0019】
【化4】 [式中、nは2〜12の整数を示す。]
【0020】更に具体的には上記の各原料を反応器に入
れ、触媒の存在下または不存在下でエステル交換反応あ
るいはエステル化の反応を行い、更に触媒の存在下高真
空で重縮合反応を行って所望の重合度まで上げる方法で
ある。
【0021】上記式(III )で表わされるジカルボン酸
あるいはそのエステル誘導体は、α,ω―アルキレンジ
アミンに過剰のテレフタル酸またはそのエステル誘導体
を反応させるか、あるいは酸トラップ剤(アミン類等)
存在下、α,ω―アルキレンジアミンにテレフタル酸モ
ノメチルハライドを反応させるなどして安易に合成する
ことができる。
【0022】好ましく用いられる重縮合触媒としては、
チタン、ニオブ、ゲルマニウム、アンチモンなどの化合
物が例示される。
【0023】また、弾性糸を構成するポリエーテルエス
テルアミドブロック共重合体の固有粘度(IV)(測定
溶媒:フェノール/1,1,2,2―テトラクロロエタ
ン=4/6(重量比)、測定温度:35℃)は0.5〜
1.7の範囲内であることが、弾性性能向上の面で特に
好ましい。IVが0.5未満の場合には、乾熱処理、湿
熱処理の前の状態で弾性糸の永久歪が大きく伸張回復率
が小さい等弾性糸としての性能に劣るものとなり易く、
乾熱処理および/または湿熱処理後の弾性的性質も低い
ものになり易い。
【0024】一方、ポリエーテルエステルアミドブロッ
ク共重合体のIVが1.7を越えると、弾性糸の伸度が
かなり低下して弾性糸としての本来の伸びる機能が低下
する。また、IVが1.7を越えるとヤング率が高くな
り、成形工程等の加工処理において加工張力が高くなっ
て糸切れ等の問題を生じ易くなる。さらには、このよう
な弾性糸の乾熱処理、湿熱処理を行うと、弾性的性能の
低下も大きくなり、実用上問題を生じ易い。
【0025】なお、本発明の弾性糸を構成するポリエー
テルエステルアミドブロック共重合体には、通常のポリ
エステルと同じく、艶消剤、顔料(例えばカーボンブラ
ック等)、酸化防止剤(例えばヒンダードフェノール系
化合物、ヒンダードアミン系化合物等)、紫外線吸収剤
(例えばベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール
系化合物、サシレート系化合物)等を含んでいても何ら
さしつかえない。
【0026】以上に説明したポリエーテルエステルアミ
ドブロック共重合体は、特別の手段を要することなく極
めて容易に溶融紡糸できるので、一般の熱可塑性重合体
の熔融紡糸法に準じて紡糸することができる。すなわ
ち、ポリウレタン弾性糸と異なり、通常のポリエステル
繊維と同様に、糸条および単糸デニールを任意に設定で
きる。
【0027】本発明のポリエーテルエステルアミド弾性
糸は下記のごとく製造される。すなわちこの共重合体
を、共重合体の融点mp(℃)+10℃以上mp+80
℃以下、好ましくはmp+10℃以上mp+50℃以下
で熔融し、紡糸ノズルから押出し巻取ることにより、未
延伸弾性糸に成形する。なお、溶融温度が高すぎるとソ
フトユニットの(ポリメチレンオキシド)グリコールが
分解しやすくなるので好ましくない。また、紡糸ドラフ
トは5倍以上、好ましくは20倍以上とする。さらに、
得られた未延伸弾性糸は、必要に応じて延伸あるいは熱
処理できる。
【0028】上記のブロック共重合体を溶融紡糸して得
られた本発明の糸はそのままでも十分な弾性性能を有す
るが、弾性糸の使用目的にあわせてさらに延伸および/
または熱処理を施してもよく、熱処理は、伸長熱処理、
定長熱処理、弛緩熱処理いずれであってもよい。
【0029】
【発明の効果】本発明のポリエーテルエステルアミドブ
ロック共重合体弾性糸は水素結合により高い分子間凝集
力を有するアミド構造をハードセグメントの一部として
用いることにより、溶融重合、溶融紡糸が可能でありな
がら、ウレタン系の弾性糸にせまる高弾性回復性を有す
る。ポリアミドをポリエステルおよび/またはポリエー
テルと共重合しようとしても、その相溶性が悪いために
均一制の高いブロックポリマーを得ることが一般にむず
かしいが、本発明ではアミド構造を含有する特定のジカ
ルボン酸成分を用いることにより、この問題を解決し
た。
【0030】
【実施例】以下実施例をあげて、本発明を具体的に説明
する。なお、得られた重合体の固有粘度、融点および弾
性糸の弾性回復率は下記方法によって測定した。
【0031】(1)固有粘度:フェノール/1,1,
2,2―テトラクロルエタン混合溶媒(重量比4/6)
を用い、35℃で測定した。
【0032】(2)融点:DSCで、10℃/分で昇温
したときの吸熱ピークより測定した。
【0033】(3)100%弾性回復率:テンシロン引
張り試験機を用いて、長さ10cmの試料をヘッドスピ
ード50cm/分(500%/分)で10cm伸長し、
すぐに同ヘッドスピードでチャックを元の位置まで戻
し、その試料の長さLcmを測定し、次式により算出し
た。
【0034】
【数1】 {[10−(L−10)]/10}×100(%)
【0035】(4)200%弾性回復率:試料の伸長を
20cmにした以外は(1)と同様に行い、次式より算
出した。
【0036】
【数2】 {[20−(L−10)]/20}×100(%)
【0037】
【実施例1】攪拌装置および真空留出系を備えた反応器
に、式(III )においてn=6のエステル誘導体である
ヘキサメチレンビス(4―メトキシカルボニルベンズア
ミド)2.94g(6.67mmol)、テレフタル酸
ジメチル11.65g(60.0mmol)、テトラメ
チレングリコール9.01g(90.0mmol)、ポ
リテトラメチレングリコール(保土谷化学製、数平均分
子量2059)29.42g、テトラブチルチタネート
6.8mg(0.02mmol)を仕込み(I/II=9
0/10)、常圧下窒素気流中220℃で2時間エステ
ル交換反応を行った。これを250℃に昇温し、常圧で
1時間、20mmHgで15分間、0.5mmHg以下
で1時間30分重合を行った。これで得られた固有粘度
1.53、融点209℃の重合体を220℃で溶融紡糸
(巻取速度20m/分)して巻き取られた弾性糸の弾性
回復率を表1に示す。
【0038】
【比較例1】テレフタル酸ジメチル11.65g(6
0.0mmol)、テトラメチレングリコール8.12
g(90.0mmol)、ポリテトラメチレングリコー
ル(保土谷化学製、数平均分子量2059)28.41
g、テトラブチルチタネート6.1mg(0.018m
mol)を用い(I/II=100/0)、実施例1と同
様に行った。これで得られた固有粘度1.86、融点1
95℃の重合体より巻き取られた弾性糸(紡糸温度21
0℃、巻取速度20m/分)の弾性回復率を表1に示
す。
【0039】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリエステル成分をハードセグメ
    ントとし、数平均分子量500〜3000のポリ(アル
    キレンオキシド)グリコール成分をソフトセグメントと
    するブロック共重合体からなる弾性糸において、前記芳
    香族ポリエステル成分が、下記式(I)および下記式
    (II)の繰り返し単位より構成され、その際の構成モル
    比(I/II)が99/1〜50/50であり、かつ、前
    記ポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分の含有量
    がブロック共重合体に対して60〜80重量%であるこ
    とを特徴とするポリエーテルエステルアミドブロック共
    重合体弾性糸。 【化1】 [式中、Arは炭素数6〜20のアリーレン基、Rは炭
    素数2〜10のアルキレン基、nは2〜12の整数を示
    す。]
JP12143993A 1993-05-24 1993-05-24 ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体弾性糸 Pending JPH06330408A (ja)

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