JPH06330299A - 複酸化物焼結ターゲットの製造方法 - Google Patents

複酸化物焼結ターゲットの製造方法

Info

Publication number
JPH06330299A
JPH06330299A JP5139523A JP13952393A JPH06330299A JP H06330299 A JPH06330299 A JP H06330299A JP 5139523 A JP5139523 A JP 5139523A JP 13952393 A JP13952393 A JP 13952393A JP H06330299 A JPH06330299 A JP H06330299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sintered
atom
target
basno3
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5139523A
Other languages
English (en)
Inventor
Shintaro Miyazawa
信太郎 宮澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP5139523A priority Critical patent/JPH06330299A/ja
Publication of JPH06330299A publication Critical patent/JPH06330299A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】種々の物理蒸着法に不可欠な強固なターゲット
の製造方法を提供するもので、特に操作上重要なハンド
リングが可能でかつバネやピンで確実に押さえることが
できるBaSnO3系焼結ターゲットの製造方法を提供
する。 【構成】立方晶ペロウスカイト構造を有するBaSnO
3系の単結晶薄膜を物理的蒸着法により形成する際に用
いる焼結ターゲットの製造方法において、少なくともB
a原子を含有する化合物とSn原子を含有する化合物を
配合、混合し、Ba原子とSn原子を含有する混合物を
形成する工程と、該混合物を大気中あるいは酸化性雰囲
気で1300℃以上の温度で焼結する工程を有すること
を特徴とする。 【効果】焼結体を形成するうえで単に所望のBaSnO
3化合物系構造ができる温度だけではなく、ターゲット
として重要な蒸着装置内への固定性やハンドリングが容
易となる崩れない焼結体を得るに最適な焼結温度を実験
的にはじめて確認したことから、極めて良質な単結晶薄
膜が実現できると言う利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複酸化物ターゲット
の製造方法、さらに詳細には、いわゆる酸化物高温超伝
導体による全酸化物系ジョセフソントンネル接合を形成
する上で不可欠な中間絶縁層に最適なBaSnO3系薄
膜をスパッタ法、レーザ蒸着法等に代表される物理蒸着
法により堆積成長させる際に用いるBaSnO3系焼結
ターゲットの製造方法に関するものである。本材料に関
しては本発明者がすでに発明、特許出願(特願平5−4
3222号)をしているものである。産業上の利用分野
は、いわゆる酸化物高温超伝導体で構成されるジョセフ
ソントンネル接合を作成する際の絶縁体層を極めて容易
にかつ微粒な介在物がないように作成するもので、極め
て影響力の大きい電子デバイス開発の領域である。
【0002】
【従来の技術および問題点】BaSnO3は基本的には
BaOとSnO2がモル比1:1の立方晶ペロウスカイ
ト構造化合物(格子定数4.1163Å)であるが、極
く一般的に複酸化物の整形体を焼結するにはその融点の
〜1/2の温度に加熱することでなされることが多い。
BaSnO3の融点が〜2060℃であることから焼結
温度は〜1100℃となるが、以下の実施例、比較例で
も述べるが、本発明者が1100〜1200℃で実施し
たところ、目的とするBaSnO3化合物はできている
が、焼結体は極めて脆く、たとえば手で該焼結体を掴む
と容易に崩れてしまうことを確認した。すなわちこの脆
弱性はBaSnO3化合物特有の現象であり、したがっ
て、このような焼結体をターゲットとして用いるときに
蒸着装置内に搬送や固定することができない欠点を有し
ていることがはじめてわかった。また、このような脆弱
なターゲットを用いての薄膜には表面に微粒子が無数に
付着していることも本発明者は発見し、非脆弱なターゲ
ット形成が不可欠であることを認識したものである。
【0003】本発明は、種々の物理蒸着法、たとえばス
パッタ法やレーザ蒸着法など、に不可欠な強固なターゲ
ットの製造方法を提供するもので、特に操作上重要なハ
ンドリングが可能でかつバネやピンで確実に押さえるこ
とができるBaSnO3系焼結ターゲットの製造方法を
提供することを目的とする。
【0004】
【問題点を解決するための手段】上述の問題点を解決す
るため、本発明による複酸化物ターゲットの製造方法
は、立方晶ペロウスカイト構造を有するBaSnO3
の単結晶薄膜を物理的蒸着法により形成する際に用いる
焼結ターゲットの製造方法において、少なくともBa原
子を含有する化合物とSn原子を含有する化合物を配
合、混合し、Ba原子とSn原子を含有する混合物を形
成する工程と、該混合物を大気中あるいは酸化性雰囲気
で1300℃以上の温度で焼結する工程を有することを
特徴とする。
【0005】本発明で述べるBaSnO3系複酸化物の
焼結体ターゲットの製造方法の詳細についての報告はこ
れまでに見当たらない。
【0006】本発明による複酸化物ターゲットの製造方
法によれば、BaSnO3系特有の脆弱焼結性を回避す
る焼結条件、特に焼結温度、を実験的にはじめて明らか
にしたもので、物理蒸着法に供するためにハンドリング
が容易で、安定したターゲットを製造でき、かつ該ター
ゲットによる薄膜の表面モフォロジーが極めて平坦な薄
膜形成が実現できる。なお、本明細書(特許請求の範囲
を含む)において、BaSnO3系とは、BaSnO3
結体だけでなく、Baの一部を他のアルカリ土類元素に
置換した場合も含むことを示している。
【0007】
【実施例1】出発原料としてのBaCO3とSnO2をB
aとSnの原子比1/1になるように秤量、混合した後
に直径3cm、厚さ1.5cmの円盤に約100Kg/
cm2の加圧下で整形した。この圧粉体を酸素雰囲気中
で1300℃で20時間焼成した。焼成体は直径、厚み
ともに〜30%収縮し、焼結が進んでいることがわかっ
た。X線粉末回折法により、格子定数は4.116Å
で、米国ナショナル ビュロー オブ スランダード
のモノグラフ25、セクション311(1964年)
(National Bureau of Standard Monograph 25, Sec. 3
11 (1964))に記載されている値4.1163Åとよく
一致していた。また、(110)、(111)、(20
0)回折ピークの半値幅は、各々、0.144°、0.
090°、0.100°で、結晶性も極めてよいことが
判明した。さらに、この焼結体は極めて硬く、強固でバ
ネやピン等で強く押さえても解体、破壊せず、蒸着装置
内に搬送、固定が安定してできた。
【0008】
【実施例2】実施例1と同様、BaCO3とSnO2をB
aとSnの原子比1/1になるように秤量、混合した後
に直径3cm、厚さ1.5cmの円盤に約100Kg/
cm2の加圧下で整形した。この圧粉体を大気中で13
50℃で12時間焼成した。X線粉末回折法により、格
子定数は4.1159Åで、米国ナショナル ビュロー
オブ スランダード のモノグラフ25、セクション
311(1964年)(National Bureau of Standard
Monograph 25, Sec. 3 11 (1964))に記載されている値
4.1163Åとよく一致していた。また、(11
0)、(111)、(200)回折ピークの半値幅は、
各々、0.140°、0.089°、0.101°で、
結晶性も極めてよいことが判明した。さらに、この焼結
体は極めて硬く、強固でバネやピン等で強く押さえても
解体、破壊せず、蒸着装置内に搬送、固定が安定してで
きた。
【0009】
【実施例3】実施例1と2に述べた非脆弱性焼結体をレ
ーザ蒸着装置内に装着、ピン等で固定し、SrTiO3
基板上に薄膜を成長させた。X線回折から格子定数4.
133ÅのBaSnO3薄膜が成長し、(100)回折
ピークの半値幅も0.10°とよい単結晶薄膜ができて
いることが確認された。顕微鏡観察、さらには電子顕微
鏡観察によっても微粒子の存在は確認できず、極めて良
質なBaSnO3薄膜であることが確認できた。
【0010】
【比較例1】出発原料としてのBaCO3とSnO2をB
aとSnの原子比1/1になるように秤量、混合した混
合物を、直径3cm、厚さ1.5cmの円盤に約100
Kg/cm2の加圧下で整形した。この圧粉体を大気中
950℃で10時間焼成した。焼成体は直径、厚さとも
に数%程度の収縮が見られ、またX線粉末回折法により
格子定数4.1202Åの立方晶ペロウスカイト構造で
あることを確認した。そして回折ピークの強い(11
0)、(111)、(200)ピークの半値幅(FWHM:F
ull Width at Falf Maximum)は、各々、0.24°、
0.23°、0.238°であり、比較的大きかったこ
とから、結晶性がよくないことが判明した。さらに、こ
の焼結体を手で掴んだところ簡単にBaSnO3粉体に
解体し、極めて脆いことがわかった。この脆弱性と低結
晶性は焼成温度が不十分であることによる。
【0011】
【比較例2】比較例1と同様に、BaCO3とSnO2
BaとSnの原子比1/1になるように秤量、混合した
混合物を、直径3cm、厚さ1.5cmの円盤に約12
0Kg/cm2の加圧下で整形した。この圧粉体を酸素
雰囲気中で850℃で10時間、その後1150℃で2
5時間焼成した。焼成体は直径、厚さともに〜10%収
縮しており、X線粉末回折法により格子定数は4.11
9Åの立方晶ペロウスカイト構造BaSnO3であっ
た。(110)、(111)、(200)回折ピークの
半値幅は、各々、0.156°、0.074°、0.0
56°で、比較例1に比べて格段に結晶性が向上してい
ることが判明した。しかしながらこの焼成体もたとえば
ピンセット等で強く掴むと容易に解体し、安定に蒸着装
置内にターゲットとして固定することができなかった。
【0012】
【比較例3】比較例1および2で述べた脆弱性焼成体を
強固に固定しない治具を用いてレーザ蒸着装置内に搬
入、設置してBaSnO3薄膜をSrTiO3基板上に堆
積させた。薄膜をX線回折で調べたところ、薄膜の厚み
方向の格子定数が4.164ÅのBaSnO3薄膜が成
長していたが、顕微鏡観察により膜表面には無数の微粒
子が付着しており、脆弱なターゲットのためにこれら微
粒子が蒸着中に同時に基板上に堆積したものと考えられ
た。
【0013】なお、BaSnO3薄膜の格子定数が焼結
ターゲットのそれに比べて大きいのは、基板SrTiO
3の格子定数がBaSnO3のそれよりも小さい(〜3.
99Å)ことから、膜の厚み方向に膨張した結果であ
る。
【0014】上述の実施例においては、炭酸バリウムお
よび酸化錫を使用したが、上記ターゲットを製造する上
において、母原料としてたとえば硝酸バリウム、硝酸錫
を用いても化学量論的組成に配合、混合した後、硝酸基
を揮発除去した後に円盤形状に整形し大気中、あるいは
酸化雰囲気中で1300℃以上で長時間焼結することで
同様の効果が得られた。また、母原料として二つの陽イ
オンの一方を酸化物、他方を硝酸塩の形で化学量論的組
成に配合、混合し硝酸基を除去した後に円盤状に整形
し、1300℃以上で長時間焼結することでもよいこと
も明らかである。
【0015】加えて、実施例では圧粉体を整形した場合
であるが、いわゆるホットプレス等の焼結方法において
も焼結温度が脆弱でない焼結体となる〜1300℃以上
であれば本発明に制約されることになることは明らかで
ある。
【0016】また、実施例ではBaSnO3焼結体につ
いて述べたが、Baの一部を他のアルカリ土類元素に置
換した場合でも、本発明による非脆弱ターゲット製造方
法を適用可能であることは明らかである。すなわち、本
発明においてはBaSnO3系燒結体の製造方法に適用
できる。
【0017】なお、本実施例ではBaSnO3薄膜をレ
ーザ蒸着法により製造したが、BaSnO3薄膜の製造
方法については本発明において限定されるものではな
い。
【0018】
【発明の効果】上述の説明より明らかなように、焼結体
を形成するうえで単に所望のBaSnO3化合物系構造
ができる温度だけではなく、ターゲットとして重要な蒸
着装置内への固定性やハンドリングが容易となる崩れな
い焼結体を得るに最適な焼結温度を実験的にはじめて確
認したことから、極めて良質な単結晶薄膜が実現できる
と言う利点がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】立方晶ペロウスカイト構造を有するBaS
    nO3系の単結晶薄膜を物理的蒸着法により形成する際
    に用いる焼結ターゲットの製造方法において、少なくと
    もBa原子を含有する化合物とSn原子を含有する化合
    物を配合、混合し、Ba原子とSn原子を含有する混合
    物を形成する工程と、該混合物を大気中あるいは酸化性
    雰囲気で1300℃以上の温度で焼結する工程を有する
    ことを特徴とする複酸化物ターゲットの製造方法。
JP5139523A 1993-05-18 1993-05-18 複酸化物焼結ターゲットの製造方法 Pending JPH06330299A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5139523A JPH06330299A (ja) 1993-05-18 1993-05-18 複酸化物焼結ターゲットの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5139523A JPH06330299A (ja) 1993-05-18 1993-05-18 複酸化物焼結ターゲットの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06330299A true JPH06330299A (ja) 1994-11-29

Family

ID=15247275

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5139523A Pending JPH06330299A (ja) 1993-05-18 1993-05-18 複酸化物焼結ターゲットの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06330299A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5340797A (en) Superconducting 123YBaCu-oxide produced at low temperatures
JPH0817245A (ja) 強誘電体薄膜およびその製造方法
JP3089294B2 (ja) 超電導テープ材の製造方法
CA1314791C (en) Epitaxial ba-y-cu-o superconductor film on perovskite structure substrate
JPH06330299A (ja) 複酸化物焼結ターゲットの製造方法
JP2002265221A (ja) 酸化物超電導体単結晶粒子の集合体およびターゲット材並びにその製造方法
JP4215180B2 (ja) Bi系2223酸化物超電導体製造に用いる仮焼粉の製造方法及びBi系2223酸化物超電導体の製造方法。
JP2814404B2 (ja) 超伝導薄膜の熱処理方法
JP3157184B2 (ja) 酸化物超電導体の高密度体の製造法
JP2978538B2 (ja) 高密度結晶構造の超電導材料
JPH0238359A (ja) 超電導体の製造方法
JPS5821880A (ja) 酸化物超伝導薄膜の製造方法
JP2866484B2 (ja) 酸化物超電導体の製法
JP2538439B2 (ja) 鉛系誘電体磁器組成物の製造方法
JP3314102B2 (ja) 酸化物超電導体の製造方法
JPH01278449A (ja) 酸化物超電導体の製造方法
JP2822328B2 (ja) 超伝導体の製造方法
JP2985350B2 (ja) 相転移方法を用いた鉛系複合酸化物の製造方法
JPH01275493A (ja) 酸化物超電導体単結晶の育成方法
JP3164640B2 (ja) 酸化物超電導体の製造方法
Setasuwon et al. Templated grain growth of Bi/sub 0.5/Na/sub 0.5/TiO/sub 3/with seeds of the same material
JPH04182394A (ja) 単結晶超電導体の製造方法
JPH03197349A (ja) 酸化物超電導薄膜形成用ターゲット材の製造方法
JPH03126623A (ja) 金属酸化物材料
JPH02196006A (ja) 超伝導薄膜の作成方法