JPH06329821A - 耐水性ガスバリア包材 - Google Patents
耐水性ガスバリア包材Info
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- JPH06329821A JPH06329821A JP5125807A JP12580793A JPH06329821A JP H06329821 A JPH06329821 A JP H06329821A JP 5125807 A JP5125807 A JP 5125807A JP 12580793 A JP12580793 A JP 12580793A JP H06329821 A JPH06329821 A JP H06329821A
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Abstract
境に優しい廃棄処理あるいはリサイクリングが可能でコ
スト的にも安価であることは無論のこと、ガスバリア性
に優れ、かつ湿度による影響を受けにくく、耐水性、耐
ボイル性のあるガスバリア包材を提供すること。 【構成】プラスチックからなる基材の少なくとも片面
に、一般式M(OR)n (M:金属元素、R:CH3 ,
C2 H5 などのアルキル基、n :金属元素の酸化数)で
表せる金属アルコキシドあるいは該金属アルコキシドの
加水分解物と、一般式R’Si(OR)3 (R’:アル
キル基,ビニル基,グリシドオキシプロピル基など、
R:アルキル基など)で表せる3官能基のオルガノシラ
ン及びその可水分解物と水溶性高分子との3元系複合物
からなる被膜を有するガスバリア包材。
Description
野に用いられるガスバリア包材に関するものである。
アルコール(以下PVAと略記)、エチレン−ビニルア
ルコ−ル共重合体(以下EVOHと略記)、ポリ塩化ビ
ニリデン樹脂(以下PVDCと略記)等のガスバリア性
に優れた樹脂をラミネートしたりコーティングしたもの
が知られており、食品などの内容物の品質を長期保存す
るために包装材料として用いられている。
では温度、湿度依存性が大きく、高温あるいは高湿下で
酸素バリア性の低下が見られる、煮沸処理やレトルト処
理を行うとバリア性が著しく低下するなどの欠点があ
る。
ものの酸素バリア性が1cm3 /m 2 ・day・atm
以下のハイガスバリア材を実現するのは困難であり、し
かも膜中に塩素を多量に含有しているため、焼却処理や
リサイクリングなどの廃棄物処理に難点が多い。
るいはプラズマ化学気相成長(CVD)法などの真空プ
ロセスによってSiOx 等の無機化合物の被膜を設けた
バリア包材が開発されている。
実現できないハイバリア性能を有しており、焼却処理さ
れても有毒ガスの発生することなく、また無機物の被膜
もその厚みが数百オングストロームと非常に薄く、樹脂
基材としてのリサイクリングも可能である。
ア層である無機の被膜が可とう性に欠ける、基材との密
着性が悪い、などから取扱いに注意を要する。また、こ
れらの真空プロセスでは装置が高価であったり、生産性
が悪かったりコスト的にかなり高価であるなどの欠点が
残されている。
に金属アルコキシドの被膜を設けたガスバリア包材が提
案されている(特開昭62−295931号公報等)。
性を有し、金属アルコキシドは無害なものであるので環
境に優しく、また被膜は薄いので廃棄処理あるいはリサ
イクリングが可能でコスト的にも安価である。
けたガスバリア包材は、基材単体の場合と較べ、酸素バ
リア性の向上は見られるものの、絶対的なガスバリア性
の点で満足がいくものではなかった。
点に鑑みてなされたもので、乱雑な取扱いにも耐え得る
可とう性を有し、環境に優しい廃棄処理あるいはリサイ
クリングが可能でコスト的にも安価であることは無論の
こと、ガスバリア性に優れ、かつ湿度による影響を受け
にくく、耐水性、耐ボイル性のあるガスバリア包材を提
供することを目的とするものである。
プラスチックからなる基材の少なくとも片面に、一般式
M(OR)n (M:金属元素、R:CH3 ,C2 H5 な
どのアルキル基、n :金属元素の酸化数)で表せる金属
アルコキシドあるいは該金属アルコキシドの加水分解物
と、一般式R’Si(OR)3 (R’:アルキル基,ビ
ニル基,グリシドオキシプロピル基など、R:アルキル
基など)で表せる3官能基のオルガノシランおよびその
可水分解物と水溶性高分子との3元系複合物からなる被
膜を有することを特徴とするガスバリア包材である。
明を前提とし、前記金属アルコキシドあるいは金属アル
コキシドの加水分解物中の金属が、Si、Alあるいは
両者の混合物であることを特徴とするガスバリア包材で
ある。
求項2記載の発明を前提とし、前記水溶性高分子がポリ
ビニルアルコールであることを特徴とするガスバリア包
材である。
項3記載の発明を前提とし、前記3官能基オルガノシラ
ンのR’が末端にエポキシ基を有することを特徴とする
ガスバリア包材である。
項4記載の発明を前提とし、前記被膜中の金属アルコキ
シドと3官能基オルガノシランとのモル比率が0.9
9:0.01から0.7:0.3であって、金属アルコ
キシドとオルガノシランを金属酸化物に換算したときの
金属酸化物と水溶性高分子との重量比率が、20:80
〜95:5であることを特徴とするガスバリア包材であ
る。
請求項5記載の発明を前提とし、該3元系複合物にさら
に分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物が添加されて、その添加量が
全体の0.1〜20%であることを特徴とするガスバリ
ア包材である。
材とは、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66
等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド等、あるいはこれら
の高分子の共重合体などの通常の包装材料として用いら
れるものである。
えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤
などを含んだものであっても良い。
て詳細に説明する。本発明において用いられる金属アル
コキシドとは、テトラエチルオルソシリケート(Si
(OC2 H5 )4 )、トリプロピルアルミニウム(Al
(OC3 H7)3 )など一般式M(OR)n (MはS
i,Ti,Al,Zrなどの金属、RはCH3 ,C2 H
5 などのアルキル基)で表せるものである。その中でも
MがSi,Alあるいは両者の混合物が種々の特性に優
れている。
エチルシラン、ビニルトリメトキシラン、グリシドオキ
シプロピルトリメトキシシランなど一般式 R’−Si
(0R)3 で表せるものであり、なかでもR’の末端が
エポキシ基であるグリシドオキシプロピルトリメトキシ
シランやエポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシ
ランなどが最も好ましい。
ル、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウ
ムなどである。その中でもポリビニルアルコール(PV
A)を用いた場合にバリア特性が最も優れている。ここ
でいうPVAとは一般に酢酸ビニルアルコールをけん化
して得られるもので、酢酸基が数十%程度残存している
いわゆる部分けん化PVAから数%以下しか残存してい
ない完全けん化PVAまでの総称であって、特に限定さ
れるものでない。
2個以上のイソシアネート基(NCO基)を有するもの
であって、代表的にはトリレンジイソシアネート(以下
TDIと略記),トリフェニルメタントリイソシアネー
ト(以下TTI略記),イソホロンジイソシアネ−ト
(以下IPDI略記),テトラメチルキシレンジイソシ
アネート(以下TMXDIと略記)などのモノマー類
と、これらの重合体や誘導体などである。
能基オルガノシランを直接あるいはあらかじめ加水分解
反応させたものを水溶性高分子、イソシアネート化合物
と混合して複合溶液を作成し、基材にコーティングして
形成させるものである。
ンとの比率は、モル比率で0.99:0.01から0.
7:0.3が望ましく、オルガノシランが0.01以下
では耐水性が期待できず、また0.3以上ではバリア性
が低下する。
酸化物に換算したときの金属酸化物と水溶性高分子との
重量比率が、20:80〜95:5の範囲がバリア性、
可とう性ともに優れている。さらにイソシアネート化合
物の占める割合は全体の0.1〜20%が望ましく、
0.1以下では耐水性の効果が薄く、20%以上ではバ
リア性が著しく低下する。
ッピング法、ロールコティング法、スクリーン印刷法、
スプレー法、などいずれの方法を用いても良い。
ても異なるが、約0.01〜1000μmの範囲内であ
れば良い。しかし、50μm以上では膜にクラックが入
り易くなるため、0.01〜50μmの範囲内にあるこ
とがより望ましい。
材上に、必要に応じてヒートシール可能な熱可塑性樹脂
層を積層したり、印刷層を設けたり、また複数の樹脂を
接着層を介して積層して使用することも出来る。
からなる基材の少なくとも片面に、一般式M(OR)n
で表せる金属アルコキシドあるいはその加水分解物と、
一般式R’Si(OR)3 で表せる3官能基のオルガノ
シランおよびその可水分解物と水溶性高分子との3元系
複合物被膜を設けたものであり、ハイレベルのガスバリ
ア性を有し、かつ耐水性、耐湿性を有する。さらに、イ
ソシアネート化合物を添加することで耐水性がより向上
するものである。
は実施例に記載の材料に限定されるものではない。
ト(Si(OC2 H5 )4 :TEOSと略記)に以下3
種の3官能基オルガノシラン(メトキシトリエチルシラ
ン:MTES、ビニルトリメトキシラン:VTMS、グ
リシドオキシプロピルトリメトキシシラン:GPTM
S)をモル比で0.9:0.1になるように混合したも
の9gに0.01Nの塩酸91gを加え30分撹拌し加
水分解溶液(SiO2 濃度約3%)を作成、これにPV
A(重合度2400,鹸化度98.5%)の3%水溶液
を重量比で70/30になるように混合して複合溶液を
作成した。これらの溶液を基材のポリエチレンテレフタ
レート(以下PETと略記)フィルム(50μm,コロ
ナ処理)の片面にバーコーターでコーティング後、乾燥
機で120℃−10分間乾燥して膜厚0.3μmの被膜
を形成し、試験体を得た。
ル処理を行い、その前後のガスバリア性を酸素透過度測
定装置(モダンコントロール社製MOCON OXTR
AN10/50A)を用い25℃−100%RH雰囲気
の条件で測定を行った。比較例としてオルガノシランを
含まない2元系の複合膜も同様に試験を行ったのでその
結果を(表1)に示す。
複合被膜を施したものは優れた酸素バルア性を示した。
オルガノシランを添加したものは添加しないものに比べ
て若干のバリア性の低下は認められたが、ボイル後のガ
スバリア性の低下を抑制することができた。なかでも末
端にエポキシ基を有するGPTMSが良好であった。
ル比率を1.0/0〜0.5/0.5の範囲で変えたS
iO2 3%のの加水分解溶液を実施例1と同様の方法で
作成、これにPVA3%溶液を重量比で60/40にな
るように混合して複合溶液を作成した。実施例1同様に
PETにコーティングして膜厚0.3μmの被膜を形成
し、ボイル前後の酸素透過度の測定を行った。その結果
を(表2)に示す。
ア性の低下が認められ、モル比が0.3以上ではかなり
の低下がみられた。また、0.01以下ではボイル後の
バリア性が著しく低下したが、0.01以上ではほぼ低
下が見られない被膜が得られた。
比が1/0,0.95/0.05,0.9/0.1であ
る3種類のSiO2 濃度3%の加水分解溶液を実施例1
と同様の方法で作成し、これにトリプロピルアルミニウ
ム(Al(OC3 H7 )3 :TPAと略記)を80℃の
熱水中で溶解した後、塩酸を添加して解膠させた固形分
3%(Al 2 O3 換算)の加水分解溶液とPVA3%水
溶液を重量比で1/1/1の混合溶液を作成した。これ
らの複合溶液とこれらにIPDIを全固形分に対して重
量比で5%添加、強制撹拌して得た複合溶液とを実施例
1と同様にPETにコーティングして膜厚0.3μmの
被膜を形成し、ボイル前後の酸素透過度の測定を行っ
た。その結果を(表3)に示す。
とボイル前の酸素透過度は大きくバリア性はやや低下す
るが、オルガノシランによるボイル後のバリア性低下抑
制よりその抑制の効果を大きくすることができた。
スバリア包材は、プラスチックからなる基材の少なくと
も片面に、一般式M(OR)n で表せる金属アルコキシ
ドあるいはその加水分解物と、一般式R’Si(OR)
3 で表せる3官能基のオルガノシランおよびその可水分
解物と水溶性高分子との3元系複合物被膜あるいはさら
にイソシアネート化合物を添加した被膜を設けたもので
あり、ハイレベルのガスバリア性を有するとともに、耐
水性にも優れ、可とう性に優れるので、高湿度雰囲気あ
るいはボイル処理や乱雑な取扱いにもバリア性を損なう
ことなく、食品など内容物の長期保存を可能にするもの
である。また、焼却されたとしても有毒ガス、有害物質
を発生することなく廃棄処理も可能であり、製造方法も
簡単で特殊な装置も必要としないので生産性も高く安価
に製造することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】プラスチックからなる基材の少なくとも片
面に、一般式M(OR)n (M:金属元素、R:C
H3 ,C2 H5 などのアルキル基、n :金属元素の酸化
数)で表せる金属アルコキシドあるいは該金属アルコキ
シドの加水分解物と、一般式R’Si(OR)
3 (R’:アルキル基,ビニル基,グリシドオキシプロ
ピル基など、R:アルキル基など)で表せる3官能基の
オルガノシランおよびその可水分解物と水溶性高分子と
の3元系複合物からなる被膜を有することを特徴とする
ガスバリア包材。 - 【請求項2】前記金属アルコキシドあるいは金属アルコ
キシドの加水分解物中の金属が、Si、Alまたは両者
の混合物であることを特徴とする請求項1記載のガスバ
リア包材。 - 【請求項3】前記水溶性樹脂がポリビニルアルコールで
あることを特徴とする請求項1または請求項2記載のガ
スバリア包材。 - 【請求項4】前記3官能基オルガノシランのR’が末端
にエポキシ基を有することを特徴とする請求項1乃至請
求項3に記載のガスバリア包材。 - 【請求項5】前記被膜中の金属アルコキシドと3官能基
オルガノシランとのモル比率が0.99:0.01から
0.7:0.3であって、金属アルコキシドとオルガノ
シランを金属酸化物に換算したときの金属酸化物と水溶
性高分子との重量比率が、20:80〜95:5である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のガスバリ
ア包材。 - 【請求項6】前記3元系複合物にさらに分子中に少なく
とも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネー
ト化合物が添加されてなることを特徴とする請求項1乃
至請求項5に記載のガスバリア包材。 - 【請求項7】前記イソシアネート化合物の占める割合が
全体の0.1〜20%であることを特徴とする、請求項
6に記載のガスバリア包材。
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---|---|---|---|
JP12580793A JP3438257B2 (ja) | 1993-05-27 | 1993-05-27 | 耐ボイル性を有するガスバリア材 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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1993
- 1993-05-27 JP JP12580793A patent/JP3438257B2/ja not_active Expired - Lifetime
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