JPH0632956U - 瞬間湯沸器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】電気を使用しながら、いつでも所望の量の湯が
得られるようにした瞬間湯沸器を提供する。 【構成】電気抵抗体１が内装され、耐熱温度電気絶縁被
膜材で被覆した発熱板２を複数枚縦方向で接近させて配
列し、これら発熱板２の上方に水供給部３を配置して前
記発熱板２間を伝わって水が落下するようにするととも
に、これら発熱板２の周囲を断熱容器４で覆った。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は電気式の瞬間湯沸器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在、瞬間湯沸器としてはガス式のものが主流である。これは、ガスの熱量が 大きいため短時間に水を昇温させることができるためである。

【０００３】 しかし近年のマンション等にあっては、安全性からの要請で生活に必要なエネ ルギーをすべて電気で得るように設計するケースが多い。この場合ガス式の器具 は一切使用できなくなるため何等かの対策が必要となる。

【０００４】 従来、電気を利用した湯沸器としては電気温水器があるが、これは深夜電力で 加熱した水を貯水槽に蓄え、これを必要に応じて使用するという形式を採ってい る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記した電気温水器では大型で重量のある貯水槽が不可欠であるた めこれを設置するためのスペースが必要となり、また配管や設置が煩雑となる欠 点がある。しかも、貯水槽の湯が空になると湯を沸かすための時間がかかるとい う問題がある。

【０００６】 本考案は前記事項に鑑みてなされたもので、電気を使用しながら、いつでも所 望の量の湯が得られるようにした瞬間湯沸器を提供することを技術的課題とする 。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記技術的課題を解決するために、以下のような構成とした。 即ち、電気抵抗体１が内装され、耐熱温度電気絶縁被膜材で被覆した発熱板２ を複数枚縦方向で接近させて配列し、これら発熱板２の上方に水供給部３を配置 して前記発熱板２間を伝わって水が落下するようにするとともに、これら発熱板 ２の周囲を断熱容器４で覆った。

【０００８】 なお、発熱板２に温度センサ７を設け、前記発熱板への供給電流を制御する電 流制御部６をこの温度センサ２からの信号で制御するようにしてもよい。また、 断熱容器４内に水位センサを設け、所定水位に満たない場合には発熱板２の電源 が入らないようにすることもできる。さらに、一定時間以上は発熱板２へ通電し ないようにタイマーを設けることもできる。

【０００９】

【作用】

水供給部３から供給された水は通電された発熱板２間を通る過程で急速に加熱 される。これは発熱部分を板状にしたことで水との接触面積が増大したことによ る。また、温水を貯蔵するものではないため従来の電気温水器のような大型の貯 水槽が不要で空間の有効利用、設置工事の簡略化を図ることができる。

【００１０】

【実施例】

本考案の実施例を図１及び図２に基づいて説明する。 この実施例は断熱容器４内に発熱板２を内装し、この発熱板２に通電しつつ上 部から水を供給するものであり、断熱容器４の下端から湯を排出するように構成 したものである。

【００１１】 前記発熱板２は、耐熱温度電気絶縁被膜材で被覆され、四角形の板状をなして おり、内部に、ニクロム層、炭素層、あるいはシリコン層等の電気抵抗体１を内 装してある。

【００１２】 この発熱板２は３枚縦方向で接近させて配列されており、この発熱板２の周囲 をステンレス等の耐熱性のある断熱容器４で覆ってある。この断熱容器４の底部 は小径に絞ってあり、その下端はノズル４ａになっている。このノズル４ａを設 ける理由は水の流出速度を抑制し、充分に加熱された湯を外部に供給するためで ある。

【００１３】 前記発熱板２の上方には水供給部３が配置されている。この水供給部３は外部 の水道５に接続されたパイプであり、パイプに多数の孔を設けることで均等に断 熱容器４内に水を噴出することができるようになっている。

【００１４】 前記発熱板２は図示のように縦に配置されているため、これら発熱板２間を伝 わって水が落下することとなる。 前記発熱板２は電流制御部６を介して電源が接続されており、電流制御部６に よって電源のオンオフを電流値の制御がなされるようになっている。前記発熱板 ２には温度センサ７が設けられており、この温度センサ７からの信号が前記電流 制御部６に接続されている。そして前記発熱板２の温度が上昇し過ぎたときには 温度センサ７から発熱板２の電流を減ずべき信号が送出される。

【００１５】 また、断熱容器４内に水位センサ８が設けられており、その出力信号が電流制 御部６に入力されている。そして所定水位に満たない場合には発熱板２の電源が 入らないようになっている。

【００１６】 さらに前記電流制御部６にはタイマー９が接続されており、一定時間以上は発 熱板２へ通電しないようになっている。これらの安全装置によって安全が確保さ れている。

【００１７】 前記した構成において、水供給部３から水を供給すると、水は通電された発熱 板２間を通る過程で急速に加熱され前記ノズル４ａから外部に排出される。この ときの温度上昇特性は概ね図２に示す如くであり、この特性は電気抵抗体１の材 質や容量によって任意に設定することができる。

【００１８】 以上のような構成としたことにより、コンパクト化、省エネルギー化を図るこ とができる。また、ガスのようなタネ火がなく酸素も消費しないため取扱が容易 で安全であり空気汚染の虞もない。

【００１９】 また、従来の電気温水器、蓄熱システムあるいは太陽熱応用システムとの併用 も可能であるのは勿論である。

【００２０】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、電気を使用してガスと同様に、いつでも所望の 量の湯が得られる。また水槽を必要としないため、建築物の有効利用を図ること ができ、工事も簡単であることから低コストで設置することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図

【図２】本考案の一実施例を示す特性図

【符号の説明】

１・・電気抵抗体、 ２・・発熱板、 ３・・水供給部、 ４・・断熱容器、 ６・・電流制御部、 ７・・温度センサ ８・・水位センサ ９・・タイマー

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気抵抗体が内装され、耐熱温度電気絶
   縁被膜材で被覆した発熱板を複数枚縦方向で接近させて
   配列し、これら発熱板の上方に水供給部を配置して前記
   発熱板間を伝わって水が落下するようにするとともに、
   これら発熱板の周囲を断熱容器で覆ったことを特徴とす
   る瞬間湯沸器。
2. 【請求項２】 前記発熱板に温度センサを設けるととも
   に、この温度センサからの信号を受けて前記発熱板への
   供給電流を制御する電流制御部を有していることを特徴
   とする請求項１記載の瞬間湯沸器。