JPS6143180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 一般に貯湯型押上式温水器にあつては、タンク
下方に深夜電力で発熱する主ヒーターを設け、又
上方には昼間電力で発熱する追炊用の補助ヒータ
ーを設けて成り、深夜電力を利用して沸上げてお
いた熱湯が、昼間に使用することで貯留熱湯の温
度が多少下つても、昼間電力で発熱する補助ヒー
ターを発熱さすことで、そうした若干の温度低下
を防ぐようにして、常に良好な湯温を維持するよ
うになされている。即ち、補助ヒーターの発熱量
は小容量ならしめ極力高価な昼間電力は用いない
ようになされており、貯留熱湯の温度低下が僅か
であればその小容量から成る補助ヒーターの通電
でも充分に所望する熱湯温度に維持できるように
なされている。しかし乍ら、何等かの理由で、多
量の熱湯を使用して残留熱湯の温度を極端に低下
（例えば50℃以下）せしめた場合には、小容量の
補助ヒーターの熱では所望する温度にまで沸上げ
ることは長時間を要し、仮りに深夜電力の通電時
間帯が迫つている場合には、高価な昼間電力を使
用することは無駄で不経済であつた。

本考案は、斯る点に鑑みなされたもので、以下
本案の実施例を図について説明すると、１は表面
に断熱材２を覆着せしめたタンクで、その底部に
連通接続せしめた給水管３より給水できるように
成し、該給水管は水道管と接続され、途中にコツ
ク４を介在せしめている。

５は、前記タンク１内の下方に配設せる主ヒー
ターで、電気料金の安い深夜電力で通電発熱する
ようになし、前記タンク１内に給水された水を加
熱し、該タンク内に装着された主サーモスタツト
６により約85℃の熱湯が得られるように成してい
る。この深夜電力により得られた熱湯は昼等にお
いて使用するものであるが、その給湯は前記タン
ク１内に前記給水管３からの水を新たに送り込ん
で前記タンク１内に貯留せる熱湯を押上げて、該
タンクの上部に連通接続せる給湯管７より得るも
のである。

８は前記タンク１内の上方に配設せる補助ヒー
ターで、深夜電力の通電後において、熱湯が熱放
散によつて若干温度低下した場合、或いは給湯に
より湯温が若干低下した場合に昼間電力で通電さ
れるもので、前記主ヒーター５の発熱容量よりも
小容量で成つている。

そして、これら主ヒーター５及び補助ヒーター
８は、第２図に示す如く電気接続されている。

即ち、前記主ヒーター５はタイマー（図示せ
ず）により深夜電力（200V）の電源を得て発熱
するもので、主サーモスタツト６に直列接続され
て、該主サーモスタツトの温度特性の85℃に湯温
は維持されるものである。

９は前記主ヒーター５及び前記主サーモスタツ
ト６の直列回路に対して更に直列接続された低温
サーモスタツトで、該低温サーモスタツトの温度
特性は65℃であり、前記主サーモスタツト６の温
度特性より低温度に設定してある。即ち夏期等の
ように外気温が高い場合は熱湯温度を85℃といつ
た高温熱湯を必要とせず、65℃程度の熱湯で充分
に用を成すため該低温サーモスタツト９によつて
前記主ヒーター５の通電を制御するものである。
もちろん85℃の高温熱湯を必要とする場合は、前
記低温サーモスタツト９をシヨートさせるべく、
前記低温サーモスタツト９に並列接続した節電ス
イツチ１０をONせしめるものである。

１１は前記主ヒーター５の深夜電力の電源に接
続されたリレーで、深夜電力のタイマーが作動し
て深夜電力の電源が投入されると同時に作動する
もので、昼間電力（100V）で通電される前記補
助ヒーター８の通電を遮断するためのものであ
る。即ち、安価な深夜電力が通電されている場合
には高価な昼間電力を使用できないようにしたも
のである。

一方の昼間電力により通電される前記補助ヒー
ター８は前記リレー１１の作動接片１２と補助サ
ーモスタツト１３を介して接続されて成り。前記
リレー１１が作動せず、前記補助ヒーター８に昼
間電力が付与されている場合に前記補助サーモス
タツト１３の特性によつて80℃の温度に湯温が維
持できるようになされている。もちろん深夜電力
により沸上げられた熱湯が若干温度低下した場合
に作用して前記補助サーモスタツト１３の設定温
度に湯温は維持されるものである。

１０は、前記補助サーモスタツト１３と、前記
補助ヒーター８間に設けられた節電スイツチで、
前記深夜電力源に設けた節電スイツチ１０と連動
するものである。即ち、深夜電力でもつて沸す熱
湯温度が節電スイツチ１０を操作して低温サーモ
スタツト９によつて主ヒーター５を制御して温度
の低い湯温に設定した場合は、当然補助ヒーター
８を昼間電力を用いて沸す程の必要性もないこと
から、前記節電スイツチ１０は前記補助ヒーター
８の通電を遮断状態ならしめるものである。１４
は、前記リレー１１の作動接片１２、補助サーモ
スタツト１３、節電スイツチ１０の直列回路に対
し、更に直列接続する節電サーモスタツトで、該
節電サーモスタツトはタンク１内の湯温が設定温
度以下の65℃以下となれば開路するもので、例え
ば貯留せる熱湯を多量に用いて湯温が65℃以下と
なれば開路してしまい昼間電力での通電を不能状
態ならしめ、次の沸上げ時の深夜電力通電時まで
待つものである。

即ち、該節電サーモスタツト１４は前記タンク
１の上方、即ち前記主サーモスタツト６より上方
位置に装着されてなり、該部分における節電サー
モスタツト１４が開路作動することは該タンク１
内の残湯が極めて少なく、更に斯る状態で前記補
助ヒーター８を通電状態ならしめても、再び使用
できる熱湯温度にまで沸上げることは不可能であ
り、結果、無駄な通電をしないものである。

上述の如く、本考案における押上式湯水器は、
湯を貯留するタンクの下方に深夜電力で発熱する
主ヒーターを、上方に昼間電力で発熱する補助ヒ
ーターをそれぞれ配設し、主ヒーターおよび補助
ヒーターの通電をそれぞれ主サーモスタツトおよ
び補助サーモスタツトにて制御してタンク内の湯
温を設定温度に維持せしめるものにおいて、タン
ク内の湯温が補助サーモスタツトの設定温度より
も低いある温度以下のときに開となる節電サーモ
スタツトをタンク内の上部に装設し、この節電サ
ーモスタツトを補助ヒーターと直列に接続した回
路を備えたものであるから、昼間電力使用時間帯
に多量の湯を使用した場合、タンク内の上部に装
設した節電サーモスタツトが湯量の減少を検出し
て補助ヒーターの通電を遮断させ、深夜電力を利
用する主ヒーターで加熱されて湯温が上るまで補
助ヒーターによる加熱が行なわれないようにした
ものであり、割高な昼間電力を無駄に消費しない
ようにできるなど、実用的なる温水器が得られる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本案押上式温水器の縦断面図、第２
図は同じくその電気回路図である。 ５……主ヒーター、６……主サーモスタツト、
８……補助ヒーター、１４……節電サーモスタツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 湯を貯留するタンクの下方に深夜電力で発熱す
   る主ヒーターを、上方に昼間電力で発熱する補助
   ヒーターをそれぞれ配設し、主ヒーターおよび補
   助ヒーターの通電をそれぞれ主サーモスタツトお
   よび補助サーモスタツトにて制御してタンク内の
   湯温を設定温度に維持せしめる押上式温水器にお
   いて、タンク内の湯温が補助サーモスタツトの設
   定温度よりも低いある温度以下のとき開となる節
   電サーモスタツトをタンク内の上部に装設し、こ
   の節電サーモスタツトを補助ヒーターと直列に接
   続した回路を備えたことを特徴とする押上式温水
   器。