JPH06329183A - 集積回路用ケース - Google Patents

集積回路用ケース

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JPH06329183A
JPH06329183A JP5142979A JP14297993A JPH06329183A JP H06329183 A JPH06329183 A JP H06329183A JP 5142979 A JP5142979 A JP 5142979A JP 14297993 A JP14297993 A JP 14297993A JP H06329183 A JPH06329183 A JP H06329183A
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JP
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resin
case
weight
thermoplastic resin
integrated circuit
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JP5142979A
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English (en)
Inventor
Shigenori Hamaoka
重則 浜岡
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Inoac Corp
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
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  • Packaging Of Annular Or Rod-Shaped Articles, Wearing Apparel, Cassettes, Or The Like (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温、長時間の繰り返しベーキングによって
も、寸法の狂い或いは反り等を生ずることがなく、耐久
性が高く、且つ優れた帯電防止性が維持される集積回路
用ケースを提供する。 【構成】 荷重たわみ温度が150℃以上の熱可塑性樹
脂100重量部に対し、平均繊維径7〜13μm、平均
長さ0.13〜0.15mm、体積固有抵抗1Ωcm以
下の黒鉛化カーボンファイバーと、平均繊維径0.2〜
0.5μm、平均長さ10〜30μmのチタン酸カリウ
ム又はホウ酸アルミニウムからなる基体ウィスカー表面
に、酸化アンチモン、酸化インジウム若しくはグラファ
イトをドーピングしてなる酸化スズ被膜を有する、体積
固有抵抗10Ωcm以下の通電材コーティングウィスカ
ーとの、重量比1/9〜3/7の混合物20〜30重量
部を添加した樹脂成形材料からなり、且つ表面電気抵抗
が105 〜1010Ωである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、集積回路用ケースに関
し、更に詳しく言えば、集積回路(IC)チップの封止
成形後に行うベーキング工程において、この工程で繰り
返し使用することのできるIC用ケースに関する。
【0002】
【従来の技術】ICは、ICチップのリードフレームと
の加熱溶着(ボンデング)後に、ICチップ保護のた
め、エポキシ樹脂やセラミックスを用い封止剤処理(パ
ッケージシーリング)が行われており、封止処理後15
0℃以上の温度で封止剤中の水分の加熱脱水(ベーキン
グ)を行っている。ICの生産工程に於いてはICの特
性によりベーキングを4〜6時間行う一般的な工程以外
に、特殊用途向けのICでは12〜36時間のベーキン
グを必要とする場合があり、この工程に用いられるIC
用ケースとしては、加工性、耐久性、導電性の点から従
来アルミニウム製が一般的に用いられており、この工程
で繰り返し使用されている。
【0003】しかしながら、アルミニウムは硬く且つ酸
化被膜を生じ易いため、IC収納時にICがIC用ケー
スに引っかってリードフレームに曲がりを生じたり、長
時間使用後には表面が酸化し、この酸化層を除去するた
めに薬品処理をする必要がある等の問題があり、低コス
トで耐久性に優れ且つ不必要な別作業を要しないIC用
ケースの提供が求められている。又、封止剤としてセラ
ミックスを使用する場合には、アルミニウムとの擦すれ
によるパッケージ表面の灰色状の汚れも問題となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の生産
工程におけるアルミニウム製のIC用ケースの問題点を
解決することができ、且つこの工程に用いられるものと
して、加工性、耐久性及び導電性の点からもこの工程内
で繰り返し使用することのできるIC用ケースを提供す
ることを目的とする。
【0005】一般にDIP(Dual Inline Package)やS
OP(Single Outline Package)と称されるIC用のケ
ースは、リードフレームがパッケージの2方向から出て
いる形状のICを内部に収納するものであり、従来、ポ
リ塩化ビニル製のICケースが出荷用として用いられて
おり、界面活性剤により一過性の帯電防止性が付与され
ているが、前記の様に150℃以上の高温下で12〜3
6時間のベーキングが繰り返し実施されるような場合に
は、より高温且つ長時間下での耐久性が必要となる。こ
の耐久性としては半永久的な帯電防止性の他、寸法的、
物性的安定性が必要とされ、この中でも特にIC用ケー
スの反り寸法に関しては、全長400〜600mmに対
し、1.0mm以下という厳しい規格が設けられてい
る。金属材料であるアルミニウムを用いた場合は、融点
が600℃前後であるため、その安定性は何ら問題ない
が、プラスチック材料を用いる場合には、成形加工性が
良好で、且つ所定の断面寸法形状が維持され、また高
温、長時間のヒートサイクル下でも長辺反り寸法が維持
できる材料の開発が必要である。更に前述の様なICの
品質上の問題であるパッケージの外観、汚れ等について
も材料開発に於いて解決しなければならず、本発明は上
記の各問題点を解決することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第1発明の集積回路用
ケース(以下、「ケース」という)は、JISK 72
02A試験法に基づく荷重たわみ温度(以下、「荷重た
わみ温度」という)が150℃以上の熱可塑性樹脂10
0重量部に対し、黒鉛化カーボンファイバーと通電材コ
ーティングウィスカーの重量比が1/9〜3/7の混合
物20〜30重量部を添加したものを基本配合とする樹
脂成形材料からなり、且つ表面電気抵抗が105 〜10
10Ωであることを特徴とする。
【0007】ケース本体に上記の様な「荷重たわみ温
度」を要求するのは、ICの生産工程における4〜6時
間の一般的なベーキング工程以外に、特殊用途向けIC
では150℃という高温に於ける12〜36時間のベー
キングを必要とする場合もあり、ケース本体が十分な耐
熱性を有していなければ、ケース本体が大きく変形し、
ICをケース本体から取り出すことが困難になったり、
ICに破損を生じさせることがあるからである。更に、
耐熱性を「荷重たわみ温度」により判定するのは、15
0℃以上の高温下に於ける形状安定性、寸法安定性等の
評価には最適と考えたからである。又、「150℃以
上」とするのは、通常、ICのベーキングは130〜1
50℃(若しくはこれ以上の温度)で行われるからであ
る。尚、この「荷重たわみ温度」は、ベーキング工程が
長時間に渡る場合には、160℃以上とするのが好まし
い。
【0008】上記ケース本体を構成する「熱可塑性樹
脂」としては、非晶性樹脂も結晶性樹脂も使用し得る
が、本発明のケースのように150℃以上の高温で長時
間しかも繰り返しベーキングに使用される場合、樹脂の
結晶性が高過ぎたり、添加する無機充填剤の種類或いは
量によっては、冷却時の環境条件により寸法の狂いや反
りを生じることがあり不適な場合がある。そのため、
「熱可塑性樹脂」としては、本第3発明に示す様に、荷
重たわみ温度が150℃以上のポリスルフォン樹脂、ポ
リエーテルスルフォン樹脂、ポリフェニルスルホン樹
脂、若しくはポリアリレート樹脂等の非晶性の熱可塑性
樹脂が好適である。これらの非晶性樹脂は耐熱性が高い
こと以外に、流動性が高く成形加工性も良好である。
【0009】次に、ケースの基本的特性の一つである半
永久的な帯電防止性については、一般的には導電性のカ
ーボンブラック等を20〜30部配合すれば良いと言わ
れているが、この場合ICとケース材との擦すれによる
カーボン粒子の脱落、所謂スラフィング(Sloughing)に
よるICの汚れが生じ、外観不良となって製品として出
荷できないことがある。又、このカーボンブラックの替
わりに無機系の導電性微粒子を配合して導電性の付与を
行う場合を検討したが、必要な導電性を得るには、樹脂
100重量部に対して導電性微粒子を100重量部以上
配合する必要があり、成形加工性の低下を招き、特に押
出加工性が極端に悪化してしまい好ましくないことが分
かった。
【0010】本発明では、上記の如く、熱可塑性樹脂1
00重量部に、「黒鉛化カーボンファイバー」と「通電
材コーティングウィスカー」との「重量比」が「1/9
〜3/7の混合物」を、導電フィラー(黒鉛化カーボン
ファイバーと通電材コーティングウィスカーとを合わせ
たものをいう)として「20〜30重量部配合」した
「樹脂成形材料」を使用する。この「樹脂成形材料」
は、成形性、特に押出成形性に優れ、しかも得られたケ
ースは所定の「表面電気抵抗」を有し、優れた帯電防止
性を維持する。樹脂100重量部に対する導電フィラー
の添加量が20重量部未満では、帯電防止性に必要な
「105 〜1010Ωの表面電気抵抗」を安定的に維持す
ることができず、添加量が30重量部を越えると、表面
電気抵抗が下限値未満となってしまい、リードフレーム
とベースとの間で電気的に短絡し、IC回路が破損する
恐れがあるため好ましくない。
【0011】本発明では、導電フィラーとして、非カー
ボンブラック系の無機系導電性フィラーである通電材コ
ーティングウィスカーの一部を、寸法が大きく、且つス
ラフィング性の低い黒鉛化カーボンファイバーに替えた
ものを使用している。上記黒鉛化カーボンファイバーと
しては、炭素系ファイバーを更に1000℃近くの温度
で焼成硬化し、吸水性、スラフィング性が少なく体積固
有抵抗値も数Ωcm以下とし、これを平均繊維径1〜2
0μm、平均長さ0.1〜1.0mmに微細化(ミルド
化)したものを使用することができる。又、上記通電材
コーティングウィスカーとしては、チタン酸カリウムや
ホウ酸アルミニウムの様な平均繊維径0.1〜2μm、
平均長さ10〜50μmのウィスカーに酸化スズをコー
ティングして導電化したものや、必要ならその上に更に
酸化アンチモンや酸化インジウムやグラファイトをドー
ピングしてその体積固有抵抗を100Ωcm以下にした
もの或いはこれらの3種類のうちの2種類以上をドーピ
ングしたものを使用することができる。これらはその形
状的効果もあり、更に成形性と必要な導電性を安定且つ
良好に保つことができるものである。
【0012】一般にカーボンファイバーや無機系導電フ
ィラーは、カーボンブラック系導電材に比べて10〜2
0倍もする高価なものであり、導電性ポリマー用部材と
して用いるには極力その配合量を少なくすることがコス
ト面から必要なことである。本発明では上述の黒鉛化ミ
ルドファイバーと通電材コーティングウィスカーの1/
9〜3/7の組合せにより、その配合量が最大30重量
部、最低20重量部という低配合量にて、105 〜10
10Ωの表面電気抵抗を、ケースの耐熱性を損なうことな
く実現することができるものである。又、導電フィラー
の配合量が少量であるため、成形性特に熱可塑性樹脂に
無機充填剤を多量に添加した場合に通常極端に低下する
押出成形性も非常に良好である。尚、現状の耐熱性の評
価条件は最大200℃であるが、マトリックス樹脂の耐
熱性のみでこの様な目標値を達成することが難しい場合
は、樹脂100重量部に対して5〜20重量部を目処
に、ガラス繊維や非導電性のウィスカー状のもの等の繊
維状の無機充填剤を配合することは、押出成形性等の成
形性を損なわず、ベーキング時の寸法の狂いや反りを生
じない範囲であれば問題ない。
【0013】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を詳細
に説明する。表1には、各実施例に用いた熱可塑性樹脂
及びその荷重たわみ温度等を、表2には、各実施例に用
いた黒鉛化カーボンファイバー(以下の実施例、比較例
の記載及び表中ではカーボンファイバーと記す)並びに
通電材コーティングウィスカー(以下の実施例、比較例
の記載及び表中では導電ウィスカーと記す)の種類とそ
の比率及び熱可塑性樹脂に対する添加量等を、表3に
は、各比較例に用いた熱可塑性樹脂及びその荷重たわみ
温度等を、表4には、各比較例に用いた黒鉛化カーボン
ファイバー並びに通電ウィスカーの種類とその比率及び
熱可塑性樹脂に対する添加量等を示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】実施例1 熱可塑性樹脂としてテイジン・アモコ社製のポリスルフ
ォン樹脂、「ユーデルP1700」を用い、この樹脂1
00重量部に、呉羽化学社製の黒鉛系ミルドカーボンフ
ァイバー、「クレカKGF−200」を5重量部、三井
金属鉱業社製の酸化スズをコーティングしたホウ酸アル
ミニウムウィスカーに酸化アンチモンをドーピングした
導電性ウィスカー、「パストラン5110」を20重量
部、配合したものを株式会社KCK社製「KCK70−
22VEX(5)」型混練機にて混合後ペレット化して
押出成形用材料を準備した。尚、このポリサルフォン樹
脂の荷重たわみ温度は174℃であった。導電フィラー
の総添加量は25重量部でありカーボンファイバーと導
電ウィスカーの配合比は2:8であった。
【0019】次に上記樹脂成形材料を用い、池具鉄工社
製単軸押出機「FS−50」にて、バレル温度350℃
で図1の形状のケースを成形した。本実施例のケース
は、図1〜2に示す様に、略筒状(外形寸法;20mm
×500mm×15mm、厚さ;1.2mm)であり、
表面側に長手方向に沿ったスリット(幅;3〜5mm)
11と裏面側に長手方向に沿った逆溝部(幅;12〜1
5mm、長さ;500mm、深さ;5〜8mm)12と
を有する。このケースを冷却後再度160℃で2時間熱
処理した後、岩通社製「マルチメータVOAC 751
3」にて2点端子法により表面電気抵抗を測定した。
又、押出特性やセラミックパッケージへの汚染性(スラ
フィング性)も測定した。更に、上記ケースの耐熱特性
を評価するため、150℃で24時間の加熱を5回繰り
返した後ケースの長手方向の反りを隙間ゲージによって
測定した。これらの結果を表5に示す。 これらの結果
によれば、表面電気抵抗は5×106 Ωであって必要な
帯電防止性を有しており、スラフィング性も何ら問題な
く、ヒートサイクル後の反りは0.7mmであり、ヒー
トサイクル前の反り0.8mmとほぼ同一であった。
又、表面電気抵抗の変化もなかった。
【0020】
【表5】
【0021】実施例2〜4 熱可塑性樹脂として実施例2ではエーテルスルフォン樹
脂を、実施例3ではポリフェニルスルフォン樹脂を、実
施例4ではポリアリレート樹脂を使用し、カーボンファ
イバーとして実施例2では呉羽化学社製「クレカKGF
−200」を、実施例3、4では東レ社製「トレカML
D−1000」を用い、導電ウィスカーとしては実施例
2では大塚化学社製「デントールWK−300B」を、
実施例3では三井金属社製「パストラン5110」を、
実施例4では大塚化学社製「デントールBK−200」
を用い、実施例1に示した手法と配合比で押出成形用材
料を調整し、同様な方法でケースを作製し評価した(表
5)。それらの結果によれば、実施例2〜4何れも実施
例1と同様に押出特性、帯電防止性、スラフィング性、
150℃で24時間、3回のヒートサイクル後の反り特
性等、特に問題なく良好であった。
【0022】実施例5〜6及び比較例1〜2 導電フィラーとして、実施例5ではカーボンファイバー
と導電ウィスカーの比が1:9のものを20重量部、実
施例6では3:7のものを30重量部、又、比較例1で
は0.5:9.5のものを18重量部、比較例2では
4:6のものを33重量部配合し、実施例1と同様な方
法で押出成形用材料を調整し、同様な方法でケースを作
製し評価した(表5及び表6)。それらの結果によれ
ば、実施例5では表面電気抵抗が本発明の目的に合致す
る上限に近い値であり、又、実施例6では表面電気抵抗
が本発明の目的に合致する下限に近い値であったが、ケ
ースの機能は満足できるものであった。しかしながら、
比較例1では表面電気抵抗が高過ぎ、帯電防止性が不十
分であり、逆に比較例2では表面電気抵抗が低過ぎ、リ
ードフレームとベースとの間で電気的な短絡が発生し、
ケースに必要な帯電防止性を満足できなくなってしまっ
た。
【0023】
【表6】
【0024】比較例3 比較例3では、カーボンファイバーは使用せず、導電フ
ィラーとして、酸化スズをコーティングした粒状の酸化
チタンのみ100重量部を使用した他は実施例1と同様
な方法で押出成形用材料を調整し、同様な方法でケース
を作製し評価した(表6)。その結果、導電フィラーの
配合量が多すぎて押出成形により所定形状のケースを作
製することが困難であり、量産に適さないと判断された
が、表面電気抵抗については1×106 Ω程度と満足で
きる水準であった。又、ヒートサイクル反りテストの結
果にも問題はなかった。
【0025】比較例4 ガラス繊維が40重量%添加されたポリフェニレンサル
ファイド(大日本インキ社製、「FZ1140」)を用
い、カーボンファイバー及び導電ウィスカーを一切使用
せずに、実施例1と同様な方法で押出成形用材料を調整
し、同様な方法でケースを作製し評価した(表6)。そ
の結果、押出成形時の吐出量が若干減少したものの成形
は可能であり、実施例1と同様のケースを作製してその
ヒートサイクル反りテストを実施したところ、テスト後
の反りが2.2mmという大きな値となり、ケースとし
て使用できるものではなかった。
【0026】比較例5 比較例5では、実施例1の導電ウィスカーの替わりに粒
状のカーボンブラックのみを使用した他は実施例1と同
様な方法で押出成形用材料を調整し、同様な方法でケー
スを作製し評価した(表6)。その結果、粒状のカーボ
ンブラックを使用したためスラフィング性があり、又、
表面電気抵抗が低過ぎて帯電防止性が維持できず、ケー
スとして使用できるものではなかった。
【0027】以上の性能試験によれば、実施例1〜4の
様に熱可塑性樹脂の種類を変えても、帯電防止性、スラ
フィング性及びヒートサイクル反りテスト何れも問題が
なく、本発明の目的のケースとして使用出来ることが分
かる。又、実施例5の様にカーボンファイバーの比率を
低くし、導電フィラーの総量を下限値とした場合及び実
施例6の様にカーボンファイバーの比率を増やし、同時
に導電フィラーの総量を増やした場合も、実施例1〜4
とほぼ同様の性能のケースが得られることが分かる。
【0028】一方、比較例では熱可塑性樹脂としては比
較例4以外は実施例1、5、6と同様、ポリスルフォン
を使用しているが、比較例1の様にカーボンファイバー
の比率が低く、且つ導電フィラーの総量が少な過ぎる場
合は表面電気抵抗が高過ぎ、比較例2の様にカーボンフ
ァイバーの比率が高く、且つ導電フィラーの総量が多過
ぎる場合は表面電気抵抗が低過ぎ、何れも良好な帯電防
止性が維持できないことが分かる。又、比較例3の様に
粒状の導電フィラーを大量に添加した場合は、表面電気
抵抗及びヒートサイクル反りテストの結果は問題なかっ
たものの、押出成形性が劣り、良好な形状、外観のケー
スを作製することができなかった。更に、比較例4で
は、ガラス繊維を40重量%含む熱可塑性樹脂を使用し
たが、吐出量が若干少なくて成形効率が低く、又、ヒー
トサイクル反りテストの結果、テスト後の反りが非常に
大きくなっており、無機充填剤を多量に含有する熱可塑
性樹脂は使用できないことが分かった。又、比較例5で
は導電ウィスカーの替わりに粒状のカーボンブラックを
使用しているが、表面電気抵抗が低過ぎ、良好な帯電防
止性が維持できず、それに加えスラフィング性も不良で
あり、使用時ケースが汚染された。
【0029】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明の集積回路用ケースは、ICの封
止処理後150℃以上の高温で、長時間、しかも繰り返
しベーキングが実施される様な工程に用いられ、優れた
耐久性及び帯電防止性を有し、且つ繰り返しベーキング
によるケースの寸法の狂い或いは反り等を生ずることが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の集積回路用ケース本体の一部斜視図
である。
【図2】実施例1の集積回路用ケース本体に集積回路
(IC)を収納した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1;ケース本体、2;集積回路、11;表面側の長手方
向に沿ったスリット、12;裏面側の長手方向に沿った
逆溝部、21;リードフレーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/00 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JISK 7202A試験法に基づく荷
    重たわみ温度が150℃以上の熱可塑性樹脂100重量
    部に対し、黒鉛化カーボンファイバーと通電材コーティ
    ングウィスカーの重量比が1/9〜3/7の混合物20
    〜30重量部を添加してなる樹脂成形材料からなり、且
    つ表面電気抵抗が105 〜1010Ωであることを特徴と
    する集積回路用ケース。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂がポリスルホン樹脂、
    ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニルスルホン樹脂
    若しくはポリアリレート樹脂である請求項1記載の集積
    回路用ケース。
  3. 【請求項3】 前記黒鉛化カーボンファイバーの平均繊
    維径が1〜20μm、平均長さが0.1〜1.0mmで
    あり、体積固有抵抗が1Ωcm以下である請求項1又は
    2記載の集積回路用ケース。
  4. 【請求項4】 前記通電材コーティングウィスカーは、
    平均繊維径0.1〜2μm、平均長さ10〜50μmの
    チタン酸カリウム又はホウ酸アルミニウムからなる基体
    ウィスカーと、該基体ウィスカーの表面に、酸化アンチ
    モン、酸化インジウム若しくはグラファイトをドーピン
    グして形成される酸化スズ被膜とからなり、体積固有抵
    抗が100Ωcm以下のものである請求項1乃至3記載
    の集積回路用ケース。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109648703A (zh) * 2018-12-26 2019-04-19 重庆中航新型材料科技有限公司 膨胀聚苯板线条砂浆涂抹用模具的制作方法
CN111746910A (zh) * 2020-07-21 2020-10-09 龙岩市云惠企科技有限公司 一种包装微小型集成电路的包装管结构

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