JPH0632884Y2 - 電動式移動棚装置に於ける前面パネル装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、電動式移動棚装置に於ける開閉容易な点検パ
ネルを有する前面パネル装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、横方向に移動可能な電動式棚装置では、それを操
作するための操作ボタン及びその制御装置を操作性及び
保守の容易性の観点から棚装置の前面に設け、そして安
全性及び外観性を良くするために制御装置は前面パネル
の一部を分割した点検パネルで外覆するようになし、該
点検パネルを両側の支柱にビス止めしていたが、制御装
置を点検する毎にそのビスを外さなければならず、点検
パネル作業に手間がかかるばかりでなく、度重なる着脱
によってネジ山が潰れるといった恐れがあり、そのため
簡単に点検パネルを開閉できる前面パネル装置の出現が
望まれていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案が前述の状況に鑑み、解決しようとするところ
は、制御装置を取付けた移動棚装置の前面の点検パネル
を容易に開閉でき、しかも安全性の観点から前面から外
すことができず、また外観性に優れるとともに、簡単な
構造となすことのできる電動式移動棚装置に於ける前面
パネル装置を提供する点にある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前述の課題解決の為に、前面に設けた制御装
置を前面パネルで外覆し、奥行方向に側方から書籍等を
出し入れする収納棚を有し、横方向に移動可能となした
電動式移動棚装置に於いて、前面両側及びその中間に支
柱を立設し、両側支柱間の幅と略一致する幅を有する基
板の上下縁を前方に折曲して上下間隔板を形成し且つ該
上下間隔壁板の中央部には切欠開口を形成するととも
に、両側上下部を前方に切起して水平な支持片を上下に
対向形成し且つ該支持片には取付孔を形成し、そして該
基板前面に制御装置を取付け得るシャーシを、前記支柱
の前面上下中間部に固定し、また中間支柱の前面には断
面略コ字形の配線ダクトをその開口溝を前方に臨ませ、
一端を前記切欠開口に位置させて固定し、上下パネルを
上下に所定間隔を隔てて支柱に取付けて前記上下隔壁板
をそれぞれ外覆し、該上下パネル間には裏面両側上下に
貫通孔を形成した取付片を水平に折曲形成し且つ前面に
操作ボタンを設けた点検パネルを該貫通孔と前記シャー
シの取付孔を一致させた状態で上端に係止部を有するヒ
ンジピンを両側の各孔にそれぞれ上方から落し込んで取
付けてなる電動式移動棚装置に於ける前面パネル装置を
構成した。

〔作用〕

以上の如き内容からなる本考案の電動式移動棚装置に於
ける前面パネル装置は、支柱前面に固定したシャーシに
取付けた制御装置への配線及び制御装置から駆動モータ
への配線を中間の支柱前面に固定した断面略コ字形の配
線ダクトの開口溝内に通すとともに、シャーシの上下隔
壁板の中央部に形成した切欠開口に通すようになしたも
のであり、また上下パネル及び点検パネルに分割した前
面パネルのうち点検パネルは、その裏面両側上下に折曲
形成した水平な取付片の貫通孔とシャーシの両側上下部
を前方に切起して上下に水平に対向形成した支持片の取
付孔を一致させて、両側の各孔に上方から上端に係止部
を有するヒンジピンをそれぞれ落し込んで取付け、点検
する際には何れか一側のヒンジピンを抜き去ることによ
り、他側のヒンジピンを支軸として点検パネルを回動開
閉するものである。

〔実施例〕

次に添付図面に示した実施例に基づき更に本考案の詳細
を説明する。

第１図は本考案の代表的実施例を示し、第２図及び第３
図は本考案を適用した電動式移動棚装置を示し、図中Ａ
は棚装置本体、Ｂはシャーシ、Ｃは前面パネルをそれぞ
れ示している。

棚装置本体Ａは、奥行方向に長尺のベース枠体１に支柱
２を複数本立起状態に両側に並設し、奥行方向には単位
収納棚３を複数枚取付け得るように所定間隔毎に立設
し、また横方向には前記単位収納棚３を二枚並設できる
ように両側支柱２，２の中間にも中支柱４を立設し、そ
して前記支柱２及び中支柱４の前後面には上下方向に所
定間隔を隔てて多数の係止孔５，…が形成されており、
前記単位収納棚３も図示しない受け部材を該係止孔５に
嵌合係止することによって支持するようになし、また前
記支柱２及び中支柱４の上端には天板６が固定されてい
る。

シャーシＢは、前記前面の両側支柱２，２の幅となゃく
一致する幅を有する基板７の上下縁を前方に直角に折曲
して上下隔壁板８，９を形成し、該上下隔壁板８，９の
中央部、即ち前記基板７を前記支柱２，２及び中支柱４
に取付た際に該中支柱４と対応する位置に切欠開口10を
形成し、また基板７の両側上下部を前方に切起して水平
な支持片11，11をそれぞれの側に対向形成し、そして各
支持片11には取付孔12を形成し、最前の前記支柱２，２
及び中支柱４の前面にビス13にて締着し得るようになし
ている。尚、該シャーシＢの内部、即ち基板７と上下隔
壁板８，９で囲まれた空間内で該基板７の前面中央部に
は、制御装置Ｄを取付けるようになしている。

前面パネルＣは、点検パネル14と上下パネル15，16から
なり、前記棚装置本体Ａの前面を外覆し得るようになし
ている。前記点検パネル14は、前板17の両側縁を裏面側
へ直角に折曲して側板18を形成し、該両側板18，18の上
下縁を内方、即ち対向方向へ水平に折曲し、又は前板17
の上下縁を裏面側へ水平に折曲して形成した取付片19の
両側端近傍に貫通孔20をそれぞれ形成している。ここ
で、前記上下一対の取付片19，19の間隔は、前記シャー
シＢの上下一対の支持片11，11間に挿入し得るように寸
法設定している。尚、図示した点検パネル14の前板17に
は、前記制御装置Ｄに接続した操作ボタン21，…を取付
けてある。

しかして、前記棚装置本体Ａの最前に位置する両側支柱
２，２及び中支柱４の所定高さ位置に、前記シャーシＢ
をその基板７に挿通したビス13，…により固定し、そし
て該シャーシＢの上方及び下方の中支柱４の前面には断
面略コ字形の配線ダクト22をその開口溝23を前方に臨ま
せ、一端をそれぞれ前記シャーシＢの切欠開口10に位置
させてビス止め等により固定し、それから上下パネル1
5，16をそれぞれ上下隔壁板８，９を外覆した状態で、
しかも間に前記点検パネル14を収容し得る間隙を残して
両側支柱２，２に取付け、そして点検パネル14の両側の
取付片19，19をシャーシＢの支持片11，11間に位置させ
且つ該支持片11の取付孔12と取付片19の貫通孔20を一致
させた状態で、上端にＥリング等の係止部24を嵌着した
ヒンジピン25又は頭部を拡径させたヒンジピン25を対応
する側の上下の各孔12，20に上方から落し込んで一連に
挿通してて、当該点検パネル14をシャーシＢに取付ける
のである。尚、該点検パネル14をシャーシＢに取付けた
状態では、シャーシＢの基板７に取付けた制御装置Ｄ
は、シャーシＢの基板７と上下隔壁板８，９及び点検パ
ネル14の前板17と側板18で囲まれており、外部から直視
できないようになしている。

本考案を適用する電動式移動棚装置Ｓは、第２図に示す
如く複数個横方向に配設し、第３図及び第４図に示す如
く床に埋設し横方向に延びた複数条のレール26，…に沿
って、前記ベース枠体１に回動可能に軸着され、図示し
ない駆動モータに連結された車輪27で移動できるように
なしたものである。そして、前記レール26の長さは移動
棚装置Ｓ，…の幅の総和長より隣接する該移動棚装置
Ｓ，Ｓ間に少なくとも人が出入りし得る幅分だけ長く設
定し、前記操作ボタン21を操作して目的の書籍等が収納
された移動棚装置Ｓの左右何れかの側に対応する隙間
を、その隙間に隣接する何れか一方の移動棚装置Ｓを側
方へ移動させて、出入りし得る空間を形成するのであ
る。尚、図中28は移動棚装置Ｓの天板６に取付けた照明
器具、29は壁面等の非可動部に取付けた照明器具をそれ
ぞれ示している。

ここで、前記上下パネル15，16は、公知の方法で支柱
２，２に取付けるのであるが、例えば第５図及び第６図
に示す如く上下パネル15，16は両側を裏面側へ直角に折
曲し、その後縁を内方へ直角に折曲し、更にその内縁を
前方へ直角に折曲して取付板30を形成し、該取付板30の
上下に少なくとも二ヶ所の螺孔31を形成した構造とな
し、断面Ｌ字形の止め部材32の一方の板片には通孔33を
形成し、他方の板片の上下端には前記支柱２の上下に隣
接する係止孔５，５に嵌合係止する爪片34，34を段折形
成し、該止め部材32の爪片34，34を係止孔５，５に嵌合
係止した状態で内方から前記通孔33に挿通したビス35を
前記取付板30の螺孔31に螺着して取付けるようになして
いる。

そして、前記点検パネル14を開いて制御装置Ｄを点検す
るには、第７図に示す如く両側の一方のヒンジピン25を
前記シャーシＢの支持片11の取付孔12及び点検パネル14
の取付片19の貫通孔20から抜き去り、他側のヒンジピン
25を支軸として点検パネル14を手前側に回動開放して行
うのである。また、両側のヒンジピン25，25を共に抜き
去ることにより完全に点検パネル14を取外すことも可能
である。

また、前記上パネル15の下面両側及び下パネル16の上面
両側に折曲片36を形成し、該折曲片36に通孔37を形成す
れば、前記ヒンジピン25をシャーシＢの取付孔12及び点
検パネル14の貫通孔20に挿通する際に、同時に上方から
該通孔37にも挿通することにより、前記上下パネル15，
16をガタつきやズレをなくして取付けることができる。

〔考案の効果〕

本考案の電動式移動棚装置に於ける前面パネル装置によ
れば、シャーシの基板両側上下部に支持片を切起し形成
し且つ該支持片に取付孔を形成し、また点検パネルの裏
面両側上下に貫通孔を形成した取付片を折曲形成したの
で、それぞれの対応する取付孔と貫通孔を一致させて、
上方から上端に係止部を有するヒンジピンを落し込むだ
けで、該点検パネルをシャーシに容易に取付けることが
でき、しかも該点検パネルを開放してシャーシに取付け
た制御装置を点検する際には、一側の前記ヒンジピンを
上方へ抜き去るだけで、他側のヒンジピンを支軸となし
て該点検パネルを回動開放することができ、また点検終
了後に再度点検パネルを閉止するには、回動させて抜き
去ったヒンジピンを落と込むだけで極めて容易に行うこ
とができ、点検作業の能率を向上させることができると
ともに、点検パネルの取付けにはビスを用いてないの
で、度重なる点検にもビスのネジ山が潰れたりするおそ
れが全くなく、経年変化のない構造が簡単で安価なもの
となすことができる。また、支柱前面に固定したシャー
シに取付けた制御装置への配線及び制御装置から駆動モ
ータへの配線を中間の支柱前面に固定した断面略コ字形
の配線ダクトの開口溝内に通すとともに、シャーシの上
下隔壁板の中央部に形成した切欠開口に通すようになし
たので、配線が外部に露出することがなく、不意に該配
線に触れて配設の接続部が接触不良を起こしたり、又は
切断したりするおそれが全くなく、しかもシャーシに固
定される制御装置は、該シャーシの基板及び上下隔壁板
と点検パネルにより完全に外覆されているので、外観性
にも優れたものとなすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の代表的実施例を示す要部の分解斜視
図、第２図は本考案を適用した電動式移動棚装置の正面
図、第３図は同じく側面図、第４図は電動式移動棚装置
の下部を一部切欠して示した省略正面図、第５図は上下
パネルを支柱に取付けるための構造を示した部分分解斜
視図、第６図は同じく上下パネルを支柱に取付けた状態
を示す部分横断面図、第７図は点検パネルを開放した状
態を示した説明用部分斜視図である。 Ａ：棚装置本体、Ｂ：シャーシ、Ｃ：前面パネル、Ｄ：
制御装置、Ｓ：電動式移動棚装置、 １：ベース枠体、２：支柱、３：単位収納棚、４：中支
柱、５：係止孔、６：天板、７：基板、８：上隔壁板、
９：下隔壁板、10：切欠開口、11：支持片、12：取付
孔、13：ビス、14：点検パネル、15：上パネル、16：下
パネル、17：前板、18：側板、19：取付片、20：貫通
孔、21：操作ボタン、22：配線ダクト、23：開口溝、2
4：係止部、25：ヒンジピン、26：レール、27：車輪、2
8：照明器具、29：照明器具、30：取付板、31：螺孔、3
2：止め部材、33：通孔、34：爪片、35：ビス、36：折
曲片、37：通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面に設けた制御装置を前面パネルで外覆
   し、奥行方向に側方から書籍等を出し入れする収納棚を
   有し、横方向に移動可能となした電動式移動棚装置に於
   いて、 前面両側及びその中間に支柱を立設し、両側支柱間の幅
   と略一致する幅を有する基板の上下縁を前方に折曲して
   上下隔壁板を形成し且つ該上下隔壁板の中央部には切欠
   開口を形成するとともに、両側上下部を前方に切起して
   水平な支持片を上下に対向形成し且つ該支持片には取付
   孔を形成し、そして該基板前面に制御装置を取付け得る
   シャーシを、前記支柱の前面上下中間部に固定し、また
   中間支柱の前面には断面略コ字形の配線ダクトをその開
   口溝を前方に臨ませ、一端を前記切欠開口に位置させて
   固定し、上下パネルを上下に所定間隔を隔てて支柱に取
   付けて前記上下隔壁板をそれぞれ外覆し、該上下パネル
   間には裏面両側上下に貫通孔を形成した取付片を水平に
   折曲形成し且つ前面に操作ボタンを設けた点検パネルを
   該貫通孔と前記シャーシの取付孔を一致させた状態で上
   端に係止部を有するヒンジピンを両側の各孔にそれぞれ
   上方から落し込んで取付けてなることを特徴とする電動
   式移動棚装置に於ける前面パネル装置。