JPH06328446A - 樹脂部品のリサイクル方法及び装置 - Google Patents

樹脂部品のリサイクル方法及び装置

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JPH06328446A
JPH06328446A JP12012393A JP12012393A JPH06328446A JP H06328446 A JPH06328446 A JP H06328446A JP 12012393 A JP12012393 A JP 12012393A JP 12012393 A JP12012393 A JP 12012393A JP H06328446 A JPH06328446 A JP H06328446A
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洋 山本
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  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗膜またはメッキ層の除去効率、環境安全性
及び処理能力に優れた高品質のリサイクル樹脂部品を得
る樹脂部品のリサイクル方法及び装置を提供すること。 【構成】 塗装処理された樹脂部品を粉砕した粗粉砕材
に混入する粗塗膜片を粗分離工程2sで分離除去して得
た粗分離材を押出工程3sで押出してストランド状また
はフィルム状の押出材製造し、この押出材を圧延延伸工
程4sで圧延及び延伸して塗膜片を粉砕及びベースレジ
ンとの分離を促し、次の微粉砕工程5sによって微粉砕
して、この微粉砕材を分離工程6sでベースレジン構成
部分と塗膜片構成部分とに分離して塗膜除去効率の高い
リサイクル樹脂部品を得ることを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂部品、特に塗装ま
たはメッキ処理された樹脂部品のリサイクル方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題及び再資源利用に対する
関心の高まりから、自動車産業分野において廃車リサイ
クルが注目されている。一般の自動車では、その重量の
約75%は鉄屑、非鉄金属として解体され再利用され、
残りの約25%が産業廃棄物として処理され、この廃棄
物には繊維、ゴムなどと一緒に樹脂部品が重量比で約3
0%含まれている。
【0003】樹脂部品、例えばバンパの表皮は、一般に
その断面を図9に示すように、材料的には、ポリプロピ
レン系樹脂等の熱可塑性樹脂の基材w3上に塗膜w4が
形成されている。この塗膜w4の樹脂の種類は、熱硬化
性樹脂、例えばアミノポリエステル系、アミノアクリル
系、ポリエステルウレタン系、アクリルウレタン系樹脂
であり、硬化反応前のこれら樹脂は液体状であるが、焼
き付け塗装工程により架橋構造が付与される。これは強
固で緻密な構造のため塗装が施された樹脂バンパは優れ
た耐薬品性、耐熱性、耐擦り傷性、耐候性及び表面光沢
性を有する。
【0004】しかし、このバンパを粉砕し、ペレット化
して材料を得ると、ポリプロピレン材料に塗膜片が混入
し、この塗膜片が混入したポリプロピレン材料を用いた
成形加工では、塗膜片が溶融樹脂の流動性を阻害し、成
形体に“焼け”、“ウェルドマーク”、“気泡”等の成
形不良を発生させる原因となる。また成形体の表面に浮
き出た塗膜片は製品の外観性を損う等の不具合がある。
【0005】また、塗膜片とベースレンジとなるポリプ
ロピレン樹脂間にはほとんど相互作用がないため、塗膜
片はむしろ“異物”となり成形体の機械特性を低下させ
る。例えば塗膜片の混入したリサイクルポリプロピレン
材の衝撃強度はバージンポリプロピレンの約80%程度
である。
【0006】このことから塗装処理された樹脂部品をリ
サイクルする場合には塗膜除去が必要になる。
【0007】塗膜除去方法としては、社団法人自動車技
術会編集・発行の自動車技術Vol.46.No5,1
992.第3〜9ページに開示されるように機械的、物
理的及び化学的方法に分類される。
【0008】機械的塗膜除去方法は、例えば圧搾空気を
使用して研掃材を塗膜に吹き付けて塗膜を除去するショ
ットブラスト法や塗装樹脂部品を粗粉砕し、更に微粉砕
した後、加熱溶融下でメッシュにより濾過して溶融せず
に混入している塗膜片を除去するスクリーンメッシュ法
等がある。
【0009】ショットブラスト法は、摩擦、衝撃等によ
り塗膜を除去することから毒性、環境安全性に優れる反
面、多大な処理時間を要し、塗膜除去効率も充分でな
く、特に湾曲部の処理が困難である。スクリーンメッシ
ュ法も濾過により塗膜片を除去することから毒性、環境
安全性に優れるが、処理時間が大であり、かつ塗膜除去
効率も充分できない等の不具合がある。
【0010】物理的塗膜除去方法は、ハロゲン系溶剤や
各種の有機溶剤を用い、塗膜と基材の界面への溶剤浸透
及び溶剤による塗膜の膨潤現象を利用して塗膜を除去す
るものであり、環境安全性に劣り、かつ塗膜除去効率や
処理能力が比較的低く、更に基材まで変質させる虞れが
ある。
【0011】これら機械的及び物理的塗膜除去方法は塗
膜除去効率が低いことから、これを用いた成形体は、製
品の外観性及び機械特性が低く、用途範囲が大きく制限
される。
【0012】化学的塗膜除去方法は例えば有機塩を含有
したエタノール水混合溶液で塗膜樹脂の架橋点近傍のエ
ーテル結合を切断することによって塗膜を化学的に分解
除去する有機塩法がある。
【0013】この方法は、排水処理等の2次処理上の問
題があり、かつ処理効率が低く、効率的でない等の不具
合がある。またメッキを施した樹脂製品であっても、そ
のメッキ層の除去にも、その効率、処理能力および高品
質のリサイクル樹脂部品を得るには困難を有する等の不
具合がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、塗膜またはメッキ層の除去効率、環境安全性及び処
理能力に優れた高品質のリサイクル樹脂部品を得ること
を可能にする樹脂部品のリサイクル方法及び装置を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による樹脂部品のリサイクル方法は、塗装またはメッ
キ処理された樹脂部品を粉砕して粗粉砕材を得る粗粉砕
工程と、粗粉砕材を加熱してベースレジンが溶融した状
態で粗塗膜片または粗メッキ片を分離及び除去して溶融
材を得る粗分離工程と、上記溶融材を押出機により押し
出してベースレジンに塗膜片またはメッキ片が混入した
ストランド状乃至フィルム状の押出材を得る押出工程
と、この押出材を圧延及び延伸してフィルム状の圧延材
を得る圧延延伸工程と、この圧延材を粉砕して微粉砕材
を得る微粉砕工程と、この微粉砕材をベースレジン構成
部分と塗膜片またはメッキ片構成部分とに分別する分離
工程とを有するものであり、また塗装またはメッキ処理
された樹脂部品を粉砕して粗粉砕材を得る粗粉砕工程
と、粗粉砕材を加熱してベースレジンが溶融した状態で
粗塗膜片または粗メッキ片を分離及び排除して粗分離材
を得る粗分離工程と、上記溶融材をインフレーション法
によりベースレジンに塗膜片またはメッキ片が混入した
チューブ状のブロー材を得るブロー工程と、このブロー
材を圧延及び延伸してフィルム状の圧延材を得る圧延延
伸工程と、この圧延材を粉砕して微粉砕材を得る微粉砕
工程と、この微粉砕材をベースレジン構成部分と塗膜片
またはメッキ片構成部分とに分別する分離工程とを有す
るものである。一方本発明による樹脂部品のリサイクル
装置は、塗装処理された樹脂部品を粉砕して粗粉砕材を
得る粗粉砕装置と、粗粉砕材を加熱してベースレジンが
溶融した状態で粗塗膜片または粗メッキ片を分離及び排
除して粗分離材を得る粗分離装置と、上記粗分離材を加
熱及び押し出してベースレジンに塗膜片またはメッキ片
が混入したストランド状乃至フィルム状の押出材を得る
押出装置と、この押出材を圧延及び延伸してフィルム状
の圧延材を得る圧延延伸装置と、この圧延材を粉砕して
微粉砕材を得る微粉砕装置と、この微粉砕材をベースレ
ジン構成部分と塗膜片またはメッキ片構成部分とに分別
する分離装置とを有するものであり、また塗装処理され
た樹脂部品を粉砕して粗粉砕材を得る粗粉砕装置と、粗
粉砕材を加熱してベースレジンが溶融した状態で粗塗膜
片または粗メッキ片を分離及び排除して粗分離材を得る
粗分離装置と、上記粗分離材をインフレーション法によ
りベースレジンに塗膜片またはメッキ片が混入したチュ
ーブ状のブロー材を得るブロー装置と、このブロー材を
圧延及び延伸してフィルム状の圧延材を得る圧延延伸工
程と、この圧延材を粉砕して微粉砕材を得る微粉砕装置
と、この微粉砕材をベースレジン構成部分と塗膜片また
はメッキ片構成部分とに分別する分離工程とを有するも
のである。
【0016】
【実施例】以下本発明における樹脂部品のリサイクル方
法及び装置を、自動車樹脂部品の中でも大物部品である
塗装が施された樹脂バンパを回収し、リサイクルする場
合を例に説明する。
【0017】図1は本実施例における樹脂部品のリサイ
クル方法及び装置の概要説明図であり、図2は各工程を
示すフローチャートである。
【0018】図中wは廃車などから取り外して回収し、
金属部分を取り除いた塗装樹脂バンパであり、ポリプロ
ピレン系樹脂等の熱可塑性の基材上に、アミノポリエス
テル系、アミノアクリル系、ポリエステルウレタン系、
アクリルウレタン系樹脂等の熱硬化性樹脂により塗膜が
形成されている。
【0019】図中符号1は、上記塗装樹脂バンパwを粉
砕して、粗粉砕材waを得るスクリーン4mm程度のカ
ッタミル等の粗粉砕装置である。
【0020】粗粉砕装置1で製造された粗粉砕材wa
は、粗分離装置2へ供給される。粗分離装置2は、例え
ば図に示すように、回転駆動装置2aによって回転駆動
されるコマ状の容器2b及び加熱装置2cを有し、容器
2b内に投入された粗粉砕材waの熱可塑性樹脂からな
る基材、即ちベースレジンを加熱装置2cにより加熱溶
融し、かつ容器2bを回転駆動してベースレジンと熱硬
化性樹脂からなる塗膜片とを、その比重の差を利用して
比較的大なる塗膜片を遠心分離する遠心分離機や、粗粉
砕材waを加熱溶融し、メッシュによって濾過してベー
スレジン中に溶融せずに混入している熱硬化性樹脂の塗
膜片を分離するスクリーンメッシュ法による分離装置等
である。
【0021】粗分離装置2で得られた粗分離材は、押出
機3のホッパ3aへ供給される。押出機3は、ホッパ3
aに投入された粗分離材をスクリュ3bの回転につれて
バンドヒータ等で加熱し。バレル3c内を前進する間に
軟化混合して多孔ダイまたはTダイ等のダイ3eから押
し出してストランド状乃至フィルム状の押出材wbを製
造するように構成され、更にバレル3cの先端部には異
物を濾過し、かつダイ3eへの流れを制限してバレル3
c内の圧力を高め、混練度を向上させるとともに整流機
能を果たすフィルタメッシュ3dが配設されている。
【0022】押出機3の下流側には、押出機3によって
押し出された熱可塑性樹脂のベースレジンに粗分離装置
2で取り除かれなかった熱硬化性樹脂の塗膜片が混入し
た押出材wbを圧延及び延伸する圧延延伸装置4が設け
られている。圧延延伸装置4は上流側に設けられた一対
の上流側ローラ4aと、下流側に設けられ、前記上流側
ローラ4aの周速度より大なる周速度で回転駆動される
一対の下流側ローラ4b及びこれら上流側ローラ4aと
下流側ローラ4bとの間に配設された加熱手段4cを具
備し、上流側ローラ4aと下流側ローラ4b間で前記ス
トランド状乃至フィルム状の押出材wbをそのベースレ
ジンが可塑化される温度に加熱して延伸し、かつ圧延し
てフィルム状の圧延材wcを得るよう構成されている。
【0023】図中符号5は、圧延延伸装置4によって製
造された圧延材wcを粉砕して微粉砕材wdを得る微粉
砕装置であり、微粉砕装置5で得られた微粉砕材wdを
ピンミルや比重分離機等の分離装置6でベースレジンを
構成していた部分と塗膜を構成していた部分wfとに分
別し、塗膜構成部分を除いた微粉砕材を加熱溶融してペ
レットweを製造し、再び、バンパ等の樹脂製品を得
る。
【0024】次にこのように構成された樹脂部品のリサ
イクル装置を用いた樹脂部品のリサイクル方法を図2の
フローチャートに従って説明する。
【0025】回収され、金属部分を取り除かれた塗装樹
脂バンパwは、粗粉砕工程1sにおいて、カッタミル等
の粗粉砕装置1で粉砕され粗粉砕材waとなる。粗粉砕
材waには、図1のA−A線拡大図を図3に示すよう
に、熱可塑性樹脂からなる基材、即ちベースレジンw1
に多くの熱硬化性樹脂からなる塗膜片w2が付着してい
る。
【0026】粗粉砕工程1sで粗粉砕装置1によっで製
造された粗粉砕材waは、粗分離工程2sにおいて、粗
分離装置2、例えば図1に示す遠心分離機の容器2b内
へ投入され、かつ加熱装置2cによって熱可塑性樹脂か
らなるベースレジンを加熱溶融するするとともに容器2
bを回転駆動装置2aによって回転駆動し、ベースレジ
ンに混入する熱硬化性樹脂の塗膜片を分離して取り除い
て粗分離材を得る。
【0027】粗分離工程2sで製造された粗分離材は次
の押出工程3sにおいて、押出装置3のホッパ3aへ投
入され、ホッパ3aへ投入された粗粉砕材waは、スク
リュ3bの回転につれて加熱され、バレル3c内を前進
する間に軟化混合して流動状態になり、押出機3の先端
に設けられたダイ3eから連続的に押し出されてストラ
ンド状乃至フィルム状の押出材wbとなる。
【0028】押出材wbは図4(A)に平面図及びその
a−a線断面を同(a)に示すように、ベースレジンw
1に比較的大寸法の塗膜片w2が混在している。
【0029】押出材wbは、続く圧延延伸工程4sにお
いて、圧延延伸装置4によって圧延及び延伸される。
【0030】即ち、押出機3から押し出された押出材w
bは、圧延延伸装置4の上流側ローラ4a及び下流側ロ
ーラ4bによって各々圧延され、かつ加熱手段4cによ
ってベースレジンw1の融点以下の温度に加熱されて可
塑化され、更に、上流側ローラ4aと下流側ローラ4b
との間において、上流側ローラ4aと下流側ローラ4b
との周速度の差に従ってその流れ方向に延伸される。
【0031】上流側ローラ4aの下流位置4dにおける
押出材wbは、図4(B)に平面図及びb−b線断面図
を同(b)に示すように、ベースレジンw1が上流側ロ
ーラ4aによって圧延され、そのベースレジンw1に混
在する塗膜片w2は圧潰して粉砕される。更にベースレ
ジンw1は熱可塑性樹脂であることから加熱によって軟
化し、流動性となり、容易に延伸されるのに対し、塗膜
片w2は熱硬化性樹脂であることから延伸されることが
ない。従ってベースレジンw1の伸びに対して塗膜片w
2は追従できず、両者間に亀裂が発生乃至発生し易くな
り、分離が容易になる。
【0032】またベースレジンw1は延伸により延伸方
向に対し直角方向の強度が低下して裂け易くなる。
【0033】上流側ローラ4a及び下流側ローラ4b間
で延伸された押出材wbは、下流側ローラ4bによって
圧延され、そのベースレジンw1に混入する塗膜片w2
が、圧潰され、図4(C)に平面図を、同(c)に断面
図を示すように更に微細粉砕化されたフィルム状の延伸
材wcとなる。
【0034】微細粉砕化された塗膜片w2を含むベース
レジンw1からなるフィルム状の延伸材wcは、次の微
粉砕工程5sで微粉砕装置5で、例えば直径約20〜3
0μm程度に微粉砕される。微粉砕に際し、予め粗分離
工程2sで大なる塗膜片w2が取り除かれ、かつ前記圧
延延伸工程4sにおいて塗膜片w2が微細片化され、か
つベースレジンw1と塗膜片w2との間に亀裂が発生乃
至裂け易く、更にベースレジンw1の強度が低下して裂
け易くなっていることからベースレジンw1と塗膜片w
2との結合のない、所謂ベースレジンw1の微粉砕材と
塗膜片w2の微粉砕材とが混合した状態の微粉砕材wb
が極めて効率的に得られる。
【0035】微粉砕工程5sで得られた微粉砕材wb
は、次の分離工程6sにおいてピンミルや比重分離機等
の微分離装置6によって、バンパwの基材を構成してい
たベースレジンw1の構成部分と塗膜を構成していた塗
膜片w2の構成部分wfとに分別する。分離に際し、予
め微粉砕工程5sでベースレジンw1と塗膜片w2との
接合のない微粉砕材wbが得られることから極めて良好
に分離可能である。
【0036】塗膜片w2の構成部分wfが分離して取除
かれた微粉砕材wbは次のペレット化工程7sで塗膜片
w2をほとんど含まない高純度のペレットweが得ら
れ、次の製品化工程8sによってリサイクル製品wgが
得られる。
【0037】このリサイクル製品wgは、塗膜片w2が
充分に分離され、製造されたペレットweを原料とする
ことから、“ウェルドマーク”気泡等の成形不良や外観
性を損なうことがなく、更に機械特性に損失のない衝撃
強度に優れたバージン材料によって製造された製品に遜
色のない高品質の製品が可能である。
【0038】更に、圧延延伸工程4sで得た圧延材wc
を直ちに微粉砕工程5sで粉砕することなく、圧延材w
cをロール状に巻き取り、ロール状態で、または積層し
て材料として保管することにより粉砕材状態乃至ペレッ
ト状態で保管するのに比べ、保管容積の小容積化を可能
にすることができる。この場合粉砕状態での保管に比
べ、保管容積を1/2〜1/3に縮小することが可能で
ある。
【0039】上記実施例では、1台の圧延延伸装置4に
よって押出機3から押出された押出材wbを圧延及び延
伸してフィルム状の圧延材wcを得たが、圧延延伸装置
4を複数連設して、押出材wbに対し、圧延及び延伸を
適宜回数繰り返して圧延材wcを得るよう構成すること
も可能である。
【0040】更に、圧延延伸工程4sで得た圧延材wc
を直ちに微粉砕工程5sで粉砕することなく、圧延材w
cをロール状に巻き取り、ロール状態で、または積層し
て材料として保管することにより粉砕材状態乃至ペレッ
ト状態で保管するのに比べ、保管容積の小容積化を可能
にすることができる。この場合粉砕状態での保管に比
べ、保管容積を1/2〜1/3に縮小することが可能で
ある。
【0041】図5は、本発明における樹脂部品のリサイ
クル方法及び装置の他の実施例を示す概要説明図であ
り、図1と対応する部位に図1と同一符号を付すること
で詳細な説明は省略するが、図中符号7は、押出機3に
よってストランド状乃至フィルム状に押出された押出材
wbを圧延延伸してフィルム状の圧延材wcを得る圧延
延伸装置である。
【0042】この圧延延伸装置7は、圧延延伸工程4s
に用いられ、上流側に設けられた一対の上流側ローラ7
aと、下流側に設けられた下流側ローラ7bと、上流側
ローラ7a及び下流側ローラ7bの間に配設された冷却
手段7cを具備し、かつ下流側ローラ7bの周速度より
大なる周速度で回転駆動されるように構成されている。
【0043】この圧延延伸装置7の作用は、押出工程3
sで得られたストランド状乃至フィルム状の押出材wb
を上流側ローラ7aによって圧延して塗膜片w2を圧潰
し、かつ冷却手段7cによって塗膜片w2の脆化温度以
下に冷却して塗膜片w2を脆性破壊させる。更に上流側
ローラ7aと下流側ローラ7bとの周速度の差によって
押出材wbは延伸され、ベースレジンw1と塗膜片w2
との間に亀裂の発生乃至発生し易くなる。
【0044】このように延伸された押出材wbは、下流
側ローラ7bによって圧延され、ベースレジンw1に混
入する塗膜片w2が微細に圧潰されてフィルム状の延伸
材wcとなる。
【0045】この延伸材wcは、次の微粉砕工程4sで
の微粉砕装置5による微粉砕に際し、予め前記圧延延伸
工程3sにおいて塗膜片w2が脆性破壊され、かつベー
スレジンw1と塗膜片w2の接合部に亀裂が発生乃至裂
け易くなり、更にベースレジンw1が裂け易くなること
に起因し、ベースレジンw1に塗膜片w2が付着するこ
とのない微粉砕材wdが極めて効率的に得られ、微分離
工程6sにおける分別が良好になり、前記実施例同様高
品質のリサイクル製品wgの製造が可能になる。
【0046】この実施例も、前記実施例同様、圧延延伸
装置7を複数列設して押出材wbに圧延及び延伸を適宜
数回繰返し施して圧延材wcを得るように構成すること
も可能である。
【0047】図6は、本発明における樹脂部品のリサイ
クル方法及び装置の更に他の実施例を示す外用説明図で
あり、図7はそのフローチャートである。
【0048】図1及び図2と対応する部位に図1及び図
2と同一符号を付する詳細な説明は省略するが、図中8
は、粗分離工程2sに続くブロー工程8sで用いられ、
粗分離装置2で製造された粗分離材を材料としてインフ
レーション法によってチューブ状のブロー材whを製造
するブロー装置である。
【0049】このブロー装置8は、ホッパ8aに投入さ
れた粗粉砕材をスクリュ8bの回転によってバレル8c
内を前進させ、かつハンドヒータ等で加熱し、バレル8
c内を前進する間に軟化混合してクロスヘッドダイ等の
インフレーション用ダイ8dから薄肉チューブを押し出
し、かつ上対をピンチロール8eで挟み、その中に気体
例えば空気を送り込むことにより所定量を風船状に膨ら
ませて延伸しつつピンチロール8eの回転により連続的
にチューブ状のブロー材whを製造するよう構成されて
いる。
【0050】ブロー工程9sで予め薄く延伸されたブロ
ー材whは、次の圧延延伸工程3sにおいて前記実施例
同様圧延されるようになっている。
【0051】また図8は、本発明における樹脂部品のリ
サイクル方法及び装置の更に他の実施例を示し、図5と
対応する部位に同一符号を付することで詳細な説明は省
略するが、図5に示される実施例の押出工程3s及び押
出工程3sに用いられる押出装置3に代えて、前記実施
例同様、ブロー工程9s及びブロー装置8を配設するこ
とも可能である。
【0052】以上説明では、圧延延伸工程4sにおい
て、押出材wbまたはブロー材whを延伸する際、加熱
乃至冷却したが、これら加熱乃至冷却を省略することに
より装置及び制御の簡素化を図ることも可能である。
【0053】また塗装樹脂バンパを回収してリサイクル
する場合を例に記載したが、これに限定されることな
く、他の熱可塑性樹脂に熱硬化性樹脂を塗装した樹脂製
品、または熱可塑性樹脂にメッキ処理を施した樹脂製品
等であっても同様の方法乃至装置によってリサイクル可
能にするものである。
【0054】具体的に説明すると、メッキ処理された樹
脂部品を粗粉砕工程において粗分離装置によって粗粉砕
して粗粉砕材を製造し、この粗粉砕材を粗分離工程2s
で粗分離装置2により粗メッキ片を分離し、取り除いて
得た粗分離材を次の押出工程2sで押出機3によって加
熱及び押し出してベースレジンにメッキ片が混入したス
トランド状乃至フィルム状の押出材またはブロー工程9
sでブロー装置8でブロー材わ得る。次にこの押出材ま
たはブロー材を圧延延伸工程4sで圧延延伸装置4また
は7によりフィルム状に圧延及び延伸せしめ、この圧延
材を微粉砕工程4sで微粉砕装置4により微粉砕材を得
る。この微粉砕材を分離工程6sにおいて分離装置6に
よりメッキ構成部分を取り除き、ペレット化工程7sで
ペレット化、及び製品工程8sによってリサイクル製品
を得ることができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明した樹脂部品のリサイクル方法
及び装置によれば、塗装またはメッキが施された樹脂部
品を粗粉砕し、この粗粉砕材をから予め粗塗膜片を分離
除去した粗分離材を押出機によりストランド状乃至フィ
ルム状に押し出したこの押出材またはブロー装置により
フィルム状にしたブロー材を圧延及び延伸して塗膜片ま
たはメッキ片を圧潰して微細化及びベースレジンと塗膜
片またはメッキ片との裂離を促すことにより、次の微粉
砕が容易になり、かつベースレジンと塗膜片またはメッ
キ片との接合がない微粉砕材が得られ、塗膜またはメッ
キ層の除去効率の極めて高い高品質のリサイクル樹脂部
品を得ることが可能になり、更に従来の各塗膜またはメ
ッキ層除去方法に比べ、溶剤等を用いる必要がないこと
から毒性、環境安全性に優れ、かつ処理能力に優れる等
本発明特有の効果を有し、広分野の樹脂部品のリサイク
ルに貢献すること大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における樹脂部品のリサイクル方法及び
装置の一実施例を示す概要説明図である。
【図2】同じく、各工程を示すフローチャートである。
【図3】同じく、樹脂部品を粉砕した粗粉砕材の断面を
示す説明図である。
【図4】同じく、圧延延伸工程におけるベースレジンに
混入する塗膜片の状態を示す説明図である。
【図5】本発明における樹脂部品のリサイクル方法及び
装置の他の実施例を示す概要説明図である。
【図6】本発明における樹脂部品のリサイクル方法及び
装置の更に他の実施例を示す概略説明図である。
【図7】同じく、各工程を示すフローチャートである。
【図8】本発明における樹脂部品のリサイクル方法及び
装置の更に他の実施例を示す概略説明図である。
【図9】塗装を施した樹脂バンパの断面図である。
【符号の説明】
1 粗粉砕装置 2 粗分離装置 3 押出機 4 圧延延伸装置 5 微粉砕装置 6 分離装置 7 圧延延伸装置 8 ブロー装置 1s 粗粉砕工程 2s 粗分離工程 3s 押出工程 4s 圧延延伸工程 5s 微粉砕工程 6s 分離工程 9s ブロー工程 w 塗装が施された樹脂部品(バンパ) wa 粗粉砕材 wb 押出機 wc 圧延材 wd 微粉砕材 we ペレット wg リサイクル製品(バンパ) wh ブロー材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗装またはメッキ処理された樹脂部品を
    粉砕して粗粉砕材を得る粗粉砕工程と、粗粉砕材を加熱
    してベースレジンが溶融した状態で粗塗膜片または粗メ
    ッキ片を分離及び除去して溶融材を得る粗分離工程と、
    上記溶融材を押出機により押し出してベースレジンに塗
    膜片またはメッキ片が混入したストランド状乃至フィル
    ム状の押出材を得る押出工程と、この押出材を圧延及び
    延伸してフィルム状の圧延材を得る圧延延伸工程と、こ
    の圧延材を粉砕して微粉砕材を得る微粉砕工程と、この
    微粉砕材をベースレジン構成部分と塗膜片またはメッキ
    片構成部分とに分別する分離工程とを有することを特徴
    とする樹脂部品のリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 塗装またはメッキ処理された樹脂部品を
    粉砕して粗粉砕材を得る粗粉砕工程と、粗粉砕材を加熱
    してベースレジンが溶融した状態で粗塗膜片または粗メ
    ッキ片を分離及び排除して粗分離材を得る粗分離工程
    と、上記溶融材をインフレーション法によりベースレジ
    ンに塗膜片またはメッキ片が混入したチューブ状のブロ
    ー材を得るブロー工程と、このブロー材を圧延及び延伸
    してフィルム状の圧延材を得る圧延延伸工程と、この圧
    延材を粉砕して微粉砕材を得る微粉砕工程と、この微粉
    砕材をベースレジン構成部分と塗膜片またはメッキ片構
    成部分とに分別する分離工程とを有することを特徴とす
    る樹脂部品のリサイクル方法。
  3. 【請求項3】 圧延延伸工程において押出材を加熱して
    ベースレジンを可塑化する請求項1または2の樹脂部品
    のリサイクル方法。
  4. 【請求項4】 圧延延伸工程において押出材を塗膜片の
    脆化温度以下に冷却する請求項1または2の樹脂部品の
    リサイクル方法。
  5. 【請求項5】 塗装処理された樹脂部品を粉砕して粗粉
    砕材を得る粗粉砕装置と、粗粉砕材を加熱してベースレ
    ジンが溶融した状態で粗塗膜片または粗メッキ片を分離
    及び排除して粗分離材を得る粗分離装置と、上記粗分離
    材を加熱及び押し出してベースレジンに塗膜片またはメ
    ッキ片が混入したストランド状乃至フィルム状の押出材
    を得る押出装置と、この押出材を圧延及び延伸してフィ
    ルム状の圧延材を得る圧延延伸装置と、この圧延材を粉
    砕して微粉砕材を得る微粉砕装置と、この微粉砕材をベ
    ースレジン構成部分と塗膜片またはメッキ片構成部分と
    に分別する分離装置とを有することを特徴とする樹脂部
    品のリサイクル装置。
  6. 【請求項6】 塗装処理された樹脂部品を粉砕して粗粉
    砕材を得る粗粉砕装置と、粗粉砕材を加熱してベースレ
    ジンが溶融した状態で粗塗膜片または粗メッキ片を分離
    及び排除して粗分離材を得る粗分離装置と、上記粗分離
    材をインフレーション法によりベースレジンに塗膜片ま
    たはメッキ片が混入したチューブ状のブロー材を得るブ
    ロー装置と、このブロー材を圧延及び延伸してフィルム
    状の圧延材を得る圧延延伸工程と、この圧延材を粉砕し
    て微粉砕材を得る微粉砕装置と、この微粉砕材をベース
    レジン構成部分と塗膜片またはメッキ片構成部分とに分
    別する分離工程とを有することを特徴とする樹脂部品の
    リサイクル方法。
  7. 【請求項7】 圧延延伸装置が、押出材を加熱してベー
    スレジンを可塑化する加熱手段を具備する請求項5また
    は6の樹脂部品のリサイクル方法。
  8. 【請求項8】 圧延延伸装置が、押出材を塗膜片の脆化
    温度以下に冷却する冷却手段を具備する請求項5または
    6の樹脂部品のリサイクル方法。
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