JPH06328354A - ダイヤモンド研磨皿およびその製造方法 - Google Patents

ダイヤモンド研磨皿およびその製造方法

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JPH06328354A
JPH06328354A JP5118246A JP11824693A JPH06328354A JP H06328354 A JPH06328354 A JP H06328354A JP 5118246 A JP5118246 A JP 5118246A JP 11824693 A JP11824693 A JP 11824693A JP H06328354 A JPH06328354 A JP H06328354A
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diamond
sample
polishing
polishing surface
light
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JP5118246A
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Keiji Hirabayashi
敬二 平林
Toshiaki Yoshikawa
俊明 吉川
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Canon Inc
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 球面形状の研磨面を有する研磨皿の研磨面
に、研磨面の主軸を軸とする回転および/または研磨面
の中心を通り研磨面の主軸に直交する直線を軸とする回
転を加えて、研磨面内の任意の箇所に光を照射すること
により、研磨面上に滑らかな表面部分(イ)と複数の微
細な傷付け加工を施した部分(ロ)とをパターン状に形
成し、その研磨皿上に気相合成によるダイヤモンド形成
を行なってダイヤモンド研磨皿を作製する。 【効果】 従来不可能であった球面を有する基板表面の
任意の場所に10μm2以下の大きさのパターンを形成
することが可能となり、再現性良く高品質なダイヤモン
ド粒子を成長させ、研削性能に優れた研磨皿の製作が可
能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学レンズ製造のため
の研磨皿、特にレンズ研磨工程に不可欠な研磨砂を使用
せずにレンズ研磨を行なうことのできるダイヤモンド砥
石を有する研磨皿に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光学レンズ製造工程は、光学ガラ
スをプレスあるいは切断した後、粗研削、精研削、研
磨、洗浄、コーティングといった工程から成り立ってい
る。このうち粗研削および精研削はいずれも、ベンガ
ラ、酸化セリウムなどの砥粒を水または油に混濁させた
液体を、ガラスと鋳鉄製研磨皿との間に潤滑させ、砥粒
でガラス表面を削り取ることで行なわれる。この際、砥
粒の粒径が大きいほどガラスの研磨量が大きくなるた
め、研削初期は大粒径の砥粒を使用する。しかしなが
ら、ガラス面の傷も大きいため、ガラス表面の傷や割れ
を防ぐために、工程の進行に応じて順次粒径の小さい砥
粒に替えていく。
【0003】最近では、粒状の人工ダイヤモンドを有機
物や金属で研磨面に固定した研磨皿が使用されるように
なってきた。ダイヤモンドはベンガラ、酸化セリウムな
どに比べ硬度が高いため、研削性能が良く、研削時間の
短縮に役立っている。しかしながら、工程が進むに連れ
てダイヤモンドの粒径を替えるといった前記の工程は必
要とした。また、砥粒を変える時には粒径の異なる砥粒
の混合を防ぐため、ガラスの洗浄をする必要があり、煩
雑な工程を要した。
【0004】この問題を解決するために、気相合成によ
る硬質炭素粒子を砥粒として用いた研削砥石が提案され
ている(特開平2−279278、3−20856
0)。気相合成による硬質炭素粒子は粒径が小さく研削
性能が良い。このため、従来の研磨工程で避けられなか
った研削の進行に応じたダイヤモンド粒径の変更が不必
要となった。
【0005】このような単結晶ダイヤモンド粒子を研磨
皿上に成長させた研削砥石製造において、研削に使用で
きるダイヤモンド粒子を成長させるためには、10μm
2以下の凹凸のあるスポットパターンを指定する必要が
ある。また、研磨皿の各部分での研削性能が等しくなる
よう凹面の全ての部分で同じ密度で同じ径のスポットパ
ターンが必要となる。スポットパターンは0.5〜10
μm2とするが、これは、この大きさのスポットパター
ンが存在する場合に限り、砥石として有用なダイヤモン
ド粒子が成長することが確認されているためである。半
導体集積回路の製造工程の1つである露光工程を使用す
れば、平面上に前記の0.5〜10μm 2のスポットを
パターニングすることは可能である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マスク
材と被パターニング材の間隔を一定に保つことが不可能
な研磨皿などの球面には前記寸法のパターニングを正確
に行なうことは出来なかった。このため、上記従来例の
気相合成による硬質炭素粒子を砥粒として用いた研削砥
石を効率よく生産することは難しかった。
【0007】本発明は上記従来例の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであり、球面形状を有する基板表
面に10μm2以下の大きさのパターンを大きさおよび
場所を正確に作成することにより、再現性良く高品質な
ダイヤモンド粒子を成長させ研削性能に優れた研磨皿を
提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック
ス、金属またはそれらの複合材から成り、球面形状の研
磨面を有する研磨皿の該研磨面上に、滑らかな表面部分
(イ)と複数の微細な傷付け加工を施した部分(ロ)と
を形成し、気相合成により(ロ)上に選択的にダイヤモ
ンド粒子を析出させ、該析出ダイヤモンド粒子を該研磨
面上に固定するダイヤモンド研磨皿製造方法において、
研磨面に該研磨面の主軸を軸とする回転および/または
該研磨面の中心を通り該研磨面の主軸に直交する直線を
軸とする回転を加えて、該研磨面内の任意の箇所に光を
照射することにより、表面部分(イ)および(ロ)のパ
ターンを形成することを特徴とするダイヤモンド研磨皿
製造方法を提供する。
【0009】本発明で用いられる基体は、アルミナ、ジ
ルコニアのような酸化物系セラミックス;炭化珪素、炭
化チタン、窒化チタン、炭化タングステンなどの炭化物
・窒化物系セラミックス;さらにWC系の超硬合金、
銅、チタン、ニッケル、鉄、コバルト、シリコン、モリ
ブデン、タングステン、タンタルなどの金属およびこれ
らの合金を素材とすることができる。また、これらの基
体の表面に中間層を形成し、ダイヤモンド結晶との密着
力を向上させても良い。
【0010】中間層の素材としては特に限定されるもの
ではないが、例えばシリコン、チタン、タンタル、モリ
ブデン、ニオブの単体およびこれらの合金、さらにはそ
れらの炭化物および窒化物を用いることができる。
【0011】また、基体の形状は、用途や研削物の材質
あるいは形状により任意に決めることができるが、例え
ばレンズ形状のガラスなどを研削する場合は、そのレン
ズ形状の曲率に合わせて曲面形状とする。
【0012】上記の基体上に気相合成法を用いてダイヤ
モンド砥粒を形成する。本発明で用いるダイヤモンド砥
粒の気相合成法は、特に限定されるものではないが、例
えば熱フィラメントCVD法、マイクロ波CVD法、直
流プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、有磁場
マイクロ波プラズマCVD法、燃焼炎法などを挙げるこ
とができる。
【0013】原料ガスには、炭素源としてメタン、エタ
ン、プロパン、ブタン、エチレン、アセチレンなどの炭
化水素ガス;CO、CO2、CCl4、CHCl3、CH2
Cl 2、CH3Cl、CF4、CClF3、CHF3などの
酸素、塩素および/またはフッ素と炭素から成る化合
物、さらにはメタノール、エタノール、アセトン、酢酸
などの有機化合物を用い、これに水素、酸素、ハロゲン
ガス、希ガスなどを適宜混合する。
【0014】ダイヤモンド結晶の形成条件は合成法によ
って異なるが、例えばマイクロ波プラズマCVD法によ
り水素−メタン系原料ガスでダイヤモンド砥粒を形成す
る場合、メタンガス濃度を0.1〜8%、基板温度を4
00〜1200℃、圧力を13.3Pa〜1×106
a、全ガス流量を10〜10000ml/分とすること
が望ましい。燃焼法により酸素−アセチレン系原料ガス
でダイヤモンド砥粒を形成する場合、酸素/アセチレン
比(O2/C22)を0.7≦O2/C22≦1.2と
し、圧力を103〜106Paとし、さらに基板温度を4
00〜1200℃とする。また、熱フィラメントCVD
法により水素−メタン系でダイヤモンド砥粒を合成する
場合、メタン濃度を0.1〜6%とし基板温度を300
〜1200℃、フィラメント温度を1400〜2800
℃、圧力を13.3Pa〜1×10 6Pa、全ガス流量
を10〜5000ml/分とすることが望ましい。また
有磁場マイクロ波プラズマCVD法により一酸化炭素−
水素系でダイヤモンド砥粒を形成する場合、一酸化炭素
濃度を2〜80%とし、基板温度を250〜1250
℃、マイクロ波出力を0.2〜5kWとすることが望ま
しい。
【0015】さらに、本発明において砥粒として用いら
れるダイヤモンド結晶の選択堆積法としては、例えば特
開平2−30697号公報に開示の方法を挙げることが
できるが、特にかかる方法に限定されるものではない。
【0016】特開平2−30697号公報に開示された
方法は、基板表面の傷付け処理を施した後、基板にパタ
ーン状にマスクを形成し、エッチング処理を行ない、マ
スクを除去することにより、傷付け処理した部位をパタ
ーン状に形成する方法である。なお、基体にパターン状
にマスクを施し、基体表面を傷付け処理し、次にエッチ
ング処理によりパターン状のマスクを除去することによ
り、傷付け処理した部位をパターン状に形成する方法;
基体表面に傷付け処理を施した後、耐熱性を有するマス
クをパターン状に施すことにより傷付け処理した部位を
パターン状に形成する方法;基体表面に傷付処理を施し
た後、光を照射し、基体表面をパターン状に溶融して形
成する方法などで行なっても良い。いずれの方法におい
ても、ダイヤモンド結晶は傷付け処理されたパターン部
に選択的に形成される。
【0017】本発明においては、傷付け処理されたパタ
ーン部の1箇所当たりの面積は0.5〜10μm2の範
囲とすることが望ましい。このパターン部の面積が0.
5μm2以下では析出の抜けが生じ易く、また10μm2
以上ではダイヤモンド砥粒が粒子形状ではなく平坦な膜
状となって砥粒として適さなくなる。又、ダイヤモンド
砥粒は基体上に分散形成されている必要があるため、パ
ターン間の間隔はダイヤモンド砥粒の粒子径より十分大
きくする必要がある。例えば砥粒粒子径が20μmの場
合、パターン間隔は25μm以上とすることが望まし
い。また、研削特性の向上のため、パターン間隔は10
0μm以下とすることが望ましい。
【0018】基体上にダイヤモンド砥粒を用いて傷付け
処理した部位をパターン状に形成することでダイヤモン
ドの選択堆積を行なう方法の1例について、図3a〜e
の模式図に従って説明する。
【0019】まず、基体31表面にダイヤモンド砥粒を
用いて均一に傷付け処理を施す(図3a)。この基体表
面に、後述する本発明の球面基体への露光方法を用い
て、マスク32をパターン状に形成する(図3b)。
【0020】次に、マスク32を介して基体31をエッ
チングすることにより、傷付け処理した部位のパターン
を形成する(図3c)。この際、エッチングはドライエ
ッチングまたはウェットエッチングのいずれでも良い。
ウェットエッチングの場合、種々の酸・アルカリ、例え
ば、フッ酸・硝酸混酸によるエッチングなどが挙げられ
る。またドライエッチングの場合、プラズマエッチング
用のガスとしてはCF 4およびCF4と酸素、水素、アル
ゴンなどとの混合ガス等を用いることができる。イオン
ビーム用のガスとしては、アルゴン、ネオン、ヘリウム
などの希ガスや酸素、フッ素、水素、CF4などのガス
も使用可能である。エッチング深さは10nm以上、望
ましくは50〜1000nm、最適には80〜200n
m程度とする。
【0021】次にマスク32を除去し(図3d)、前述
した気相合成法を用いてダイヤモンドを形成すると、傷
付け処理を施した部位にのみ選択的にダイヤモンド33
が形成される(図3e)。
【0022】また、基体上にダイヤモンド砥粒を用いて
傷付け処理した部位のパターン状形成を、基体31表面
に高エネルギーを持つ光を照射し、基体31表面の任意
の部分を溶融し、平滑化することによって行なうことも
できる。この場合、マスク材32にパターンマスクのパ
ターンを露光することはできないため、パターン形状は
単純な多角形のみとなる。
【0023】
【実施例】次に、本発明を図面を用いながら実施例によ
り具体的に説明する。
【0024】(実施例1)本実施例では図1および図2
に示した装置を用いてパターニングを行なった。図1は
本発明の方法に用いる露光装置の1例の模式的断面図で
あり、図2はその模式的平面図である。
【0025】図中1は研磨皿である露光用サンプルであ
り、サンプル支持盤2上に固定されている。サンプル支
持盤2は鉛直方向に立ったサンプル支持棒3により支持
され、さらに、サンプル支持棒3はベアリング4により
回転自在のまま鏡支持板5に固定されている。サンプル
支持棒3はギヤー6を介してエンコーダー内蔵のサンプ
ル回転用モーター7に接続されており、モーター7の回
転によりサンプル1を回転できる構造となっている。
【0026】鏡8は、鏡支持棒10に取り付けられた鏡
回転用ギヤー9に固定されており、その回転の中心はサ
ンプル1の主軸17上にある。鏡支持棒10はベアリン
グ11により回転自在のまま鏡支持板5に固定されてい
る。鏡回転用ギヤー9はエンコーダー内蔵の鏡回転用モ
ーター12に接続され、軸17を含み紙面に垂直な面内
で鏡8を回転できるようになっている。
【0027】KrFレーザー光源13から放射される光
はビーム光学系14とパターンマスク15を通り、鏡8
で直角に反射され、サンプル1の表面に到達する。この
ため、サンプル1のどの表面部分に照射する場合でも、
照射光がビーム光学系14からサンプル1表面に到達す
るまでに通過する距離は等しくなる。従って、ビーム光
学系14からの光により、パターンマスク15は、スポ
ットパターンをサンプル1表面に結像させるためのもの
である。サンプル1表面上のスポットの大きさはビーム
光学系14の調整によって行なう。ここで、鏡回転用モ
ーター12、サンプル回転用モーター7およびKrFレ
ーザー光源13は、光源・モーター制御電源16に接続
されており、各モーターに内蔵されているエンコーダー
により光の照射箇所と光源の発光時期を合わせることで
自動的に任意の位置に光を照射できるようになってい
る。
【0028】本実施例ではこの装置を用いてパターニン
グを行なった。パターニング操作の手順は図6のフロー
チャートに示した。以下、操作の番号(A〜J)は図6
の操作項目番号に従う。
【0029】研磨皿である露光用サンプル1をダイヤモ
ンド砥粒の分散されたアルコール中に入れ、超音波を印
加して傷付け処理を施した(A)。この露光用サンプル
1にPMMA系レジストを塗布した(B)。次に、レジ
スト材が塗布された被露光面を上向きにして、この露光
用サンプル1をサンプル支持盤2に固定した(C)。次
にこのサンプル支持盤をモーター7で回転させ(D)、
かつ鏡8の回転を行ないながら(E)、KrFレーザー
光源13からパルス状に光を照射して露光を行ない
(F)、サンプル1の表面にスポットパターンを形成し
た。このように露光を行なったサンプル1を現像した
(G)後に、公知のイオンビームエッチングで100n
m程度のエッチングを行なった(H)。さらに、レジス
トを除去し洗浄を行なった後、公知の熱フィラメントC
VD装置を用いてサンプル1上にダイヤモンド形成を行
なうと傷付け処理の残ったパターン形成部に選択的にダ
イヤモンド結晶粒子が形成された(I)。このダイヤモ
ンド粒子をニッケルメッキを用いて固定することによ
り、ダイヤモンド研削砥石とした(J)。
【0030】(実施例2)本実施例では、図1の装置を
用い、ダイヤモンド砥粒を分散したアルコール中で超音
波を印加して傷付け処理した研磨皿を露光用サンプルと
して用いた。すなわち、被露光面へのレジスト材塗布を
施さない研磨皿を露光用サンプルとして用いた。このサ
ンプルの被露光面を上向きにしてサンプル支持盤2に固
定した。光源13としては、YAGレーザーを用いた。
それ以外の装置構成および動作、制御は実施例1と同様
にしてダイヤモンド研削砥石を作製した。
【0031】本実施例においては、傷付け処理を施した
サンプル1表面に熱量の大きいYAGレーザーを用いる
ことで被露光箇所の表面層を溶融させ、表面張力により
被露光表面の傷を平滑化する。鏡8およびサンプル1の
運動により前記の平滑化した部分をサンプル1露光面に
格子状に作成することで、任意の大きさの多角形の傷付
き部分をサンプル1露光面に残すことができる。
【0032】(実施例3)本実施例では図4の装置を用
い、球面が凸面のサンプル表面へのパターニングを実施
した。
【0033】図中41は研磨皿である露光用サンプルで
あり、サンプル支持盤42上に固定されている。サンプ
ル支持盤42は、サンプル支持棒43にネジ44で固定
されており、鉛直方向に立った状態でサンプル41を支
持している。さらに、このサンプル支持棒43はベアリ
ングa(46)とベアリングb(45)により回転自在
のまま鏡体a(47)に固定されている。サンプル支持
棒43はギヤーa(49)を介してエンコーダー内蔵の
回転用モーター48に接続されており、モーター48の
回転によりサンプル41を回転できる構造となってい
る。
【0034】鏡体a47は鏡体支持棒50に固定されて
おり、ベアリングc(52)とベアリングd(53)に
より軸63を軸とした回転により、光軸62に対してサ
ンプル支持棒43の中心軸が傾斜できるようになってい
る。サンプル支持棒50には傾斜用ギヤー51を介して
エンコーダー内蔵の傾斜用モーター54が接続されてい
る。照射光はKrFレーザー光源58から放射され、ビ
ーム光学系56によりサンプル41の表面で焦点が合う
ようになっていて、パターンマスク57の像をサンプル
表面上に結像するようになっている。
【0035】モーター制御電源59により傾斜用モータ
ー54を回転することでサンプル41を傾斜させ、同時
に回転用モーター48を回転させながら、モーターに搭
載されているエンコーダーにより、光源58から照射さ
れる光がサンプル41のどの部分に当たるかが測定され
る。この測定値は光源・モーター制御系60に転送さ
れ、光を照射したい部分が光軸上に来た時、光源・モー
ター制御系60からのシグナルによって光源制御電源6
1が作動して、光源58が発光する。この動作を繰り返
すことにより、凸面上の任意の部分にパターンマスク5
7の像を照射することができる。
【0036】操作としては、先ず露光用サンプル41を
ダイヤモンド砥粒の分散されたアルコール中に入れ、超
音波を印加して傷付け処理を施す。次に、このサンプル
41にPMMA系レジストを塗布し、レジスト材塗布し
た被露光面を上向きにしてサンプルをサンプル支持盤4
2に固定する。このサンプルに対して、上記装置によっ
て露光を行ない、現像し、公知のイオンビームエッチン
グで100nm程度のエッチングを行ない、続いてレジ
スト除去、洗浄を行なう。その後、公知の熱フィラメン
トCVD装置を用いてサンプル41上にダイヤモンド結
晶粒子を形成する。このダイヤモンド粒子をニッケルメ
ッキを用いて固定することにより、ダイヤモンド研削砥
石を作製する。
【0037】(実施例4)実施例3の装置で、傷付け処
理したサンプル表面に照射する光として熱量の大きいY
AGレーザーを用いることにより、被露光箇所の表面層
を溶融させ、表面張力により被露光表面の傷を平滑化す
る。鏡58およびサンプル41の運動により前記の平滑
化した部分をサンプル41露光面に格子状に形成するこ
とで、任意の大きさの多角形の傷付き部分をサンプル4
1露光面に残す。
【0038】このようにして得られるサンプル上に、実
施例3同様にダイヤモンド結晶の形成を行なうことによ
って、ダイヤモンド研削砥石を作製する。
【0039】(実施例5)次に、サンプルの球面が凹面
の場合についてのパターニングについて説明する。装置
の概略は図5に示してある。サンプル41が凹面の場
合、サンプルの球面の中心が凸面の場合と逆方向になる
ため、サンプル支持盤42を短くし、鏡支持棒50の回
転軸とサンプル41の中心が重なるようにする。またこ
の時、サンプル41とビーム光学系56との距離が、図
4の装置の場合と変わらないようにするために、光源5
8、ビーム光学系56およびパターンマスク57は、図
4の場合に比べて下方に位置している。
【0040】この装置を用い、実施例3と同様にパター
ニングを行ない、さらにダイヤモンド結晶形成を行なう
ことにより、ダイヤモンド研削砥石を作製する。
【0041】(実施例6)実施例5の装置で、傷付け処
理したサンプル表面に照射する光として熱量の大きいY
AGレーザーを用いることにより、被露光箇所の表面層
を溶融させ、表面張力により被露光表面に存在する傷を
平滑化する。鏡58およびサンプル41の運動により前
記の平滑化した部分をサンプル41露光面に格子状に形
成することで、任意の大きさの多角形の傷付き部分をサ
ンプル41露光面に残す。
【0042】このようにして得られるサンプル上に、実
施例5同様にダイヤモンド結晶の形成を行なうことによ
って、ダイヤモンド研削砥石を作製する。
【0043】以上、実施例3〜6に示したように、サン
プル球面が凸面でも凹面でもサンプル支持盤の長さを変
え、光源、ビーム光学系およびパターンマスクを移動す
ることでダイヤモンド研削砥石作製に望ましいパターニ
ングに好適な光照射が可能となる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により、従
来不可能であった球面を有する基板表面の任意の場所に
10μm2以下の大きさのパターンを形成することが可
能となり、再現性良く高品質なダイヤモンド粒子を成長
させ、研削性能に優れた研磨皿の製作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンド研磨皿製造に用いる露光
装置の1例の模式的断面図である。
【図2】図1の装置の模式的平面図である。
【図3】球面基体上へのダイヤモンドの選択的堆積の工
程図である。
【図4】本発明のダイヤモンド研磨皿製造に用いる露光
装置の別の例の模式的断面図である。
【図5】本発明のダイヤモンド研磨皿製造に用いる露光
装置のさらに別の例の模式的断面図である。
【図6】本発明のダイヤモンド研磨皿製造の1実施態様
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 サンプル 2 サンプル支持盤 3 サンプル支持棒 4 サンプル支持棒用ベアリング 5 鏡支持板 6 ギヤー 7 サンプル回転用モーター(エンコーダー内蔵) 8 鏡 9 鏡回転用ギヤー 10 鏡支持棒 11 ベアリング 12 鏡回転用モーター(エンコーダー内蔵) 13 光源 14 ビーム光学系 15 パターンマスク 16 光源・モーター制御電源 17 サンプル主軸 31 基体 32 マスク材 33 ダイヤモンド粒子 41 サンプル 42 サンプル支持盤 43 サンプル支持棒 44 ネジ 45 ベアリングb 46 ベアリングa 47 鏡体a 48 回転用モーター 49 回転用ギヤー 50 鏡体支持棒 51 傾斜用ギヤー 52 ベアリングc 53 ベアリングd 54 傾斜用モーター 55 鏡体b 56 ビーム光学系 57 パターンマスク 58 光源 59 モーター制御電源 60 光源・モーター制御系 61 光源制御電源 62 光軸 63 鏡体支持棒回転軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス、金属またはそれらの複合
    材から成り、球面形状の研磨面を有する研磨皿の該研磨
    面上に、滑らかな表面部分(イ)と複数の微細な傷付け
    加工を施した部分(ロ)とを形成し、気相合成により
    (ロ)上に選択的にダイヤモンド粒子を析出させ、該析
    出ダイヤモンド粒子を該研磨面上に固定するダイヤモン
    ド研磨皿製造方法において、研磨面に該研磨面の主軸を
    軸とする回転および/または該研磨面の中心を通り該研
    磨面の主軸に直交する直線を軸とする回転を加えて、該
    研磨面内の任意の箇所に光を照射することにより、表面
    部分(イ)および(ロ)のパターンを形成することを特
    徴とするダイヤモンド研磨皿製造方法。
  2. 【請求項2】 研磨面を凹面とし、光学系からの照射光
    を該研磨面主軸上に設置した鏡に反射させて、該照射光
    の焦点を凹面の研磨面上に合わせる、請求項1記載のダ
    イヤモンド研磨皿製造方法。
  3. 【請求項3】 光照射のタイミングおよび研磨面の運動
    の制御手段により、該研磨面へ位置選択的な光照射を行
    なう、請求項1または2に記載のダイヤモンド研磨皿製
    造方法。
  4. 【請求項4】 光照射のタイミング、鏡の運動および研
    磨面の運動の制御手段により、該研磨面へ位置選択的な
    光照射を行なう、請求項1または2に記載のダイヤモン
    ド研磨皿製造方法。
  5. 【請求項5】 研磨面にレジスト材を塗布し、該レジス
    ト材塗布面に光照射によって部分的マスクを施し、現像
    によって非マスク部分のレジスト材を除去し、エッチン
    グを施し、最後にマスクを除去することによって、表面
    部分(イ)および(ロ)の設定を行なう、請求項1ない
    し4のいずれか1項に記載のダイヤモンド研磨皿製造方
    法。
  6. 【請求項6】 研磨面全体に傷つけ加工を施し、次に光
    照射によって該研磨面を溶融させることによって、表面
    部分(イ)および(ロ)の設定を行なう、請求項1ない
    し4のいずれか1項に記載のダイヤモンド研磨皿製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の方法によって製造されるダイヤモンド研磨皿。
  8. 【請求項8】 ダイヤモンド粒子の析出箇所1つ当たり
    の面積が10μm2以下であり、かつ該析出箇所同士の
    間隔が100μm以下である、請求項7記載のダイヤモ
    ンド研磨皿。
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