JPH0632791A - ケイ素含有化合物 - Google Patents

ケイ素含有化合物

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JPH0632791A
JPH0632791A JP18842992A JP18842992A JPH0632791A JP H0632791 A JPH0632791 A JP H0632791A JP 18842992 A JP18842992 A JP 18842992A JP 18842992 A JP18842992 A JP 18842992A JP H0632791 A JPH0632791 A JP H0632791A
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JP
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acrylate
meth
silicon
formula
compound
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JP18842992A
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Naohiko Uchiumi
直彦 内海
Mitsuo Matsumoto
光郎 松本
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の一般式 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれケイ素原子および/
または酸素原子を含んでもよい炭化水素基を表し、かつ
1 およびR2 の少なくとも一方は、少なくとも一個の
ケイ素原子を含む炭化水素基を表す。)で示される構造
を有するケイ素含有化合物。 【効果】 本発明のケイ素含有化合物は重合性が高く、
重合によって得られる重合体は高い酸素透過性を有し、
その成形物は特に眼用レンズとして有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なケイ素含有化合
物に関する。本発明により提供されるケイ素含有化合物
は、これを重合することにより、透明性、離型性、撥水
性、滑り性、低磨耗性、抗血栓性、形状安定性、耐久
性、酸素透過性等に優れたケイ素含有重合体が得られ、
該重合体は繊維処理剤、塗料、シリコーン変性ゴム、表
面処理剤、高酸素透過性成形物、特にコンタクトレン
ズ、眼内レンズ、人工角膜等の眼用レンズ等として有用
である。
【0002】
【従来技術・発明が解決しようとする課題】ポリシロキ
サン基を導入したアクリル系ポリマーは数々の特徴的な
性質を有する。例えば、優れた耐候性、離型性、撥水
性、酸素透過性等を有していることが知られている。こ
れら含ケイ素ポリマーの特性を利用した成形体の1つと
して光学用透明性材料、例えば、眼用レンズが挙げられ
る。
【0003】従来、ポリメタクリレートを主成分とする
組成物からなる眼用レンズが実用化されている。このポ
リメタクリレートは透明性、光学的性能、力学特性に優
れているといった大きな利点があるものの、酸素透過性
に劣るという問題点がある。このような酸素透過性に劣
る素材からなるコンタクトレンズを装着することは眼球
への酸素供給量が少なくなり、長時間これを装着すると
充血、浮腫、その他の角膜障害を引き起こすことが多か
った。
【0004】メタクリル酸エステル系重合体の酸素透過
性を改善するために、単量体分子内に多量のフッ素原子
やケイ素原子を導入することができるビニル系ジエステ
ル単量体との共重合体が注目され、例えば、イタコン酸
ジエステル分子内にフッ素原子またはオリゴシロキサン
結合を導入したフルオロアルキルイタコネート系単量体
またはオリゴシロキサニルイタコネート系単量体とメタ
クリル酸エステル系単量体との共重合体からなるコンタ
クトレンズが提案されている(特開昭60−32022
号公報、特開昭62−92914号公報および特開昭6
3−210115号公報参照)。
【0005】しかしながら、これらの共重合体は、従来
のポリメチルメタクリレート(PMMA)などのポリメ
タクリレートに比べれば、酸素透過性は改善されている
が、まだ十分ではなく、さらに酸素透過性の改善された
重合体が求められている。
【0006】また、ビニル系ジエステル単量体の1つで
あるジアルキルフマレートが提案されているが、これは
メタクリル酸エステル単量体との共重合性に劣る上に、
たとえ共重合させることができた場合でも、この重合体
は非常にもろく力学物性に劣るという問題点がある(特
開昭62−99720号公報および特開昭62−212
618号公報参照)。
【0007】さらに、米国特許4977229号明細書
にはα−位にエーテル結合でシロキサン部位を導入した
ビニル化合物(例えばアクリレート)を重合することに
より得られる重合体を用いたコンタクトレンズおよび眼
内レンズが示されているが、ポリマーの物性、特に酸素
透過性に関する明確な記載は全くなされていない。
【0008】本発明の目的は、重合性が優れ、しかも重
合により得られた重合体は、酸素透過性、透明性、形状
安定性および耐久性が、眼用レンズ等の高酸素透過材料
として実用可能なレベルにある酸素透過性に優れた成形
体を与える新規なケイ素含有化合物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行った結果、特定のα−置換ア
クリレート系化合物、すなわち、下記の一般式(I)で
表されるケイ素含有化合物が優れた単独重合性および共
重合性を有し、重合によって得られた重合体よりなる成
形体は眼用レンズとして実用可能な力学物性、熱的性
質、透明性を有し、かつ優れた酸素透過性を有すること
を見いだした。本発明は、かかる新知見に基づいて完成
されたものであり、下記の一般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1 およびR2 はそれぞれケイ素
原子および/または酸素原子を含んでもよい炭化水素基
を表し、かつR1 およびR2 の少なくとも一方は、少な
くとも一個のケイ素原子を含む炭化水素基を表す。)で
示される構造を有するケイ素含有化合物〔以下、ケイ素
含有化合物(I)という〕を提供することによって達成
される。
【0012】なお、本発明により提供されるケイ素含有
化合物(I)は文献未記載の新規化合物である。
【0013】ケイ素含有化合物(I)は、下記の一般式
(II)
【0014】
【化3】
【0015】(R2 は前記定義のとおりである)で示さ
れるα−ヒドロキシメチルアクリレート系化合物と下記
の一般式(III)
【0016】
【化4】
【0017】(R1 は前記定義のとおりである)で示さ
れるカルボン酸、またはその反応性誘導体(例えば、酸
クロライドなどの酸ハライド)から公知の方法に従って
製造することができる。
【0018】また、ケイ素含有化合物(I)は、下記の
一般式(IV)
【0019】
【化5】
【0020】(R1 は前記定義のとおりである)で示さ
れるアリル(α−置換)アクリレート系化合物とトリク
ロロシラン、メチルジクロロシランまたはジメチルクロ
ロシランとトリメチルシラノールから公知の方法に従っ
て製造することができる。(例えば、特開昭58−71
24号公報、特開昭60−32022号公報参照)
【0021】一般式(II)で示されるα−ヒドロキシメ
チルアクリレート系化合物は下記の一般式(V)
【0022】
【化6】
【0023】(R2 は前記定義のとおりである)で示さ
れるアクリル酸エステルに、例えば1,4−ジアザビシ
クロ〔2.2.2〕オクタンのような触媒の存在下、パ
ラホルムアルデヒドまたはホルマリンを反応させる公知
の方法により製造することができる。(例えば、L. J.
Mathias Macromolecules, 20, 2326 (1987) 、M. Ueda
ら, J. Polym, Sci., Part A: Polym. Chem., 27, 751
(1989)参照)
【0024】また、一般式(II)で示されるα−ヒドロ
キシメチルアクリレート系化合物は適当な触媒の存在
下、プロパルギルアルコール、R2 OHで示されるアル
コール(R2 は前記定義のとおりである)および一酸化
炭素より公知の方法に従って製造することができる(例
えば、 Y. Watanabeら J. Mol. Cat., 40, 295 (1987)
参照)。
【0025】更に、上記の方法においてR2 OHで示さ
れるアルコール(R2 は前記定義のとおりである)に代
えてR3 OH(R3 は炭素数1〜12の脂肪族炭化水素
基を表す)で示される脂肪族アルコールを用いることに
より一般式(VI)
【0026】
【化7】
【0027】で示される化合物を得ることができる。適
当な触媒の存在下、該化合物とR2 OHで示されるアル
コール(R2 は前記定義のとおりである)のエステル交
換反応によっても製造することができる。
【0028】一般式(IV)で示されるアリル(α−置
換)アクリレート系化合物はケイ素含有化合物(I)の
合成方法と同様にアリル(α−ヒドロキシメチル)アク
リレートと前記の一般式(III) で示されるカルボン酸、
またはその反応性誘導体(例えば、酸クロライドなどの
酸ハライド)から、公知の方法を用いて製造することが
できる。
【0029】前記の一般式(I)においてR1 が表すケ
イ素原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭
化水素基とは、通常炭素数が1〜25、好ましくは1〜
21の炭化水素基であり、例えば次の基を挙げることが
できる。
【0030】
【化8】
【0031】これらの基のうち、特に好ましい基を次に
示す。
【0032】
【化9】
【0033】また、前記の一般式(I)においてR2
表すケイ素原子および/または酸素原子を含んでもよい
炭化水素基とは、通常炭素数が1〜25、好ましくは1
〜15の炭化水素基であり、例えば次の基を挙げること
ができる。なお、R2 は上記のR1 と同一でもよいし、
異なっていてもよい。
【0034】
【化10】
【0035】これらの基のうち、特に好ましい基を次に
示す。
【0036】
【化11】
【0037】ケイ素含有化合物(I)のうち、好ましい
化合物を次に示す。
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】ケイ素含有化合物(I)のうち、特に好ま
しい化合物を次に示す。
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】本発明のケイ素含有化合物(I)はそれ自
体良好な重合性を示すが、他の重合性化合物、例えばラ
ジカル重合性ビニルモノマー、ケイ素含有ビニルモノマ
ー、フッ素含有ビニルモノマー、架橋性多官能ビニルモ
ノマー等のビニルモノマーと良好な共重合性も示す。該
ビニルモノマーの好適例を次に示す。
【0045】メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、t−ブチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ベンジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、エチルビニル
エーテル、n−ブチルビニルエーテル、スチレン、p−
メチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチ
レン、(メタ)アクリル酸アミド、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、ビニ
ルピリジン、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等
のラジカル重合性ビニルモノマー;メチルビス(トリメ
チルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、
トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)
アクリレート、トリス(ペンタメチルジシロキサニルオ
キシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール
モノ(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピルグリセロールモノ(メタ)アクリレ
ート等のケイ素含有ビニルモノマー;2,2,2−トリ
フルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,2−ト
リフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(メタ)ア
クリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
ペンチル(メタ)アクリレート、2,3,4,5,5,
5−ヘキサフルオロ−2,4−ビス(トリフルオロメチ
ル)ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,
5,5,6,7,7,7−オクタフルオロ−6−トリフ
ルオロメチルヘプチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシ−4,4,5,5,6,6,7,7,8,9,
9,9−ドデカフルオロ−8−トリフルオロメチルノニ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,1
1,11,11−ヘキサデカフルオロ−10−トリフル
オロメチルウンデシル(メタ)アクリレート、1,1,
2,2−テトラヒドロパーフルオロヘキシル(メタ)ア
クリレート、1,1,2,2−テトラヒドロパーフルオ
ロオクチル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テ
トラヒドロパーフルオロデシル(メタ)アクリレート等
のフッ素含有ビニルモノマー;ジビニルベンゼン、ビニ
ル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレー
ト、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルフタレー
ト、ジアリルテレフタレート、トリメリット酸トリアリ
ル、トリアリルシアヌレート等の架橋性多官能ビニルモ
ノマー等を挙げることができる。これらのビニルモノマ
ーは単独または混合して本発明のα−置換アクリレート
系化合物と共重合することができる。
【0046】本発明のケイ素含有化合物(I)、必要に
応じて他のビニルモノマーからなる混合物を重合開始剤
の存在下に公知の方法に従って重合反応させることによ
りケイ素含有重合体を製造することができる。
【0047】使用される重合開始剤としては、公知の有
機過酸化物およびアゾ化合物等からなる群の一種または
2種以上より選択することができる。有機過酸化物とし
ては、例えばアセチルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、イ
ソブチリルパーオキサイド、ビス(3,5,5−トリメ
チルヘキサノイル)パーオキサイド、t−ブチルヒドロ
パーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソ
プロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、ジt−ブチル
パーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ
クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t
−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−
ジt−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、1,1−ジt−ブチルパーオキシシクロヘ
キサン、2,2’−ジt−ブチルパーオキシブタン、t
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシジ
イソブチレート、t−ブチルパーアセテート、t−ブチ
ルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピ
ルカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、過酸化ラウロイル等を挙げることができ、またア
ゾ化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリ
ル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル
アゾビスイソブチレート、アゾビスジメチルバレロニト
リル等を挙げることができる。
【0048】
【実施例】以下、実施例および参考例によって本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
制限されるものではない。
【0049】実施例1 アクリル酸とアリルアルコールを用い、p−トルエンス
ルホン酸触媒下で通常のエステル化法により、アクリル
酸アリルエステル(沸点119〜124℃)を約80%
の収率で得た。スターラーを備えた三口フラスコに、ア
クリル酸アリルエステル500g、37%ホルムアルデ
ヒド水溶液362g、触媒として1,4−ジアザビシク
ロ〔2.2.2〕オクタン18.4g、ジオキサン12
00mlおよび重合禁止剤としてp−メトキシフェノール
15.6mgを仕込んだ。液温約20℃で5日間攪拌し
た。溶媒を減圧留去した後、残渣に塩化メチレンを加
え、弱酸性塩酸水溶液、次いで塩化ナトリウム飽和水溶
液および純水で洗浄した。これを脱水剤で乾燥したの
ち、エバポレーターを用いて溶媒留去した。減圧蒸留に
より粘稠な液体240gを得た。重水素化クロロホルム
に溶解させて測定した核磁気共鳴スペクトルの結果か
ら、該液体はアリル(α−ヒドロキシメチル)アクリレ
ートであることを確認した。
【0050】次に、滴下ロート、スターラーを備えた2
リットルの三角フラスコにアリル(α−ヒドロキシメチ
ル)アクリレート200g、乾燥ピリジン133.7
g、p−メトキシフェノール17.4mgおよび乾燥テト
ラヒドロフラン500mlを仕込み、氷浴中攪拌下、滴下
ろうとより酢酸クロライド132.7gの乾燥テトラヒ
ドロフラン溶液200mlを滴下した。滴下後、室温で2
0時間攪拌しエステル化反応を行った。析出した塩を濾
別し溶媒留去後、残渣に塩化メチレンを加えて弱酸性塩
酸水溶液、塩化ナトリウム飽和水溶液および純水で洗浄
した。これを脱水剤で乾燥したのち、エバポレーターを
用いて溶媒留去した。オイル状の残渣を蒸留することに
より、粘調な液体を得た。重水素化クロロホルムに溶解
させて測定した核磁気共鳴スペクトルの結果から、該液
体はアリル(α−アセチロキシメチル)アクリレートで
あることを確認した。
【0051】還流冷却器、温度計、滴下ロート、スター
ラーを備えた三口フラスコにアリル(α−アセチロキシ
メチル)アクリレート200gおよび塩化白金(IV)酸
六水和物5.6mgを仕込み、70〜80℃に加熱し、
トリクロロシラン162gを滴下した後、同温度で5時
間攪拌した。未反応のアリル(α−アセチロキシメチ
ル)アクリレートおよびトリクロロシランを留去し、
(α−アセチロキシメチル)アクリロキシプロピルトリ
クロロシランを得た。次に、スターラー、温度計、滴下
ロートを備えた三口フラスコに(α−アセチロキシメチ
ル)アクリロキシプロピルトリクロロシラン335gお
よび1リットルの乾燥ジエチルエーテルを仕込み、ドラ
イアイス−イソプロパノール浴で−50℃に冷却し、2
49gのピリジンを1時間かけて加え、次いで同温度で
331gのトリメチルシラノールを3時間かけて加えた
後、温度を30℃に上昇させ、更に1時間攪拌した。そ
して、その後生成したピリジン塩酸塩を濾別し、溶媒及
び未反応物を減圧下で留去した後、残渣を水洗し、有機
層を脱水し活性炭処理後メンブランフィルターで濾過し
た。得られた液体を蒸留することにより透明な液体を得
た(沸点;125〜129℃/0.1mmHg)。重水素化
クロロホルムに溶解させて測定した核磁気共鳴スペクト
ルの結果を表1に示す。該スペクトルより該液体は下記
構造式(化17)で示される化合物であることが確認さ
れた。
【0052】
【表1】
【0053】
【化17】
【0054】実施例2 実施例1における酢酸クロライド132.7gの代わり
に、ピバリン酸クロライド203.8gを用いたこと以
外は実施例1と同様の方法でエステル化反応、および蒸
留精製を行い、粘調な液体を得た(沸点;137.0〜
145.0℃/0.1mmHg)。重水素化クロロホルムに
溶解させて測定した核磁気共鳴スペクトルの結果を表2
に示す。該スペクトルより該液体は下記構造式(化1
8)で示される化合物であることが確認された。
【0055】
【表2】
【0056】
【化18】
【0057】参考例1 実施例1で得られたトリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピル(α−アセチロキシメチル)アクリレート1
0gに、重合開始剤としてジメチルアゾビスイソブチレ
ート5.4mgを加え、十分に攪拌混合して重合管中で凍
結真空脱気し、封管した。重合管を恒温槽に入れ、60
℃で24時間加熱して重合を行った。重合終了後、再沈
精製により重合体を取り出した。本単量体は優れた重合
性を示し、重合体の収率は87%であった。真空乾燥
後、重合体を平坦な金属板に挟み加熱溶融状態で加圧、
放冷することにより透明なフィルム(厚み:230μ
m)を作成し、製科研式のフィルム酸素透過率計を用い
て35℃で酸素透過係数を測定したところ、優れた酸素
透過性を有することが明らかとなった。
【0058】参考例2 実施例1で得られたトリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピル(α−アセチロキシメチル)アクリレート
5.0gに、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリ
レート2.7g、重合開始剤としてジメチルアゾビスイ
ソブチレート6.9mgを加え、十分に攪拌混合して重合
管中で凍結真空脱気し、封管した。重合管を恒温槽に入
れ、60℃で24時間加熱して重合を行った。重合終了
後、再沈精製により重合体を取り出した。本単量体は優
れた重合性を示し、重合体の収率は95%であった。真
空乾燥後、重合体を平坦な金属板に挟み加熱溶融状態で
加圧、放冷することにより透明なフィルム(厚み:24
0μm)を作成し、製科研式のフィルム酸素透過率計を
用いて35℃で酸素透過係数を測定したところ、優れた
酸素透過性を有することが明らかとなった。
【0059】
【発明の効果】本発明により提供されるケイ素含有化合
物(I)は重合性が高く、重合によって得られる重合体
は優れた酸素透過性を有し、その成形物は特に眼用レン
ズとして有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれケイ素原子および/
    または酸素原子を含んでもよい炭化水素基を表し、かつ
    1 およびR2 の少なくとも一方は、少なくとも一個の
    ケイ素原子を含む炭化水素基を表す。)で示されるケイ
    素含有化合物。
JP18842992A 1992-07-15 1992-07-15 ケイ素含有化合物 Pending JPH0632791A (ja)

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