JPH0632731Y2 - 引出形しゃ断器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本考案は、安全性確保のためにインターロック装置を設
けた引出形しゃ断器に関する。

B,考案の概要 本考案は、ロック板に形成した接続・断路用の孔へ嵌脱
自在のインターロックピンを有するとともに制御線のコ
ネクタの一方のコンタクトを固定した引出形しゃ断器に
おいて、 しゃ断器に取り付けた一方のコンタクトにバネを介して
阻止部材を設けるとともに阻止部材を押圧する押圧部材
を他方のコンタクトに固定し、ロック板に形成した接続
用の孔の底面を高くすることにより、 しゃ断器が断路位置にあるときにコンタクトを外すとし
ゃ断器の移動が阻止され、接続位置にあるときにはコン
タクトが外せないようにしたものである。

C,従来の技術 引出形しゃ断器は、配電盤内に収納される。配電盤１は
第３図のように構成される。配電盤１内には、三相分の
電源母線２と負荷母線３とが配設され、夫々の端部には
断路部５が設けられる。配電盤１内には引出形のしゃ断
器４が収納され、しゃ断器４内の図示しない三相分の真
空インタラプタの電極が断路部５と接続するための外部
導体６に接続される。図中、７は車輪、８は取っ手であ
る。

そして、しゃ断器４を所定位置に固定するためのインタ
ーロック装置と、真空インタラプタの開閉回路に給電す
るための手段が設けられる。

第４図に示すように、配電盤１の床面にロック板９が固
定され、ロック板９には、しゃ断器４の外部導体６と断
路部５とが接続された状態でしゃ断器４を固定するため
の接続用の孔10と、断路した状態で真空インタラプタの
開閉試験等を行うための断路用の孔11とが設けられる。
一方、しゃ断器４には、一対のガイド12を介して昇降自
在であって、下端を孔10又は孔11へ嵌め込みうるように
配置したインターロックピン13が設けられる。インター
ロックピン13には取っ手14とストッパ15とが固定され
る。

しゃ断器４の上部には、配電盤１側としゃ断器４とを接
続するためのケーブル16,17が設けられ、しゃ断器４に
固定した一方のコンタクト18と、コンタクト18に対して
着脱自在なコンタクト19とでコネクタ20が構成される。
コンタクト19は、しゃ断器４を配電盤１内へ搬入したの
ちにコンタクト18に結合し、搬出する前に取り外す。

D.考案が解決しようとする課題 ところが、コンタクト19の着脱は配電盤１内のどの位置
にしゃ断器４が位置しても行うことができ、そのため、
インターロックピン13が孔10に嵌め込まれて接続状態に
あるとともに通電状態にあるときにコンタクト19を取り
外し、その後に事故が発生すると、真空インタラプタを
しゃ断できないという不都合が生じる。

そこで、本考案は、斯かる課題を解決した引出形しゃ断
器を提供することを目的とする。

E.課題を解決するための手段 斯かる目的を達成するための本考案の構成は、配電盤の
内部へ搬入・搬出自在に具えられており、盤内の床面に
固定されたロック板に形成されるとともにしゃ断器と配
電盤との接続・断路と対応する一対の孔に嵌脱自在なイ
ンターロックピンを鉛直方向へ移動自在に具え、配電盤
としゃ断器とを接続するための制御線のコネクタの一方
のコンタクトを固定した引出形しゃ断器において、 一方のコンタクトに対して他方のコンタクトを着脱させ
るための方向と同一方向へ移動自在に、阻止部材を一方
のコンタクトに取り付け、阻止部材と一方のコンタクト
との間にバネを介在させ、バネが放勢した状態のみイン
ターロックピンの上動が阻止部材によって阻止される位
置に一方のコンタクトを固定し、 他方のコンタクトには、他方のコンタクトを一方のコン
タクトに結合させることによってバネを圧縮し、インタ
ーロックピンの上動を阻止しない位置へ阻止部材を移動
させる押圧部材を固定し、 インターロックピンが一対の孔のうちの接続用の孔に嵌
め込まれたときにのみ他方のコンタクトの取り外しが阻
止されるように、接続用の孔の底面の高さを他方の孔の
底面の高さよりも高くしたことを特徴とする。

F.作用 しゃ断器を配電盤内に搬入しても、コネクタを結合しな
ければ、インターロックピンの上動が阻止部材によって
阻止され、しゃ断器を接続位置まで移動できない。

コネクタを結合すると、他方のコンタクトの押圧部材が
バネの付勢力に抗して阻止部材を一方のコンタクトへ向
かって押し、その状態を保持するため、インターロック
ピンの上動が可能となり、しゃ断器を接続・断路位置ま
で移動できる。断路位置ではインターロックピンが断路
用の孔に嵌まり込んでいるので他方のコンタクトを外す
ことができ、その結果、バネの放勢力で阻止部材が移動
し、インターロックピンの上動を阻止する。つまり、他
方のコンタクトを外すとしゃ断器を接続位置まで移動で
きない。

しゃ断器を接続位置まで移動し、インターロックピンを
接続用の孔へ嵌め込むと、接続用の孔の底面は断路用の
孔の底面よりも高いので、インターロックピンの上端が
他方のコンタクトの取り外しを阻止することになり、真
空インタラプタの投入中に事故が起きた場合にしゃ断不
能となることはない。

G.実施例 以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明
する。なお、本実施例は従来の引出形しゃ断器の一部を
改良したものなので、同一部分には同一符号を付して説
明を省略し、異なる部分のみを説明する。

（ａ）実施例の構成 本考案は、インターロック装置とコネクタとの間に関連
をもたせたものである。

第２図に示すように、インターロックピン13の上部がコ
ネクタ25まで伸ばされ、コネクタ25は補助板26を介して
しゃ断器４に固定される。

次にコネクタ25の構造を作用説明図である第１図に基づ
いて説明する。第１図は要部のみを抜き出して描いたも
のである。ケーブル17が接続されるとともに補助板26に
固定された一方のコンタクト27に、図中の左右方向へ移
動自在に阻止部材28が取り付けられる。阻止部材28は、
筐体の右側を開口させるとともに左側に窓28aを形成し
て構成される。阻止部材28と一方のコンタクト27との間
にはバネ29が介在し、阻止部材28は常時左方へ付勢され
る。一方のコンタクト27は、図中に実線で示すようにバ
ネ29が放勢した状態ではインターロックピン13の上動を
阻止し、図中に仮想線で示すようにバネ29が蓄勢された
状態ではインターロックピン13の上動を許容する。

他方のコンタクト30には、押圧部材31が固着される。コ
ンタクト30は窓28a内に嵌まり込んでコンタクト27と着
脱自在に結合するようになっている。押圧部材31の幅と
高さは、コンタクト30をコンタクト27に結合させる際に
阻止部材28を図中の右方へ押圧できるように、阻止部材
28の幅と高さと略同一である。

ロック板９に形成される接続用の孔10の底面33は、ロッ
ク板９と一体の上げ底部9aにより断路用の孔11の底面32
よりも高く設定される。そして、インターロックピン13
の長さは、インターロックピン13の下端が底面32と当接
する際には上端が阻止部材28の下面よりも少し低く、底
面33と当接する際には上端が阻止部材28の下面よりも高
くなるように設定される。

（ｂ）実施例の作用 しゃ断器４が配電盤１の外にあるときにコンタクト30と
コンタクト27とは分離している。

しゃ断器４を配電盤１内に入れても、コンタクト30をコ
ンタクト27に結合しなければ阻止部材28によってインタ
ーロックピン13の上動が阻止されるため、インターロッ
クピン13の下部がロック板９に当たり、しゃ断器４を接
続位置まで移動できない。

コンタクト30をコンタクト27に結合すると、押圧部材31
がバネ29の付勢力に抗して第１図中の右方へ阻止部材28
を押し、バネ29は圧縮された状態に保持される。する
と、インターロックピン13の上動が可能になり、しゃ断
器４を接続・断路位置まで移動できる。

しゃ断器４を断路位置で停止し、インターロックピン13
を断路用の孔11へ嵌め込むと、しゃ断器４はこの位置で
インターロックされる。この状態で第１図に実線で示す
ようにコンタクト30を取り外すと、バネ29の放勢によっ
て阻止部材28が図中の左方へ移動し、インターロックピ
ン13の上動を阻止する。従って、コンタクト30を取り外
した状態でしゃ断器４を接続位置へ移動させるという誤
操作が防止される。コンタクト30をコンタクト27に結合
すると、しゃ断器４の移動が可能になる。

第１図に仮想線で示すようにしゃ断器４を接続位置へ移
動させインターロックピン13を接続用の孔10内に嵌め込
むと、インターロックピン13の上端の存在により、コン
タクト30をコンタクト27から外すことができない。つま
り、しゃ断器４が接続位置にあって真空インタラプタが
投入され、通電中に事故が起きた場合に、従来のような
しゃ断不能の事態は起こり得ない。

なお、水平方向でのインターロックピンとコネクタとの
位置とを一致させることができない場合は、コネクタの
近傍に回動自在又は移動自在の第二インターロックピン
を設け、インターロックピンの上端をリンク等を介して
第二インターロックピンに連結すればよい。

H.考案の効果 以上説明したように本考案による引出形しゃ断器によれ
ば、制御線用のコネクタの着脱をインターロックピンと
関連付けており、しゃ断器が接続位置にあるときにはコ
ンタクトを取り外すことができないので、真空インタラ
プタが投入されて通電中に事故が起きた場合に、誤って
コンタクトが外されていてしゃ断ができないという不都
合なことは生じない。

また、ロック板に形成される接続用の孔と断路用の孔と
の底面高さが異なるので、例えばインターロックピンに
取り付けた取っ手の高さで、しゃ断器の位置表示が行え
る。

更に、コネクタの構造と他の一部の構成を変えるだけ
で、従来の引出形しゃ断器を本考案による引出形しゃ断
器に改良できる。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は本考案による引出形しゃ断器の実施例
に係り、第１図は作用説明図、第２図はインターロック
装置等の概略図、第３図は配電盤の断面図、第４図はイ
ンターロック装置等の概略図である。 １……配電盤、４……しゃ断器、９……ロック板、10…
…接続用の孔、11……断路用の孔、13……インターロッ
クピン、16,17……ケーブル、25……コネクタ、27,30…
…コンタクト、28……阻止部材、29……バネ、31……押
圧部材、32,33……底面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】配電盤の内部へ搬入・搬出自在に具えられ
   ており、盤内の床面に固定されたロック板に形成される
   とともにしゃ断器と配電盤との接続・断路と対応する一
   対の孔に嵌脱自在なインターロックピンを鉛直方向へ移
   動自在に具え、配電盤としゃ断器とを接続するための制
   御線のコネクタの一方のコンタクトを固定した引出形し
   ゃ断器において、 一方のコンタクトに対して他方のコンタクトを着脱させ
   るための方向と同一方向へ移動自在に、阻止部材を一方
   のコンタクトに取り付け、阻止部材と一方のコンタクト
   との間にバネを介在させ、バネが放勢した状態のみイン
   ターロックピンの上動が阻止部材によって阻止される位
   置に一方のコンタクトを固定し、 他方のコンタクトには、他方のコンタクトを一方のコン
   タクトに結合させることによってバネを圧縮し、インタ
   ーロックピンの上動を阻止しない位置へ阻止部材を移動
   させる押圧部材を固定し、 インターロックピンが一対の孔のうちの接続用の孔に嵌
   め込まれたときにのみ他方のコンタクトの取り外しが阻
   止されるように、接続用の孔の底面の高さを他方の孔の
   底面の高さよりも高くしたことを特徴とする引出形しゃ
   断器。