JPH06327202A - 電気機器のワニス含浸方法 - Google Patents
電気機器のワニス含浸方法Info
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- JPH06327202A JPH06327202A JP11348893A JP11348893A JPH06327202A JP H06327202 A JPH06327202 A JP H06327202A JP 11348893 A JP11348893 A JP 11348893A JP 11348893 A JP11348893 A JP 11348893A JP H06327202 A JPH06327202 A JP H06327202A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ワニスによる絶縁層を形成する際に、空隙が
形成されることを極力防止する。 【構成】 固定子鉄心12に巻線を巻装する前段階にお
いて、固定子鉄心12をワニスを収容した槽内に浸漬
し、引上げ後ワニスを加熱硬化させることにより、固定
子鉄心12の表面全体に、ワニスによる被覆層15を形
成する。固定子鉄心12を構成する薄鋼板14の端部が
凸凹状となっている事情があっても、凹部分が埋められ
るようにして被覆層15が形成される。この固定子鉄心
12のスロット内に、絶縁紙17を配置した状態で、巻
線を巻装する。そして、例えば滴下含浸法によりワニス
含浸処理を施し、絶縁層20を形成する。
形成されることを極力防止する。 【構成】 固定子鉄心12に巻線を巻装する前段階にお
いて、固定子鉄心12をワニスを収容した槽内に浸漬
し、引上げ後ワニスを加熱硬化させることにより、固定
子鉄心12の表面全体に、ワニスによる被覆層15を形
成する。固定子鉄心12を構成する薄鋼板14の端部が
凸凹状となっている事情があっても、凹部分が埋められ
るようにして被覆層15が形成される。この固定子鉄心
12のスロット内に、絶縁紙17を配置した状態で、巻
線を巻装する。そして、例えば滴下含浸法によりワニス
含浸処理を施し、絶縁層20を形成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転電機の固定子など
の巻線体に対するワニス処理の方法を改良した電気機器
のワニス含浸方法に関する。
の巻線体に対するワニス処理の方法を改良した電気機器
のワニス含浸方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気機器例えば回転電機においては、鉄
心に巻線を巻装してなる固定子に、ワニス含浸処理を施
し、固定子の絶縁性,耐熱性の向上や強度の向上を図る
ことが行われている。従来より、この種のワニス含浸処
理方法としては、ワニスを収容した槽に固定子を浸した
後引上げて加熱硬化させる浸漬法や、固定子に対してワ
ニスを滴下して含浸させる滴下含浸法が用いられてい
る。
心に巻線を巻装してなる固定子に、ワニス含浸処理を施
し、固定子の絶縁性,耐熱性の向上や強度の向上を図る
ことが行われている。従来より、この種のワニス含浸処
理方法としては、ワニスを収容した槽に固定子を浸した
後引上げて加熱硬化させる浸漬法や、固定子に対してワ
ニスを滴下して含浸させる滴下含浸法が用いられてい
る。
【0003】従来の浸漬法によるワニス含浸処理の方法
について、図8乃至図10を参照して説明するに、ま
ず、回転電機の固定子1は、薄鋼板2を積層して構成さ
れた固定子鉄心3に、その開放形スロット3a内に収容
するようにして巻線4を巻装して構成されている。この
とき、図9に示すように、スロット3aの内面には絶縁
紙5が設けられ、また、スロット3aの開口部には楔6
が設けられている。
について、図8乃至図10を参照して説明するに、ま
ず、回転電機の固定子1は、薄鋼板2を積層して構成さ
れた固定子鉄心3に、その開放形スロット3a内に収容
するようにして巻線4を巻装して構成されている。この
とき、図9に示すように、スロット3aの内面には絶縁
紙5が設けられ、また、スロット3aの開口部には楔6
が設けられている。
【0004】ワニス含浸処理を行うにあたっては、図1
0に示すように、ワニスVを収容した槽7内に固定子1
を浸し、槽7から引上げて自然放置して余分なワニスV
を滴下させた後、その固定子1を加熱炉内に収容してワ
ニスVを加熱硬化させるものである。これにて、固定子
鉄心3や巻線4の表面、素線4a同士間、巻線4と絶縁
紙5との間などに、含浸されたワニスVが硬化した絶縁
層8が形成されるのである。
0に示すように、ワニスVを収容した槽7内に固定子1
を浸し、槽7から引上げて自然放置して余分なワニスV
を滴下させた後、その固定子1を加熱炉内に収容してワ
ニスVを加熱硬化させるものである。これにて、固定子
鉄心3や巻線4の表面、素線4a同士間、巻線4と絶縁
紙5との間などに、含浸されたワニスVが硬化した絶縁
層8が形成されるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のワニス含浸方法では、余分なワニスVを滴下させる
工程、あるいはワニスVを加熱硬化させる工程におい
て、一旦含浸されたワニスVが、固定子鉄心3を構成す
る薄鋼板2同士間の僅かな隙間から毛細管現象により流
れ出してしまい、図9に示すように、特にスロット3a
の内面と絶縁紙5との間において空隙Sができてしまう
問題点があった。しかも、図8に示すように、固定子鉄
心3を構成する薄鋼板2の端部は、真直ぐに打抜かれて
おらず、いわゆるかえりの発生により凸凹状となってい
るため、絶縁紙5と密着しているように見えても僅かな
隙間が残っていて密着性が悪く、その隙間が毛細管現象
によるワニスVの流出の一因となっていた。
来のワニス含浸方法では、余分なワニスVを滴下させる
工程、あるいはワニスVを加熱硬化させる工程におい
て、一旦含浸されたワニスVが、固定子鉄心3を構成す
る薄鋼板2同士間の僅かな隙間から毛細管現象により流
れ出してしまい、図9に示すように、特にスロット3a
の内面と絶縁紙5との間において空隙Sができてしまう
問題点があった。しかも、図8に示すように、固定子鉄
心3を構成する薄鋼板2の端部は、真直ぐに打抜かれて
おらず、いわゆるかえりの発生により凸凹状となってい
るため、絶縁紙5と密着しているように見えても僅かな
隙間が残っていて密着性が悪く、その隙間が毛細管現象
によるワニスVの流出の一因となっていた。
【0006】このように、空隙Sが生ずると、絶縁性が
劣ってしまうと共に、熱伝導率が低下して放熱効果に劣
ってしまう等の不具合を招くことになる。また、このよ
うな空隙Sの発生は、滴下含浸法にあっても同様にして
起こるものであった。
劣ってしまうと共に、熱伝導率が低下して放熱効果に劣
ってしまう等の不具合を招くことになる。また、このよ
うな空隙Sの発生は、滴下含浸法にあっても同様にして
起こるものであった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、ワニスによる絶縁層を形成する際に、
空隙が形成されることを極力防止することができる電気
機器のワニス含浸方法を提供するにある。
で、その目的は、ワニスによる絶縁層を形成する際に、
空隙が形成されることを極力防止することができる電気
機器のワニス含浸方法を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の電気機器
のワニス含浸方法は、鉄心に巻線を巻装してなる巻線体
に、ワニスを含浸させる方法であって、前記鉄心の表面
を絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料で被覆した後、この
鉄心に巻線を巻装し、しかる後、その巻線体に対するワ
ニス含浸処理を施すようにしたところに特徴を有する。
のワニス含浸方法は、鉄心に巻線を巻装してなる巻線体
に、ワニスを含浸させる方法であって、前記鉄心の表面
を絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料で被覆した後、この
鉄心に巻線を巻装し、しかる後、その巻線体に対するワ
ニス含浸処理を施すようにしたところに特徴を有する。
【0009】また、本発明の第2の電気機器のワニス含
浸方法は、鉄心に巻線を巻装してなる巻線体に、ワニス
を含浸させる方法であって、前記鉄心の内周面に絶縁性
の油脂,塗料等の絶縁材料を塗布して硬化させた後、こ
の鉄心に巻線を巻装し、しかる後、その巻線体に対する
ワニス含浸処理を施すようにしたところに特徴を有す
る。
浸方法は、鉄心に巻線を巻装してなる巻線体に、ワニス
を含浸させる方法であって、前記鉄心の内周面に絶縁性
の油脂,塗料等の絶縁材料を塗布して硬化させた後、こ
の鉄心に巻線を巻装し、しかる後、その巻線体に対する
ワニス含浸処理を施すようにしたところに特徴を有す
る。
【0010】さらに、本発明の第3の電気機器のワニス
含浸方法は、鉄心に巻線を巻装してなる巻線体に、ワニ
スを含浸させる方法であって、前記鉄心の外周面に絶縁
性の油脂,塗料等の絶縁材料を塗布して硬化させた後、
その巻線体に対するワニス含浸処理を施すようにしたと
ころに特徴を有するものである。
含浸方法は、鉄心に巻線を巻装してなる巻線体に、ワニ
スを含浸させる方法であって、前記鉄心の外周面に絶縁
性の油脂,塗料等の絶縁材料を塗布して硬化させた後、
その巻線体に対するワニス含浸処理を施すようにしたと
ころに特徴を有するものである。
【0011】
【作用】本発明の第1の電気機器のワニス含浸方法によ
れば、鉄心に対して巻線を巻装する前に、その鉄心の表
面を絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料で被覆するように
したので、鉄心の表面が凸凹状となっている事情があっ
ても、凹部分が絶縁材料で埋められるようにして鉄心の
表面が絶縁材料の層で覆われるようになる。従って、ワ
ニス含浸処理時において、その絶縁材料の層によってワ
ニスの流出が防止されるようになり、空隙が形成される
ことを少なく抑えることができる。
れば、鉄心に対して巻線を巻装する前に、その鉄心の表
面を絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料で被覆するように
したので、鉄心の表面が凸凹状となっている事情があっ
ても、凹部分が絶縁材料で埋められるようにして鉄心の
表面が絶縁材料の層で覆われるようになる。従って、ワ
ニス含浸処理時において、その絶縁材料の層によってワ
ニスの流出が防止されるようになり、空隙が形成される
ことを少なく抑えることができる。
【0012】また、本発明の第2の電気機器のワニス含
浸方法によれば、鉄心の内周面に絶縁性の油脂,塗料等
の絶縁材料を塗布して硬化させた上で、巻線を巻装して
ワニス含浸処理を施すようにしたので、やはり、鉄心の
内周面が凸凹状となっている事情があっても、凹部分が
予め絶縁材料で埋められることになり、ワニス含浸処理
時に空隙が形成されることを少なく抑えることができ
る。
浸方法によれば、鉄心の内周面に絶縁性の油脂,塗料等
の絶縁材料を塗布して硬化させた上で、巻線を巻装して
ワニス含浸処理を施すようにしたので、やはり、鉄心の
内周面が凸凹状となっている事情があっても、凹部分が
予め絶縁材料で埋められることになり、ワニス含浸処理
時に空隙が形成されることを少なく抑えることができ
る。
【0013】さらに、本発明の第3の電気機器のワニス
含浸方法によれば、鉄心の外周面に絶縁性の油脂,塗料
等の絶縁材料を塗布して硬化させた上で、巻線を巻装し
てワニス含浸処理を施すようにしたので、やはり、鉄心
の外周面が凸凹状となっている事情があっても、凹部分
が予め絶縁材料で埋められることになり、ワニス含浸処
理時に空隙が形成されることを少なく抑えることができ
る。
含浸方法によれば、鉄心の外周面に絶縁性の油脂,塗料
等の絶縁材料を塗布して硬化させた上で、巻線を巻装し
てワニス含浸処理を施すようにしたので、やはり、鉄心
の外周面が凸凹状となっている事情があっても、凹部分
が予め絶縁材料で埋められることになり、ワニス含浸処
理時に空隙が形成されることを少なく抑えることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明を回転電機の固定子のワニス含
浸処理に適用した第1の実施例(請求項1に対応)につ
いて、図1乃至図5を参照して説明する。まず、巻線体
たる固定子11の概略構成について述べる。図4及び図
5に示すように、この固定子11は、固定子鉄心12に
複数個の巻線13を巻装して構成されている。前記固定
子鉄心12は、例えばリング状の薄鋼板14(図1参
照)を多数枚積層して構成され、全体として円筒状をな
している。また、この固定子鉄心12には、図2に示す
ように、巻線13が収容される複数個のスロット12a
が、内周側に開放するように設けられている。
浸処理に適用した第1の実施例(請求項1に対応)につ
いて、図1乃至図5を参照して説明する。まず、巻線体
たる固定子11の概略構成について述べる。図4及び図
5に示すように、この固定子11は、固定子鉄心12に
複数個の巻線13を巻装して構成されている。前記固定
子鉄心12は、例えばリング状の薄鋼板14(図1参
照)を多数枚積層して構成され、全体として円筒状をな
している。また、この固定子鉄心12には、図2に示す
ように、巻線13が収容される複数個のスロット12a
が、内周側に開放するように設けられている。
【0015】そして、図1及び図2に示すように、本実
施例においては、この固定子鉄心12の表面全体に、放
熱性の良好な絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料例えばワ
ニスによる被覆層15が、後述するようにして形成され
ている。
施例においては、この固定子鉄心12の表面全体に、放
熱性の良好な絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料例えばワ
ニスによる被覆層15が、後述するようにして形成され
ている。
【0016】一方、前記巻線13は、ポリエステルイミ
ド線などの素線16を巻回して形成され、前記固定子鉄
心12のスロット12a内に収容されるようになってい
る。このとき、図2に示すように、スロット12aの内
面部には、絶縁紙17が設けられ、巻線13は楔18に
より固定されている。また、図5に示すように、巻線1
3のコイルエンド部13aは縛り糸19により整形され
ている。
ド線などの素線16を巻回して形成され、前記固定子鉄
心12のスロット12a内に収容されるようになってい
る。このとき、図2に示すように、スロット12aの内
面部には、絶縁紙17が設けられ、巻線13は楔18に
より固定されている。また、図5に示すように、巻線1
3のコイルエンド部13aは縛り糸19により整形され
ている。
【0017】このように構成された固定子11は、後述
するようにワニス含浸処理がなされ、これにより、図2
に示すように、巻線13の表面、巻線13の素線16同
士間、巻線13と絶縁紙17との間等にワニスによる絶
縁層20が形成されるようになっている。これにて、巻
線13の耐熱強度や耐振強度の向上、固定子鉄心12へ
の固着力強化、絶縁効果の向上などが図られるようにな
っている。
するようにワニス含浸処理がなされ、これにより、図2
に示すように、巻線13の表面、巻線13の素線16同
士間、巻線13と絶縁紙17との間等にワニスによる絶
縁層20が形成されるようになっている。これにて、巻
線13の耐熱強度や耐振強度の向上、固定子鉄心12へ
の固着力強化、絶縁効果の向上などが図られるようにな
っている。
【0018】さて、上記固定子11に対するワニス含浸
処理の手順について述べる。本実施例では、まず、前記
固定子鉄心12に巻線13を巻装する前の段階におい
て、固定子鉄心12に対して、絶縁材料による被覆層1
5を形成する処理が実行される。この処理は、図3に示
すように、放熱性の良好な絶縁性の油脂,塗料等の絶縁
材料であるワニスVを収容した槽21内に、固定子鉄心
12を浸漬する。このとき、ワニスVの粘度は、3.0
〜4.5に調整されたものが好適である。
処理の手順について述べる。本実施例では、まず、前記
固定子鉄心12に巻線13を巻装する前の段階におい
て、固定子鉄心12に対して、絶縁材料による被覆層1
5を形成する処理が実行される。この処理は、図3に示
すように、放熱性の良好な絶縁性の油脂,塗料等の絶縁
材料であるワニスVを収容した槽21内に、固定子鉄心
12を浸漬する。このとき、ワニスVの粘度は、3.0
〜4.5に調整されたものが好適である。
【0019】この後、固定子鉄心12を引上げ、図示し
ない加熱乾燥炉でワニスVを加熱硬化させることによ
り、固定子鉄心12の表面全体に、ワニスVによる被覆
層15が形成されるのである。このとき、図1に示すよ
うに、固定子鉄心12を構成する薄鋼板14の端部は、
真直ぐに打抜かれておらず、いわゆるかえりの発生によ
り凸凹状となっている事情があっても、凹部分が埋めら
れるようにして被覆層15が形成されるのである。
ない加熱乾燥炉でワニスVを加熱硬化させることによ
り、固定子鉄心12の表面全体に、ワニスVによる被覆
層15が形成されるのである。このとき、図1に示すよ
うに、固定子鉄心12を構成する薄鋼板14の端部は、
真直ぐに打抜かれておらず、いわゆるかえりの発生によ
り凸凹状となっている事情があっても、凹部分が埋めら
れるようにして被覆層15が形成されるのである。
【0020】次に、被覆層15が形成された固定子鉄心
12のスロット12a内に、絶縁紙17を配置した状態
で、巻線13を巻装し、楔18により固定する。そし
て、固定子鉄心12に巻線13を巻装した固定子11に
対するワニス含浸処理が実行されるのである。
12のスロット12a内に、絶縁紙17を配置した状態
で、巻線13を巻装し、楔18により固定する。そし
て、固定子鉄心12に巻線13を巻装した固定子11に
対するワニス含浸処理が実行されるのである。
【0021】このワニス含浸処理は、例えば周知の滴下
含浸法により行われる。この滴下含浸法では、固定子1
1は、下方から内周部に挿入されたチャック装置により
傾斜状態に支持されて軸心を中心にゆっくりと回転さ
れ、この状態で、上方に配置された滴下ノズルから、巻
線13のコイルエンド部13aの上端にワニスを滴下す
ることにより含浸処理が行われる。コイルエンド部13
aの上端に滴下されたワニスは、巻線13を伝って流下
して固定子鉄心12のスロット12a内などに充填され
るのである。この後、含浸されたワニスを加熱乾燥して
硬化させることにより、絶縁層20が形成されるのであ
る。
含浸法により行われる。この滴下含浸法では、固定子1
1は、下方から内周部に挿入されたチャック装置により
傾斜状態に支持されて軸心を中心にゆっくりと回転さ
れ、この状態で、上方に配置された滴下ノズルから、巻
線13のコイルエンド部13aの上端にワニスを滴下す
ることにより含浸処理が行われる。コイルエンド部13
aの上端に滴下されたワニスは、巻線13を伝って流下
して固定子鉄心12のスロット12a内などに充填され
るのである。この後、含浸されたワニスを加熱乾燥して
硬化させることにより、絶縁層20が形成されるのであ
る。
【0022】このとき、上述のように固定子鉄心12の
表面が絶縁材料の被覆層15で覆われているので、ワニ
ス含浸処理がなされた際に、固定子鉄心12を構成する
薄鋼板14同士間の僅かな隙間から毛細管現象によりワ
ニスが流れ出してしまうことが未然に防止され、スロッ
ト12aの内面と絶縁紙17との間においても、空隙が
形成されることなく、絶縁層20で埋められるようにな
るのである。
表面が絶縁材料の被覆層15で覆われているので、ワニ
ス含浸処理がなされた際に、固定子鉄心12を構成する
薄鋼板14同士間の僅かな隙間から毛細管現象によりワ
ニスが流れ出してしまうことが未然に防止され、スロッ
ト12aの内面と絶縁紙17との間においても、空隙が
形成されることなく、絶縁層20で埋められるようにな
るのである。
【0023】このように本実施例によれば、固定子鉄心
12の表面に予め絶縁材料の被覆層15を形成した状態
でワニス含浸処理を実行するようにしたので、ワニスの
流出を未然に防止することができ、絶縁層20に空隙が
形成されることを極力防止することができる。この結
果、固定子11の放熱効果の向上及び耐熱強度,耐振強
度の向上、巻線13の固定子鉄心12への固着力強化、
絶縁劣化の防止等の効果により一層優れることになる。
12の表面に予め絶縁材料の被覆層15を形成した状態
でワニス含浸処理を実行するようにしたので、ワニスの
流出を未然に防止することができ、絶縁層20に空隙が
形成されることを極力防止することができる。この結
果、固定子11の放熱効果の向上及び耐熱強度,耐振強
度の向上、巻線13の固定子鉄心12への固着力強化、
絶縁劣化の防止等の効果により一層優れることになる。
【0024】図6は本発明の第2の実施例(請求項2に
対応)を示すものである。本実施例が上記第1の実施例
と異なるところは、放熱性の良好な絶縁性の油脂,塗料
等の絶縁材料例えばワニスVを、固定子鉄心31の内周
面に塗布することにより、被覆層32を形成するように
した点にある。ここでは、チャック装置33により、固
定子鉄心31の外周部を把持し、一定の速度で回転させ
つつ、ワニス塗布装置のノズル34を、固定子鉄心31
の内周部に挿入し、ワニスVを塗布するようにしてい
る。この後、上記第1の実施例と同様に、この固定子鉄
心31に巻線が巻装され、ワニス含浸処理が施される。
対応)を示すものである。本実施例が上記第1の実施例
と異なるところは、放熱性の良好な絶縁性の油脂,塗料
等の絶縁材料例えばワニスVを、固定子鉄心31の内周
面に塗布することにより、被覆層32を形成するように
した点にある。ここでは、チャック装置33により、固
定子鉄心31の外周部を把持し、一定の速度で回転させ
つつ、ワニス塗布装置のノズル34を、固定子鉄心31
の内周部に挿入し、ワニスVを塗布するようにしてい
る。この後、上記第1の実施例と同様に、この固定子鉄
心31に巻線が巻装され、ワニス含浸処理が施される。
【0025】このような実施例においても、上記第1の
実施例と同様に、固定子鉄心31の内周面が被覆層32
で覆われているので、ワニス含浸処理がなされた際に、
固定子鉄心31の隙間から毛細管現象によりワニスが流
れ出してしまうことが未然に防止され、スロットの内面
と絶縁紙との間においても、空隙が形成されることな
く、絶縁層で埋められるようになり、絶縁層に空隙が形
成されることを極力防止することができるものである。
実施例と同様に、固定子鉄心31の内周面が被覆層32
で覆われているので、ワニス含浸処理がなされた際に、
固定子鉄心31の隙間から毛細管現象によりワニスが流
れ出してしまうことが未然に防止され、スロットの内面
と絶縁紙との間においても、空隙が形成されることな
く、絶縁層で埋められるようになり、絶縁層に空隙が形
成されることを極力防止することができるものである。
【0026】図7は本発明の第3の実施例(請求項3に
対応)を示すものであり、ここでは、チャック装置41
により、固定子鉄心42の内周部を支持させ、一定の速
度で回転させつつ、ワニス塗布装置のノズル43を、固
定子鉄心42の外周部に配置してワニスVを塗布し、固
定子鉄心42の外周面に被覆層44を形成するようにし
ている。
対応)を示すものであり、ここでは、チャック装置41
により、固定子鉄心42の内周部を支持させ、一定の速
度で回転させつつ、ワニス塗布装置のノズル43を、固
定子鉄心42の外周部に配置してワニスVを塗布し、固
定子鉄心42の外周面に被覆層44を形成するようにし
ている。
【0027】かかる構成でも、上記第1及び第2の実施
例と同様に、固定子鉄心42の外周面が被覆層44で覆
われるので、ワニス含浸処理がなされた際に、固定子鉄
心42の隙間から毛細管現象によりワニスが流れ出して
しまうことが未然に防止され、絶縁層に空隙が形成され
ることを極力防止することができるものである。
例と同様に、固定子鉄心42の外周面が被覆層44で覆
われるので、ワニス含浸処理がなされた際に、固定子鉄
心42の隙間から毛細管現象によりワニスが流れ出して
しまうことが未然に防止され、絶縁層に空隙が形成され
ることを極力防止することができるものである。
【0028】尚、上記各実施例では、被覆層15,3
2,44の材質としてワニスを採用したが、被覆層の材
質としては、ワニスに限らず、例えば油脂や塗料、各種
の天然,合成樹脂等を採用することができる。また、絶
縁材料を被覆させる方法としても種々の方法が考えられ
る等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して
実施し得るものである。
2,44の材質としてワニスを採用したが、被覆層の材
質としては、ワニスに限らず、例えば油脂や塗料、各種
の天然,合成樹脂等を採用することができる。また、絶
縁材料を被覆させる方法としても種々の方法が考えられ
る等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して
実施し得るものである。
【0029】
【発明の効果】以上の説明にて明らかなように、本発明
の電気機器のワニス含浸方法によれば、鉄心を絶縁性の
油脂,塗料等の絶縁材料で被覆した後、その鉄心に巻線
を巻装し、しかる後、その巻線体に対するワニス含浸処
理を施すようにしたので、ワニスによる絶縁層を形成す
る際に、空隙が形成されることを極力防止することがで
き、ひいては、巻線体の放熱効果の向上及び耐熱強度,
耐振強度の向上、巻線の鉄心への固着力強化、絶縁劣化
の防止等を効果的に図ることができるという優れた実用
的効果を奏するものである。
の電気機器のワニス含浸方法によれば、鉄心を絶縁性の
油脂,塗料等の絶縁材料で被覆した後、その鉄心に巻線
を巻装し、しかる後、その巻線体に対するワニス含浸処
理を施すようにしたので、ワニスによる絶縁層を形成す
る際に、空隙が形成されることを極力防止することがで
き、ひいては、巻線体の放熱効果の向上及び耐熱強度,
耐振強度の向上、巻線の鉄心への固着力強化、絶縁劣化
の防止等を効果的に図ることができるという優れた実用
的効果を奏するものである。
【図1】本発明の第1の実施例を示すもので、ワニス含
浸処理が施された状態の要部の縦断正面図
浸処理が施された状態の要部の縦断正面図
【図2】固定子の要部を示す横断平面図
【図3】被覆層形成時の様子を概略的に示す縦断正面図
【図4】固定子の斜視図
【図5】コイルエンド部の拡大斜視図
【図6】本発明の第2の実施例を示すもので、被覆層形
成時の様子を概略的に示す縦断正面図
成時の様子を概略的に示す縦断正面図
【図7】本発明の第3の実施例を示す図6相当図
【図8】従来例を示す図1相当図
【図9】図2相当図
【図10】ワニス含浸処理時の様子を概略的に示す縦断
正面図
正面図
図面中、11は固定子(巻線体)、12,31,42は
固定子鉄心、13は巻線、14は薄鋼板、15,32,
44は被覆層、16は素線、17は絶縁紙、20は絶縁
層、Vはワニス(絶縁材料)を示す。
固定子鉄心、13は巻線、14は薄鋼板、15,32,
44は被覆層、16は素線、17は絶縁紙、20は絶縁
層、Vはワニス(絶縁材料)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 明人 三重県三重郡朝日町大字縄生2121番地 東 芝メック株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 鉄心に巻線を巻装してなる巻線体に、ワ
ニスを含浸させる方法であって、 前記鉄心の表面を絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料で被
覆した後、この鉄心に巻線を巻装し、しかる後、その巻
線体に対するワニス含浸処理を施すようにしたことを特
徴とする電気機器のワニス含浸方法。 - 【請求項2】 鉄心に巻線を巻装してなる巻線体に、ワ
ニスを含浸させる方法であって、 前記鉄心の内周面に絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料を
塗布して硬化させた後、この鉄心に巻線を巻装し、しか
る後、その巻線体に対するワニス含浸処理を施すように
したことを特徴とする電気機器のワニス含浸方法。 - 【請求項3】 鉄心に巻線を巻装してなる巻線体に、ワ
ニスを含浸させる方法であって、 前記鉄心の外周面に絶縁性の油脂,塗料等の絶縁材料を
塗布して硬化させた後、その巻線体に対するワニス含浸
処理を施すようにしたことを特徴とする電気機器のワニ
ス含浸方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11348893A JPH06327202A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 電気機器のワニス含浸方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11348893A JPH06327202A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 電気機器のワニス含浸方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06327202A true JPH06327202A (ja) | 1994-11-25 |
Family
ID=14613572
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11348893A Pending JPH06327202A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 電気機器のワニス含浸方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06327202A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010239706A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Honda Motor Co Ltd | 電動機用ステータ又はロータとその製造方法 |
CN111842061A (zh) * | 2020-08-07 | 2020-10-30 | 浙江盘毂动力科技有限公司 | 一种定子铁芯及其涂层加工方法 |
-
1993
- 1993-05-17 JP JP11348893A patent/JPH06327202A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010239706A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Honda Motor Co Ltd | 電動機用ステータ又はロータとその製造方法 |
CN111842061A (zh) * | 2020-08-07 | 2020-10-30 | 浙江盘毂动力科技有限公司 | 一种定子铁芯及其涂层加工方法 |
CN111842061B (zh) * | 2020-08-07 | 2023-06-09 | 浙江盘毂动力科技有限公司 | 一种定子铁芯及其涂层加工方法 |
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