JPH0632663Y2 - 配電用3相変圧器 - Google Patents

配電用3相変圧器

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JPH0632663Y2
JPH0632663Y2 JP10633988U JP10633988U JPH0632663Y2 JP H0632663 Y2 JPH0632663 Y2 JP H0632663Y2 JP 10633988 U JP10633988 U JP 10633988U JP 10633988 U JP10633988 U JP 10633988U JP H0632663 Y2 JPH0632663 Y2 JP H0632663Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、配電用の3相変圧器に関するものである。
[従来技術] 高圧配電回路又は特別高圧配電回路と低圧配電回路とを
結合する配電用変圧器においては、混触防止板を備えて
いる場合を除き、低圧側の使用電圧が300Vを越える場
合に変圧器の中性点を接地しなければならない(電気設
備技術基準第23条)。
そのため、400V級配電で3相電力を供給する場合に
は、電源側に配置される配電用変圧器として、2次側
(400V級側)をスター結線して中性点を引出した3相
変圧器が用いられていた。
第6図は従来の配電用3相変圧器において1次側をデル
タ結線した場合の構成をベクトル図的に示したもので、
同図においてCu1ないしCw1はそれぞれUないしW相の1
次巻線を示している。またU1ないしW1は3相の1次
端子を示し、更にCu2ないしCw2は3相の2次巻線を示
し、U2ないしW2は3相の2次端子を、またOは中性
点をそれぞれ示している。
尚本明細書においてベクトルはすべて電圧ベクトルを意
味する。
また本明細書において、200V級電圧、400V級電圧と
は、我が国において低圧配電用として用いられる変圧器
の一般的な出力電圧の範囲を示すもので、それぞれ200
〜220V(一般的な電圧は210Vが用いられる),400〜4
40V(一般的な電圧は420V又は440Vが用いられる)の
範囲にある電圧を意味している。
また本出願人等は先願(特願昭62-138937号)において
第7図に示す配電用3相変圧器を提案した。この先願に
係わる配電用3相変圧器では、第5図に見られるよう
に、スター結線又はデルタ結線された3相1次巻線Cu1
ないしCw1と、第1の3相2次巻線Cu21ないしCw21と、
第2の3相2次巻線Cu22ないしCw22とが設けられ、第1
の3相2次巻線Cu21ないしCw21と第2の3相2次巻線Cu
22ないしCw22とが、それぞれから引出される3相端子の
対応する端子間に現れる電圧の位相差が60度になるよう
に相接続の方向を異ならせてデルタ結線されている。
また第1の3相2次巻線の端子と第2の3相2次巻線の
端子とが接地点に関しベクトル的に点対称になるよう
に、デルタ結線された第1の3相2次巻線Cu21〜Cw21の
一端子(第7図の例ではU21)と第2の3相2次巻線Cu
22〜Cw22の一端子(第7図の例ではW22)とが接地され
ている。
上記のように構成すると、その2次側のベクトルは例え
ば第5図に示すようになり、デルタ結線された第1の3
相2次巻線Cu21ないしCw21の端子U21〜W21間及び第2
の3相2次巻線Cu22ないしCw22の端子U22〜W22間に例
えば200V級の3相電圧を得ると同時に、接地点に関し
て対称なベクトル位置にある線路端子U22,V21間及び
V22,W21間にそれぞれ400V級電圧を得ることができ
る。
[考案が解決しようとする課題] 第6図に示した従来の3相配電用変圧器では、200V級
電圧の配電と400V級電圧の配電との共用を行うことが
困難であるという問題があった。
第6図の場合は400V級側は端子間、200V級側は端子と
中性点間で得ることになるが、変圧器の端子間電圧を42
0V(現在一般的に適用されている電圧440V及び420V
の内の低い方)とすれば、端子と中性点間の電圧は420
/▲√▼3=242Vとなり、負荷点までの電圧降下を
5%程度と考えれば、端子と中性点間を用いて負荷点で
の電圧は230V程度となる。
しかるに現在一般的に使用されている200V定格の負荷
側機器を230V又はそれ以上で使用することについては
技術上困難な点が多い。
第6図に示す結線の場合は2次端子間電圧を本明細書で
定義した400V級電圧にした場合、2次端子と中性点間
の電圧は本明細書で定義した200V級電圧の範囲を越え
てしまい、負荷機器との関係で問題が生じる。
第7図に示した先願の3相配電用変圧器は400V/200V
級電圧を同時に供給できしかも200V級電圧は400級電圧
の1/2であるから、200V定格の負荷機器の使用に際して
は第6図の変圧器による場合のような問題は生じない。
しかしこれを普通の3相200V級配電回路に適用した場
合には第1の3相2次巻線と第2の3相2次巻線との並
列運転ができないという問題が生じる。
本考案の目的は3相200V級配電を行う場合に2つの2
次巻線の並列運転を行うことができるようにするととも
に、200V級/400V級配電を行う場合に200V級電圧の
電圧値を400V級電圧の1/2として、200V級/400V級共
用の配電をも行うことができるようにした配電用3相変
圧器を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案において、3相1次巻線はスターまたはデルタ結
線されている。
本考案の変圧器は第1の3相2次巻線と第2の3相2次
巻線とを有し、第1の3相2次巻線はデルタ結線されて
いる。
また第2の3相2次巻線の各相の巻線の巻始め端子及び
巻終り端子は接続切換盤の切換端子に接続されている。
接続切換盤は、切換端子間を接続する切換片を備えてい
て、該切換片の取付け位置を変えることにより、第2の
3相2次巻線の各相の巻き始め端子及び巻終り端子の隣
接相との接続を第1の3相2次巻線と同様にする第1の
接続と、第1の3相2次巻線と反対にする第2の接続と
に切換得るように構成されている。
そして上記第2の接続が成された場合に第1の3相2次
巻線の端子の誘起電圧と第2の3相2次巻線の端子の誘
起電圧とが接地点に関して点対称のベクトルを構成する
ように第1の3相2次巻線の一端子と第2の3相2次巻
線の一端子とが接地されている。
[考案の作用] 上記のように構成すると、第1の接続における2次側ベ
クトルは第3図のようになり、同位相にある端子(例え
ば端子U21及びU22)を接地すれば、第1の3相2次巻
線と第2の3相2次巻線とを並列接続して通常の200V
級3相配電回路に使用できる。
第2の接続における2次側のベクトルは第5図に示すよ
うになり、デルタ結線された第1の3相2次巻線Cu21な
いしCw21の端子間及び第2の3相2次巻線Cu22ないしCw
22の端子間に例えば200V級の3相電圧を得ることがで
きる。また同時に接地点に関して対称なベクトル位置に
ある線路端子U22,V21間及びV22,W21間にそれぞれ
400V級電圧を得ることができる。この場合200V級の電
圧は400V級の電圧の正確に1/2となる。また400V級電
圧の中性点は接地されるので電気設備技術基準第23条
の規定を満足する。
[実施例] 以下添附図面を参照して本考案の実施例を説明する。
第1図は本考案の一実施例の配電用3相変圧器(以下単
に変圧器と記す)の巻線間の接続を示している。
本考案の変圧器は、3相1次巻線Cu1ないしCw1と第1の
3相2次巻線Cu21ないしCw21と第2の3相2次巻線Cu22
ないしCw22とを備えている。
1次巻線Cu1ないしCw1の結線はスター結線またはデルタ
結線のいずれでもよいが本実施例ではスター接続として
いる。
第1の3相2次巻線Cu21ないしCw21及び第2の3相2次
巻線Cu22ないしCw22においては、図において各巻線の上
端が巻き始めまたは巻き終りとなっていて、各巻線とも
同一方向に巻回されている。以下の説明では各巻線の上
端を巻き始め端子とし、下端を巻終り端子とする。
第1図に示された2次巻線の接続を詳細に説明すると、
第1の3相2次巻線Cu21ないしCw21は、巻線Cu21の巻き
終りに巻線Cv21の巻き始めを、巻線Cv21の巻き終りに巻
線Cw21の巻き始めを、また巻線Cw21の巻き終りに巻線Cu
21の巻き始めをそれぞれ接続することによりデルタ結線
され、巻線Cu21、Cv21及びCw21の巻き始めがそれぞれ変
圧器ケースに取付けられたブッシングBu21,Bv21及びBw
21に接続されている。
一方第2の3相2次巻線Cu22ないしCw22は、直接相結線
されることなく、それぞれの巻始め端子及び巻終り端子
は接続切換盤tの切換端子に接続されている。
接続盤tは変圧器タンク内に取付けられていてハンドホ
ールを通して外部から手で切換得るようになっている。
尚ハンドホールを介しての作業がスペース的に困難な場
合は接続盤tの切換えを変圧器タンクの主カバーを取外
して行うか、または変圧器本体を吊下げて行う。
第2図及び第4図に示したように、接続切換盤tは12
個の切換端子t1〜t12と、これらの切換端子の内の所
定の2個の切換端子間を選択的に接続する3個の切換片
tcとを備えている。尚第1図では切換片の図示を省略
している。
第2の3相2次巻線の接続切換盤tへの接続を更に詳細
に説明すると、巻線Cu22の巻き始め端子は切換端子t6
及びt7に接続され、巻線Cu22の巻終り端子は切換端子
t1及びt12に接続されている。また巻線Cv22の巻き始
め端子は切換端子t2及びt9に接続され、巻線Cv22の
巻き終り端子は切換端子t3及びt8に接続されてい
る。更に巻線Cw22の巻き始め端子は切換端子t4及びt
11に接続され、巻線Cw22の巻き終り端子は切換端子t5
及びt10に接続されている。
第2の3相2次巻線Cu22,Cv22及びCw22の巻き始め端子
はそれぞれ変圧器ケースに取付けられたブッシングBu2
2,Bv22及びBw22に接続されている。
本考案の変圧器を通常の3相200V級配電回路に使用す
る場合には、接続切換盤tの接続を第2図に示した第1
の接続とする。この第1の接続では3枚の切換片tcを
それぞれ切換端子t1とt2との間、t3とt4との間
及びt5とt6との間に接続する。これにより第2の3
相2次巻線は第1の3相2次巻線と同位相でデルタ結線
される。第3図にそのベクトル図を示す。この接続で
は、第1及び第2の3相2次巻線の2つのデルタ結線が
同位相関係にあるそれぞれの任意の1端子を接地する。
第3図は端子U21及びU22を接地した場合を示してい
る。この第1の接続を行った場合の本考案の変圧器は2
次側2巻のスター/デルタ、デルタ変圧器と同様であ
り、第1及び第2の3相2次巻線の並列運転ができる。
次に本考案の変圧器を200V級/400V級配電回路に使用
する場合には、接続切換盤tの接続を第4図に示す第2
の接続にする。この第2の接続では3枚の切換片tcを
それぞれ切換端子t7とt8との間、t9とt10との間
及びt11とt12との間に接続する。これにより第2の3
相2次巻線は第1の3相2次巻線と相回転の方向が逆に
なった状態でデルタ結線される。そしてこの場合には、
ブッシングBu21及びBw22間を相互に接続して接地するこ
とにより端子U21及びW22を接地し、第1の3相2次巻
線Cu21〜Cw21の端子の誘起電圧と第2の3相2次巻線Cu
22〜Cw22の端子の誘起電圧とが接地点に関して点対称の
ベクトルを構成するようにする。この第2の接続を行っ
た場合のベクトル図は第5図に示す通りである。
この場合には、ブッシングBv21,Bu22間及びBv22,Bw21
間にそれぞれ400V級/200V級の単相3線式電圧を得る
ことができ、Bv21,Bw21,O相互間及びBu22,Bv22,O
相互間にそれぞれ200V級の3相電圧を得ることができ
る。
上記実施例のように構成すると、200V級配電用と400V
級/200V級配電用の切換を容易に行うことができ、し
かも200V級電圧を400V級電圧の1/2とすることができ
る。従って当初は200V級配電用として使用し、将来400
V級/200V級配電電圧に切換えるときには、接続切換
盤の接続を変更するだけで対応できる。この場合それま
で200V級電圧で使用していた負荷機器は、400V級/20
0V級配電における200V級電圧の配電を受けることによ
り、電圧切換前と同じ電圧で使用することができる。
本考案においては、1次巻線と第1の3相2次巻線との
間及び1次巻線と第2の3相2次巻線との間のインピー
ダンス特性を合せるため、及び2つの2次巻線のいずれ
か一方の線路が短絡された時に巻線に働く電磁機械力を
抑制するために、第1の3相2次巻線と第2の3相2次
巻線とを1次巻線に対して対称配置することが望まし
い。その意味で内鉄形変圧器の場合には、各相の1次巻
線の内側及び外側にそれぞれ各相の第1及び第2の3相
2次巻線を配置して両2次巻線により1次巻線を挟む構
造にすることが望ましい。
また上記の実施例では接続切換盤の接続を第2の接続と
した場合に接地される端子をU21及びW22としたが、本
考案はこれに限定されるものではなく、第1の3相2次
巻線の端子の誘起電圧と第2の3相2次巻線の端子の誘
起電圧とが接地点に関して点対称のベクトルを構成する
ように第1の3相2次巻線の一端子と第2の3相2次巻
線の一端子とを共通接続して接地すれば良い。
[考案の効果] 以上のように、本考案によれば、接続切換盤の接続を変
更するだけで容易に3相200V級の配電と400V級/200
V級共用配電との双方に使用できる利点がある。また40
0V級/200V級共用配電に切換えて使用する場合には20
0V級電圧を400V級電圧の正確に1/2とすることができ
るため、切換え前に使用されていた200V級負荷機器を
そのまま問題なく使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例における変圧器の巻線間の接続
を示す接続図、第2図は本考案の第1の接続を行った場
合の接続切換盤の状態を示す正面図、第3図は本考案の
第1の接続を行った場合の変圧器のベクトル図、第4図
は本考案の第2の接続を行った場合の接続切換盤の状態
を示す正面図、第5図は本考案の第2の接続を行った場
合の変圧器のベクトル図、第6図は従来の変圧器野ベク
トル図、第7図は従来の他の変圧器の巻線間接続を示す
接続図である。 Cu1,Cv1,Cw1,…1次巻線、Cu21,Cv21,Cw21…第1
の3相2次巻線、Cu22,Cv22,Cw22…第2の3相2次巻
線、U1,V1,W1…1次端子、U21,V21,W21,
U22,V22,W22…2次端子、t…接続切換盤、t1〜
t12…切換端子、tc…切換片。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】スター結線又はデルタ結線された3相1次
    巻線と第1及び第2の3相2次巻線とを有する配電用3
    相変圧器において、 前記第1の3相2次巻線はデルタ結線され、 前記第2の3相2次巻線の各相の巻線の巻始め端子及び
    巻終り端子は接続切換盤の切換端子に接続され、 前記切換端子盤は、切換端子間を接続する切換片の取付
    け位置を変えることにより、前記第2の3相2次巻線の
    各相の巻線の巻き始め端子及び巻終り端子の隣接相との
    接続を前記第1の3相2次巻線と同様にする第1の接続
    と、前記第1の3相2次巻線と反対にする第2の接続と
    に切換えるように構成され、 前記第2の接続がされたときに前記第1の3相2次巻線
    の端子の誘起電圧と第2の3相2次巻線の端子の誘起電
    圧とが接地点に関して点対称のベクトルを構成するよう
    に前記第1の3相2次巻線の一端子と第2の3相2次巻
    線の一端子とが接地されていることを特徴とする配電用
    3相変圧器。
JP10633988U 1988-08-11 1988-08-11 配電用3相変圧器 Expired - Lifetime JPH0632663Y2 (ja)

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