JPH0632593A - 手押し型揚重機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンパクトにして作業階に容易に搬入・搬出
できながら、異種の設備機材を容易かつ安全に揚重でき
るものを提供する。 【構成】 遊転車輪と移動用取手を備えた台車１に支柱
１を立設するとともに、その支柱１に水平方向の軸芯周
りで揺動可能に作業用アーム５を設け、その作業用アー
ム５を駆動揺動する油圧シリンダ６を設けるとともに、
その油圧シリンダ６に対する油圧ユニット１０を台車１
に設け、作業用アーム５の先端に、異種の作業用アタッ
チメントを付け換え可能に取り付けるアタッチメント着
脱部１５を付設し、更に、作業用アーム５をその長手方
向の途中箇所の鉛直方向の軸芯Ｐ２周りで折り畳み可能
に構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建築設備工事におい
て、ダクトや空調機器や全熱交換器といった各種の設備
機材を、天井部に取り付けるなどのために揚重運搬する
のに用いる手押し型揚重機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年の建築設備工事においては、前述し
たような設備機材を天井部に取り付ける作業量が大きな
ウェイトを占める傾向にあるが、従来、このような作業
を行うのに、大重量物は別として、 100kg程度迄の重量
の設備機材の取り付けは、かつぎ揚げとか、チェーンブ
ロックや滑車などを使用し、それらを吊りボルトなどに
より天井部に取り付けて行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かつぎ
揚げによる場合には多大な労力と手間を必要とし、一
方、チェーンブロックや滑車などを使用する場合には、
チェーンブロックや滑車天井部に取り付けたり、そこか
ら撤去したりするために手間を要し、いずれにおいても
作業効率が低い欠点があり、また、安全性で問題があっ
た。

【０００４】殊に、昨今では、作業員が不足しているう
えに、作業員が高齢化しており、上述のような作業効率
の低下に起因して、工期が長くなるとともに工費が増大
する欠点があった。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、請求項１に係る発明の手押し型揚重機
は、作業階に容易に搬入・搬出できながら、異種の設備
機材を容易かつ安全に揚重できるものを提供することを
目的とし、また、請求項２に係る発明の手押し型揚重機
は、簡単な構成の付加により、比較的大重量の設備機材
をも良好に揚重できるようにすることを目的とし、そし
て、請求項３に係る発明の手押し型揚重機は、設備機材
を安定した姿勢で揚重できるようにすることを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明の手
押し型揚重機は、上述のような目的を達成するために、
遊転車輪と移動用取手を備えた台車に支柱を立設し、そ
の支柱に水平方向の軸芯周りで揺動可能に、長手方向で
分割可能な作業用アームを設けるとともに、その作業用
アームを駆動揺動する駆動ユニットを台車に設け、作業
用アームの先端に、異種の作業用アタッチメントを付け
換え可能に取り付けるアタッチメント着脱部を付設して
構成する。

【０００７】また、請求項２に係る発明の手押し型揚重
機は、上述のような目的を達成するために、請求項１に
記載の台車に、その台車の転倒を防止する転倒防止部材
を、平面視において台車の外周縁より内方に位置する収
納姿勢と、台車の外方に張り出す使用姿勢とに姿勢変更
可能に設けて構成する。

【０００８】また、請求項３に係る発明の手押し型揚重
機は、上述のような目的を達成するために、上述した請
求項１または２のいずれかに記載の作業用アームを、上
下１本づつのアームと、それらのアームどうしを連結し
て平行４連リンク機構を構成するリンクとから構成す
る。

【０００９】

【作用】請求項１に係る発明の手押し型揚重機の構成に
よれば、作業階に搬入・搬出するときには、作業用アー
ムを長手方向で分割してコンパクトな状態にし、一方、
作業階で揚重作業を行うときには、作業用アームを長く
するとともに手押しによって台車を適所に移動させ、作
業用アームの先端に取り付けた作業用アタッチメントに
より設備機材を保持し、駆動ユニットの駆動によって作
業用アームを上下揺動し、設備機材を所望の箇所に揚重
することができる。また、種々の設備機材に対し、それ
ぞれに適した作業用アタッチメントを付け換えて揚重す
ることができる。

【００１０】また、請求項２に係る発明の手押し型揚重
機の構成によれば、作業階に搬入・搬出するときには、
平面視において台車の外周縁より内方に位置する収納姿
勢にしておき、一方、作業階で揚重作業を行うときに
は、台車の外方に張り出す使用姿勢にし、比較的重量の
大きい設備機材を揚重したときに、その重量に起因して
台車が傾こうとしても、転倒防止部材が接地して台車の
転倒を防止することができる。

【００１１】また、請求項３に係る発明の手押し型揚重
機の構成によれば、作業用アタッチメントの姿勢を、す
なわち、それに保持された設備機材の姿勢を一定にした
状態で作業用アームを上下に揺動して揚重することがで
きる。

【００１２】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。

【００１３】図１は、本発明に係る手押し型揚重機の実
施例を示す全体側面図であり、台車１の前方に左右一対
の遊転車輪２，２が設けられるとともに後方に左右一対
の遊転のキャスター車輪３，３が設けられ、かつ、台車
１に支柱４が立設され、その支柱４に水平方向の軸芯Ｐ
１周りで揺動可能に作業用アーム５が設けられるととも
に、その作業用アーム５と台車１とにわたって油圧シリ
ンダ６が介装されている。

【００１４】台車１の後方側には移動用取手７が備えら
れ、更に、台車１上の後方側において、支柱４を挟んだ
一方側に、油圧シリンダ６に対する電動型の油圧ポンプ
８と油圧タンク９とから成る油圧ユニット１０が搭載さ
れ、そして、他方側にカウンターウェイト１１が搭載さ
れている（図４参照）。

【００１５】作業用アーム５は、上下方向の幅が広い下
側アーム１２と上下方向の幅が狭い上側アーム１３とを
平行４連リンク機構を構成するようにリンク１４…で連
結して構成され、下側アーム１２および上側アーム１３
それぞれの基端側が支柱４に水平方向の軸芯Ｐ１周りで
揺動可能に連結され、一方、下側アーム１２および上側
アーム１３それぞれの先端側にアタッチメント着脱部１
５が付設されるとともに、そのアタッチメント着脱部１
５に作業用アタッチメントとしての荷揚げ用架台１６が
取り付けられ、荷揚げ用架台１６を、その対地的な姿勢
を一定にした状態で揚重できるように構成されている。

【００１６】下側アーム１２および上側アーム１３それ
ぞれは、基端側の第１の下側アーム部材１２ａおよび第
１の上側アーム部材１３ａと、先端側の第２の下側アー
ム部材１２ｂおよび第２の上側アーム部材１３ｂとに長
手方向で分割可能に構成され、そして、基端側のアーム
部材１２ａ，１３ａと先端側のアーム部材１２ｂ，１３
ｂとが、図２の要部の分解斜視図に示すように、左右一
対の連結ピン１７，１７の挿脱によって連結され、図３
の全体側面図、および、図４の全体平面図それぞれに示
すように、作業用アーム５を水平にした状態で左右の一
方側の連結ピン１７を抜くことにより、他方側の連結ピ
ン１７の軸芯Ｐ２を中心として左右所望の方向に折り畳
むことができるように構成されている。

【００１７】また、アタッチメント着脱部１５は、図２
に示すように、チャンネル状のブラケット１８に、ロッ
ド挿通用の筒体１９…を溶接により連接して構成され、
一方、荷揚げ用架台１６に連接された支持プレート２０
に、筒体１９…に挿通する一対のロッド２１，２１と、
ブラケット１８の縦面に当接する上下一対の当て板２
２，２２が溶接により連接され、ロッド２１，２１を挿
脱することにより、荷揚げ用架台１６をアタッチメント
着脱部１５に着脱可能に取り付けることができるように
なっている。

【００１８】図２に示すように、ワイヤーなどを係止す
る係止部２３を備えた荷吊り用フック２４にも、前述同
様にして一対のロッド２１，２１と上下一対の当て板２
２，２２が溶接により連接され、荷揚げ用架台１６に代
えてこの荷吊り用フック２４をアタッチメント着脱部１
５に着脱可能に取り付けることができるようになってい
る。

【００１９】台車１の前端側に、水平方向の軸芯Ｐ３周
りで回転可能に、かつ、前方に張り出した状態でロック
ピン２５によって固定可能に支持ブラケット２６が設け
られ、この支持ブラケット２６の先端に、接地体２７を
備えた転倒防止部材２８が取り付けられ、その回転によ
り、平面視において台車１の外周縁より内方に位置する
収納姿勢と、台車１の外方に張り出す使用姿勢とに姿勢
変更できるように構成されている。

【００２０】以上の構成により、エレベータやリフトな
どによって作業階に搬入・搬出するときには、作業用ア
ーム５を折り畳むとともに、転倒防止部材２８を収納姿
勢に姿勢変更し、機体全体をコンパクトにして容易に搬
入・搬出でき、一方、作業階で作業するときには、作業
用アーム５を長くするとともに、その先端のアタッチメ
ント着脱部１５に所望の作業用アタッチメントを取り付
け、かつ、転倒防止部材２８を使用姿勢に姿勢変更し、
手押しにより台車１を所望箇所に移動して各種の設備機
材を揚重することができる。

【００２１】揚重作業時にあって、設備機材の重量が比
較的大で、作業用アーム５が水平姿勢になって台車１の
前方にかかる荷重が最大となり、機体全体が前方に傾こ
うとした場合には、転倒防止部材２８の接地体２７が接
地して突っ張り、機体の転倒を防止することができる。

【００２２】前述油圧ユニット１０に対する駆動構成と
しては、電源コードを接続して行うものでも、また、バ
ッテリを搭載するものでも良い。また、作業用アーム５
を駆動揺動するのに、油圧シリンダ６に代えて、起伏ワ
イヤーとウィンチとにより、いわゆるクレーンと同様の
構成を採用しても良く、この起伏ワイヤーとウィンチと
油圧ユニット１０とから成る構成や、前述実施例におけ
る油圧シリンダ６と油圧ユニット１０とから成る構成を
して駆動ユニットと称する。

【００２３】上記実施例では、作業用アタッチメントと
して、荷揚げ用架台１６と荷吊り用フック２４とを示し
たが、これらに限らず、例えば、ケージなど各種の作業
用アタッチメントを付け替えて使用することができる。

【００２４】また、上記実施例では、作業用アーム５を
折り畳むように構成しているが、連結分離できるように
構成するものでも良い。

【００２５】

【発明の効果】請求項１に係る発明の手押し型揚重機に
よれば、作業階に搬入・搬出するときには、作業用アー
ムを分割してコンパクトな状態にでき、一方、作業階で
揚重作業を行うときには、作業用アームを長くして駆動
ユニットの駆動により作業用アームを上下揺動し、設備
機材を所望の箇所に揚重することができ、しかも、種々
の設備機材それぞれに適した作業用アタッチメントを付
け換え使用できるから、エレベータやリフトなどによっ
て作業階に容易に搬入・搬出できながら、異種の設備機
材を容易かつ安全に揚重できる手押し型揚重機を提供で
き、省力化を図って作業効率を向上できるとともに工期
の短縮および工費の軽減を図れるようになった。

【００２６】また、請求項２に係る発明の手押し型揚重
機によれば、収納姿勢と使用姿勢とに姿勢変更可能に転
倒防止部材を付設するだけの簡単な構成の付加でありな
がら、台車の転倒を防止することができ、比較的大重量
の設備機材をも良好に揚重できるようになった。

【００２７】また、請求項３に係る発明の手押し型揚重
機によれば、作業用アタッチメントに保持した設備機材
を、その姿勢を一定にした状態で揚重できるから、設備
機材を安定した姿勢で揚重でき、例えば、所定の姿勢で
天井部に取り付けるような作業をより一層容易良好に行
うことができるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る手押し型揚重機の実施例を示す全
体側面図である。

【図２】要部の一部省略分解斜視図である。

【図３】搬入・搬出状態を示す全体側面図である。

【図４】図３の全体平面図である。

【符号の説明】

１…台車 ２…遊転車輪 ３…キャスター車輪 ４…支柱 ５…作業用アーム ６…駆動ユニットを構成する油圧シリンダ ７…移動用取手 １０…駆動ユニットを構成する油圧ユニット １２…下側アーム １３…上側アーム １４…リンク １５…アタッチメント着脱部 １６…作業用アタッチメントとしての荷揚げ用架台 ２４…作業用アタッチメントとしての荷吊り用フック ２８…転倒防止部材 Ｐ１…水平方向の軸芯

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 康之 大阪市中央区本町四丁目１番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 高田 光弘 大阪府羽曳野市駒ケ谷２番地187 多磨エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 前田 義明 大阪府羽曳野市駒ケ谷２番地187 多磨エ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 山崎 浩一 大阪府羽曳野市駒ケ谷２番地187 多磨エ ンジニアリング株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遊転車輪と移動用取手を備えた台車に支
   柱を立設し、その支柱に水平方向の軸芯周りで揺動可能
   に、長手方向で分割可能な作業用アームを設けるととも
   に、その作業用アームを駆動揺動する駆動ユニットを台
   車に設け、前記作業用アームの先端に、異種の作業用ア
   タッチメントを付け換え可能に取り付けるアタッチメン
   ト着脱部を付設したことを特徴とする手押し型揚重機。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の台車に、その台車の転
   倒を防止する転倒防止部材を、平面視において前記台車
   の外周縁より内方に位置する収納姿勢と、前記台車の外
   方に張り出す使用姿勢とに姿勢変更可能に設けた手押し
   型揚重機。
3. 【請求項３】 請求項１または２のいずれかに記載の作
   業用アームが、上下１本づつのアームと、それらのアー
   ムどうしを連結して平行４連リンク機構を構成するリン
   クとから成るものである手押し型揚重機。