JPH06325917A - 酸化物磁性材料の湿式成形方法 - Google Patents

酸化物磁性材料の湿式成形方法

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JPH06325917A
JPH06325917A JP5109183A JP10918393A JPH06325917A JP H06325917 A JPH06325917 A JP H06325917A JP 5109183 A JP5109183 A JP 5109183A JP 10918393 A JP10918393 A JP 10918393A JP H06325917 A JPH06325917 A JP H06325917A
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JP
Japan
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molding
slurry
molded
dehydration
mold cavity
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JP5109183A
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English (en)
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Satoshi Goto
聡志 後藤
Satoshi Uenosono
聡 上ノ薗
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸化物磁性材料の薄肉成形体を成形し、焼成
する際に発生するピンホールや反りなどの欠陥を防止す
るのに有効な湿式成形技術を提供すること。 【構成】 原料スラリーを金型キャビティ内に注入,充
填し、脱水,圧密成形を行うことによって薄肉ブロック
状成形体を成形するに当たり、スラリー注入口を2箇所
以上に設けてなる前記金型キャビティを用い、脱水,圧
密成形開始前の該金型キャビティ内のスラリー充填深さ
Dを、成形終了後の成形体厚みTとの関係で、(D/
T)<1.80 となるようにすると共に、脱水,圧密成形
における初期加圧速度を1.5mm/s 以上とする条件の下で
成形する。これにより、この薄肉ブロック状成形体を焼
成する際に発生するピンホールや反りなどの欠陥を確実
に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物磁性材料の湿式
成形方法に関し、特に、フェライト磁性粉末を含有する
原料スラリーから、薄肉のフェライト磁石を成形する技
術,とりわけ厚さ10mm以下の薄肉ブロック状成形体を成
形する技術についての提案である。
【0002】
【従来の技術】酸化物磁性材料,例えばフェライト磁石
を成形する方法の一つに、平均粒径1μm前後のフェラ
イト磁性粉末を水等の溶媒に分散させた原料スラリー
(体積濃度:約20〜40%)を、金型内に注入,充填し、
そして必要に応じて磁場を印加して脱水することにより
圧密成形する方法がある。
【0003】この湿式成形方法は、所定量のスラリーを
スラリー圧送装置により注入口から成形キャビティ内に
注入し、必要に応じて磁場を印加しながら上下のパンチ
を相対的に移動させて圧密成形を行い、スラリー層,濾
過ケーキ層を経て所定形状まで成形した後、ダイス型と
パンチを移動させて成形体を取り出す技術である。
【0004】従来、この湿式成形においては、圧密成形
の後期に、ダイス型に対するパンチの移動速度,すなわ
ち加圧速度を、初期に比べて遅い速度にコントロールす
る必要があった。この理由は、成形後期において前記加
圧速度を速くすると、スラリーの脱水が充分に行われな
いために脱水途中のスラリーが逆流し、この逆流に起因
する成形体の欠陥が発生するからであった。
【0005】一方、上記圧密成形過程において、濾過ケ
ーキをさらに圧密する圧搾段階に入っても、スラリー注
入口がパンチによって封塞されない場合には、注入口部
にある水分率の大きな原料スラリーが、水分率の少ない
濾過ケーキ中に流入し、そのために注入口付近のキャビ
ティ内の濾過ケーキが注入口に逆流するという現象が見
られた。その結果、成形体の注入口近傍の部分とその他
の部分とで、密度の不均一化が発生し、このことが原因
して成形体の亀裂や焼結体の亀裂を生じさせた。
【0006】これに対し、発明者らは先に、圧密成形過
程において、スラリー濾過中に注入口を塞ぐことが上記
逆流現象に起因する欠陥を防止する手段として必須条件
であることを見出し、次のような構成の金型を提案した
(特願平4−119231号公報参照)。すなわち、金型の注
入口を、それの開口上端が濾過ケーキの圧搾過程に入る
前に、下パンチ上端によって封塞される位置に設けたこ
とを特徴とする酸化物磁性材料の湿式成形用金型であ
る。
【0007】このような金型を用いる湿式成形では、ス
ラリーの濾過を通じて濾過ケーキが形成されている状
態,すなわち、原料スラリーと同一濃度のスラリーが成
形キャビティ内に存在している状態において、スラリー
注入口上端が下パンチ上端によって封塞される。従っ
て、成形キャビティ内の注入口付近にあるスラリー層の
水分率と注入口およびスラリー配管に存在する原料スラ
リーの水分率が等しくなり、このことによって、注入口
からのスラリー逆流現象に起因した欠陥発生が防止でき
るのである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術によれば、成形中のスラリー逆流現象に起因し
た欠陥発生は防止できるものの、大きさが約100mm □,
厚さが10mm以下の薄肉成形体を成形する場合には、焼成
する際に、プレス(加圧)面内の広い範囲にわたって直
径0.1 〜0.5mm 程度の穴が空いたピンホールと呼ばれる
点状の欠陥が無数に発生したり、またプレス面内におけ
る収縮率の差により焼結体の反りが発生したりする他、
さらには該焼結体を所定の厚みに表面研削すると未研削
部分が残るといった種々の問題点を依然として残してい
ることが判った。
【0009】本発明の目的は、従来技術が抱えている上
記問題点に鑑み、薄肉ブロック状成形体を成形し、焼成
する際に発生するピンホール(点状欠陥)や反りなどの
欠陥を防止するのに有効な湿式成形技術を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け鋭意研究を進めた結果、スラリー注入口を2
箇所以上にわたって設けると共に、スラリー充填深さと
圧密成形の初期加圧速度を制御することにより、上記問
題点の解消ができることを突き止め、本発明に想到し
た。
【0011】すなわち、本発明は、酸化物磁性粉末含有
スラリーを金型キャビティ内に注入,充填し、加圧によ
り脱水,圧密成形を行うことによって酸化物磁性材料を
成形するに当たり、スラリーを注入するための注入口を
少なくとも2箇所以上に設けてなる前記金型キャビティ
を用い、脱水,圧密成形開始前の該金型キャビティ内の
スラリー充填深さDを、成形終了後の成形体厚みTとの
関係で、 (D/T)<1.80 となるようにすると共に、脱水,圧密成形における初期
加圧速度を1.5 mm/s以上とする条件の下で成形するこ
とを特徴とする酸化物磁性材料の湿式成形方法である。
【0012】
【作用】さて、発明者らは研究当初、脱水,圧密成形開
始前の金型キャビティ内のスラリー充填深さと脱水,圧
密成形における初期加圧速度に着目し、薄肉ブロック状
成形体の製品欠陥に及ぼす影響について検討すべく多く
の実験を行った。すなわち、平均粒径 0.9μmのストロ
ンチウムフェライト磁粉を含む水分率38wt%のスラリー
を用いて、表1に示すように、前記スラリー充填深さと
前記初期加圧速度を種々変化させて、形状 116mm×116m
m ×厚さ8.1mm の成形体を50個ずつ湿式成形したのち焼
成し、次いで、研削した製品の反りとピンホールの発生
率を調査した。このときの成形条件は、金型キャビティ
にはスラリー注入口を図1に示すように1箇所設け、ス
ラリーの注入圧力を25kg/cm2とし、キャビティ内スラリ
ーを加圧する速度を、成形初期は上記のように種々変化
させ、成形後期は、成形圧140kg/cm2 までは0.3mm/s 、
210kg/cm2 までは0.2mm/s 、最終成形圧 350kg/cm2まで
は0.1mm/s というパターンの固定条件にて成形した。こ
の成形後期のパターンは、成形後期においてスラリーの
逆流による欠陥が発生しない条件である。
【0013】このような条件下にて得られた製品の反
り,ピンホールおよび割れの各種欠陥に対する合格率を
表1に併せて示す。この表に示す結果から明らかなよう
に、脱水,圧密成形開始前の金型キャビティ内のスラリ
ー充填深さDを、成形終了後の成形体厚みTとの関係
で、(D/T)<1.80 となるように設定し、かつ脱
水,圧密成形における初期加圧速度を1.5 mm/s以上と
することにより、反りやピンホールの欠陥は極めて少な
くなり、それらの合格率は85%以上となることが判っ
た。
【0014】
【表1】
【0015】ところが、かかる条件下では、製品の割れ
発生率は却って高くなり、総合的な歩留りは改善されな
かった。この割れの原因は薄肉ブロック状成形体のプレ
ス面内における密度差が大きくなるためと考えられる。
実際、表2に示すように、注入口近傍と反注入口側の角
部との成形体密度差は、(D/T)<1.80 ,初期加圧
速度:1.5 mm/s以上の条件下では0.15g/cm2 以上と大
きく、それ故に、プレス面内において大きな収縮率の変
化を引き起こし、焼成時に割れが生じると考える。
【0016】
【表2】 *D:脱水圧密成形開始前の金型キャビティ内のスラリ
ー充填深さ(mm) T:成形終了後の成形体厚み(mm)
【0017】そこで、この薄肉ブロック状成形体のプレ
ス面内における成形体の密度差を軽減するため、図2
(a) に示すように、スラリー注入口をこれまでの1箇所
から反対側にもう1箇所設けて2箇所とし、表1と同じ
条件下で湿式成形を行い欠陥発生の状況を調査した。そ
の結果、表3に示すように、(D/T)<1.80 ,初期
加圧速度:1.5 mm/s以上の条件下で、反り,ピンホー
ルおよび割れの欠陥発生率がいずれも少なく、高い合格
率が得られることを突き止めた。なお、図2(b) に示す
ように、金型キャビティにスラリー注入口を3箇所以上
設けると、さらに薄肉ブロック状成形体のプレス面内に
おける密度差が小さくなり、割れ低減には効果的である
が、本発明にかかる薄肉ブロック材では2箇所で十分で
ある。
【0018】
【表3】
【0019】本発明は、以上説明したような検討の結果
なされたものであり、その特徴は、酸化物磁性材料の湿
式成形に当たり、金型キャビティにスラリー注入口を少
なくとも2箇所に以上設け、成形開始前の金型キャビテ
ィ内のスラリー充填深さDを、成形終了後の成形体厚み
Tとの関係で、(D/T)<1.80 となるようにすると
共に、成形における初期加圧速度を1.5 mm/s以上とす
る点にある。
【0020】このような本発明の湿式成形方法によれ
ば、上記のような成形条件に限定制御しているので、薄
肉ブロック状成形体を成形し、焼成する際に発生するピ
ンホールや反りなどの欠陥を効果的に防止することがで
きる。
【0021】
【実施例】平均粒径0.85μmのストロンチウムフェライ
ト磁粉を含む水分率37wt%のスラリーを用いて、形状 1
16mm×116mm ×厚さ10mmの成形体を湿式成形した。この
ときの成形条件は、スラリー注入口2を正方形のキャビ
ティ3内の各辺中央部に1箇所ずつ合計4箇所設け、ス
ラリーの注入圧力を25kg/cm2、脱水圧密成形開始前の金
型キャビティ内のスラリー充填深さを17.6mm(D/T=
1.76)とし、脱水圧密成形における初期加圧速度を1.8m
m/s で2秒間、その後最終成形圧 350kg/cm2までを0.13
mm/sとするパターンにて成形した。
【0022】比較例としては、スラリー注入口2が1
箇所で他の条件が同じである場合、スラリー充填深さ
が18.3mm(D/T=1.83)で他の条件が同じである場
合、脱水圧密成形開始後の初期加圧速度が1.4mm/s で
3秒間で他の条件が同じである場合、について湿式成形
を行った。
【0023】上述した各種条件につきそれぞれ 100枚の
製品を作製し、その製品の欠陥発生状況を調査した結果
を表4に示す。表4に示す結果から明らかなように、本
発明の条件でのみ、反り,ピンホールおよび割れの全て
の欠陥発生が大幅に低減され、高い歩留りで最終製品を
製造することができることを確認した。
【0024】
【表4】 *D:脱水,圧密成形開始前の金型キャビティ内のスラ
リー充填深さ(mm) T:成形終了後の成形体厚み(mm)
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明の湿式成形方
法によれば、薄肉ブロック状成形体を成形し、焼成する
際に発生する製品の反り,ピンホールおよび割れの欠陥
を大幅に低減することができ、高い歩留りで最終製品を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術におけるスラリー注入口を示す図であ
る。
【図2】本発明の方法において、スラリー注入口を(a)
2箇所,(b) 4箇所設けた場合を示す図である。
【符号の説明】
1 ダイス型 2 注入口 3 金型キャビティ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物磁性粉末含有スラリーを金型キャ
    ビティ内に注入,充填し、加圧により脱水,圧密成形を
    行うことによって酸化物磁性材料を成形するに当たり、 スラリーを注入するための注入口を少なくとも2箇所以
    上に設けてなる前記金型キャビティを用い、脱水,圧密
    成形開始前の該金型キャビティ内のスラリー充填深さD
    を、成形終了後の成形体厚みTとの関係で、 (D/T)<1.80 となるようにすると共に、脱水,圧密成形における初期
    加圧速度を1.5 mm/s以上とする条件の下で成形するこ
    とを特徴とする酸化物磁性材料の湿式成形方法。
JP5109183A 1993-05-11 1993-05-11 酸化物磁性材料の湿式成形方法 Pending JPH06325917A (ja)

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JP (1) JPH06325917A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008243845A (ja) * 2007-03-23 2008-10-09 Tdk Corp 磁石の製造方法
JP2015032668A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 日産自動車株式会社 焼結磁石の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008243845A (ja) * 2007-03-23 2008-10-09 Tdk Corp 磁石の製造方法
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