JPH0826366B2 - 金属粉末成形体よりなる金型及びその製造法 - Google Patents
金属粉末成形体よりなる金型及びその製造法Info
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- JPH0826366B2 JPH0826366B2 JP15996087A JP15996087A JPH0826366B2 JP H0826366 B2 JPH0826366 B2 JP H0826366B2 JP 15996087 A JP15996087 A JP 15996087A JP 15996087 A JP15996087 A JP 15996087A JP H0826366 B2 JPH0826366 B2 JP H0826366B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、粉末成形体による金型及びその製造方法に
係り、プラスチック射出成形用、真空成形用、プレス成
形用、ブロー成形用等の金型に利用される。
係り、プラスチック射出成形用、真空成形用、プレス成
形用、ブロー成形用等の金型に利用される。
(従来の技術) 金型及びその製造方法として、切削、彫刻などの機械
加工によって複雑な製品反転形状を作り出す方法(従来
例の1)と、模擬的に作られた製品相似形状型に金属
(例えばアルミの溶湯など)をかぶせて形状を反転させ
て作り出す方法(従来例の2)が一般に採用されてい
る。
加工によって複雑な製品反転形状を作り出す方法(従来
例の1)と、模擬的に作られた製品相似形状型に金属
(例えばアルミの溶湯など)をかぶせて形状を反転させ
て作り出す方法(従来例の2)が一般に採用されてい
る。
従来例の1は、金型材としての制約は少ないことか
ら、目的の強度に合致した金型材料を選ぶことができ、
このため、金型としての特性は満足できる。
ら、目的の強度に合致した金型材料を選ぶことができ、
このため、金型としての特性は満足できる。
しかし、非常に手間がかかり種々の機械加工工程を必
要とすることから、コストが異常に高い欠点がある(お
よそ、トータルコスト中に占める材料費対加工費の比は
1:9位となる)。
要とすることから、コストが異常に高い欠点がある(お
よそ、トータルコスト中に占める材料費対加工費の比は
1:9位となる)。
従来例の2は、機械加工工程が少なくて済むことから
生産コストはおさえることはできるものの、アルミ精鋳
による金型製造法で代表されるように、溶湯金属を固め
て型とすることから、金型素材に制約を受け、金型物性
(使用目的に合致した金型に要求される特性に対する完
全型の特性)が低下するという問題がある。
生産コストはおさえることはできるものの、アルミ精鋳
による金型製造法で代表されるように、溶湯金属を固め
て型とすることから、金型素材に制約を受け、金型物性
(使用目的に合致した金型に要求される特性に対する完
全型の特性)が低下するという問題がある。
すなわち、従来例の1と従来例の2はそれぞれ一長一
短がある。
短がある。
そこで、発明者は、先に提案した技術(特開昭61-104
05号公報)を、金型製造に利用することを知見し、種々
の実験を重ねた。
05号公報)を、金型製造に利用することを知見し、種々
の実験を重ねた。
この提案技術は、焼結用粉末とバインダと水又は有機
溶剤とから構成されたスラリーを、型内面の少なくとも
一部にポーラス体を備えた成形枠に注入すると共に加圧
し、スラリー中の液分をポーラス体を介して絞り出して
所期の形状に成形する方法である。すなわち、この方法
は成形枠内面の一部を構成するポーラス面からスラリー
中の液分を脱液する方法であり、以下、面脱液法とい
う。
溶剤とから構成されたスラリーを、型内面の少なくとも
一部にポーラス体を備えた成形枠に注入すると共に加圧
し、スラリー中の液分をポーラス体を介して絞り出して
所期の形状に成形する方法である。すなわち、この方法
は成形枠内面の一部を構成するポーラス面からスラリー
中の液分を脱液する方法であり、以下、面脱液法とい
う。
面脱液法は、焼結用粉末を有するスラリーが流動性に
富んでいるため、低圧で所期の形状に成形することがで
き、また複雑形状でも容易に成形することができるとい
う利点がある。
富んでいるため、低圧で所期の形状に成形することがで
き、また複雑形状でも容易に成形することができるとい
う利点がある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、面脱液法を実施するために用いられる
成形枠は、その内面の一部又は全部をポーラス体で形成
しなければならず、成形面における強度不足を招来し、
またコスト的にも効果であるという問題がある。更に、
ポーラス面の粗度が成形体表面に転写され、成形体の表
面平滑性が劣り、また離型が困難であるという問題があ
る。
成形枠は、その内面の一部又は全部をポーラス体で形成
しなければならず、成形面における強度不足を招来し、
またコスト的にも効果であるという問題がある。更に、
ポーラス面の粗度が成形体表面に転写され、成形体の表
面平滑性が劣り、また離型が困難であるという問題があ
る。
更に、金型材料は、その金型特性を考慮すると、Fe系
金属が望しい。一般にFe系の粉末は数μ以上の粒径をも
ち必ずしも球形粉末でないため、成形時にポーラス面の
穴部に突ささる現象が生じることから離型が容易でなく
なり、取外し時に、損傷するなどの不利があるため、こ
の金属粉末をポーラス面を有する成形枠で成形すること
は困難である。
金属が望しい。一般にFe系の粉末は数μ以上の粒径をも
ち必ずしも球形粉末でないため、成形時にポーラス面の
穴部に突ささる現象が生じることから離型が容易でなく
なり、取外し時に、損傷するなどの不利があるため、こ
の金属粉末をポーラス面を有する成形枠で成形すること
は困難である。
また、面脱液法を初めスラリー脱液法で製造されたグ
リーン体を焼結してなる金型は、焼結体である限り、気
孔を有しており、密度が低いもの程、気孔のサイズ量は
増してくる。
リーン体を焼結してなる金型は、焼結体である限り、気
孔を有しており、密度が低いもの程、気孔のサイズ量は
増してくる。
一方、例えば、プラスチック射出成形においては、射
出成形時、溶融したプラスチック材料が金型内に射出さ
れ、金型により冷却、固化し収縮変形する一連の成形過
程をとるものであり、従って、生産性を向上させるため
に、金型内での成形品の冷却時間を短くして成形サイク
ルを高める必要があり、このため、金型材料の高い熱伝
導率が要求される。
出成形時、溶融したプラスチック材料が金型内に射出さ
れ、金型により冷却、固化し収縮変形する一連の成形過
程をとるものであり、従って、生産性を向上させるため
に、金型内での成形品の冷却時間を短くして成形サイク
ルを高める必要があり、このため、金型材料の高い熱伝
導率が要求される。
又、プラスチック製品の表面光沢が要求される場合
は、表面性状を転写する金型の成形面部分は鏡面性が要
求される。
は、表面性状を転写する金型の成形面部分は鏡面性が要
求される。
このような要求特性に対して、前述した気孔(空孔)
は悪影響を与える。
は悪影響を与える。
例えば、相対密度80%のFe系焼結体では100%密度材
に比べて熱伝導率は70%以上低下し、高サイクルでのプ
ラスチック成形が困難となる。
に比べて熱伝導率は70%以上低下し、高サイクルでのプ
ラスチック成形が困難となる。
又、平均100μmの粉末焼結体では20μm近くの表面
空孔が存在し、この結果、該表面層部分を仕上げ研摩し
たとしても空孔により鏡面性は良好でない等の問題があ
る。
空孔が存在し、この結果、該表面層部分を仕上げ研摩し
たとしても空孔により鏡面性は良好でない等の問題があ
る。
本発明は、金型の種類に制約を受けることなく、しか
も、高価で特殊な成形枠を用いることなく、模擬製品か
らの転写によって容易かつ機械加工により作られた金型
製造コストよりはるかに安価にして、金型特性を満した
金型とその製造方法を提供することを目的とする。
も、高価で特殊な成形枠を用いることなく、模擬製品か
らの転写によって容易かつ機械加工により作られた金型
製造コストよりはるかに安価にして、金型特性を満した
金型とその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、焼結体内の気孔(空孔)に、低融点
材の溶融物を浸透させて固化し、空孔を封じ込めて熱伝
導性を高めしかも表面層を鏡面に改質した金型とその製
造方法を提供することを目的とする。
材の溶融物を浸透させて固化し、空孔を封じ込めて熱伝
導性を高めしかも表面層を鏡面に改質した金型とその製
造方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明は次の2つの技術
的手段を講じたのである。
的手段を講じたのである。
すなわち、本発明の技術的手段のひとつめは、被成形
物に接して該被成形物を形造る成形面部分を有する金型
本体7Eが多孔質の金属粉末焼結体7Bよりなる金型におい
て、 該金属粉末焼結体7Bは相対密度が70%以上とされて気
孔部を有し、該気孔部の60%以上に、焼結体7Bよりも抵
融点の金属溶湯9が含浸されて成形面部分7Dの表層が鏡
面状に封孔すべく凝固されていることを特徴とするもの
であり、技術的手段のふたつめは、被成形物に接して該
被成形物を形造る成形面部分を有する金型を製造する方
法において、 製品収縮率および焼結収縮率を見込んで大きく形成し
た製品相似形状の転写面を有する反転モデルを、スリッ
ト幅Sが焼結用金属粉末の平均粒子径をdとしたとき、
10μm≦S≦3dとされた線状のスリットを有する成形枠
内に仕込み、該成形枠に、焼結用金属粉末に有機バイン
ダおよび水又は有機溶剤を添加混合してなるスラリーを
注入して加圧し、スラリー中の液分をスリットから排出
して粉末同士が接触しかつ有機バインダを介して固形化
した金属粉末成形体を作成し、 次に、該金属粉末成形体を焼結して相対密度が70%以
上とされた気孔部を有する金属粉末焼結体を作成すると
ともに、該金属粉末焼結体における気孔部の60%以上
に、該焼結体よりも抵融点の金属溶湯を含浸されて成形
面部分の表層を鏡面状に封孔することを特徴とするもの
である。
物に接して該被成形物を形造る成形面部分を有する金型
本体7Eが多孔質の金属粉末焼結体7Bよりなる金型におい
て、 該金属粉末焼結体7Bは相対密度が70%以上とされて気
孔部を有し、該気孔部の60%以上に、焼結体7Bよりも抵
融点の金属溶湯9が含浸されて成形面部分7Dの表層が鏡
面状に封孔すべく凝固されていることを特徴とするもの
であり、技術的手段のふたつめは、被成形物に接して該
被成形物を形造る成形面部分を有する金型を製造する方
法において、 製品収縮率および焼結収縮率を見込んで大きく形成し
た製品相似形状の転写面を有する反転モデルを、スリッ
ト幅Sが焼結用金属粉末の平均粒子径をdとしたとき、
10μm≦S≦3dとされた線状のスリットを有する成形枠
内に仕込み、該成形枠に、焼結用金属粉末に有機バイン
ダおよび水又は有機溶剤を添加混合してなるスラリーを
注入して加圧し、スラリー中の液分をスリットから排出
して粉末同士が接触しかつ有機バインダを介して固形化
した金属粉末成形体を作成し、 次に、該金属粉末成形体を焼結して相対密度が70%以
上とされた気孔部を有する金属粉末焼結体を作成すると
ともに、該金属粉末焼結体における気孔部の60%以上
に、該焼結体よりも抵融点の金属溶湯を含浸されて成形
面部分の表層を鏡面状に封孔することを特徴とするもの
である。
(作用) 成形枠に、製品収縮率および焼結収縮率を見込んで大
きく形成した製品相似形状の転写面を有する反転モデル
を仕込み、この成形枠に注入されたスラリー中の液分
は、スラリーの加圧によって成形枠に形成された線状の
スリットから絞り出される。この際、成形枠には脱液用
のスリットを形成するだけでよいので、型材として通常
使用される金属材を使用することができる。
きく形成した製品相似形状の転写面を有する反転モデル
を仕込み、この成形枠に注入されたスラリー中の液分
は、スラリーの加圧によって成形枠に形成された線状の
スリットから絞り出される。この際、成形枠には脱液用
のスリットを形成するだけでよいので、型材として通常
使用される金属材を使用することができる。
また、前記スリットの幅を所定の値に規定しているの
で、スリットを成形枠に容易に形成することができ、ま
たスラリー中の金属粉末が流出することなく比較的低圧
の加圧で容易に脱液される。
で、スリットを成形枠に容易に形成することができ、ま
たスラリー中の金属粉末が流出することなく比較的低圧
の加圧で容易に脱液される。
スラリー中の液分が充分脱液されると、スラリー中の
粉末同士は接触し、バインダーを介して固形化され、所
期の粉末成形体が得られる。
粉末同士は接触し、バインダーを介して固形化され、所
期の粉末成形体が得られる。
この粉末成形体を焼成して気孔を有する焼結体が得ら
れるが、この焼結体気孔体積の70%に相当する低融点金
属材を焼結体に重ね、該金属材の融点以上に加熱する
と、その溶湯が気孔の60%に浸透し、冷却後、気孔内で
凝固して封孔され、ここに、熱伝導率が向上し、成形面
部分の表面層が鏡面状に改質された金型を得る。
れるが、この焼結体気孔体積の70%に相当する低融点金
属材を焼結体に重ね、該金属材の融点以上に加熱する
と、その溶湯が気孔の60%に浸透し、冷却後、気孔内で
凝固して封孔され、ここに、熱伝導率が向上し、成形面
部分の表面層が鏡面状に改質された金型を得る。
(実施例) まず、本発明に使用するスラリーについて説明する。
スラリーは、焼結用金属粉末と有機バインダと水又は
アルコール等の有機溶剤とが混合されて形成されたもの
である。
アルコール等の有機溶剤とが混合されて形成されたもの
である。
焼結用金属粉末としては、カーボニル法、ガスアトマ
イズ法、水アトマイズ法、粉砕法等によって作られた各
種金属粉末(Fe、ハイス、ステンレス鋼等)の1種類、
2種類以上の混合粉末を使用することができる。また、
この金属粉末に、セラミック粉末、これらの混合粉末も
しくはこれらと各種強化繊維の混合粉末を使用すること
ができる。強化繊維としては、炭素繊維、ボロン繊維、
セラミック(SiC,Al2O3等)ウイスカ等を例示すること
ができる。
イズ法、水アトマイズ法、粉砕法等によって作られた各
種金属粉末(Fe、ハイス、ステンレス鋼等)の1種類、
2種類以上の混合粉末を使用することができる。また、
この金属粉末に、セラミック粉末、これらの混合粉末も
しくはこれらと各種強化繊維の混合粉末を使用すること
ができる。強化繊維としては、炭素繊維、ボロン繊維、
セラミック(SiC,Al2O3等)ウイスカ等を例示すること
ができる。
また、金属粉末の粒子径は、平均粒子径で数μmのも
のから使用することができる。平均粒子径の下限は、後
述する成形枠の線状クリアランスの幅から限定される。
尚、通常、金属粉末では、10μm以上のものが各種市販
されており入手容易である。
のから使用することができる。平均粒子径の下限は、後
述する成形枠の線状クリアランスの幅から限定される。
尚、通常、金属粉末では、10μm以上のものが各種市販
されており入手容易である。
ここに、平均粒子径とは、第4図に示すように粒子径
と累積重量比との関係により定まる粒度分布において、
累積重量比の50%に対応する粒子径dmをいう。尚、ある
粒子径doに対応する累積重量比(%)Roは、試料粉末全
重量をWoとしたとき、do以下の粒子の累積重量をW1とす
るとW1/Wo×100(%)で与えられる。上記粒度分布は、
粒度分布測定機(例えば、シーラス社製)により容易に
測定される。
と累積重量比との関係により定まる粒度分布において、
累積重量比の50%に対応する粒子径dmをいう。尚、ある
粒子径doに対応する累積重量比(%)Roは、試料粉末全
重量をWoとしたとき、do以下の粒子の累積重量をW1とす
るとW1/Wo×100(%)で与えられる。上記粒度分布は、
粒度分布測定機(例えば、シーラス社製)により容易に
測定される。
前記粉末に添加される有機バインダとしては、スラリ
ー液分である水又は有機溶剤に溶けるものを使用する。
例えば、アクリル樹脂系、酢酸セルロース系、熱硬化性
樹脂系のものを使用することができ、アクリル樹脂系バ
インダの具体例として商品名「バインドセラムWA320」
(三井東圧製)を例示することができる。
ー液分である水又は有機溶剤に溶けるものを使用する。
例えば、アクリル樹脂系、酢酸セルロース系、熱硬化性
樹脂系のものを使用することができ、アクリル樹脂系バ
インダの具体例として商品名「バインドセラムWA320」
(三井東圧製)を例示することができる。
スラリーの組成は、使用する焼結用金属粉末の粒径に
よっても異なるが、概ね、金属粉末100重量部に対して
バインダ2〜5重量部、水もしくは有機溶剤8〜40重量
部程度である。
よっても異なるが、概ね、金属粉末100重量部に対して
バインダ2〜5重量部、水もしくは有機溶剤8〜40重量
部程度である。
次に、本発明に使用する成形枠について説明する。こ
の成形枠として、焼結用金属粉末の平均粒子径をdとし
たとき、スリットの幅Sが10μm≦S≦3dとされた線状
のスリットが形成されたものが使用される。枠の材質と
しては、通常の金型材を使用すればよく、特殊な材料は
不要である。
の成形枠として、焼結用金属粉末の平均粒子径をdとし
たとき、スリットの幅Sが10μm≦S≦3dとされた線状
のスリットが形成されたものが使用される。枠の材質と
しては、通常の金型材を使用すればよく、特殊な材料は
不要である。
スリット幅Sを10μm以上とするのは、10μm未満の
スリットを形成することは、通常の工業的機械的加工手
段では困難であり、またコスト高の要因となるからであ
る。
スリットを形成することは、通常の工業的機械的加工手
段では困難であり、またコスト高の要因となるからであ
る。
一方、Sが3d以下に制限されるのは、3dを越えると金
属粉末がスリットから流出して成形困難乃至不可能にな
るからである。
属粉末がスリットから流出して成形困難乃至不可能にな
るからである。
ここで、Sが3dまで開設可能な理由については次のよ
うに考えられる。第5図に示すように、成形枠1内に注
入されたスラリー中の金属粉末2は、その粒子径がSよ
り小さい場合、加圧によって、成形枠1に形成されたス
リット3から流出しようとする。ところが、この際、粒
子2はスリット3の入口部乃至中途部でブリッジを組む
ことになる。このとき、S=αdとした場合、α値を1
以上の値にするとα=3までは容易に粉末がブリッジを
組み、粒子の流出が阻止されるが、α=4以上になる
と、ブリッジが形成され難く、粒子はスリットから流出
する結果となる。
うに考えられる。第5図に示すように、成形枠1内に注
入されたスラリー中の金属粉末2は、その粒子径がSよ
り小さい場合、加圧によって、成形枠1に形成されたス
リット3から流出しようとする。ところが、この際、粒
子2はスリット3の入口部乃至中途部でブリッジを組む
ことになる。このとき、S=αdとした場合、α値を1
以上の値にするとα=3までは容易に粉末がブリッジを
組み、粒子の流出が阻止されるが、α=4以上になる
と、ブリッジが形成され難く、粒子はスリットから流出
する結果となる。
成形枠の具体例を第2図に示す。
第2図の成形枠1は、外枠4の内部底面に、製品相似
形状の転写面5Aを有する反転モデル5が設けられ、外枠
4の上部開口には加圧プランジャ6が嵌合されている。
形状の転写面5Aを有する反転モデル5が設けられ、外枠
4の上部開口には加圧プランジャ6が嵌合されている。
更に、外枠4は縦方向に適宜分割されており、対向す
る分割面相互間にスリット幅Sを10μm≦S≦3dとされ
たスリット3が形成され、また、加圧プランジャ6と外
枠4の型面との間にも同様にスリットが形成され、これ
らのスリット3は、成形室から見れば線状となってい
る。
る分割面相互間にスリット幅Sを10μm≦S≦3dとされ
たスリット3が形成され、また、加圧プランジャ6と外
枠4の型面との間にも同様にスリットが形成され、これ
らのスリット3は、成形室から見れば線状となってい
る。
なお、第2図において、7はスラリーであり、反転モ
デル5を仕込んだ成形室に注入充填されている。また、
8はヒーターであり、必要に応じて設けられる。
デル5を仕込んだ成形室に注入充填されている。また、
8はヒーターであり、必要に応じて設けられる。
成形枠1に仕込まれる反転モデル5は、製品図面よ
り、常法に従って製作されるが、この場合、成形枠1で
加圧成形したグリーン体は最終的に製造されるこの金型
を用いて製品を成形するときに最終製品が収縮するの
で、この収縮分を考慮しただけ大きく形成しなければな
らず、また、グリーン体はこれを焼結して金型にするも
のであり、この焼結時に収縮するのでこの収縮率を見込
んで粉末成形時に大きなグリーン体を作らなくてはなら
ない。
り、常法に従って製作されるが、この場合、成形枠1で
加圧成形したグリーン体は最終的に製造されるこの金型
を用いて製品を成形するときに最終製品が収縮するの
で、この収縮分を考慮しただけ大きく形成しなければな
らず、また、グリーン体はこれを焼結して金型にするも
のであり、この焼結時に収縮するのでこの収縮率を見込
んで粉末成形時に大きなグリーン体を作らなくてはなら
ない。
すなわち、第3図で示す如く、反転モデル5は、製品
外形に相当する想像線(面)5Bより前記2つの収縮率を
クリアできる大きさに大きく形成された転写面5Aを有
し、この転写面5A以外の面は、スラリーに直接接触しな
い面であり、転写面5Aに相対する面は成形枠に接して全
スラリー圧を受けるための面とされる。
外形に相当する想像線(面)5Bより前記2つの収縮率を
クリアできる大きさに大きく形成された転写面5Aを有
し、この転写面5A以外の面は、スラリーに直接接触しな
い面であり、転写面5Aに相対する面は成形枠に接して全
スラリー圧を受けるための面とされる。
また、反転モデル5は外枠4に仕込まれ、これに注入
されたスラリー7を加圧プランジャ6による加圧(30〜
1000kg.f/cm2)を受けることから、この加圧力に耐え得
る材料で作成されている。
されたスラリー7を加圧プランジャ6による加圧(30〜
1000kg.f/cm2)を受けることから、この加圧力に耐え得
る材料で作成されている。
第1図を参照して、金型製造プロセスを概説明する。
製品図面から、本プロセス反転モデル5を製作し、こ
の反転モデル5を成形枠1に仕込む。
の反転モデル5を成形枠1に仕込む。
一方、別工程で混合、混練され、脱泡処理されたスラ
リー7は成形枠1に注型され、加圧プランジャ6の押し
込みによって加圧され、スラリー中の液分は、成形枠1
に形成されたスリット3から排出される。
リー7は成形枠1に注型され、加圧プランジャ6の押し
込みによって加圧され、スラリー中の液分は、成形枠1
に形成されたスリット3から排出される。
スラリーの加圧は、30〜1000kg.f/cm2で行われ、スラ
リー中の粉末同士が接触するまで加圧脱液する。この状
態になると、粉末同士は粒子間に存在する、バインダを
含んだ溶媒を介して固形化される。
リー中の粉末同士が接触するまで加圧脱液する。この状
態になると、粉末同士は粒子間に存在する、バインダを
含んだ溶媒を介して固形化される。
尚、成形体において、粉末同士が接触していること
は、粉末同士を焼結させる上での前提条件でもある。
は、粉末同士を焼結させる上での前提条件でもある。
ところで、加圧脱液によって成形された粉末成形体7A
は、成形枠1から取り出された後、適宜乾燥される。一
方、反転モデル5は再び成形枠1に仕込みのため搬送さ
れる。成形体7Aの乾燥によって、粉末粒子間の溶媒は気
化し、溶媒中のバインダは濃縮ないし固化し、粒子の接
触強度は向上する。これによって、成形体(グリーン
体)の取り扱い性は向上する。
は、成形枠1から取り出された後、適宜乾燥される。一
方、反転モデル5は再び成形枠1に仕込みのため搬送さ
れる。成形体7Aの乾燥によって、粉末粒子間の溶媒は気
化し、溶媒中のバインダは濃縮ないし固化し、粒子の接
触強度は向上する。これによって、成形体(グリーン
体)の取り扱い性は向上する。
尚、上記の乾燥は、成形後に行ってもよいが、スラリ
ーの加圧時に、第2図に示したヒーター8を用いて同時
に行うことも可能である。
ーの加圧時に、第2図に示したヒーター8を用いて同時
に行うことも可能である。
この場合、乾燥のために加えられる温度は、スラリー
を形成する水もしくは有機溶剤の沸点以上、望ましくは
沸点温度より10〜30℃高温とするのがよい。このような
温度を与えることによって、短時間で成形体中の水もし
くは有機溶剤を沸騰させ気化消失させることができる。
を形成する水もしくは有機溶剤の沸点以上、望ましくは
沸点温度より10〜30℃高温とするのがよい。このような
温度を与えることによって、短時間で成形体中の水もし
くは有機溶剤を沸騰させ気化消失させることができる。
このようにすると、取り出し後の乾燥工程を簡略化す
ることができる利点がある。
ることができる利点がある。
成形体7Aは焼結炉等に搬入され、焼結されることによ
り、最終製品成形時に最終製品の収縮率分大きい気孔を
有する焼結体7Bとされた後、気孔が低融点金属溶湯とな
る材料9の含浸で封孔され、第1図に示す如く一部に機
械加工容易に取付板7C等を加えて組立てられて、成形面
部分7Dを有する金型本体7Eとされる。
り、最終製品成形時に最終製品の収縮率分大きい気孔を
有する焼結体7Bとされた後、気孔が低融点金属溶湯とな
る材料9の含浸で封孔され、第1図に示す如く一部に機
械加工容易に取付板7C等を加えて組立てられて、成形面
部分7Dを有する金型本体7Eとされる。
ここで、気孔を有する焼結体7Bについての封孔処理に
つき説明する。
つき説明する。
材料9は、焼結体7Bよりも低融点の金属板であり、例
えば、Cu-Co合金粉末成形体、銅板、アルミニウム板等
よりなり、この材料9を焼結体7B上に重ね合せて加熱炉
等で加熱処理することで、材料9が溶湯となり、焼結体
7Bの気孔(空孔)内に含浸され、気孔を封孔して凝固さ
れ、高密度の焼結体とされる。
えば、Cu-Co合金粉末成形体、銅板、アルミニウム板等
よりなり、この材料9を焼結体7B上に重ね合せて加熱炉
等で加熱処理することで、材料9が溶湯となり、焼結体
7Bの気孔(空孔)内に含浸され、気孔を封孔して凝固さ
れ、高密度の焼結体とされる。
すなわち、焼結体7Bはその相対密度が焼結用粉末の粒
度調整、焼結条件等の調整により70%以上とされ、この
相対密度70%以上の焼結体7Bに対し、当該70%に相当す
るCu-Co合金粉末成形体9を第1図の如く重ね合せ、加
熱炉によって1100℃×1hrの加熱処理を行なった処、表
1に示すような結果を得た。
度調整、焼結条件等の調整により70%以上とされ、この
相対密度70%以上の焼結体7Bに対し、当該70%に相当す
るCu-Co合金粉末成形体9を第1図の如く重ね合せ、加
熱炉によって1100℃×1hrの加熱処理を行なった処、表
1に示すような結果を得た。
上記の表1でも明らかな如く、密度4.9以下(相対密
度62%以下)では焼結体の下部と上部とでは、気孔への
Cu合金含浸率が大きく異なり、上下部の径が大きく異な
っていたのに対し、密度5.5以上(相対密度70%以上)
では気孔への均一なCu合金含浸が得られた。
度62%以下)では焼結体の下部と上部とでは、気孔への
Cu合金含浸率が大きく異なり、上下部の径が大きく異な
っていたのに対し、密度5.5以上(相対密度70%以上)
では気孔への均一なCu合金含浸が得られた。
また、第6図を参照すると、Fe-C-Cu焼結体に、Cuを
溶浸させた場合の熱伝導率と溶浸率との関係が示されて
いる。
溶浸させた場合の熱伝導率と溶浸率との関係が示されて
いる。
ここで、熱伝導性(率)とは溶浸後の熱伝導率を標準
的な金型材料であるS55Cでの0.14Cal/cm・sec ℃を基準
としている。
的な金型材料であるS55Cでの0.14Cal/cm・sec ℃を基準
としている。
溶浸しない場合と溶浸した場合において、熱伝導率は
60%溶浸率で約2.5倍以上の向上があり、標準的な金型
材料と同等の基準とされた熱伝導率にできることが解
る。
60%溶浸率で約2.5倍以上の向上があり、標準的な金型
材料と同等の基準とされた熱伝導率にできることが解
る。
第7図を参照すると、焼結体の内部の気孔を独立気孔
とし、しかも、金型の成形面部分の表面層を平滑でかつ
気孔を封孔するには、空孔率10%以下とする必要がある
が、溶浸率30%程度では20%程度の気孔が残存し、表面
層の封孔は期待できず、50〜65%以上の溶浸率が必要と
なる。
とし、しかも、金型の成形面部分の表面層を平滑でかつ
気孔を封孔するには、空孔率10%以下とする必要がある
が、溶浸率30%程度では20%程度の気孔が残存し、表面
層の封孔は期待できず、50〜65%以上の溶浸率が必要と
なる。
従って、以上のことから、熱伝導率を向上させしかも
成形面部分の封孔を図るためには、60%以上の溶浸率が
必要なことが解る。
成形面部分の封孔を図るためには、60%以上の溶浸率が
必要なことが解る。
なお、材料9の含浸に際しては、該材料がCu板である
ときは、その融点が1080℃であることから、グリーン体
7A上にCu板を重ねて焼結する過程で封孔処理を行なうこ
ともできる。
ときは、その融点が1080℃であることから、グリーン体
7A上にCu板を重ねて焼結する過程で封孔処理を行なうこ
ともできる。
次に具体的実施例を掲げて説明する。
(1)第2表で示した種々の焼結用金属粉末を用いて、
同表に示したスラリーを調整した。スラリーの配合は、
粉末重量100重量部に対するものである。バインダとし
ては、既述の「バインドセラムWA320」を用い、更に水
又はアルコールを用いた。
同表に示したスラリーを調整した。スラリーの配合は、
粉末重量100重量部に対するものである。バインダとし
ては、既述の「バインドセラムWA320」を用い、更に水
又はアルコールを用いた。
(2)(1)のスラリーを第2図に示す成形枠に注入し
た。成形枠の内径はφ180mmであり、外枠は2分割構造
とした。第2図の破線で示すSはこの2分割構造の合せ
面のスリットを意味する。成形枠のスリット幅(クリア
ランス)は第1表に示した。スラリーを約50mm深さ分注
入した後、加圧プランジャを嵌着し、この状態で予熱し
た。予熱温度は、溶媒が水の場合90℃、アルコール(沸
点76℃)の場合66℃とした。
た。成形枠の内径はφ180mmであり、外枠は2分割構造
とした。第2図の破線で示すSはこの2分割構造の合せ
面のスリットを意味する。成形枠のスリット幅(クリア
ランス)は第1表に示した。スラリーを約50mm深さ分注
入した後、加圧プランジャを嵌着し、この状態で予熱し
た。予熱温度は、溶媒が水の場合90℃、アルコール(沸
点76℃)の場合66℃とした。
(3)スラリーが注入充填され予熱された成形枠を加圧
機に設置し、加熱しながら加圧した。成形圧力は第1表
に示した。加熱温度は、溶媒が水の場合120℃、アルコ
ールの場合60℃とした。
機に設置し、加熱しながら加圧した。成形圧力は第1表
に示した。加熱温度は、溶媒が水の場合120℃、アルコ
ールの場合60℃とした。
加圧開始後約20分で成形型内のスラリー中の水もしく
はアルコールの沸騰は止み、圧力は安定した。この状態
で更に10分間、加熱したまま所定の圧力をかけて保持し
た。
はアルコールの沸騰は止み、圧力は安定した。この状態
で更に10分間、加熱したまま所定の圧力をかけて保持し
た。
加圧開始から30分後、加圧機から成形枠を取り出して
冷却した後、成形枠から粉末成形体を取り出した。成形
体が得られたものについては、これを完全に乾燥して、
相対密度(容積%)を測定した。
冷却した後、成形枠から粉末成形体を取り出した。成形
体が得られたものについては、これを完全に乾燥して、
相対密度(容積%)を測定した。
(4)成形の可否、グリーン体の相対密度を第1表に併
せて記載した。同表中、○は成形可能、△は成形困難、
×は成形不可能を示す。
せて記載した。同表中、○は成形可能、△は成形困難、
×は成形不可能を示す。
尚、(3)に示す完全乾燥剤の成形体の水もしくはア
ルコール残量は成形体容量の7%程度であった。
ルコール残量は成形体容量の7%程度であった。
(5)第2表により、スリット幅(クリアランス)が平
均粒子径の3倍を越える比較例(No.3〜5)については
成形が困難または不可能であったが、3倍以下の他の実
施例については成形体を得ることができた。
均粒子径の3倍を越える比較例(No.3〜5)については
成形が困難または不可能であったが、3倍以下の他の実
施例については成形体を得ることができた。
(6)得られた粉末成形体について、第2表に示す焼結
条件で、焼結炉により焼結させ、このときの焼結体の相
対密度を第2表に併せて示す。
条件で、焼結炉により焼結させ、このときの焼結体の相
対密度を第2表に併せて示す。
なお、焼結条件における時間(第2表の各下段)のう
ち、1/8、1/24等は、焼結温度まで8Hr、24Hrかけて昇温
し、この温度で1Hr保持したことを意味している。
ち、1/8、1/24等は、焼結温度まで8Hr、24Hrかけて昇温
し、この温度で1Hr保持したことを意味している。
(7)焼結体の相対密度が70%以上のものと70%以下の
ものについて、該焼結体上に低融点金属板を重ね合せ、
第2表に示す如く溶浸率60%以上と60%以下の封孔処理
(加熱条件1100℃×1hr)を施し、その溶浸結果、表面
性状、熱伝導性について第2表に示した。
ものについて、該焼結体上に低融点金属板を重ね合せ、
第2表に示す如く溶浸率60%以上と60%以下の封孔処理
(加熱条件1100℃×1hr)を施し、その溶浸結果、表面
性状、熱伝導性について第2表に示した。
尚、ここで「溶浸結果」とは、溶浸後の外観形状の均
一性を評価したもので、×は溶浸後の試料の厚み上、下
位置で径が大きく異なったことを示す。
一性を評価したもので、×は溶浸後の試料の厚み上、下
位置で径が大きく異なったことを示す。
「表面性状」とは、溶浸後の表面空孔の封孔の程度を
評価したもので、×は溶浸後も表面に空孔が顕著に存在
することを示す。
評価したもので、×は溶浸後も表面に空孔が顕著に存在
することを示す。
「熱伝導性」とは、溶浸後の熱伝導率を標準的な金型
材料であるS55Cでの0.14Cal/cm・sec ℃と相対評価した
もので、×は0.14以下であることを示す。
材料であるS55Cでの0.14Cal/cm・sec ℃と相対評価した
もので、×は0.14以下であることを示す。
(発明の効果) 以上説明した通り、本発明によれば、成形枠に、焼結
用金属粉末に有機バインダおよび水又は有機溶剤を添加
混合してなるスラリーを注入して加圧し、スラリー中の
液分をスリットから排出して粉末同士が接触しかつ有機
バインダを介して固形化した金属粉末成形体を作成し、
これを焼結処理して金型とするものであるから、金型の
コスト(原料、製造など全てを含むコスト)は従来の金
属切削金型のコストに比べて大幅に低減できる。
用金属粉末に有機バインダおよび水又は有機溶剤を添加
混合してなるスラリーを注入して加圧し、スラリー中の
液分をスリットから排出して粉末同士が接触しかつ有機
バインダを介して固形化した金属粉末成形体を作成し、
これを焼結処理して金型とするものであるから、金型の
コスト(原料、製造など全てを含むコスト)は従来の金
属切削金型のコストに比べて大幅に低減できる。
更に、多数個取り金型を作る時に本発明ではその単位
の1個分を沢山作ってこれを組合せて多数個取り金型と
することができ、金属ブロックから切削しなければなら
ない従来例の1と比べて大幅にコストダウンした。
の1個分を沢山作ってこれを組合せて多数個取り金型と
することができ、金属ブロックから切削しなければなら
ない従来例の1と比べて大幅にコストダウンした。
また、金型寿命から複数個金型を作って製品を製造し
なくてはならない場合には、反転モデルを再度作る必要
がなくこれもコストダウンとなった。
なくてはならない場合には、反転モデルを再度作る必要
がなくこれもコストダウンとなった。
更に、従来例の2に比較して、金型材料は、制約を受
けることがなく、焼結後において金型特性としての必要
な密度にできる。
けることがなく、焼結後において金型特性としての必要
な密度にできる。
また、焼結用金属粉末が含有されたスラリーを注入す
る成形枠には、線状のスリットを形成すれば足り、成形
枠として通常の金属製型材を任意に使用することができ
る。それ故、成形枠に強度不足を招来することがなく、
また、通常の金型加工手段で成形面を平滑に加工するこ
とができる。
る成形枠には、線状のスリットを形成すれば足り、成形
枠として通常の金属製型材を任意に使用することができ
る。それ故、成形枠に強度不足を招来することがなく、
また、通常の金型加工手段で成形面を平滑に加工するこ
とができる。
従って、成形枠にスラリーを注入して加圧し、スラリ
ー中の液分を前記スリットから排出して脱液することに
より、表面性状が良好でかつ粉末同士が接触した粉末成
形体を容易に得ることができ、また成形枠からの取り出
しも容易となる。
ー中の液分を前記スリットから排出して脱液することに
より、表面性状が良好でかつ粉末同士が接触した粉末成
形体を容易に得ることができ、また成形枠からの取り出
しも容易となる。
また、スリットは、その幅を所定の範囲に特定したの
で、スリットの形成が容易であり、スラリー中の粉体の
流出を防止しつつ、比較的低圧でスラリー中の液分を容
易に排出することができる。
で、スリットの形成が容易であり、スラリー中の粉体の
流出を防止しつつ、比較的低圧でスラリー中の液分を容
易に排出することができる。
更に、相対密度70%以上で気孔を有する焼結体に、低
融点金属材料を60%以上の溶浸率で含浸させ凝固させて
封孔していることから、熱伝導率は焼結体よりなる金型
であっても大幅に向上できるし、成形面部分を鏡面状に
仕上げることができる。
融点金属材料を60%以上の溶浸率で含浸させ凝固させて
封孔していることから、熱伝導率は焼結体よりなる金型
であっても大幅に向上できるし、成形面部分を鏡面状に
仕上げることができる。
第1図は本発明のフローチャートを示す説明図、第2図
は本発明を実施するための成形枠の断面図、第3図は反
転モデルの正面図、第4図は粉末の粒度分布を示すグラ
フ図、第5図(1)および(2)はスリット近傍におけ
る粉末のブリッジ形成状態を示す断面説明図、第6図は
溶浸率と熱伝導率との関係を示すグラフ図、第7図は溶
浸率と気孔(空孔)率との関係を示すグラフ図である。 1……成形枠、3……スリット、6……プランジャ、7A
……粉末成形体、7B……焼結体、7D……成形面部分、7E
……金型本体、9……低融点金属材料。
は本発明を実施するための成形枠の断面図、第3図は反
転モデルの正面図、第4図は粉末の粒度分布を示すグラ
フ図、第5図(1)および(2)はスリット近傍におけ
る粉末のブリッジ形成状態を示す断面説明図、第6図は
溶浸率と熱伝導率との関係を示すグラフ図、第7図は溶
浸率と気孔(空孔)率との関係を示すグラフ図である。 1……成形枠、3……スリット、6……プランジャ、7A
……粉末成形体、7B……焼結体、7D……成形面部分、7E
……金型本体、9……低融点金属材料。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B22D 19/06 A B22F 3/26 A B29C 33/38 8823−4F
Claims (2)
- 【請求項1】被成形物に接して該被成形物を形造る成形
面部分を有する金型本体(7E)が多孔質の金属粉末焼結
体(7B)よりなる金型において、 該金属粉末焼結体(7B)は相対密度が70%以上とされて
気孔部を有し、該気孔部の60%以上に、焼結体(7B)よ
りも抵融点の金属溶湯(9)が含浸されて成形面部分
(7D)の表層が鏡面状に封孔すべく凝固されていること
を特徴とする金属粉末成形体よりなる金型。 - 【請求項2】被成形物に接して該被成形物を形造る成形
面部分を有する金型を製造する方法において、 製品収縮率および焼結収縮率を見込んで大きく形成した
製品相似形状の転写面を有する反転モデルを、スリット
幅Sが焼結用金属粉末の平均粒子径をdとしたとき、10
μm≦S≦3dとされた線状のスリットを有する成形枠内
に仕込み、該成形枠に、焼結用金属粉末に有機バインダ
および水又は有機溶剤を添加混合してなるスラリーを注
入して加圧し、スラリー中の液分をスリットから排出し
て粉末同士が接触しかつ有機バインダを介して固形化し
た金属粉末成形体を作成し、 次に、該金属粉末成形体を焼結して相対密度が70%以上
とされた気孔部を有する金属粉末焼結体を作成するとと
もに、該金属粉末焼結体における気孔部の60%以上に、
該焼結体よりも抵融点の金属溶湯を含浸させて成形面部
分の表層を鏡面状に封孔することを特徴とする金属粉末
成形体よりなる金型の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15996087A JPH0826366B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 金属粉末成形体よりなる金型及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15996087A JPH0826366B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 金属粉末成形体よりなる金型及びその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS644405A JPS644405A (en) | 1989-01-09 |
JPH0826366B2 true JPH0826366B2 (ja) | 1996-03-13 |
Family
ID=15704930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15996087A Expired - Lifetime JPH0826366B2 (ja) | 1987-06-26 | 1987-06-26 | 金属粉末成形体よりなる金型及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0826366B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007520635A (ja) * | 2004-02-04 | 2007-07-26 | ジーケーエヌ シンター メタルズ, インコーポレーテッド | 粉末金属部品のシート材料溶浸 |
JP2006265590A (ja) * | 2005-03-22 | 2006-10-05 | Hmy Ltd | 射出成形焼結体の製造方法および過給機用可動部支持部品 |
US8686290B2 (en) | 2008-12-29 | 2014-04-01 | Prysmian S.P.A. | Submarine electric power transmission cable armour transition |
CN103692662B (zh) * | 2013-12-20 | 2015-10-21 | 大连罗兰泵业有限公司 | 真空模腔柱塞高压浸渍模塑方法及装置 |
CN114619030B (zh) * | 2022-05-13 | 2022-07-29 | 南通尧成机械设备制造有限公司 | 一种硬质合金油压产品模具工装 |
-
1987
- 1987-06-26 JP JP15996087A patent/JPH0826366B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS644405A (en) | 1989-01-09 |
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