JPH06325769A - 固体電解質型燃料電池及び該燃料電池用炭素直接酸化電極 - Google Patents
固体電解質型燃料電池及び該燃料電池用炭素直接酸化電極Info
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- JPH06325769A JPH06325769A JP5132953A JP13295393A JPH06325769A JP H06325769 A JPH06325769 A JP H06325769A JP 5132953 A JP5132953 A JP 5132953A JP 13295393 A JP13295393 A JP 13295393A JP H06325769 A JPH06325769 A JP H06325769A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ガス化工程そのものからも電力を発生させる
固体電解質型燃料電池及びこれに用いる、炭素系燃料を
直接酸化燃焼させる該電極を提供する。 【構成】 炭化バナジウムと炭素系燃料の混合物を有し
てなる固体電解質型燃料電池及び炭化バナジウムを用い
た固体電解質型燃料電池用燃料極。
固体電解質型燃料電池及びこれに用いる、炭素系燃料を
直接酸化燃焼させる該電極を提供する。 【構成】 炭化バナジウムと炭素系燃料の混合物を有し
てなる固体電解質型燃料電池及び炭化バナジウムを用い
た固体電解質型燃料電池用燃料極。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭、木炭などの炭素
系燃料を、ガス化ないし燃料改質工程を別に設けること
なく部分酸化し、この部分酸化反応を燃料電池反応とし
て利用して、生ずる自由エネルギーを電気エネルギーに
変換しうる固体電解質型燃料電池に関する。さらに本発
明は固体電解質型燃料電池において、炭素系燃料を直接
酸化するための触媒作用を有する燃料極に関するもので
ある。
系燃料を、ガス化ないし燃料改質工程を別に設けること
なく部分酸化し、この部分酸化反応を燃料電池反応とし
て利用して、生ずる自由エネルギーを電気エネルギーに
変換しうる固体電解質型燃料電池に関する。さらに本発
明は固体電解質型燃料電池において、炭素系燃料を直接
酸化するための触媒作用を有する燃料極に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】燐酸電解質型、アルカリ電解質型あるい
は固体高分子電解質型等の燃料電池においては、原燃料
である天然ガス、石油、石炭は吸熱反応である改質反応
(I)、(II)と発熱反応(III )を組み合わせてガス
化および改質反応工程を設け、発生した一酸化炭素と水
素の混合ガスをシフト反応(IV)によって全て水素に転
化して用いている。 Cm Hn +mH2 O → mCO + (m+n/2)H2 (I) Cm Hn +mCO2 → 2mCO + n/2H2 (II) Cm Hn +m/2O2 → mCO + n/2H2 (III ) CO + H2 O → H2 + CO2 (IV)
は固体高分子電解質型等の燃料電池においては、原燃料
である天然ガス、石油、石炭は吸熱反応である改質反応
(I)、(II)と発熱反応(III )を組み合わせてガス
化および改質反応工程を設け、発生した一酸化炭素と水
素の混合ガスをシフト反応(IV)によって全て水素に転
化して用いている。 Cm Hn +mH2 O → mCO + (m+n/2)H2 (I) Cm Hn +mCO2 → 2mCO + n/2H2 (II) Cm Hn +m/2O2 → mCO + n/2H2 (III ) CO + H2 O → H2 + CO2 (IV)
【0003】また、高温型燃料電池である溶融炭酸塩型
や固体電解質型燃料電池においては、シフト反応(IV)
は省略できるものの、反応(I)〜(III )により原燃
料を一旦水素、一酸化炭素混合ガスに転化してから導入
している。これら従来の燃料電池においては、原燃料の
ガス化および改質工程と燃料電池工程が別の工程である
ために全システムが複雑となり、熱回収等の効率が低い
という欠点が指摘されていた。
や固体電解質型燃料電池においては、シフト反応(IV)
は省略できるものの、反応(I)〜(III )により原燃
料を一旦水素、一酸化炭素混合ガスに転化してから導入
している。これら従来の燃料電池においては、原燃料の
ガス化および改質工程と燃料電池工程が別の工程である
ために全システムが複雑となり、熱回収等の効率が低い
という欠点が指摘されていた。
【0004】このような欠点を改良するために、最近で
は、吸熱反応である燃料改質工程を、発熱反応を起こす
燃料電池セルスタック内部に組み込むことによって部分
酸化反応(III )を不要とし、反応(III )による燃料
損失分だけでも回収しようとする直接内部改質法が検討
されている。この直接内部改質法においては、従来用い
られてきた主にニッケルからなる電極では活性の低下が
著しく、この活性低下を防ぐためには多量の水を添加す
る必要がある。このため水の蒸発、凝縮にともなう熱の
出入りが生じ、熱交換その他システム全体の効率が著し
く損なわれる。
は、吸熱反応である燃料改質工程を、発熱反応を起こす
燃料電池セルスタック内部に組み込むことによって部分
酸化反応(III )を不要とし、反応(III )による燃料
損失分だけでも回収しようとする直接内部改質法が検討
されている。この直接内部改質法においては、従来用い
られてきた主にニッケルからなる電極では活性の低下が
著しく、この活性低下を防ぐためには多量の水を添加す
る必要がある。このため水の蒸発、凝縮にともなう熱の
出入りが生じ、熱交換その他システム全体の効率が著し
く損なわれる。
【0005】また、前記直接内部改質法は天然ガスにつ
いては検討されてきたものの、より分子量の大きい炭化
水素燃料、ナフサや石炭についてはこれまで検討されて
いない。この理由は、ナフサ等の長鎖の炭化水素では炭
素の析出が著しく、たとえ多量の水蒸気を導入してもニ
ッケル燃料極の被毒失活を防げないことにあった。した
がって、ナフサ等よりも炭素比率の高い石炭において
は、これを原燃料として、直接内部改質法を行うことは
当然不可能であろうと考えられてきた。さらに、石炭を
燃料にする場合、従来の石炭ガス化法の操作条件は、も
っとも高温の燃料電池である固体電解質型燃料電池より
もはるかに高温高圧であり、石炭ガス化工程と燃料電池
工程を切り放して別個のプラントとして発電システムを
構成する必要があった。そのため固体電解質型燃料電池
の発熱を石炭ガス化の吸熱にフィードバックして有効利
用するなどの方法が採用できず、天然ガス等を用いる場
合に比べ低い発電効率しか実現できていない。
いては検討されてきたものの、より分子量の大きい炭化
水素燃料、ナフサや石炭についてはこれまで検討されて
いない。この理由は、ナフサ等の長鎖の炭化水素では炭
素の析出が著しく、たとえ多量の水蒸気を導入してもニ
ッケル燃料極の被毒失活を防げないことにあった。した
がって、ナフサ等よりも炭素比率の高い石炭において
は、これを原燃料として、直接内部改質法を行うことは
当然不可能であろうと考えられてきた。さらに、石炭を
燃料にする場合、従来の石炭ガス化法の操作条件は、も
っとも高温の燃料電池である固体電解質型燃料電池より
もはるかに高温高圧であり、石炭ガス化工程と燃料電池
工程を切り放して別個のプラントとして発電システムを
構成する必要があった。そのため固体電解質型燃料電池
の発熱を石炭ガス化の吸熱にフィードバックして有効利
用するなどの方法が採用できず、天然ガス等を用いる場
合に比べ低い発電効率しか実現できていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の問題の解決策の
一つとして、石炭ガス化装置と燃料電池を一体化した複
合プラント化することが考えられる。そのためには、石
炭を直接導入できる燃料電池もしくは石炭ガス化装置内
に設置できる燃料電池が必要となる。さらに、この様な
燃料電池の燃料極として、石炭に直接触れても前記ニッ
ケル電極のように炭素によって被毒失活されない、新し
い材料からなる燃料極を必要とする。しかし、従来、こ
のような要求を満足する燃料極は開発されていない。
一つとして、石炭ガス化装置と燃料電池を一体化した複
合プラント化することが考えられる。そのためには、石
炭を直接導入できる燃料電池もしくは石炭ガス化装置内
に設置できる燃料電池が必要となる。さらに、この様な
燃料電池の燃料極として、石炭に直接触れても前記ニッ
ケル電極のように炭素によって被毒失活されない、新し
い材料からなる燃料極を必要とする。しかし、従来、こ
のような要求を満足する燃料極は開発されていない。
【0007】本発明は、炭素によって被毒されない電極
の材料及びそれを有してなる電極を提供することを目的
とする。また、本発明は従来高い発電効率を得ることが
困難であった石炭等の炭素系燃料に対して、ガス化工程
を別に行うことなく直接酸化燃焼反応を行うことがで
き、ガス化工程そのものからも電力を発生させ得る効率
の高い固体電解質型燃料電池を提供することを目的とす
る。さらに本発明は、少量の水蒸気を導入ですむか若し
くは水蒸気を導入する必要のない直接内部改質型燃料電
池を提供することを目的とする。
の材料及びそれを有してなる電極を提供することを目的
とする。また、本発明は従来高い発電効率を得ることが
困難であった石炭等の炭素系燃料に対して、ガス化工程
を別に行うことなく直接酸化燃焼反応を行うことがで
き、ガス化工程そのものからも電力を発生させ得る効率
の高い固体電解質型燃料電池を提供することを目的とす
る。さらに本発明は、少量の水蒸気を導入ですむか若し
くは水蒸気を導入する必要のない直接内部改質型燃料電
池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、石炭などの炭
素質燃料を用いる固体電解質型燃料電池の燃料極の材料
として、炭化バナジウムが被毒失活されずに使用できる
ことを見い出した。さらに、固体電解質型燃料電池を円
筒型とすれば石炭粉末のような固体状の燃料も直接導入
でき、固体状燃料のガス化過程そのものの部分酸化反応
を燃料電池発電反応とする燃料ガス化−燃料電池複合反
応系ができることを見い出した。本発明はこれらの知見
に基づきなされるに至ったものである。
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、石炭などの炭
素質燃料を用いる固体電解質型燃料電池の燃料極の材料
として、炭化バナジウムが被毒失活されずに使用できる
ことを見い出した。さらに、固体電解質型燃料電池を円
筒型とすれば石炭粉末のような固体状の燃料も直接導入
でき、固体状燃料のガス化過程そのものの部分酸化反応
を燃料電池発電反応とする燃料ガス化−燃料電池複合反
応系ができることを見い出した。本発明はこれらの知見
に基づきなされるに至ったものである。
【0009】すなわち本発明は、(1)燃料極に炭化バ
ナジウムを用いたことを特徴とする固体電解質型燃料電
池、(2)燃料極に用いた炭化バナジウムと炭素系燃料
を電極及び燃料とすることを特徴とする(1)項記載の
燃料電池、(3)天然ガス又はナフサを改質することを
特徴とする(2)項記載の燃料電池、(4)炭素系燃料
が石炭であり、石炭の部分酸化反応及びガス化反応を燃
料電池の発電反応とすることを特徴とした(2)項記載
の燃料電池、及び(5)炭化バナジウムを含有してなる
ことを特徴とする固体電解質型燃料電池用燃料極を提供
するものである。
ナジウムを用いたことを特徴とする固体電解質型燃料電
池、(2)燃料極に用いた炭化バナジウムと炭素系燃料
を電極及び燃料とすることを特徴とする(1)項記載の
燃料電池、(3)天然ガス又はナフサを改質することを
特徴とする(2)項記載の燃料電池、(4)炭素系燃料
が石炭であり、石炭の部分酸化反応及びガス化反応を燃
料電池の発電反応とすることを特徴とした(2)項記載
の燃料電池、及び(5)炭化バナジウムを含有してなる
ことを特徴とする固体電解質型燃料電池用燃料極を提供
するものである。
【0010】次に本発明を詳細に説明する。本発明で炭
素系燃料とは、黒鉛等の炭素燃料のほか、石炭、天然ガ
ス及びナフサ等の一般の炭化水素燃料をいう。本発明に
おいて固体電解質型燃料電池の固体電解質としてはジル
コニアが好ましく、特にイットリア安定化ジルコニアが
好ましい。本発明を図示の実施態様に従って説明する
と、図1は本発明に係る炭素直接酸化固体電解質型燃料
電池の断面図であり、図2は図1の燃料電池における種
々の電極活性の測定結果を示す。測定は図1に示したよ
うに、イットリア安定化ジルコニアのチューブ(1)
に、黒鉛の粉末と測定対象化合物の粉末混合物(2)を
入れ、黒鉛の棒(6)で抑え集電するようにした燃料電
池により行った。チューブ(1)の外側には空気用の電
極(対極)(4)として白金が塗られている。(3)は
混合物(2)を押圧する黒鉛のペレット、(5)は参照
極、(7)はアルミナチューブである。この燃料電池に
よれば、空気側で酸素が酸化物イオンに転化され、ジル
コニア中を拡散し、黒鉛側で反応して黒鉛を酸化する。
すなわち、下記反応(V)、(VI)が空気側と燃料側で
それぞれ進行し、その自由エネルギーの一部が電気とし
て発生している。ここで一酸化炭素の発生はガスクロマ
トグラフィーで測定した。 O2 + 4e- → 2O2- (V) O2- + C → CO (VI)
素系燃料とは、黒鉛等の炭素燃料のほか、石炭、天然ガ
ス及びナフサ等の一般の炭化水素燃料をいう。本発明に
おいて固体電解質型燃料電池の固体電解質としてはジル
コニアが好ましく、特にイットリア安定化ジルコニアが
好ましい。本発明を図示の実施態様に従って説明する
と、図1は本発明に係る炭素直接酸化固体電解質型燃料
電池の断面図であり、図2は図1の燃料電池における種
々の電極活性の測定結果を示す。測定は図1に示したよ
うに、イットリア安定化ジルコニアのチューブ(1)
に、黒鉛の粉末と測定対象化合物の粉末混合物(2)を
入れ、黒鉛の棒(6)で抑え集電するようにした燃料電
池により行った。チューブ(1)の外側には空気用の電
極(対極)(4)として白金が塗られている。(3)は
混合物(2)を押圧する黒鉛のペレット、(5)は参照
極、(7)はアルミナチューブである。この燃料電池に
よれば、空気側で酸素が酸化物イオンに転化され、ジル
コニア中を拡散し、黒鉛側で反応して黒鉛を酸化する。
すなわち、下記反応(V)、(VI)が空気側と燃料側で
それぞれ進行し、その自由エネルギーの一部が電気とし
て発生している。ここで一酸化炭素の発生はガスクロマ
トグラフィーで測定した。 O2 + 4e- → 2O2- (V) O2- + C → CO (VI)
【0011】図2において、横軸は空気を基準とした電
位であり、縦軸は電池から取り出した電流を示し、大き
な電流が得られるほど発電効率が高いことを示す。図2
から、ほとんどの化合物において電流を取り出すこと自
体は可能であることがわかる。しかし、炭化バナジウム
を用いると、他の測定した化合物の場合よりも著しく大
きな電流が得られており、これを電極に用いると高い発
電効率が得られることが示されている。本発明の燃料極
において炭化バナジウムを用いるとは炭素系燃料ととも
に含有させることをいい、炭化バナジウムと炭素系燃料
の混合割合は特に制限はないが、炭化バナジウムが多い
方が好ましい。炭化バナジウムと炭素系燃料の合計に対
し炭化バナジウムは通常40重量%以上、好ましくは5
0重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
本発明の他の実施態様を述べると、図1に対して、燃料
極を外側、空気極を内側として、逆転させた構造とする
ことができる。例えば、イットリア安定化ジルコニアチ
ューブを固体電解質とし、その内側内壁に白金、銀、ペ
ロブスカイトなどで空気極用電極を設ける。空気極側に
空気もしくは濃厚酸素を供給し、ジルコニアチューブの
外側に炭化バナジウム粉末を石炭粉末中に分散させた燃
料−電極混合粉末を所定容器に維持して設けることによ
って、炭素直接酸化燃料電池単セルを構成する。この
時、チューブの内側に供給された酸素は酸化物イオンと
なり、ジルコニアチューブを透過して外側の石炭粉末を
酸化し、この酸化反応の自由エネルギーが電力として取
り出される。さらにこの単セルを電気的接続材、インタ
ーコネクトで直並列に接続して電池束、バンドルを構成
してもよく、このバンドルを容器内に設置し、チューブ
の内側に空気を外側に粉末石炭を供給することにより石
炭ガス化装置−燃料電池とすることもできる。
位であり、縦軸は電池から取り出した電流を示し、大き
な電流が得られるほど発電効率が高いことを示す。図2
から、ほとんどの化合物において電流を取り出すこと自
体は可能であることがわかる。しかし、炭化バナジウム
を用いると、他の測定した化合物の場合よりも著しく大
きな電流が得られており、これを電極に用いると高い発
電効率が得られることが示されている。本発明の燃料極
において炭化バナジウムを用いるとは炭素系燃料ととも
に含有させることをいい、炭化バナジウムと炭素系燃料
の混合割合は特に制限はないが、炭化バナジウムが多い
方が好ましい。炭化バナジウムと炭素系燃料の合計に対
し炭化バナジウムは通常40重量%以上、好ましくは5
0重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。
本発明の他の実施態様を述べると、図1に対して、燃料
極を外側、空気極を内側として、逆転させた構造とする
ことができる。例えば、イットリア安定化ジルコニアチ
ューブを固体電解質とし、その内側内壁に白金、銀、ペ
ロブスカイトなどで空気極用電極を設ける。空気極側に
空気もしくは濃厚酸素を供給し、ジルコニアチューブの
外側に炭化バナジウム粉末を石炭粉末中に分散させた燃
料−電極混合粉末を所定容器に維持して設けることによ
って、炭素直接酸化燃料電池単セルを構成する。この
時、チューブの内側に供給された酸素は酸化物イオンと
なり、ジルコニアチューブを透過して外側の石炭粉末を
酸化し、この酸化反応の自由エネルギーが電力として取
り出される。さらにこの単セルを電気的接続材、インタ
ーコネクトで直並列に接続して電池束、バンドルを構成
してもよく、このバンドルを容器内に設置し、チューブ
の内側に空気を外側に粉末石炭を供給することにより石
炭ガス化装置−燃料電池とすることもできる。
【0012】
【作用】この炭化バナジウムの作用を解明するために、
熱力学的な解析を行った。すなわち、上記ジルコニアを
用いた燃料電池燃料極側において、炭化バナジウムの存
在形態を熱力学平衡計算により推定した。図3は酸素分
圧の対数を横軸に、一酸化炭素の対数を縦軸にとった場
合の1000℃でのV-C-O 系の相平衡図を示している。
この相平衡図によれば、酸素分圧10-10atm付近から高
酸素分圧側へとV2 O3, V3O5, V4O7, V5O9, V10O19, V2O4
のような酸化物相が次々と出現する。したがってこの平
衡計算から、ジルコニアを透過した酸化物イオンは、炭
素ではなく炭化バナジウムを酸化している可能性が高い
ことが推測される。
熱力学的な解析を行った。すなわち、上記ジルコニアを
用いた燃料電池燃料極側において、炭化バナジウムの存
在形態を熱力学平衡計算により推定した。図3は酸素分
圧の対数を横軸に、一酸化炭素の対数を縦軸にとった場
合の1000℃でのV-C-O 系の相平衡図を示している。
この相平衡図によれば、酸素分圧10-10atm付近から高
酸素分圧側へとV2 O3, V3O5, V4O7, V5O9, V10O19, V2O4
のような酸化物相が次々と出現する。したがってこの平
衡計算から、ジルコニアを透過した酸化物イオンは、炭
素ではなく炭化バナジウムを酸化している可能性が高い
ことが推測される。
【0013】酸化された炭化バナジウムは上記酸化バナ
ジウム(VOX )に転化し、この時、反応(VI)のかわり
に、反応(VII )が進行する。生成した酸化バナジウム
は共存する炭素により反応(VIII)で還元されて炭化バ
ナジウムに戻り、リサイクルされることによって燃料電
池反応が進行しているものと推測される。 VC + (X+1) O2- → VOx + CO + 2(X+1)e- (VII ) VOx + (X+1) C → VC + X CO (VIII)
ジウム(VOX )に転化し、この時、反応(VI)のかわり
に、反応(VII )が進行する。生成した酸化バナジウム
は共存する炭素により反応(VIII)で還元されて炭化バ
ナジウムに戻り、リサイクルされることによって燃料電
池反応が進行しているものと推測される。 VC + (X+1) O2- → VOx + CO + 2(X+1)e- (VII ) VOx + (X+1) C → VC + X CO (VIII)
【0014】この概念図を図4に示す。炭化バナジウム
電極は、ジルコニア固体電解質中を通ってきた酸化物イ
オンと反応してバナジウム酸化物となり、ついでこの酸
化物が燃料の炭素に酸素を供給し酸化反応を促進させ
る。酸素を提供した後の酸化バナジウムは再び炭化物と
なる。
電極は、ジルコニア固体電解質中を通ってきた酸化物イ
オンと反応してバナジウム酸化物となり、ついでこの酸
化物が燃料の炭素に酸素を供給し酸化反応を促進させ
る。酸素を提供した後の酸化バナジウムは再び炭化物と
なる。
【0015】従来のニッケル等の燃料用電極は、それ自
身が酸化還元によって変化することなく燃料の酸化を促
進し、電荷を移動させ集電する作用を有していた。しか
し、本発明による炭化バナジウム電極では、燃料の酸化
が炭化バナジウムの酸化還元反応を介して行われると考
えられる。換言すると、ジルコニアの表面と集電用に用
いた黒鉛の棒が電極であり、炭化バナジウムはむしろ燃
料として作用しているとも表現できる。炭化バナジウム
の作用がこの様にそれ自身炭素、酸素と反応することに
あるから、ニッケル電極の様に、炭素と接触することで
変質されたり、形態変化を起こされて被毒失活する事が
ない。
身が酸化還元によって変化することなく燃料の酸化を促
進し、電荷を移動させ集電する作用を有していた。しか
し、本発明による炭化バナジウム電極では、燃料の酸化
が炭化バナジウムの酸化還元反応を介して行われると考
えられる。換言すると、ジルコニアの表面と集電用に用
いた黒鉛の棒が電極であり、炭化バナジウムはむしろ燃
料として作用しているとも表現できる。炭化バナジウム
の作用がこの様にそれ自身炭素、酸素と反応することに
あるから、ニッケル電極の様に、炭素と接触することで
変質されたり、形態変化を起こされて被毒失活する事が
ない。
【0016】次に前記炭化バナジウム電極を有する固体
電解質型燃料電池に炭素系燃料を適用した場合の作用
を、石炭の場合を例に述べる。炭化バナジウムと石炭粉
末を混合した燃料と電極の複合系を円筒型固体電解質型
燃料電池の燃料極側に供給し、空気を対極側に供給する
ことにより、反応(VII )、(VIII)を介して、反応
(IX)、(X)よりなる燃料電池を構成できる。 Cm Hn + mO2- → mCO + n/2H2 + 2me- (IX) m/2O2 + 2me- → mO2- (X)
電解質型燃料電池に炭素系燃料を適用した場合の作用
を、石炭の場合を例に述べる。炭化バナジウムと石炭粉
末を混合した燃料と電極の複合系を円筒型固体電解質型
燃料電池の燃料極側に供給し、空気を対極側に供給する
ことにより、反応(VII )、(VIII)を介して、反応
(IX)、(X)よりなる燃料電池を構成できる。 Cm Hn + mO2- → mCO + n/2H2 + 2me- (IX) m/2O2 + 2me- → mO2- (X)
【0017】ここで、反応(X)に引き続きなぜ反応
(XI)が進行しないかについては、仮に一酸化炭素が炭
酸ガスまで酸化されても(XI)、過剰に存在する炭素に
より反応(XII )が起こり、再度一酸化炭素に還元され
るからであると考えられる。 CO+O2- → CO2 +2e- (XI) CO2 +C → 2CO (XII )
(XI)が進行しないかについては、仮に一酸化炭素が炭
酸ガスまで酸化されても(XI)、過剰に存在する炭素に
より反応(XII )が起こり、再度一酸化炭素に還元され
るからであると考えられる。 CO+O2- → CO2 +2e- (XI) CO2 +C → 2CO (XII )
【0018】したがって、本発明の燃料電池は、石炭ガ
ス化反応における部分酸化反応(III )を燃料電池反応
としたことに相当する。すなわち、この燃料電池の生産
物は電力及び石炭ガスである。換言すると、石炭ガス化
装置を燃料電池化した燃料電池であり、石炭ガス化工程
からも電力を発生させることにより、石炭ガス化−燃料
電池システムにおける高効率化を図ることができる。
ス化反応における部分酸化反応(III )を燃料電池反応
としたことに相当する。すなわち、この燃料電池の生産
物は電力及び石炭ガスである。換言すると、石炭ガス化
装置を燃料電池化した燃料電池であり、石炭ガス化工程
からも電力を発生させることにより、石炭ガス化−燃料
電池システムにおける高効率化を図ることができる。
【0019】さらに、石炭粉末−炭化バナジウム粉末の
代わりに、炭化バナジウムのみを充填した同様の装置に
天然ガス等の気体系燃料を直接導入しても、上記した作
用に基づき、反応(V)(VI)による燃料電池が構成さ
れ得ることは明らかである。この燃料電池では水蒸気を
多量に供給しなくても炭化バナジウムの電極性能が失わ
れることがないので、水蒸気導入なしの直接改質が可能
になる。
代わりに、炭化バナジウムのみを充填した同様の装置に
天然ガス等の気体系燃料を直接導入しても、上記した作
用に基づき、反応(V)(VI)による燃料電池が構成さ
れ得ることは明らかである。この燃料電池では水蒸気を
多量に供給しなくても炭化バナジウムの電極性能が失わ
れることがないので、水蒸気導入なしの直接改質が可能
になる。
【0020】
【実施例】次に本発明を実施例に基づきさらに詳細に説
明する。 実施例1 燃料電池の一実施例を図1に従って構成した。この電池
では、固体電解質としてY2O3(イットリア)で安定化し
たジルコニア(Y2O3 8mol% 添加) を使用した。このジル
コニアの一端封じのチューブ(長さ約300mm 、直径21m
m、厚さ約2mm )(1)に炭化バナジウム約3gと黒鉛
約3gの混合粉末(2)を入れ、黒鉛のペレット(3)
で粉末(2)を押しつけた。一旦封じジルコニアチュー
ブ(1)の下部外表面には白金ペーストを塗布し、対極
(カソード)(4)とした。参照極(5)はジルコニア
チューブの側壁表面に白金線を巻き付け、空気を基準と
した。作用極(アノード)はジルコニアチューブ内部に
入れた炭化バナジウム−黒鉛混合物(2)であり、その
電極面積は約3cm2である。白金線は炭素に対する耐性が
ないので、作用極の集電のために黒鉛のロッド(6)を
使用した。燃料電池セルの昇温中及び電気化学測定中
は、内部のガスを排気するためにキャリヤーガスとして
Ar(アルゴン)を約60ml/minの割合で流した。(7)
は、黒鉛ロッド保護のためのアルミナチューブである。
さらに、比較のために燃料極の組成を変えた燃料電池を
構成した。
明する。 実施例1 燃料電池の一実施例を図1に従って構成した。この電池
では、固体電解質としてY2O3(イットリア)で安定化し
たジルコニア(Y2O3 8mol% 添加) を使用した。このジル
コニアの一端封じのチューブ(長さ約300mm 、直径21m
m、厚さ約2mm )(1)に炭化バナジウム約3gと黒鉛
約3gの混合粉末(2)を入れ、黒鉛のペレット(3)
で粉末(2)を押しつけた。一旦封じジルコニアチュー
ブ(1)の下部外表面には白金ペーストを塗布し、対極
(カソード)(4)とした。参照極(5)はジルコニア
チューブの側壁表面に白金線を巻き付け、空気を基準と
した。作用極(アノード)はジルコニアチューブ内部に
入れた炭化バナジウム−黒鉛混合物(2)であり、その
電極面積は約3cm2である。白金線は炭素に対する耐性が
ないので、作用極の集電のために黒鉛のロッド(6)を
使用した。燃料電池セルの昇温中及び電気化学測定中
は、内部のガスを排気するためにキャリヤーガスとして
Ar(アルゴン)を約60ml/minの割合で流した。(7)
は、黒鉛ロッド保護のためのアルミナチューブである。
さらに、比較のために燃料極の組成を変えた燃料電池を
構成した。
【0021】以上の燃料電池及び条件下で測定された燃
料電池セルの電流−電圧特性を図2及び図5に示す。図
2は前記混合粉末(2)中の炭化バナジウムを他の炭化
物等量に代えた場合及び黒鉛のみにした場合の各電池の
測定結果を本発明の場合と一緒に示したものである。図
5は前記炭化バナジウムと黒鉛の混合粉末(2)の代わ
りに黒鉛粉末のみ、又は太平洋炭の粉末のみとした場合
の各電池の試験結果である。測定にはポテンシオスタッ
ト(定電位規制装置)を用いて、電位を一定時間(30
秒)保持しておき、その電位での電流値をプロットし
た。図2から明らかなように、一般に炭化物粉末を電極
として黒鉛に混合した場合は、黒鉛のみを使用した場合
に比べて高い電流値を示した。数種の炭化物電極のなか
でも、特に炭化バナジウムは高い電流値を示し、約500m
V アノーディック(酸化方向)に分極した地点から急激
な電流値の増大が観測された。最大の電流値は約1000mA
であった。これらから、炭化バナジウムを使用した際に
は、明らかに顕著な電流値の上昇が起こり、発電効率が
高いことがわかる。また図5より、黒鉛に炭化バナジウ
ムを併用することによりはじめて高電流値を達成できる
ことがわかる。
料電池セルの電流−電圧特性を図2及び図5に示す。図
2は前記混合粉末(2)中の炭化バナジウムを他の炭化
物等量に代えた場合及び黒鉛のみにした場合の各電池の
測定結果を本発明の場合と一緒に示したものである。図
5は前記炭化バナジウムと黒鉛の混合粉末(2)の代わ
りに黒鉛粉末のみ、又は太平洋炭の粉末のみとした場合
の各電池の試験結果である。測定にはポテンシオスタッ
ト(定電位規制装置)を用いて、電位を一定時間(30
秒)保持しておき、その電位での電流値をプロットし
た。図2から明らかなように、一般に炭化物粉末を電極
として黒鉛に混合した場合は、黒鉛のみを使用した場合
に比べて高い電流値を示した。数種の炭化物電極のなか
でも、特に炭化バナジウムは高い電流値を示し、約500m
V アノーディック(酸化方向)に分極した地点から急激
な電流値の増大が観測された。最大の電流値は約1000mA
であった。これらから、炭化バナジウムを使用した際に
は、明らかに顕著な電流値の上昇が起こり、発電効率が
高いことがわかる。また図5より、黒鉛に炭化バナジウ
ムを併用することによりはじめて高電流値を達成できる
ことがわかる。
【0022】実施例2 前記実施例1において作成した、炭化バナジウム粉末及
び黒鉛粉末の混合物を有してなる燃料電池について、電
池から排出されるガスをガスクロマトグラフィーによっ
て分析し、電流−電圧曲線との対比を行った。排出ガス
中に含まれるCO(一酸化炭素)の体積分率と出力電流
との関係を図6に示す。電池の構造上、電極/電解質界
面においてCO2 が生成しても炭素燃料中を通過する際
に、前記反応(XII )が起こり、COのみしか検出され
なかった。
び黒鉛粉末の混合物を有してなる燃料電池について、電
池から排出されるガスをガスクロマトグラフィーによっ
て分析し、電流−電圧曲線との対比を行った。排出ガス
中に含まれるCO(一酸化炭素)の体積分率と出力電流
との関係を図6に示す。電池の構造上、電極/電解質界
面においてCO2 が生成しても炭素燃料中を通過する際
に、前記反応(XII )が起こり、COのみしか検出され
なかった。
【0023】しかしながら、炭素の酸化燃焼によって生
成した全電気エネルギー量(クーロン量)は、(XII )
式の反応が起こっても変化しない。よってCOの生成量
から取り出されるべきクーロン電気量を計算し、図6に
プロットした。これから、測定値と計算値にはほぼ相関
関係があることがわかる。したがって、本燃料電池での
出力電流は炭素の酸化燃焼によるものであることがわか
る。 実施例3 燃料極として炭化バナジウム約3gと太平洋炭約3gの
混合粉末を用いた以外は実施例1と全く同様にして、電
池を構成した。Ar(アルゴン)をキャリヤーガスとし
て約60ml/minの割合でセル中に流し、1273
Kにおいてポテンシオスタットによって電位を一定時間
(30秒)保持しておき、その電位での電流値を測定し
たところ、最大で900mAの電流値が得られた。空気
に対する電位約−100mV(約900mVアノーディ
ックに分極した電位)で約800mAの電流値が得られ
た。電流−電圧曲線はほぼ直線状の形を示した。
成した全電気エネルギー量(クーロン量)は、(XII )
式の反応が起こっても変化しない。よってCOの生成量
から取り出されるべきクーロン電気量を計算し、図6に
プロットした。これから、測定値と計算値にはほぼ相関
関係があることがわかる。したがって、本燃料電池での
出力電流は炭素の酸化燃焼によるものであることがわか
る。 実施例3 燃料極として炭化バナジウム約3gと太平洋炭約3gの
混合粉末を用いた以外は実施例1と全く同様にして、電
池を構成した。Ar(アルゴン)をキャリヤーガスとし
て約60ml/minの割合でセル中に流し、1273
Kにおいてポテンシオスタットによって電位を一定時間
(30秒)保持しておき、その電位での電流値を測定し
たところ、最大で900mAの電流値が得られた。空気
に対する電位約−100mV(約900mVアノーディ
ックに分極した電位)で約800mAの電流値が得られ
た。電流−電圧曲線はほぼ直線状の形を示した。
【0024】
【発明の効果】本発明の固体電解質型燃料電池によれ
ば、炭素系燃料のガス化工程そのものからも電力を発生
させることができるために、発電効率を大幅に向上させ
ることができる。さらに、石炭、木炭及び天然ガス等の
炭素系燃料をガス化することなく直接酸化して改質する
ことができる。本発明の炭化バナジウムを含有してなる
電極は、炭素を直接酸化燃焼するような固体電解質型燃
料電池において十分な触媒活性的挙動を示し、電池の発
電力を著しく増大させることができる。さらに、電流値
の増大だけでなく、炭素系燃料を改質工程なしに直接酸
化する燃料電池に用いられて、発電特性を顕著に増大さ
せることができる。
ば、炭素系燃料のガス化工程そのものからも電力を発生
させることができるために、発電効率を大幅に向上させ
ることができる。さらに、石炭、木炭及び天然ガス等の
炭素系燃料をガス化することなく直接酸化して改質する
ことができる。本発明の炭化バナジウムを含有してなる
電極は、炭素を直接酸化燃焼するような固体電解質型燃
料電池において十分な触媒活性的挙動を示し、電池の発
電力を著しく増大させることができる。さらに、電流値
の増大だけでなく、炭素系燃料を改質工程なしに直接酸
化する燃料電池に用いられて、発電特性を顕著に増大さ
せることができる。
【図1】本発明の固体電解質型燃料電池の一実施態様を
示す断面図である。
示す断面図である。
【図2】数種類の炭化物を炭素直接酸化電極として使用
した固体電解質型燃料電池をアノーディック(酸化方
向)に分極した際の電流−電圧特性曲線である。
した固体電解質型燃料電池をアノーディック(酸化方
向)に分極した際の電流−電圧特性曲線である。
【図3】酸素分圧の対数を横軸に、一酸化炭素分圧の対
数を縦軸にとったV-C-O 系の1273K における相平衡図で
ある。
数を縦軸にとったV-C-O 系の1273K における相平衡図で
ある。
【図4】炭化バナジウム電極とイットリア安定化ジルコ
ニア電解質との界面での酸化反応の概念図である。
ニア電解質との界面での酸化反応の概念図である。
【図5】炭化バナジウムと黒鉛、黒鉛又は太平洋炭を炭
素直接酸化電極として使用した固体電解質型燃料電池を
アノーディックに分極した際の電流−電圧特性曲線であ
る。
素直接酸化電極として使用した固体電解質型燃料電池を
アノーディックに分極した際の電流−電圧特性曲線であ
る。
【図6】炭化バナジウム電極を使用した固体電解質型燃
料電池において、排出される一酸化炭素ガス濃度と取り
出し電流との関係を示したグラフである。
料電池において、排出される一酸化炭素ガス濃度と取り
出し電流との関係を示したグラフである。
1 イットリア安定化ジルコニアチューブ 2 炭化バナジウムと黒鉛の混合粉末粉末 3 黒鉛ペレット 4 白金ペースト対極(カソード) 5 白金線参照極 6 黒鉛ロッド 7 黒鉛ロッド保護のためのアルミナチューブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横川 晴美 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 土器屋 正之 茨城県つくば市東1丁目1番 工業技術院 物質工学工業技術研究所内
Claims (5)
- 【請求項1】 燃料極に炭化バナジウムを用いたことを
特徴とする固体電解質型燃料電池。 - 【請求項2】 燃料極に用いた炭化バナジウムと炭素系
燃料を電極及び燃料とすることを特徴とする請求項1記
載の燃料電池。 - 【請求項3】 天然ガス又はナフサを改質することを特
徴とする請求項2記載の燃料電池。 - 【請求項4】 炭素系燃料が石炭であり、石炭の部分酸
化反応及びガス化反応を燃料電池の発電反応とすること
を特徴とした請求項2記載の燃料電池。 - 【請求項5】 炭化バナジウムを含有してなることを特
徴とする固体電解質型燃料電池用燃料極。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5132953A JP2560232B2 (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 固体電解質型燃料電池及び該燃料電池用炭素直接酸化電極 |
GB9405913A GB2278010B (en) | 1993-05-11 | 1994-03-24 | A solid oxide fuel cell and a carbon direct-oxidizing-type electrode for the fuel cell |
US08/978,143 US6183896B1 (en) | 1993-05-11 | 1997-11-25 | Solid oxide fuel cell and a carbon direct-oxidizing-type electrode for the fuel cell |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5132953A JP2560232B2 (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 固体電解質型燃料電池及び該燃料電池用炭素直接酸化電極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06325769A true JPH06325769A (ja) | 1994-11-25 |
JP2560232B2 JP2560232B2 (ja) | 1996-12-04 |
Family
ID=15093363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5132953A Expired - Lifetime JP2560232B2 (ja) | 1993-05-11 | 1993-05-11 | 固体電解質型燃料電池及び該燃料電池用炭素直接酸化電極 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2560232B2 (ja) |
GB (1) | GB2278010B (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007538379A (ja) * | 2004-05-19 | 2007-12-27 | エスアールアイ インターナショナル | 液状アノードの電気化学的電池 |
JP2009152014A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Tokyo Institute Of Technology | 固体酸化物型電池 |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999045607A1 (en) * | 1998-03-03 | 1999-09-10 | Celltech Power, Llc | A carbon-oxygen electricity-generating unit |
NL1008832C2 (nl) | 1998-04-07 | 1999-10-08 | Univ Delft Tech | Werkwijze voor het omzetten van een koolstofomvattend materiaal, een werkwijze voor het bedrijven van een brandstofcel en een werkwijze voor het bedrijven van een brandstofcelstapel. |
AU2001253649A1 (en) | 2000-04-18 | 2001-10-30 | Celltech Power, Inc. | An electrochemical device and methods for energy conversion |
WO2003044887A2 (en) | 2001-11-20 | 2003-05-30 | Celltech Power, Inc. | An electrochemical system and methods for control thereof |
US7943270B2 (en) | 2003-06-10 | 2011-05-17 | Celltech Power Llc | Electrochemical device configurations |
WO2004112175A2 (en) | 2003-06-10 | 2004-12-23 | Celltech Power, Inc. | Oxidation facilitator |
US7799472B2 (en) * | 2005-05-16 | 2010-09-21 | Turgut M. Gür | High temperature direct coal fuel cell |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE1596166C3 (de) * | 1964-06-12 | 1975-02-20 | Licentia Patent-Verwaltungs-Gmbh, 6000 Frankfurt | Verfahren zur Herstellung von Elektroden für Brennstoffelemente mit saurem Elektrolyten |
DE1496176C3 (de) * | 1964-06-12 | 1975-02-27 | Licentia Patent-Verwaltungs-Gmbh, 6000 Frankfurt | Katalysatoren für Brennstoffelektroden von Brennstoffelementen mit saurem Elektrolyten |
GB1234014A (ja) * | 1968-04-04 | 1971-06-03 | ||
DE1771996B2 (de) * | 1968-08-14 | 1976-04-01 | Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart | Verfahren zur herstellung von oberflaechenreichen hartstoffen und deren verwendung |
DE2063350A1 (de) * | 1970-06-04 | 1972-06-29 | Bosch Gmbh Robert | Verfahren zur Herstellung von Brennstoffelektroden für elektrochemische Systeme, insbesondere für Brennstoffzellen |
DE2334709C3 (de) * | 1973-07-07 | 1981-12-24 | Robert Bosch Gmbh, 7000 Stuttgart | Brennstoffelektrode für die anodische Oxidation von Formaldehyd in elektrochemischen Brennstoffzellen |
-
1993
- 1993-05-11 JP JP5132953A patent/JP2560232B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1994
- 1994-03-24 GB GB9405913A patent/GB2278010B/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007538379A (ja) * | 2004-05-19 | 2007-12-27 | エスアールアイ インターナショナル | 液状アノードの電気化学的電池 |
JP2009152014A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Tokyo Institute Of Technology | 固体酸化物型電池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
GB2278010A (en) | 1994-11-16 |
GB9405913D0 (en) | 1994-05-11 |
GB2278010B (en) | 1996-10-30 |
JP2560232B2 (ja) | 1996-12-04 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |