JPH06324210A - カラーフィルタ製造用感光性フィルム - Google Patents

カラーフィルタ製造用感光性フィルム

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JPH06324210A
JPH06324210A JP11254593A JP11254593A JPH06324210A JP H06324210 A JPH06324210 A JP H06324210A JP 11254593 A JP11254593 A JP 11254593A JP 11254593 A JP11254593 A JP 11254593A JP H06324210 A JPH06324210 A JP H06324210A
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JP
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film
color filter
photosensitive
photosensitive resin
resin layer
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Yasuki Mori
靖樹 森
Manabu Saito
学 斉藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 追随性、作業性よく基板上に均一な厚さの高
精度の多色の微細パターンの形成されたカラーフィルタ
を製造できる感光性フィルムを提供する。 【構成】 透明基板上に、ベースフィルムと一色に着色
された感光性樹脂層とからなる感光性フィルムを、一色
に着色された感光性樹脂層が透明基板に面するように貼
り合わせ、露光して所定のパターンを形成させ、ベース
フィルムを剥がして現像する工程を繰り返して多色パタ
ーンを形成させるカラーフィルタの製造法に用いられる
カラーフィルタ製造用感光性フィルムであって、ベース
フィルムの膜厚を10〜15μm、その引っ張り弾性率
(ヤング率)を10000kg/cm2以下としたカラ
ーフィルタ製造用感光性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーフィルタの製造
に用いる感光性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルタは、ガラスなどの光学的
に透明な基板の表面に2種以上の色相を異にする極めて
微細なストライプ状またはモザイク状のパターンを一定
の間隔をあけて、平行又は交差して並べた物である。こ
れらのパターンは色相を所定の順序に所定の間隔をおい
て整然と配置し、しかも厚さムラの少ない均一な層とす
る必要があり、種々のカラーフィルタの製造方法が提案
されている。しかし、実用上安価で高品質のカラーフィ
ルタを形成する方法はまだ開発されていない。例えばス
クリーン印刷法では低コストのカラーフィルタの形成が
可能であるがパターンの位置ずれ、樹脂の滲みだし、膜
厚の不均一等が生じる欠点がある。またフォトリソグラ
フィ技術を用いる方法、すなわち、カラーフィルタ用基
板上に形成された透明膜に、所定のネガマスクを通して
紫外線を照射し、未露光部を除去したのち、防染層を形
成しながら染色する方法では、繊細なパターンは形成で
きるが着色層のほかに防染層の形成工程が必要であり、
工程が煩雑となり、製造に長時間を要し、コスト高とな
るなどの欠点があつた。
【0003】前記の方法の改良法として、基板上に着色
した溶液状の感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥したの
ち、露光、現像して一色のパターンを形成させ、この工
程を他の色についても同様に繰り返し行ってカラーフィ
ルタを形成する方法がある。しかし、この方法は、微細
パターンの形成は可能であるが、溶液状の感光性樹脂組
成物を塗布して乾燥する際に溶剤等が拡散するという作
業環境上の問題があり、特別の装置を必要とするなど作
業性が悪い欠点がある。また、二色目の層を形成する際
に、既に形成された着色層上の新着色層が現像しにく
く、完全除去が難しい等の欠点がある。
【0004】前記の従来技術の欠点を無くし、作業性が
良く、しかも高精度で多色の微細パターンを形成するこ
とができるカラーフィルタの製造法として、現在プリン
ト配線板製造時のエツチングレジスト、めっきレジス
ト、ソルダレジスト等に一般に使用されている、ベース
フィルムおよび感光性樹脂層から成る感光性フィルムを
使用した多色の微細なストライプ状またはモザイク状の
パターンを簡単に高精度で形成することができるカラー
フィルタの製造法が知られている。すなわち、透明基板
上にベースフィルムと一色に着色された感光性樹脂層と
からなる感光性フィルムを、この感光性樹脂層が前記基
板に面するように貼り合わせる工程、露光して所定のパ
ターンを形成させる工程およびベースフィルムを剥がし
て現像する工程を繰り返して多色パターンを形成させて
カラーフィルタとされる。ベースフィルムには通常ポリ
エチレンテレフタレートフィルムが用いられている。そ
の厚さは、20〜70μmであり、薄い膜の限度は露光
後のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がす際の
フィルムの裂けにくさ、感光性フィルム製造時のベース
フィルムの制御のし易さなどから決まり、厚い膜は光が
散乱して露光時に解像度を低下させるために、用いられ
ない。透明なベースフィルムとしては、一般の用途の感
光性フィルムでは、例えば、特公昭43−22901号
公報、特公昭37−3193号公報等に記載されている
ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニ
ル及びセルロースのような高重合体からなるものが好適
である。透明なベースフィルムとしては、ポリヘキサメ
チレンセバシンアミド、ポリヘキサメチレンアジピンア
ミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルす
なわちポリエチレンテレフタレート、エチレンテレフタ
レート/イソフタレート共重合体、塩化ビニル、スチレ
ンおよびアクリルニトリルと共重合させたビニルアセタ
ール、塩化ビニリデン、酢酸セルロース、ビスコースレ
ーヨン等も用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法では、
二色目以降の層を形成する際に、既に形成された着色層
上の二色目以降の着色層と前記基板上に直接接触する着
色層との間に段差が生じ、この段差は既に形成された着
色層の厚さ(1〜5μm)によつて決まる。この段差が
あるために新着色層が下地(透明ガラス)に接触せず、
また不十分な接着圧力の為、接着力が不十分となり、着
色層が下地に密着せず、ベースフィルムを剥離すると、
ベースフィルムとともに剥離されて、下地に着色層が付
着しない部分が生ずる。そのまま露光現像すると、着色
層が存在しない部分を露光する等の不都合が生じ、所望
のカラーフィルタが得られない欠点があった。本発明
は、この欠点をなくし、作業性よく、しかも高精度で多
色の微細パターンを形成することができるカラーフィル
タ製造用感光性フィルムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板上
に、ベースフィルムと一色に着色された感光性樹脂層と
からなる感光性フィルムを、一色に着色された感光性樹
脂層が透明基板に面するように貼り合わせ、露光して所
定のパターンを形成させ、ベースフィルムを剥がして現
像する工程を繰り返して多色パターンを形成させるカラ
ーフィルタの製造法に用いられるカラーフィルタ製造用
フィルムであって、ベースフィルムの膜厚を10〜15
μm、その引っ張り弾性率(ヤング率)を10000k
g/cm2以下としたカラーフィルタ製造用感光性フィ
ルムに関する。
【0007】本発明に用いられる感光性フィルムは、透
明なベースフィルム、例えばポリエチレンテレフタレー
トなどのフィルム上に、一色に着色された感光性樹脂組
成物を塗布し、乾燥させて着色感光性樹脂層を形成させ
たものである。この一色に着色された感光性樹脂層は未
硬化であり、柔軟で、粘着性を有するため、この上にさ
らにポリエチレンフィルムなどの保護フィルムを貼り合
わせて外部からの損傷、異物の付着等を防止することが
望ましい。感光性フィルムに形成された一色に着色され
た感光性樹脂層は、保護フィルムを剥がしながら透明基
板上に貼り合わされ、また、該着色感光性樹脂層表面の
ベースフィルムは、所定パターンのネガマスクを通して
露光した後に除去される。
【0008】その膜厚が10〜15μmであって、その
引っ張り弾性率(ヤング率)を10000kg/cm2
以下としたベースフィルムを用いることにより、フィル
ムの追随性が改善され、前記の一色に着色された感光性
樹脂層の密着性を向上させ、ベースフィルムの剥離の際
および現像時に一色に着色された感光性樹脂層が基板か
ら剥がれることが防止される。
【0009】図1、図2および図3によって説明する
と、図1は既に第一色目の一色に着色された感光性樹脂
層のパターン2が形成された表面に第二色目の感光性フ
ィルムを積層するときの積層断面の状態を示す模式図で
ある。図2は感光性フィルムの追随性不良のときの積層
断面の状態を示す模式図である。図1において、透明基
板1上に第一色目の着色された感光性樹脂層のパターン
2が形成された表面に第二色目の着色された感光性樹脂
層3を積層するが、感光性フィルムは着色された感光性
樹脂層3とベースフィルム4から構成されている。例と
して2は赤(R)、3は緑(G)とする。図3において
貼り合わせのため、感光性フィルムの背面から、ゴムロ
ール6で圧着する。フィルムの追随性が良好の場合は図
1のような断面形状が得られる。ゴムロールで圧力をか
けて圧着させるが、圧力が不十分の場合もしくはフィル
ムの剛性が強いときは追随性が不良となり、図2の空隙
5が発生する。空隙の部分では当然ながら着色感光性樹
脂層3と透明基板1は接触が不良となり、接着不良とな
る。空隙をなくすことが本発明の目的であるが、これ
は、ベースフィルムの膜厚が10〜15μmであって、
その引っ張り弾性率(ヤング率)を10000kg/c
2以下とした感光性フィルムを用いることによって達
成できる。
【0010】すなわち、感光性フィルムの剛性は「こわ
さ」、「腰」の学術用語で表現されている。腰はフィル
ムのヤング率(E)とフィルム断面の二次モーメントの
積で表すことができて
【数1】 と表すことが出来るので、Eの小さい材料からなるフィ
ルムを用いれば膜厚を極端に減少させる必要はなく、ハ
ンドリングに優れた感光性フィルムを生産出来る。カラ
ーフィルタ製造用の感光性フィルムの場合は追随性を問
題としているのであるから、bは一定とすることが出来
て、dとEを小さくすることによって、腰の値を小さく
して、追随性を向上させることが出来る。本発明を実施
するのに好適なベースフィルムの例としては、ポリプロ
ピレンフィルム(ヤング率10000kg/cm2東レ
社製商品名、トレファンBO)、軟質ポリ塩化ビニルフ
ィルム(旭化成社製軟質塩ビシート、ヤング率1500
kg/cm2)、可塑化ポリビニルアルコールフィルム
(デンカ社製ポパールシート、ヤング率1900kg/
cm2)等が挙げられる。ヤング率が10000kg/
cm2を超え、膜厚が15μmを超えると、空隙が発生
し本発明の効果が得られない。また、ヤング率が100
00kg/cm2以下のフィルムでも膜厚が10μmよ
りも小さくなると、剥がすときに膜が切れやすくなり、
作業性の低下を招く。
【0011】一色に着色された感光性樹脂層は、エチレ
ン性不飽和化合物(a)、カルボキシル基含有フィルム
性付与ポリマー(b)、光重合開始剤または光重合開始
剤系化合物(c)および(d)顔料または染料(d)を
含有するのが好ましく、層の厚さは0.5〜15μmと
することが好ましい。
【0012】エチレン性不飽和化合物((a)成分)と
しては、例えば多価アルコールにα、β−不飽和カルボ
ン酸を付加して得られる化合物、例えばトリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート(メタアクリレートま
たはアクリレートを意味する。以下同じ)、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロ
ールメタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等;グリシジル基
含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得ら
れる化合物、例えばトリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等;多価カル
ボン酸、例えば無水フタル酸等と水酸基およびエチレン
性不飽和基を有する化合物、例えばβ−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート等とのエステル化合物;(メ
タ)アクリル酸(メタアクリル酸またはアクリル酸を意
味する、以下同じ)のアルキルエステル、例えば(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル等が挙げられ、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアナートと2価アルコールと2価の(メタ)ア
クリル酸モノエステルとを反応させて得られるウレタン
ジアクリレート化合物なども用いられる。これらの化合
物は2種以上用いても良い。(a)成分の配合量は
(a)成分と(b)成分の総量を100重量部として好
ましくは90〜50重量部とされる。
【0013】カルボキシル基含有フィルム性付与ポリマ
ー((b)成分)としては、例えば(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと(メタ)アクリル酸との共重合体:
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリ
ル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとの共重合
体が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられ
る。また、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メ
タ)アクリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマー
としては、(メタ)アクリル酸ジメチルエチル、(メ
タ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アク
リル酸ジエチル、2,2,2−トリフルオロエチル(メ
タ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジアセ
トンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙
げられる。さらに(メタ)アクリル酸を共重合成分とし
て含むテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸等のポ
リエステル、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合
体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、メチルセルロース、エチルセルロース等も用い
ることが出来る。
【0014】(b)成分の使用によって、塗膜性や硬化
物の膜特性が向上し、(b)成分の配合量は、(a)成
分と(b)成分の総量を100重量部として好ましくは
10〜50重量部である。この配合量が10重量部未満
では、エチレン性不飽和化合物が多くなるため光感度が
低下し、50重量部を超えると、光硬化物が脆くなる傾
向がある。また、(b)成分の重量平均分子量は、前記
塗膜性や膜強度の点から10000以上が好ましい。
【0015】前記の光重合開始剤または光重合開始剤系
化合物((c)成分)としては、例えばベンゾフェノ
ン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベン
ゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラメチ
ル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ
−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジ
エチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノ
ン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン;ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチル
ベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン;2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ
ール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ
(m−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、
2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイ
ミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニ
ル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4
−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ
ール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5
−トリアリールイミダゾール二量体等が用いられる。
【0016】(c)成分の配合量は(a)成分と(b)
成分の総量100重量部に対して好ましくは0.1〜1
0重量部である。この配合量が0.1重量部未満では光
感度が不十分となり、10重量部を超えると露光の際に
組成物の表面での光吸収が増大し、内部の光硬化が不十
分となる傾向がある。
【0017】前記顔料又は染料((d)成分)として
は、一般に知られている着色剤が使用でき、感光性樹脂
層の成分、特にエチレン性不飽和化合物またはカルボキ
シル基含有フィルム性付与ポリマーに対する相溶性、目
標とする色相、光透過性等を考慮して選択される。
(d)成分の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量
100重量部に対して好ましくは1〜50重量部であ
る。この配合量が1重量部未満では着色が不十分であ
り、50重量部を超えると光透過率が低下する傾向があ
る。
【0018】一色に着色された感光性樹脂層には、加熱
硬化性を高めるためにカルボキシル基含有フィルム性付
与ポリマーのカルボキシル基と熱反応するメラミン樹脂
および/またはエポキシ樹脂を、(a)成分と(b)成
分の総量100重量部に対して1〜20重量部添加含有
させることが好ましい。これらを添加して130〜20
0℃で30〜60分加熱することによって着色層の架橋
密度が向上し、耐熱性が著しく向上する。
【0019】カラーフィルタを形成する基板がガラス板
の場合は、一色に着色された感光性樹脂層とガラス板と
の密着性を向上させるため、あらかじめシランカップリ
ング剤で処理したガラス板を用いることが好ましい。ま
た、この着色感光性樹脂層にシランカップリング剤を含
有させ、感光性樹脂層とガラス板との密着性を向上させ
ることもできる。この場合のシランカップリング剤の添
加量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量部に
対して1〜30重量部であることが好ましい。
【0020】本発明においてカラーフィルタは、次のよ
うにして製造される。まず、透明基板上に上記のベース
フィルムを用いた感光性フィルムに形成された一色に着
色された感光性樹脂層を貼り合わせ、この着色感光性樹
脂層表面のベースフィルム上に所定パターンのネガマス
クを乗せて露光したあと、ベースフィルムが除去され
る。ついで未露光部分が現像液で現像され、着色パター
ンが形成される。この着色パターンの形成工程を、色の
異なる感光性フィルムを用いて所定回数繰り返し行い、
多色のパターンを形成させてカラーフィルタが得られ
る。
【0021】
【実施例】
実施例1 1)感光性フィルムの製造 表1の材料を均一に溶解した溶液A206重量部に表2
のいずれかの顔料35重量部、メラミン樹脂5重量部お
よびシランカップリング剤5重量部をそれぞれ添加し、
溶解して感光性樹脂層塗工溶液を得た。
【表1】
【表2】 メラミン樹脂はサイメル300(ヘキサメトキシメチル
メラミンの商品名、三井東圧社製)、シランカップリン
グ剤はK3M503(信越化学社製)を用いた。
【0022】得られた溶液を、厚さ15μmの軟質ポリ
塩化ビニルフィルム(旭化成社製軟質塩ビ、ヤング率1
500kg/cm2を示す)上に均一な厚さに塗布し、
100℃の乾燥機で2分間乾燥し、保護フィルムとして
厚さ30μmのポリエチレンフィルムを貼り合わせて着
色の感光性フィルムを得た。乾燥後の感光性樹脂層の厚
さは2μmであった。つぎに、厚さ1mmのガラス板を
80℃で10分間加熱後、このガラス板上に1)で得た
感光性フィルムの保護フィルムを剥がしながら、赤色の
感光性樹脂層をロール温度120℃、ロール圧kg/c
2、速度1.5m/分でラミネートした。次いで、所
定のパターンのネガマスクを通して露光機HMW−20
1B(3kW、超高圧水銀灯、オーク製作所製)で露光
した後、軟質ポリ塩化ビニルフィルムを除去し、30℃
で2重量%のNa2CO3水溶液で10〜20秒スプレー
現像をして未露光部を除去し、赤色の着色パターンを形
成した。この着色パターンの形成工程を、青、緑、黒の
順に各色の感光性フィルムを用いて繰り返し行い、図4
に示す多色のパターンを形成した。この際の露光量は
赤、青、緑色の感光性樹脂層に対しては50mJ/cm
2、黒色の感光性樹脂層に対しては130mJ/cm2
した。得られた多色パターンに紫外線照射機(ランプH
5600L/2、東芝電材社製)を用いて3J/cm2
で照射した後、150℃で45分間加熱してカラーフィ
ルタを得た。得られたカラーフィルタは赤、青および緑
色のパターンが整然と並び、それぞれの間隔は黒色で埋
められていた。
【0023】比較例1 実施例1と同様にして厚さ25μmのポリエチレンテレ
フタレートフィルム(テイジン製、テトロンフィルムS
25、ヤング率50000kg/cm2)をベースフィ
ルムとして、上に保護フィルムとして厚さ30μmのポ
リエチレンフィルムを貼り合わせた感光性フィルムを顔
料の赤、青、緑、黒それぞれについて作成した。実施例
1と同様にして、赤色の着色パターンを形成し、つい
で、このパターンの形成工程を、青、緑、黒の順に各色
の感光性フィルムを用いて繰り返し行った。実施例1と
同様の多色のパターンを形成した。得られた多色のパタ
ーンの模式図を図5に示す。はじめの色の赤(7)のパ
ターンは良好であったが、青(8)、緑(9)では、赤
と赤の隣合った画素のあいだ(325μm)の一部分し
か画素が生ぜず、特に、赤の画素に25μm間隔で接し
ている青の画素では50μm幅しか再現せず、125μ
m×125μmの正方形は再現されなかった。黒はまっ
たく画素を生じなかった。
【0024】実施例2〜4 実施例1と同様に行うが、使用するベースフィルムを表
3に示す材料に置き換えて実施した。追随性の良否を調
べて、その結果を表3に併せて記した。いずれも良好な
追随性を示し、図4のパターンを持つカラーフィルタを
得た。
【表3】
【発明の効果】本発明の感光性フィルムによれば、追随
性、作業性よく基板上に均一な厚さの高精度の多色の微
細パターンの形成された優れた耐熱性を有するカラーフ
ィルタを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルタの良好な断面を示す模式面であ
る。
【図2】カラーフィルタの不良断面を示す模式面であ
る。
【図3】カラーフィルタの貼り合わせ工程の断面を示す
模式図である。
【図4】本発明の実施例で得たカラーフィルタのパター
ンを示す模式図である。
【図5】本発明の比較例で得たカラーフィルタのパター
ンを示す模式図である。
【符号の説明】
1 透明基板 2 パターン 3 着色感光性樹脂層 4 ベースフィルム 5 空隙 6 ゴムロール 7 赤色 8 青色 9 緑色 10 黒色

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、ベースフィルムと一色に
    着色された感光性樹脂層とからなる感光性フィルムを、
    一色に着色された感光性樹脂層が透明基板に面するよう
    に貼り合わせ、露光して所定のパターンを形成させ、ベ
    ースフィルムを剥がして現像する工程を繰り返して多色
    パターンを形成させるカラーフィルタの製造法に用いら
    れるカラーフィルタ製造用感光性フィルムであって、ベ
    ースフィルムの膜厚を10〜15μm、その引っ張り弾
    性率(ヤング率)を10000kg/cm2以下とした
    カラーフィルタ製造用感光性フィルム。
  2. 【請求項2】 ベースフィルムを軟質ポリ塩化ビニル樹
    脂フィルムまたは可塑化ポリビニルアルコール樹脂フィ
    ルムとした請求項1記載のカラーフィルタ製造用感光性
    フィルム。
JP11254593A 1993-05-14 1993-05-14 カラーフィルタ製造用感光性フィルム Pending JPH06324210A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006030907A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Sharp Corp カラーフィルタ基板及びその製造方法、並びに、液晶表示装置

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US7586563B2 (en) 2004-07-21 2009-09-08 Sharp Kabushiki Kaisha Color filter substrate and liquid crystal display device

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