JPH06289211A - カラーフイルタの製造方法 - Google Patents

カラーフイルタの製造方法

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JPH06289211A
JPH06289211A JP7676493A JP7676493A JPH06289211A JP H06289211 A JPH06289211 A JP H06289211A JP 7676493 A JP7676493 A JP 7676493A JP 7676493 A JP7676493 A JP 7676493A JP H06289211 A JPH06289211 A JP H06289211A
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JP
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film
photosensitive
colored
color filter
photosensitive resin
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JP7676493A
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English (en)
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Yasuki Mori
靖樹 森
Manabu Saito
学 斉藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感光性フイルムを用いて基板上に感光性着色
層を形成させ、ストライプ、モザイク状の画素を複数色
形成する際に、フイルムの追随性が確保されるカラーフ
イルタの製造方法を提供する。 【構成】 透明基板上に、ベースフイルムと一色に着色
された感光性樹脂層とからなる感光性フイルムを、着色
された感光性樹脂層が透明基板に面するように貼りあわ
せて、露光して所定のパターンを形成させ、前記ベース
フイルムを剥がして現像する工程を繰り返して多色パタ
ーンを形成させるカラーフイルタの製造方法において、
すくなくとも2色目以降の感光性フィルムとしてベース
フイルムの膜厚を1.6〜10μmとし、着色された感
光性樹脂層の上面に保護フイルムを貼りあわせた感光性
フイルムを用いるカラーフイルタの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーフイルタの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフイルタは、ガラスなどの光学的
に透明な基板の表面に2種以上の色相を異にする極めて
微細なストライプ状又はモザイク状のパターンを一定の
間隔を開けて、平行又は交差して並べた物である。これ
らのパターンは色相を所定の順序に所定の間隔をおいて
整然と配置し、しかも厚さムラの少ない均一な層とする
必要があり、種々のカラーフイルタの製造方法が提案さ
れている。しかし、実用上安価で高品質のカラーフイル
タを形成する方法はまだ開発されていない。例えばスク
リーン印刷法では低コストのカラーフイルタの形成が可
能であるがパターンの位置のずれ、樹脂の滲みだし、膜
厚の不均一等が生じる欠点がある。またフォトリソグラ
フィ技術を用いる方法、すなわち、カラーフイルタ用基
板上に形成された透明膜に、所定のネガマスクを通して
紫外線照射し、未露光部を除去したのち、防染層を形成
しながら染色する方法では、繊細なパターンは形成でき
るが着色層のほかに防染層の形成工程が必要であり、工
程が煩雑となり、製造に長時間を要し、コスト高となる
などの欠点がある。
【0003】前記の方法の改良法として、基板上に着色
した溶液状感光性樹脂組成物を塗布し、乾燥したのち、
露光、現像して一色のパターンを形成させ、この工程を
他の色についても同様に繰り返し行って微細パターンを
形成したカラーフイルタとする方法がある。しかし、こ
の方法は、微細パターンの形成は可能であるが、溶液状
感光性樹脂組成物を塗布して乾燥する際に溶剤等が拡散
するという作業環境上の問題があり、特別の装置を必要
とするなど作業性が悪い欠点がある。また、二色目の層
を形成する際に、既に形成された着色層上の新着色層が
現像しにくく、完全除去が難しい等の欠点がある。
【0004】前記の従来技術の欠点を無くし、作業性が
良く、しかも高精度で多色の微細パターンを形成するこ
とができるカラーフイルタの製造方法として現在プリン
ト配線板製造時のエッチングレジスト、めっきレジス
ト、ソルダレジスト等に一般に使用されている、ベース
フイルム及び感光性樹脂層からなる感光性フイルムを使
用した。多色の微細なストライプ状又はモザイク状のパ
ターンを簡単に高精度で形成することが出来るカラーフ
イルタの製造方法が知られている。すなわち、透明基板
上にベースフイルムと一色に着色された感光性樹脂層と
からなる感光性フイルムを、着色感光性樹脂層が基板に
面するように貼りあわせる工程、露光工程およびベース
フイルムを剥がして現像する工程を繰り返して多色パタ
ーンを形成させてカラーフイルタとされる。例えば、一
つの色相着色剤を含む感光性樹脂の層を支持体に塗布乾
燥したフイルムを用いて、感光性樹脂の層を透明な板の
上に転写して、所定のパターンのマスクを介して露光、
現像してパターンを形成する方法(特開昭61−991
02号公報)がある。また、前記フイルムに所定のパタ
ーンのマスクを介して露光、現像してパターンを形成し
てのちに、透明な板の上に転写してカラーフイルタのパ
ターンを形成する方法(特開昭61−99103号公
報)がある。前記フイルムを透明な板の上に加熱圧着し
て、所定のパターンのマスクを介して露光して、ベース
フイルムを剥離し、現像して透明着色の画像パターンを
形成する方法(特開昭63−187203号公報)があ
る。さらには、前記着色感光性樹脂の上にポリ酢酸ビニ
ル共重合体の接着体を構成する感光性フイルムを用いて
特開昭63−187203号公報と同様の方法でカラー
フイルタのパターンを形成する方法(特開平2−246
24号公報)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】感光性フイルムを用い
る製造方法では、二色目以降の層を形成する際に、既に
形成された着色層上の二色目以降の新着色層と前記基板
上に直接接触する新着色層との間に段差が生じ、この段
差は既に形成された着色層の厚さ(1〜5μm)によっ
て決まる。この段差があるために新着色層が下地(透明
ガラス)に接触せず、また不十分な接着圧力の為、接着
力が不十分となり、着色層が下地に密着せず、ベースフ
イルムを剥離すると、ベースフイルムとともに剥離され
て、下地に着色層が付着しない部分が生ずる。これをそ
のまま、露光現像すると、着色像が存在しない部分を露
光する等の不都合が生じ、所望のカラーフイルタが得ら
れない欠点があった。従来、用いられてきたベースフイ
ルムでは、その厚さが20μmから70μmであって、
ベースフイルムの剥離の際に薄すぎるとフイルムが破れ
る、ちぎれるなどの不具合があり、また厚さが100〜
500μmのフイルムは、光が散乱して露光時に解像度
を低下させるために、用いられなかった。通常、基板に
感光性フイルムを貼り付けるときは熱ロールの間を感光
性フイルムの保護フイルムを剥がしながら、着色感光性
樹脂層を基板に圧着する。例えば、厚さ1mmのガラス
板を80℃で10分間加熱後、このガラス板上に感光性
フイルムの保護フイルムを剥がしながら、着色感光性樹
脂層をロール温度120℃、ロール圧4kg/cm2
速度1.5m/分でラミネートする。この時、以前に形
成されたストライプ状またはモザイク状の1〜5μmの
厚さの着色層が存在すると、通常の20〜70μmのベ
ースフイルムでは、100〜1000μmの幅の付着不
良の部分が生じ、全面均一の感光層のベースフイルムか
ら基板への全面均一の感光層の転写ができない。
【0006】
【課題を解決するための手段】感光性フイルムの場合
は、基板上に凹凸があると感光層の付着が不良になる現
像が知られていて、これを基板追随性と言う。この現象
の対策のため、感光層膜厚を厚くする、ラミネート温度
を高くして、感光層の粘度を低くし追随性を向上させる
などが知られている。凹凸が1〜5μmとなり、さらに
転写する感光層が1〜5μmの場合は、これらの方策で
は、100〜1000μmの幅の付着不良を低減するこ
とは不可能であった。そこで、発明者らは鋭意検討した
結果、従来実施不可能とされたベースフイルムの膜厚を
薄くすることで、具体的には、1.6〜10μmとする
と、追随性が良好になり、密着性、現像時の剥がれが極
めて小さくなり、三回ないし四回の繰り返しの工程を行
っても、不都合が生じないことを見出した。
【0007】本発明は、透明基板上に、ベースフイルム
と一色に着色された感光性樹脂層とからなる感光性フイ
ルムを、着色された感光性樹脂層が透明基板に面するよ
うに貼りあわせて、露光して所定のパターンを形成さ
せ、前記ベースフイルムを剥がして現像する工程を繰り
返して多色パターンを形成させるカラーフイルタの製造
方法において、すくなくとも2色目以降の感光性フィル
ムとしてベースフイルムの膜厚を1.6〜10μmと
し、着色された感光性樹脂層の上面に保護フイルムを貼
りあわせた感光性フイルムを用いることを特徴とするカ
ラーフイルタの製造方法に関する。
【0008】本発明に用いられる感光性フイルムは、透
明なベースフイルム、例えばポリエチレンテレフタレー
トなどのフイルム上に、一色に着色された感光性樹脂組
成物を塗布し、乾燥させて着色感光性樹脂層を形成させ
たものである。この着色感光性樹脂層は未硬化であり、
柔軟で、粘着性を有するため、この上にさらにポリエチ
レンフイルムなどの保護フイルムを貼りあわせて外部か
らの損傷、異物の付着等を防止することが好ましい。感
光性フイルムに形成された着色感光性樹脂層は、保護フ
イルムを剥がしながら透明基板上に貼り合わされ、ま
た、着色感光性樹脂層表面のベースフイルムは、所定パ
ターンのネガマスクを通じて露光した後に除去される。
【0009】一色に着色された感光性樹脂層は、エチレ
ン性不飽和化合物(a)、カルボキシル基含有フイルム
性付与ポリマー(b)、光重合開始剤または光重合開始
剤系化合物(c)および(d)顔料又は染料(d)を含
有するのが好ましく、層の厚さは、0.5〜15μmと
することが好ましい。
【0010】エチレン性不飽和化合物((a)成分)と
しては、例えば多価アルコールにα、β−不飽和カルボ
ン酸を付加して得られる化合物、例えばトリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート(メタアクリレートま
たはアクリレートを意味する。以下同じ)、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロ
ールメタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート等;グリシジル基
含有化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得ら
れる化合物、例えばトリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテルトリアクリレート、ビスフェノールAジグ
リシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等;多価カル
ボン酸、例えば無水フタル酸等と水酸基およびエチレン
性不飽和基を有する化合物、例えばβ−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート等とのエステル化合物;(メ
タ)アクリル酸(メタアクリル酸またはアクリル酸を意
味する、以下同じ)のアルキルエステル、例えば(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル等が挙げられ、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアナートと2価アルコールと2価の(メタ)ア
クリル酸モノエステルとを反応させて得られるウレタン
ジアクリレート化合物なども用いられる。これらの化合
物は2種以上用いても良い。(a)成分の配合量は
(a)成分と(b)成分の総量を100重量部として好
ましくは90〜50重量部とされる。
【0011】カルボキシル基含有フイルム性付与ポリマ
ー((b)成分)としては、例えば(メタ)アクリル酸
アルキルエステルと(メタ)アクリル酸との共重合体:
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリ
ル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとの共重合
体が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。ま
た、(メタ)アクリル酸アルキルエステルや(メタ)ア
クリル酸とこれらと共重合し得るビニルモノマーとして
は、(メタ)アクリル酸ジメチルエチル、(メタ)アク
リル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジ
エチル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アク
リレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、アクリルアミド、ジアセトンア
クリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられ
る。さらに(メタ)アクリル酸を共重合成分として含む
テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸等のポリエス
テル、ブタジエンとアクリロニトリルとの共重合体、セ
ルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
ト、メチルセルロース、エチルセルロース等も用いるこ
とが出来る。
【0012】(b)成分の使用によって、塗膜性や硬化
物の膜特性が向上し、(b)成分の配合量は、(a)成
分と(b)成分の総量を100重量部として好ましくは
10〜50重量部である。この配合量が10重量部未満
では、エチレン性不飽和化合物が多くなるため光感度が
低下し、50重量部を超えると、光硬化物が脆くなる傾
向がある。また、(b)成分の重量平均分子量は、前記
塗膜性や膜強度の点から10,000以上が好ましい。
【0013】前記の光重合開始剤または光重合開始剤系
化合物((c)成分)としては、例えばベンゾフェノ
ン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベン
ゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N′−テトラメチ
ル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ
−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジ
エチルアミノベンゾフェノン、2−エチルアントラキノ
ン、フェナントレンキノン等の芳香族ケトン;ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インフェニルエーテル等のベンゾインエーテル、メチル
ベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン;2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ
ール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ
(m−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5
−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシ
フェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、
2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイ
ミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニ
ル)−5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4
−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾ
ール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−
4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5
−トリアリールイミダゾール二量体等が用いられる。
【0014】(c)成分の配合量は(a)成分と(b)
成分の総量100重量部に対して好ましくは0.1〜1
0重量部である。この配合量が0.1重量部未満では光
感度が不十分となり、10重量部を超えると露光の際に
組成物の表面での光吸収が増大し、内部の光硬化が不十
分となる傾向がある。
【0015】顔料又は染料((d)成分)としては、一
般に知られている着色剤が使用でき、感光性樹脂層の成
分、特にエチレン性不飽和化合物またはカルボキシル基
含有フイルム性付与ポリマーに対する相溶性、目標とす
る色相、光透過性等を考慮して選択される。(d)成分
の配合量は、(a)成分と(b)成分の総量100重量
部に対して好ましくは1〜20重量部である。この配合
量が1重量部未満では着色が不十分であり、20重量部
を超えると光透過率が低下する傾向がある。二色目以降
は一色目のパターンが存在しているため、厚さが1〜5
μmの段差が存在しているところに貼合わされるので段
差部分で二色目以降の密着不良部分が生ずる。これはベ
ースフイルムの剛性によるものである。ベースフイルム
の厚さが10μmを越えると、1〜5μmの段差がある
場合に50μm以上の密着不良幅が生じ、二色目以降の
パターンに「かけ」が生ずる。また、1.6μm未満の
厚さのベースフイルムでは、強度が不十分で、はがすの
が困難になる。本発明においては、1色目は平滑な透明
基板にラミネートするので、追随性不良の現象はなく、
ベースフイルムは通常の25μm〜75μmの厚さのも
のを使用してもよくまた1.6〜10μmの厚さのベー
スフイルムを用いてもよい。2色目以降は、必要とされ
る追随性を得るために、1.6〜10μmの厚さのベー
スフイルムを有する感光性フイルムを使用することが必
要である。保護フイルム、ベースフイルムには、ポリエ
チレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、アセテート、
ポリアミド、ポリオレフィンなどが使用できる。またポ
リエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体
や、塩化ビニル、スチレンおよびアクリロニトリルと共
重合させたビニルアセタールおよび塩化ビニリデンや酢
酸セルロース、ビスコースレーヨン等のフイルムがあ
る。保護フイルムとベースフイルムには、ポリエチレン
(PE)とポリエチレンテレフタレート(PET)の組
合せが好ましい。すなわち、着色層はその接着力が、P
ETに対して強く、PEに対して弱い性質を持っている
ので、はじめにはがすと着色層はPETにつき、PEと
ははがれる。次にPET上の着色感光性樹脂層を透明基
板にはりあわせると着色感光性樹脂層の接着力はPET
に対するよりも透明基板に対して強いため、PETをは
がすと着色感光性樹脂層は透明基板に付着する。本発明
では、着色層の保護フイルム、ベースフイルム、透明基
板に対する接着力の差の検討の結果、保護フイルムがP
E、ベースフイルムがPET、透明基板がガラスのとき
に、カラーフイルタ作成時の追随性が好ましいことを見
出した。
【0016】本発明においてカラーフイルタは、次のよ
うにして製造される。まず、透明基板上に感光性フイル
ムに形成された着色感光性樹脂層を貼り合わせ、着色感
光性樹脂層表面のベースフイルム上に所定パターンのネ
ガマスクを乗せて露光したあと、ベースフイルムが除去
される。ついで未露光部分が現像液で現像され、着色パ
ターンが形成される。この着色パターン形成工程を、色
の異なる感光性フイルムを用いて所定回数繰り返し行
い、多色のパターンを形成させてカラーフイルタが得ら
れる。
【0017】透明基板上に貼り付けられた着色感光性樹
脂層で細線を形成する場合は、現像液に耐えうる最少の
露光量で露光するため、現像後の着色層が柔軟なことが
あり、現像後にさらに紫外線照射および/または熱処理
によって、また電子線照射によって完全に着色層を硬化
させて強度及び耐熱性を付与することが望ましい。露光
後の感光性樹脂層の現像は、1,1,1−トリクロロエ
タン等の溶剤やアルカリ水溶液で現像する方法がある
が、作業環境汚染、大気汚染等の問題や、着色層が膨潤
しやすく、ガラス板上のシランカップリング剤を洗い落
してしまうなどの問題のないアルカリ水溶液で現像する
ことが好ましい。
【0018】
【実施例】
実施例1 表1の材料を均一に溶解して得た溶液A206重量部に
表2のいずれかの顔料5重量部、メラミン樹脂5重量部
およびシランカップリング剤5重量部をそれぞれ添加
し、溶解して一色に着色された感光性樹脂層塗工溶液を
得た。
【表1】
【表2】 メラミン樹脂はサイメル300(ヘキサメトキシメチル
メラミンの商品名、三井東圧社製) シランカップリング剤はK3M503(信越化学社製)
を用いた。
【0019】得られた溶液を、厚さ25μmのポリエチ
レンテレフタレートフイルム(テイジン製 テトロンフ
イルム S25タイプ)上に均一な厚さに塗布し、10
0℃の乾燥機で2分間乾燥し、保護フイルムとして厚さ
30μmのポリエチレンフイルムを貼りあわせて感光性
フイルムを得た。乾燥後の感光性樹脂層の厚さは2μm
であった。つぎに、厚さ1mmのガラス板を80℃で1
0分間加熱後、このガラス板上に前記の感光性フイルム
の保護フイルムを剥がしながら、赤色の感光性樹脂層を
ロール温度120℃、ロール圧4kg/cm2、速度
1.5m/分でラミネートした。この際、ガラス板は、
あらかじめシランカップリング剤KBM503(信越化
学社製)による処理を行った。
【0020】次で、所定のパターンのネガマスクを通し
て露光機HMW−201B(3kW、超高圧水銀灯、オ
ーク製作所製)で露光した後、ポリエチレンテレフタレ
ートフイルムを除去し、30℃で2重量%のNa2CO3
水溶液で10〜20秒スプレー現像をして未露光部を除
去し、赤色の着色パターンを形成した。ついで、厚さ2
5μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを6μm
のポリエチレンテレフタレートフイルム(テイジン社製
商品名テトロンフイルム F6タイプ)にかえて同様
にして青色の着色パターンを形成した。この着色パター
ンの形成工程を、緑、黒の潤にさらに2回行い、図1に
示す多色のパターンを形成した。この際の露光量は赤
(1)、青(2)、緑色(3)の感光性樹脂層に対して
は50mJ/cm2、黒色(4)の感光性樹脂層に対し
ては80mJ/cm2であった。得られた多色パターン
に紫外線照射機(ランプH5600L/2、東芝電材社
製)を用いて3J/cm2で照射した後、150℃で4
5分間加熱してカラーフィルタを得た。得られたカラー
フイルタは赤、青および緑色のパターンが整然と並び、
それぞれの間隔は黒色で埋められていた。得られたカラ
ーフイルタの着色感光性樹脂層を常温と200℃で1時
間加熱して後、カラーフイルタを得た。
【0021】比較例1 実施例1と同様にして厚さ25μmのポリエチレンテレ
フタレートフイルム(テイジン社製 商品名テトロンフ
イルム S25タイプ)をベースフイルムとして、上に
保護フイルムとして厚さ30μmのポリエチレンフイル
ムを貼りあわせた感光性フイルムを赤、青、緑、黒それ
ぞれについて作成した。実施例1と同様にして、赤色の
着色パターンを形成した。ついで、この着色パターンの
形成工程を、青、緑、黒の順に各色の感光性フイルムを
用いて3回繰返し行い、実施例1と同様の多色のパター
ンを形成した。得られた多色のパターンの模式図を図2
に示す。はじめの色の赤(1)のパターンは良好であっ
たが、青(2)、緑(3)、黒(4)では、赤と赤の隣
合った画素のあいだ(325μm)の一部分しか画素が
生ぜず、カラーフイルタとはならなかった。特に、赤の
画素に25μm間隔で接している青の画素では50μm
幅しか再現せず、125μm×125μmの正方形は再
現されなかった。
【0022】実施例2 赤のベースフイルムを厚さ2μmのポリエチレンテレフ
タレートフイルム(テイジン社製 テトロンフイルム
F2タイプ)とし、青、緑、黒については実施例1と同
様にして図1の良好なパターンから成るカラーフイルタ
を得た。 実施例3 赤、青、緑、黒のベースフイルムを厚さ3.5μmのポ
リエチレンテレフタレートフイルム(テイジン社製 テ
トロンフイルム F3.5タイプ)として、カラーフイ
ルタを作成し実施例1と同様にして良好なパターンから
成るカラーフイルタを得た。 実施例4 赤、青、緑、黒のベースフイルムを厚さ9μm(テイジ
ン社製 テトロンフイルム F9タイプ)とし実施例1
と同様にして良好なパターンのカラーフイルタを得た。 比較例2 赤、青、緑、黒のベースフイルムを厚さ12μmのポリ
エチレンテレフタレート(テイジン社製 テトロンフイ
ルム F12タイプ)として、実施例1と同様にして良
好なパターンのカラーフイルタを得たが、こまかく観察
して評価すると、緑と黒で20〜50μmの「かけ」が
散見された。実用上の評価としては、合格となる限界を
越えていた。 比較例3 ベースフイルムとして16μmのポリエチレンテレフタ
レートフイルム(テイジン社製 テトロンフイルム F
16タイプ)を用いて実施例1と同様にして行った。
赤、青、緑、黒のパターンのカラーフイルタを得た。赤
は良好なパターンを示したが、青で「かけ」が見られ
た。緑では全部のパターンに「かけ」があった。黒は1
0μm以下の幅しかパターン化されなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明によって、感光性フイルムを用い
て基板上に感光性着色層を形成させ、ストライプ、モザ
イク状の画素を複数色形成する際に、フイルムの追随性
が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で得たカラーフイルタのパタ
ーンを示す図である。
【図2】本発明の比較例1で得たカラーフイルタのパタ
ーンを示す図である。
【符号の説明】
1 赤色 2 青色 3 緑色 4 黒色

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、ベースフイルムと一色に
    着色された感光性樹脂層とからなる感光性フイルムを、
    着色された感光性樹脂層が透明基板に面するように貼り
    あわせて、露光して所定のパターンを形成させ、前記ベ
    ースフイルムを剥がして現像する工程を繰り返して多色
    パターンを形成させるカラーフイルタの製造方法におい
    て、すくなくとも、2色目以降の感光性フィルムとして
    ベースフイルムの膜厚を1.6〜10μmとし、着色さ
    れた感光性樹脂層の上面に保護フイルムを貼りあわせた
    感光性フイルムを用いることを特徴とするカラーフイル
    タの製造方法。
  2. 【請求項2】 ベースフイルムをポリエチレンテレフタ
    レートとし、保護フイルムをポリエチレンとした感光性
    フイルムを用いる請求項1記載のカラーフイルタの製造
    方法。
JP7676493A 1993-04-02 1993-04-02 カラーフイルタの製造方法 Pending JPH06289211A (ja)

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