JPH06322693A - 紙シートの表面処理装置及び表面処理方法 - Google Patents

紙シートの表面処理装置及び表面処理方法

Info

Publication number
JPH06322693A
JPH06322693A JP5111532A JP11153293A JPH06322693A JP H06322693 A JPH06322693 A JP H06322693A JP 5111532 A JP5111532 A JP 5111532A JP 11153293 A JP11153293 A JP 11153293A JP H06322693 A JPH06322693 A JP H06322693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper sheet
sleeve
metal roll
fixed beam
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5111532A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2800908B2 (ja
Inventor
Takeshi Abe
剛 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd, Jujo Paper Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP5111532A priority Critical patent/JP2800908B2/ja
Publication of JPH06322693A publication Critical patent/JPH06322693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2800908B2 publication Critical patent/JP2800908B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)
  • Devices For Conveying Motion By Means Of Endless Flexible Members (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 円筒状固定ビームと、この固定ビームの外周
面をガイド部材による間隙を残して被覆し且つ弾性合成
樹脂製の外層を有する回転可能なチューブ状スリーブ
と、このチューブ状スリーブに対向接触して回転駆動す
る表面平滑な金属ロールと、前記金属ロールと前記スリ
ーブとの対向接触位置で前記スリーブの内面側に対して
摺動しながら押圧する凹曲面を有する加圧シューとを具
備することを特徴とする紙シートの表面処理装置。 【効果】 紙シートにスーパーカレンダ処理品と同等の
平滑、光沢を付与することができ、しかも高速処理適性
に優れているためにオンラインでの処理が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ドライヤーで乾燥され
た後の紙について、平滑・光沢等その表面状態を改善処
理する装置および処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、製紙工場では、抄紙された紙を
ドライヤーで乾燥した後に表面処理を施す装置としてカ
レンダ装置が用いられている。その代表的なものは、チ
ルドニップカレンダ、ソフトニップカレンダ及びスーパ
ーカレンダである。このうち、チルドニップカレンダ、
ソフトニップカレンダは、抄紙機のドライヤ後に付設さ
れてオンラインで紙シートの表面性を改質する装置であ
る。チルドニップカレンダは、金属製のチルドロールど
うしで一対以上のニップを構成するものであり、一方、
ソフトニップカレンダは、金属製のチルドロールと弾性
を有するショアD硬度が90度前後の樹脂ロールとから
構成され、樹脂ロールの周面上に一対のみのニップを形
成したものである。また、スーパーカレンダは、弾性を
有するショアD硬度が80度前後のコットンロールとチ
ルドロールとを垂直方向に交互に配列したものであっ
て、オフラインで紙シートの巻取を高圧多ニップ処理
し、グラビヤ印刷紙のような高平滑な紙の製造に使用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したような各種の
カレンダ装置で処理された紙シートは、チルドニップカ
レンダとソフトニップカレンダ、及びスーパーカレンダ
のそれぞれの間で明確な相違が見られる。抄紙機で乾燥
された直後の紙シートの厚さは不均一であるが、この紙
シートが上記カレンダ装置のニップを通過して処理され
ることにより、その表面状態がどの様に変化するかを紙
シートの流れに直行する断面について考えると、次のよ
うなことが言える。
【0004】先ず、金属製チルドロールによりニップを
構成するチルドニップカレンダでは、紙シート表面の凸
部が押さえられ平坦になるが、凹部では金属製チルドロ
ールの表面に接触しても加圧することができず、結局、
紙シートの厚さは均一になるが密度は均一とならない。
【0005】次に、弾性ロールと金属製チルドロールで
ニップを構成するソフトニップカレンダでは、ニップに
抄紙機で乾燥された直後で厚さが不均一な紙シートが通
過すると、金属製チルドロール面に接する紙シート表面
は、ロールの平滑な面によって平坦に変形する。ところ
が、チルドロール側が平坦に処理される際に、その紙シ
ート裏面側に当たる弾性ロール側の紙シート表面には、
その本来の凹凸に加えてチルドロール側の凹凸が加わっ
て複雑な凹凸が現れる。しかし、弾性ロールは、その弾
性によって凹凸に対応した形で変形することが可能なの
で、紙表面の凹部も加圧処理することができる。そし
て、紙シートは、厚さは不均一であるが密度が均一とな
り、チルドロール側の紙シート表面には、ロールの表面
平滑が転写されて平滑、光沢が付与される。
【0006】紙の印刷適性、印刷面感においては、密度
が均一なソフトニップカレンダ処理品の方が、インクの
吸収、定着が均一であり、密度が不均一なチルドニップ
カレンダ処理品より優れている。
【0007】また、スーパーカレンダは、コットンロー
ルとチルドロールを垂直方向に交互に配列し、高圧多ニ
ップ処理するものであり、グラビヤ印刷紙のように高平
滑な紙を製造するのに適している。しかし、スーパーカ
レンダでは、コットンロールの上下にはチルドロールが
接触してニップを構成しているため、コットンロールの
1回転当たり2度の線圧を受けることになり、ショアD
硬度75〜85度と低いコットンロールは、線圧を受け
る箇所の弾性変形が大きく、短時間での線圧の繰り返し
は、熱応力ヒステリシスから原形に復帰することができ
ずに破損する等のトラブルが起り易い。このため、スー
パーカレンダは、原紙を抄く抄紙機スピードより遅くし
てオフラインで設備されている。
【0008】ソフトニップカレンダに使用される弾性ロ
ールは、金属ロールの表面に耐熱性合成樹脂層を設けた
ものであって、樹脂層の厚さは、放熱性を考慮して10
mm前後とし、ショアD硬度85〜95度とコットンロ
ールより高めにして弾性変形量を小さくし、さらに、樹
脂ロールの円周上には1カ所だけチルドロールとニップ
を構成する構造として、弾性変形後の原形復元に時間を
とり、弾性ロール樹脂層の寿命を延ばすことによりオン
ラインで稼働できるようにしている。
【0009】しかし、ソフトニップカレンダ処理品は、
チルドニップカレンダ処理品より優れた表面性を有する
が、ニップ処理回数が少なく、また樹脂ロールの硬度が
コットンロールより高いために、スーパーカレンダ処理
品の紙シート表面性には遠く及ばない。
【0010】また、最近、紙表面性の一層の改善のた
め、チルドロールの温度を150℃前後にした高温ソフ
トニップカレンダ処理も提案されており、弾性ロールの
寿命をさらに短命化させる方向にある。耐熱性樹脂の開
発も進んでいるが、基本的には耐熱性を増加させると、
樹脂層の硬度は高くなる傾向にあり、紙表面の処理特性
とは反しているのが現状である。
【0011】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
みて、紙シートにスーパーカレンダ並の平滑、光沢を付
与することができ、しかも高速処理適性に優れているた
めにオンラインでの処理が可能であり、加えて弾性ロー
ルに見られるような寿命が短いとの問題を解消した、紙
シート表面の処理装置及び処理方法を提供するものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願第1発明に係る紙シ
ートの表面処理装置は、円筒状固定ビームと、この固定
ビームの外周面をガイド部材による間隙を残して被覆し
且つ弾性合成樹脂製の外層を有する回転可能なチューブ
状スリーブと、このチューブ状スリーブに対向接触して
回転駆動する表面平滑な金属ロールと、前記金属ロール
と前記スリーブとの対向接触位置で前記スリーブの内面
側に対して摺動しながら押圧する凹曲面を有する加圧シ
ューとを具備することを特徴とし、また、本願第2発明
に係る表面処理装置は、前記固定ビームと前記スリーブ
との間隙にスリーブ冷却用に温度調節された潤滑油を供
給することを特徴とし、本願第3発明に係る表面処理装
置は、前記スリーブの弾性合成樹脂製の外層がショアD
硬度40〜70度であることを特徴とし、本願第4発明
に係る表面処理装置は、前記スリーブの弾性合成樹脂製
の外層表面がJIS B 0601で規定される表面粗
さ(Rmax)20ミクロン以下であることを特徴と
し、本願第5発明に係る表面処理装置は、前記加圧シュ
ーの凹曲面が、金属ロールの外周面と同心円で且つやや
長径の円弧をなすことを特徴とする。
【0013】更に、本願第6発明に係る紙シートの表面
処理方法は、円筒状の固定ビームの外周面をガイド部材
による間隙を残して被覆した弾性合成樹脂製外層のチュ
ーブ状スリーブと、回転駆動する表面平滑な金属ロール
とを対向圧接し、この対向圧接部分に対して前記スリー
ブを固定ビーム側から凹曲面状に押圧した状態で、金属
ロールにおける中心角が10〜20度の紙シート表面処
理区域を造り、この区域に紙中水分10%以下の紙シー
トを走行通過させることで紙シートの表面を平滑、光沢
処理を施すことを特徴とし、また、本願第7発明に係る
表面処理方法は、前記紙シート表面処理区域において、
紙シートを通過処理する時の線圧が60〜500KN/
mであることを特徴とする。
【0014】本発明における円筒状固定ビームは、チュ
ーブ状スリーブを円筒形状に維持するためのものであ
り、これら固定ビームとスリーブとは、固定ビームに取
付けられたガイド部材によって間隙を設けられている。
そして、望ましい態様としては、この固定ビームとスリ
ーブとの間隙に低温に調節された潤滑油が供給され、ス
リーブ内面にフィルム状油膜を形成する。また、ガイド
部材はレール状として、固定ビームの外周面に対して複
数本を等間隔に平行して設けるのが好ましいが、固定ビ
ームとスリーブとの間隙を造ることができ、且つスリー
ブ内面との円滑な摺動が可能であれば、上記構成に限る
ものではない。
【0015】スリーブの弾性合成樹脂層の材質は、エポ
キシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポ
リイミドアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂の少なくと
も1種類以上で構成される合成樹脂が好ましく、また、
その紙シートに接する側は、ショアD硬度40〜70度
とすることが好ましく、更には50〜60度とすること
が望ましい。ショアD硬度40度未満では、加圧シュー
部での塑性変形を生じ寿命が短くなると同時に、高い平
滑、光沢が得られない。また70度を超えると曲率がと
れずガイド部材に沿った円筒状を形成しにくい。また、
表面粗さは、JIS B 0601で規定されるRma
x20ミクロン以下とし、小さい程好ましいが、加工精
度を考慮すれば2〜5ミクロンとすることが好ましい。
20ミクロンを超えると、処理された紙シート表面の密
度の不均一に起因して光沢が不均一となる現象である、
所謂モットリングが発生し易い。
【0016】本発明においては、スリーブをその内面か
ら押圧する凹曲面を有する加圧シューを設けて、チュー
ブ状スリーブを金属ロールに押圧し、紙シート表面処理
区域を造る。この加圧シューの押圧には圧力調整が容易
な油圧装置が使用に適しているが、加圧シューの表面温
度の上昇が油圧装置の油の温度を異常に上昇させること
を防止するために、加圧シューの表面を断熱材でライニ
ングすることが望ましい。更に、紙シート処理時の線圧
は60〜500KN/mとすることが好ましい。60K
N/m未満であれば、表面処理は不完全で低い平滑、光
沢しか得られず、500KN/mを超えると紙シートの
紙厚が小さくなりすぎて強度不足になる傾向がある。ま
た、加圧シューの先端の凹曲面は金属ロールの外周面と
同心円であり、且つ若干長径な円弧で形成されており、
金属ロールにおける中心角が10〜20度の紙シートの
表面処理区域に均等な圧力が掛るように調整することが
好ましい。中心角が10度未満であれば平滑、光沢が不
足し、20度以上であれば紙シートの強度が不足する恐
れがある。
【0017】本発明で処理対象とする紙シートは、紙中
水分10%以下の乾燥後のものである。湿紙のように紙
中水分の高いものを本発明に係る装置で処理すれば、表
面処理以前の問題として強度不足から断紙を起こすこと
になる。
【0018】
【作用】本発明は、上記の構成に係る表面処理装置にお
いて、加圧シューによって凹曲面状に変形させられたチ
ューブ状スリーブと金属ロールとの対向接触面に紙シー
トを通過させると、金属ロールに接触する側の紙シート
表面は、ロール表面の平滑性が転写されて表面の凹凸が
ならされ平坦化される。その金属ロール側の凹凸はチュ
ーブ状スリーブ側に現れるが、チューブ状スリーブ側で
は紙シート表面の凹凸形状に沿ってスリーブ表面が変形
することができる。この結果、紙シートの凸部を圧縮し
て密度を高くするようなことがなく、金属ロール側では
平滑及び光沢に優れた紙シート表面が得られ、スリーブ
側では表面の凹凸に沿って処理された紙シート表面が得
られる。この紙シートは密度が均一なので、インクの吸
収、定着が均一となる。加えて、チューブ状スリーブ
が、固定ビームとの間で隙間をおいて設けられているの
で、紙シート通紙時に発生する摩擦熱や金属ロールの内
部に設けられた熱源に由来する熱が容易に放熱されるの
で、高速運転が可能であり、チューブ状スリーブの寿命
も長い。
【0019】また、固定ビームとチューブ状スリーブと
の間隙に冷却された潤滑油を供給することで、放熱作用
は一層促進される。チューブ状スリーブの弾性合成樹脂
層のショアD硬度を40〜70度とすることで、チュー
ブ状スリーブ側の紙シート表面の微小な凹凸にチューブ
状スリーブが対応し、金属ロール側の紙シート表面の平
滑化が図られる。また、このスリーブの弾性合成樹脂層
の表面粗さをJISB 0601で規定される表面粗さ
(Rmax)20ミクロン以下に調整することで、スリ
ーブの表面粗さに起因する平滑、光沢への阻害を防止す
る。加圧シューの凹曲面は、金属ロールの外周面と同心
円で且つやや長径とすることによって、紙シート表面処
理区域全体に亘って金属ロールとチューブ状スリーブの
弾性合成樹脂層との間隔を一定に保つことができる。更
に、紙シート通過処理時の線圧は60〜500KN/m
とすることで所望の平滑、光沢が得られ、従来のスーパ
ーカレンダと同等の表面性を有する紙シートが得られ
る。
【0020】
【実施例】図1は本発明に係るカレンダ装置の実施例を
示す横断面図、図2は同じカレンダ装置の本体下半部縦
断面図である。
【0021】図1及び図2において、本発明に係るカレ
ンダ装置は、上半部と下半部とから構成されている。下
半部は据付用の支持脚(11)に円筒状固定ビーム
(1)が固定されて取付けられており、更に、この固定
ビーム(1)の外円周上には円筒の中心軸に平行して適
宜の間隔でガイドバー(8)が設けられている。円筒状
固定ビーム(1)を被覆するように設けられたチューブ
状のスリーブ(2)は、前記ガイドバー(8)によって
固定ビーム(1)の周面との間に隙間をおいて回転可能
なように支承されていると共に、前記隙間の気密性を保
つために両端面をクランプデスク(9)によって支持さ
れている。そして、固定ビーム(1)の内部には、先端
に凹曲面を有する加圧シュー(3)を摺動可能に内蔵す
る加圧室(13)が設けられており、この加圧室(1
3)は加圧油供給路(4)を経て図示しない油圧装置と
接続されており、加圧室(13)の内部圧力が制御され
ている。加圧シュー(3)はスリーブ(2)と圧力下に
接触しているので、加圧室(13)の内圧が高まると、
加圧シュー(3)はスリーブ(2)の内面側を押圧し、
金属ロール(10)との間に紙シート表面処理区域を形
成する。
【0022】一方、カレンダ装置の上半部には、回転可
能な金属ロール(10)が設けられており、この金属ロ
ール(10)の外周面は、走行する紙シート(15)を
挟持した状態で、下半部のスリーブ(2)と対向圧接触
している。この金属ロール(10)とスリーブ(2)と
の圧接触部分には、加圧シュー(3)が位置しており、
金属ロール(10)の回転に伴ってスリーブ(2)も固
定ビーム(1)の周囲を回転するが、スリーブ(2)は
金属ロール(10)との圧接触位置に来ると、金属ロー
ル(10)の外表面形状及び加圧シュー(3)の先端形
状に沿って凹曲面に変形する。スリーブ(2)は、チュ
ーブ形状を保持するために厚手の基布を芯層としてその
表裏にウレタン製の弾性樹脂を含浸塗布して形成されて
いる。外側の弾性樹脂層のショアD硬度は40〜70
度、好ましくは50〜60度であり、基布は厚み1.5
〜4.0mm、好ましくは2.0〜3.0mm程度のも
のを用いる。この基布の表裏に含浸塗布するウレタン樹
脂としては、ジアミン硬化ウレタン樹脂が好ましく、表
側2.0〜3.0mm、裏側0.5〜1.0mm程度含
浸塗布する。処理されるべき紙シートと接する側の表側
樹脂層の表面粗さはRmax20ミクロン以下で、裏側
樹脂層の表面粗さはRmax40〜80ミクロンであ
る。スリーブ(2)としての全体の厚みは5.0〜7.
0mm程度である。
【0023】また金属ロール(10)の表面粗さについ
ては、平滑なほど好ましいがRmax0.5〜2.0ミ
クロンであれば良い。
【0024】本発明に係るカレンダ装置の駆動は、図示
しない駆動装置を用いて金属ロール(10)を回転駆動
することによって行ない、紙シート(15)を挟んで金
属ロール(10)に圧接するスリーブ(2)は、金属ロ
ール(10)の回転を伝達されて回転する。
【0025】尚、金属ロール(10)とスリーブ(2)
との間の加圧接触面は、接触幅が100〜400mm、
好ましくは150〜200mmと幅広に形成されてい
る。乾燥後の紙シートは、この凹曲面に形成された加圧
接触面を通過する際に、表面処理される。処理時の線圧
は60〜500KN/mである。
【0026】本発明のカレンダ装置を駆動すると、加圧
シュー(3)と金属ロール(10)との加圧接触面は、
金属ロール(10)に内蔵された加熱装置の熱や、回転
する金属ロール(10)が紙シート(15)を介してス
リーブ(2)を回転走行させるときにスリーブ(2)と
加圧シュー(3)との加圧接触面で生じる発熱や、加圧
接触面でのスリーブ(2)自身の変形に伴う内部発熱が
スリーブ(2)の温度を徐々に上昇させる。この熱は、
スリーブ(2)と固定ビーム(1)との間の隙間によっ
て有効に放熱され、或いは紙シート表面処理区域以外の
箇所で、スリーブ(2)に対して冷風、冷却液等との接
触環境を造ることで、異常な温度上昇を抑え一定温度範
囲内に維持することが可能である。
【0027】スリーブ(2)の温度制御のために更に好
ましい方法としては、固定ビーム(1)の内部に冷却し
た潤滑油の供給路(5)を設けて、常に一定冷却温度範
囲に制御された潤滑油をスリーブ(2)の内面に供給す
ることである。潤滑油はスリーブ(2)の回転に伴う遠
心力によって、その内面にフィルム状の油膜を形成し、
ガイドバー(8)や加圧シュー(3)との接触面におけ
る摩擦を低下させ回転を容易にする。このように、スリ
ーブ(2)の冷却と潤滑油としての機能を果たした潤滑
油は、紙シート表面処理区域の直前で大半若しくは1部
が潤滑油回収路(6)から排出され、このときの潤滑油
の温度が所定温度以上であれば熱交換器で再度冷却され
た後に、再び供給路(5)より供給されるクローズドシ
ステムを形成している。なお、潤滑油排出路(7)は、
休転時や潤滑油交換時の排出用に使用される。
【0028】一般に紙シート表面処理区域を通過したと
きに、潤滑油の油膜には15〜20℃程度の温度上昇が
見られる。従って、潤滑油回収路(6)の温度を50℃
前後にするように、供給時の冷却温度を設定し、スリー
ブ(2)の表面温度を一定に保持する。
【0029】図3は、図1と同様な構成のカレンダ装置
を互いに逆向きにして2セット連続して並べたものであ
る。このようにすることで、紙シート(15)はガイド
ロール(20)で案内されながら表裏両面ともに処理さ
れる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、チルドニップカレン
ダ、ソフトニップカレンダを使用したものより一段と紙
表面の平滑、光沢が向上し、スーパーカレンダ使用した
ものと同等もしくは極めて接近した品質のものが可能と
なった。
【0031】また、密度が低く一定しているため、嵩高
で印刷適性が非常に優れた印刷用紙の製造が可能となっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る表面処理装置の横断面図
【図2】装置下半部の縦断面図
【図3】本発明の他の実施例に係る表面処理装置の横断
面図
【符号の説明】
1 円筒状固定ビーム 2 チューブ状スリーブ 3 加圧シュー 4 加圧油供給路 5 潤滑油供給路 6 潤滑油回収路 7 潤滑油排出路 8 ガイドバー 9 クランプデスク 10 金属ロール 15 紙シート

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状固定ビームと、この固定ビームの
    外周面をガイド部材による間隙を残して被覆し且つ弾性
    合成樹脂製の外層を有する回転可能なチューブ状スリー
    ブと、このチューブ状スリーブに対向接触して回転駆動
    する表面平滑な金属ロールと、前記金属ロールと前記ス
    リーブとの対向接触位置で前記スリーブの内面側に対し
    て摺動しながら押圧する凹曲面を有する加圧シューとを
    具備することを特徴とする紙シートの表面処理装置。
  2. 【請求項2】 前記固定ビームと前記スリーブとの間隙
    に、スリーブ冷却用に温度調節された潤滑油を供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載の紙シートの表面処理
    装置。
  3. 【請求項3】 前記スリーブの弾性合成樹脂製の外層が
    ショアD硬度40〜70度であることを特徴とする請求
    項1〜2に記載の紙シートの表面処理装置。
  4. 【請求項4】 前記スリーブの弾性合成樹脂製の外層表
    面がJIS B 0601で規定される表面粗さ(Rm
    ax)20ミクロン以下であることを特徴とする請求項
    1〜3に記載の紙シートの表面処理装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧シューの凹曲面が、前記金属ロ
    ールの外周面と同心円で且つやや長径の円弧をなすこと
    を特徴とする請求項1〜4に記載の紙シートの表面処理
    装置。
  6. 【請求項6】 円筒状の固定ビームの外周面をガイド部
    材による間隙を残して被覆した弾性合成樹脂製外層のチ
    ューブ状スリーブと、回転駆動する表面平滑な金属ロー
    ルとを対向圧接し、この対向圧接部分に対して前記スリ
    ーブを固定ビーム側から凹曲面状に押圧した状態で、金
    属ロールにおける中心角が10〜20度の紙シート表面
    処理区域を造り、この区域に紙中水分10%以下の紙シ
    ートを走行通過させることで紙シートの表面に平滑、光
    沢処理を施すことを特徴とする紙シートの表面処理方
    法。
  7. 【請求項7】 前記紙シート表面処理区域において、紙
    シートを通過処理するときの線圧が60〜500KN/
    mである請求項6に記載の紙シートの表面処理方法。
JP5111532A 1993-05-13 1993-05-13 紙シートのカレンダ処理方法 Expired - Fee Related JP2800908B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5111532A JP2800908B2 (ja) 1993-05-13 1993-05-13 紙シートのカレンダ処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5111532A JP2800908B2 (ja) 1993-05-13 1993-05-13 紙シートのカレンダ処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06322693A true JPH06322693A (ja) 1994-11-22
JP2800908B2 JP2800908B2 (ja) 1998-09-21

Family

ID=14563736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5111532A Expired - Fee Related JP2800908B2 (ja) 1993-05-13 1993-05-13 紙シートのカレンダ処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2800908B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002519525A (ja) * 1998-06-25 2002-07-02 ヴァルメット コーポレイション コーティングの前及び後に紙及び厚紙をカレンダ加工する方法及び装置
JP2002544409A (ja) * 1999-05-14 2002-12-24 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド カレンダー仕上紙又は板紙の製造方法及び装置
JP2003508641A (ja) * 1999-08-27 2003-03-04 メトソ ペーパ インコーポレイテッド シューロール
JP2005531098A (ja) * 2002-06-26 2005-10-13 エナージー コンバーション デバイセス インコーポレイテッド 重合体基材上に微細構造を形成する方法及び装置
JP2008138353A (ja) * 2006-11-29 2008-06-19 Andritz Kuesters Gmbh カレンダ
JP4671576B2 (ja) * 2000-04-18 2011-04-20 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド 板紙ウエブをカレンダ掛けする方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4669707B2 (ja) * 2005-02-15 2011-04-13 日本製紙株式会社 オフセット印刷用新聞用紙とその製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01280090A (ja) * 1988-03-12 1989-11-10 J M Voith Gmbh 拡張ニッププレスロール
JPH02259187A (ja) * 1989-03-27 1990-10-19 Kanzaki Paper Mfg Co Ltd キャスト塗被紙の製造方法
JPH03234895A (ja) * 1990-02-09 1991-10-18 Mitsubishi Paper Mills Ltd グラビア印刷用塗工紙

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01280090A (ja) * 1988-03-12 1989-11-10 J M Voith Gmbh 拡張ニッププレスロール
JPH02259187A (ja) * 1989-03-27 1990-10-19 Kanzaki Paper Mfg Co Ltd キャスト塗被紙の製造方法
JPH03234895A (ja) * 1990-02-09 1991-10-18 Mitsubishi Paper Mills Ltd グラビア印刷用塗工紙

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002519525A (ja) * 1998-06-25 2002-07-02 ヴァルメット コーポレイション コーティングの前及び後に紙及び厚紙をカレンダ加工する方法及び装置
JP2002544409A (ja) * 1999-05-14 2002-12-24 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド カレンダー仕上紙又は板紙の製造方法及び装置
JP2003508641A (ja) * 1999-08-27 2003-03-04 メトソ ペーパ インコーポレイテッド シューロール
JP4671576B2 (ja) * 2000-04-18 2011-04-20 メッツォ ペーパー インコーポレイテッド 板紙ウエブをカレンダ掛けする方法
JP2005531098A (ja) * 2002-06-26 2005-10-13 エナージー コンバーション デバイセス インコーポレイテッド 重合体基材上に微細構造を形成する方法及び装置
JP2008138353A (ja) * 2006-11-29 2008-06-19 Andritz Kuesters Gmbh カレンダ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2800908B2 (ja) 1998-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4008504B2 (ja) カレンダ掛け方法および該方法を使用するカレンダ
US5251551A (en) Calendering apparatus for paper making process
CA2285291C (en) Calendering method and a calender that makes use of the method
US5609098A (en) Paper calendering apparatus
US5137678A (en) Method for calendering a paper or cardboard web coated at both sides
JP2899414B2 (ja) 移動するウェブの押圧装置
JP2800908B2 (ja) 紙シートのカレンダ処理方法
FI92849C (fi) Kalanterointikone paperinvalmistusprosessia varten
JP2012531528A (ja) 製品ウェブを処理する光沢機
US7000536B2 (en) Belt calender
EP1330573B1 (en) Method and arrangement for calendering a web comprising a long-nip calender
US8440054B2 (en) Calender for calendering a paper web
JP2007056409A (ja) スーパーカレンダー
JP2003227089A (ja) 紙のカレンダ処理装置及びカレンダ処理方法
JP2904464B2 (ja) 製紙カレンダ用弾性ベルト
JP2906403B2 (ja) 製紙用カレンダ装置及びカレンダ処理方法
JP3686389B2 (ja) 抄紙機
JPH1181182A (ja) ウエブのカレンダー装置及び方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees