JPH06322587A - 複合酸化物薄膜及びその製造方法 - Google Patents
複合酸化物薄膜及びその製造方法Info
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- JPH06322587A JPH06322587A JP13292393A JP13292393A JPH06322587A JP H06322587 A JPH06322587 A JP H06322587A JP 13292393 A JP13292393 A JP 13292393A JP 13292393 A JP13292393 A JP 13292393A JP H06322587 A JPH06322587 A JP H06322587A
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Abstract
成することが可能で、制御可能な膜厚範囲が広く、かつ
制御精度の高い複合酸化物薄膜の製造方法を提供する。 【構成】 複合酸化物を構成する金属を含有する電極7
と任意の電極8を、複合酸化物を構成する他の元素を含
有するpH13以上のアルカリ性水溶液(処理溶液)2
中に浸漬し、このアルカリ性水溶液2を80℃〜水の臨
界温度(374.2℃)の範囲内の所定の温度にまで昇
温する処理(水熱処理)と、この水熱処理工程におけ
る、アルカリ性水溶液2の温度が100℃以下の温度か
ら前記範囲内の所定の温度に至るまでの間、前記電極
7,8間に通電する処理(電解処理)を施す。
Description
し、詳しくは、誘電体、センサー、光電子、磁気材料、
超伝導材料などの用途に用いられる複合酸化物薄膜及び
その製造方法に関する。
酸バリウム(BaTiO3)やチタン酸ストロンチウム
(SrTiO3)などの複合酸化物は、強誘電体材料、
圧電体材料、焦電体材料などとして優れた性質を有し、
超音波センサ、コンデンサ、アクチュエータ、焦電型赤
外線センサ、不揮発性メモリーその他の種々のデバイス
に幅広く利用されており、さらには超伝導材料などの分
野への応用が試みられている。
法としては、 スパッタリング法やイオンプレーティング法などの物
理蒸着法(PVD法)、及び 薄膜材料である有機金属気体の熱分解,酸化,還元,
重合などにより、薄膜組成を基材上に沈着させて薄膜を
形成する化学蒸着法(CVD法)などの気相法がよく知
られている。
善すべき問題点がある。上記の物理蒸着法(PVD
法)においては、一般に、結晶質の膜を得るために、基
板などの基材の温度を約500℃以上にすることが必要
であり、基材を冷却する工程で熱歪が蓄積され、形成さ
れたチタン酸鉛膜にクラックや剥離が生じやすいという
問題点がある。また、蒸着物質の蒸発は低酸素分圧下で
行われるため、生成した複合酸化物薄膜は酸素欠陥を有
することが多く、特性の劣化やばらつきが生じるという
問題点がある。
TiO3)のような複合酸化物の薄膜を形成する場合に
は、元素によって蒸発速度が異なるため、膜の組成を制
御して目標とする組成の複合酸化物を得ることが困難で
あるという問題点がある。また、膜の成長が遅いという
問題点がある。
おいては、有機金属の蒸発温度が比較的高く、大掛かり
な設備が必要になること、上記の物理蒸着法の場合と同
様に膜の組成を制御することが困難で、目標とする組成
の膜を形成することが容易ではないこと、さらには原料
が極めて高価であることなどの問題点がある。
る薄膜形成法もいくつか知られており、その主なものと
しては、 有機金属を基板上に塗布し、これを焼成して酸化物薄
膜を形成する、いわゆる、ゾル・ゲル法などの有機金属
塗布法、 バリウム塩またはストロンチウム塩を溶融させた溶融
塩中にチタン金属またはジルコニウム金属を浸漬して誘
電体膜を生成させる方法(特公昭43−2650号公
報)、溶融塩中にチタン金属を浸漬する方法(特公昭4
4−13455号公報)、 バリウムの強アルカリ性水溶液中で化成処理してチタ
ン酸バリウム(BaTiO3)薄膜(皮膜)を生成させ
る方法(特開昭60−116119号公報)などが知ら
れている。
題点がある。
は、基板に塗布した有機金属を酸化物膜にするために、
一般に約500℃以上の高温で焼成する必要があるこ
と、乾燥及び焼成行程中に大きな収縮が生じ、膜にクラ
ックや剥離が生じやすいこと、焼成行程中の有機分の蒸
発や燃焼により、緻密な膜を得ることが困難であること
などの問題点がある。さらに、焼成行程において、基板
と複合酸化物薄膜の意図しない反応が進行する場合があ
り、目標とする組成の複合酸化物薄膜を得ることができ
ない場合があるというような問題点がある。
いては、通常約700℃以上の高温で無機塩を溶融する
必要があるため、無機塩と反応容器との反応を抑制する
ために、反応性の低い高価な材料からなる反応容器を用
いなければならず、コストが上昇するという問題点があ
り、また、そのような反応容器を用いても、反応を完全
に防止することは困難で、コンタミネーションを避ける
ことができないという問題点がある。
被膜の成長速度が遅く、また、膜厚制御が困難であると
いう問題点がある。
解消し、均一性、結晶性に優れた複合酸化物薄膜を製造
する方法として、水熱反応と電気化学反応の両方を積極
的に利用した方法(水熱電気化学法)が提案されている
(特願平1−177491,特願平2−18233
8)。この方法によると、特別な後処理を必要とせず
に、200℃以下の温度でチタン酸バリウム、チタン酸
ストロンチウムなどの複合酸化物の薄膜を合成すること
ができる。
バリウム、チタン酸ストロンチウムなどの複合酸化物薄
膜の膜厚を約0.3μm以上に成長させることができな
いという問題点がある。そして、このこと(すなわち、
膜厚をある程度以上に成長させることができないこと)
が、水熱電気化学法による複合酸化物薄膜の物理的、化
学的性質の基礎研究の進展を阻害する要因ともなってい
る。
酸化物薄膜の合成方法である水熱電気化学法を種々のデ
バイス用の薄膜の製造に適用するには、膜厚を数μmま
で成長させることが可能で、かつ、膜厚を精度よく制御
できるようにすることが必要である。
のであり、均一性、結晶性に優れた複合酸化物薄膜、及
び該複合酸化物薄膜の製造方法であって、制御可能な膜
厚範囲が広く、かつ制御精度の高い複合酸化物薄膜の製
造方法を提供することを目的とする。
に、発明者等は、種々の実験検討を行い、水熱電気化学
法における電解処理方法を改良することにより、制御可
能な膜厚範囲及びその制御精度が大幅に向上することを
知り、さらに実験検討を重ねて発明を完成した。
方法は、複合酸化物を構成する金属を含有する電極と任
意の電極を、複合酸化物を構成する他の元素を含有する
pH13以上のアルカリ性水溶液(処理溶液)中に浸漬
し、このアルカリ性水溶液を80℃〜水の臨界温度(3
74.2℃)の範囲内の所定の温度にまで昇温する処理
(水熱処理)と、この水熱処理工程における、アルカリ
性水溶液の温度が100℃以下の温度から前記範囲内の
所定の温度に至るまでの間、前記電極間に通電する処理
(電解処理)を施すことを特徴としている。
供給された電気量を指標とすることで複合酸化物薄膜の
膜厚を制御することを特徴としている。
チタン(Ti)であり、前記複合酸化物を構成する他の
元素がバリウム(Ba)、及びストロンチウム(Sr)
の少なくとも1種であり、かつ、複合酸化物が、一般式
ATiO3(A=Ba,Sr)で表されるペロブスカイ
ト型複合酸化物であることを特徴としている。
複合酸化物薄膜の製造方法により製造された一般式AT
iO3(A=Ba,Sr)で表されるペロブスカイト型
複合酸化物薄膜である。
は、反応成分を含有する溶液中に作用電極と対向電極と
を浸漬させた状態で昇温し、その昇温過程中から、作用
電極と対向電極との間に通電を開始することにより、溶
液中の反応成分と作用電極とが持続的に反応して、作用
電極上に複合酸化物薄膜を成長させることが可能にな
る。さらに、電極間への通電量(電解系に供給された電
気量)を制御することにより、膜厚を精度よく制御する
ことが可能になる。
タン(Ti)と白金(Pt)の金属板を用意し、Ti板
は表面を鏡面に研磨した。さらに、これらの金属板をア
セトン及びクロム混硝酸で十分に洗浄して、チタン電極
(陽極)及び白金電極(陰極)とした。そして、これら
の電極と図1に示す薄膜合成装置を用いて、本発明にか
かる複合酸化物薄膜の製造方法を以下の通り実施した。
(実施例1) まず、処理溶液として、ストロンチウム濃度0.5mol
/l ,pH14.0の水酸化ストロンチウム(Sr(O
H)2)水溶液500mlを調製して、これを、図1に示す
薄膜合成装置の、テフロン製のビーカ1に入れた。それ
から、処理溶液2が入ったビーカ1をオートクレーブ3
内に設置した。さらに、オートクレーブ3の外部の電極
4から内部のビーカ1内へ、オートクレーブ3を密閉し
たときでも電力を供給することができるようにあらかじ
め配線しておいた一対のチタン線5と白金線6にチタン
電極7と白金電極8を接続し、テフロン製ビーカ1内の
処理液2中に、これらの電極を浸漬してオートクレーブ
3を密閉した。この状態で合成温度150℃まで1.5
℃/minの速度で昇温し、その後所定の時間が経過する
まで、この温度で保持した後、炉冷した。また、この処
理を行うと同時に、昇温過程の50℃(電解処理開始温
度)から前記の合成温度における所定の時間が経過する
まで、チタン電極7を陽極、白金電極8を陰極として、
これらの電極間に+12Vの直流電圧を印加して定電圧
電解処理を施し、表1の試料番号#1〜#8のSrTiO
3薄膜を合成した。
ロファイルと電解処理領域の関係を図2に示す。
より計算して求めたものである。 T=δW/{Sρ(WM1/WM2)} (1) 但し、 T :膜厚 δW:チタン電極の重量増加 S :チタン電極の表面積 ρ :生成膜の密度 WM1:(Sr+30)の分子量 WM2:SrTiO3の分子量 である。
査型電子顕微鏡によって膜断面の多くの観測点における
膜厚の測定値の平均値と一致する。したがって、式(1)
により求めた膜厚により生成膜の平均膜厚を高精度で見
積もることが可能である。
の関係を図3に示す。なお、図3には、比較例として、
150℃の合成温度においてのみ電解処理を施すという
従来法における複合酸化物薄膜の膜厚変化を併せて示し
ている(表1,2の試料番号#16〜#20)。
合、初期の段階においては、保持時間の増加とともに膜
厚は増加するが、保持時間が約60min以上になると膜
厚の増加が認められなくなり、膜厚を約0.3μm以上
に大きくすることができない。
法の場合、240min(4時間)という短時間で膜厚を
1.96μmにまで増加させることが可能であり、か
つ、保持時間に比例して膜厚を直線的に増加させること
ができる。
のように、電解処理を保持時間の開始時点より早い時点
(すなわち、保持温度より低い温度)から開始すること
により、制御可能な膜厚範囲を2μm以上にまで大幅に
拡大することができるとともに、このような大きな膜厚
を有する複合酸化物薄膜を短時間で形成することができ
る。さらに、膜厚の変化は、保持時間に比例して直線的
であるため、膜厚制御も容易に行うことができる。
膜厚を有するSrTiO3薄膜の結晶性をCuKαX線
源を用いたX線回折により確認した例を示す。図4に示
すように、SrTiO3以外で認められる回折ピークは
基板である金属Tiのピークのみであり、非晶質相の混
在を示すバックグラウンドも観測されていないことか
ら、数μmの膜厚を有する膜においてもSrTiO3単一
相の膜が合成されていることは明らかである。
いて、膜厚が約2μmのSrTiO3薄膜の膜厚方向にお
ける組成の変化を調べた例を示す。図5より、SrTi
O3薄膜の膜厚を2μmまで厚くしたにもかかわらず、S
rTiO3薄膜の構成元素、すなわち、Sr,Ti,O
の分布は極めて均一であることがわかる。
は、所望の複合酸化物を構成する元素の一部を電極とす
る金属から、また、その他の元素を処理溶液から供給す
ることをその本質的な特徴としているため、膜厚が大き
くなるほど膜内部におけるこれらの元素の組成勾配が著
しくなることも懸念されたが、上記オージェ電子分光装
置を用いた膜厚方向における組成分析の結果より、本発
明の複合酸化物薄膜の製造方法においては構成元素の組
成勾配が著しくなるというような問題が生じないことが
わかる。
せるSr源として、Sr(OH)2を用いた場合について
説明したが、Sr源として用いることが可能な物質はこ
れに限られるものではなく、その他の物質、例えばSr
(NO3)2などを用いてもなんら差し支えはない。
性(pH13.0以上)にするための物質としては、一
般に使用される塩基、例えば、水酸化ナトリウム(Na
OH)や水酸化カリウム(KOH)などを用いることが
可能であり、これらを添加することにより処理溶液をp
H13.0以上のアルカリ性に容易に調整することがで
きる。
極を用いた場合について説明したが、陽極は純粋のチタ
ン金属である必要はなく、チタンと他の金属、例えば、
ジルコニウムやアルミニウムとの合金を用いることも可
能である。
は、それらの金属(元素)を生成膜中にドーピングする
技術としても利用することが可能である。
2) 処理溶液として、バリウム濃度0.5mol/l ,pH1
4.0の水酸化バリウム(Ba(OH)2)水溶液を調製
し、上記実施例1と同様のチタン電極と白金電極を用い
て、チタン酸バリウム(BaTiO3)薄膜を合成した
(表1,2の試料番号#9〜#12)。なお、この実施例
で使用した薄膜合成装置は図1に示した上記実施例1の
薄膜合成装置と同じであり、成膜条件も、上記実施例1
の成膜条件(電解処理開始温度:50℃,合成温度15
0℃,電解電圧12V)と同じである。
料番号#9〜#12)の膜厚と150℃保持時間との関係
を図6に示す。
て、150℃の合成温度においてのみ電解処理を施すと
いう従来の方法における複合酸化物薄膜の膜厚変化を併
せて示している(表1,2の試料番号#21〜#25)。
合、初期の段階においては、保持時間の増加とともに膜
厚は増加するが、保持時間が約60min以上になると膜
厚の増加が認められなくなり、膜厚を約0.3μm以上
に大きくすることができない。これは、上記実施例1の
従来法(比較例)のSrTiO3薄膜の場合と同様であ
る。
造方法の場合、BaTiO3薄膜の膜厚を、保持時間に
比例して直線的に増加させることが可能である。なお、
BaTiO3薄膜の成長速度は、実施例1のSrTiO3
薄膜のそれの約84%であり、1.64μmの膜厚を4
時間で形成することができた。
uKαX線源によるX線回折図を示す。図7より、Ba
TiO3以外で認められる回折ピークは基板である金属
Tiのピークのみであり、BaTiO3単一相の膜が合
成されていることがわかる。
の製造(実施例3) 処理溶液として、水酸化バリウム−水酸化ストロンチウ
ム((BaXSr1-X)(OH)2)混合溶液を調製し、バリ
ウムとストロンチウムの合計の濃度が0.5mol/l ,
pH14.2で、その組成Xが0.250,0.50
0,及び0.750の処理溶液を用意した。そして、こ
れらの処理溶液、及び上記実施例1と同様のチタン電極
と白金電極を用いて、チタン酸バリウムストロンチウム
((Ba,Sr)TiO3)固溶体薄膜を合成した(表
1,2の試料番号#13〜#15)。
度:50℃,合成温度150℃,電解電圧12V)と同
じ成膜条件で、保持時間を240minとして複合酸化物
薄膜を合成した場合、上記実施例1及び2のSrTiO
3薄膜及びBaTiO3薄膜と同様に、膜厚が1μm以上
の(Ba,Sr)TiO3薄膜を形成することができ
た。
3薄膜のCuKαX線源によるX線回折図を示す。な
お、図8には、回折パターンの組成依存性を明確にする
ために、上記実施例1,2のSrTiO3及びBaTi
O3端成分薄膜のデータも示している。図8より、いず
れの固溶体薄膜も、単相の立方晶ペロブスカイト構造の
回折パターンを示していることがわかる。
H)2溶液の組成Xと(BaYSr1-Y)TiO3薄膜の組
成Yを明らかにすることが実用上重要であることから、
SrTiO3及びBaTiO3端成分及び固溶体薄膜につ
いて、これらの薄膜が立方晶であると仮定して、最小自
乗法により格子定数を求めた。このようにして求めた格
子定数を表2に示す。
Vegard則を適用して求めた溶液組成Xと薄膜組成
Yの関係を図9に示す。図9より、SrTiO3端成分
からBaTiO3端成分にいたる全組成の固溶体膜を合
成することが可能であることがわかる。
域に関する例 上記各実施例においては、図2に示す水熱温度プロファ
イルと電解処理領域を採用した場合について説明した
が、本発明は、請求項1で規定される条件に適合する他
の水熱温度プロファイルと電解処理領域を採用しても実
施することが可能である。
10,図11,図12に示すとともに、それらの処理方
法によって合成したSrTiO3薄膜を表1,2の試料
番号#26,#27,#28として示す。
成温度:200℃(保持時間1.5時間(90min))
の場合の水熱温度プロファイルと電解処理領域の関係を
示している。この処理方法で合成したSrTiO3薄膜
の膜厚は1.29μmであった。
℃,合成温度:300℃(保持時間0時間)の場合の水
熱温度プロファイルと電解処理領域の関係を示してい
る。この処理方法で合成したSrTiO3薄膜の膜厚は
1.44μmであった。
膜厚のSrTiO3薄膜が形成されていることから、膜
を成長させるという目的を達成するために、特に保持時
間を設定する必要がないことがわかる。
0℃,合成温度:350℃(保持時間0時間)の場合の
水熱温度プロファイルと電解処理領域の関係を示してい
る。この処理方法で合成したSrTiO3薄膜の膜厚は
1.63μmであった。
続してもよいことがわかる。また、合成温度は、水の臨
界温度(374.2℃)の直前まで上昇させることがで
きる。
は、以下のような方法により、生成膜の膜厚を極めて高
精度に制御することができる。すなわち、生成膜の膜厚
と電解系に供給した総電気量との間の関係は、単純な関
数関係で近似することができる。
8のSrTiO3薄膜についての膜厚と電気量の関係を
図13に示す。なお、膜厚と電解時間(150℃保持時
間)との関係はすでに第3図に示している。
様に、電気量に対しても膜厚は直線的に変化するが、膜
厚とそれらの変量間の相関係数を計算すると、電解時間
に対しては0.995にとどまるが、電気量に対しては
0.999という値が得られる。したがって、電解電気
量を指標とすることにより、相関係数0.999という
極めて高い精度で生成膜の膜厚を制御することができ
る。
ものではなく、複合酸化物を構成する金属の種類、及び
複合酸化物を構成する他の元素の種類、処理溶液のp
H、水熱処理温度及び処理時間、電解処理温度及び処理
時間などに関し、本発明の要旨の範囲内において、種々
の応用、変形を加えることが可能である。
の製造方法は、複合酸化物を構成する金属を含有する電
極と任意の電極を、複合酸化物を構成する他の元素を含
有する処理溶液に浸漬し、処理溶液を所定の温度にまで
昇温する処理(水熱処理)と、その昇温過程中から電極
間に通電する処理(電解処理)を施すようにしているの
で、均一性、結晶性に優れた複合酸化物薄膜を、200
℃以下の低温で確実に合成することができるとともに、
複合酸化物薄膜の膜厚を、工業的利用に十分な範囲
(0.1〜2.0μmの範囲)で制御することができ
る。
れた総電気量を指標とすることにより、極めて高い精度
でその膜厚を制御することができる。
処理を併用する薄膜合成装置の構成図である。
℃の場合の水熱温度プロファイルと電解処理領域の関係
を示す図である。
℃,電解電圧:直流12Vの場合のSrTiO3薄膜と
150℃保持時間の関係を示す図である(但し、従来法
は、150℃の合成温度においてのみ直流12Vの電解
処理を施した場合の膜厚変化を示す)。
折図である。
薄膜内部におけるSr,Ti,Oの各元素の相対濃度を
示す図である。
℃,電解電圧:直流12Vの場合のBaTiO3薄膜と
150℃保持時間の関係を示す図である(但し、従来法
は、150℃の合成温度においてのみ直流12Vの電解
処理を施した場合の膜厚変化を示す)。
折図である。
の組成を有する(Ba,Sr)TiO3固溶体薄膜のX
線回折図である。
Sr1-Y)TiO3固溶体薄膜の組成Yの関係を示す図で
ある。
0℃の場合の水熱温度プロファイルと電解処理領域の関
係を示す図である。
0℃(保持時間:0時間)の場合の水熱温度プロファイ
ルと電解処理領域の関係を示す図である。
50℃(保持時間:0時間)の場合の水熱温度プロファ
イルと電解処理領域の関係を示す図である。
0℃,電解電圧:直流12Vの場合のSrTiO3薄膜
の膜厚と電解電気量との関係を示す図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 複合酸化物を構成する金属を含有する電
極と任意の電極を、複合酸化物を構成する他の元素を含
有するpH13以上のアルカリ性水溶液(処理溶液)中
に浸漬し、このアルカリ性水溶液を80℃〜水の臨界温
度(374.2℃)の範囲内の所定の温度にまで昇温す
る処理(水熱処理)と、この水熱処理工程における、ア
ルカリ性水溶液の温度が100℃以下の温度から前記範
囲内の所定の温度に至るまでの間、前記電極間に通電す
る処理(電解処理)を施すことを特徴とする複合酸化物
薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記電解処理工程において電解系に供給
された電気量を指標とすることで複合酸化物薄膜の膜厚
を制御することを特徴とする請求項1記載の複合酸化物
薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 前記複合酸化物を構成する金属がチタン
(Ti)であり、前記複合酸化物を構成する他の元素が
バリウム(Ba)、及びストロンチウム(Sr)の少な
くとも1種であり、かつ、複合酸化物が、一般式ATi
O3(A=Ba,Sr)で表されるペロブスカイト型複
合酸化物であることを特徴とする請求項1または2記載
の複合酸化物薄膜の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の複合酸化物薄膜の製造方
法により製造されたペロブスカイト型複合酸化物薄膜。
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---|---|---|---|
JP13292393A JP3224905B2 (ja) | 1993-05-10 | 1993-05-10 | 複合酸化物薄膜及びその製造方法 |
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- 1993-05-10 JP JP13292393A patent/JP3224905B2/ja not_active Expired - Lifetime
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