JPH06322388A - コークス系電気粘性流体 - Google Patents

コークス系電気粘性流体

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JPH06322388A
JPH06322388A JP13404193A JP13404193A JPH06322388A JP H06322388 A JPH06322388 A JP H06322388A JP 13404193 A JP13404193 A JP 13404193A JP 13404193 A JP13404193 A JP 13404193A JP H06322388 A JPH06322388 A JP H06322388A
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JP
Japan
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coke
particles
specific gravity
fluid
electrorheological fluid
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JP13404193A
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English (en)
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Yoshitsugu Kojima
由継 小島
Takaaki Matsuoka
孝明 松岡
Hideo Takahashi
秀郎 高橋
Masatoshi Matsuda
雅敏 松田
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性が優れ、更には粒子の分散安定性が優
れた電気粘性流体を提供する。 【構成】 電気絶縁性の分散媒中にコークス系粒子を分
散させ、優れた耐熱性を持たせた電気粘性流体。更に、
前記分散媒がコークス系粒子より比重の大きい流体とコ
ークス系粒子より比重の小さい流体を混合したものであ
り、両流体の混合割合の調製によりその比重をコークス
系粒子の比重と一致させた、粒子の分散安定性の優れた
電気粘性流体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は電気粘性流体に関し、
更に詳しくは、いわゆるウィンズロー効果を利用して流
体の粘度を自由に変化させ得るようにした電気粘性流体
であって、特に耐熱性と粒子の分散安定性とを考慮した
ものに関する。本願発明の電気粘性流体は、エネルギー
の吸収や、緩衝作用を伴うエネルギーの伝達等を目的と
する各種の装置に利用でき、とりわけ、耐熱性が要求さ
れる自動車用のクラッチ、ショックアブソーバ、エンジ
ンマウント等に好ましく利用できる。
【0002】
【従来の技術】従来の電気粘性流体の一例として、特開
昭61−44998号公報には、ポリメタクリル酸リチ
ウム等の高分子電解質に数%の水分を吸着させた固体粒
子を、電気絶縁性のシリコーンオイルや塩化パラフィン
に分散させてなる電気粘性流体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の電気粘
性流体においては、耐熱性と、粒子の分散安定性とに問
題があった。
【0004】まず、耐熱性に関しては、分散粒子が水分
を含んでいるため、電気粘性流体の温度が60°C程度
以上になると電圧印加時の電流密度が急激に増大してし
まい、電気絶縁性が失われてウィンズロー効果が発現し
難くなると共に、電力消費量も著しく増大するという問
題があった。
【0005】従って、上記の電気粘性流体は、低温条件
下や電力消費に制約のない条件下での使用に限られてい
た。そして例えば自動車用のクラッチ、ショックアブソ
ーバ、エンジンマウント等に適用する場合のように、1
00〜150°C程度の高温条件下での使用が予定され
る場合や、車載バッテリー等を電源とするため電力消費
が厳しく制約される場合には使用できなかった。
【0006】一方、電気粘性流体の分散粒子として、ド
ーピング処理を行ったポリ−p−フェニレンやポリピロ
ール等からなる固体粒子を用いることにより、分散粒子
に水を含ませる必要をなくした例もある(特開平3−3
3194)。しかしこの場合でも、ポリ−p−フェニレ
ン等は線状高分子であるため、100°C以上の温度域
においては高分子の熱運動に基づく電流密度の増大が見
られ、電気粘性流体の分散粒子の理想的な比抵抗には達
していない。
【0007】更に、上記の従来技術で用いられている分
散媒のシリコーンオイルや塩化パラフィンも必ずしも耐
熱性が良くはなかった。
【0008】次に、粒子の分散安定性に関しては、分散
媒と分散粒子との比重が一致していないため、分散粒子
が沈降もしくは浮上してしまい易く、電気粘性流体とし
ての機能を果たす上で不可欠な粒子の分散状態を安定的
に維持できないという問題があった。
【0009】そこで本願発明の第1の課題は、耐熱性が
優れた電気粘性流体、例えば100〜150°C程度の
高温条件下で十分に使用することができる電気粘性流体
を提供することである。また、本願発明の第2の課題
は、耐熱性に加えて分散安定性が優れた電気粘性流体を
提供することである。
【0010】本願発明者は、上記課題を解決するにあた
り、耐熱性の優れた分散媒及び分散粒子を用いることを
前提として、所定比重の分散粒子に対して、より比重の
小さな分散媒とより比重の大きな分散媒との混合分散媒
を用いて比重合わせを行うことを考えた。そしてこのよ
うな条件に合致する分散媒及び分散粒子の新規な組み合
わせを探索した結果、本願発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るための本願第1発明(請求項1に記載の発明)の構成
は、電気絶縁性の分散媒中にコークス系粒子を分散させ
たコークス系電気粘性流体である。
【0012】上記第2の課題を解決するための本願第2
発明(請求項2に記載の発明)の構成は、第1発明にお
ける分散媒がコークス系粒子より比重の大きい流体とコ
ークス系粒子より比重の小さい流体を混合したものであ
り、かつ、両流体の混合割合の調整によりその比重がコ
ークス系粒子の比重と一致しているコークス系電気粘性
流体である。
【0013】
【作用】
(第1発明の作用)コークス系粒子は、炭素原子の6員
環網目構造が積層して形成される黒鉛構造を有し、当該
構造中の豊富なπ電子の存在により、電気粘性流体の分
散粒子としてウィンズロー効果を良好に発現する。そし
て、コークス系粒子には水分を含ませる必要がないた
め、これを用いた電気粘性流体は100〜150°Cの
高温条件下でも電流密度が低く、温度の変化に対して安
定した電気粘性効果を示す。
【0014】(第2発明の作用)電気粘性流体の分散媒
の比重が、2種流体の混合割合の調整により分散粒子で
あるコークス系粒子の比重と一致しているため、分散粒
子が沈降もしくは浮上し難く、粒子の分散状態が安定的
に維持される。
【0015】
【発明の効果】
(第1発明の効果)第1発明の電気粘性流体は優れた耐
熱性を示し、電力消費も少なくて済むため、例えば自動
車用のクラッチ、ショックアブソーバ、エンジンマウン
ト等に適用する場合のように、100〜150°C程度
の高温条件下での使用が予定される場合や、車載バッテ
リー等を電源とするため電力消費が厳しく制約される場
合にも問題なく使用できる。
【0016】(第2発明の効果)第2発明の電気粘性流
体は、優れた耐熱性に加え、粒子の分散状態が常に安定
的に維持され、電気粘性流体の機能が保証される。
【0017】
【実施態様】次に本願第1、第2発明について幾つかの
実施態様を示す。但し、本願第1、第2発明の内容はこ
れらの実施態様に限定されるものではない。
【0018】コークス系粒子として、いわゆる石油系コ
ークスの粒子、石炭系コークスの粒子、石炭の粒子等が
用いられる。石油系コークスは、例えば石油系重質油を
500°C前後の温度で一定時間乾留することにより、
熱分解重合反応の進行を経て、ガス、液状留分とともに
得られる。石炭系コークスは、石炭の乾留により得られ
る。コークスについては、いわゆる生コークスが望まし
い。
【0019】コークス系粒子は、107 Ωcm以上の絶
縁性を示すものを用いることが望ましい。さもないと、
電気粘性流体の電流密度の増大を招くからである。
【0020】コークス系粒子の粒径は、適宜な粒径調整
手段により、0.1〜500μm程度の範囲内としたも
のが望ましく、特に0.1〜100μm程度の範囲内で
あることが好ましい。コークス系粒子の粒径が細かすぎ
ると、電圧印加時における粒子間の電気的結合が十分に
形成されないためにウィンズロー効果の発現が阻害され
る恐れがある。一方、コークス系粒子の粒径が粗すぎる
と、電気粘性流体中におけるコークス系粒子の分散が困
難になり易い。
【0021】コークス系粒子は分散媒に対して2〜60
重量%の重量分率で分散させることが望ましい。2重量
%未満であるとウィンズロー効果を確保できず、60重
量%を超えると流体の流動性に悪影響を与える。
【0022】第1発明において、分散媒としては、電気
絶縁性の流体であれば使用できるが、特にシリコーンオ
イル、塩化パラフィン、フッ素系オイル等のいわゆる絶
縁油が適している。第2発明における分散媒としては、
上記の各種の分散媒のうち、コークス系粒子より比重の
大きい流体とコークス系粒子より比重の小さい流体とを
少なくとも各1種ずつ混合したものを用いる。
【0023】混合分散媒の比重を比較的重いコークス系
粒子の比重と一致させる目的からは、コークス系粒子よ
り比重の大きい流体として比重1.6〜2.0のフッ素
系オイルを用い、これに、コークス系粒子より比重の小
さい流体としてのシリコーンオイル(比重0.8〜1.
0)を必要量だけ混合するのが望ましい。
【0024】この場合において、コークス系粒子、フッ
素系オイル、シリコーンオイルのいずれについても比重
は必ずしも一定ではないので、シリコーンオイルの必要
な混合量は、これらの比重に応じて、次の式に基づき定
まる。
【0025】 X=ρs (ρf −ρc )/〔ρc (ρf −ρs )〕
【0026】上記の式において、Xは混合分散媒におけ
るシリコーンオイルの混合重量割合(%)、ρs はシリ
コーンオイルの比重、ρf はフッ素系オイルの比重、ρ
c はコークス系粒子の比重である。
【0027】なお、フッ素系のオイルとしては、例えば
米国スリーエム社のフロリナート(商標)、ダイキン工
業(株)のダイフロイル(商標)等を使用できる。
【0028】
【実施例】
(トルクと電流の測定)以下に本発明の実施例を説明す
る。電気粘性流体の評価には、図1に示した二重円筒レ
オメータ(岩本製作所製)を用いた。評価に当たり、外
径16mm、表面積17cm2 の内円筒1と、内径18
mmの外円筒2の間に電気粘性流体3を収容した後、外
円筒2を14rpmの速度で回転させ、この状態におい
て内円筒1と外円筒2の間に4kVの電圧を印加して内
円筒1にかかるトルク並びに電流を測定した。評価はト
ルクから計算した剪断応力と電流を内円筒1の表面積で
規格化した電流密度で行った。
【0029】(基底粘度)また、電圧を印加せずに外円
筒2を500rpmの速度に至るまで次第にその回転速
度を上げていき、その間に内円筒1にかかるトルクから
計算される剪断応力と、回転速度から求められる剪断速
度との関係から基底粘度を求めた。
【0030】(分散安定性の評価)更に、電気粘性流体
を直径4cm、高さ12cmのガラス製の容器に10c
mの高さまで入れて放置し、電気粘性流体中のコークス
系粒子が沈降することによって生じる分散媒のみの部分
の高さが1cmになるまでの時間を、分散安定性の指標
として測定した。
【0031】(実施例1)石油系重質油を500°Cで
熱分解反応させてコークスを得た。そしてこれを粉砕し
て、平均粒径30μmのコークス粒子(比重1.39)
を調製した。このコークス粒子40gを信越化学工業製
の比重0.95のシリコーンオイル(KF96−20)
60gに良く分散させた電気粘性流体について、室温か
ら150°Cまで温度を変え、4kVの直流電圧を印加
するという条件において前記剪断応力(/kPa)、電
流密度(/μAcm-2)、基底粘度(Pa・s)、分散
安定性(/日)を求めた。その結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(実施例2)コークス粒子の使用量が30
g、シリコーンオイルの使用量が70gである点を除い
て実施例1と同じ条件で、電気粘性流体の剪断応力(/
kPa)、電流密度(/μAcm-2)、基底粘度(Pa
・s)、分散安定性(/日)を求めた。その結果を表1
に示す。
【0034】(実施例3)実施例1と同じコークス粒子
を調製する一方、実施例1と同じシリコーンオイルと前
記ダイフロイル(#3、比重1.92)とを4:6の重
量比で混合してコークス粒子と同一比重とした混合分散
媒を調製した。そしてコークス粒子30gを前記混合分
散媒70gに良く分散させた電気粘性流体を調製し、実
施例1と同じ条件で電気粘性流体の剪断応力(/kP
a)、電流密度(/μAcm-2)、基底粘度(Pa・
s)、分散安定性(/日)を求めた。その結果を表1に
示す。
【0035】(比較例1)塩化銅を0.2%吸着させた
平均粒径20μmのポリパラフェニレン粒子15gを実
施例1と同じシリコーンオイル85gに良く分散させて
電気粘性流体を調製し、実施例1と同じ条件で電気粘性
流体の剪断応力(/kPa)、電流密度(/μAc
-2)、基底粘度(Pa・s)、分散安定性(/日)を
求めた。その結果を表1に示す。
【0036】(比較例2)平均粒径30μmのポリメタ
クリル酸ナトリウム粒子20gを実施例1と同じシリコ
ーンオイル80gに良く分散させて電気粘性流体を調製
し、実施例1と同じ条件で電気粘性流体の剪断応力(/
kPa)、電流密度(/μAcm-2)、基底粘度(Pa
・s)、分散安定性(/日)を求めた。その結果を表1
に示す。
【0037】(実施例及び比較例の評価)表1より明ら
かなように、本願第1発明に相当する実施例1と実施例
2、及び本願第2発明に相当する実施例3は、従来技術
である比較例1及び比較例2に比し、高温域における電
流密度が目立って低く、耐熱性が優れている。更に実施
例3は、比較例1及び比較例2に比し、更には実施例1
と実施例2に比しても、分散安定性が著しく向上してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の評価に用いた装置の概略を示す断面図
である。
【符号の説明】 1 内円筒 2 外円筒 3 電気粘性流体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 20:06 Z 8217−4H 30:04 40:14 (72)発明者 高橋 秀郎 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 松田 雅敏 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気絶縁性の分散媒中にコークス系粒子を
    分散させたことを特徴とするコークス系電気粘性流体。
  2. 【請求項2】前記分散媒が前記コークス系粒子より比重
    の大きい流体とコークス系粒子より比重の小さい流体を
    混合したものであり、かつ、両流体の混合割合の調整に
    よりその比重がコークス系粒子の比重と一致しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のコークス系電気粘性流
    体。
JP13404193A 1993-05-11 1993-05-11 コークス系電気粘性流体 Pending JPH06322388A (ja)

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