JPH06322129A - ポリイミド系樹脂およびこれを用いた積層体 - Google Patents

ポリイミド系樹脂およびこれを用いた積層体

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JPH06322129A
JPH06322129A JP11193693A JP11193693A JPH06322129A JP H06322129 A JPH06322129 A JP H06322129A JP 11193693 A JP11193693 A JP 11193693A JP 11193693 A JP11193693 A JP 11193693A JP H06322129 A JPH06322129 A JP H06322129A
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JP
Japan
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polyimide resin
laminate
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chemical
polyimide
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JP11193693A
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English (en)
Inventor
Kazumi Azuma
一美 東
Yuji Hotta
祐治 堀田
Shu Mochizuki
周 望月
Masako Maeda
雅子 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Publication date
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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 4,4’−ジアミノベンズアニリドと4,
4’−ジアミノジフェニルエーテルおよびN−メチル−
2−ピロリドンを仕込み、窒素導入下室温で攪拌して溶
解させた。その後、ピロメリット酸二無水物を少しずつ
系内に投入して、そのまま室温で攪拌して、ポリアミド
酸溶液を合成した。得られたポリアミド酸溶液を、圧延
銅箔1上にアプリケータを用いて均一に流延塗布し、乾
燥させて、ポリイミド前駆体層2を形成した。この基板
を乾燥炉にて加熱して脱水閉環を行い、フレキシブルプ
リント基板3を作製した。 【効果】 フレキシブルプリント基板3は、アルカリ水
溶液だけで容易にエッチングでき、線膨張係数が銅箔1
と近接しているので、直接金属箔上に積層してもフレキ
シブルプリント基板3にカールを生じない。したがっ
て、工程面、設備面においてコストダウンが図れ、その
結果、安価に加工できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリイミド系樹脂およ
びこれを用いた積層体に関し、特にフレキシブル配線基
板の絶縁体層として用いられるポリイミド系樹脂および
これを用いたフレキシブル配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器が軽量化や薄型化、小型
化するのに伴い、配線基板も高性能化し、特開昭62−
282486号公報に開示されているように、銅箔にポ
リイミド樹脂層を直接積層したいわゆる2層フレキシブ
ル配線基板が多く提案されるようになってきた。この2
層フレキシブル配線基板に回路加工、特にポリイミド樹
脂層側に加工を施す場合、同公報に開示されているポリ
イミド系樹脂を用いた場合、それを溶解する薬品がない
ため、紫外線レーザーなどを用いたドライエッチングで
行われているのが現状である。しかしながら、この方法
では加工装置が高価であり、量産性に問題がある。
【0003】一方、デュポン社のカプトンに代表される
ピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニ
ルエーテルとから製造されるポリイミド系樹脂は、アル
カリによるウエットエッチングが可能であるが、このポ
リイミド系樹脂層を金属箔に直接積層すると線膨張係数
の違いにより、積層体である基板にカールを生じてしま
う。また、このポリイミド系樹脂層をウエットエッチン
グする場合、アルカリ水溶液だけでは溶解に時間がかか
るため、ヒドラジンやアルコールなどの危険物を混合し
て使用されているのが現状であり、混合する薬品に対す
るエッチング装置などの安全対策が必要であり、その分
コストアップとなってしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
箔の上に直接積層してもカールを生じず、ヒドラジンや
アルコールなどの有機溶剤を混合しなくても、即ちアル
カリ水溶液だけで容易にエッチング可能なポリイミド系
樹脂、およびこれを用いたフレキシブル配線基板などの
積層体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、原料である
芳香族酸二無水物として一般式(IV)で示されるピロメ
リット酸二無水物を用い、例えば4,4’−ジアミノベ
ンズアニリドなどの一般式(V)で示されるジアミノベ
ンズアニリド化合物、および一般式(VI)で示される芳
香族ジアミノ化合物を併用して用いることにより、線膨
張係数が金属箔と近接し、直接金属箔上に積層してもカ
ールを生じず、且つ、著しくアルカリ水溶液に対するエ
ッチング性が向上することを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】〔但し、式中R1およびR2は、低級アル
キル基、低級アルコキシ基またはハロゲン基を示し、互
いに同じであっても異なっていてもよく、n1およびn
2は、0または1〜4の整数を示す。〕
【0009】
【化6】
【0010】〔但し、式中Aは、一般式(III )で示さ
れる基を除く炭素数12以上の2価の芳香族基であ
る。〕
【0011】
【化7】
【0012】〔但し、式中R3およびR4は、低級アル
キル基、低級アルコキシ基またはハロゲン基を示し、互
いに同じであっても異なっていてもよく、n3およびn
4は、0または1〜4の整数を示す。〕
【0013】即ち、本発明は、一般式(I)および(I
I)で示される構造単位を有するポリイミド系樹脂であ
る。
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】〔但し、式中R1およびR2は、低級アル
キル基、低級アルコキシ基またはハロゲン基を示し、互
いに同じであっても異なっていてもよく、n1およびn
2は、0または1〜4の整数を示し、Aは、一般式(II
I )で示される基を除く炭素数12以上の2価の芳香族
基であり、α:β=90〜30:10〜70である。〕
【0017】
【化10】
【0018】〔但し、式中R3およびR4は、低級アル
キル基、低級アルコキシ基またはハロゲン基を示し、互
いに同じであっても異なっていてもよく、n3およびn
4は、0または1〜4の整数を示す。〕
【0019】また、本発明は、上記のポリイミド系樹脂
からなる少なくとも1つの樹脂層と、導電体層とを有す
る積層体である。
【0020】本発明において「低級アルキル基」とは、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、tert- ペンチル、ヘキシル、
ヘプチル、オクチルなどの炭素数1〜8個の直鎖状又は
分岐状のアルキル基をいい、「低級アルコキシ基」と
は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert- ブ
トキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオ
キシ、オクチルオキシなどの炭素数1〜8個の直鎖状又
は分岐状のアルコキシ基をいい、「ハロゲン基」とは、
フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
【0021】本発明において「炭素数12以上の2価の
芳香族基」としては、以下の芳香族基が例示される。
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】
【化18】
【0030】
【化19】
【0031】
【化20】
【0032】〔但し、式中R5〜R31は、低級アルキ
ル基、低級アルコキシ基またはハロゲン基を示し、互い
に同じであっても異なっていてもよく、n5〜n31
は、0または1〜4の整数を示し、Xは、水素またはハ
ロゲン基を示す。〕
【0033】本発明のポリイミド系樹脂は、上記の一般
式(I)および(II)で示される構造単位を有してお
り、構造単位(I):構造単位(II)の比は、90〜3
0:10〜70、好ましくは70〜50:30〜50で
ある。構造単位(I)の割合が90%を越えると、従来
の技術の項で述べたように、金属箔に直接積層すると積
層体である基板に金属面を内にしてカールを生じるばか
りか、皮膜が脆くなり基板としての使用に耐えないので
好ましくない。一方、構造単位(I)の割合が30%未
満であると、金属面を外にしてカールが生じ不都合であ
る。
【0034】さらに、本発明のポリイミド系樹脂は、線
膨張係数が1.0×10-5〜2.5×10-5(/℃)、
好ましくは1.3×10-5〜1.8×10-5(/℃)で
ある。線膨張係数が1.0×10-5〜2.5×10
-5(/℃)の範囲外である場合、従来の技術の項で述べ
たように、被積層体である導電体層との線膨張係数の違
いにより、積層体である基板にカールを生じてしまう。
ここで線膨張係数は、イミド化反応が完全に終了した試
料を用い、サーモメカニカルアナライザーを用いて、1
00℃から250℃までの平均線膨張率を算出して求め
たものである。
【0035】本発明のポリイミド系樹脂は、ヒドラジン
やアルコールなどの危険物を用いずに、アルカリ水溶液
だけで容易に溶解される。使用するアルカリ水溶液は強
塩基性である必要があり、pHがほぼ14のアルカリ水
溶液(例えば濃度10〜50%のカセイソーダ水溶液)
を用いて、25〜80℃の加温下で溶解を行う。また、
本発明のポリイミド系樹脂は、転移点が400℃以上、
密度が1.4程度の特性を有する。
【0036】本発明のポリイミド系樹脂は、一般式(I
V)で示されるピロメリット酸二無水物を用い、一般式
(V)で示されるジアミノベンズアニリド化合物、およ
び一般式(VI)で示される芳香族ジアミノ化合物を有機
極性溶剤中で反応させて、ポリイミドの前駆体であるポ
リアミド酸溶液を製造し、それをイミド化することによ
り得られる。
【0037】一般式(V)で示されるジアミノベンズア
ニリド化合物としては、4,4’−ジアミノベンズアニ
リド、2’−メトキシ−4,4’−ジアミノベンズアニ
リドなどが例示される。
【0038】一般式(VI)で示される芳香族ジアミノ化
合物としては、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’
−ジアミノジフェニルプロパン、3,3’−ジアミノベ
ンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,
4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,
2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プ
ロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ビス
(4−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホン、3,
3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ビス
(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスルホンなどが挙
げられる。これらは単独もしくは複数組み合わせて使用
しても良い。
【0039】一方、p−フェニレンジアミンなどの単核
体のジアミノ化合物を用いると、皮膜の脆さが改善され
ないので好ましくない。また、ピロメリット酸二無水物
以外の酸二無水物を用いると、アルカリによるエッチン
グ性が低下するので好ましくない。
【0040】有機極性溶剤としては、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、キノリ
ン、イソキノリン、ジエチレングリコールジメチルエー
テル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどが挙
げられる。これらは単独もしくは混合溶剤として使用し
ても良い。
【0041】次に、本発明のポリイミド系樹脂を用いた
積層体について説明する。図1は、本発明の積層体を示
す断面図である。図1においては、導電体1の一方面1
aにポリイミド系樹脂層2が積層され、積層体3が形成
されている。ポリイミド系樹脂層2は、一層のみに限定
されず、同種または異種の2層以上のポリイミド系樹脂
層を有していてもよい。
【0042】導電体1としては、銅、アルミニウム、
鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、亜
鉛、またはこれらの合金などが例示され、好ましくは銅
である。また、ポリイミド系樹脂層2を積層させる導電
体1の一方面1aに、接着力の向上を目的として、サイ
ディング、ニッケルメッキ、銅−亜鉛合金メッキ、また
はアルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、
シランカップリング剤などによって、化学的あるいは機
械的な表面処理を施してもよい。
【0043】本発明の積層体3は、ポリアミド酸溶液を
銅箔などの導電体1に流延して加熱し、溶剤の除去およ
びイミド化を行って基板化することにより製造するのが
一般的である。
【0044】重合後のポリアミド酸溶液は、そのまま金
属箔などの導電体1上にコーティングしてもよいが、一
旦ポリマーとして単離した後に、適当な濃度で別の溶剤
に溶解して使用してもよい。また、ポリイミドに変換し
た状態でも溶剤溶解性を示す場合には、ポリイミドに変
換した後にポリイミド溶液としてコーティングに使用し
てもよい。
【0045】上記のポリアミド酸溶液またはポリイミド
溶液には、シランカップリング剤、チタネートカップリ
ング剤、エポキシ化合物などの接着性付与剤、ゴムなど
の可撓性付与剤などの各種の添加剤を添加してもよい。
【0046】ポリアミド酸溶液またはポリイミド溶液を
導電体1上に流延する方法としては、特に限定されず、
ドクターブレード、ロールコーター、ダイコーター、カ
ーテンコーターなどの公知の流延方法が採用される。ま
た、多層ダイのようなコーティング機器を使用して、2
種類以上のポリイミド系樹脂を同時に流延することも可
能である。
【0047】流延に使用するポリアミド酸溶液またはポ
リイミド溶液のポリマー濃度は、ポリマーの重合度にも
よるが、5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%
である。ポリマー濃度が5重量%未満では、一回の流延
によって十分な膜厚が得られず、一方、30重量%を越
えると、溶液粘度が高くなりすぎて流延が困難になる。
【0048】導電体1上に均一な厚みに流延されたポリ
アミド酸溶液またはポリイミド溶液は、熱処理により溶
剤が除去され、さらにイミド閉環されることになるが、
その場合に急激に高温で熱処理すると、樹脂表面にスキ
ン層が生成して溶剤の蒸発が困難になったり、発泡した
りするので、低温から徐々に高温まで昇温させながら熱
処理することが望ましい。この際の最終的な熱処理温度
としては、300〜500℃が好ましく、500℃を越
えると、ポリイミドの熱分解が徐々に起こり始め、一
方、300℃未満ではポリイミド系樹脂層が導電体面上
に十分に配向せず、平面性の良好な積層体が得られな
い。このようにして得られたポリイミド樹脂層の厚み
は、通常5〜150μm程度である。
【0049】なお、加熱による導電体1の酸化を防止す
るために、不活性ガス雰囲気下で行うことも可能であ
る。
【0050】本発明のポリイミド系樹脂は、アルカリに
対するエッチング性が極めて優れているため、本発明の
積層体は、フレキシブル配線基板として好適に使用され
る。
【0051】本発明の積層体のポリイミド樹脂層をエッ
チングする際に使用されるエッチャントは、アルカリ水
溶液のみで良い。しかしながら、使用するアルカリは強
塩基性である必要がある。具体的には、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが挙げられ、濃度は10〜50%、
特に20〜40%であることが好ましい。エッチングに
際しては、加温下で行うことが望ましく、その温度は、
25〜80℃、好ましくは40〜60℃である。温度が
80℃を越えると、水が蒸発して濃度が変化し易く、一
方、25℃未満では、エッチング処理に時間がかかりす
ぎて、生産性が悪いからである。
【0052】エッチング方法については、ディッピング
法、スプレー法など既存の方法を採用すればよく、装置
については、ヒドラジンや有機溶剤を使用しないので、
これらに関する安全対策なども不要である。エッチング
時にポリイミド系樹脂層の溶解させない部分を被覆する
保護材は、耐アルカリ性があれば特に制限はなく、市販
の溶剤型フォトレジストや剥離現像型フォトレジストを
用いるか、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、セルロース樹脂、
塩素化ポリエーテル、EVAなどの共重合体、ABS樹
脂のような、グラフト重合体をポリイミド樹脂層上に塗
工して、赤外線レーザーを用いて熱分解させ、パターニ
ングしてもよい。
【0053】本発明の積層体は、上記のフレキシブル配
線基板の他に、多層配線板などに好適に使用される。
【0054】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するため実施例を
挙げるが、本発明はこれら実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0055】実施例1 窒素導入管を備えた0.5リットルの三口フラスコに、
4,4’−ジアミノベンズアニリド18.2g(0.0
8モル)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル4.
0g(0.02モル)およびN−メチル−2−ピロリド
ン175gを仕込み、窒素導入下室温で攪拌して溶解さ
せた。その後、ピロメリット酸二無水物21.6g
(0.1モル)を少しずつ系内に投入して、そのまま室
温で12時間攪拌しポリアミド酸溶液を合成した。
【0056】得られたポリアミド酸溶液を、圧延銅箔上
(厚み:35μm)にアプリケータを用いて均一に流延
塗布し、120℃で乾燥させて、ポリイミド前駆体層を
形成した。窒素ガス置換によって酸素濃度を1.5%以
下にした乾燥炉にて、150℃、250℃、350℃で
この基板を各1時間加熱して脱水閉環を行い、フレキシ
ブルプリント基板を作製した。このフレキシブルプリン
ト基板のポリイミド系樹脂層の厚みは24μmであり、
線膨張係数は1.3×10-5(/℃)であった。このフ
レキシブルプリント基板はカールもなく、折り曲げても
割れなどが生じず、強靱な基板であった。
【0057】このフレキシブルプリント基板のポリイミ
ド系樹脂層の面上にフォトレジスト(東京応化製EPP
R)を5μmスピンコーターを用いてコーティングし、
超高圧水銀灯を用いて露光、現像し、直径100μmの
スルーホールを形成した。これを60℃に加熱した30
%の水酸化ナトリウム水溶液に8分間浸漬し、ポリイミ
ド系樹脂層に貫通孔を形成した。この貫通孔を光学顕微
鏡で観察したところ、テーパも小さく、十分実用可能で
あった。
【0058】実施例2 窒素導入管を備えた0.5リットル三口フラスコに、
4,4’−ジアミノベンズアニリド20.4g(0.0
9モル)と2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン4.1g(0.01モル)およ
びN,N−ジメチルアセトアミド185gを仕込み、窒
素導入下室温で攪拌して溶解させた。その後、ピロメリ
ット酸二無水物21.6g(0.1モル)を少しずつ系
内に投入して、そのまま室温で12時間攪拌しポリアミ
ド酸溶液を合成した。
【0059】得られたポリアミド酸溶液を、圧延銅箔上
(厚み:35μm)にアプリケータを用いて均一に流延
塗布し、120℃で乾燥させて、ポリイミド前駆体層を
形成した。窒素ガス置換によって酸素濃度を1.5%以
下にした乾燥炉にて、150℃、250℃、350℃で
この基板を各1時間加熱して脱水閉環を行い、フレキシ
ブルプリント基板を作製した。このフレキシブルプリン
ト基板のポリイミド系樹脂層の厚みは21μmであり、
線膨張係数は1.6×10-5(/℃)であった。このフ
レキシブルプリント基板はカールも無く、折り曲げても
割れなど生じず、強靱な基板であった。
【0060】このフレキシブルプリント基板のポリイミ
ド系樹脂層の面上にフォトレジスト(東京応化製EPP
R)を7μmスピンコーターを用いてコーティングし、
超高圧水銀灯を用いて露光、現像し、直径125μmの
スルーホールを形成した。これを55℃に加熱した35
%の水酸化ナトリウム水溶液に7分間浸漬し、ポリイミ
ド系樹脂層に貫通孔を形成した。この貫通孔を光学顕微
鏡で観察したところ、テーパも小さく、十分実用可能で
あった。
【0061】比較例1 窒素導入管を備えた0.5リットル三口フラスコに、
4,4’−ジアミノベンズアニリド22.7g(0.1
モル)とN−メチル−2−ピロリドン177gを仕込
み、窒素導入下室温で攪拌して溶解させた。その後、ピ
ロメリット酸二無水物21.6g(0.1モル)を少し
ずつ系内に投入して、そのまま室温で12時間攪拌しポ
リアミド酸溶液を合成した。
【0062】得られたポリアミド酸溶液を、圧延銅箔上
(厚み:35μm)にアプリケータを用いて均一に流延
塗布し、120℃で乾燥させて、ポリイミド前駆体層を
形成した。窒素ガス置換によって酸素濃度を1.5%以
下にした乾燥炉にて、150℃、250℃、350℃で
この基板を各1時間加熱して脱水閉環を行い、フレキシ
ブルプリント基板を作製した。このフレキシブルプリン
ト基板のポリイミド系樹脂層の厚みは21μmであっ
た。このフレキシブルプリント基板を折り曲げるとポリ
イミド系樹脂層が割れてしまったので、その後の検討を
中止した。
【0063】比較例2 ピロメリット酸二無水物のかわりに3,3’,4,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を使用した以外
は、実施例1と同様な手法でフレキシブルプリント基板
を作製した。
【0064】しかしながら、この基板は水酸化ナトリウ
ム水溶液に2時間浸漬しても、ポリイミド系樹脂層に貫
通孔は形成できなかった。
【0065】
【発明の効果】本発明のポリイミド系樹脂は、アルカリ
水溶液だけで容易にエッチング可能であり、線膨張係数
が金属箔と近接しているので、直接金属箔上に積層して
もカールを生じない。また、本発明の積層体は、上記ポ
リイミド系樹脂からなる少なくとも1つの樹脂層と、導
電体層とを有するので、基板にカールを生じず、アルカ
リ水溶液のみにてエッチングが可能である。したがっ
て、本発明の積層体をフレキシブル配線基板として用い
た場合、工程面、設備面においてコストダウンが図れ、
その結果、安価に加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体を示す断面図である。
【符号の説明】
1 導電体層 2 ポリイミド系樹脂層 3 積層体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 雅子 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)および(II)で示される構
    造単位を有するポリイミド系樹脂。 【化1】 【化2】 〔但し、式中R1およびR2は、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基またはハロゲン基を示し、互いに同じであ
    っても異なっていてもよく、n1およびn2は、0また
    は1〜4の整数を示し、Aは、一般式(III )で示され
    る基を除く炭素数12以上の2価の芳香族基であり、
    α:β=90〜30:10〜70である。〕 【化3】 〔但し、式中R3およびR4は、低級アルキル基、低級
    アルコキシ基またはハロゲン基を示し、互いに同じであ
    っても異なっていてもよく、n3およびn4は、0また
    は1〜4の整数を示す。〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリイミド系樹脂からな
    る少なくとも1つの樹脂層と、導電体層とを有する積層
    体。
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