JPH06319861A - パチンコ機における下部球皿の球抜き装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 下部球皿に貯留されるパチンコ球を利用して
シャッター板を球抜き孔を開放する位置に停止保持さ
せる。 【構成】 下部球皿７の底壁１０に開設した球抜き孔１
１の傍にパチンコ球が一個落下可能な透孔１２を穿設
し、前記シャッター板１３には、球抜き孔１１を全開す
る第１位置で底壁１０の透孔１２に合致してパチンコ球
が落入する保持部１８を有した屈曲溝孔１９と、球抜き
孔１１をほぼ全開する第２位置で底壁１０の透孔１２に
合致してパチンコ球が落入する貫通孔２０を設け、一
方、前記支持枠１４には、シャッター板１３の第１位置
で屈曲溝孔１９の保持部１８に落入したパチンコ球が当
接して該シャッター板１３を第２位置に停止させる係合
段部２６と、シャッター板１３の第１位置で屈曲溝孔１
９の開放端部に合致する第１落下孔２３および貫通孔１
９に合致する第２落下孔２４を設けたことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ球を貯留する
下部球皿の底壁に球抜き孔を開設し、該下部球皿の底壁
の下面に設けたシャッター板を摺動させることにより、
球抜き孔を開放して球抜きするようにしたパチンコ機に
おける下部球皿の球抜き装置に関し、特に、下部球皿に
貯留されるパチンコ球を利用してシャッター板を球抜き
孔を開放する位置に停止保持できるようにしたものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の下部球皿の球抜き装置に
おいて、シャッター板を停止させるストッパー手段を設
け、該ストッパー手段によって球抜き孔を開放する球抜
き位置で、シャッター板を停止保持させるようにしたも
のは知られている（例えば実開平５−９５８３号公報参
照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の下部球皿の球抜
き装置にあっては、多くの可動部品を必要として構造が
複雑であり、かつ、組立てに手間が掛かってどうしても
コスト高になる上、可動部品が壊れるとストッパー手段
を解除することができなくなったりするという問題点が
あった。

【０００４】また、下部球皿にパチンコ球が無くて球抜
きする必要がない状態でも、シャッター板を摺動させる
とストッパー手段によってシャッター板が球抜き位置で
停止保持されてしまうことになるため、いたずらや嫌が
らせによって多くのパチンコ機の下部球皿が球抜き状態
に置かれたままになってしまうという問題点も併せ有し
ていた。

【０００５】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、構造が簡単で、従来の装置を大幅に変更するこ
となく、確実にシャッター板を球抜き位置に停止保持さ
せることができ、しかも遊技者にいたずらされないよう
なパチンコ機における下部球皿の球抜き装置を提供しよ
うとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、下部球皿の底壁に開設した球抜き孔と、該
球抜き孔を閉じる方向にスプリングで付勢したシャッタ
ー板と、該シャッター板を摺動自在に支持させる支持枠
とからなる下部球皿の球抜き装置において、前記底壁に
は球抜き孔の傍にパチンコ球が一個落下可能な透孔を穿
設し、前記シャッター板には、球抜き孔を全開する第１
位置で底壁の透孔に合致してパチンコ球が落入する保持
部を有した屈曲溝孔と、球抜き孔をほぼ全開する第２位
置で底壁の透孔に合致してパチンコ球が落入する貫通孔
を設け、一方、前記支持枠には、シャッター板の第１位
置で屈曲溝孔の保持部に落入したパチンコ球が当接して
該シャッター板を第２位置に停止させる係合段部と、シ
ャッター板の第１位置で屈曲溝孔の開放端部に合致する
第１落下孔および貫通孔に合致する第２落下孔を設けた
ものである。

【０００７】

【作用】シャッター板を球抜き孔を全開する第１位置へ
摺動させると、屈曲溝孔の保持部が底壁の透孔に合致
し、下部球皿に貯留されているパチンコ球のうちの１個
が保持部に自然に落入する。この状態でシャッター板か
ら手を離すと、該シャッター板はスプリングの付勢で球
抜き孔を閉じる方向に復動するが保持孔に落入したパチ
ンコ球が支持枠の係合段部に当接することによりシャッ
ター板を球抜き孔をほぼ全開する第２位置に停止させ
る。従って、シャッター板から手を離しても皿部のパチ
ンコ球を球抜きすることができる。

【０００８】また、シャッター板が第２位置に停止され
ると透孔と貫通孔とが合致し、下部球皿に貯留されてい
るパチンコ球のうちの１個が貫通孔に自然に落入する。
このパチンコ球は球抜き孔がほぼ全開されていることを
示すダミー球となる。

【０００９】そして球抜き終了後にシャッター板を再度
球抜き孔を全開する第１位置へ摺動させると、支持枠の
係合段部に当接してシャッター板を第２位置に停止させ
ていたパチンコ球は屈曲溝孔にガイドされて第１落下孔
から落下する。これによつて、シャッター板がスプリン
グの付勢により自動的に復動して球抜き孔を閉じる。ま
た、貫通孔に落入していたダミー球としてのパチンコ球
は第２落下孔から下方へ落下する。

【００１０】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面と共に説明す
る。図１は本実施例の下部球皿を装着したパチンコ機の
正面図、図２は下部球皿の斜視図、図３はその分解斜視
図である。図において、１はパチンコ機本体、２はその
前面枠、３は前面枠２の後部に位置する遊技盤、４は遊
技盤３の上方部分を覆うガラス枠、５は遊技盤３の下方
部分を覆う前面板で、その前面に上部球皿６が取付けら
れ、また前面枠２の下方前面に本実施例に係る下部球皿
７が装着されている。

【００１１】下部球皿７は図２および図３に示すように
皿部８と該皿部８上に被着させるカバー部材９とに二分
割して形成されている。そして、皿部８の底壁１０のほ
ぼ中央位置に球抜き孔１１を開設すると共に、該球抜き
孔１１の近くにパチンコ球を１個落下可能な透孔１２を
穿設する。１３は前記皿部８の底壁１０の球抜き孔１１
を開閉するシャッター板であり、該シャッター板１３は
皿部８の底壁１０下面と該底壁１０下面にビス着される
支持枠１４との間に摺動自在に装着されており、支持枠
１４に内装したスプリング１５の弾性により球抜き孔１
１を閉じる方向に付勢されている。

【００１２】前記シャッター板１３の前面縁には皿部８
の外方に突出する操作部１６が突設されており、該操作
部１６を手で操作することによってシャッター板１３を
摺動し得るようにしている。また、シャッター板１３の
後側縁には球抜き孔１１を閉じる位置で透孔１２を閉塞
する受片１７を一体に設けている。

【００１３】シャッター板１３の受片１７にはシャッタ
ー板１３を摺動させて球抜き孔１１を全開する第１位置
（図５（ｂ）参照）で透孔１２に合致する保持部１８を
有する屈曲溝孔１９と、球抜き孔１１をほぼ全開する第
２位置（図５（ｃ）参照）で透孔１２に合致する貫通孔
２０とを設けている。

【００１４】一方、前記支持枠１４には球抜き孔１１と
相対する位置にほぼ同じ大きさの円形孔２１が開設され
ている。また、受片１７と対向する位置に長溝状の凹部
２２が形成されており、該凹部２２にはシャッター板１
３の第１位置で屈曲溝孔１９の開放端部に合致する第１
落下孔２３と、貫通孔２０に合致する第２落下孔２４と
がそれぞれ開設されている。また、凹部２２には保持部
１８または貫通孔２０に落入したパチンコ球を受ける浅
い凹窪部２５と、保持部１８に落入したパチンコ球が当
接してシャッター板１３を第２位置で停止させるように
機能する係合段部２６とを設けている。なお、凹部２２
の底面は第１落下孔２３に向かう緩やかな傾斜面として
形成されている。

【００１５】次に本実施例の作用を図５および図６を参
照して説明する。通常、シャッター板１３はスプリング
１５の付勢により図５（ａ）に示すように球抜き孔１１
を閉塞している。また透孔１２は図６（ａ）に示すよう
にシャッター板１３の受片１７によって閉塞されてい
る。この状態で操作部１６に指を掛けてシャッター板１
３を図５（ｂ）および図６（ｂ）に示すように球抜き孔
１１を全開する第１位置へ摺動させると透孔１２と屈曲
溝孔１９の保持部１８とが合致して皿部８に貯留されて
いるパチンコ球のうちの１個が保持部１８に自然に落入
する。なお、シャッター板１３を第１位置に摺動させる
際に、皿部８に貯留されているパチンコ球が貫通孔２０
に落入するが、該パチンコ球は第２落下孔２４に運ばれ
てそのまゝ下方へ落下させられる。

【００１６】そして、シャッター板１３を第１位置に摺
動させた後、操作部１６から手を放すとシャッター板１
３はスプリング１５の付勢で球抜き孔１１を閉じる方向
に復動するが保持部１８に落入したパチンコ球Ｂが凹部
２２を移動して係合段部２６に当接することになるた
め、その復動が阻止される（図５（ｃ）および図６
（ｃ）参照）。従って、操作部１６から手を離してもシ
ャッター板１３は球抜き孔１１をほぼ全開する第２位置
に停止保持されることになり、皿部８のパチンコ球は球
抜き孔１１から円形孔２１に落下して球抜きすることが
できる。なお、シャッター板１３が第２位置で停止保持
されるのと同時に皿部８に貯留されるパチンコ球がダミ
ー球Ｂ１として貫通孔２０に落入する。

【００１７】一方、シャッター板１３を元に戻すには、
操作部１６に指を掛けてシャッター板１３を図５（ｄ）
および図６（ｄ）に示すように球抜き孔１１を全開する
第１位置に摺動させる。すると屈曲溝孔１９の開放端部
と第１落下孔２３とが合致し、係合段部２６に当接して
シャッター板１３を第２位置に停止保持していたパチン
コ球Ｂが屈曲溝孔１９と凹部２２の傾斜底面に案内され
て第１落下孔２３に落下し、同時に貫通孔２０と第２落
下孔２４とが合致してダミー球として貫通孔２０に落入
していたパチンコ球Ｂ１も第２落下孔２４に落下する。
従って、操作部１６から手を離すとスプリング１５の付
勢によりシャッター板１３が復動して球抜き孔１１を閉
じることになる。

【００１８】以上、実施例について説明したが、この実
施例によれば、シャッター板１３を球抜き孔１１を全開
する第１位置へ摺動させると皿部８に貯留されるパチン
コ球のうちの１個がシャッター板１３に形成された保持
部１８に落入し、該保持部１８に落入したパチンコ球Ｂ
によつてシャッター板１３を球抜き孔１１をほぼ全開す
る第２位置に停止し続けさせることができ、シャッター
板１３の停止を解除するにはシャッター板１３を再び第
１位置へ摺動させるだけの簡単な操作でできる。

【００１９】しかも、皿部８に貯留されるパチンコ球が
すべて球抜きされても皿部８には遊技者に見えるように
ダミー球としてのパチンコ球Ｂ１が残されているため、
そのパチンコ球Ｂ１を回収するべく遊技者自身によって
シャッター板１３の停止解除操作を行なってもらうこと
ができる。従って、シャッター板１３が球抜き位置に停
止されたまゝで放置されるようなことが少なくなる。

【００２０】なお、上記実施例においては、球抜き孔１
１と貫通孔１２とを離して設ける構成として説明した
が、例えば図７に示すように透孔１２と球抜き孔１１と
を連通状に設けるようにしてもよい。このように構成す
ることによって、シャッター板１３の第２位置で貫通孔
２０に収容されたダミー球としてのパチンコ球Ｂ１の上
に積み重なったパチンコ球がシャッター板１３を第１位
置に戻したとき保持部１８に落入してシャッター板１３
を再び開放状態にするのを防ぐことができる。

【００２１】また、図８に示すように透孔１２と球抜き
孔１１とを連通状に形成し、さらにこの透孔１２の周縁
沿いに堤２９を形成してもよい。このように構成するこ
とによって、より一層シャッター板１３の無用な開放状
態を防ぐことができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明における下部球皿の球抜き装置は、下部球皿
に貯留されるパチンコ球を利用してシャッター板を球抜
き位置に停止保持させるようにしたものであるから、下
部球皿にパチンコ球がない状態では、シャッター板を球
抜き位置に停止させることができず、従って、いたずら
や嫌がらせによって球抜き状態に放置されるような事態
を防止することができる。

【００２３】そして、下部球皿のパチンコ球がすべて球
抜きされても、その皿部に遊技者から見えるようにダミ
ー球としてパチンコ球を残すようにしたものであるか
ら、遊技者はそのダミー球を回収するべくシャッター板
を停止解除位置に戻す操作を行う確率が非常に高くな
り、従って、遊技者がシャッター板を球抜き位置に停止
させたまゝで立ち去るようなことが少なくなるため、次
の遊技者に迷惑を及ぼしたり従業員がシャッター板を復
動させる手間を省くことができる。

【００２４】また本発明の球抜き装置は、従来の部品数
で構成することができて、余分な可動部品が不要である
から構造が簡単であり、かつ破損することが少ない。よ
しんば破損してシャッター板の開放状態が保持できない
ような場合でも、球抜きには従来通りに使用することが
可能であるといったように多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ機の正面図。

【図２】下部球皿の斜視図。

【図３】下部球皿の分解斜視図。

【図４】下部球皿の平面図。

【図５】（ａ）〜（ｄ）は作用を説明する要部平面図。

【図６】（ａ）〜（ｄ）は作用を説明する要部断面図。

【図７】球抜き孔と透孔を連通させた実施例を示す下部
球皿の平面図。

【図８】球抜き孔と透孔を連通させ、さらに周縁に堤を
設けた実施例を示す下部球皿の平面図。

【符号の説明】

７ 下部球皿 １０ 底壁 １１ 球抜き孔 １２ 透孔 １３ シャッター板 １４ 支持枠 １５ スプリング １８ 保持部 １９ 屈曲溝孔 ２０ 貫通孔 ２３ 第１落下孔 ２４ 第２落下孔 ２６ 係合段部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下部球皿の底壁に開設した球抜き孔と、
   該球抜き孔を閉じる方向にスプリングで付勢したシャッ
   ター板と、該シャッター板を摺動自在に支持させる支持
   枠とからなる下部球皿の球抜き装置において、前記底壁
   には球抜き孔の傍にパチンコ球が一個落下可能な透孔を
   穿設し、 前記シャッター板には、球抜き孔を全開する第１位置で
   底壁の透孔に合致してパチンコ球が落入する保持部を有
   した屈曲溝孔と、球抜き孔をほぼ全開する第２位置で底
   壁の透孔に合致してパチンコ球が落入する貫通孔を設
   け、 一方、前記支持枠には、シャッター板の第１位置で屈曲
   溝孔の保持部に落入したパチンコ球が当接して該シャッ
   ター板を第２位置に停止させる係合段部と、シャッター
   板の第１位置で屈曲溝孔の開放端部に合致する第１落下
   孔および貫通孔に合致する第２落下孔を設けてなること
   を特徴とするパチンコ機における下部球皿の球抜き装
   置。