JPH0244792Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は賞球受皿内に貯えた賞球を下方に取出
すための取出孔を備えたパチンコゲーム機に関す
る。

従来のパチンコゲーム機で賞球受皿に取出孔を
設けたものは、蓋が賞球受皿の下面に沿つて直線
移動して開放するものと、蓋が下方に回動して取
出孔を開放するものがある。このうち蓋が直線移
動するものは、受皿の下面側に取出孔を挾むよう
に盤面と平行な二条のガイドレールを設け、その
ガイドレールに蓋を摺動可能に支持し、受皿の手
前側の操作部を盤面と平行に且つ水平に操作する
構成であるが、操作部と後方のガイドレールが離
れているために、蓋の上に賞球の重量が掛かつた
状態で操作部が操作されると蓋がガイドレールに
対して傾きを生じスムーズに開閉できない欠点が
ある。この欠点を解決するために操作部材の操作
力が蓋の前後の中間に作用して該蓋がガイドレー
ルに対して傾きを生じないようにしたものもある
が、操作部材と蓋とを連係するリンク機構が必要
となつて構成が複雑化する欠点がある。

また、蓋が下方に回動して開放するものもある
が、このものは、ロツク爪を蓋に係合させて取出
孔を閉じておき、開放する時にロツク爪を蓋から
開放する構成であるから、賞球を一部取出した時
に蓋を閉塞しようとしても、蓋を戻すばねが賞球
の重量よりも弱く設定されており、蓋を閉じるこ
とができない欠点がある。

本考案は上記した事情に鑑みてなされたもので
あり、簡単な構成でありながら賞球受皿に設けら
れた取出孔を開閉する蓋部材を該蓋部材に賞球の
重量が掛かつた状態でスムーズに開放させること
ができ、しかも、賞球の取出途中でも必要に応じ
て蓋部材を閉塞することができ、また、賞球の取
出に要する時間を短縮できると共に、多数の賞球
の重みが蓋部材に作用しても該蓋部材の変形又は
破損を防止できるパチンコゲーム機を提供するに
ある。

以下本考案の一実施例について図面を参照しな
がら説明する。１は盤面の前面下部に取付固定さ
れたプラスチツク製の賞球受皿で、これの左側に
灰皿２が隣接して設置されている。３は賞球受皿
１の底面に穿設した円形の取出孔で、これは賞球
の径の数倍の直径になつていて同時に複数の該賞
球が下方に通過し得るようになつている。５は賞
球受皿１の周壁６のうち前面側に上下に貫通する
ように穿設された矩形状の取付孔で、ここに前後
方向に指向するピン７を介して操作部材８が回動
可能に支持されている。一方、賞球受皿１の底面
側には、周壁６と上下に対応する凹条部９が設け
られていて、操作部材８の下端部が凹条部９内に
突出している。そして、操作部材８の下端部には
前面及び下面が開放した断面コ字形の連結凹部１
０とばね掛け部１１が設けられていて、このばね
掛け部１１と凹条部９内に突設したばね掛体１２
との間に引張コイルばね１３を張設しており、従
つて、操作部材８はこの引張コイルばね１３によ
つて常に矢印Ａ方向に回動付勢されており、操作
部材８が操作されていない通常時には該操作部材
８の上面８ａが周壁６の一端面に対して約25゜の
角度をもつて傾斜している。１４は賞球受皿１の
底面にねじ止めによつて固着された扁平な容器状
をなしたカバーで、これの内底面は賞球受皿１の
底面と所定の間隔を存して平行状態を呈してい
る。１５はこのカバー１４に取出孔３と上下に対
向するように形成された開口であり、この開口１
５の近傍に上方に向けてボス部１６が一体に突設
されている。１７はボス部１６に回動可能に支持
された扇形の蓋部材で、これの腕部１８の先端部
即ち該蓋部材１７の回動中心（ボス部１６）の近
傍に連結部としての突起１９が一体に突設されて
おり、該突起１９は操作部材８の連結凹部１０内
に挿入されている。尚、２０は賞球受皿１の底面
に盤面と平行で且つ取出孔３の中心に向うように
穿設されたスリツト状の孔で、これは賞球受皿１
内の賞球が少ない時に一列に整列させて取出孔３
に向けて転がるように案内するものであるが、こ
れは必要に応じて設ければよい。

次に上記構成の作用について説明する。操作部
材８が操作されていない第１図乃至第３図に示す
状態のとき、蓋部材１７は取出孔３の直下に位置
してその取出孔３を閉塞しており、賞球受皿１内
には賞球が貯えられる。この状態から操作部材８
の上面８ａが指で下方に押下げられると、該操作
部材８はピン７を回動中心として引張コイルばね
１３に抗して矢印Ａと反対方向に回動される。そ
して、このように操作部材８が回動されると連結
凹部１０が矢印Ｂ方向に変位するから、蓋部材１
７の腕部１８に突設された突起１９が該連結凹部
１０の内面に当接して同方向への変位力が与えら
れるようになり、従つて蓋部材１７がボス部１６
を回動中心として矢印Ｃ方向に回動されて取出孔
３を開放することになり、賞球受皿１内の賞球は
取出孔３及び開口１５を介して下方に取出され
る。また、操作部材８の上面８ａに対する指によ
る押下げを解除すると、該操作部材８は引張コイ
ルばね１３による付勢力で直ちに矢印Ａ方向に復
帰回動し、これにつれて蓋部材１７が矢印Ｃと反
対方向に直ちに復帰回動するようになり、以て取
出孔３が閉塞される。

上記構成によれば、蓋部材１７がボス部１６を
中心として回動するから、蓋部材１７の上面に賞
球の重量が作用していても、従来の直線移動する
もののように傾きが生じてスムーズに開閉できな
いというような不具合が全く起らず、容易に且つ
スムーズに開閉できる。また、操作部材８が直接
蓋部材１７の突起１９に連係されていて別途にリ
ンク等を設ける必要もないから、極めて構成が簡
単であり、製作コストを著しく低減化できる。更
に、蓋部材１７が水平に回動するから、賞球の取
出途中で賞球が賞球受皿１内に残つている状態で
も蓋部材１７を必要に応じて閉塞することが可能
である。また、賞球受皿１の取出孔３を同時に複
数の賞球の通過を許容するようにしたから、賞球
の取出に要する時間を短縮できる。更にまた、取
出孔３を開閉する蓋部材１７に、その回動中心の
近傍に位置して操作部材８からの変位を受ける突
起１９を設けるようにしたので、操作部材８の押
下操作によつて蓋部材１７を大きな角度回動させ
ることができ、取出孔３を十分に開放させること
ができる。そして、蓋部材１７により取出孔３を
閉塞している場合、その蓋部材１７は同時に複数
の賞球の通過を許容するほどの面積の広い取出孔
３を閉塞するものであるから、該蓋部材１７の上
に複数の賞球が多段に積み重なることになつて多
数の賞球の重みにより蓋部材１７が変形又は破損
するおそれがあるが、これに対して、上記実施例
では、カバー１４によつて蓋部材１７の外周縁部
を支持するようにしたから、多数の賞球の重みが
蓋部材１７に作用しても該蓋部材１７の変形又は
破損を確実に防止できる。

尚、引張コイルばね１３を蓋部材１７と賞球受
皿１との間に張設して、該蓋部材１７を矢印Ｃ方
向と反対方向に付勢してもよい。

また、上記構成では操作部材８を賞球受皿１の
前方側の周壁６に設けるようにしたが、周壁６の
いずれの場所に設けるようにしてもよく、特に周
壁６の左側部で、賞球受皿１と灰皿２との間に位
置させるようにすると、ゲーム中に無意識に操作
部材８に触れることが確実に防止されるようにな
つて、蓋部材１７の誤開放の虞れが非常に少なく
なる。

本考案は以上の説明から明らかなように、簡単
な構成でありながら、賞球受皿に設けられた取出
孔を開放する蓋部材を、該蓋部材に賞球の重量が
掛つた状態でスムーズに開放させることができ、
しかも賞球の取出途中でも必要に応じて蓋部材を
閉塞することができ、また、賞球の取出に要する
時間を短縮できると共に、多数の賞球の重みが蓋
部材に作用しても該蓋部材の破損又は変形を防止
できるパチンコゲーム機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであり、第
１図は正面図、第２図は上面図、第３図は下面
図、第４図は分解斜視図である。 図面中、１は賞球受皿、３は取出孔、６は周
壁、８は操作部材、１０は連結凹部、１３は引張
コイルばね、１４はカバー、１５は開口、１７は
蓋部材、１９は突起（連結部）である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底面に同時に複数の賞球の通過を許容する取出
   孔を有する賞球受皿と、この賞球受皿の周壁に上
   方からの押下操作によつて回動変位するように設
   けられた操作部材と、前記賞球受皿の下面に沿つ
   て往復回動し得るように設けられその回動中心の
   近傍に前記操作部材に当接して該操作部材からの
   変位力を受ける連結部を有し前記操作部材が押下
   操作によつて回動された時に一方向に回動されて
   前記取出孔を開放するとともに前記操作部材に対
   する押下操作が解除された時は逆方向に回動して
   前記取出孔を閉塞する蓋部材と、前記賞球受皿の
   下面に前記蓋部材を上面に受けるように取付けら
   れるとともに前記取出孔と対向する開口を有し且
   つ前記蓋部材の閉塞状態で該蓋部材の外周縁部を
   受支持するカバーとを具備してなるパチンコゲー
   ム機。