JP3323286B2 - パチンコ機における下部球皿の球抜き装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パチンコ球を貯留する
下部球皿の底壁に球抜き孔を開設し、該下部球皿の底壁
の下面に設けたシャッター板を摺動させることにより、
球抜き孔を開放して球抜きするようにしたパチンコ機に
おける下部球皿の球抜き装置に関し、特に、下部球皿に
貯留されるパチンコ球を利用してシャッター板を球抜き
孔を開放する位置に停止保持できるようにしたものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の下部球皿の球抜き装置に
おいて、シャッター板を停止させるストッパー手段を設
け、該ストッパー手段によって球抜き孔を開放する球抜
き位置で、シャッター板を停止保持させるようにしたも
のは知られている（例えば実開平５−９５８３号公報参
照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の下部球皿の球抜
き装置にあっては、多くの可動部品を必要として構造が
複雑であり、かつ、組立てに手間が掛かってどうしても
コスト高になる上、可動部品が壊れるとストッパー手段
を解除することができなくなったりするという問題点が
あった。

【０００４】また、下部球皿にパチンコ球が無くて球抜
きする必要がない状態でも、シャッター板を摺動させる
とストッパー手段によってシャッター板が球抜き位置で
停止保持されてしまうことになるため、いたずらや嫌が
らせによって多くのパチンコ機の下部球皿が球抜き状態
に置かれたままになってしまうという問題点も併せ有し
ていた。

【０００５】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、構造が簡単で、従来の装置を大幅に変更するこ
となく、確実にシャッター板を球抜き位置に停止保持さ
せることができ、しかも遊技者にいたずらされないよう
なパチンコ機における下部球皿の球抜き装置を提供しよ
うとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、パチンコ球を貯留する皿部の底壁に球抜き
孔を開設すると共に、底壁の下面には球抜き孔を閉じる
方向にスプリングで付勢したシャッター板を設け、該シ
ャッター板を球抜き孔を解放する位置に摺動させること
により皿部のパチンコ球を球抜きするようにしたパチン
コ機において、前記皿部の底壁に球抜き孔と連通する溝
孔を設けると共に、シャッター板には球抜き孔を全開す
る第１位置で溝孔に合致してパチンコ球が一個落入する
第１凹窪部と該第１凹窪部と連通し、かつ球抜き孔をほ
ぼ全開する第２位置で溝孔に合致して第１凹窪部のパチ
ンコ球を落入させると共に、該パチンコ球を溝孔に当接
させてシャッター板を停止保持させる第２凹窪部と、シ
ャッター板を第２位置から第１位置に摺動させることに
より第２凹窪部のパチンコ球を球抜き孔に送り出す凹溝
部とを設けたものである。

【０００７】

【作用】シャッター板を球抜き孔を全開する第１位置へ
摺動させると、該シャッター板に設けた第１凹窪部が底
壁の溝孔に合致して下部球皿に貯留されているパチンコ
球のうちの１個が落入する。この状態でシャッター板か
ら手を離すと、該シャッター板がスプリングの付勢で球
抜き孔を閉じる方向に復動して第１凹窪部のパチンコ球
が第２凹窪部に落入すると共に、溝孔に当接してシャッ
ター板を球抜き孔をほぼ全開する第２位置に停止させ
る。従って、シャッター板から手を離しても皿部のパチ
ンコ球を球抜きすることができる。

【０００８】そして、球抜き終了後にシャッター板を再
度球抜き孔を全開する第１位置へ摺動させると、第２凹
窪部のパチンコ球が溝孔に当接しつつ凹溝部から球抜き
孔に送り出されて落下する。これによって、シャッター
板がスプリングの付勢により自動的に復動して球抜き孔
を閉じる。

【０００９】

【実施例】以下に本発明の一実施例を図面と共に説明す
る。図１は本実施例の下部球皿を装着したパチンコ機の
正面図、図２は下部球皿の斜視図、図３はその分解斜視
図である。図において、１はパチンコ機本体、２はその
前面枠、３は前面枠２の後部に位置する遊技盤、４は遊
技盤３の上方部分を覆うガラス枠、５は遊技盤３の下方
部分を覆う前面板で、その前面に上部球皿６が取付けら
れ、また前面枠２の下方前面に本実施例に係る下部球皿
７が装着されている。

【００１０】下部球皿７は図２および図３に示すように
皿部８と該皿部８上に被着させるカバー部材９とに二分
割して形成されている。そして、皿部８の底壁１０のほ
ぼ中央位置に球抜き孔１１を開設すると共に、該球抜き
孔１１と連通状に溝孔１２を開設する。１３は前記皿部
８の底壁１０の球抜き孔１１を開閉するシャッター板で
あり、該シャッター板１３は皿部８の底壁１０下面と該
底壁１０下面にビス着される支持枠１４との間に摺動自
在に装着されており、支持枠１４に内装したスプリング
１５の弾性により球抜き孔１１を閉じる方向に付勢され
ている。なお、前記溝孔１２はパチンコ球が１個落下可
能な溝幅に選ばれると共に、シャッター板１３の復動方
向に所定の角度で傾斜状に設けられている。また、支持
枠１４には球抜き孔１１と相対する位置にほぼ同じ大き
さの円形孔２２が開設されている。

【００１１】前記シャッター板１３の前面縁には皿部８
の外方に突出する操作部１６が突設されており、該操作
部１６を手で操作することによってシャッター板１３を
摺動し得るようにしている。また、シャッター板１３の
後側縁には溝孔１２を閉塞する受片部１７を一体に設け
ている。

【００１２】前記シャッター板１３の受片部１７には、
シャッター板１３を摺動させて球抜き孔１１を全開する
第１位置（図５参照）で溝孔１２に合致して皿部８のパ
チンコ球が１個落入する第１凹窪部１８と、該第１凹窪
部１８と連通し、かつ球抜き孔１１をほぼ全開する第２
位置（図６参照）で溝孔１２に合致して第１凹窪部１８
のパチンコ球を落入させる第２凹窪部１９と、シャッタ
ー板１３を第２位置から第１位置に摺動させることによ
り第２凹窪部１９のパチンコ球を球抜き孔１１に送り出
す凹溝部２０（図７参照）とを設けている。

【００１３】前記第１凹窪部１８と第２凹窪部１９とは
図８に示すように低い堰止め部２１を介して連通されて
いる。また第２凹窪部１９は図８（ｂ）に示すように落
入したパチンコ球の少なくとも半径より上部分が溝孔１
２に当接するようにその深さが選ばれる。さらに、凹溝
部２０は受片部１７の側端で開口し、かつ溝孔１２と交
差状に形成されると共に、その底面は開口に向けて緩る
やかな上り傾斜状に形成されている。

【００１４】次に本実施例の作用を図４ないし図８を参
照して説明する。通常、シャッター板１３はスプリング
１５の付勢により図４および図８（ａ）に示すように球
抜き孔１１を閉塞する位置に置かれている。なお、溝孔
１２はシャッター板１３の受片部１７によって閉塞され
ることになる。この状態で操作部１６に指を掛けてシャ
ッター板１３を図５および図８（ｂ）に示すように球抜
き孔１１を全開する第１位置へ摺動させると溝孔１２と
第１凹窪部１８とが合致して皿部８に貯留されているパ
チンコ球のうちの１個が第１凹窪部１８に自然に落入す
る。なお、シャッター板１３を第１位置に摺動させる際
に、皿部８に貯留されているパチンコ球の１個が第２凹
窪部１９に落入することになるが、該パチンコ球は凹溝
部２０から球抜き孔１１に送り出されてそのまゝ下方へ
落下させられる。

【００１５】そして、シャッター板１３を第１位置に摺
動させた後、操作部１６から手を放すとシャッター板１
３はスプリング１５の付勢で球抜き孔１１を閉じる方向
に復動し、これによって第１凹窪部１８に落入している
パチンコ球Ｂは図８（ｂ）鎖線のように堰止め部２１を
乗り越えながら第２凹窪部１９に落入する（図６参
照）。そして、第２凹窪部１９に落入したパチンコ球Ｂ
はシャッター板１３の復動動作により図８に示すように
その半径より上部分が溝孔１２の一方の側縁１２ａに当
接した状態となる。従って、操作部１６から手を離して
もシャッター板１３は球抜き孔１１をほぼ全開する第２
位置に停止保持されることになり、皿部８のパチンコ球
は球抜き孔１１から円形孔２２に落下して球抜きするこ
とができる。

【００１６】一方、シャッター板１３を元に戻すには、
操作部１６に指を掛けてシャッター板１３を図７に示す
ように球抜き孔１１を全開する第１位置に摺動させる。
この動作に伴ないまず第２凹窪部１９に落入しているパ
チンコ球Ｂが第２凹窪部１９と一緒に移動して図８
（ｄ）に示すように溝孔１２の他方の側縁１２ｂに当接
し、次いで該溝孔１２の側縁１２ｂの傾斜により凹溝部
２０に導かれて前方へ押し出されつつ球抜き孔１１に落
入する（図７参照）。従って、操作部１６から手を離す
とスプリング１５の付勢によりシャッター板１３が復動
して球抜き孔１１を閉じることになる。

【００１７】このように構成された本実施例によれば、
シャッター板１３を球抜き孔１１を全開する第１位置へ
摺動させると皿部８に貯留されるパチンコ球のうちの１
個がシャッター板１３に形成された第１凹窪部１８に落
入し、第１凹窪部１８に落入したパチンコ球を皿部８の
溝孔１２に当接させることによりシャッター板１３を球
抜き孔１１をほぼ全開する第２位置に停止し続けさせる
ことができ、シャッター板１３の停止を解除するにはシ
ャッター板１３を再び第１位置へ摺動させるだけの簡単
な操作でできる。

【００１８】しかも、皿部８に貯留されるパチンコ球が
すべて球抜きされても遊技者に見えるように皿部８の溝
孔１２にパチンコ球Ｂが残されているため、そのパチン
コ球Ｂを回収するべく遊技者自身によってシャッター板
１３の停止解除操作を行なってもらうことができる。従
って、シャッター板１３が球抜き位置に停止されたまゝ
で放置されることが少なくなる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したところから明らかなよう
に、本発明における下部球皿の球抜き装置は、下部球皿
に貯留されるパチンコ球を利用してシャッター板を球抜
き位置に停止保持させるようにしたものであるから、下
部球皿にパチンコ球がない状態では、シャッター板を球
抜き位置に停止させることができず、従って、いたずら
や嫌がらせによって球抜き状態に放置されるような事態
を防止することができる。

【００２０】そして、下部球皿のパチンコ球がすべて球
抜きされても、その皿部に遊技者から見えるようにパチ
ンコ球が１個残るため、遊技者はそのパチンコ球を回収
するべくシャッター板を停止解除位置に戻す操作を行う
確率が非常に高くなり、従って、遊技者がシャッター板
を球抜き位置に停止させたまゝで立ち去るようなことが
少なくなるため、次の遊技者に迷惑を及ぼしたり従業員
がシャッター板を復動させる手間を省くことができる。

【００２１】また本発明の球抜き装置は、従来の部品数
で構成することができて、余分な可動部品が不要である
から構造が簡単であり、かつ破損することが少ない。よ
しんば破損してシャッター板の開放状態が保持できない
ような場合でも、球抜きには従来通りに使用することが
可能であるといったように多くの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】パチンコ機の正面図。

【図２】下部球皿の斜視図。

【図３】下部球皿の分解斜視図。

【図４】下部球皿の平面図。

【図５】シャッター板を第１位置へ摺動させた状態の平
面図。

【図６】シャッター板を球抜き孔を開放する位置で停止
保持した状態の平面図。

【図７】シャッター板を第２位置から第１位置へ摺動さ
せた状態の平面図。

【図８】（ａ）〜（ｄ）は作用を説明する要部の断面
図。

【符号の説明】

７ 下部球皿 １０ 底壁 １１ 球抜き孔 １２ 溝孔 １３ シャッター板 １５ スプリング １８ 第１凹窪部 １９ 第２凹窪部 ２０ 凹溝部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パチンコ球を貯留する皿部の底壁に球抜
   き孔を開設すると共に、底壁の下面には球抜き孔を閉じ
   る方向にスプリングで付勢したシャッター板を設け、該
   シャッター板を球抜き孔を解放する位置に摺動させるこ
   とにより皿部のパチンコ球を球抜きするようにしたパチ
   ンコ機において、 前記皿部の底壁に球抜き孔と連通する溝孔を設けると共
   に、シャッター板には球抜き孔を全開する第１位置で溝
   孔に合致してパチンコ球が一個落入する第１凹窪部と該
   第１凹窪部と連通し、かつ球抜き孔をほぼ全開する第２
   位置で溝孔に合致して第１凹窪部のパチンコ球を落入さ
   せると共に、該パチンコ球を溝孔に当接させてシャッタ
   ー板を停止保持させる第２凹窪部と、シャッター板を第
   ２位置から第１位置に摺動させることにより第２凹窪部
   のパチンコ球を球抜き孔に送り出す凹溝部とを設けてな
   ることを特徴とするパチンコ機における下部球皿の球抜
   き装置。