JPH06318331A - トラッキング制御装置 - Google Patents

トラッキング制御装置

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Publication number
JPH06318331A
JPH06318331A JP26141893A JP26141893A JPH06318331A JP H06318331 A JPH06318331 A JP H06318331A JP 26141893 A JP26141893 A JP 26141893A JP 26141893 A JP26141893 A JP 26141893A JP H06318331 A JPH06318331 A JP H06318331A
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JP
Japan
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signal
track
optical axis
deviation
tracking control
Prior art date
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Application number
JP26141893A
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English (en)
Inventor
Koichi Takamine
浩一 高峯
Katsuya Watanabe
克也 渡邊
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光ヘッドの初期調整ばらつきや経時変化によ
る光軸ずれ及びトラックずれ信号のオフセットを補正し
て、正確で高精度のトラッキング制御を行うことができ
るトラッキング制御装置を提供する。 【構成】 装置起動時にCPU32は、信号選択回路2
5を切り替え、駆動信号発生回路24からの駆動信号に
よってガルバノミラー30を回動させる。このとき得ら
れたトラックずれ信号から、光学系の光軸と光ビームの
中心とのずれ(光軸ずれ)を計測し、このずれに応じて
光軸ずれ補正量を求め、メモリ33に設定する。設定さ
れた光軸ずれ補正量に応じた電流をガルバノミラー30
に流すことにより、光軸ずれが補正される。この後、C
PU32は、リニアモータ31を移動させて再び光軸ず
れを計測し、計測された光軸ずれに応じて、メモリ33
の光軸ずれ補正量を変更する。このようにして最終的に
求められた光軸ずれ補正量に応じた電流をガルバノミラ
ー30に流すことにより、光軸ずれを完全に補正するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ等の光源を用い
て、記録媒体上に光学的に信号を記録する、あるいは記
録媒体上の信号を再生する光学式記録再生装置の、光ビ
ームが記録媒体上のトラックを正確に走査するように制
御するトラッキング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光学式記録再生装置では装置の薄
型化や高速検索等を実現するために、光学系全体を移動
させるのではなく、光学系の一部を分離して可動部に配
置し、可動部、即ち光ヘッドを移動させることによっ
て、トラッキングを行うことが知られている。さらに、
可動部を軽量化するために、トラッキングアクチュエー
タとしてガルバノミラーを用い、このガルバノミラーを
固定部に配置する構成のものが知られている。
【0003】以下、従来のトラッキング制御装置につい
て図21を参照しながら説明する。
【0004】図21は、従来のトラッキング制御装置の
構成を示すブロック図である。半導体レーザ等の光源1
01から出射された光108は、コリメータレンズ10
2によって平行光にされた後、ビームスプリッター10
3を通過し、トラッキング微アクチュエータであるガル
バノミラー130によって反射される。ガルバノミラー
130によって反射された光は、さらに可動部に配置さ
れたミラー104で反射された後、対物レンズ105に
よって収束され、回転しているディスク107上に照射
される。ディスク107には、ディスク107を回転さ
せるためのスピンドルモータ106が接続されている。
【0005】ディスク107によって反射された光ビー
ムは、対物レンズ105を通過した後、ミラー104及
びガルバノミラー130によって反射され、ビームスプ
リッタ103に入射する。ビームスプリッター103に
入射した光ビームは凸レンズ109の方向に反射され
る。光ビームは、この凸レンズ109を通過し、シリン
ドリカル偏光ビームスプリッタ110(以下シリンドリ
カルP.B.Sと呼ぶ。)によって光ビーム111、1
15に分割される。
【0006】分割された一方の光ビーム111は、光検
出器112の2分割面上に集光される。2分割面から出
力される、集光された光ビームの光量に応じた出力A及
びBは、差動増幅器114の各端子に入力される。差動
増幅器114で光検出器112の出力A及びBの差を求
める演算を行うことにより、トラックずれ信号が得られ
る。このようにして差動増幅器114の出力としてトラ
ックずれ信号を検出する方法は、例えば特開昭49ー6
0702号公報に記載されており、プッシュプル法とし
て知られている。
【0007】また、光検出器112の2分割面からの出
力A及びBは、加算増幅器116にも入力されており、
加算増幅器116によって出力A及びBの和が求めら
れ、光量和信号が得られる。
【0008】差動増幅器114から出力されたトラック
ずれ信号は可変増幅器117に入力される。可変増幅器
117のゲインは、その出力a点でのトラックずれ信号
の振幅がほぼ一定になるように調整されている。可変増
幅器117からの出力は割算器118に入力されてい
る。割算器118には、加算増幅器116からの光量和
信号もまた入力されており、可変増幅器117からの出
力を加算増幅器116からの出力で除算することによっ
て、記録時あるいは消去時の光ビームの光量変化、また
はディスク107の反射率の変化に対してトラックずれ
信号の振幅がほぼ一定になるようにしている。
【0009】他方、シリンドリカルP.B.S.110
によって分割されたもう一方の光ビーム115は、光検
出器112の4分割面上に集光される。この4分割面か
らの出力に基づいて、ディスク107上の光ビームが所
定の収束状態からずれたことを検出するフォーカスずれ
信号が得られる。ここで、フォーカスずれ信号の検出
は、差動増幅器113を用いて、公知の非点収差法によ
って行われる。フォーカスずれ信号に基づいてフォーカ
スアクチュエータ(図示省略)を駆動する公知のフォー
カス制御によって、光ビームが所定の収束状態でディス
ク107上に照射されるように制御する。このようなフ
ォーカス制御については本発明と直接関係しないので詳
細な説明を省略する。
【0010】次に、対物レンズ105によって収束され
た光ビームが、目標とするトラック上に正確に照射され
るように制御されているとき、すなわちトラッキング制
御が行われているときの光学系全体の動作について、図
21を参照しながら簡単に説明する。本トラッキング制
御では、高周波数ではトラッキング微アクチュエータで
あるガルバノミラー130を主に駆動し、低周波数では
トラッキング粗アクチュエータであるリニアモータ13
1を主に駆動することにより制御を行う。また、光スポ
ットをディスク107全域に及ぶ広範囲で移動させる検
索もリニアモータ131を駆動して行う。
【0011】上述のように、割算器118によって光ビ
ームの光量変化あるいはディスク107の反射率変化に
対して振幅がほぼ一定にされたトラックずれ信号は、位
相補償回路121に入力される。位相補償回路121の
出力は、ガルバノミラー130を駆動する駆動回路12
8に入力されている。ガルバノミラー130は、トラッ
クずれ信号に応じた駆動回路128からの出力によって
駆動され、回転する。ガルバノミラー130の回転によ
り光ビームが反射される方向が変更され、光スポット
は、トラック上に位置するように、ディスク107上の
トラックを横切る方向(以下、トラッキング方向とす
る。)に移動する。このようにして、光スポットは常に
目標とするトラックの中心に位置するように制御され
る。
【0012】ディスク107の内周から外周までトラッ
ク方向に移動することのできるリニアモータ131上に
はミラー104と対物レンズ105が搭載されており、
これにより光ヘッドが構成されている。光スポットは、
リニアモータ131の移動にともなってディスク107
の内周から外周までトラッキング方向に移動する。トラ
ッキング制御が行われているときには、上記位相補償回
路121の出力は、等価フィルタ回路122を介して、
リニアモータ131の制御に用いられる位相補償回路1
23に入力される。等価フィルタ122はトラッキング
微アクチュエータであるガルバノミラー130の入出力
特性、すなわち入力に対する回転特性とほぼ等しい特性
を有している。位相補償回路123からの出力は、リニ
アモータ131を駆動する駆動回路129に入力されて
おり、この出力によって、ガルバノミラー130が自然
状態、すなわち光学系の光軸中心と対物レンズ105に
入射する光ビームの光軸とが一致した状態を中心として
回動することができるように、リニアモータ131が制
御されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図21
に示す従来の装置では、トラッキング微アクチュエータ
としてガルバノミラー130を用いており、さらにこの
ガルバノミラー130を固定部に配置し、トラッキング
粗アクチュエータであるリニアモータ131上にミラー
104と対物レンズ105を配置して光ヘッドを構成し
ているため、ガルバノミラー130からミラー104を
経て対物レンズ105に至るまでの光路長が長くなる。
光路長が長くなると、ガルバノミラー130の非制御状
態の姿勢が、初期状態、すなわち光学系の光軸と光ビー
ムの中心とが一致した状態の姿勢から、ガルバノミラー
130が回動する方向、あるいは重力を受ける方向に変
化した場合に、光学系の光軸と光ビームの中心との間に
ずれが発生しやすくなる。本明細書ではこのような光軸
と光ビームの中心とのずれを光軸ずれとよぶ。光軸ずれ
が発生するとトラックずれ信号にオフセットが生じる。
このオフセットは、光路長が長いほど大きくなる。
【0014】図22を参照しながら、ガルバノミラー1
30の回転によって生じる光軸ずれについて説明する。
図22に示すようにガルバノミラー130が回転する
と、上述した光軸ずれが発生し、トラックずれ信号がオ
フセットを持つことになる。つまり、トラッキング制御
が行われているときには、ガルバノミラー130が回動
することにより光軸ずれが発生する。また、トラッキン
グ制御が行われていないときであっても、上述したガル
バノミラー130の姿勢変化が発生すると、トラッキン
グ制御が行われているときと同様に、回転方向に光軸が
ずれる。このように光軸ずれが発生すると、対物レンズ
105の球面収差、光束のコマ収差あるいはレンズ枠の
ケラレ等によりトラックずれ信号に大きなオフセットが
生じる。この状態でトラッキング制御を行うと、トラッ
クずれ信号にオフセットが既に生じている状態でさらに
ガルバノミラー130を回動させてオフセットを大きく
することになる。
【0015】トラッキング制御が行われていないときの
光軸ずれが大きいとトラックずれ信号のオフセットも大
きくなる。このようなオフセットを、トラックずれ信号
の検出が行われる回路よりも後の回路において除去しよ
うとしても、オフセットが大きすぎるために回路が飽和
して、除去できないことがある。さらに、レンズ枠のケ
ラレ等でトラックずれ信号の振幅が小さくなったり、ト
ラックずれ信号が現れなくなることがある。トラックず
れ信号が現れなくなった場合は、回路でオフセットを除
去してもトラックずれ信号が現れるようにすることはで
きない。
【0016】また、トラッキング制御が行われていると
きにトラックずれ信号がオフセットを持つと、ディスク
107上の光スポットは、トラッキング制御系によっ
て、目標とするトラックの中心からずれたところに位置
するように制御される。つまり、ディスク107上の光
スポットはオフトラックした状態に制御される。
【0017】トラッキング制御が行われているときに、
ガルバノミラー130の回動によって上述したようなオ
フトラックが生じると、例えば、ディスク107上に情
報を記録する際の記録特性、あるいは情報を再生する際
の再生特性が劣化したり、光スポットがトラックからは
ずれやすくなるというようなトラッキング精度の低下と
いう問題がある。
【0018】さらに、トラッキング制御が行われていな
いときに経時変化や環境温度の変化等によってガルバノ
ミラー130の姿勢変化が起こると、光ビームの中心が
光学系の光軸とずれ、トラックずれ信号にオフセットが
発生する。経時変化や環境温度の変化で光軸ずれが発生
すると、場合によってはトラックずれ信号のオフセット
が大きく発生したり、トラックずれ信号が現れなくな
る。トラックずれ信号のオフセットが大きかったり、ト
ラックずれ信号が現れなくなると、トラッキング制御系
を安定に引き込むことが出来なくなる。このため、装置
として起動不能となり、信頼性が著しく低下するという
問題もある。
【0019】本発明は、このような従来のトラッキング
制御装置の課題を考慮し、光ヘッドの初期調整ばらつき
や経時変化による光軸ずれを補正して、常に光ヘッドの
光学系光軸中心を基準にトラッキング制御を行うことが
でき、また、ガルバノミラーの回動に伴って発生するオ
フセットを補正して、正確で高精度なトラッキング制御
を行うことができる、信頼性の高いトラッキング制御装
置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明のトラッキング制
御装置は、記録媒体上に光ビームを収束させる収束手段
と、駆動信号を受け取り、該駆動信号に応じて、該光ビ
ームの収束点を、該記録媒体上において、該記録媒体上
に設けられたトラックを横切る方向に移動させる移動手
段と、該トラックのうちの1つに対する該光ビームの該
収束点の位置に応じてトラックずれ信号を発生させるト
ラックずれ検出手段と、該トラックずれ信号に応じて、
該光ビームの該収束点が該トラックのうちの該1つの上
に位置するように該移動手段を駆動する第1の駆動信号
を発生させ、該第1の駆動信号を該駆動信号として該移
動手段に供給するトラッキング制御手段と、該トラッキ
ング制御手段の動作、非動作を切り替える手段と、該ト
ラッキング制御手段が非動作のときに、該光ビームの該
収束点が該トラックのうちの所定数個のトラックを横切
るように該移動手段を駆動する第2の駆動信号を発生す
る駆動手段と、該トラッキング制御手段が非動作のとき
に、該第2の駆動信号によって該移動手段が駆動される
ことにより得られる該トラックずれ信号から、光軸ずれ
量を求める光軸ずれ計測手段と、求められた該光軸ずれ
量に基づいて、該光軸ずれ量を実質的にゼロにするよう
な値の信号を該移動手段に定常的に供給する光軸ずれ補
正手段とを備えた構成を有する。
【0021】また、本発明は、上記移動手段が、前記光
ビームを反射するための微アクチュエータであって、該
光ビームが反射する方向を変更することにより前記収束
点を移動させる微アクチュエータと、前記収束手段を支
持するための粗アクチュエータであって、該収束手段を
移動させることにより該収束点を移動させる粗アクチュ
エータとを備えており、光軸ずれ補正手段は該微アクチ
ュエータに前記信号を供給してもよい。
【0022】また、本発明は、上記光軸ずれ計測手段
が、前記トラックずれ信号のオフセットに基づいて光軸
ずれ量を計測してもよい。
【0023】また、本発明は、上記光軸ずれ計測手段
が、前記トラックずれ信号のエンベロプに基づいて光軸
ずれ量を計測してもよい。
【0024】また、本発明は、上記駆動手段が、前記微
アクチュエータに接続されており、前記第2の駆動信号
によって該微アクチュエータが駆動されてもよい。
【0025】また、本発明は、上記駆動手段が、前記粗
アクチュエータに接続されており、前記第2の駆動信号
によって該粗アクチュエータが駆動されてもよい。
【0026】また、本発明は、光ビームを反射するため
の回転可能な反射鏡と、該反射鏡から該光ビームを受け
取り、該光ビームを記録媒体上に収束させる収束手段
と、第1の駆動信号を受け取り、該第1の駆動信号の第
1の関数として該反射鏡を回転させるための回転信号を
発生させ、該回転信号を該反射鏡に供給する第1の駆動
手段と、該収束手段を支持する第2の駆動手段であっ
て、第2の駆動信号を受け取り、該第2の駆動信号に応
じて該収束手段を移動させる第2の駆動手段と、該記録
媒体上のトラックに対する該光ビームの収束点の位置に
応じてトラックずれ信号を発生するトラックずれ検出手
段と、該トラックずれ信号に応じて、該光ビームの該収
束点が該トラック上に位置するように該第1及び第2の
駆動手段を駆動するための該第1及び該第2の駆動信号
をそれぞれ発生させるトラッキング制御手段と、該トラ
ックずれ信号の第2の関数として出力信号を発生させる
フィルタ手段であって、該第2の関数は該第1の関数と
実質的に等しいフィルタ手段と、該フィルタ手段の該出
力信号に基づいて、該トラックずれ信号のオフセットを
実質的にゼロにするように該トラックずれ信号を補正す
るオフセット補正手段とを備えた構成を有する。
【0027】また、本発明は、上記オフセット補正手段
が、前記トラックずれ信号の前記オフセットを実質的に
ゼロにするように補正量を設定し、設定された該補正量
に応じて補正信号を発生させる手段と、該補正信号を受
け取り、該補正信号を用いて該トラックずれ信号を補正
する手段とを備えていてもよい。
【0028】また、本発明は、上記オフセット補正手段
によって補正された前記トラックずれ信号を受け取り、
該トラックずれ信号の振幅の中心レベルを検出し、検出
された該中心レベルと予め設定された基準レベルとの差
を求める手段と、該差に応じて、該中心レベルが該基準
レベルと一致するように前記補正量を変更する手段と、
をさらに備えていてもよい。
【0029】また、本発明は、トラッキング制御手段
が、前記フィルタ手段からの前記出力信号を受け取り、
該出力信号に基づいて前記第2の駆動信号を発生させて
もよい。
【0030】
【作用】本発明は、上記構成により、トラッキング制御
が行われているときにガルバノミラーの回動により生じ
るトラックずれ信号のオフセットを補正することができ
る。また、トラッキング制御が行われていないときの光
軸ずれを補正することにより、常に光ヘッドの光学系の
光軸を中心としてトラッキング制御を行うことができ
る。このため、正確で高精度なトラッキング制御が可能
となる。
【0031】さらに、経時変化等により光学系の光軸と
トラッキング制御の中心とが大きくずれてトラックずれ
信号のオフセットが大きくなったりトラックずれ信号が
現れなくなった場合でも、光軸ずれ補正を行うことによ
り、トラックずれ信号が現れるようにすることが可能と
なる。これにより、トラックずれ信号に起因するトラッ
キング制御装置の起動不能をなくすことができる。ま
た、トラックずれ信号のオフセットを調整してトラッキ
ング制御を安定に引き込むことが可能となる。よって、
安定した制御性能、検索性能を確保し、更に起動不能を
防止し、装置の信頼性を著しく向上することが可能とな
る。
【0032】
【実施例】
(第1の実施例)以下、本発明によるトラッキング制御
装置の第1の実施例について、その構成を動作ととも
に、図1〜図15を参照しながら説明する。
【0033】図1は本発明によるトラッキング制御装置
の第1の実施例の構成を示すブロック図である。半導体
レーザ等の光源1から出射された光ビーム8は、コリメ
ータレンズ2で平行光にされた後、ビームスプリッター
3を通過し、トラッキング微アクチュエータであるガル
バノミラー30によって反射される。反射された光は、
さらに可動部上のミラー4によって反射された後、対物
レンズ5によって収束され、回転しているディスク7上
に照射される。ディスク7には、ディスク7を回転させ
るためのスピンドルモータ6が接続されている。
【0034】ディスク7によって反射された光ビーム
は、対物レンズ5を通過した後、ミラー4、ガルバノミ
ラー30の順に反射され、ビームスプリッター3に入射
する。ビームスプリッタ3に入射した光ビームは凸レン
ズ9を通過した後、シリンドリカルP.B.S.10に
よって光ビーム11、15に分割される。
【0035】分割された一方の光ビーム11は光検出器
12上に集光される。光検出器12は複数の検出面を有
しており、そのうちの1つは2分割されている。光ビー
ム11はこの2分割面上に集光される。2分割面上に集
光された光ビームの強度に応じた出力A及びBは差動増
幅器14の各端子に入力される。差動増幅器14で出力
AとBの差を求める演算を行うことにより、トラックず
れ信号が得られる。
【0036】このようにプッシュプル法によってトラッ
クずれ信号が求められる。また、光検出器12の2分割
面からの出力A及びBは、加算増幅器16にも入力され
ており、ここで出力A及びBの和である光量和信号が求
められる。
【0037】差動増幅器14から出力されるトラックず
れ信号は、可変増幅器17に入力される。可変増幅器1
7のゲインは、その出力a点でのトラックずれ信号の振
幅がほぼ一定になるように調整されている。可変増幅器
17からの出力は割算器18に入力されている。一方、
割算器18には、加算増幅器16から出力される光量和
信号も入力されている。割算器18では、可変増幅器1
7からトラックずれ信号を加算増幅器16からの光量和
信号で除算することにより、記録時あるいは消去時の光
ビームの光量変化、またはディスク7の反射率変化に対
してトラックずれ信号の振幅がほぼ一定にされる。
【0038】シリンドリカルP.B.S.10によって
分割されたもう一方の光ビーム15もまた光検出器12
上に集光される。この光ビーム15が集光される場所
は、上記2分割面ではなく、4つに分割されている他の
検出面である。この4分割面上に集光された光ビームの
強度に応じた出力に基づいて、ディスク7上の光ビーム
が所定の収束状態からずれたことを検出するフォーカス
ずれ信号が得られる。本実施例では、フォーカスずれ信
号は公知の非点収差法によって検出され、フォーカスず
れ信号に基づいてフォーカスアクチュエータ(図示省
略)を駆動する公知のフォーカス制御により、ディスク
7上の光ビームが所定の収束状態になるように制御が行
われる。フォーカス制御については、本発明と直接関係
しないので詳細な説明を省略する。
【0039】次に、プッシュプル法によるトラックずれ
信号検出について図2及び図3を参照しながら説明す
る。
【0040】図2(a)に、ディスク7上のトラックピ
ット列(トラック)を1次元の回折格子とみなして、デ
ィスク7上の光スポットの位置を変えたときの、上記回
折格子からの回折光の0次光と±1次光の干渉パターン
を示す。トラック中心に対する光スポットの中心の相対
変位をu、トラックピッチをqとすると、u=0のとき
及びu=q/2のときの干渉パターンは、左右とも同じ
形状である。しかし、u=q/4、あるいはu=−q/
4のときの干渉パターンでは、左側と右側とでパターン
の形状が反転する。ここで、干渉パターンA、B、Cか
らの反射光が光検出器12上に集光されたときの光強度
を比較すると、パターンA>パターンB>パターンCと
いう関係になっている。
【0041】図2(b)にトラックずれ信号検出光学系
の概略図を示す。干渉パターンA、B、Cが上述のよう
な関係にあるとき、図2(b)に示すように、光検出器
12の2分割面の分割線をトラックに平行に配置して、
2分割面からの出力を差動検出することにより光スポッ
トの中心とトラック中心とのずれを検出することができ
る。
【0042】図3にプッシュプル法により得られるトラ
ックずれ信号の例を示す。u=0のときには光スポット
がトラック中心に位置しており、トラックずれ信号はト
ラッキング制御の制御基準と一致している。u=q/4
のときはトラックずれ信号は正のピークとなり、u=−
q/4のときは負のピークとなる。u=q/2のときは
光スポットがトラック間に位置している状態を示してい
る。つまり、光スポットがディスク7上のトラックを横
切ったときの光検出器12の分割面A、Bからの出力を
差動増幅器14で演算すると、その出力として図3に示
すようなトラックずれ信号を得ることができる。さらに
光検出器12の2分割面からの出力は、上述したように
加算増幅器16に入力され、加算増幅器16によって、
ディスク7からの光ビームの反射光量に対応した光量和
信号を得ることができる。
【0043】次に、図1を参照しながら、トラッキング
制御が行われているときの光学系全体の動作を説明す
る。トラッキング制御では、高周波数では微アクチュエ
ータであるガルバノミラー30が主として駆動され、低
周波数では粗アクチュエータであるリニアモータ31が
主として駆動される。また、光スポットをディスク7全
域に及ぶ広範囲で移動させる検索もリニアモータ31を
駆動して行う。このようなトラッキング制御は、後に詳
述する光軸ずれの補正、及びトラックずれ信号のオフセ
ットを補正するためのゲインの調整が完了した状態で行
われる。つまり、本実施例では、トラッキング制御は、
光軸ずれの補正によりガルバノミラー30が、光学系の
光軸と光ビームの中心とが一致した状態を中心として回
動するようになり、かつ、ゲイン調整によりガルバノミ
ラー30の回動によるトラックずれ信号のオフセットが
キャンセルされてから行われることになる。
【0044】割算器18によって光ビームの光量変化ま
たはディスク7の反射率変化に対して振幅をほぼ一定に
されたトラックずれ信号は、位相補償回路21に入力さ
れる。位相補償回路21の出力は、信号選択回路25、
加算回路27を経て、駆動回路28に入力される。従っ
て、ガルバノミラー30は、トラックずれ信号に応じた
駆動回路28からの出力によって駆動され、回転する。
ガルバノミラー30が回転することにより、光スポット
がディスク7上のトラックを横切る方向、すなわちトラ
ッキング方向に移動する。このようにして、ディスク7
上の光スポットは、常にトラック中心に位置するように
制御される。
【0045】リニアモータ31上にはミラー4と対物レ
ンズ5が搭載されている。このミラー4及び対物レンズ
5は、リニアモータ31が移動することによりディスク
7の内周から外周までトラッキング方向に移動すること
ができる。従って、光スポットは、リニアモータ31の
移動にともなってディスク7の内周から外周までトラッ
キング方向に移動する。トラッキング制御が行われてい
るときには、上述の位相補償回路21の出力は、等価フ
ィルタ回路22、リニアモータ制御系の位相補償回路2
3、信号選択回路26、駆動回路29を経てリニアモー
タ31に加えられており、ガルバノミラー30が、光学
系の光軸と光ビームの中心とが一致した状態を中心とし
て回動することができるように、リニアモータ31を制
御している。また、等価フィルタ回路22は、ガルバノ
ミラー30の入出力特性、すなわちガルバノミラー30
への入力に対する回転特性とほぼ等しい特性を有してい
る。
【0046】次に、光軸ずれとトラックずれ信号のオフ
セットの関係について図4〜図9を参照しながら説明す
る。
【0047】対物レンズ5の形状は、一つの基準軸のま
わりに回転対称である。また、レンズの球面の曲率中心
はこの軸と一致している。この基準軸を対物レンズ5の
光軸という。光学系を構成する対物レンズ5以外の要素
は、光学系全体の光軸が対物レンズ5の光軸と一致する
ように配置されており、光学系全体をこの基準軸のまわ
りに回転しても、結像関係は全く同等である。
【0048】図5に、光学系全体の光軸と対物レンズ5
に入射する光ビームの中心とが一致しているときの、光
ビームの、光軸に垂直な断面を示す。つまり、図5は光
軸ずれが生じていない場合のディスク7上の光スポット
の形状を示している。光学系を実際に通過する光束の拡
がりは、絞りやレンズ枠などによって制限される。ま
た、光学系を通過する際に受ける影響は、結像点が光軸
上にある場合とそうでない場合とで異なる。光学系が光
軸を中心に回転対称であれば、光束もまた回転対称であ
り、光束中心と光軸とは一致する。このとき、光軸に垂
直な断面は、図5に示すように円形になる。しかし、対
物レンズ5に入射する平行光の光ビームの中心と光軸と
がずれると、対物レンズ5の球面収差により光ビームは
一点に集まらなくなる。
【0049】光ビームが、光学系の光軸に対して斜めに
対物レンズ5に入射した場合について図6を用いて説明
する。図6は、対物レンズ5に入射する光ビームが光学
系の光軸に対して斜めに入った場合の、図5と同じ光軸
上の位置での、光軸に対して垂直な光束の切断面を示し
ている。すなわち、図6は対物レンズ5に入射する光ビ
ームが光学系の光軸に対して斜めに入った場合のディス
ク7上のスポットの形状を示している。このとき、光ビ
ームは、いわば、厚みのある丸い穴を斜めに通過するよ
うな状態になり、その断面は円ではなくなる。また、レ
ンズ枠のケラレのため光ビームの断面の面積も小さくな
る。つまり、対物レンズ5に入射する光ビームが光軸に
対して斜めに入った場合、光ビームはコマ収差を伴うこ
とになる。よって、光軸ずれが生じると、対物レンズ5
の球面収差や光束のコマ収差、レンズ枠のケラレ等によ
りディスク7上の光スポットの形状が変化する。
【0050】図4は、トラック中心上に光スポットが位
置しているときの光検出器12上のスポット形状と光軸
ずれとの関係を示す図である。図4(a)は光軸ずれが
ない状態、図4(b)はディスク7の外周側に光軸ずれ
が発生した状態、図4(c)はディスク7の内周側に光
軸ずれが発生した状態でトラック中心上に光スポットが
位置しているときの光検出器12上の光スポットの形状
を示している。
【0051】光軸ずれが生じていない状態では、光検出
器12上の光スポットの形状は、図4(a)に示すよう
になり、光検出器12の2分割面からの出力A、Bは等
しくなる。しかし、光軸ずれが発生すると、光検出器1
2上の光スポットの形状は、光スポットがディスク7上
のトラック中心に位置しているにもかかわらず、図4
(b)あるいは図4(c)のようになり、光検出器12
の2分割面からの出力A、Bは等しくなくなる。その結
果、トラックずれ信号にオフセットが生じることにな
る。
【0052】図7は、ガルバノミラー30の姿勢が、ガ
ルバノミラー30の回転する方向に変化したときの光軸
ずれの状態を示している。光軸ずれが生じていないとき
のガルバノミラー30を初期状態とすれば、ガルバノミ
ラー30が反時計まわり(あるいは時計まわり)に回転
すると、光学系の光軸に対して光ビームの中心がずれ
る。
【0053】図8及び図9を用いて、ガルバノミラー3
0から対物レンズ5までの光路長、及びガルバノミラー
30の回転角と光軸ずれとの関係について説明する。図
8は、ガルバノミラーの回転角θと光路長L、光学系の
光軸からの光ビームの中心のずれ量(以下、光軸ずれ量
と呼ぶ。)δx、及びディスク7上での光スポットの移
動量xの関係を示している。図9は、ガルバノミラー3
0からミラー4までの距離L1、ミラー4から対物レン
ズ5までの距離L2と光路長Lを示している。
【0054】ガルバノミラー30の回転角θ、光路長
L、光軸ずれ量δx、及び光スポットの移動量xの関係
式(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を以下に示
す。
【0055】L=L1+L2 …(1) 式(1)は、ガルバノミラー30から対物レンズ5まで
の距離L(光路長)はガルバノミラー30からミラー4
までの距離L1とミラー4から対物レンズ5までの距離
L2の和であることを意味している。
【0056】f=3mm …(2) 式(2)は対物レンズ5の焦点距離fを表している。
【0057】f・Sin(2θ)=x …(3) 式(3)は対物レンズ5の焦点距離f、ガルバノミラー
30の回転角θ及び光スポットの移動量xの関係式であ
る。
【0058】2θ=ASin(x/f) …(4) 式(4)は、式(3)をガルバノミラー30の回転角θ
の2倍の角度2θについて展開した式である。
【0059】 δx=Lmax・tan(2θ) …(5) 式(5)は光軸ずれ量δxと、最大光路長Lmax、及
びガルバノミラー30の回転角θの関係式である。本実
施例においては、最大光路長Lmaxは70mmであ
り、例えば、ガルバノミラー30が±0.0955de
g回転すると、式(2)及び(3)より光スポットは±
10μmディスク7上を動くことになる。このとき、式
(5)より光軸ずれ量δxは±0.233mmとなる。
【0060】図10に、光軸ずれのないときのトラック
ずれ信号、すなわち基準トラックずれ信号と、光スポッ
トがディスク7上で10μm移動したときのトラックず
れ信号を示す。トラックずれ信号の振幅を±1とする
と、光ビームの中心軸が光軸から±0.233mmずれ
たとき、トラックずれ信号には±0.6435のオフセ
ットが発生する。トラックずれ信号のオフセットが±
0.6435発生すると、トラッキング制御系は、光ス
ポットをトラック中心から±0.178μmずれたとこ
ろに位置するように制御することになる。従って、ガル
バノミラー30から対物レンズ5までの最大光路長Lm
axが長くなると、トラックずれ信号のオフセットも大
きくなることがわかる。
【0061】次に、光学系の光軸と光ビームの中心との
ずれ、すなわち光軸ずれの検出と、検出された光軸ずれ
の補正について、図1及び図11〜図15を参照しなが
ら説明する。光軸ずれの補正は、ガルバノミラー30を
駆動させて光軸ずれを検出する粗補正と、リニアモータ
31を駆動させて行う光軸ずれを検出する微補正の2つ
に分けられる。
【0062】光ビームの中心が、ガルバノミラー30の
姿勢変化によって光学系の光軸から大きくずれて対物レ
ンズ5の外輪に近づくと、ディスク7への入射光やディ
スク7からの反射光は、対物レンズの枠によるケラレ等
の影響をうける。このため、光検出器12の2分割面か
らの出力A、Bのうちの一方の出力が支配的になり、ト
ラックずれ信号がほとんど現れなくなる。このような場
合には、トラッキング制御系を引き込むことができなく
なり、装置を起動させることができなくなる。そこで、
まず、光軸ずれの粗補正が行われる。
【0063】最初に、トラッキング制御が行われていな
い状態(以下、この状態をトラッキング制御オフ状態と
呼ぶ)で光軸ずれの検出を行う。CPU32によって、
信号選択回路25を駆動信号回路24からの信号を受け
取るモードに切り替え、駆動信号回路24からの駆動信
号を信号選択回路25に入力する。この駆動信号は信号
選択回路25から加算回路27を介して駆動回路28に
入力され、光スポットがディスク7上の所定の領域を移
動するように、ガルバノミラー30を回動させる。この
とき、リニアモータ31を駆動するための駆動回路29
に接続されている信号選択回路26は、位相補償回路2
3からの信号を選択している。また、トラックずれ信号
に応じたリニアモータ制御はオフの状態である。
【0064】図15に駆動信号発生回路24からの駆動
信号の一例を示す。この駆動信号は、振幅の中心レベル
が制御基準電圧(Vref)と一致している信号であ
る。駆動信号の値がVrefと一致しているとき、ガル
バノミラー30(微補正の場合にはリニアモータ31)
に流れる電流はゼロになる。このような駆動信号により
ガルバノミラー30を駆動すると、図11(a)に示す
ようなトラックずれ信号が得られる。図11(a)は、
正弦波状の駆動信号でガルバノミラー30を駆動したと
きに得られるトラックずれ信号の波形である。ガルバノ
ミラー30が回動させられると、光軸がずれて、トラッ
クずれ信号にオフセットを生じさせることができるの
で、光軸ずれによりトラックずれ信号がほとんど現れな
くなった場合であっても、ガルバノミラー30を回動さ
せることによりトラックずれ信号が現れるようにするこ
とができる。
【0065】また、ディスク7に偏心があると、ガルバ
ノミラー30及びリニアモータ31が一定の状態にあ
り、それにより光スポットが同じ場所に位置している場
合であっても、ディスク7が回転によって光スポットが
トラックからずれることがある。これは、ディスク7の
偏心に起因するものである。例えば、ディスク7の回転
速度を3600r.p.m.とすると、偏心成分が60
Hzで現れる。従って、偏心の影響を少なくするため
に、本実施例では、駆動信号の周波数は1kHzに設定
されている。上述するようにして、駆動信号発生回路2
4からの駆動信号によって、光軸ずれが生じていないと
きのトラックずれ信号と等しい振幅のトラックずれ信号
が得られるようにガルバノミラー30を回動させる。こ
うして得られたトラックずれ信号は、割算器18によっ
て自動ゲイン調整されて、A/D変換器20及びトラッ
クずれ信号2値化回路19に入力される。A/D変換器
20に入力されたトラックずれ信号はデジタル信号に変
換され、CPU32に取り込まれる。また、2値化回路
19ではトラックずれ信号のAC成分がデジタル符号に
変換される。2値化回路19からの出力はCPU32に
入力される。トラックずれ信号のAC成分の波形図及び
その2値化信号を、図11(b)に示す。
【0066】CPU32は、トラックずれ信号のデジタ
ル信号及び2値化信号を受け取り、これらの信号からト
ラックずれ信号のオフセット特性、あるいはエンベロプ
特性を算出する。さらに、CPU32では、このトラッ
クずれ信号のオフセット特性あるいはエンベロプ特性に
基づいて光軸ずれを補正するための補正値が決定され、
メモリ33に設定される。メモリ33からは補正値に応
じたデジタル信号が出力される。このデジタル信号は、
D/A変換器34によってアナログ信号に変換され、加
算回路27で信号選択回路25からの出力に加えられ
る。これにより、ガルバノミラー33には、補正値に応
じた電流(信号)が定常的に流されることになる。
【0067】上記補正値は、例えば、その補正値に応じ
た電流をガルバノミラー30に流したときに、トラック
ずれ信号のオフセット特性が、Vrefとトラックずれ
信号とが一致している点を基準として対称になるような
値に設定される。また、オフセット特性の代わりにエン
ベロプ特性に基づいて補正値を決定することもできる。
CPU32は、Vrefとトラックずれ信号とが一致し
ている点を基準としてトラックずれ信号のオフセット特
性が対称となるまで、メモリ33に設定される補正値を
変更していく。対称となったときの補正値はメモリ33
に記憶される。メモリ33に記憶された補正値は、次に
光軸ずれ補正が行われるまで更新されない。
【0068】上述したように設定、記憶された光軸ずれ
補正値に基づいて、ガルバノミラー30に定常的に電流
(信号)を流して、光学系の光軸と光ビームの中心とを
一致させる。このようにして粗補正が完了すると、粗補
正が行われたディスク7上の所定の領域においてガルバ
ノミラー30を駆動したときのトラックずれ信号の波形
は、図12に示すようになる。
【0069】次に、微補正について図13(b)を参照
しながら説明する。
【0070】図13(b)は、光軸ずれが生じている状
態で、リニアモータ31を駆動信号発生回路24からの
正弦波状の駆動信号で駆動したときのトラックずれ信号
の波形を示している。上述した光軸ずれ粗補正を行った
後、リニアモータ31を駆動して光スポットをディスク
7の内周側のトラックから外周側のトラックに移動させ
ると、光軸ずれ粗補正における光軸ずれ補正が正確でな
かった場合には、図13(b)に示すように、トラック
ずれ信号の内周側と外周側とでオフセットの極性の変化
が観察される。そこで、以下に述べるようにして、内周
側のオフセットと外周側のオフセットとの差を実質的に
なくすように光軸ずれ微補正を行う。
【0071】本微補正では、トラッキング制御オフ状態
で、かつ粗補正済みの状態で、駆動信号発生回路24か
らの駆動信号によりリニアモータ31を駆動し、これに
より得られるトラックずれ信号に基づいて光軸ずれの検
出・補正を行う。このとき、信号選択回路26は駆動信
号発生回路24からの信号を選択しており、他の信号選
択回路25は位相補償回路21からの信号を選択してい
る。後は、上述の粗補正と同様に、CPU32によっ
て、メモリ33に設定される補正値を変更して行き、光
ヘッドの光学系の光軸が光ビームの中心と一致したとき
の補正値を光軸ずれ補正値として、メモリー33に再度
記憶する。このようにして再度記憶された補正値に基づ
いてガルバノミラー30に定常的に電流(信号)を流す
ことにより、光学系の光軸中心と光ビームの中心軸とを
正確に一致させることができる。
【0072】ここで光軸ずれ補正の状態について、図7
を用いて簡単に説明する。図7に示すようにガルバノミ
ラー30の姿勢変化によって光軸ずれが生じている場
合、ガルバノミラー30の姿勢が初期状態の姿勢から変
化した分だけガルバノミラー30を回転させ、光学系の
光軸と光ビームの中心とが一致するようにする。図13
(a)に光軸ずれがない状態でリニアモータ31を駆動
信号発生回路24からの駆動信号で動かしたときのトラ
ックずれ信号を示す。光軸ずれ微補正により光軸ずれが
完全に補正されると、駆動信号発生回路24からの信号
に基づいてリニアモータ31を駆動したときのトラック
ずれ信号は図13(a)に示すようになる。
【0073】次に、上述した光軸ずれの検出・補正につ
いて、さらに詳しく説明する。光軸ずれの検出は上述し
たようにトラックずれ信号に基づいて行われる。割算器
18によって自動ゲイン調整されたトラックずれ信号
を、A/D変換器20でデジタル信号に、2値化回路1
9で2値化信号に変換し、これらの信号からCPU32
で光軸ずれを求める演算を行う。
【0074】光軸ずれ補正値を求めるための演算の一例
を説明する。まず、ガルバノミラー30(微補正の際に
はリニアモータ31)を駆動し、割算器18によって自
動ゲイン調整されたトラックずれ信号を、A/D変換器
20でデジタル信号に、2値化回路19で2値化信号に
変換する。これらの信号はCPU32に取り込まれる。
CPU32では、取り込まれたデジタル信号及び2値化
信号からトラックずれ信号の極大値、極小値を求める。
求められた極大値、極小値に基づいてトラックずれ信号
の振幅が算出され、トラックずれ信号の中心レベルと、
制御基準Vrefとの差からトラックずれ信号のオフセ
ット特性が測定される。
【0075】このようにしてトラックずれ信号のオフセ
ット特性が測定されると、CPU32は、ガルバノミラ
ー30(微補正時にはリニアモータ31)を駆動する駆
動信号がゼロのときのトラックずれ信号のオフセットを
キャンセルする方向にガルバノミラー30を回動させる
ような補正値を、メモリ33に設定する。メモリ33か
らは補正値に応じてデジタル信号が出力され、D/A変
換器34で電圧に変換される。変換された電圧は、加算
器27で信号選択回路25からの信号に加えられて駆動
回路28に供給される。これにより、ガルバノミラー3
0には、駆動回路28から、補正値に応じた電流及び駆
動信号発生回路24からの駆動信号が与えられることに
なる。
【0076】ガルバノミラー30が、上記補正値に応じ
た電流及び駆動信号によって回動すると、このとき得ら
れるトラックずれ信号は割算器18から出力され、A/
D変換器20あるいは2値化回路19を経てCPU32
に入力される。CPU32では、上述したトラックずれ
信号のオフセット特性の測定等が再び行われ、これによ
りメモリ33に設定された補正値が変更される。メモリ
33に設定された補正値の変更は、駆動信号がゼロのと
きのトラックずれ信号のオフセットが実質的にゼロにな
るまで繰り返される。トラックずれ信号のオフセットが
実質的にゼロになると、そのとき設定されている補正値
が、光軸ずれ補正値としてメモリ33に記憶される。こ
のようにしてトラックずれ信号のオフセット特性から光
軸ずれを補正するための補正値を求める。
【0077】トラックずれ信号のオフセット特性から光
軸ずれ補正値を求める方法は、上述した方法以外にもい
ろいろある。例えば、光軸ずれ量とトラックずれ信号の
オフセットとの関数を求め、ガルバノミラー30に電流
を流す前のトラックずれ信号のオフセット特性から直接
光軸ずれ補正値を求めることもできる。
【0078】図14に、ガルバノミラー30を回動させ
たときのディスク7上の光スポットの移動距離に対する
トラックずれ信号のオフセットの変化を示す。トラッキ
ング制御オフ時の光学系の光軸と光ビームの中心とが一
致した状態でガルバノミラー30を回動させると、光ス
ポットの10μmの移動に対してトラックずれ信号のオ
フセットが0.178μm相当発生する。トラックずれ
信号のオフセット特性は、光スポットの移動距離が30
μm程度に達するまでほぼ線形な特性を示し、光スポッ
トの移動距離と比例関係にある。従って、トラックずれ
信号のオフセットから、直接、光軸ずれ補正値を求める
ことができる。
【0079】光軸ずれ補正値を求めるための演算の他の
例を説明する。上述の例と同様に、ガルバノミラー30
(リニアモータ31)を駆動し、A/D変換器20から
のデジタル信号及び2値化回路19からの2値化信号を
CPU32に取り込む。これらの信号に基づいて、CP
U32ではトラックずれ信号の極大値が計測され、トラ
ックずれ信号のピーク側のエンベロプが極大値から求め
られる。またトラックずれ信号の極小値も計測され、極
小値からボトム側のエンベロプが算出される。
【0080】続いて、トラックずれ信号をモニタしなが
ら、ガルバノミラー30あるいはリニアモータ31を駆
動する駆動信号がゼロのときを基準に、光スポットがデ
ィスク7上のトラックを±10トラック程度横切るよう
に、ガルバノミラー30あるいはリニアモータ31を駆
動する。この演算法では、このとき得られるトラックず
れ信号の+8トラックの極大値と−8トラックの極小
値、または+8トラックの極小値と−8トラックの極大
値がVrefを基準として対称になったときに光学系の
光軸と光ビームの中心とが一致したものとする。なお、
トラックのカウントは、トラックずれ信号の2値化信号
のエッジをCPU32でカウントすることにより行う。
その後は、上述の演算の例と同様に、CPU32によっ
て設定される補正値を変更することにより、ガルバノミ
ラー30に流される電流を変化させて、光学系の光軸と
光ビームの中心軸とが一致するようにガルバノミラー3
0を回動させる。光学系の光軸と光ビームの中心とが一
致すると、このときの補正値をメモリ33に光軸ずれ補
正値として記憶する。このようにして、トラックずれ信
号のエンベロプ特性から光軸ずれを補正するための補正
値を求める。
【0081】また、トラックずれ信号の+側のエンベロ
プと−側のエンベロプとの差がガルバノミラーあるいは
リニアモータ駆動信号がゼロのときのトラックずれ信号
のオフセットの2倍と同じであることから、トラックず
れ信号のオフセットと光軸ずれ量との関数と同様に、ト
ラックずれ信号のエンベロプと光軸ずれ量との関係も関
数で表すことができる。従って、トラックずれ信号のオ
フセットから直接光軸ずれ量を求めることができるのと
同様に、トラックずれ信号のエンベロプからも、直接光
軸ずれ量を求めることができる。
【0082】以上のようにして、トラッキング制御オフ
状態でガルバノミラー30あるいはリニアモータ31を
動かしたときのトラックずれ信号のオフセットまたはエ
ンベロプから光軸ずれ補正値を求め、求められた補正値
に基づいて、ガルバノミラー30に定常的に電流(信
号)を流す。これにより光軸ずれが補正されるため、常
に光学系の光軸と光ビームの中心軸とが一致した状態を
中心としてガルバノミラー30を回転させることができ
る。従って、正確で高精度なトラッキング制御を行うこ
とができるようになる。
【0083】なお、本実施例ではトラッキング粗アクチ
ュエータとしてリニアモータを用いたが、トラッキング
微アクチュエータとしてガルバノミラーを用いた装置で
あれば、リニアモータの代わりに例えばスイングアーム
等を用いてもよい。
【0084】以上の説明から分かるように、本実施例で
は、光ヘッドの光学系の光軸が光ビームの中心から大き
くずれてトラックずれ信号が現れなくなった場合であっ
ても、ディスク上の任意の領域で光軸ずれ粗補正を行う
ことにより、トラックずれ信号が現れるようにすること
ができる。このため、装置の起動不能をなくすことが可
能となる。さらに、光軸ずれ微補正を行うことにより、
トラックずれ信号のオフセットを調整してトラッキング
制御を安定に引き込むことが可能となる。 (第2の実施例)次に、本発明によるトラッキング制御
装置の第2の実施例について図16〜図20を参照しな
がら説明する。本実施例におけるトラッキング制御は、
上記第1の実施例と同様におこなわれるのでここでは説
明を省略する。
【0085】まず、本実施例におけるトラックずれ信号
のオフセットの補正方法を図16〜図18を参照しなが
ら説明する。
【0086】図16は本実施例の構成を示すブロック図
である。上記第1の実施例と同じ構成要素は同じ番号で
表し、説明は省略する。図17(a)はガルバノミラー
30を駆動するための正弦波状の駆動信号の波形図であ
る。図17(b)は、オフセット補正を行わずに、また
図17(c)はオフセット補正を行ってから、図17
(a)に示す正弦波信号でガルバノミラー30を駆動し
たときに得られるトラックずれ信号の波形図である。図
18(a)は、ガルバノミラー30を駆動するためのD
C駆動信号である。図18(b)はオフセット補正を行
わずに、また図18(c)は、オフセット補正を行って
から図18(a)のDC駆動信号でガルバノミラー30
を駆動したときのトラックずれ信号である。
【0087】オフセット補正回路は、ガルバノミラー3
0の駆動を制御するサーボループ(以下、TRサーボル
ープと呼ぶ。)の位相補償回路21と、等価フィルター
22、トラックずれ信号のオフセットを打ち消すための
オフセット補正ゲインの設定を行うゲイン調整回路5
1、及び差動増幅器50とから構成される。トラッキン
グ制御時、非制御時にかかわらず、割算器18から出力
されたトラックずれ信号は差動増幅器50の正端子に入
力される。このとき、トラックずれ信号の振幅は、記録
消去時の光ビームの光量変化、またはディスク7の反射
率変化に対してほぼ一定になっている。差動増幅器50
からの出力は位相補償回路21を経て等価フィルター2
2に入力される。等価フィルター22からの出力はゲイ
ン調整回路51に入力され、トラックずれ信号に生じる
オフセットを補正するのに最適なゲイン(以下、オフセ
ット補正ゲインと呼ぶ。)に調整される。ゲイン調整回
路51によってゲインを調整された等価フィルタ22の
出力は、差動増幅器50の負端子に入力される。従っ
て、差動増幅器50の出力として、図17(c)及び図
18(c)に示すように、ガルバノミラー30の回動に
よるオフセットが打ち消されたトラックずれ信号が得ら
れる。
【0088】ゲイン調整回路51のゲインは、初期設定
時、例えば装置の製造時等に、デジタル値としてCPU
53に予め設定されている。このデジタル値をD/A変
換器54によってアナログ信号に変換してゲイン調整回
路51に入力することにより、オフセット補正ゲインが
設定される。しかし、装置製造時の組立状態の違い、装
置を構成する部品の特性のばらつき、あるいはディスク
7の偏心等によって、装置によってオフセット補正ゲイ
ンが異なるために、各装置の光学系、あるいはそのとき
使用されるディスク7の状態に応じて、予め設定された
ゲイン調整回路51のゲインを最適なゲインに調整して
やる必要がある。ゲイン調整回路51のゲイン、すなわ
ちオフセット補正ゲインの調整は以下のようにして行わ
れる。
【0089】オフセット補正ゲインの調整は、フォーカ
ス制御が完了し、割算器18の出力としてトラックずれ
信号が得られるようになった状態で、かつトラッキング
制御オフ状態で行われる。まず、駆動信号発生器24か
らの図18(a)に示すようなDC信号によって、加算
回路27、駆動回路28を介してガルバノミラー30を
駆動する。このとき、割算器18の出力として、図18
(b)に示すようなトラックずれ信号が得られ、差動増
幅器50に入力される。
【0090】ゲイン調整回路51によってオフセット補
正ゲインが正確に設定されていない、例えば、設定され
ているオフセット補正ゲインが小さすぎる、という場合
には、差動増幅器50の出力として、割算器18の出力
とほぼ等しいトラックずれ信号が得られる。逆に、設定
されているオフセット補正ゲインが大きすぎると、差動
増幅器50の出力として、割算器18の出力に対してオ
フセットの極性が反転したトラックずれ信号が得られ
る。
【0091】差動増幅器50の出力信号はA/D変換器
52によってデジタル信号に変換され、CPU53に取
り込まれる。CPU53はこの信号に基づき、トラック
ずれ信号の最大値と最小値を検出し、最大値と最小値か
らトラックずれ信号の振幅の中心レベルを求め、この中
心レベルの制御基準(Vref)からのずれ量(δV)
を算出する。算出されたδVに基づいて、δVを実質的
にゼロにするようにCPU53に設定されていたデジタ
ル値が変更される。D/A変換器54は、変更されたデ
ジタル値をアナログ信号に変換する。変換されたアナロ
グ信号は、上述したようにゲイン調整回路51に入力さ
れる。
【0092】ゲイン調整回路51は、例えば、割算器等
から構成されている。ゲイン調整回路51において、等
価フィルター22からの入力信号をD/A変換器54か
らの信号で割ることによって、CPU53の設定値に基
づきゲイン調整されたオフセット補正信号が得られる。
このオフセット補正信号は差動増幅器50の負入力端子
に入力される。差動増幅器50において、割算器18の
出力のトラックずれ信号からオフセット補正信号が差し
引かれることによりオフセット補正されたトラックずれ
信号が得られる。
【0093】このようにして、δVが実質的にゼロにな
るまでデジタル値を変更し、δVが実質的にゼロになっ
たときの値を、CPU53内にオフセット補正デジタル
値として設定する。以上でオフセット補正ゲインの調整
を終了する。
【0094】次に、トラッキングサーボ系の帯域とトラ
ッキング精度、オフトラック許容値について説明する。
図19は、本実施例におけるガルバノミラー30を駆動
制御するサーボループ、すなわちTRサーボループのボ
ード線図である。また、図20は、本実施例におけるリ
ニアモータ31を制御駆動するサーボループ(以下、T
RSサーボループと呼ぶ。)のボード線図である。TR
サーボループのゲイン交点は4kHz、TRSサーボル
ープのゲイン交点は450Hzである。450Hz以下
の周波数では、主にリニアモータ31を駆動することに
よりトラッキング制御を行う。
【0095】本実施例では、光ディスク7としてトラッ
クピッチが1.6μmのものを用いている。従って、ト
ラッキングサーボ系のサーボ許容残差を±0.08μm
とすると、制御精度という観点から光スポットのオフト
ラックは±0.02μm以下であることが望ましい。本
実施例において用いられているガルバノミラー30のf
oは200Hzであるため、トラッキング制御が行われ
ているときには、ガルバノミラー30の回動により、光
スポットは、光ディスク7上で最大±10μm程度動く
ことになる。トラッキング制御が行われているときにデ
ィスク7上の光スポットが±10μm動くと、図14か
らわかるように、トラックずれ信号は、基準トラックず
れ信号から、ディスク7上の光スポットに換算して±
0.178μmずれることになる。つまり、±0.17
8μmの光スポットのオフトラックが生じることにな
る。しかし、上述したようにオフセット補正を行うこと
により、光スポットのオフトラックを±0.02μm以
下にすることができる。
【0096】トラッキングサーボ引き込み時には、ディ
スク7上の光スポットは±10μm以上動く。しかし、
上述したようにオフセット補正を行うことにより、ガル
バノミラー30の回動によるトラックずれ信号のオフセ
ットを打ち消して、光スポットのオフトラックが±0.
02μm以下になるように、確実にトラッキングサーボ
系を引き込むことが出来る。
【0097】また、トラッキング制御が行われていない
ときにガルバノミラー30が回動しても、トラックずれ
信号の対称性が悪くなったり、トラックずれ信号が現れ
なくなることがなくなる。このため、検索動作の際にト
ラックずれ信号のカウントを誤ることがなくなり、目標
とするトラックに対して、正確にトラックずれ信号をカ
ウントすることができる。さらに、経時変化や環境温度
の変化等によるガルバノミラー30の姿勢が変化して
も、上述するようなオフセット補正を行うことにより、
常に、光学系の光軸と光ビームの中心とが一致した状態
を中心としてガルバノミラー30を回動させることがで
きる。従って、高精度のトラッキング制御が可能とな
る。
【0098】本実施例では、リニアモータ制御系の一部
である等価フィルタ22からの出力をゲイン調整回路5
1に入力している。また、等価フィルタ22とは別に、
ガルバノミラー30の回動に関する入出力特性とほぼ同
じ入出力特性を有する等価回路を設けて、この等価回路
に差動増幅器50の出力を入力し、その等価回路の出力
をゲイン調整回路51に入力しても、同様なオフセット
補正を行うことができる。さらに、差動増幅器50から
の出力ではなく、割算器18からの出力であるトラック
ずれ信号を等価回路の入力信号としても用いてもよい。
この場合には、ゲイン調整回路51のゲインをオフセッ
トが実質的になくなるような適当な値に設定しておけば
よい。
【0099】本実施例では、トラッキング微アクチュエ
ータとしてガルバノミラー30を用いたが、回動するこ
とにより光ビームの方向を変更するものであれば、例え
ばプリズム等を用いた方式のものでも適用することがで
きる。
【0100】また、本実施例では、粗アクチュエータと
してリニアモータを用いたが、粗アクチュエータとして
例えばスイングアームを用いても同様の効果が得られ
る。
【0101】また、本実施例では、補正手段、ゲイン調
整回路等を専用のハードウェアにより構成したが、同様
の機能をソフトウェア的に実現してもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
ヘッドの光学系の光軸と光ビームの中心とのずれ、すな
わち光軸ずれを補正することにより、常に光ヘッドの光
学系の光軸を中心としてトラッキング制御を行うことが
できる。従って、正確で高精度なトラッキング制御を実
現することができる。
【0103】また、トラックずれ信号が現れない場合で
あっても、光軸ずれを補正することによりトラックずれ
信号を現れるようにすることができるため、装置の起動
不能を防ぐことができる。
【0104】また、トラッキング微アクチュエータの回
動により生じるトラックずれ信号のオフセットを実質的
になくすことができるために、トラッキング制御を安定
に引き込むことが可能となる。
【0105】よって、安定した制御性能、検索性能を確
保し、装置の信頼性を著しく向上することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトラッキング制御装置の第1の実
施例の構成を示すブロック図である。
【図2】同図(a)は、ディスク上のトラックと光スポ
ットの形状との関係を示す図、同図(b)は、トラック
ずれ信号検出光学系の概略図である。
【図3】ディスク上での光スポットの位置とトラックず
れ信号の波形との関係を示す図である。
【図4】同図(a)は、光軸ずれがない場合にトラック
上に光スポットが位置しているときの光検出器上の光ス
ポットの形状を示す図、同図(b)は、ディスク外周側
に光軸ずれが発生した場合にトラック上に光スポットが
位置しているときの光検出器上の光スポットの形状を示
す図、同図(c)は、ディスク内周側に光軸ずれが発生
した場合にトラック上に光スポットが位置しているとき
の光検出器上の光スポットの形状を示す図である。
【図5】光軸ずれがない場合の光スポットの形状を示す
図である。
【図6】光軸ずれにより収差やレンズ枠でのケラレによ
る光スポットの形状の変化を示す図である。
【図7】ガルバノミラーの姿勢変化による光軸ずれ状態
を示す図である。
【図8】ミラーを省略した、ガルバノミラーの回転と光
軸ずれを説明する図である。
【図9】ガルバノミラーから対物レンズまでの光路長を
説明する図である。
【図10】ディスク上での光スポットの移動量とトラッ
クずれ信号のオフセットを説明する図である。
【図11】同図(a)は、第1の実施例において、ガル
バノミラーを駆動信号発生器からの駆動信号で動かした
時のトラックずれ信号の波形を示す図、同図(b)は、
同実施例においてガルバノミラーを駆動信号発生器から
の駆動信号で動かした時のトラックずれ信号のAC成分
及び2値化信号の波形を示す図である。
【図12】同実施例においてガルバノミラーを駆動信号
発生器からの駆動信号で動かした時のトラックずれ信号
のオフセット及びエンベロプ特性を示す図である。
【図13】同図(a)は、同実施例において光軸ずれが
ない状態でリニアモータを駆動信号発生器からの駆動信
号で動かした時のトラックずれ信号の波形を示す図であ
り、同図(b)は、同実施例において光軸ずれのある状
態でリニアモータを駆動信号発生器からの駆動信号で動
かした時のトラックずれ信号の波形を示す図である。
【図14】光スポットの移動距離に対するトラックずれ
信号のオフセットの特性図である。
【図15】第1の実施例における駆動信号発生器からの
ガルバノミラー及びリニアモータを駆動するための駆動
信号の波形を示す図である。
【図16】本発明によるトラッキング装置の第2の実施
例の構成を示す図である。
【図17】同図(a)は、同実施例のガルバノミラーを
駆動するための正弦波信号の波形を示す図、同図(b)
は、オフセット補正を行わずに、ガルバノミラーを正弦
波信号によって駆動したときのトラックずれ信号の波形
を示す図、同図(c)は、オフセット補正を行って、ガ
ルバノミラーを正弦波信号によって駆動したときのトラ
ックずれ信号の波形を示す図である。
【図18】同図(a)は、同実施例のガルバノミラーを
駆動するためのDC駆動信号を示す図、同図(b)は、
オフセット補正を行わずにガルバノミラーをDC信号で
駆動した時のトラックずれ信号の波形を示す図、同図
(c)は、オフセット補正を行い、ガルバノミラーをD
C信号で駆動した時のトラックずれ信号の波形を示す図
である。
【図19】同実施例のTRサーボループのボード線図で
ある。
【図20】同実施例のTRSサーボループのボード線図
である。
【図21】従来のトラッキング制御装置の構成を示すブ
ロック図である。
【図22】従来のトラッキング制御装置におけるガルバ
ノミラーの姿勢変化による光軸ずれ状態を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 4 ミラー 5 対物レンズ 7 ディスク 12 光検出器 18 割算器 19 トラックずれ信号2値化回路 20 A/D変換器 21、23 位相補償回路 22 フィルタ回路 24 駆動信号発生器 25、26 信号選択回路 28、29 駆動回路 30 ガルバノミラー 31 リニアモータ 33 メモリ 34 D/A変換器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体上に光ビームを収束させる収束
    手段と、 駆動信号を受け取り、その駆動信号に応じて、前記光ビ
    ームの収束点を、前記記録媒体上において、前記記録媒
    体上に設けられたトラックを横切る方向に移動させる移
    動手段と、 前記トラックのうちの1つに対する前記光ビームの収束
    点の位置に応じてトラックずれ信号を発生させるトラッ
    クずれ検出手段と、 前記トラックずれ信号に応じて、前記光ビームの収束点
    が前記トラックのうちの1つの上に位置するように、前
    記移動手段を駆動する第1の駆動信号を発生させ、前記
    第1の駆動信号を前記駆動信号として前記移動手段に供
    給するトラッキング制御手段と、 前記トラッキング制御手段の動作、非動作を切り替える
    手段と、 前記トラッキング制御手段が非動作のときに、前記光ビ
    ームの収束点が前記トラックのうちの所定数個のトラッ
    クを横切るように前記移動手段を駆動する第2の駆動信
    号を発生する駆動手段と、 前記トラッキング制御手段が非動作のときに、前記第2
    の駆動信号によって前記移動手段が駆動されることによ
    り得られる前記トラックずれ信号から、光軸ずれ量を求
    める光軸ずれ計測手段と、 求められた前記光軸ずれ量に基づいて、前記光軸ずれ量
    を実質的にゼロにするような値の信号を前記移動手段に
    定常的に供給する光軸ずれ補正手段と、 を備えていることを特徴とするトラッキング制御装置。
  2. 【請求項2】 移動手段は、前記光ビームを反射するた
    めの微アクチュエータであって、前記光ビームが反射す
    る方向を変更することにより前記収束点を移動させる微
    アクチュエータと、前記収束手段を支持するための粗ア
    クチュエータであって、前記収束手段を移動させること
    により前記収束点を移動させる粗アクチュエータとを備
    えており、前記光軸ずれ補正手段は、前記微アクチュエ
    ータに前記信号を供給することを特徴とする請求項1に
    記載のトラッキング制御装置。
  3. 【請求項3】 光軸ずれ計測手段は、前記トラックずれ
    信号のオフセットに基づいて光軸ずれ量を演算するもの
    であることを特徴とする請求項1に記載のトラッキング
    制御装置。
  4. 【請求項4】 光軸ずれ計測手段は、前記トラックずれ
    信号のエンベロプに基づいて光軸ずれ量を演算するもの
    であることを特徴とする請求項1に記載のトラッキング
    制御装置。
  5. 【請求項5】 駆動手段は前記微アクチュエータに接続
    されており、前記第2の駆動信号によって前記微アクチ
    ュエータが駆動されることを特徴とする請求項2に記載
    のトラッキング制御装置。
  6. 【請求項6】 駆動手段は前記粗アクチュエータに接続
    されており、前記第2の駆動信号によって前記粗アクチ
    ュエータが駆動されることを特徴とする請求項2に記載
    のトラッキング制御装置。
  7. 【請求項7】 光ビームを反射するための回転可能な反
    射鏡と、 前記反射鏡から前記光ビームを受け取り、前記光ビーム
    を記録媒体上に収束させる収束手段と、 第1の駆動信号を受け取り、前記第1の駆動信号の第1
    の関数として前記反射鏡を回転させるための回転信号を
    発生させ、前記回転信号を前記反射鏡に供給する第1の
    駆動手段と、 前記収束手段を支持する第2の駆動手段であって、第2
    の駆動信号を受け取り、前記第2の駆動信号に応じて前
    記収束手段を移動させる第2の駆動手段と、 前記記録媒体上のトラックに対する前記光ビームの収束
    点の位置に応じてトラックずれ信号を発生するトラック
    ずれ検出手段と、 前記トラックずれ信号に応じて、前記光ビームの収束点
    が前記トラック上に位置するように前記第1及び第2の
    駆動手段を駆動するための前記第1及び前記第2の駆動
    信号をそれぞれ発生させるトラッキング制御手段と、 前記トラックずれ信号の第2の関数として出力信号を発
    生させるフィルタ手段であって、前記第2の関数は前記
    第1の関数と実質的に等しいフィルタ手段と、 前記フィルタ手段の前記出力信号に基づいて、前記トラ
    ックずれ信号のオフセットを実質的にゼロにするように
    前記トラックずれ信号を補正するオフセット補正手段
    と、 を備えていることを特徴とするトラッキング制御装置。
  8. 【請求項8】 オフセット補正手段は、前記トラックず
    れ信号の前記オフセットを実質的にゼロにするように補
    正量を設定し、設定された前記補正量に応じて補正信号
    を発生させる手段と、前記補正信号を受け取り、前記補
    正信号を用いて前記トラックずれ信号を補正する手段と
    を備えていることを特徴とする請求項7に記載のトラッ
    キング制御装置。
  9. 【請求項9】 オフセット補正手段によって補正された
    前記トラックずれ信号を受け取り、前記トラックずれ信
    号の振幅の中心レベルを検出し、検出された前記中心レ
    ベルと予め設定された基準レベルとの差を求める手段
    と、前記差に応じて、前記中心レベルが前記基準レベル
    と一致するように前記補正量を変更する手段とをさらに
    備えていることを特徴とする請求項7に記載のトラッキ
    ング制御装置。
  10. 【請求項10】 トラッキング制御手段は、前記フィル
    タ手段からの前記出力信号を受け取り、前記出力信号に
    基づいて前記第2の駆動信号を発生させるものであるこ
    とを特徴とする請求項7に記載のトラッキング制御装
    置。
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JP28266592 1992-10-21
JP4-282665 1992-10-21
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JP5-48835 1993-03-10
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2754626A1 (fr) * 1996-09-30 1998-04-17 Daewoo Electronics Co Ltd Dispositif et procede pour controler l'equilibre de suivi de piste d'un lecteur de disque optique
US6278551B1 (en) 1998-10-29 2001-08-21 Olympus Optical Co., Ltd. Optical pickup capable of optically sensing a direction of a beam deflected by a deflecting device based on a partial component of the beam incident on the deflecting device

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