JPH06317814A - 液晶表示装置 - Google Patents
液晶表示装置Info
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- JPH06317814A JPH06317814A JP4272294A JP4272294A JPH06317814A JP H06317814 A JPH06317814 A JP H06317814A JP 4272294 A JP4272294 A JP 4272294A JP 4272294 A JP4272294 A JP 4272294A JP H06317814 A JPH06317814 A JP H06317814A
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Abstract
ス配線に関して高い絶縁耐圧を有する液晶表示装置を提
供することを目的とする。 【構成】絶縁性基板上にMo−W合金の単層で形成され
た複数のアドレス配線と、このアドレス配線に絶縁膜を
介して交差部を形成する複数のデータ配線と、この交差
部毎に配置された複数の画素電極を有する表示領域と、
この交差部に隣接して配置され、このアドレス配線に電
気的に接続された制御電極、このデータ配線に電気的に
接続された第1の主電極、並びに画素電極に電気的に接
続された第2の主電極を有する複数のスイッチング素子
とを有することを特徴としている。
Description
特に、アクティブマトリクス型液晶表示装置に関する。
と略す)膜を用いて形成された薄膜トランジスタ(以
下、TFTと略す)をスイッチング素子として構成され
たアクティブマトリクス型液晶表示素子が注目されてい
る。安価なガラス基板上に低温成膜ができるa−Si膜
を用いてTFTアレイを構成することにより、大面積,
高精細,高画質かつ安価なパネルディスプレイすなわち
フラット型テレビジョンが実現できる可能性があるから
である。
表示素子により大面積のディスプレイを構成する場合、
必然的にアドレス配線の総延長が飛躍的に増加するの
で、アドレス配線の有する抵抗分が増加して、スイッチ
ング素子に与えられるゲートパルスのアドレス配線の抵
抗やアドレス配線の容量分に起因する遅延が顕著にな
り、液晶の正常な制御ができなくなるという問題点があ
る。
たままで、このゲートパルスの遅延を回避するための1
つの解決手段としては、より低い抵抗率を有する配線材
料を用いて形成されたアドレス配線を備える液晶表示装
置の開発が考えられる。現在、このアドレス配線材料と
してよく用いられているMo−Ta合金の抵抗率は40
μΩ・cm程度であるが、10インチ以上の大面積ディス
プレイの実現はこの材料の有する抵抗率では難しいとさ
れており、特に、アドレス配線が1,000本程度の高
精細の直視型ディスプレイでは、20μΩ・cm程度以下
の抵抗率を有する配線材料が必要とされている。なお、
そのような新しい配線材料に要求される特性は低抵抗率
のみではなく、これに加えて、アドレス配線上に形成す
る層間絶縁膜のステップカバレッジを良好にして、層間
絶縁膜上に形成される配線とこのアドレス配線との絶縁
性を高めることの必要性から、テーパー加工が施せる性
質を有することも要求される。
成されたアドレス配線により、ゲートパルスの遅延がな
く、絶縁性を確保した、信頼性のある液晶表示装置の実
現が望まれている。なお、大面積のディスプレイでなく
ても、アドレス配線の抵抗率が低くなると、配線幅を細
くして開口率を上げることができるという利点もあるの
で、この観点からも上記特性を有する新しい配線材料が
望まれる。
問題点もある。ここで、図20に、従来の液晶表示装置
に用いられるTFTの断面図の一例を示す。図20中1
はガラス基板を示す。ガラス基板1上には、Mo−Ta
合金をスパッタリングして同時にパターニングされたゲ
ート電極2、アドレス配線、およびCs線9が形成され
ている。この上には、ゲート絶縁膜3を介してa−Si
からなる活性層4が形成されており、活性層4の両端部
分上には、n+ a−Si層5a,5bが形成されてい
る。さらに、ゲート絶縁膜3上には、ITO画素電極8
が形成されている。また、Alからなるソース電極6a
がn+ a−Si5aと接合部分を有するように形成され
ており、Alからなるドレイン電極6bがn+ a−Si
5bおよび画素電極8と接合部分を有するように形成さ
れている。また、同時にデータ配線が形成されている。
れるTFTにおいては、画素電極とデータ配線が絶縁膜
を介することなく同一層で存在するため短絡が起り、表
示において点欠陥が発生することがある。この点欠陥の
発生を回避するために、ソース電極、ドレイン電極およ
びデータ配線をAlにより形成した後に層間絶縁膜を形
成し、その上に画素電極を形成する構造が改善案として
提案されている。しかし、この構造を実現するために
は、第1にデータ配線等が層間絶縁膜のエッチャントで
あるHFや画素電極のITOエッチャントに対する耐性
に優れていなくてはならないこと、第2に層間絶縁膜の
ステップカバレッジを良好にして、データ配線と画素電
極との絶縁性を高めるために、データ配線にテーパー加
工を施すことが可能であること、が要求される。しか
し、これを実現するためのデータ配線用の配線材料は知
られておらず、そのような構造を実現して液晶表示装置
の信頼性を高めることは難しかった。特に、大面積のデ
ィスプレイの開発には、点欠陥の発生率を低減すること
が重要であり、そのような信頼性の高い液晶表示装置の
開発が望まれている。
配線材料として用いると、表面に酸化膜が形成されて上
層の金属配線とのコンタクト抵抗が高くなるため、表面
酸化膜を除去する工程が必要である。この酸化膜除去工
程は、図20の従来例の配線引出しコンタクト部におけ
るゲート配線10aとデータ配線10bとのコンタクト
についても同様に必要である。さらに、ITOとAlの
反応を防ぐためにMo等のバリヤメタルを形成すること
が必要であり、工程が増すという欠点がある。また、A
l系合金をデータ配線材料として用いると、表面の反射
率が非常に高いため、フォトリソグラフィー工程におけ
る配線幅の減少、ゴミ等による断線が露光光の反射によ
り発生し易く、線欠陥となるという欠点がある。反射率
が高いことに起因する欠点は他にもあり、例えば、対向
基板での反射光等の迷光が配線で再反射されTFTに照
射されることによる光リーク電流の発生という問題もあ
る。これにより、パネル表示を行った際にコントラスト
を低減させることになる。
液晶表示装置の表示領域を大面積化する場合にあって
は、アドレス配線の有する抵抗分が増大し、これに起因
するゲートパルスの遅延が顕著になり、液晶の正常な制
御ができなくなるという問題点がある。
考慮してなされたもので、その目的とするところは、ゲ
ートパルスの遅延がなく、アドレス配線に関して高い絶
縁耐圧を有する液晶表示装置を提供することにある。
Mo−W合金の単層で形成された複数のアドレス配線
と、前記アドレス配線に絶縁膜を介して交差部を形成す
る複数のデータ配線と、前記交差部毎に配置された複数
の画素電極を有する表示領域と、前記交差部に隣接して
配置され、前記アドレス配線に電気的に接続された制御
電極、前記データ配線に電気的に接続された第1の主電
極、並びに前記画素電極に電気的に接続された第2の主
電極を有する複数のスイッチング素子とを具備すること
を特徴とする液晶表示装置を提供する。ここで、絶縁性
基板としては、ガラス基板、ガラス基板上にSiO2 等
の絶縁材料がコーティングされているもの等を挙げるこ
とができる。
率を有する配線材料をアドレス配線に用いるので、アド
レス配線はゲートパルスに対して低い抵抗分として作用
する。このため、このアドレス配線を伝わるゲートパル
スはアドレス配線の配線抵抗に起因する遅延作用を受け
にくい。したがって、液晶を駆動するための所定のスイ
ッチング素子には遅延のないゲートパルスが与えられ
る。その際、Mo−W合金はテーパー加工が可能である
ため、この材料を用いて形成したアドレス配線上に成膜
する層間絶縁膜のステップカバレッジが良好になり、層
間絶縁膜上に形成される配線とこのアドレス配線との間
には高い絶縁耐圧が与えられる。したがって、表示領域
を大面積化した場合にあっても、信頼性のある液晶表示
装置を実現することが可能となる。
アドレス配線の抵抗率が低くなると、配線幅を細くでき
るために、開口率を上げることができるという利点があ
る。さらに、表面に形成された酸化膜の抵抗が小さいた
め、表面層を除去するための処理が必要でない。さら
に、ITOとの間のコンタクト抵抗も小さいため、バリ
アメタルが不要となり、製造コストを低減することがで
きる。
説明する。なお、同一部分には同一符号を付して、簡略
化のために詳細な説明は省略する。 (実施例1) (具体例1)図1は、本発明の第1の実施例に係る液晶
表示装置の一例に用いられるTFT(スイッチング素
子)および蓄積容量部分の断面図である。このTFTお
よび蓄積容量部分の構成およびプロセスについて説明す
る。ガラス基板11上には、Mo−W合金またはMo−
Cr合金を厚さ300nmでスパッタリングしてパターニ
ングすることによりゲート電極(制御電極)12、アド
レス配線、およびCs線19を同時に形成する。次い
で、プラズマCVDにより酸化膜13を厚さ350nm
で、a−Si活性層を厚さ300nmで、n+ a−Si層
15a,15bを厚さ50nmで順次形成してパターニン
グして、島状のa−Si活性層14を形成する。次に、
ITOを厚さ120nmでスパッタリングして画素電極1
8を形成する。次に、コンタクト部20のSiOx膜を
希HFでエッチングしてコンタクトホールを形成する。
次いで、Al等の所定の配線金属をスパッタリングし、
ウェットエッチングすることにより、ソース電極(第1
の主電極)16a,ドレイン電極(第2の主電極)16
b、データ配線、およびコンタクト部電極21を同時に
形成する。このとき、Al等のスパッタリング前にコン
タクト部分の表面酸化膜を除去する処理を施す。
と、図2に示すように、Mo−W合金のW含有率が好ま
しくは10〜95原子%の範囲、より好ましくは20〜
90原子%の範囲において、Mo−W合金の抵抗率が4
0μΩ・cm(VGAレベル)を大きく下回り、Moまた
はW単体よりも抵抗が下がることが分った。また、Mo
−W合金のW含有率が30〜70原子%の範囲では、M
o−W合金の抵抗率が20μΩ・cmを下回ることが分っ
た。対角10インチ以上のXGA(縦768本、横10
24本)ディスプレイでは、抵抗率が20μΩ・cm以下
である必要がある。
レス配線は、CF4 とO2 との混合ガスを用いてCDE
により良好なテーパー加工を施すことがができること、
さらに、MoおよびWよりも高くTiよりも低い酸化還
元電位の酸化剤を含んだアルカリエッチャント(pH7
〜13)を用いたウェットエッチングにより、レジスト
に劣化を与えることなく、テーパ−加工を施すことがで
きることが分った。
金は低抵抗率を有するので、この材料を用いて形成した
アドレス配線は低い抵抗を示し、それゆえ、この配線抵
抗によるゲートパルスの遅延は生ずることはなく、所定
のスイッチング素子に遅延のないゲートパルスが与えら
れる。また、Mo−W合金はテーパー加工できるため、
この材料を用いて形成したアドレス配線上に成膜する層
間絶縁膜のステップカバレッジが良くなり、絶縁耐圧を
高く確保することができる。これにより、表示領域を大
面積化した場合にあっても、信頼性のある液晶表示装置
を実現することが可能となる。なお、大面積のディスプ
レイでなくても、アドレス配線の抵抗率が低くなると配
線幅を細くできるため、開口率を上げることができる利
点もある。
に示すように、Mo−W合金の耐薬品性は、W含有率が
20原子%以上、好ましくは25原子%以上で非常に優
れており、画素電極材料のITOエッチャントに対する
エッチングレートは10nm/分以下であり、層間絶縁膜
のエッチャントであるBHFでは全くエッチングされ
ず、また、Alエッチャントに対するエッチングレート
は30〜40nm/分以下であり、特に、Wが50原子%
以上の場合は全くされないことが分った。したがって、
たとえ層間絶縁膜にピンホールが発生したような場合に
あっても、ゲート電極やデータ線等の層間絶縁膜下の配
線は、上記エッチャントにより腐食されることはない。
このため、層間絶縁膜より上の構造設計/プロセス設計
の自由度が大きくとれるという利点がある。また、図4
に示すように、W組成比によって応力が大きく変わるた
め、W組成比を調整して応力を小さくすることも可能で
ある。
合金に酸素および/または窒素が0.5原子%以上含ま
れると応力が緩和され、10原子%より多く含まれると
抵抗値が上昇してしまうことが分った。さらに、スパッ
タリング条件を変えて応力を測定すると、図5に示すよ
うに、MoとWの組成比、スパッタリング条件(放電圧
力、放電パワー)により大きく変化する。これは、膜中
に含まれるAr含有率に起因することが分析により分っ
た。すなわち、ArがMo−W合金に0.1原子%以上
含まれると応力が緩和されるが、2原子%より多く含ま
れると結晶成長が妨げられ、これにより膜抵抗が上昇し
てしまう。ただし、10原子%以下であれば実用上問題
はない。Ar以外の不活性ガス(He、Ne、Kr、X
e)についても同様である。
絶縁膜を介してデバイスを形成する際、膜の密着性が重
要となる。Mo−W合金にCrおよび/またはTiが
0.5原子%以上含まれる合金からなる膜は、下地との
密着性が向上すると共にCF4+O2 の混合ガスでエッ
チングが可能である。ただし、Crおよび/またはTi
が10原子%より多く含まれるMo−W合金は加工性が
悪くなり、抵抗値が上昇してしまう。また、下地との密
着性を向上させるには、Mo−W合金の窒化物からなる
膜とMo−W合金からなる膜とを積層することも効果が
ある。ただし、窒素が50原子%より多く含まれると急
激に抵抗値が上昇するため、50原子%以下にする必要
がある。Ta−N合金膜もMo−W合金膜の密着性を向
上させる。
以下のものについては、空気中で長時間アニールすると
抵抗率が1桁以上上昇してしまうことが分った。これ
は、表面の極端な酸化によるものであるが、Mo−W合
金をスパッタリングで成膜した後、窒素が50原子%以
下のMo−W合金窒化物をスパッタリングし、CF4 +
O2 の混合ガスで加工することにより、良好なテーパー
を形成することができ、酸化されにくく、かつ、低抵抗
な配線がMo−W合金と同一のプロセスで形成すること
ができる。また、Mo−W合金の下地として、窒素を5
0原子%以下で添加したMo−W合金を用いることによ
り、基板との密着性が向上する。また、TaN合金を下
地として用いても同様の効果が得られる。Ta−N、T
a−Nb−N、Ta−W−N、Ta−Mo−N合金膜に
より表面カバレッジもMo−W−N合金膜と同様に酸化
防止に効果がある。
W合金の場合にも、以上のMo−W合金に関して述べた
ことと同じことが言えることが分った。さらに、この材
料を用いてアドレス配線等を形成した場合も、上記と同
様の効果が得られる。
り、各層の厚みや成膜方法等は適宜変更して実施するこ
とが可能である。その場合にあっても、本実施例と同様
の効果が得られる。また、TFTには他の構造のもの、
例えば、チャネル上に絶縁膜のストッパを設ける構造の
TFTや、蓄積容量部分がゲート電極と同一層の配線、
およびデータ配線と同一層の配線により形成さる構造の
TFTを採用してもよい。
例に係る液晶表示装置の他の例に用いられるTFTおよ
び蓄積容量部分の断面図である。このTFTおよび蓄積
容量部分の構成およびプロセスについて説明する。ガラ
ス基板11上にITOを厚さ120nmでスパッタリング
し、パターニングすることにより、Cs線29aを形成
する。その後、Mo−Wを厚さ300nmでスパッタリン
グし、パターニングすることにより、ゲート電極22、
アドレス配線、およびCs線29bを同時に形成する。
その後、プラズマCVDによりシリコン酸化膜またはシ
リコン窒化膜23を厚さ350nmで、a−Si活性層を
厚さ300nmで、n+ a−Si層25a,25bを厚さ
50nmで順次形成してパターニングして、島状のa−S
i活性層24を形成する。次いで、ITOを厚さ120
nmでスパッタリングして画素電極28を形成する。
液でエッチングしてコンタクトホールを形成する。次い
で、Al等の所定の配線金属をスパッタリングし、ウェ
ットエッチングすることにより、ソース電極26a、ド
レイン電極26bおよびデータ配線を同時に形成する。
この構造では、蓄積容量部が透明である29a−28間
で形成されるため、従来開口部として利用できなかった
Cs線部分も開口部として利用でき、開口率が向上す
る。ITOは抵抗率が金属と比べて高いが、29bを積
層することによりCs線として充分な抵抗率まで下げる
ことができる。このとき、ITOとMo−W合金は、バ
リアメタルなしでコンタクトをとることができる。
例に係る液晶表示装置の他の例に用いられるTFTおよ
び蓄積容量部分の断面図である。このTFTおよび蓄積
容量部分の構成およびプロセスについて説明する。ガラ
ス基板11上にMo−Ta、Mo−W、Mo−Cr等の
所定の配線金属を厚さ300nmでスパッタリングし、パ
ターニングすることにより、ゲート電極32、アドレス
配線、およびCs線39を同時に形成する。その後、プ
ラズマCVDにより酸化膜または窒化膜33を厚さ35
0nmで、a−Si活性層を厚さ300nmで、n+ a−S
i層35a,35bを厚さ50nmで順次形成してパター
ニングして、島状のa−Si活性層34を形成する。次
に、コンタクト部のSiOxをHF系溶液でエッチング
してコンタクトホールを形成する。次いで、表面酸化膜
を除去した後、Mo−Ti合金、W−Ti合金またはM
o−W合金をスパッタリングして、ウェットエッチング
することにより、ソース電極36a、ドレイン電極36
b、およびデータ線を形成する。
し、HF系溶液によるエッチング(例えば、エッチレー
ト約100nm/分)またはCF4 等のガスを用いたドラ
イエッチング(例えば、エッチレート約30〜100nm
/分)によりドレイン電極36b上にコンタクトホール
を形成し、さらに、ITOを厚さ120nmでスパッタリ
ングして、画素電極38を形成する。
に示すように、画素電極38の形成に用いるITOエッ
チャントやコンタクトホール形成に用いるBHFに対す
るMo−Ti合金の耐薬品性は、Ti含有量20〜80
%で非常に優れていることが分った。また、Tiよりも
酸化還元電位の高い酸化剤を含んだ弱アルカリエッチャ
ント(pH7〜9)を用いることにより、レジストの溶
解なしにエッチングすることが可能であることが分っ
た。
からなる膜を形成し、エッチングを施してテーパー加工
を行うことができたもの、およびテーパー加工を行うこ
とができなかったものについて、オージェ分析法により
酸素含有率を調べた。その結果を図9(A)および図9
(B)に示す。ここで、各図におけるMo、Tiおよび
O(酸素)の含有率を表す縦軸のスケールはそれぞれ異
なるが、両図におけるMo、TiおよびO(酸素)の含
有率を表す縦軸のスケールはそれぞれ同一である。図9
(A)はテーパー加工が施せた場合のMo−Ti合金の
酸素含有率が約3%であったことを示し、図9(B)は
テーパー加工が施せなかった場合のMo−Ti合金の酸
素含有率が約1原子%であったことを示す。このような
調査の結果から、好ましくは約2原子%以上の酸素含有
率でテーパー加工が施せることが分った。また、酸素含
有率が約8原子%を超えると抵抗率が増大して、配線材
料としては使用することはできない。このため、テーパ
ー加工性および抵抗率の制約から、Mo−Ti合金を配
線材料として用いる場合、その酸素含有率は8原子%以
下、好ましくは、2原子%〜5原子%の範囲が有効であ
ることが分った。
i含有率が20〜80原子%であり、かつO(酸素)含
有率が8原子%以下、好ましくは、2原子%〜5原子%
であるという条件を満たすものをスパッタリングし、ウ
ェットエッチングすることによりパターニングし、ソー
ス電極36a、ドレイン電極36b、およびデータ線を
形成することが好ましい。この場合、データ線は、テー
パー加工を施すことができるので、この材料を用いて形
成したデータ配線上に成膜する層間絶縁膜のステップカ
バレッジが良くなり、絶縁耐圧を高く確保することがで
きる。また、画素電極38の形成に用いるITOエッチ
ャントやコンタクトホール形成に用いるBHFに対する
耐薬品性が良好であるため、ドレイン電極36bが耐薬
品性に優れ、ドレイン電極36b上にHFを用いてコン
タクトホールを形成することができ、さらには、画素電
極を塩酸と硝酸の混合液で加工することも可能となる。
このため、図20に示す従来の構造と異なり、図7に示
すようにデータ線上に層間絶縁膜37を介して画素電極
38が形成されている構造を採用することができ、これ
により点欠陥の発生を低減することができる。
合金の場合にも、上述したことが言えることが分った。
したがって、この材料を用いてデータ線等を形成した場
合も、同様の効果が得られる。
ようにMo−W合金の耐薬品性はW含有率が20原子%
以上、好ましくは25原子%以上で非常に優れており、
さらに、これを用いて形成したデータ配線は、Moおよ
びWよりも高く、Tiよりも低い酸化還元電位の酸化剤
を含んだアルカリエッチャント(pH7〜13)を用い
ることにより、レジストが劣化することなく、テーパー
加工を施すことができる。したがって、Mo−Ti合金
やW−Ti合金を用いた場合と同様に、このように形成
した画素アレイでは、データ線がテーパー加工されるた
め、その上に形成した層間絶縁膜のステップカバレッジ
がよくなり、絶縁耐圧を高く確保することができる。ま
た、ドレイン電極36bが耐薬品性に優れているため、
ドレイン電極36b上にHFを用いてコンタクトホール
を形成することができ、さらには、画素電極を塩酸と硝
酸の混合液で加工することができる。なお、前述のよう
に、W組成比によって応力が大きく変わるため、W組成
比を調節することにより、応力を小さくすることもで
き、低抵抗にすることもできる。
成すると、Alと異なりヒロックが発生しないというこ
とも分った。また、ITOとの反応が生じないため、バ
リアメタルが必要ないことも分った。そのうえ、Alに
比べて反射率が40〜60%程度と低いので、フォトリ
ソグラフィー工程でパターンの細りおよび下地ゴミ等の
原因による断線発生率が低下し、線欠陥が減少するため
歩留りが向上する。フォトリソグラフィー工程での歩留
り低下を防止するためには、Al上にMo等からなる低
反射率膜を積層してフォトリソグラフィーを行う手段も
あるが、Mo−W合金を用いることにより、積層の必要
もなく歩留りを向上することができる。また、TFTの
光リーク電流の一因である対向基板における反射光の迷
光の配線での再反射光量が減少するため、Al配線のパ
ネルに比べて表示した際のコントラストが向上する。
り、各層の厚みや成膜方法等は適宜変更して実施するこ
とができる。その場合にあっても、具体例3と同様の効
果が得られる。また、TFTには他の構造のもの、例え
ば、チャネル上に絶縁膜のストッパを設ける構造のTF
Tや、蓄積容量部分はゲート電極と同一層の配線、およ
びデータ配線と同一層の配線とにより形成さる構造のT
FTを採用してもよい。 (具体例4)図10に、本発明の第1の実施例に係る液
晶表示装置の他の例の断面図を示す。この液晶表示装置
は、上記具体例1のようにMo−W合金またはMo−C
r合金を用いて形成したアドレス配線等を有し、かつ、
具体例3のようにMo−Ti合金、W−Ti合金または
Mo−W合金を用いて形成したデータ線を有するアクテ
ィブマトリクス型液晶表示装置である。ここで用いられ
ているTFTは、前述の具体例に適用したチャネル部を
エッチングするバックチャネルカットタイプのTFTの
代わりに、チャネル上に絶縁膜のストッパを設ける構造
のTFTを用いたものである。また、蓄積容量部分はゲ
ート電極と同一層の配線、およびデータ配線と同一層の
配線により形成されている。
1上に上記配線金属でゲート電極42、アドレス配線、
およびCs線49aを同時形成し、層間絶縁膜43、a
−Si活性層44、チャネル保護膜50、n+ a−Si
層45a,45bを順次形成し、パターニングする。次
いで、上記配線金属でソース電極46a、ドレイン電極
46b、データ線、およびCs線49bを同時形成す
る。次に、酸化膜47を形成し、ドレイン電極46b上
にコンタクトホールを形成し、さらに、画素電極48を
形成する。具体例4においては、前述の具体例1におけ
る効果および具体例3における両方の効果を得ることが
できる。
明してきた各具体例に限定されるものではなく、半導体
材料としては、a−Siに限らず、p−Si、CdSe
を用いてもよい。また、データ線上に形成する絶縁膜
は、酸化膜に限らず窒化膜でもよい。
金は、各具体例のように単層で使用してもよく、組成の
異なる合金による2層以上の積層膜、例えば表面酸化を
防止するために、MoおよびWを主成分とし窒素を含有
する合金からなる膜をMo−W合金からなる膜の上に形
成した積層膜を用いてもよい。また、前述のMo−W合
金の表面、すなわち上層にTa、Ta−N、Ta−M
o、Ta−Nb、Ta−W、Ta−Nb−N、Ta−M
o−N、Ta−W−N合金またはこれらの間の合金等の
金属を積層して、耐酸性を向上させてもよい。さらに、
前述のMo−W合金の下層にAl、Cu、Au等を形成
して抵抗をさらに下げてもよい。また、本発明は上述し
た各実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で、種々変形して実施することができる。
成の重要性について説明する。配線抵抗は、TFTを用
いた液晶表示装置において、画面が大型になり、高精細
になるにしたがい、低抵抗であることが必要になる。例
えば、パソコン用のディスプレイ(VGA)では、配線
が480×(640×3)であり、上級パソコン用ディ
スプレイ(XGA)では、配線が760×(1024×
3)である。この場合、配線抵抗は、ゲートパルスの遅
延を防止するために低抵抗である必要がある。パルス遅
延は、配線抵抗Rと配線に付加しているTFTや蓄積容
量の容量Cとの積CRにより決定される。画面が大型化
すると、配線が長くなるため必然的にRが増大してCR
が大きくなる。また、画素数が増えると、C(C=C0
×n、C0 :単位画素の容量、n:画素数)が増加する
ためCRが大きくなる。Cは画素により決まるので、パ
ルス遅延を防止するためにはRを下げる必要がある。
上の画面サイズでの通常の設計においては、VGAは4
0μΩ・cm、XGAは20μΩ・cm以下の抵抗率が必要
である。このため、VGAの配線材料には、抵抗率が4
0μΩ・cm程度のMoTaやCrを使用することができ
る。しかし、XGAでは、MoTaやCrを使用するこ
とができない。このため、XGAでは、通常図11に示
すような構造、すなわち低抵抗のAlの表面を耐酸性の
良好であるTaを被覆した構造を採用する。このような
複雑な構造を採るのは、Alは抵抗率が4μΩ・cm程度
と低いが、耐酸性が悪くAlエッチャントやITOエッ
チャントで侵されるからである。
め、コストアップになるだけでなく、内部のAlが侵さ
れて線欠陥や点欠陥を発生したりする。これらの欠陥
は、ゴミによるTaのピンホールがある場合、露出した
ベアAl配線の浸食が避けられないので、回避すること
ができない。Alの代わりにCuやMoを使用しても同
様の欠陥が発生する。さらに、Al膜およびTa膜を積
層するため、膜厚が厚くなり、これと交差する信号線の
カバレッジが悪くなり、負荷が加わり断線が発生したり
する。その結果、このような不良は回避しにくく、歩留
りが低下する。このように、上記具体例に示したような
構成でMo−W合金を用いることにより、単層でXGA
レベルの配線抵抗を実現できる。
と、Mo−W単層の場合よりも膜質が劣化することが分
った。MoW/SiOxの膜構成と、MoW/Alの膜
構成との違いについて説明する。両膜構成のサンプルに
ついて、抵抗値、柱状構造のドメインの大きさ、および
界面の反応物について調べた。その結果、MoW/Al
の膜構成のMoWの抵抗は、MoW/SiOxの膜構成
のMoWの抵抗の4〜10%抵抗値が大きかった。ま
た、MoWの柱状構造のドメインの大きさは、FE−S
EMにより観察したところ、MoW/SiOxの膜構成
の方がドメインが大きかった。これは、Mo−W合金か
らなる膜の抵抗値が下地の膜の材料の粒径に大きく影響
されるからであると考えられ、Al上のMoWの結晶性
が悪いことを意味する。
H2 O2 浸漬によりMoW膜を剥離すると、Al表面に
(MOx、Al2 (MO4 )3 、M:Mo,W)のよう
な成分が確認され、MoWとAlが界面で反応している
ことが分った。MoWとAlは合金化により抵抗が増加
するため、積層するよりもMoW単層で用いる方が有効
である。このように、MoWを単層で用いる本発明の構
成の液晶表示装置が優れた効果を有することが分る。 (実施例2)図12は、本発明の実施例に係る液晶表示
装置に用いられるTFT(スイッチング素子)および蓄
積容量部分の断面図である。このTFTおよび蓄積容量
部分の構成およびプロセスについて説明する。
えばSiO2 膜をスパッタリングやCVD等により形成
し、Mo−W合金を厚さ300nmでスパッタリングして
パターニングすることにより、ゲート電極(制御電極)
52、アドレス配線、およびCs線59を同時に形成す
る。次いで、プラズマCVDにより酸化膜53を厚さ3
50nmで、a−Si活性層を厚さ300nmで、n+ a−
Si層55a,55bを厚さ50nmで順次形成してパタ
ーニングして、島状のa−Si活性層54を形成する。
次に、ITOを厚さ120nmでスパッタリングしてパタ
ーニングすることにより画素電極58を形成する。次い
で、コンタクト部のSiOxを希HFでエッチングして
コンタクトホールを形成する。次いで、Al等の所定の
配線金属をスパッタリングし、ウェットエッチングする
ことにより、ソース電極(第1の主電極)56a,ドレ
イン電極(第2の主電極)56bおよびデータ配線を同
時に形成する。
ドレス配線は、CF4 とO2 との混合ガスを用いてCD
Eにより加工するが、ガラス基板51とアドレス配線と
の間にSiO2 膜を介在させることにより、テーパー加
工を良好に行うことができる。このようにしてテーパー
加工した断面を図13に示す。図13から明らかなよう
に、アドレス配線上に形成した層間絶縁膜のステップカ
バレッジが良好となり、絶縁耐圧を高く確保することが
できる。さらに、アドレス配線−データ配線間の短絡を
防止でき、データ配線の断線を防止することができる。
したがって、表示領域を大きくした場合であっても、信
頼性のある液晶表示装置を実現することができる。な
お、大面積のディスプレイでなくてもアドレス配線の抵
抗率が低くなるので、配線幅を細くすることができ、こ
れにより、開口率を上げることができる。
膜との間にSiO2 膜が介在されている場合と、ガラス
基板上に直接Mo−W合金膜が形成されている場合のC
DEエッチング後の状態をXPS分析した結果を示す。
第1表から分るように、ガラス基板上に直接Mo−W合
金膜を形成したものには、ガラス中のBaが存在してい
る。この結果から、基板材料として使用しているガラス
中の成分と、WまたはMoとの反応生成物によりレジス
トのエッチングが阻害され、テーパーエッチングが規制
されると考えられる。このように、ガラス基板とMo−
W合金膜との間にSiO2 膜を介在させることにより、
この反応を防止して良好なテーパー加工を施すことがで
きる。なお、上述したように、Mo−W合金の組成でW
の組成比が20〜90原子%以内の範囲で良好にテーパ
ー加工をすることができることは確認されている。
加工に悪影響を及ぼすので、BaだけでなくCaやSr
も同様にテーパー加工に悪影響を及ぼす。なお、ガラス
基板とMo−W合金膜との間に介在させる膜は、Ba、
Ca、Sr等の元素を含んでいなければよく、SiO2
膜の代りにSiN、Ta2 O5 膜、Al2 O3 膜を用い
てもよい。
り、各層の厚みや成膜方法等は適宜変更して実施するこ
とができる。その場合にあっても、具体例3と同様の効
果が得られる。また、TFTには他の構造のもの、例え
ば、チャネル上に絶縁膜のストッパを設ける構造のTF
Tや、蓄積容量部分はゲート電極と同一層の配線、およ
び、データ配線と同一層の配線とにより形成さる構造の
TFTを採用してもよい。
してきたものに限定されるものではなく、半導体材料と
しては、a−Siに限らず、p−Si、CdSeを用い
てもよい。また、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変
形して実施することができる。 (実施例3)TFTを用いた液晶表示装置においては、
電極材料としてITOが用いられているので、配線材料
とITOとのコンタクトにおいていくつか問題がある。
まず、配線とITOが接触すると、配線材料がITOに
より酸化されて高抵抗のバリアが形成され、これにより
コンタクト不良が起こる。これは、酸化膜が高抵抗であ
るAl系やTa系の合金材料で顕著である。このため、
ITOと配線材料との間の反応を防止するために、両者
の間にバリアメタルを形成することが必要である。ま
た、配線表面に酸化膜が形成されるので、上層の金属配
線とのコンタクト抵抗が高くなる。このため、配線表面
の酸化膜を除去する必要がある。したがって、製造にお
いて工程が増加するという問題がある。
層とのコンタクトにおいて、反応により配線金属がa−
Si、p−Si中に拡散してコンタクト部のn−iまた
はp−iの接合特性を劣化し、キャリアに対するブロッ
キング作用を低下させる問題がある。これは、ソース/
ドレイン電極材料としてAlを用いた場合に特に顕著で
ある。これを防止するためには、やはりバリアメタルを
形成する必要があり、製造において工程が増加してしま
う。
記実施例の効果を有し、しかも信号線材料とITO、お
よび信号線材料とn+ a−Siとの間に設けられている
バリアメタルを必要とせず、さらにITO等のエッチャ
ントに侵されない信号線を有する液晶表示装置を提供で
きる。
施例に係る液晶表示装置の一例に用いられるTFT(ス
イッチング素子)および蓄積容量部分の断面図である。
また、図14は、駆動回路とのコンタクト部分の断面を
示す。このTFTおよび蓄積容量部分の構成およびプロ
セスについて説明する。ガラス基板61上に、Mo−W
合金を厚さ300nmでスパッタリングしてCDEするこ
とによりゲート電極(制御電極)62、アドレス配線、
Cs線69、およびコンタクトパッド部80を同時に形
成する。次いで、プラズマCVDまたは常圧CVDによ
り酸化膜63を厚さ350nmで、プラズマCVDにより
SiNx膜63を厚さ500オングストロームで、a−
Si活性層を厚さ50nmで、ストッパSiNx膜70を
厚さ300nmで順次形成する。次に、ストッパSiNx
膜70を希HFでエッチングした後に、n+ a−Si層
65a,65bを厚さ50nmで形成し、CDEにより島
状のa−Si活性層64を形成する。次いで、コンタク
ト部のSiNx膜を希HFでエッチングしてコンタクト
ホールを形成する。
ッタリングし、Mo−W合金またはMo−Cr合金67
を厚さ300nmでスパッタリングする。次いで、ウェッ
トエッチングまたはCF4 +O2 混合ガスを用いたドラ
イエッチングによりMo−W合金をテーパーエッチング
し、ITOエッチャントである希王水によりITOをエ
ッチングして画素電極68、信号線、ソース電極(第1
の主電極)66a,67a、ドレイン電極(第2の主電
極)66b,67b、データ配線、およびコンタクト部
電極81を形成する。次いで、パッシベーションSiN
x膜71をプラズマCVDにより形成した後に、画素部
とパッド部のSiNxおよびMo−W合金をRIEまた
はCDEによりエッチングする。このように、信号線と
ITO画素68を同一のパターンで形成することによ
り、フォトエッチングプロセスを1工程減らすことがで
きる。また、本実施例は、Mo−W合金の代わりにMo
−Cr合金を用いても同様に形成することができる。
o−Cr)/ITO多層配線を用いており、コンタクト
パッド部においてゲート線とITOが接触する。Mo−
W合金またはMo−Cr合金は、Ta系合金、Al、C
r等と異なり、その酸化膜の抵抗が小さいため、コンタ
クト抵抗が増大しない。したがって、ゲート配線上にM
o−W合金またはMo−Cr合金の酸化膜が形成される
が、この酸化膜を除去しなくてもコンタクト特性は良好
である。具体的には、このような構成において、コンタ
クト抵抗を含んだ配線抵抗の増大は1%以下であり、ま
ったく問題にならなかった。また、TFT特性のId−
Vd特性は良好な立上がりを示し、良好なオーミック特
性が得られ、Mo−W(Mo−Cr)配線とn+ a−S
i層の間に良好なコンタクトが得られていることが分っ
た。
に示す。図15には、雰囲気ガスがO2 、N2 の不純物
の多いガスであるバッチ式で製造する場合と、背圧の低
いロードロック式のスパッタリング装置を用いて製造す
る場合について示す。バッチ式のスパッタリング装置を
使用すると、チャンバ表面にH2 O、O2 、N2 が付着
し、スパッタリングされたMo−W膜中へのO、Nの混
入が避けられない。図15から分るように、バッチ式の
場合には、Mo−W合金のW含有率が好ましくは10〜
95原子%の範囲、より好ましくは20〜90原子%の
範囲において、Mo−W合金の抵抗率が40μΩ・cmを
大きく下回り、MoまたはW単体よりも抵抗が下がる。
この範囲では、バッチ式およびロードロック式で同等の
抵抗率を示すので、装置価格が安く、短いタクトタイム
で生産できるバッチ式を採用することができる。
スクで形成できるため、マスク合わせのためのマージン
が必要なくなり、これにより開口率が増大する。ここ
で、上述した製造工程は1つの例であり、各層の厚みや
成膜方法等は適宜変更して実施することができる。その
場合にあっても、具体例5と同様の効果が得られる。ま
た、TFTには他の構造のもの、例えば、チャネル上に
絶縁膜のストッパを設けないで信号線をマスクとしてn
+ a−Siをエッチングして形成するバックチャネル型
のTFTや、蓄積容量部分はゲート電極と同一層の配
線、およびデータ配線と同一層の配線とにより形成され
る構造のTFTを採用してもよい。
i活性層を信号線上に形成してなる構造を用いても同様
の効果が得られる。すなわち、具体例5と同様にゲート
電極をMo−W合金で形成した後に、プラズマCVDに
よりSiOxを厚さ350nmで、SiNxを厚さ50nm
で形成し、希HFを用いてエッチングしてコンタクトホ
ールを形成する。次いで、スパッタリングによりITO
およびMo−W合金を順次形成し、その後プラズマCV
Dによりn+ a−Si層を厚さ50nmで形成する。次い
で、n+ a−Si層およびITOをCDEによりエッチ
ングし、さらにITOを希王水によりエッチングして画
素電極、信号線、ソース電極(第1の主電極)、ドレイ
ン電極(第2の主電極)、およびデータ配線を形成す
る。Mo−W合金は熱CVDにより形成してもよい。ま
た、n+ a−Si層はSiH4 /PH3 およびH2 の間
欠プラズマによりMo−W/ITO上に選択的に形成し
てもよい。
ラズマCVDにより形成した後に、画素部のa−Si/
n+ a−Si/Mo−WをRIEでエッチングしてTF
Tアレイを作製する。
がITOと接触し、信号線金属がITOと接触するがオ
ーミック特性に問題はなかった。 (具体例7)図16は、本発明の第3の実施例に係る液
晶表示装置の他の例に用いられるTFTおよび蓄積容量
部分の断面図である。このTFTおよび蓄積容量部分の
構成およびプロセスについて説明する。ガラス基板81
上に、p−Si84を厚さ100nmで、ゲート酸化膜8
3を厚さ100nmで順次形成し、その上にMo−Ta合
金からなるゲート電極82を形成する。次いで、これに
ゲート電極82をマスクとしてリンを1×1016cm-3で
注入し、ソース/ドレイン部にn+ p−Si層85a,
85bを形成する。次いで、具体例5に示すように、島
状のa−Si活性層を形成し、熱CVDにより層間絶縁
膜89を厚さ300nmで形成する。
リングしてパターニングすることにより画素電極88を
形成する。次いで、コンタクト部およびゲート部の層間
絶縁膜(SiOx)を希HFでエッチングしてコンタク
トホールを形成する。次いで、スパッタリングによりM
o−W合金を厚さ300nmで形成してパターニングする
ことにより、信号線、ソース電極(第1の主電極)86
a、およびドレイン電極(第2の主電極)86bを形成
する。次いで、パッシベーションSiNx膜87をプラ
ズマCVDにより形成した後に、画素、周辺回路接続部
をRIEでエッチングしてTFTアレイを作製する。
ため、ITOやn+ p−Siとの間にMo等の高融点金
属のバリアメタルが必要であったが、信号線金属として
Mo−W合金を用いることにより、バリアメタルが不要
となり、それにより工程を削減することができた。な
お、Mo−W合金の代りにMo−Cr合金を用いても同
様の効果が得られた。
り、各層の厚みや成膜方法等は適宜変更して実施するこ
とが可能である。その場合にあっても、本実施例と同様
の効果が得られる。また、TFTには他の構造のもの、
例えば、チャネル上に絶縁膜のストッパを設ける構造の
TFTや、蓄積容量部分がゲート電極と同一層の配線、
およびデータ配線と同一層の配線により形成さる構造の
TFTを採用してもよい。 また、半導体材料として、
a−Siの代りにp−SiやCdSeを用いてもよく、
データ配線上に形成する絶縁膜として、酸化膜の代りに
窒化膜を用いてもよい。また、本実施例において使用さ
れている合金からなる層は、単層であってもよく、組成
の異なる少なくとも2層の積層膜であってもよい。さら
に、前記合金層の上層にTa、TaN等からなる層を形
成して耐酸性を向上させてもよく、合金層の下層にA
l、Cu等からなる層を形成してさらに抵抗を下げても
よい。また、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形し
て実施することができる。
抵抗率を有するMo−W合金やMo−Cr合金を用いて
形成したアドレス配線やゲート配線は、ITOとの接触
により酸化しても高抵抗のバリアを形成しないため、ま
たn+ a−Siやp−Siと反応しないためバリアメタ
ルを必要とせず工程が簡略化できる。 (実施例4)液晶表示装置においては、画像表示のため
に対向基板にブラックマトリクスを形成している。この
ブラックマトリクスは、TFTに入射する外部の光を遮
蔽し、外部の光によるTFTの特性異常を防止する。ブ
ラックマトリクスの材料としては、一般に光を透過しな
いCr等が用いられている。しかしながら、これらの材
料は、光の反射率が高く、画像表示面での外部からの光
を反射する。この外部からの光は、画像表示面の表示品
質を著しく低下させる。そこで、本実施例は、ゲートパ
ルスの遅延がなく、アドレス配線に関して高い絶縁耐圧
を有するとともに、ブラックマトリクスによる画像表示
面での外部の光の反射を低減する高品位の液晶表示装置
を提供する。
晶表示装置を示す断面図である。図中90はガラス基板
を示す。ガラス基板90上には、その上に形成されたア
ドレス配線から延伸してなるゲート電極91aが形成さ
れている。ゲート電極91a上には、絶縁膜97を介し
て半導体層94、ストッパー層95が形成されており、
それぞれパターニングされている。さらに、その上に
は、ドレイン電極93aおよびソース電極93bが形成
されている。このようにしてTFTが構成されており、
このTFTのソース電極93bには、画素電極96が接
続されている。このようにして液晶駆動回路基板が構成
されている。画素電極96の材料としては、ITOやS
nO2 等からなる透明導電膜を用いることができる。
ィルター99およびMo−W合金からなるブラックマト
リクス100を形成し、その上に対向電極101を形成
することにより作製されている。この液晶駆動回路基板
および対向基板を図17に示すように対向させ、両者の
間に液晶材料102を挟持させることにより液晶表示装
置が構成される。
測定結果を示すグラフである。図18から分るように、
Mo−W合金は全組成にわたって従来ブラックマトリク
ス材料として用いられているCrに対して低い反射率を
示す。
は、対向基板に形成されたブラックマトリクス100の
材料が反射率が低いMo−W合金であるので、画像表示
面での外部からの光の反射を低減することができる。こ
れにより、高品位の表示品質を実現することができる。
なお、TFTに入射する光を遮蔽する効果はCrと同程
度である。
晶表示装置の駆動回路基板の平面図である。ガラス基板
90上には、一端にMo−W合金からなるアドレス電極
パッド103を有する複数のアドレス配線91と、これ
らの複数のアドレス配線91と交差し、その一端にMo
−W合金からなるデータ電極パッド106を有する複数
のデータ配線92が形成されている。なお、アドレス配
線91とデータ配線92との交差部分では、アドレス配
線91とデータ配線92との間に絶縁膜が形成されてい
る。この交差部分の近傍には、スイッチング素子として
TFT107が形成されており、その一方の電極には、
アドレス配線91とデータ配線92により囲まれた画素
領域に形成された画素電極96が接続されている。ま
た、アドレス電極パッド103の領域は、アドレス電極
105およびコンタクトホール104を包含する広さを
有している。
レス電極パッド103およびデータ電極パッド106が
Mo−W合金により形成されているので、例えば、CO
G(Chip On Glass )実装の際に、これらの電極パッド
と映像信号用ICとの間の接合力が向上し、高い信頼性
が得られる。
トリクス100が発揮する効果は、液晶駆動回路基板側
に形成されたブラックマトリクス108も当然発揮す
る。また、Mo−W合金は反射率が低いので、データ配
線の材料に用いてもよい。
は、ブラックマトリクス材料としてMo−W合金を用い
ることにより、画像表示面での外部からの光の反射を低
減し、高品位の表示品質を実現することができる。ま
た、アドレス電極パッドおよびデータ電極パッドをMo
−W合金で形成することにより、例えばCOG実装にお
けるICとの接合の信頼性を高めることができる。な
お、上記実施例1〜4は適宜組み合わせて実施すること
ができる。
によれば、低抵抗率を有するMo−W合金やMo−Cr
合金を用いて形成したアドレス配線は低い抵抗を示し、
ゲートパルスにはこの配線抵抗に起因する遅延が生じな
いので、液晶を駆動するための所定のスイッチング素子
には遅延のないゲートパルスを与えることができる。そ
の際、テーパー加工が可能なMo−W合金やMo−Cr
合金を用いて形成したアドレス配線上に成膜する層間絶
縁膜のステップカバレッジが良くなり、層間絶縁膜上に
形成される他の配線とこのアドレス配線との間には高い
絶縁耐圧を確保することができる。したがって、表示領
域を大面積化した場合にあっても、信頼性のある液晶表
示装置を実現することが可能となる。また、大面積のデ
ィスプレイでなくても、アドレス配線の抵抗率が低くな
ると、配線幅を細くできるために開口率を上げることが
できるという利点がある。
一例に用いられるTFTおよび蓄積容量部分の断面図。
すグラフ。
ングレートとW含有率との関係を示すグラフ。
グラフ。
グラフ。
他の例に用いられるTFTおよび蓄積容量部分の断面
図。
他の例に用いられるTFTおよび蓄積容量部分の断面
図。
チングレートとTi含有率との関係を示すグラフ。
有量とテーパー加工性との関係を説明するためのグラ
フ。
他の例に用いられるTFTおよび蓄積容量部分の断面
図。
図。
示す断面図。
加工を施した状態を示す断面図。
一例に用いられるTFTおよび蓄積容量部分の断面図。
示すグラフ。
他の例に用いられるTFTおよび蓄積容量部分の断面
図。
示す断面図。
示すグラフ。
駆動回路基板の平面図。
び蓄積容量部分の断面図。
2,22,32,52,82,91a…ゲート電極、1
3,47,53,63…酸化膜、14,24,34,6
4…島状のa−Si活性層、15a,15b,25a,
25b,35a,35b,45a,45b,55a,5
5b,65a,65b…n+ a−Si層、16a,26
a,36a,46a,56a,66a,67a,86
a,93b…ソース電極、16b,26b,36b,4
6b,56b,66b,67b,86b,93a…ドレ
イン電極、18,28,38,48,58,68,8
8,96…画素電極、19,29,39,49a,5
9,69…Cs線、20…コンタクト部、23,33…
シリコン酸化膜またはシリコン窒化膜、43,89…層
間絶縁膜、50…チャネル保護膜、57,97…絶縁
膜、66…ITO、67…Mo−W合金またはMo−C
r合金、70…ストッパSiNx膜、80…コンタクト
パッド部、81…コンタクト部電極、84…p−Si、
85a,85b…n+p−Si層、87…パッシベーシ
ョンSiNx膜,91…アドレス配線、92…データ配
線、94…半導体層、95…ストッパー層、99…カラ
ーフィルター、100,108…ブラックマトリクス、
101…対向電極、102…液晶材料、103…アドレ
ス電極パッド、104…コンタクトホール、105…ア
ドレス電極、106…データ電極パッド、107…TF
T。
Claims (4)
- 【請求項1】絶縁性基板上にMo−W合金の単層で形成
された複数のアドレス配線と、 前記アドレス配線に絶縁膜を介して交差部を形成する複
数のデータ配線と、 前記交差部毎に配置された複数の画素電極を有する表示
領域と、 前記交差部に隣接して配置され、前記アドレス配線に電
気的に接続された制御電極、前記データ配線に電気的に
接続された第1の主電極、並びに前記画素電極に電気的
に接続された第2の主電極を有する複数のスイッチング
素子と、を具備することを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】W含有量が30〜70原子%であるMo−
W合金からなる複数のアドレス配線と、 前記アドレス配線に絶縁膜を介して交差部を形成する複
数のデータ配線と、 前記交差部毎に配置された複数の画素電極を有する表示
領域と、 前記交差部に隣接して配置され、前記アドレス配線に電
気的に接続された制御電極、前記データ配線に電気的に
接続された第1の主電極、並びに前記画素電極に電気的
に接続された第2の主電極を有する複数のスイッチング
素子と、を具備することを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項3】絶縁性基板上にMo−W合金の単層で形成
された複数のデータ配線と、 前記データ配線に絶縁膜を介して交差部を形成する複数
のアドレス配線と、 前記交差部毎に配置された複数の画素電極を有する表示
領域と、 前記交差部に隣接して配置され、前記アドレス配線に電
気的に接続された制御電極、前記データ配線に電気的に
接続された第1の主電極、並びに前記画素電極に電気的
に接続された第2の主電極を有する複数のスイッチング
素子と、を具備することを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項4】Mo−W合金を用いて形成された複数のデ
ータ配線と、 前記データ配線に絶縁膜を介して交差部を形成する複数
のアドレス配線と、 前記交差部毎に配置された透明導電膜の複数の画素電極
を有する表示領域と、 前記交差部に隣接して配置され、前記アドレス配線に電
気的に接続された制御電極、前記データ配線に電気的に
接続された第1の主電極、並びに前記画素電極に電気的
に接続され、かつMo−W合金からなる第2の主電極を
有する複数のスイッチング素子と、を具備することを特
徴とする液晶表示装置。
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